JP2000274201A - タービン動翼 - Google Patents

タービン動翼

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JP2000274201A
JP2000274201A JP11082435A JP8243599A JP2000274201A JP 2000274201 A JP2000274201 A JP 2000274201A JP 11082435 A JP11082435 A JP 11082435A JP 8243599 A JP8243599 A JP 8243599A JP 2000274201 A JP2000274201 A JP 2000274201A
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turbine
disk
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implant
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JP11082435A
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Kenichi Okuno
研一 奥野
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Original Assignee
Toshiba Corp
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    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01DNON-POSITIVE DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, e.g. STEAM TURBINES
    • F01D5/00Blades; Blade-carrying members; Heating, heat-insulating, cooling or antivibration means on the blades or the members
    • F01D5/12Blades
    • F01D5/22Blade-to-blade connections, e.g. for damping vibrations
    • F01D5/225Blade-to-blade connections, e.g. for damping vibrations by shrouding

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】運転中に発生する遠心力や蒸気の衝撃に対し、
余裕をもって抗することのできる長翼としてのタービン
動翼を提供する。 【解決手段】本発明に係るタービン動翼は、翼植込み部
10をタービンディスク8の周方向に向って突状の湾曲
面に形成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低圧タービンの最
終段落に適用されるタービン動翼に係り、特に単機あた
りの出力増加の際、翼植込み部等に改良を加えて運転中
に発生する振動に充分に対応できるように図ったタービ
ン動翼に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の蒸気タービンは、単機あたりの高
出力化、全長スパンの短縮化等の相反する機能を同時に
満す研究開発が行われている。単機あたりの高出力化、
全長スパンの短縮化を同時に満すには、低圧タービンの
最終段落に設けたタービン動翼の環状面積(蒸気がター
ビン動翼の翼列を通過する全開口面積)を増加させるこ
とが必要不可欠とされている。
【0003】この環状面積と単機あたりの出力増加と
は、例えば回転数3000rpm、タンデムコンパウン
ド、低圧タービンが複流(対向流)形式の蒸気タービン
の場合、図9に示すように、1フローあたりの環状面積
と出力との関係がおおむね比例関係になっており、単機
あたりの出力を設定すれば、必要な環状面積が容易に求
めることができるようになっている。
【0004】ところで、火力発電プラントでは、従来か
ら出力350MW〜1000MWの数多くの蒸気タービ
ンを作製してきたが、配管・弁等のスケールメリット、
設備・建設費の効果的回収率等を総合的に勘案すると、
出力600MW〜700MWの蒸気タービンが最も経済
的な運転ができるとされている。
【0005】しかし、出力600MW〜700MWの蒸
気タービンが最も経済的な運転ができるとは言え、その
軸配置は、タンデムコンパウンドを例に採った場合、図
8に示すように、高圧タービン1および中圧タービン2
に、2台の複流タイプの低圧タービン3,4を設置し、
各タービンをパワートレイン状(各タービンを列車状に
連結)に軸直結させているため、全長のスパンが約36
m以上にも及び、広い設置面積の確保を必要としてい
た。
【0006】ところが、タービン技術の進展に伴って最
近の火力発電プラントでは、低圧タービンの最終段落に
設けられるタービン動翼の長翼が開発され、その環状面
積を11mにすることができ、単機あたりの出力が増
加できるようになった。
【0007】また、タービン動翼の長翼の開発により、
火力発電プラントでは、高圧タービン1および中圧ター
ビン2に、1台だけの低圧タービン3がパワートレイン
状に軸直結できるようになり、全長のスパンを短くさせ
ることが可能になっている。
【発明が解決しようとする課題】最近の火力発電プラン
トでは、出力600MW、回転数3000rpm、高圧
タービン1台、中圧タービン1台、低圧タービン1台を
互いに軸直結させたタンデムコンパウンドであっても、
低圧タービンの最終段落に設けたタービン動翼の環状面
積が11.5mを超える蒸気タービンを必要とする場
合がある。
【0008】このように、広い環状面積を必要とする蒸
気タービンを運転する場合、幾つかの問題がある。
【0009】従来、低圧タービンの最終段落に長翼を採
用したタービン動翼は、翼材として例えば12Cr鋼に
代えて比重が軽く、遠心力の発生が比較的低いチタン材
を適用した例もある。
【0010】しかし、チタン材は、12Cr鋼に較べて
切り欠き感受性が強く(クラックの進展度合が速い)、
また価格的に高価である点からして信頼性の高い経済的
な運転を求める場合、一抹の不安が残る。
【0011】また、低圧タービンの最終段落に、例えば
40インチ以上のタービン動翼を適用する場合、蒸気タ
ービンは排気損失が低くなり、タービン段落効率を向上
させるものの、その作製コストが高く経済的な運転を難
しくさせている。
【0012】また、低圧タービンの最終段落に、長翼の
タービン動翼の採用を難しくさせているのは、遠心応力
と振動応力との二つの制約があるからとされている。す
なわち、低圧タービンの最終段落に設けたタービン動翼
の環状面積を大きくするには、タービン動翼の翼長を長
くするか、あるいは翼根元部の直径を大きくするかのい
ずれかである。翼長を長くするにしろ、翼根元部の直径
を大きくするにしろ、いずれの場合も、翼有効部、翼植
込み部、タービン軸の中心孔(ボア部)に加わる遠心力
が大きくなり、各部の材料強度許容値を超えるおそれが
ある。
【0013】また、低圧タービンの最終段落に、長翼の
タービン動翼を採用する場合、振動問題がある。長翼の
タービン動翼は、タービン軸の不測の不規則な回転軌跡
や蒸気の流速変動、不均一流れ等に基づいて振動が発生
するが、翼長が長いほど、また蒸気の流量が多いほど振
動が大きくなり、振動を低く抑えることが難しくなって
いる。
【0014】このように、従来の火力発電プラントで
は、蒸気タービンの単機あたりの出力増加と全長スパン
の短縮化に対応させるために、低圧タービンの最終段落
に長翼のタービン動翼を採用して環状面積を大きくしよ
うとしても、上述遠心応力、振動応力等多くの制約があ
り、たとえ経済的運転に良好な出力600MW、低圧タ
ービンタービン1台のタンデムコンパウンドであっても
その実現を難しくさせていた。
【0015】本発明は、このような事情に基づいてなさ
れたもので、蒸気タービンの単機あたりの出力増加と全
長スパンの短縮化とを同時に満たすために、低圧タービ
ンの最終段落に長翼を採用する場合、材料強度を保証し
て安定運転ができるようにしたタービン動翼を提供する
ことを目的とする。
【0016】具体的には、回転数3000rpm以上、
低圧タービンの最終段落の環状面積が11.5mを超
えても安定した運転が行えるタービン動翼を提供するこ
とを目的とする。
【0017】さらにまた、高圧タービン、中圧タービ
ン、低圧タービンの各タービン部を1台にして互いに軸
直結させたタンデムコンパウンドの蒸気タービンのう
ち、出力が600〜700MWにも長翼が採用できるよ
うにしたタービン動翼を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係るタービン動
翼は、上記目的を達成するために、請求項1に記載した
ように、翼有効部の翼チップ部に、一体削り出しの前縁
スナッバカバーと後縁スナッバカバーとを備え、翼有効
部の中間部分にスリーブを介装してラグ部を備え、翼有
効部の翼ルート部に設けられ、タービンディスクの植込
み溝に嵌装させる翼植込み部を備えたタービン動翼にお
いて、上記翼植込み部を上記タービンディスクの周方向
に向って突状の湾曲面に形成したものである。
【0019】また、本発明に係るタービン動翼は、上記
目的を達成するために、請求項2に記載したように、翼
有効部の翼チップ部に、一体削り出しの前縁スナッバカ
バーと後縁スナッバカバーとを備え、翼有効部の中間部
分にスリーブを介装してラグ部を備え、翼有効部の翼ル
ート部に設けられ、タービンディスクの植込み溝に嵌装
させる翼植込み部を備えたタービン動翼において、上記
翼植込み部を上記タービンディスクの周方向に向って突
状の湾曲面に形成する一方、上記タービンディスクのデ
ィスク中心線からディスク前縁列に向って距離を離して
植込み溝中心点を定め、この植込み溝中心点からの植込
み溝中心半径と上記ディスク前縁列との交点を通る接線
と上記ディスク前縁列との植込み部前縁角をαとし、上
記植込み溝中心半径と上記タービンディスクのディスク
後縁列との交点を通る接線と上記ディスク後縁列との植
込み部後縁角をβとし、上記植込み溝中心半径と上記デ
ィスク前縁列との交点と、上記植込み溝中心半径と上記
ディスク後縁列との交点とを結ぶ植込み溝スタッガ線と
軸方向線との植込み溝スタッガ角をγとするとき、植込
み部前縁角α、植込み部後縁角β、植込み溝スタッガ角
γとのそれぞれの関係式が、
【数3】α+β−γ ≧ 90° の範囲になるように、上記タービンディスクに植込み溝
を形成したものである。
【0020】また、本発明に係るタービン動翼は、上記
目的を達成するために、請求項3に記載したように、翼
有効部の翼チップ部に、一体削り出しの前縁スナッバカ
バーと後縁スナッバカバーとを備え、翼有効部の中間部
分にスリーブを介装してラグ部を備え、翼有効部の翼ル
ート部に設けられ、タービンディスクの植込み溝に嵌装
させる翼植込み部を備えたタービン動翼において、上記
翼植込み部を上記タービンディスクの周方向に向って突
状の湾曲面に形成する一方、上記タービンディスクのデ
ィスク中心線からディスク前縁列に向って距離を離して
植込み溝中心点を定め、この植込み溝中心点からの植込
み溝中心半径の上記ディスク中心線と平行な位置と、上
記植込み溝中心半径とディスク後縁列との交点の距離を
DRとし、上記タービンディスクの幅をWとし、距離
・ディスク幅比をRD=DR/W とするとき、距離・
ディスク幅比RDを、
【数4】RD ≦ 0.3 の範囲に設定したものである。
【0021】また、本発明に係るタービン動翼は、上記
目的を達成するために、請求項4に記載したように、翼
有効部の翼チップ部に、一体削り出しの前縁スナッバカ
バーと後縁スナッバカバーとを備え、翼有効部の中間部
分にスリーブを介装してラグ部を備え、翼有効部の翼ル
ート部に設けられ、タービンディスクの植込み溝に嵌装
させる翼植込み部を備えたタービン動翼において、上記
前縁スナッバカバーを上記翼有効部の後縁側に向って延
ばして背側に接続させるとともに、上記後縁スナッバカ
バーを上記翼有効部の前縁側に向って延ばして腹側に接
続させ、上記背側の接続点および上記腹側の接続点を互
いにラップさせたものである。
【0022】また、本発明に係るタービン動翼は、上記
目的を達成するために、請求項5に記載したように、翼
有効部の翼チップ部に、一体削り出しの前縁スナッバカ
バーと後縁スナッバカバーとを備え、翼有効部の中間部
分にスリーブを介装してラグ部を備え、翼有効部の翼ル
ート部に設けられ、タービンディスクの植込み溝に嵌装
させる翼植込み部を備えたタービン動翼において、上記
翼植込み部を上記タービンディスクの周方向に向って突
状の湾曲面に形成する一方、上記翼有効部の翼断面をコ
ード長で除した翼平均厚み比を、上記翼有効部の翼チッ
プ部で2.0%〜3.0%の範囲に設定するともとに、
上記翼有効部の翼長平均径で、6.0%〜7.0%の範
囲に設定したものである。
【0023】また、本発明に係るタービン動翼は、上記
目的を達成するために、請求項6に記載したように、請
求項1〜5に記載のタービン動翼を、出力600MW〜
700MW、高圧タービン、中圧タービン、低圧タービ
ンの各1台のタービン部を組み合せたタンデムコンパウ
ンドで、上記低圧タービンの最終段落における環状面積
が11.5m以上のものに適用したものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るタービン動翼
の実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説
明する。なお、本発明に係るタービン動翼は、例えば出
力600MWの高圧タービン、中圧タービン、低圧ター
ビンの各1台のタービン部を組み合せたタンデムコンパ
ウンドであって、低圧タービンの最終段落における環状
面積を11.5m以上にした火力発電プラントを適用
対象としている。
【0025】図1および図2は、本発明に係るタービン
動翼の第1実施形態を示す概略図であり、図1はタービ
ン動翼の出口側から見た斜視図を、図2は図1のA−A
矢視方向から切断した切断断面図をそれぞれ示してい
る。
【0026】本実施形態に係るタービン動翼は、40イ
ンチ以上の翼長であり、蒸気に実質的な仕事をさせる
か、または蒸気の流れを転向させるかする翼有効部5
と、翼有効部5の翼チップ部(翼先端部)6から一体に
削り出されたスナッバカバー7と、タービンディスク8
の周方向に沿って環状列に植設され、翼有効部5の翼ル
ート部(翼根元部)9に一体結合する翼植込み部10と
を備えた構成になっている。
【0027】翼有効部5のうち、一方の翼有効部5aと
隣りの翼有効部5bとは、ともにその中間部分にスリー
ブ11を介装させてラグ部12a,12bを備え、運転
中に発生する振動を低く抑えるようになっている。
【0028】また、一方の翼有効部5aと隣の翼有効部
5bとは、ともに翼ルート部9から翼チップ部6に向
い、蒸気の流線に対応させ翼断面を変化させる翼捩りが
加えられている。
【0029】また、スナッバカバー7のうち、一方の翼
有効部5aの翼チップ部6における前縁13には、外側
に向って突き出た前縁スナッバカバー7aが設けられ、
その後縁14にも前縁スナッバカバー7aと反対側の外
側に向って突き出た後縁スナッバカバー7bが設けられ
ている。
【0030】また、隣の翼有効部5bの翼チップ部6に
おける前縁13および後縁14のそれぞれにも前縁スナ
ッバカバー7aおよび後縁スナッバカバー7bが設けら
れている。
【0031】他方、一方の翼有効部5aの翼ルート部9
における翼植込み部10は、タービンディスク8の周方
向Yに向って突状の湾曲面に形成し、かつ頂部から底部
に向って凹凸状に形成した、いわゆるカーブドエントリ
ークリスマスに形成し、タービンディスク8の軸方向X
に向って挿着させるようになっている。
【0032】また、隣の翼有効部5bの翼ルート部9に
おける翼植込み部10も上述と同様にカーブドエントリ
ークリスマスに形成されている。
【0033】カーブドエントリークリスマスに形成した
翼植込み部10は、図2の矢印ASで示すように、ター
ビンディスク8に設けた植込み溝15のディスク後縁列
DTE側からディスク前縁列DLE側に向って挿着され
るが、その際、遠心力の増加要因となる余肉部分を極々
少なくさせて容易に挿着できることが必要とされる。
【0034】今、タービンディスク8の幅Wのディス
ク中心線DCLからディスク前縁列DLEに向って距離
DRだけ離れた植込み溝中心点をRPとし、この植
込み溝中心点RPから翼腹側植込み溝半径をR、植
込み溝中心半径をR、翼背側植込み溝半径をRSとす
る。また、植込み溝中心半径Rとディスク前縁列DL
Eとの交点Pを通る接線TLとディスク前縁列DL
Eとのなす植込み部前縁角をαとし、植込み溝中心半径
とディスク後縁列DTEとの交点Pを通る接線T
とディスク後縁列DTEとのなす植込み部後縁角を
βとし、交点P ,Pを直線で結ぶ植込み溝スタッガ
線STLと軸方向線(水平方向線)HLLとのなす植込
み角スタッガ角をγとする。
【0035】本実施形態は、植込み溝中心点RPの位
置をディスク中心線DCLから距離DRだけ離す一
方、植込み部前縁角α、植込み部後縁角β、植込み溝ス
タッガ角γのそれぞれの関係を、
【数5】α+β−γ ≧ 90° に設定したものである。
【0036】最近の蒸気タービンでは、タービンノズル
の翼ルート部を絞る一方、タービン動翼の取付角(スタ
ッガ角)を大きくし、蒸気のフローパターンに対し、タ
ービン動翼の前縁を周方向に回転させた、いわゆる上り
配置にし、蒸気の流線に沿わせて翼効率の向上を図って
いる。
【0037】本実施形態は、このような点に着目したも
ので、植込み溝中心半径Rの植込み溝中心点RP
距離DRだけディスク中心線DCLから離し、ディス
ク中心線DCLに平行な植込み溝中心半径Rの位置と
交点Pとの距離DRを大きくし、翼有効部5の前縁1
3を周方向Yに向う上り配置にし、翼有効部5の翼形厚
みを植込み溝中心半径Rに対し、ほぼ対称に形成して
翼植込み部10を余肉の少ない軽量にさせたので、運転
中に発生する応力を低くさせることができる。
【0038】また、本実施形態は、植込み部前縁角α、
植込み部後縁角β、植込み溝スタッガ角γのそれぞれの
関係を、α+β−γ≦90°の範囲に設定したので、翼
植込み部10をカーブドエントリークリスマスに形成し
てもタービンディスク8の植込み溝15に容易に挿着す
ることができ、その組立作業を簡易化させることができ
る。
【0039】なお、カーブドエントリークリスマスの翼
植込み部10のタービンディスク8の植込み溝15に対
する取付角をα+β−γ≦90°に設定したのは、翼を
タービンディスク8に挿着する際、翼植込み部10がタ
ービンディスク8の植込み溝15と干渉しないとする幾
何学的条件から導き出されたものである。
【0040】図3は、本発明に係るタービン動翼の第2
実施形態を示す概略平面図である。なお、第1実施形態
の構成部分または対応する部分には同一符号を付す。
【0041】本実施形態は、タービンディスク8の幅を
とし、ディスク中心線DCLからディスク前縁列D
LEに向って距離DRだけ離れた植込み溝中心点RP
から植込み溝中心半径Rで、かつディスク中心線D
CLに平行な位置と交点Pとの距離をDRとし、距離
・ディスク幅比をRDとするとき、距離・ディスク幅比
RD=DR/Wを、
【数6】RD ≦ 0.3 に設定したものである。
【0042】一般に、翼有効部5における翼植込み部1
0の端部16a,16bは、ドレン化した蒸気と直接接
触する領域であり、腐食の環境下にある。このため、翼
植込み部10の端部16a,16bは、図4の破線で示
す許容最高応力値σよりも低い応力値になるように設
計し、腐食を発生させないことが必要とされる。
【0043】本実施形態は、このような点を考慮したも
ので、図3に示すように、翼植込み部10に発生する応
力値σが例えば図4の破線で示す許容最高応力値σ
なったとしても、軸方向Xの中間部分で発生させるよう
にし、その端部16a,16bに発生する応力値が破線
で示す許容最高応力値σよりも低くなるように、距離
・ディスク幅比RDを、RD≦0.3の範囲に設定した
ものである。なお、図4中、距離・ディスク幅比RD=
0.0は、アキシャルエントリークリスマスの翼植込み
部の軸方向応力分布線図を、また距離・ディスク幅比R
D=0.15およびRD=0.3はカーブドエントリー
クリスマスの翼植込み部の軸方向応力分布線図の一例を
それぞれ示している。
【0044】このように、本実施形態では、蒸気のドレ
ン化による腐食環境下にある翼植込み部10の端部16
a,16bに発生する応力値σが許容最高応力値σ
下になるように、距離・ディスク幅比RDを、RD≦
0.3の範囲に設定したので、タービン動翼に安定した
運転を行わせることができる。
【0045】図5は、本発明に係るタービン動翼の第3
実施形態を示す概略図である。
【0046】本実施形態は、翼有効部5の前縁13側の
背側17から外側に向って突き出た前縁スナッバカバー
7aの翼有効部5への接続点Mを後縁14側に向って延
ばすとともに、翼有効部5の後縁14側の腹側18から
外側に向って突き出た後縁スナッバカバー7bの翼有効
部5への接続点Nを前縁13側に向って延ばし、接続点
M,Nを互いにラップさせたものである。
【0047】従来、翼有効部5の前縁13側の背側17
から外側に向って突き出た前縁スナッバカバー7aの翼
有効部5への接続点Mと、翼有効部5の後縁14側の腹
側18から外側に向って突き出た後縁スナッバカバー7
bの翼有効部5への接続点Nとは、図6に示すように、
互いに離れており、ラップする状態になかった。このた
め、前縁スナッバカバー7aおよび後縁スナッバカバー
7bは、運転中に発生する曲げモーメントMLE,M
TEにより、破線で示すカバー付根部分CAR,CA
に過大な応力が発生し、材料強度低下の要因になっ
ていた。
【0048】本実施形態は、このような点を考慮したも
ので、前縁スナッバカバー7aの翼有効部5への接続点
Mを後縁14側に向って延ばし、後縁スナッバカバー7
bの翼有効部5への接続点Nを前縁13側に向って延ば
して互いにラップさせ、各スナッバカバー7a,7bに
発生する曲げモーメントMLE,MTEをラップ部分で
受け持たせたので、曲げ応力を比較的低く抑えることが
でき、タービン動翼に安定した運転を行わせることがで
きる。
【0049】図7は、本発明に係るタービン動翼に適用
される翼平均厚み比分布線図である。
【0050】一般に、タービン動翼は、翼長平均径PC
Dから翼長に向って翼断面積を小さくすると、遠心応力
を低く抑えることができる。また、翼のコード長は、タ
ービンディスクへの挿着可能性と、適正ピッチ・コード
比から決定されている。したがって、運転中に発生する
遠心応力を低く抑えるには、翼厚み分布により定められ
る。
【0051】本実施形態に係るタービン動翼に適用され
る翼平均厚み比分布は、実験値に基づいてプロットした
もので、図7に示すように、上限翼平均厚み比分布線図
UATと下限翼平均厚み比分布線図LATとに区分けさ
れる。上限翼平均厚み比分布線図UATおよび下限翼平
均厚み比分布線図LATのそれぞれを規定したのは、翼
平均厚みを厚くすると翼に高い遠心応力が発生し、逆に
薄くすると翼の剛性が低くなり、蒸気による曲げ応力が
増加することに基づく。なお、図7中、翼平均厚み比
は、翼断面をその断面のコード長で除した平均厚みを%
で表示している。
【0052】本実施形態は、翼平均厚み比を図7から求
めると、翼長平均径PCDで6.0%〜7.0%に、ま
た翼チップ部で2.0%〜3.0%に設定することが最
も好ましい数値である。
【0053】このように、本実施形態では、翼長平均径
PCDで翼平均厚み比を6.0%〜7.0%の範囲に設
定するとともに、翼チップ部で2.0%〜3.0%の範
囲に設定したので、遠心力により発生する応力を低く抑
えることができ、蒸気により曲げ応力や振動応力にも充
分に余裕をもって対応させることができる。
【0054】
【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明に係るター
ビン動翼は、翼植込み部をタービンディスクの周方向に
向って突状の湾曲面にしたカーブドエントリークリスマ
スに形成し、カーブドエントリークリスマスの翼植込み
部をタービンディスクに設けた植込み溝に嵌装させたの
で、運転中に発生する遠心力に余裕をもって対応するこ
とができ、安定運転を行うことができる。
【0055】また、本発明に係るタービン動翼は、カー
ブドエントリークリスマスに形成した翼植込み部の、そ
の翼植込み部に設けた翼有効部の前縁をタービンディス
クの周方向に向わせるように配置して余肉を少なくさせ
る一方、カーブドエントリークリスマスの翼植込み部を
挿着させるタービンディスクの植込み溝の取付角を適正
角に設定したので、運転中に発生する応力を低くさせる
ことができるとともに、挿着の際の組立作業を容易にす
ることができる。
【0056】また、本発明に係るタービン動翼は、ター
ビンディスクの植込み溝に挿着する翼植込みの両端部
を、運転中に発生する応力が許容最高応力値よりも低く
なるよう距離・ディスク幅比を設定したので、ドレン化
した蒸気との接触による腐食を低く抑制することができ
る。
【0057】また、本発明に係るタービン動翼は、翼チ
ップ部に一体削出しの前縁スナッバカバーと後縁スナッ
バカバーとを設け、前縁スナッバカバーおよび後縁スナ
ッバカバーの翼有効部への接続点を互いにラップさせる
とともに、ラップさせた部分にも曲げモーメントを受け
持たせるようにしたので、曲げ応力を比較的低く抑える
ことができる。
【0058】また、本発明に係るタービン動翼は、翼平
均厚み比を翼長平均径および翼チップ部のそれぞれで適
正値に設定したので、運転中に発生する遠心力や蒸気の
衝撃等に対し、余裕をもって対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るタービン動翼の第1実施形態を示
すタービン動翼の出口側から見た斜視図。
【図2】図1のA−A矢視方向から切断した切断平面
図。
【図3】本発明に係るタービン動翼の第2実施形態を示
す概略平面図。
【図4】従来の翼植込み部の軸方向の応力を示す翼植込
み部軸方向応力分布線図。
【図5】本発明に係るタービン動翼の第3実施形態を示
す翼ップ部概略平面図。
【図6】従来のタービン動翼の翼チップ部を示す概略斜
視図。
【図7】本発明に係るタービン動翼に適用される翼平均
厚み比分布線図。
【図8】従来の蒸気タービンプラントを示す概略系統
図。
【図9】単機あたりのタービン出力と低圧タービンの最
終段落におけるタービン動翼環状面積との関係を示す線
図。
【符号の説明】
1 高圧タービン 2 中圧タービン 3,4 低圧タービン 5,5a,5b 翼有効部 6 翼チップ部 7 スナッバカバー 7a 前縁スナッバカバー 7b 後縁スナッバカバー 8 タービンディスク 9 翼ルート部 10 翼植込み部 11 スリーブ 12a,12b ラグ部 13 前縁 14 後縁 15 植込み溝 16a,16b 端部 17 背側 18 腹側

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 翼有効部の翼チップ部に、一体削り出し
    の前縁スナッバーカバーと後縁スナッバカバーとを備
    え、翼有効部の中間部分にスリーブを介装してラグ部を
    備え、翼有効部の翼ルート部に設けられ、タービンディ
    スクの植込み溝に嵌装させる翼植込み部を備えたタービ
    ン動翼において、上記翼植込み部を上記タービンディス
    クの周方向に向って突状の湾曲面に形成したことを特徴
    とするタービン動翼。
  2. 【請求項2】 翼有効部の翼チップ部に、一体削り出し
    の前縁スナッバカバーと後縁スナッバカバーとを備え、
    翼有効部の中間部分にスリーブを介装してラグ部を備
    え、翼有効部の翼ルート部に設けられ、タービンディス
    クの植込み溝に嵌装させる翼植込み部を備えたタービン
    動翼において、上記翼植込み部を上記タービンディスク
    の周方向に向って突状の湾曲面に形成する一方、上記タ
    ービンディスクのディスク中心線からディスク前縁列に
    向って距離を離して植込み溝中心点を定め、この植込み
    溝中心点からの植込み溝中心半径と上記ディスク前縁列
    との交点を通る接線と上記ディスク前縁列との植込み部
    前縁角をαとし、上記植込み溝中心半径と上記タービン
    ディスクのディスク後縁列との交点を通る接線と上記デ
    ィスク後縁列との植込み部後縁角をβとし、上記植込み
    溝中心半径と上記ディスク前縁列との交点と、上記植込
    み溝中心半径と上記ディスク後縁列との交点とを結ぶ植
    込み溝スタッガ線と軸方向線との植込み溝スタッガ角を
    γとするとき、植込み部前縁角α、植込み部後縁角β、
    植込み溝スタッガ角γとのそれぞれの関係式が、 【数1】α+β−γ ≧ 90° の範囲になるように、上記タービンディスクに植込み溝
    を形成したことを特徴とするタービン動翼。
  3. 【請求項3】 翼有効部の翼チップ部に、一体削り出し
    の前縁スナッバカバーと後縁スナッバカバーとを備え、
    翼有効部の中間部分にスリーブを介装してラグ部を備
    え、翼有効部の翼ルート部に設けられ、タービンディス
    クの植込み溝に嵌装させる翼植込み部を備えたタービン
    動翼において、上記翼植込み部を上記タービンディスク
    の周方向に向って突状の湾曲面に形成する一方、上記タ
    ービンディスクのディスク中心線からディスク前縁列に
    向って距離を離して植込み溝中心点を定め、この植込み
    溝中心点からの植込み溝中心半径の上記ディスク中心線
    と平行な位置と、上記植込み溝中心半径とディスク後縁
    列との交点の距離をDRとし、上記タービンディスクの
    幅をWとし、距離・ディスク幅比をRD=DR/W
    とするとき、距離・ディスク幅比RDを、 【数2】RD ≦ 0.3 の範囲に設定したことを特徴とするタービン動翼。
  4. 【請求項4】 翼有効部の翼チップ部に、一体削り出し
    の前縁スナッバカバーと後縁スナッバカバーとを備え、
    翼有効部の中間部分にスリーブを介装してラグ部を備
    え、翼有効部の翼ルート部に設けられ、タービンディス
    クの植込み溝に嵌装させる翼植込み部を備えたタービン
    動翼において、上記前縁スナッバカバーを上記翼有効部
    の後縁側に向って延ばして背側に接続させるとともに、
    上記後縁スナッバカバーを上記翼有効部の前縁側に向っ
    て延ばして腹側に接続させ、上記背側の接続点および上
    記腹側の接続点を互いにラップさせたことを特徴とする
    タービン動翼。
  5. 【請求項5】 翼有効部の翼チップ部に、一体削り出し
    の前縁スナッバカバーと後縁スナッバカバーとを備え、
    翼有効部の中間部分にスリーブを介装してラグ部を備
    え、翼有効部の翼ルート部に設けられ、タービンディス
    クの植込み溝に嵌装させる翼植込み部を備えたタービン
    動翼において、上記翼植込み部を上記タービンディスク
    の周方向に向って突状の湾曲面に形成する一方、上記翼
    有効部の翼断面をコード長で除した翼平均厚み比を、上
    記翼有効部の翼チップ部で2.0%〜3.0%の範囲に
    設定するともとに、上記翼有効部の翼長平均径で、6.
    0%〜7.0%の範囲に設定したことを特徴とするター
    ビン動翼。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載のタービン動翼を、
    出力600MW〜700MW、高圧タービン、中圧ター
    ビン、低圧タービンの各1台のタービン部を組み合せた
    タンデムコンパウンドで、上記低圧タービンの最終段落
    における環状面積が11.5m以上のものに適用した
    ことを特徴とするタービン動翼。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6682306B2 (en) 2001-08-30 2004-01-27 Kabushiki Kaisha Toshiba Moving blades for steam turbine
EP2177714A2 (en) * 2008-10-14 2010-04-21 General Electric Company Blade for a low pressure section of a steam turbine engine
CN112627901A (zh) * 2020-12-18 2021-04-09 杭州汽轮动力集团有限公司 一种大负荷透平末级动叶片

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