JP2000265345A - パイル網地とその複合材および製造方法 - Google Patents

パイル網地とその複合材および製造方法

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JP2000265345A
JP2000265345A JP11070515A JP7051599A JP2000265345A JP 2000265345 A JP2000265345 A JP 2000265345A JP 11070515 A JP11070515 A JP 11070515A JP 7051599 A JP7051599 A JP 7051599A JP 2000265345 A JP2000265345 A JP 2000265345A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空隙保有率が高く、嵩高性、軽量性がよく、
クッション性や耐圧縮性も良好で、各種の用途に好適に
使用できる立体構造状ネットによるパイル網地や両面パ
イル網地を提供する。 【解決手段】 網状をなす表裏の素地1,2と、両素地
1,2に掛け渡される連結糸3により連結するように編
成した二重編地を利用し、表裏の少なくとも一方の素地
1,2において網目を画成する紐状部11,21に、他
方側の素地2,1の構成糸の一部を溶解せしめることに
より、この紐条部から分離した連結糸3の部分を、他方
側の素地の紐条部11,21に向って延びるループパイ
ル30として形成する。表裏の素地1,2を接近もしく
は対接させて前記ループパイルを表裏両面に出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二重編地よりなる
空隙保有率が高く嵩高なパイル網地とその複合材および
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来よ
り、家屋の壁面等のモルタル層の補強材や接着補強のた
めのラス網に代わるものとして、パイル網地を利用する
ことが考えられているが、このパイル網地は、編成によ
って両面または片面にパイルを形成するように編成され
るものであって、素地自体は1重構造をなしており、そ
のためパイルのみのアンカー効果によって、モルタル層
やコンクリート層の接合強度を持たせるようにしたもの
であり、十分に高い接合強度を得難いものであった。特
にモルタル層やコンクリート層の厚みの大きいものの場
合には、パイル網地のみでは充分な補強効果を果せない
という問題があった。
【0003】また、従来のパイル布帛は、1層の基布の
両面もしくは片面にパイルを形成したものが一般的で、
基布自体の嵩高性、保形性、軽量性、通気性や空隙保有
性に劣り、またクッション性や耐圧縮性も充分でなく、
その用途が限定される結果となっていた。
【0004】本発明は、上記に鑑みてなしたものであ
り、特に網状の表裏の素地を連結糸で連結した二重編地
を利用して形成したパイル網地であって、保形性があっ
て空隙保有率が高く、嵩高性、軽量性に優れ、さらにク
ッション性や耐圧縮性も良好で、各種の用途に好適に使
用できる立体構造状ネットによるパイル網地や両面パイ
ル網地、さらにはこのパイル網地を基材に用いたフェル
ト状複合材を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑みてな
したものであり、請求項1の発明のパイル網地は、網状
をなす表裏の素地と、両素地に掛け渡される連結糸によ
り連結するように編成した二重編地よりなり、表裏の少
なくとも一方側の素地において網目を画成する紐条部
に、他方側の素地の紐条部から分離した連結糸の部分に
よるループパイルが形成されてなることを特徴とする。
【0006】また、請求項2の発明のパイル網地は、前
記同様の二重編地よりなるものであって、表裏の少なく
とも一方側の素地において網目を画成する紐条部には、
他方側の素地における紐条部の構成糸の一部が溶解せし
められることにより、該紐条部から分離した連結糸の部
分が他方側に向って延びるループパイルとして形成され
てなることを特徴とする。
【0007】これらの発明のパイル網地によれば、網状
をなす二重編地における表裏の少なくとも一方側の素地
の紐条部に、比較的長いループパイルが形成されて、こ
れが他方側に延びているので、パイルを有するにも拘ら
ず、空隙保有率が高く、嵩高で軽量なものとなる。しか
もループパイルを形成する連結糸は紐条部に編込まれて
保持されているために、パイルの抜けや離脱のおそれが
なく、構造的に安定したものになる。特に請求項2の発
明のパイル網地の場合は、紐条部の構成糸の一部が溶解
せしめられることにより連結糸の部分によるループパイ
ルが形成されるため、さらに空隙保有率が高く、軽量な
ものとなる。
【0008】請求項3の発明は、前記のパイル網地にお
いて、二重編地の表裏の素地が連結糸により所要の間隔
を存して連結されることにより立体構造状ネットとして
形成され、その一部の連結糸が表裏の少なくとも一方側
の素地の紐条部から他方側に向って延びるループパイル
として形成されてなるものである。
【0009】この場合、立体構造状ネットてあるため
に、空隙保有率がさらに高く、厚みがあって嵩高で軽量
なものとなり、さらにクッション性も良好なものにな
る。
【0010】請求項4の発明は、前記のパイル網地にお
いて、二重編地の表裏の素地が接近もしくは対接せしめ
られて、表素地の紐条部から延びるループパイルが裏面
側に、裏素地の紐条部から延びるループパイルが表面側
に、それぞれ突出せしめられてなるものである。
【0011】このパイル網地は、表裏の素地のループパ
イルが互い違いの方向に突出した両面パイル網地とな
り、しかも表裏両面に突出したループパイルによって、
パイル網地としての厚みが二重編地の約2倍になり、さ
らに嵩高で空隙保有率の高いパイル網地が得られる。ま
た表裏両素地が接近もしくは対接することで、素地部分
の剛性が増し保形性も高くなる。
【0012】請求項5の発明は、前記のパイル網地にお
いて、経編編成により、表裏の素地の網目を画成する各
紐条部が、複数ウエールの編目列により形成されて編方
向に連続するとともに、編方向の所要間隔毎に左右両側
に隣接する紐条部と交互に結節されて網状をなすように
編成された二重編地よりなり、この二重編地の表裏の少
なくとも一方側の素地の紐条部に、連結糸によるループ
パイルが形成されてなるものである。これにより、表裏
の素地の網目あるいは立体のネット構造が安定したもの
が得られる。
【0013】請求項6の発明は、前記のパイル網地にお
いて、表裏の少なくとも一方側の素地の一部もしくは全
部の紐条部において、少なくとも1ウエールの編目列を
残すように他の少なくとも1ウエールの編目列の編目形
成糸が溶解せしめられて、この溶解したウエールの編目
列に掛け渡されてループした連結糸の部分が、他方側の
素地の紐条部から延びるループパイルとして形成されて
なるものである。これにより、表裏の素地の網状をなす
紐条部を形成してかつ連結糸による表裏素地の連結状態
を確保しながら、前記ループパイルを形成することがで
きる。
【0014】請求項7の発明は、前記のパイル網地にお
いて、各紐条部が鎖編糸と挿入糸とによる複数ウエール
の編目列よりなり、少なくとも1ウエールの編目列を残
すように他の少なくとも1ウエールの編目列の鎖編糸が
溶解せしめられて、連結糸よりなるループパイルと挿入
糸によるループパイルとが形成されてなるものである。
この場合、前記紐条部には、連結糸によるループパイル
に加えて、挿入糸の折返し部分による多数のパイル部が
形成されることになり、多パイル構造のパイル網地とな
る。
【0015】請求項8の発明のパイル網地は、表裏の素
地においてそれぞれ編幅方向の所要間隔毎に編方向に連
続する複数ウエールの編目列による紐条部が並列するよ
うに編成され、この表裏の素地の紐条部が両素地間に掛
け渡された連結糸により連結された二重編地よりなり、
前記表裏の紐条部が連結糸を介して交互に並列したネッ
ト状をなすとともに、前記紐条部の少なくとも1ウエー
ルの編目列を残して他の少なくとも1ウエールの編目列
が溶解せしめられることにより、この溶解したウエール
の編目列に掛けられた連結糸の部分がループパイルとし
て形成されてなるものである。
【0016】このパイル網地は、全体が編幅方向に展張
されることにより、表裏の紐条部が連結糸による連結部
分を介して交互に並列した形態、すなわち幅方向の寸法
安定性のよいプリーツネットの形態であって、かつ表素
地の紐条部から裏面側へ、また裏素地の紐条部から表面
側へそれぞれループパイルが突出した両面パイル網地と
なる。
【0017】請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれ
か1項に記載のパイル網地のパイル面を、ブラッシング
および/またはシャーリング加工を施してカットパイル
面としたものである。
【0018】請求項10の発明は、請求項1〜8のいず
れか1項に記載のパイル網地を基材として、これに繊維
を絡み合せて接合一体化し、フェルト状としたことを特
徴とする複合材である。この複合材は、従来のフェルト
や不織布に比して嵩高で空隙保有率が高く、しかも基材
としてのパイル網地により耐圧強度や引張等の物理的強
度も高く、かつ通気、通水性にも優れるフェルト状をな
すことになる。特に上記のパイル網地であると、例えば
ニードルパンチによって繊維がパイル繊維に絡み易く
て、繊維の接合力が高まる。それゆえ、各種のフィルタ
ー等に好適に利用できる。
【0019】請求項11の発明は、上記した請求項2〜
請求項8に記載のパイル網地の製造方法に係るものであ
り、ダブルラッシェル機により、網状をなす表裏の素地
およびこれら両素地を連結するように両者に掛け渡され
る連結糸とにより二重編地を編成し、この際、表裏の素
地において網目を画成する各紐条部を、複数ウエールの
鎖編による編目列により形成するとともに、表裏の少な
くとも一方側の素地における一部もしくは全部の紐条部
を、少なくとも1ウエールの編目列の鎖編糸を除く他の
少なくとも1ウエールの編目列の鎖編糸に他の糸より易
溶解性の糸を用いて編成し、また前記連結糸の一部を、
表裏一方側の素地の紐条部における前記易溶解性の糸の
編目列と、他方側の素地の紐条部における他の糸による
編目列とに交互に掛け渡すようにして編成し、編成後
に、前記二重編地を拡幅して熱セットするとともに、前
記易溶解性の糸よりなる鎖編糸を溶解させることによ
り、この鎖編糸による編目列に掛け渡されている連結糸
の部分をループパイルとして紐条部から分離させること
を特徴とする。
【0020】これにより、上記した特徴を有するパイル
網地を、二重編地の編成後の溶解処理によって容易に製
造できる。
【0021】特に、請求項12のように、易溶解性の糸
の溶解後に、表裏の素地を接近もしくは対接させて熱セ
ットして、表素地の紐条部から延びるループパイルを裏
面側に、裏素地の紐条部から延びるループパイルを表面
側に突出せしめることにより、請求項4のパイル網地を
製造できる。
【0022】なお、前記の易溶解性の糸は、熱溶解性
糸、水溶性糸、化学溶解性糸等のいずれかを用いるのが
好ましい。
【0023】
【発明の実施例の形態】次に本発明の実施の形態を図面
に示す実施例に基いて説明する。
【0024】図1は、本発明にかかるパイル網地の1実
施例を示す略示斜視図、図2は同上の一部の拡大斜視
図、図3は同上の一部の略示拡大断面図、図4は前記の
パイル網地に使用する二重編地のパイル形成前の略示斜
視図、図5は同上の略示断面図、図6は同上の一部の鎖
編糸を溶解した略示断面図、図7はその編組織の1例を
示している。
【0025】図1〜図3の実施例のパイル網地(A1 )
は、経編編成された図4〜図5に示す二重編地(A0 )
よりなり、(1)(2)は二重編地(A0 )の網状をな
す表裏の素地、(11)(21)は表裏それぞれの網目(1
2)(22)を画成する紐条部、(13)(23)は表裏の前
記紐条部(11)(11)同士あるいは(21)(21)同士の
結節部を示し、また(3)は前記表裏の素地(1)
(2)を連結する連結糸を示している。そして、表裏の
少なくとも一方側の素地の紐条部(11)または(21)
に、他方側の素地の紐条部(21)または(11)より分離
した連結糸(3)の部分によるループパイル(30)が形
成されている。
【0026】例えば、図のように双方の素地(1)
(2)において、前記の紐状部(11)(21)の構成糸の
一部が溶解せしめられることにより、該紐条部(11)
(21)に掛け渡されている連結糸(3)の部分が該紐条
部(11)(21)から分離して、それぞれ一方側の素地
(1)(2)の紐条部(11)(21)から他方側に向って
延びるループパイル(30)(30)として形成されてい
る。
【0027】具体的には、前記二重編地(A0 )は、図
4および図5に示すように、表裏の素地(1)(2)の
網目(12)(22)を画成する各紐条部(11)(21)が、
それぞれ複数ウエールの編目列、例えば編目形成糸であ
る鎖編糸(4)と、この鎖編糸(4)による2列の鎖編
の列に対して横振り挿入される挿入糸(5)とによる2
ウエールの編目列よりなり、この紐条部(11)(21)が
網目に相当する所要間隔毎に左右に隣接する紐条部(1
1)(21)と交互に結節されて、ジグザグ状をなして編
方向に連続しており、この表裏の紐条部(11)(21)が
連結糸(3)により所要の間隔を存して連結されてなる
もので、編成後の拡幅、熱セットにより表裏の網目(1
2)(22)がそれぞれ四角形や菱形あるいは略六角形等
の多角形の網状をなすように編成されたものよりなる。
【0028】そして、本発明のパイル網地(A1 )の場
合は、前記の二重編地(A0 )における2ウエールの編
目列による紐条部(11)(21)のうち、1ウエールの編
目列の鎖編糸(4)に他の糸より易溶解性の糸(a)が
用いられるとともに、他の鎖編糸(4)や挿入糸(5)
および連結糸(3)等の構成糸には比較的溶解し難い糸
(b)が用いられて編成される。さらに前記連結糸
(3)は、特にループパイルの形成部分においては、編
方向の所要コース毎(1もしくは数コース毎)に表裏の
紐条部(11)(21)における前記易溶解性の糸(a)に
よる編目列と、これに対応する他方側の紐条部(21)ま
たは(11)における前記他の糸(b)による編目列とに
交互に掛け渡して編成される。
【0029】前記の二重編地(A0 )は2列の針床を有
するダブルラッシェル機により、例えば図7に示す編組
織で編成される。
【0030】フロント側においては、鎖編糸を2本づつ
交互に導糸する2種の鎖編筬(L2)および(L3 )
と、挿入糸を2ウエール毎に1本導糸する挿入糸筬(L
1 )とにより、鎖編筬(L2 )および(L3 )による鎖
編ウエールに対してそれぞれ挿入糸(5)を横振り挿入
しながら、表側の網状の素地(1)の紐条部(11)をそ
れぞれ編成するとともに、網目に相当する所要コース毎
に鎖編筬(L2 )(L3)の鎖編糸(4)を、それぞれ
左右交互に2ウエール分横に移行させて編目形成した
後、元のウエール位置に戻す編成を数コースに渡って繰
返して、左右に隣接する紐条部(11)と交互に結節す
る。
【0031】また、バック側においても、鎖編糸を2本
づつ交互に導糸する2種の鎖編筬(L5 )および(L6
)と、挿入糸を2ウエール毎に1本導糸する挿入糸筬
(L7)とにより、鎖編筬(L5 )(L6 )による鎖編
ウエールに対してそれぞれ挿入糸(5)を横振り挿入し
ながら、裏側の網状をなす素地(2)の紐条部(21)を
それぞれ編成するとともに、網目に相当するコース毎に
鎖編筬(L5 )(L6 )の鎖編糸(4)を左右交互に2
ウエール分横に移行させて編目形成した後、元のウエー
ル位置に戻して編目形成する編成を数コースに渡って繰
返することにより、左右に隣接する紐条部(21)と交互
に結節する。
【0032】そして、前記のフロントおよびバック側の
紐条部(11)(21)を構成する2ウエールの編目列にお
いて、表裏で対応する1ウエールの鎖編糸(4)に、後
述のように他の糸より熱、水、各種溶剤等に溶解し易い
易溶解性の糸(a)を用い、他の構成糸には溶解しない
あるいは溶解し難い糸(b)を用いて編成する。
【0033】また、連結糸(3)については、連結糸筬
(L4 )により、表裏の紐条部(11)(21)を構成する
2ウエールの編目列についてそれぞれ1本の連結糸
(3)を導糸する(所謂1イン1アウト)こととし、フ
ロント側とバック側の非易溶解性の他の糸(b)の編目
列間に掛け渡すことを基本として、1コースおきにフロ
ント側およびバック側の糸(b)による編目列から、他
方側の紐条部(21)または(11)における易溶解性の糸
(a)による編目列に斜めに掛け渡してループさせ、元
の紐条部(11)または(21)に戻すことを交互に繰返し
て編成する。
【0034】なお、前記の編成において、前記挿入糸
(5)は前記の二重編地を編成する上で重要な役割を果
している。すなわち、ループパイルを形成する連結糸
(3)が前記のように掛け渡されて、同じ編目列では数
コースおきに編目形成する関係で、その間に表裏の素地
(1)(2)に鎖編のループのみの部分が生じ、挿入糸
を有さない場合、この部分で編成素地(ループ)の持ち
上りが生じるおそれがあるが、前記のように挿入糸
(5)を入れることにより、前記素地の持ち上がりをシ
ンカーニードルで防止して、鎖編編成が可能となり、易
溶解性の糸(a)の鎖編編成を助ける役目も果すことに
なる。
【0035】そして、前記のように編成された二重編地
(A0 )が、編成後に、ネット状に拡幅されて熱セット
されることにより、適度に保形力や剛性および弾性力が
付与されるとともに、表裏の素地(1)(2)の相対応
する紐状部(11)(21)の2ウエールのうちの1ウエー
ルの易溶解性の糸(a)よりなる鎖編糸(4)が溶解せ
しめられることにより、図6のように、溶解した編目列
に掛けられてループしている連結糸(3)の部分が各々
個々に分離することになって、この分離した連結糸
(3)の部分が、それぞれ反対側の素地(2)または
(1)の紐条部(21)または(11)の他の糸(b)の編
目列に編込まれた状態で、該編目列から延びるループパ
イル(30)(30)として形成されることになる。このル
ープパイル(30)は、表裏の素地(1)(2)間の間隔
よりも長く、表側の素地(1)側のパイルの先端部は概
ね裏側に、また裏側の素地(2)側のパイルの先端部は
概ね表側に延び出た状態になる。特に、表裏の素地
(1)(2)を接近させるほど表裏に延び出るパイルは
長くなる。
【0036】これにより、図1〜図3に示すパイル網地
(A1 )を得ることができる。すなわち立体構造のネッ
トにおいて、その表裏の素地(1)(2)の紐条部(1
1)(21)の編目列に保持されて、かつそれぞれ他方側
に向って延びる連結糸(3)の部分によるループパイル
(30)が形成され、該パイルの先端部が表裏に延び出た
立体状のパイル網地(A1 )が得られる。また前記のよ
うに、挿入糸(5)が横振り挿入されている場合には、
前記1ウエールの編目列の溶解により、前記挿入糸
(5)の折返し部分(50)も短いループパイル状に現出
することになり、立体ネットでしかも多パイルの網地と
なる。
【0037】前記において、易溶解性の糸(a)よりな
る鎖編糸(4)の溶解処理は、該易溶解性の糸(a)に
使用する糸の種類によっても異なるが、例えば、前記易
溶解性の糸(a)がポリエチレン等の溶融温度の比較的
低い(通常250〜260℃)合成樹脂を素材とする熱
溶解性の糸よりなり、他の構成糸に使用する糸(b)が
ポリエステル等の前記よりも溶融温度の高い(通常12
5〜135℃)合成樹脂を素材とする糸よりなる場合、
編成後の熱セットと同時に、熱セット機の温度を、該易
溶解性の糸(a)の溶融温度より高く、かつ他の糸
(b)の溶融温度より低い温度に設定し、例えば170
〜190℃にして5分間程度加熱し熱セットすることに
より、前記易溶解性の糸(a)を溶解させればよい。こ
の場合、加熱により溶解した樹脂は、他の構成糸による
編目列等等に付着残存して固り、これがコーティング効
果を発揮して、編目形成部分や紐条部(11)(21)の補
強や剛性向上の役目を果し、表裏の素地ひいては網地全
体が樹脂セットされたように安定化する。
【0038】なお、易溶解性の糸(a)としては、前記
の熱溶解性糸のほか、水溶性糸や溶剤に溶解する化学溶
解性糸を使用することもできる。水溶性糸や化学溶解性
糸の場合には、前記熱セット処理の前後のいずれかにお
いて、水や溶剤への浸漬処理等を行って、前記易溶解性
の糸(a)を溶解処理すればよい。
【0039】また、前記のようにして製造される立体構
造状ネットによるパイル網地(A1)は、立体構造を保
持したままで使用に供することも可能であるが、図8お
よび図9のように、二重編地(A0 )の表裏の素地
(1)(2)を接近あるいは対接させて、表素地(1)
の紐条部(11)から延びるループパイル(30)を裏面側
に、裏素地(2)の紐条部(21)から延びるループパイ
ル(30)を表面側にそれぞれ長く突出させた形態のパイ
ル網地(A1 )、つまり両面パイル網地とすることがで
きる。これにより、表裏両面にループパイル(30)が突
出することで、パイル網地(A1 )としての厚みが、編
成された二重編地(A0 )の約2倍の嵩高なものとな
る。
【0040】この際、表裏の素地(1)(2)の結節部
(13)(23)間に掛け渡された連結糸(3)の掛け渡し
長さが、展張状態における表裏の網目(12)(22)の拡
開幅の約1/2になっていると、これ以上の拡開が前記
連結糸(3)の掛け渡し部分によって規制でき、空隙保
有率が高く軽量であって、しかも幅方向の寸法安定性が
大きくなる。
【0041】このような形態のパイル網地(A1 )は、
前記の溶解処理された立体構造のネット状のパイル網地
を、例えば表裏の素地(1)(2)にテンションを与え
ながら複数本のロールに略S状に掛け回して送るか、あ
るいは表裏の素地(1)(2)を互いに反対方向に引張
する等の手段により、表裏の素地(1)(2)間の連結
糸(3)を横倒あるいは押し潰すようにして両素地
(1)(2)を近接もしくは対接させた状態で熱セット
することにより得ることができる。
【0042】このほか、前記パイル網地の両面のブラッ
シング処理により、ループパイルを両面に引き出すこと
により、両面パイルとすることもできる。
【0043】もちろん、使用の際に、前記表裏素地
(1)(2)を互いに反対方向に引張して、両素地
(1)(2)を対接させた状態にすることもできる。
【0044】なお、上記の実施例においては、パイル網
地(A0 )の基本となる二重編地(A0 )が、表裏の素
地(1)(2)における紐条部(11)(21)を表裏対応
位置で左右に隣接する紐条部(11)(21)と結節したも
のよりなる場合を示したが、表裏の紐条部(11)(21)
を編方向に相互に位置をずらせて左右に隣接する紐条部
(11)(21)と互い違いに結節して、拡幅、熱セットに
より連結糸(3)の掛け渡し部分が左右に交互に傾斜し
てトラス状をなす二重編地(A0 )に形成したものとす
ることができる。この場合、表裏の素地(1)(2)を
対接させるのが容易になる。
【0045】上記の実施例においては、表裏の素地
(1)(2)の紐条部(11)(21)が2ウエールの編目
列よりなり、両紐条部(11)(21)のそれぞれに他方側
に延びるループパイル(30)(30)を形成した場合を示
したが、表裏の紐条部(11)(21)のいずれか一方にの
み、他方側の紐条部から分離した前記同様のループパイ
ルを形成した形態とすることができる。この場合、他方
側の紐条部の1ウエールの鎖編糸だけに溶解性糸を使用
して編成して、上記同様の処理を施せばよい。
【0046】また、表裏の紐条部を3ウエール以上の編
目列により構成することも、また複数ウエールの編目列
よりなる一つの紐条部について複数本の連結糸を配し
て、上記と同様にしてループパイルを形成して実施する
ことができる。
【0047】図示していないが、上記のようにループパ
イル(30)が両面または片面に形成されたパイル網地
(A1 )のパイル面を、ブラッシング(毛捌きや起毛)
および/またはシャーリング加工を施すことにより、カ
ットパイル面とすることも可能である。このパイル網地
は、空隙保有性や通気性のよい毛布あるいは衣料として
好適に使用できる。
【0048】図10は、本発明に係るパイル網地のさら
に他の実施例を示している。
【0049】この実施例のパイル網地(A1)は、経編
編成による図11に示すような二重編地(A0 )を基本
構造として形成されている。
【0050】前記の二重編地(A0 )は、表裏の素地
(1)(2)において、それぞれ編方向に連続する複数
ウエール(例えば4ウエール)の編目列による紐条部
(15)(25)が編幅方向の所要間隔毎に表裏で位置をず
らせて並列するように形成されるとともに、表裏の紐条
部(15)(25)の両側部がそれぞれ他方側で隣接する2
つの紐条部(15)(25)の側部に連結糸(3a)により
連結されている。
【0051】特に、前記の複数ウエールの編目列による
紐条部(15)(25)のうち、少なくとも1ウエールの編
目列の編目形成糸(鎖編糸)に上記と同様の易溶解性の
糸(a)を用いて編成されるとともに、前記連結糸(3
a)が、編方向の所要コース毎(1もしくは数コース
毎)に表裏の紐条部(15)(25)における他の糸(b)
による編目列から他方側の紐条部(25)または(15)に
おける隣接ウエールの易溶解性の糸(a)による編目列
に斜めに掛け渡されて編成される。
【0052】そして、前記の編成後に、表裏の紐条部
(15)(25)において、それぞれ少なくとも1ウエール
の編目列を残して他の少なくとも1ウエールの編目列の
易溶解性の糸(a)が溶解せしめられて、この溶解した
ウエールの編目列に掛けられてループしている連結糸
(3a)の掛け渡し部分が紐条部(15)(25)から各々
分離して、他方側の紐条部(25)(15)から延びるルー
プパイル(30a)(30a)として形成されるとともに、
この全体が編幅方向に展張されることにより、表裏の紐
条部(15)(25)が前記の隣接ウエールに斜めに掛け渡
された連結糸(3a)による連結部分を介して交互に並
列した形態、すなわちプリーツネットの形態で、かつ表
素地(1)の紐条部(15)から裏面側へ、また裏素地
(2)の紐条部(25)から表面側へそれぞれループパイ
ル(30a)が突出したパイル網地(A1)となってい
る。
【0053】このパイル網地(A1 )は、連結糸(3
a)による連結部分によって前記展開状態以上の拡開が
規制され、軽量で空隙保有率の高いものであっても、幅
方向の寸法安定性に優れる。
【0054】この実施例の場合も、前記パイル面をブラ
ッシングおよび/またはシャーリング加工して、カット
パイル面とすることが可能である。
【0055】なお、上記した実施例では表裏の少なくと
も一方側の素地における紐状部の構成糸の一部に易溶解
性の糸を使用して、該糸を溶解することにより、ループ
パイルを形成した場合を示したが、このほか、図示して
いないが、1本もしくは数本おきにコンパウンドニード
ル又はピンニードルまたはカラビナニードルを配したダ
ブルラッシェル機を使用し、例えば連結糸筬を2枚筬に
して、その連結糸の一部を、網状をなす表裏の素地の少
なくとも一方側で紐条部に編込むとともに、他方側で紐
条部から分離してループさせるように編成することによ
り、上記同様に表裏の少なくとも一方の素地の紐条部
に、他方側に延びるループパイルを形成することも可能
である。
【0056】この場合、構成糸の溶解処理が不要にな
り、容易にコスト安価に製造でき、しかも上記した実施
例の場合と同様に、空隙保有率が高く、嵩高で軽量なパ
イル網地が得られる。
【0057】上記の各実施例のパイル網地(A1 )にお
いて、表裏の素地(1)(2)における紐条部(1)
(2)の溶解する糸以外の使用糸は、特に限定されるも
のではなく、該網地の用途に応じて適宜選択されるが、
通常は合成繊維糸が使用され、ナイロン糸やポリエステ
ル糸、ビニロン糸、アラミド繊維、炭素繊維その他の各
種の合成繊維のマルチフィラメント糸やモノフィラメン
ト糸あるいはその引き揃え糸が好適に用いられる。もち
ろん、これらの紡績糸や合撚糸、綿、レーヨン、人造絹
糸その他の天然繊維の糸を用いることもできる。
【0058】さらに、前記糸の一部もしくは全部に熱収
縮性糸または弾性糸を用いて編成することもできる。こ
れにより、ネットの編方向に適度に収縮し、安定したも
のとなる。また弾性糸を用いた場合、フィット性や弾力
性がよく、スポーツ、衣料、寝装品、医療用ネット等に
好適に使用できる。さらに用途によっては生分解性繊維
や、保水性繊維あるいは抗菌性や防臭性繊維を用いるこ
ともできる。
【0059】前記連結糸(3)(3a)についても、パ
イル網地(A1 )の用途に応じて適宜選択されるもの
で、前記の紐条部の使用糸と同じ糸を使用するほか、各
種の合成樹脂のモノフィラメント糸、ビニロン糸、バル
キー糸、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、金属繊
維等を好適に使用することができる。特に、耐薬品性、
耐熱性、耐蝕性のよいビニロン、炭素繊維、ガラス繊維
は、熱セット性が劣り、樹脂加工を必要とするので、ポ
リエステル等の熱セット性のよい素材を芯にした芯鞘糸
にして用いることができる。また各種の天然繊維糸を使
用することもできる。さらにこれらの複合糸も使用でき
る。またこれらの糸は、単独で使用するほか、複数本の
引き揃え糸として用いることができる。
【0060】天然繊維を連結糸に使用した場合、当触感
や風合がソフトなものになり、両面パイル網地とした場
合、あるいはカットパイルの網地とした場合、椅子やベ
ッド用クッション材やマット材あるいは衣料や衣料用ス
ペーサー等として、また毛布等の寝具として好適に使用
できる。連結糸および素地構成糸の全部または一部にも
柔軟性の糸を用いて編成することができ、これにより前
記風合やソフト感が一層良好なものになる。
【0061】これらの糸条の太さや素材は、用途によっ
て要求される強度や張力、弾性等を考慮して決定され
る。例えば、コンクリート層やモルタル層の補強材や接
合用補強材として使用する場合、比較的剛性や強度の高
い素材で、素地には50〜50000デニール、好まし
くは200〜5000デニールの糸が、また連結糸とし
ては50〜30000デニール、好ましくは100〜3
000デニールの糸が好適に用いられる。
【0062】立体構造状ネットとする場合の厚み、紐条
部の幅や網目の大きさは、その用途等によって異なり、
コンクリート層の補強材等として使用上は、ネットの厚
み2〜100mm、網目のさし渡し3〜500mmのも
のが一般に用いられる。もちろん前記寸法外での実施も
可能で、例えばスペーサー等の衣料用や毛布等の寝具用
の場合、前記よりさらに小さい寸法とすることができ
る。いずれにしても、糸条の太さとの関係で、ネットの
空隙率が80%以上、特に好ましくは90%以上になる
ように設定するのが、軽量性確保等の点から特に好まし
い。
【0063】上記したパイル網地(A1 )は、ネットに
おいて多数のループパイルを形成したことにより、その
構造的特徴や高い空隙保有率、嵩高、軽量性等の特性を
利用して、例えばコンクリート層やモルタル層および塗
装層の補強材もしくは接合用補強材として、あるいは軽
量コンクリートパネルの基布、発泡コンクリート製断熱
材や防音材の補強材、その他の各種用途に好適に使用す
ることができる。
【0064】例えば、図1〜図3の立体構造状ネットに
よるパイル網地(A1 )あるいは図8〜図9のパイル網
地(A1 )を、コンクリートやモルタル層および塗装層
の接合用補強材として使用する場合、図12に例示する
ように、コンクリートやモルタルの下地層(7)の側
に、パイル網地(A1 )の片面側を埋設または張設して
他面側が表面に露出するように張付け、この上に、表層
(8)となるコンクリート層やモルタル層を前記パイル
網地(A1 )を埋めるように塗布、吹付けまたは打設に
より積層し固定する。これにより、パイル網地(A1 )
の片面側(例えば裏素地の側)は下地層(7)の内部に
埋設され、また他面側(例えば表素地の側)は表層
(8)の内部に埋設されて、網状をなす表裏の素地
(1)(2)それぞれのアンカー効果と、表裏の素地
(1)(2)の紐条部(11)(21)から他方側に向って
延びて表裏に出ているループパイル(30)(30)のアン
カー効果により、下地層(7)および表層(8)の両層
を接合状態に強固に保持でき、充分な補強効果を発揮で
きる。
【0065】特に図1〜図3のパイル網地(A1 )は、
立体構造をなすネットの内部すなわち表裏の素地(1)
(2)間にもコンクリートやモルタルが入り込んで固定
されることになるため、前記のアンカー効果がさらに大
きくなる。
【0066】上記のほか、本発明のパイル網地は、その
構造的特徴を利用して、土壁、モルタルおよび樹脂材の
下地材、不織布の基布、各種衣料や服飾用資材(汗取り
バンド、ショール、スペーサ等)、医療用包帯、帽子、
靴のインソール、インテリア用カーテン、いすやベン
チ、カーペットやベッドマットおよびその芯材や下張り
用クッション材、植生用ネット、有菌浄化フィルターや
エアコン用フィルターおよび水の浄化用フィルター等の
各種フィルター、洗濯ネット、合成樹脂複合資材の基
布、衣料、布団やマットの中綿やスペーサ、芯材、掛け
布団、ブランケット等の寝装品、クッション、手芸洋
品、のり網やバイオ基布、農林漁業用ネット、水抜き及
び通気用ドレーン、グラスウール断熱、防音材用基布等
の各種工業分野に広く使用することができる。
【0067】さらに、上記のループパイル(30)が形成
されたパイル網地(A1 )、特に好ましくは図1〜図3
の立体構造のパイル網地(A1 )は、フェルト状物の基
材として好適に使用できる。すなわち、本発明のパイル
網地(A1 )を基材として、これにシート状にした繊維
のウエブを重ね合せ、ニードルパンチ法等によって繊維
をパイル網地に絡み合せて接合一体化せしめることによ
り、フェルト状の複合材(図示せず)を構成することが
できる。この複合材は、立体構造のパイル網地(A1 )
を基材(芯材)とするため、従来のフェルトや不織布に
比して嵩高で空隙保有率が高く、しかもパイル網地によ
り耐圧強度や引張等の物理的強度も高く、かつ通気、通
水性にも優れるフェルト地となる。特に上記のパイル網
地(A1)であると、繊維がパイル網地の繊維に絡み易
く、繊維の接合力が高まり、それゆえ各種のフィルター
その他の用途に好適に利用できる。
【0068】
【発明の効果】上記したように本発明のパイル網地は、
網状の表裏の素地を連結糸で連結した二重編地を利用し
て形成した立体構造のネット、あるいは表裏の素地を接
近もしくは対接させたネットを主体として、その紐条部
に連結糸によるパイルを形成した空隙率の高いパイル網
地であって、その構造的特徴による空隙保有や嵩高性、
軽量性、クッション性、耐圧縮性、さらにパイルの持つ
アンカー効果等の特性を利用して、各種の用途に好適に
使用できる。
【0069】しかも本発明のパイル網地の製造方法によ
れば、二重編地を編成しておいて、その構成糸の一部を
溶解することで、連結糸の一部をループパイルとして形
成するので、製造が容易で、パイル形成のための特別の
装置を必要とせず、容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパイル網地の1実施例を示す略示
斜視図である。
【図2】同上の一部の拡大斜視図である。
【図3】同上の一部の略示拡大断面図である。
【図4】前記のパイル網地に使用する二重編地のパイル
形成前の略示斜視図である。
【図5】同上の一部の略示断面図である。
【図6】同上の一部の鎖編糸を溶解した一部の略示断面
図である。
【図7】図4の具体的な編組織によるラッピング状態の
説明図である。
【図8】本発明のパイル網地の他の実施例を示す一部の
略示斜視図である。
【図9】同上の一部の略示断面図である。
【図10】本発明のパイル網地のさらに他の実施例を示
す一部の略示斜視図である。
【図11】同上のパイル網地に使用する二重編地の一部
の拡大した略示断面図である。
【図12】パイル網地の使用状態の1例を示す略示断面
図である。
【符号の説明】
(A0 ) 二重編地 (A1 ) パイル網地 (1)(2) 表裏の網状の素地 (11)(21)、(15)(25) 表裏の紐条部 (12)(22) 表裏の網目 (13)(23) 結節部 (3)(3a) 連結糸 (30)(30a) ループパイル (4) 鎖編糸 (5) 挿入糸 (50) 折返し部分 (a) 易溶解性の糸 (b) 他の糸

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】網状をなす表裏の素地と、両素地に掛け渡
    される連結糸により連結するように編成した二重編地よ
    りなり、表裏の少なくとも一方側の素地において網目を
    画成する紐条部に、他方側の素地の紐条部から分離した
    連結糸の部分によるループパイルが形成されてなること
    を特徴とするパイル網地。
  2. 【請求項2】網状をなす表裏の素地と、両素地に掛け渡
    される連結糸により連結するように編成した二重編地よ
    りなり、表裏の少なくとも一方側の素地において網目を
    画成する紐条部には、他方側の素地における紐条部の構
    成糸の一部が溶解せしめられることにより、該紐条部か
    ら分離した連結糸の部分が他方側に向って延びるループ
    パイルとして形成されてなることを特徴とするパイル網
    地。
  3. 【請求項3】二重編地の表裏の素地が連結糸により所要
    の間隔を存して連結されることにより立体構造状ネット
    として形成され、その一部の連結糸が表裏の少なくとも
    一方側の素地の紐条部から他方側に向って延びるループ
    パイルとして形成されてなる請求項1または2に記載の
    パイル網地。
  4. 【請求項4】二重編地の表裏の素地が接近もしくは対接
    せしめられて、表素地の紐条部から延びるループパイル
    が裏面側に、裏素地の紐条部から延びるループパイルが
    表面側に、それぞれ突出せしめられてなる請求項1また
    は2に記載のパイル網地。
  5. 【請求項5】経編編成により、表裏の素地の網目を画成
    する各紐条部が、複数ウエールの編目列により形成され
    て編方向に連続するとともに、編方向の所要間隔毎に左
    右両側に隣接する紐条部と交互に結節されて網状をなす
    ように編成された二重編地よりなり、この二重編地の表
    裏の少なくとも一方側の素地の紐状部に、連結糸による
    ループパイルが形成されてなる請求項1〜4のいずれか
    1項に記載のパイル網地。
  6. 【請求項6】表裏の少なくとも一方側の素地の一部もし
    くは全部の紐条部において、少なくとも1ウエールの編
    目列を残すように他の少なくとも1ウエールの編目列の
    編目形成糸が溶解せしめられて、この溶解したウエール
    の編目列に掛け渡されてループした連結糸の部分が、他
    方側の素地の紐条部から延びるループパイルとして形成
    されてなる請求項5に記載のパイル網地。
  7. 【請求項7】各紐条部が鎖編糸と挿入糸とによる複数ウ
    エールの編目列よりなり、少なくとも1ウエールの編目
    列を残すように他の少なくとも1ウエールの編目列の鎖
    編糸が溶解せしめられて、連結糸よりなるループパイル
    と挿入糸によるループパイルとが形成されてなる請求項
    6に記載のパイル網地。
  8. 【請求項8】表裏の素地においてそれぞれ編幅方向の所
    要間隔毎に編方向に連続する複数ウエールの編目列によ
    る紐条部が並列するように編成され、この表裏の素地の
    紐条部が両素地間に掛け渡された連結糸により連結され
    た二重編地よりなり、前記表裏の紐条部が連結糸を介し
    て交互に並列したネット状をなすとともに、前記紐条部
    の少なくとも1ウエールの編目列を残して他の少なくと
    も1ウエールの編目列が溶解せしめられることにより、
    この溶解したウエールの編目列に掛けられた連結糸の部
    分がループパイルとして形成されてなる請求項2に記載
    のパイル網地。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか1項に記載のパイ
    ル網地のパイル面を、ブラッシングおよび/またはシャ
    ーリング加工を施してカットパイル面としたことを特徴
    とするパイル網地。
  10. 【請求項10】請求項1〜8のいずれか1項に記載のパ
    イル網地を基材として、これに繊維を絡み合せて接合一
    体化し、フェルト状としたことを特徴とする複合材。
  11. 【請求項11】ダブルラッシェル機により、網状をなす
    表裏の素地およびこれら両素地を連結するように両者に
    掛け渡される連結糸とにより二重編地を編成し、 この際、表裏の素地において網目を画成する各紐条部
    を、複数ウエールの鎖編による編目列により形成すると
    ともに、表裏の少なくとも一方側の素地における一部も
    しくは全部の紐条部を、少なくとも1ウエールの編目列
    の鎖編糸を除く他の少なくとも1ウエールの編目列の鎖
    編糸に他の糸より易溶解性の糸を用いて編成し、また前
    記連結糸の一部を、表裏一方側の素地の紐条部における
    前記易溶解性の糸の編目列と、他方側の素地の紐条部に
    おける他の糸による編目列とに交互に掛け渡すようにし
    て編成し、 編成後に、前記二重編地を拡幅して熱セットするととも
    に、前記易溶解性の糸よりなる鎖編糸を溶解させること
    により、この鎖編糸による編目列に掛け渡されている連
    結糸の部分をループパイルとして紐条部から分離させる
    ことを特徴とするパイル網地の製造方法。
  12. 【請求項12】易溶解性の糸の溶解後に、表裏の素地を
    接近もしくは対接させて熱セットすることにより、表素
    地の紐条部から延びるループパイルを裏面側に、裏素地
    の紐条部から延びるループパイルを表面側に突出せしめ
    る請求項11に記載のパイル網地の製造方法。
  13. 【請求項13】易溶解性の糸が、熱溶解性糸、水溶性
    糸、化学溶解性糸等のいずれかよりなる請求項11また
    は12に記載のパイル網地の製造方法。
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