JP2000264880A - オキサジアゾール誘導体、その製造方法及びそれからなる有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

オキサジアゾール誘導体、その製造方法及びそれからなる有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP2000264880A
JP2000264880A JP11070328A JP7032899A JP2000264880A JP 2000264880 A JP2000264880 A JP 2000264880A JP 11070328 A JP11070328 A JP 11070328A JP 7032899 A JP7032899 A JP 7032899A JP 2000264880 A JP2000264880 A JP 2000264880A
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Yoshimasa Fujita
悦昌 藤田
Noritaka Kawase
徳隆 川瀬
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Sharp Corp
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機エレクトロルミネッセンス素子におい
て、発光輝度、電子輸送性、安定性に優れた新規オキサ
ジアゾール誘導体を提供することを目的とする。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (式中、Ar1は、置換又は無置換のアリーレン基、置
換又は無置換の複素環基を示し;Ar2は、置換又は無
置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換
又は無置換の複素環基を示し;R1、R2及びR3は、同
一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無
置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換
又は無置換の複素環基であるか、あるいはR1及びR2
互いに結合して飽和又は不飽和の5員環又は6員環を形
成してもよく、該環は置換基を有していてもよい)で表
されるオキサジアゾール誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオキサジアゾール誘
導体、その製造方法及びそれからなる有機エレクトロル
ミネッセンス素子に関し、より詳細には、新規なオキサ
ジアゾール誘導体、その製造方法及び該新規なオキサジ
アゾール誘導体からなる発光層又は電子輸送層を有する
素子に電界を印加することで電気エネルギーを直接光エ
ネルギーに変換できる薄膜型有機エレクトロルミネッセ
ンス素子に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
高度情報化に伴ってCRTよりも薄型、低消費電力、軽
量の表示素子としてフルカラーフラットパネルディスプ
レイへのニーズが高まっている。この種のディスプレイ
としては、非自発光型の液晶ディスプレイ(LCD)、
自発光型のプラズマディスプレイ(PDP)、エレクト
ロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等が知られてい
る。
【0003】ELディスプレイは、その発光励起機構及
びその構成材料の違いから、(1)発光層内での電子と
正孔との局在的な移動により発光体を励起し、交流電界
で発光する真性EL素子と、(2)電極からの発光層へ
の電子及び正孔の注入とその発光層内での再結合により
発光体を励起し、直流電界で発光する電荷注入型EL素
子の2つに分けられる。
【0004】(1)の真性EL素子には、通常無機材料
が用いられ、(2)の電荷注入型ELには、有機材料が
用いられる。よって、真性EL素子は無機EL素子、電
荷注入型ELは有機EL素子と称される。このうち、有
機EL素子は、自発光であること、低消費電力化が図れ
ること、発光色が多様であることなどの特徴を有するた
め、非常に注目を集めている。
【0005】一般には、有機EL素子の構造としては、
3層積層構造を持つものがよく知られている(Appl. Ph
ys. Lett. 56(9)、26 Feb.1990)。例えば、ガラ
スなどからなる透明基板上に、インジウム−スズ酸化物
(ITO)などのような仕事関数の大きな電極材料より
なる陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、Mg/A
gなどのような仕事関数の小さな電極材料よりなる陰極
材料が順次積層されて構成されている。この有機EL素
子の両電極間には、電圧が印加されるか又は電流が注入
される。これにより、発光層内に電子及び正孔が注入さ
れ、発光層内で形成される電子−正孔対の再結合エネル
ギーを蛍光又は燐光として放出させることにより、発光
させることができる。よって、発光層として、青〜赤の
蛍光を有する発光材料を用いることにより、青〜赤の任
意の発光を得ることができる。以上の観点から、有機E
L素子は、非常に注目を集めており、活発な研究開発が
行われている。
【0006】例えば、正孔輸送材料としては、従来のO
PC感光体用の正孔輸送能力の優れた正孔輸送材料をベ
ースに、高Tg化の研究が行われている。また、発光材
料としては、発光強度の観点から研究が行われている。
特に、青色発光材料が活発に研究されており、現在まで
にスチリル誘導体(特許公報第2554771号)、オ
キサジアゾール誘導体(特許公報第2721441号)
等の材料で高輝度の青色発光が報告されている。しか
し、高発光効率と高安定性とを有するものは未だ得られ
ていない。
【0007】さらに、電子輸送材料については、電子輸
送能力の観点から未だ十分な特性は得られていない。従
って、より高い発光効率を有し、繰り返し使用時での安
定性に優れた発光材料、電子輸送能力の優れた電荷輸送
材料の開発が望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、より高い
発光効率を有し、繰り返し使用時での安定性に優れた発
光材料及び電子輸送能力の優れた電子輸送材料について
鋭意研究を重ねた結果、一般式(I)で表される新規な
オキサジアゾール誘導体が有効であることを見い出し、
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明によれ
ば、一般式(I)
【0009】
【化8】
【0010】(式中、Ar1は、置換又は無置換のアリ
ーレン基、置換又は無置換の複素環基を示し; Ar2
は、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のア
リール基、置換又は無置換の複素環基を示し;R1、R2
及びR3は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原
子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のア
リール基、置換又は無置換の複素環基であるか、あるい
はR1及びR2は互いに結合して飽和又は不飽和の5員環
又は6員環を形成してもよく、該環は置換基を有してい
てもよい。)で表されるオキサジアゾール誘導体が提供
される。また、本発明によれば、(i)一般式(II)
【0011】
【化9】
【0012】(式中、Ar1、Ar2及びR3は前記と同
義である。)で表されるオキサジアゾール環含有カルボ
ニル化合物を、一般式(III)
【0013】
【化10】
【0014】(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基又
はフェニル基を示し、R1及びR2は前記と同義であ
る。)で表されるホスホン酸エステル化合物と縮合させ
るか、あるいは(ii)一般式(IV)
【0015】
【化11】
【0016】(式中、Ar1、Ar2、R及びR3は前記
と同義である。)で表されるオキサジアゾール環含有フ
ォスフォン酸エステル化合物を、一般式(V)
【0017】
【化12】
【0018】(式中、R1及びR2は前記と同義であ
る。)で表されるカルボニル化合物と縮合させるか、あ
るいは(iii)一般式(VI)
【0019】
【化13】
【0020】(式中、Ar2は前記と同義であり、Yは
ハロゲン原子を示す。)で表されるカルボン酸ハライド
を、一般式(VII)
【0021】
【化14】
【0022】(式中、Ar1、R1、R2及びR3は前記と
同義である。)で表されるテトラゾール化合物と縮合さ
せて、上記一般式(I)で表されるオキサジアゾール誘
導体を得ることからなるオキサジアゾール誘導体の製造
方法が提供される。
【0023】さらに、本発明によれば、有機発光材料を
含有する単層又は多層の膜が1対の電極によって挟持さ
れており、前記1対の電極間に電圧を印加もしくは電流
を注入することにより前記有機発光材料を発光させる有
機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記単層又
は多層の膜のうち少なくとも1層が、上記一般式(I)
のオキサジアゾール誘導体の少なくとも1種を含有する
層である有機エレクトロルミネッセンス素子、1対の電
極間に少なくとも発光層が挟持されてなる有機エレクロ
トルミネッセンス素子であって、前記発光層中に、上記
一般式(I)のオキサジアゾール誘導体のうち少なくと
も1種を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子又
は1対の電極間に少なくとも発光層及び電子輸送層が挟
持されてなる有機エレクロトルミネッセンス素子であっ
て、前記電子輸送層中に、上記一般式(I)のオキサジ
アゾール誘導体のうち少なくとも1種を含有する有機エ
レクトロルミネッセンス素子が提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明のオキサゾール誘導体は、
一般式(I)
【0025】
【化15】
【0026】(式中、Ar1は、置換又は無置換のアリ
ーレン基、置換又は無置換の複素環基を示し; Ar2
は、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のア
リール基、置換又は無置換の複素環基を示し;R1、R2
及びR3は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原
子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のア
リール基、置換又は無置換の複素環基であるか、あるい
はR1及びR2は互いに結合して飽和又は不飽和の5員環
又は6員環を形成してもよく、該環は置換基を有してい
てもよい)で表される。
【0027】本発明においては、特記しない限り、各置
換基は以下に記載のものが挙げられる。「アリーレン
基」としては、o−フェニレン、m−フェニレン、p−
フェニレン、4,4’−ビフェニレン、2,2’−ビフ
ェニレン、1,4−ナフチレン、1,5−ナフチレン、
1,8−ナフチレン、ターフェニレン等が挙げられる。
なかでも、p−フェニレン、4,4’−ビフェニレン、
1,4−ナフチレン等が好ましい。
【0028】「複素環基」としては、フリル、ピリジ
ル、ピリミジル、ピリジニル、ピラジニル、トリアジ
ル、フラニル、ピロリル、チオフェニル、インドニル、
インドリル、インダゾニル、キノリル、クマリニル、ベ
ンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンズオキサゾリ
ル、ジベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、カルバゾ
リル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソ
オキサゾリル、チアゾリル、インダゾリル、ベンゾチア
ゾリル、ピリダジニル、シンノリル、キナゾリル、キノ
キサル等が挙げられる。なかでも、ピリジル、カルバゾ
リル等が好ましい。
【0029】「アルキル基」としては、炭素数1〜6の
直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられ、具体的には、メ
チル、エチル、プロピル、tert−ブチル、ブチル、
ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。なかでも、メチ
ル、エチル、tert−ブチル等が好ましい。
【0030】「アリール基」としては、フェニル、ビフ
ェニリル、ナフチル、アントリル、アセナフテニル、フ
ルオレニル、フェナントリル、インデニル、ピレニル等
が挙げられる。なかでも、フェニル、ビフェニリル、ナ
フチル等が好ましい。「ハロゲン原子」とは、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0031】「飽和又は不飽和の5員環又は6員環」と
しては、シクロペンタン、シクロヘキサン、フラン、チ
オフェン、ピロール、ピロリン、オキサゾール、チアゾ
ール、イミダゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン等
が挙げられる。なかでも、フラン、シクロヘキサン等が
好ましい。
【0032】「アリーレン基」、「複素環基」、「アル
キル基」、「アリール基」及び「飽和又は不飽和の5員
環又は6員環」の「置換基」としては、以下のようなも
のが挙げられる。 (1)ハロゲン原子、水酸基、トリフルオロメチル基、
シアノ基、ニトロ基、(2)アルキル基(炭素数1〜6
の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる)、(3)ア
リール基(ここでのアリール基は、さらにハロゲン原
子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルコ
キシ基、アミノ基等で置換されていてもよい)、(4)
アルコキシ基(炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルコキ
シ基が挙げられ、具体的には、メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、tert−ブトキシ、ブトキシ、ペントキ
シ、ヘキシトキシ等が挙げられる)、(5)アリールオ
キシ基(アリールとしては上記アリール基と同じ)
(6)アルキルチオ基(アルキルとしては上記アルキル
基と同じ)(7)−N(R11)R12 (式中、R11及びR12は、同一又は異なって、水素原
子、アルキル基、アリール基、アシル基(−COR
13(R13はアルキル基又はアリール基))であるか、あ
るいはR11及びR12は互いに結合して飽和又は不飽和の
5員環又は6員環を形成してもよく、該環は置換基を有
していてもよい)、(8)アルコキシカルボニル基(こ
こでのアルコキシとしては上記アルコキシ基と同じ)、
(9)アシル基、スルホニル基(−SO213)、カル
バモイル基(−CON(R11)R12)、スルファモイル
基(−SO2N(R11)R12)、(10)アルキレンジ
チオ基又はアルキレンジオキシ基(メチレンジチオ基、
メチレンジオキシ基等)。
【0033】なかでも、「アリーレン基」の「置換基」
としては、炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基、
アルコキシ基が好ましく、メチル、エチル、メトキシ、
エトキシがより好ましい。「複素環基」の「置換基」と
しては、炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基、ア
ルコキシ基が好ましく、メチル、エチル、メトキシ、エ
トキシがより好ましい。
【0034】「アルキル基」の「置換基」としては、ア
ルコキシ基、ハロゲン原子が好ましく、メトキシ、エト
キシ、クロロがより好ましい。「アリール基」の「置換
基」としては、炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル
基、無置換のアリール基、アルコキシ基、ジアリールア
ミノ基が好ましく、メチル、エチル、フェニル、メトキ
シ、エトキシ、ジフェニルアミノがより好ましい。「飽
和又は不飽和の5員環又は6員環」の「置換基」として
は、アルキル基が好ましく、メチルがより好ましい。
【0035】さらに、「置換アリーレン基」としては、
2,2’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンが好まし
く、「置換複素環基」としては、4−メチル−キノリル
が好ましく、「置換アルキル基」としては、ベンジルが
好ましく、「置換アリール基」としては、トリル、4−
ビフェニル、1−ナフチル、アントリル、N−エチル−
カリバゾリル、トリフェニルが好ましく、「置換の飽和
又は不飽和の5員環又は6員環」としては、シクロヘキ
シルが好ましい。以下に、一般式(I)で表される化合
物の具体例を例示するが、本発明は以下の具体例に限定
されるものではない。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】一般式(I)のオキサジアゾール誘導体
は、1分子中に1つのメチルディン(=C=CH−)単
位を有するため、このメチリディン単位の幾何異性によ
って、シス体、トランス体が存在するが、本発明におい
ては、これらの立体異性体及び混合物をも包含する。な
かでも、トランス体が好ましい。一般式(I)のオキサ
ジアゾール誘導体は、以下の製造方法A、B又はCによ
り製造することができる。
【0039】<製造方法A>
【化16】
【0040】(式中、Ar1、Ar2、R1、R2、R3
びRは前記と同義である。)まず、式(VI)のカルボン
酸ハライドと式(VIII)のヒドラジド化合物とを反応さ
せて、式(IX)のアシルヒドラジン化合物を得る。さら
に、式(IX)のアシルヒドラジン化合物を脱水素化して
式(X)のオキサジアゾール化合物を得る。
【0041】続いて、式(X)のオキサジアゾール化合
物を、過酸化ベンゾイルの存在下で、n−ブロモスクシ
ンイミドと反応させて式(XI)のオキサジアゾール環含
有臭素化物を得る。さらに、式(XI)のオキサジアゾー
ル環含有臭素化物と2−ニトロプロパンナトリウム塩と
を反応させて、式(II)のオキサジアゾール環含有カル
ボニル化合物を得る。
【0042】次に、式(XII)のハロゲン化物とトリア
ルコキシフホスフィンとを反応させて、式(III)のホ
スホン酸エステル化合物を得る。最後に、式(II)のオ
キサジアゾール環含有カルボニル化合物と式(III)の
ホスフォン酸エステル化合物とを反応させて一般式
(I)のオキサジアゾール誘導体を得ることができる。
【0043】<製造方法B>本発明のオキサジアゾール
誘導体のうち、特定のオキサジアゾール誘導体は、製造
方法Bによっても製造することができる。
【0044】
【化17】
【0045】(式中、Ar1、Ar2、R1、R2及びR3
は前記と同義であり、Yはハロゲン原子を示す。) 上記製造方法Aと同様の方法で得られた式(XI)のオキ
サジアゾール環含有臭素化物とトリアルコキシホスフィ
ンとを反応させて式(IV)のオキサジアゾール環含有ホ
スホン酸エステル化合物を得る。
【0046】最後に、式(IV)のオキサジアゾール環含
有ホスホン酸エステル化合物と式(V)のカルボニル化
合物とを反応させて一般式(I)のオキサジアゾール誘
導体を得ることができる。
【0047】<製造方法C>本発明のオキサジアゾール
誘導体のうち、特定のオキサジアゾール誘導体は、製造
方法Cによっても製造することができる。
【0048】
【化18】
【0049】(式中、Ar1、Ar2、R1、R2及びR3
は前記と同義である。) まず、式(XII)のハロゲン化物とトリアルコキシフォ
スフィンから式(III)のホスホン酸エステル化合物を
得る。次に、式(III)のホスホン酸エステル化合物と
式(XIII)のカルボニル化合物とを反応させて、式(XI
V)のスチリル化合物を得る。さらに、式(XIV)のスチ
リル化合物を、塩化リチウムの存在下で、アジ化ソーダ
と反応させて式(VII)のテトラゾール化合物を得る。
【0050】最後に、式(VII)のテトラゾール化合物
と式(VI)のカルボン酸ハライドとを反応させて一般
式(I)のオキソジアゾール誘導体を得ることができ
る。このようにして得られる本発明のオキサジアゾール
誘導体は、有機エレクトロルミネッセンス素子の構成材
料として有効に利用できる。
【0051】図1〜図3に、本発明で使用される有機E
L素子の模式図を示す。図1の有機EL素子は、基板1
上に、陽極2、発光層4、陰極6が順に形成されて構成
されている。発光層4は、一般式(I)の化合物を発光
物質として含有する単層又は積層構造で形成されてな
る。また、発光層4は、一般式(I)以外の発光物質、
キャリア輸送を行う正孔輸送材料又は電子輸送材料を含
有していてもよい。
【0052】図2の有機EL素子は、発光を主として行
う層と正孔輸送を主として行う層とが分離されており、
基板1上に、陽極2、正孔輸送層3、発光層4、陰極6
が順に形成されて構成されている。発光層4及び正孔輸
送層3は、それぞれ又はいずれか一方が、一般式(I)
の化合物を含有する単層又は積層構造で形成されてな
る。この構造により電子をより効果的に発光層4内に閉
じ込めることができるため、発光輝度や発光効率を増加
させることができる。
【0053】図3の有機EL素子は、発光を主として行
う層と電子輸送を主として行う層とが分離されており、
基板1上に、陽極2、発光層4、電子輸送層5、陰極6
が順に形成されて構成されている。発光層4及び電子輸
送層5は、それぞれ又はいずれか一方が、一般式(I)
の化合物を含有する単層又は積層構造で形成されてな
る。この構造により正孔をより効果的に発光層4内に閉
じ込めることができるため、発光輝度や発光効率を増加
させることができる。
【0054】図4の有機EL素子は、発光を主として行
う層と正孔輸送、電子輸送を主として行う層とが分離さ
れており、基板1上に、陽極2、正孔輸送層3、発光層
4、電子輸送層5、陰極6が順に形成されて構成されて
いる。発光層4、正孔輸送層3及び電子輸送層5は、そ
れぞれ又は少なくとも1層が、一般式(I)の化合物を
含有する単層又は積層構造で形成されてなる。この構造
により正孔と電子とをより効果的に発光層内に閉じ込め
ることができるため、発光輝度や発光効率を増加させる
ことができる。
【0055】また、上記の素子構造とは逆の、基板/陰
極/発光層/陽極、基板/陰極/発光層/正孔輸送層/
陽極、基板/陰極/電子輸送層/発光層/陽極、基板/
陰極/電子輸送層/発光層/正孔輸送層/陽極であって
もよい。
【0056】なお、一般式(I)の化合物は、いずれの
構造の有機EL素子においても、正孔輸送層3、発光層
4、電子輸送層5のいずれの層に使用してもよいが、強
い発光強度と優れた電子輸送能力とを有するので発光層
又は電子輸送層に使用することが最も望ましい。
【0057】本発明の有機EL素子において、基板の材
料は特に限定されるものではないが、透明なものが好ま
しく、例えば、石英基板、ガラス基板、ポリエステル基
板、ポリメタクリレート基板、ポリカーボネート基板、
ポリサルホン基板等が挙げられる。
【0058】陽極は、4eV以上の仕事関数を持つ金
属、合金、電気伝導性化合物又はこれらの混合物等によ
って形成することができる。例えば、アルミニウム、バ
ナジウム、コバルト、ニッケル、タングステン、銀、金
等およびそれらの合金、およびCuI、ITO、SnO
2、ZnOの透明電極材料等が挙げられる。
【0059】陰極は、4eV以下の仕事関数を持つ金
属、合金、電気伝導性化合物又はこれらの混合物等によ
って形成することができる。例えば、リチウム、マグネ
シウム、カルシウム、チタニウム、イットリウム、ルテ
ニウム、マンガン等およびそれらの合金または混合物等
が挙げられる。
【0060】なお、上述した陽極材料同士でも、相対的
に陽極の仕事関数が陰極の仕事関数よりも大きくなるよ
うに2種類の物質を選択することで、有機EL素子の陽
極と陰極として利用することができる場合もあるので
(例えば陽極にAu、陰極にITO)、陽極材料と陰極
材料を選択する時の基準とする仕事関数の大きさは4e
Vに限定されるものではない。
【0061】正孔輸送層は、正孔輸送材料として一般式
(I)のオキサジアゾール誘導体のみを含有していても
よいし、公知の正孔輸送材料のみを含有していてもよ
い。また、一般式(I)のオキサジアゾール誘導体と公
知の正孔輸送材料とを組み合わせて使用してもよい。
【0062】正孔輸送材料は、無機化合物、有機化合物
のいずれでもよい。無機化合物としては公知の無機半導
体を用いることができる。有機化合物としては、従来か
ら正孔の電荷輸送材料として慣用されているものや有機
EL素子の正孔輸送材料に使用されているものの中から
任意のものを選択して用いることができる。例えば、ポ
リフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリ
ルアミン化合物等の低分子物質及びポリビニルカルバゾ
ール、ポリシランなどの高分子物質等が挙げられる。
【0063】発光層は、発光物質として一般式(I)の
オキサジアゾール誘導体のみを含有することが好ましい
が、公知の発光物質のみを含有していてもよく、また、
一般式(I)のオキサジアゾール誘導体と公知の発光物
質とを組み合わせて用いてもよい。
【0064】発光物質としては、例えば、金属オキシノ
イド化合物(8−ヒドロキシキノリン金属錯体)、ブタ
ジエン誘導体、クマリン誘導体、ベンズオキサゾール誘
導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導
体、チアジアゾール誘導体、スチリルアミン誘導体、ビ
ススチリルベンゼン誘導体、トリススチリルベンゼン誘
導体、ペリノン誘導体、アミノピレン誘導体等が挙げら
れる。
【0065】電子輸送層は、電子輸送材料として、一般
式(I)のオキサジアゾール誘導体のみを含有していて
もよいし、公知の電子輸送材料のみを含有していてもよ
い。また、一般式(I)のオキサジアゾール誘導体と公
知の電子材料とを組み合わせて使用してもよい。
【0066】電子輸送物質としては、無機化合物、有機
化合物のいずれでもよい。無機化合物としては公知の無
機半導体を用いることができる。有機化合物としては、
従来から電子の電荷輸送材料として慣用されているもの
や有機EL素子の電子輸送材料に使用されているものの
中から任意のものを選択して用いることができる。例え
ば、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、チ
オピラジンジオキシド誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナ
フトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、ジフェノキ
ノン誘導体、フルオレノン誘導体等が挙げられる。
【0067】本発明の有機EL素子は、基板上に、各層
を、真空蒸着、スパッタリング等の乾式成膜法やスピン
コーティング、ディッピング等の湿式成膜法等を用いて
形成することができる。各層の膜厚は、特に限定される
ものではなく、得られる有機EL素子の性能、各層に含
有される材料により適宜調整することができる。なお、
膜厚が厚すぎると素子の内部抵抗が増し、一定の光出力
を得るために大きな印加電圧が必要となるため効率が悪
くなり、一方、膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生し
て、電界を印加しても充分な発光輝度が得られない。具
体的には、それぞれ0.0005〜1μm程度が挙げら
れる。
【0068】湿式成膜法の場合、各層を形成する材料を
クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、
ジオキサン等の適切な溶媒に溶解または分散させた液を
用いて成膜することができ、さらに、成膜性向上、膜の
ピンホール防止等のため、適切な高分子化合物や添加剤
を使用してもよい。以下に、本発明のオキサジアゾール
誘導体、その製造方法及びそからなる有機エレクトロル
ミネッセンス素子の実施例を説明する。
【0069】合成例1:製造方法Aによる化合物11の
オキサジアゾール誘導体の合成 まず、以下に示す反応式にしたがって中間体を製造し
た。
【0070】
【化19】
【0071】4−ビフェニルカルボニルクロライド5.
00g(2.31×10-2mol)とp−トルイックヒ
ドラジド3.47g(2.31×10-2mol)とをピ
リジン100mL中で30時間反応させた。溶媒のピリ
ジンを減圧溜去により除去し、得られた固体を水で洗浄
し、生成した沈殿を濾取し、乾燥させ、化合物(1−
1)6.77g(収率88.7%)を得た。
【0072】次に、上記の化合物(1−1)5.00g
(1.51×10-2mol)をオキシ塩化リン50mL
中100℃で50時間反応させた。放冷後、100mL
の氷水に反応液を注ぎ、生成した沈殿を水で洗浄後濾取
し乾燥させた。これをシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで精製して、化合物(1−2)2.51g(収率5
3.1%)を得た。
【0073】化合物(1−2)2.00g(6.4×1
-3mol)を四塩化炭素100mL中、N−ブロモス
クシンイミド1.14g(6.40×10-3mol)、
過酸化ベンゾイル11.8mg(4.88×10-5mo
l)と10時間加熱還流反応させた。溶媒の四塩化炭素
を減圧溜去により除去し、得られた固体を水で洗浄し、
化合物(1−3)1.28g(収率51.0%)を得
た。
【0074】次に、この化合物(1−3)1.00g
(2.56×10-3mol)をTHF100mLに溶解
し、これに、2−ニトロプロパン228mg(2.56
×10 -3mol)をエタノール中にナトリウムエトキシ
ド180mg(2.65×10 -3mol)に加えて調製
した溶液を加え、室温で3時間、60℃で3時間反応さ
せた。その後、溶媒のTHFを減圧蒸留により除去し
た。得られた固体を水で洗浄した後、ジクロロメタンで
抽出し、水で洗浄しジクロロメタン溶液を減圧溜去して
中間体(1−4)535mg(収率64.0%)を得
た。次いで、以下に示す反応式にしたがって、オキサジ
アゾール誘導体(化合物(11))を製造した。
【0075】
【化20】
【0076】中間体(1−4)500mg(1.53×
10-3mol)、α−ブロモジフェニルメタンと亜リン
酸トリエチルとを加熱反応させることにより得たホスホ
ン酸エステル913mg(3.00×10-3mol)及
びカリウムt−ブトキシド337mg(3.00×10
-3mol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
50mLに懸濁し、室温にて反応させた。得られた反応
物を一晩放置した後、メタノール40mLと水10mL
との混合液を添加し、次いで生じた沈殿をろ取し、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、目的化
合物(11)603mg(収率82.7%)が得られ
た。
【0077】この化合物は、下記の分析結果より化合物
(11)と同定された。 (1)質量分析(FD−MS):m/z=476 (2)元素分析C34242Oとして 計算値(%) C:85.69 H:5.08 N:5.88 実測値(%) C:85.63 H:5.24 N:6.21
【0078】合成例2:製造方法Bによる化合物11の
オキサジアゾール誘導体の合成 まず、以下の反応式にしたがって中間体を製造した。
【0079】
【化21】
【0080】上記合成例1と同様にして得られた化合物
(1−3)2.00g(5.11×10-3mol)を亜
リン酸トリエチル934mg(5.62×10-3mo
l)と200℃で2時間加熱反応させることにより中間
体のホスホン酸エステル(2−1)1.86g(収率8
1.0%)を得た。次いで、以下に示す反応式にしたが
って、オキサジアゾール誘導体(化合物(11))を製
造した。
【0081】
【化22】
【0082】上記中間体(2−1)1.50g(3.3
4×10-3mol)とベンゾフェノン609mg(3.
34×10-3mol)及びカリウムt−ブトキシド37
5mg(3.34×10-3mol)をN,N−ジメチル
ホルムアミド(DMF)50mLに懸濁し、室温にて反
応させた。得られた反応物を一晩放置した後、メタノー
ル40mLと水10mLとの混合液を添加し、次いで生
じた沈殿をろ取し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにて精製して、目的化合物(11)223mg(収率
14.0%)が得られた。
【0083】この化合物は、下記の分析結果より化合物
(11)と同定された。 (1)質量分析(FD−MS):m/z=476 (2)元素分析C34242Oとして 計算値(%) C:85.69 H:5.08 N:5.88 実測値(%) C:85.64 H:4.93 N:6.28
【0084】合成例3:製造方法Cによる化合物11の
オキサジアゾール誘導体の合成 まず、以下の反応式にしたがって中間体を製造した。
【0085】
【化23】
【0086】4−シアノベンズアルデヒド1.48g
(1.13×10-2mol)をα−ブロモジフェニルメ
タンと亜リン酸トリエチルとを加熱反応させることによ
り得たホスホン酸エステル5.26g(1.70×10
-2mol)及びカリウムt−ブトキシド1.90g
(1.70×10-2mol)とN,N−ジメチルホルム
アミド(DMF)30mLに懸濁し、室温にて反応させ
た。得られた反応物を一晩放置した後、DMFを減圧溜
去し、水、メタノールで洗浄して生じた沈殿をろ取し、
シリカゲルカラムクトマトグラフィーにて精製して、化
合物(3−1)が1.66g(収率52.3%)が得ら
れた。この化合物(3−1)を1.50g(5.33×
10-3mol)、アジ化ナトリウム693mg(1.0
7×10-2mol)および塩化リチウム454mg
(1.07×10-2mol)を2−メトキシエタノール
50mL中で120時間加熱還流した。放冷後、2−メ
トキシエタノールを減圧溜去して、得られた反応生成物
を水50mLに分散して、不溶物を濾別し、濾液に濃塩
酸1mLを添加した。生じた沈殿物を濾過、水で洗浄し
て中間体(3−2)1.42g(収率82.4%)を得
た。
【0087】次いで、以下の反応式にしたがってオキサ
ジアゾール誘導体(化合物(11))を製造した。
【0088】
【化24】
【0089】上記中間体(3−2)1.00g(3.0
8×10-3mol)と4−ビフェニルカルボニルクロラ
イド668mg(3.08×10-3mol)とをピリジ
ン50mL中で20時間加熱還流させた。溶媒のピリジ
ンを減圧溜去により除去し、得られた固体を水で洗浄し
乾燥させ目的化合物(11)1.00g(収率74.9
%)を得た。
【0090】この化合物は、下記の分析結果より化合物
(11)と同定された。 (1)質量分析(FD−MS):m/z=476 (2)元素分析C34242Oとして 計算値(%) C:85.69 H:5.08 N:5.88 実測値(%) C:85.77 H:5.11 N:6.17
【0091】合成例4:製造方法Aによる化合物7のオ
キサジアゾール誘導体の合成 まず、以下の反応式にしたがって中間体を製造した。
【0092】
【化25】
【0093】ベンゾイルクロライド5.00g(3.5
6×10-2mol)とp−トルイックヒドラジド5.3
5g(3.56×10-2mol)とをピリジン(100
mL)中で30時間反応させた。溶媒のピリジンを減圧
溜去により除去し、得られた固体を水で洗浄し、生成し
た沈殿を濾取し、乾燥させ、化合物(4−1)7.95
g(収率87.8%)を得た。
【0094】次に、上記の化合物(4−1)5.00g
(1.97×10-2mol)をオキシ塩化リン50mL
中100℃で50時間反応させた。放冷後、100mL
の氷水に反応液を注ぎ、生成した沈殿を水で洗浄後濾取
し乾燥させた。これをシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで精製して化合物(4−2)2.40g(収率5
1.6%)を得た。この化合物(4−2)2.00g
(8.46×10-3mol)を四塩化炭素100mL
中、N−ブロモスクシンイミド1.51g(8.46×
10-3mol)、過酸化ベンゾイル15.6mg(6.
45×10-5mol)と10時間加熱還流反応させた。
溶媒の四塩化炭素を減圧溜去により除去し得られた固体
を水で洗浄し、化合物(4−3)1.36g(収率5
0.9%)を得た。
【0095】次に、この化合物(4−3)1.00g
(3.17×10-3mol)をTHF100mLに溶か
しこれに2−ニトロプロパン282mg(3.17×1
-3mol)をエタノール中のナトリウムエトキシド2
08mg(3.06×10-3mol)に加えて調製した
溶液を加え、室温で3時間、60℃で3時間反応させ
た。その後、溶媒のTHFを減圧溜去により除去し、得
られた固体を水で洗浄し、さらにジクロロメタンで抽出
し、水で洗浄し、ジクロロメタン溶液を減圧溜去して中
間体(4−4)500mg(収率63.0%)を得た。
【0096】次いで、以下の反応式にしたがって、オキ
サジアゾール誘導体(化合物(7))を製造した。
【0097】
【化26】
【0098】中間体(4−4)500mg(2.00×
10-3mol)、α−ブロモジフェニルメタンと亜リン
酸トリエチルとを加熱反応させることにより得たホスホ
ン酸エステル1.22g(4.00×10-3mol)及
びカリウムt−ブトキシド450mg(4.00×10
-3mol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
50mLに懸濁し、室温にて反応させた。得られた反応
物を一晩放置した。その後、メタノール40mLと水1
0mLとの混合液を添加し、次いで生じた沈殿をろ取
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製する
ことにより、目的化合物(7)410mg(収率84.
0%)が得られた。
【0099】この化合物は、下記の分析結果より化合物
(7)と同定された。 (1)質量分析(FD−MS):m/z=400 (2)元素分析C34242Oとして 計算値(%) C:83.98 H:5.03 N:6.99 実測値(%) C:84.33 H:5.24 N:6.71
【0100】合成例5:製造方法Bによる化合物12の
オキサジアゾール誘導体の合成 まず、合成例2と同様にして中間体(2−1)を合成し
た。次いで、以下の反応式にしたがってオキサジアゾー
ル誘導体(化合物(12))を製造した。
【0101】
【化27】
【0102】上記中間体(2−1)1.50g(3.3
4×10-3mol)とベンズアルデヒド354mg
(3.34×10-3mol)及びカリウムt−ブトキシ
ド375mg(3.34×10-3mol)をN,N−ジ
メチルホルムアミド(DMF)50mLに懸濁し、室温
にて反応させた。得られた反応物を一晩放置した後、メ
タノール40mLと水10mLとの混合液を添加し、次
いで生じた沈殿をろ取し、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーにて精製することにより、目的化合物(12)
208mg(収率15.5%)が得られた。
【0103】この化合物は、下記の分析結果より化合物
(12)と同定された。 (1)質量分析(FD−MS):m/z=400 (2)元素分析C34242Oとして 計算値(%) C:85.69 H:5.08 N:5.88 実測値(%) C:85.64 H:4.93 N:6.28
【0104】合成例6:製造方法Cによる化合物4のオ
キサジアゾール誘導体の合成 まず、合成例3と同様にして中間体(3−2)を合成し
た。次いで、以下の反応式にしたがってオキサジアゾー
ル誘導体(化合物(4))を製造した。
【0105】
【化28】
【0106】合成例3で得られた中間体(3−2)1.
00g(3.08×10-3mol)と1−ナフトイルク
ロライド587mg(3.08×10-3mol)とをピ
リジン50mL中で20時間加熱還流させた。溶媒のピ
リジンを減圧溜去により除去し、得られた固体を水で洗
浄し乾燥させ、目的化合物(4)1.21g(収率8
2.8%)を得た。
【0107】この化合物は、下記の分析結果より化合物
(4)と同定された。 (1)質量分析(FD−MS):m/z=450 (2)元素分析C34222Oとして 計算値(%) C:85.31 H:4.92 N:6.22 実測値(%) C:84.89 H:4.99 N:6.21
【0108】実施例1 50mm角のガラス基板上にスパッタリングにより成膜
した膜厚200nmのインジウム−スズ酸化物(IT
O)を、2mm幅のストライプにパターニングした。こ
れを水洗後、10分間水超音波洗浄し、10分間アセト
ン超音波洗浄し、さらに5分間イソプロピルアルコール
蒸気洗浄し、100℃の乾燥機中で1時間乾燥した。
【0109】次に、得られた基板を抵抗加熱蒸着装置内
の基板ホルダーに固定し、装置内を1×10-4Paの真
空中まで減圧した。その後、正孔輸送層として、下記構
造式(1)
【0110】
【化29】
【0111】で示されるN,N’−ジフェニル−N,
N’−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジアミン(以下、NPDと略す)を蒸着速度
0.2nm/secで膜厚が50nmになるように積層
した。次に、発光層として化合物11を蒸着速度0.2
nm/secで膜厚が50nmになるように積層した。
最後に、この基板に2mm幅のストライプ状の背面電極
形成用のステンレスマスクをかけ、銀を蒸着速度0.2
nm/secで蒸着させると同時にマグネシウムを蒸着
速度1.8nm/secで蒸着させ、膜厚が200nm
になるように積層して電極を形成し、有機EL素子を作
製した。このようにして得られた素子に、直流電圧20
Vを印加した結果、400cd/m2の青色発光が得ら
れた。
【0112】実施例2 50mm角のガラス基板上にスパッタリングにより成膜
した膜厚200nmのインジウム−スズ酸化物(IT
O)を、2mm幅のストライプにパターニングした。こ
れを水洗後、10分間水超音波洗浄し、10分間アセト
ン超音波洗浄し、さらに5分間イソプロピルアルコール
蒸気洗浄し、100℃の乾燥機中で1時間乾燥した。
【0113】次に、得られた基板を抵抗加熱蒸着装置内
の基板ホルダーに固定し、装置内を1×10-4Paの真
空中まで減圧した。その後、正孔輸送層として、NPD
を蒸着速度0.2nm/secで膜厚が50nmになる
ように積層した。次に、発光層として化合物11を蒸着
速度0.2nm/secで膜厚が20nmになるように
積層した。さらに、電子輸送層として、下記構造式
(2)
【0114】
【化30】
【0115】で示されるトリス(8−ヒドロキシキノリ
ナト)アルミニウム(以下、Alq3と略す)を蒸着速
度0.2nm/secで膜厚が50nmになるように積
層した。最後に、この基板に2mm幅のストライプ状の
背面電極形成用のステンレスマスクをかけ、銀を蒸着速
度0.2nm/secで蒸着させると同時にマグネシウ
ムを蒸着速度1.8nm/secで蒸着させ、膜厚が2
00nmになるように積層して電極を形成して、有機E
L素子を作製した。このようにして得られた素子に直流
電圧20Vを印加した結果、800cd/m2の青色発
光が得られた。
【0116】実施例3 化合物11の代わりに化合物7を用いたこと以外は実施
例2と同様に有機EL素子を作製した。得られた素子に
直流電圧20Vを印加した結果、710cd/m2の青
色発光が得られた。
【0117】実施例4 化合物11の代わりに化合物12を用いたこと以外は実
施例2と同様に有機EL素子を作製した。得られた素子
に直流電圧20Vを印加した結果、680cd/m2
青色発光が得られた。
【0118】実施例5 50mm角のガラス基板上にスパッタリングにより成膜
した膜厚200nmのインジウム−スズ酸化物(IT
O)を、2mm幅のストライプにパターニングした。こ
れを水洗後、10分間水超音波洗浄し、10分間アセト
ン超音波洗浄し、さらに5分間イソプロピルアルコール
蒸気洗浄し、100℃の乾燥機中で1時間乾燥した。
【0119】次に、得られた基板を抵抗加熱蒸着装置内
の基板ホルダーに固定し、装置内を1×10-4Paの真
空中まで減圧した。その後、発光層として、下記構造式
(3)
【0120】
【化31】
【0121】で示される1,1,4,4−テトラフェニ
ル−1,3−ブタジエン(以下、TPBと略す)を蒸着
速度0.2nm/secで膜厚が50nmになるように
積層した。次に、化合物4を蒸着速度0.2nm/se
cで膜厚が50nmになるように積層した。最後に、こ
の基板に2mm幅のストライプ状の背面電極形成用のス
テンレスマスクをかけ、銀を蒸着速度0.2nm/se
cで蒸着させると同時にマグネシウムを蒸着速度1.8
nm/secで蒸着させ、膜厚が200nmになるよう
に積層して電極を形成して、有機EL素子を作製した。
このようにして得られた素子に直流電圧20Vを印加し
た結果、200cd/m2の青色発光が得られた。な
お、実施例1〜5で得られた有機EL素子について、連
続発光実験を行なったところ、発光が安定して数百時間
以上持続した。
【0122】
【発明の効果】本発明のオキサジアゾール誘導体は、有
機EL素子における発光材料、電子輸送材料及び/又は
正孔輸送材料として用いることにより、発光輝度と寿命
安定性に優れる有機EL素子を得ることができる。特
に、この発明のオキサジアゾール誘導体は、発光強度が
強いため、発光層中において発光材料として用いること
により、また、優れた電子輸送能力を有するため、電子
輸送層中において電子輸送材料として用いることによ
り、より効率的に高い発光効率及び発光輝度を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL素子の模式断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 陽極 3 正孔輸送層 4 発光層 5 電子輸送層 6 陰極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H068 AA20 BA18 FB26 3K007 AB00 AB02 AB03 CA01 CA02 CA05 CB01 DA00 DB03 EB00 FA01 FA03 4C056 AA01 AB02 AC07 AD01 AE03 AF01 AF05 FA04 FA09 FB01 FC01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Ar1は、置換又は無置換のアリーレン基、置
    換又は無置換の複素環基を示し; Ar2は、置換又は
    無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置
    換又は無置換の複素環基を示し;R1、R2及びR3は、
    同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換又は
    無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置
    換又は無置換の複素環基であるか、あるいはR1及びR2
    は互いに結合して飽和又は不飽和の5員環又は6員環を
    形成してもよく、該環は置換基を有していてもよい)で
    表されるオキサジアゾール誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式(II) 【化2】 (式中、Ar1、Ar2及びR3は前記と同義である。)
    で表されるオキサジアゾール環含有カルボニル化合物
    を、 一般式(III) 【化3】 (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基
    を示し、R1及びR2は前記と同義である。)で表される
    ホスホン酸エステル化合物と縮合させて、請求項1に記
    載の一般式(I)で表されるオキサジアゾール誘導体を
    得ることからなるオキサジアゾール誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(IV) 【化4】 (式中、Ar1、Ar2、R及びR3は前記と同義であ
    る。)で表されるオキサジアゾール環含有フォスフォン
    酸エステル化合物を、一般式(V) 【化5】 (式中、R1及びR2は前記と同義である。)で表される
    カルボニル化合物と縮合させて、請求項1に記載の一般
    式(I)で表されるオキサジアゾール誘導体を得ること
    からなるオキサジアゾール誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(VI) 【化6】 (式中、Ar2は前記と同義であり、Yはハロゲン原子
    を示す。)で表されるカルボン酸ハライドを、一般式
    (VII) 【化7】 (式中、Ar1、R1、R2及びR3は前記と同義であ
    る。)で表されるテトラゾール化合物と縮合させて、請
    求項1に記載の一般式(I)で表されるオキサジアゾー
    ル誘導体を得ることからなるオキサジアゾール誘導体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 有機発光材料を含有する単層又は多層の
    膜が1対の電極によって挟持されており、前記1対の電
    極間に電圧を印加もしくは電流を注入することにより前
    記有機発光材料を発光させる有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子であって、前記単層又は多層の膜のうち少なく
    とも1層が、請求項1に記載の一般式(I)で表される
    オキサジアゾール誘導体の少なくとも1種を含有する層
    であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス
    素子。
  6. 【請求項6】 1対の電極間に少なくとも発光層が挟持
    されてなる有機エレクロトルミネッセンス素子であっ
    て、前記発光層中に、請求項1に記載の一般式(I)で
    表されるオキサジアゾール誘導体のうち少なくとも1種
    を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子。
  7. 【請求項7】 1対の電極間に少なくとも発光層及び電
    子輸送層が挟持されてなる有機エレクロトルミネッセン
    ス素子であって、前記電子輸送層中に、請求項1に記載
    の一般式(I)で表されるオキサジアゾール誘導体のう
    ち少なくとも1種を含有することを特徴とする有機エレ
    クトロルミネッセンス素子。
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