JP2000264654A - モールド成形型,その作製方法,及び作製装置 - Google Patents

モールド成形型,その作製方法,及び作製装置

Info

Publication number
JP2000264654A
JP2000264654A JP11071675A JP7167599A JP2000264654A JP 2000264654 A JP2000264654 A JP 2000264654A JP 11071675 A JP11071675 A JP 11071675A JP 7167599 A JP7167599 A JP 7167599A JP 2000264654 A JP2000264654 A JP 2000264654A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
holding
molding
lens
holding member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11071675A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyuki Takahashi
一幸 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd filed Critical Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority to JP11071675A priority Critical patent/JP2000264654A/ja
Publication of JP2000264654A publication Critical patent/JP2000264654A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/50Structural details of the press-mould assembly
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/72Barrel presses or equivalent, e.g. of the ring mould type
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/72Barrel presses or equivalent, e.g. of the ring mould type
    • C03B2215/73Barrel presses or equivalent, e.g. of the ring mould type with means to allow glass overflow in a direction perpendicular to the press axis

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度に優れるとともに偏心の少ないモールド
成形型,その作製方法,及び作製装置を、提供する。 【解決手段】 高温にて軟化するガラスからなる基盤部
材18と、該基盤部材18を偏心させずに保持する保持
部材16,17とを用い、所定形状のレンズ成形面を得
る為の転写成形面15bを有する転写基盤型15によっ
て、前記基盤部材18を前記保持部材16,17方向へ
押し付けて、その基盤部材18にレンズ成形面18aを
形成させながら、これら基盤部材18及び保持部材1
6,17を複合一体化成形して、モールド成形型91を
作製することとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズを製造する
ためのモールド成形型,その作製方法,及び作製装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光学機器の対物レンズ(撮像レン
ズ)には、レンズ構成枚数を少なくしつつ光学性能を向
上させるために(特に、歪曲収差を補正するために)、
非球面レンズが用いられる傾向がある。
【0003】このような非球面レンズは、作製工程を容
易にしつつ精度を向上させて低コストを実現するため
に、ガラスモールド成形によって作製される場合が多
い。このガラスモールド成形は、ガラスのプリフォーム
を超硬金属製の成形型によって押し潰してレンズ形状に
成形する方法であるので、所定形状のレンズ成形面を有
する成形型を、予め作製しておかなければならない。
【0004】通常、この成形型は、超硬金属をダイヤモ
ンド砥石によって研削加工することによって作製され
る。しかし、所望のレンズ面が凸面である場合、成形型
のレンズ成形面は、比較的加工の難しい凹面に加工され
る必要があり、さらに、所望のレンズが微小レンズであ
る場合には、その凹面加工はより困難となる。
【0005】このように、通常の研削加工が難しい場合
に、超硬金属の代わりにガラスを用いて成形型を作製す
る技術が、提案されている。即ち、予めレンズ成形面を
得る為の所定形状の転写成形面を有する転写基盤型を作
製しておき、レンズに加工される被成形ガラスのプレス
温度よりもプレス温度の高いガラスを成形型の母材とし
て用い、前記転写基盤型の転写成形面に前記成形型の母
材をセットし、該母材を熱軟化させた状態でプレス成形
することにより、成形型の基盤を得るというものであ
る。
【0006】こうして得られた成形型の基盤は、転写基
盤型の転写成形面が反転転写された面を有する。この基
盤をさらに冷間加工することにより、所定形状のレンズ
面を得るためのレンズ成形面,ガラスモールド作業時に
当該成形型を固定するつば部,及びガラスモールド作業
時の摺動動作を案内する摺動部を作製し、所望の成形型
を完成させていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガラス
製の成形型には、以下のような問題点がある。即ち、ガ
ラス製であるため、衝撃に弱く壊れやすい。さらに、レ
ンズ製造工程におけるガラスモールド作業時に、成形型
のつば部や摺動部は、硬質な金属材料と接するので、特
に大きな力を受けることになる。従って、これらつば部
や摺動部がガラス製であると、当該部分が特に壊れやす
くなってしまう。
【0008】また、得られた成形型用の基盤を、他の部
材と組み合わせて成形型を構成する場合、その組み合わ
せを高精度に行わないと、当該成形型を用いて製造した
レンズに、偏心が生じてしまう。
【0009】本発明は、レンズのモールド成形における
かかる問題点に鑑みてなされたものであり、強度に優れ
るとともに偏心の少ないモールド成形型,その作製方
法,及び作製装置の提供を、課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、以下の構成を採用した。即ち、請求項1
記載の発明は、所定形状のレンズ面を有するレンズをモ
ールド成形する際に用いられるモールド成形型であっ
て、前記レンズ面を得る為の所定形状を有するレンズ成
形面が端面に形成された基盤部材と、一端に前記基盤部
材を収容する収容穴,他端に当該モールド成形型固定の
ための固定手段,及び側面に前記レンズをモールド成形
する際の摺動動作を案内する摺動部,を有する柱状の保
持部材とを備えることを特徴とする。
【0011】このように構成されると、基盤部材の母材
として、レンズ成形面を形成するのに適した材料を用い
ることができるとともに、保持部材の材料として、レン
ズのモールド成形時の固定及び摺動動作に耐えられる材
料を用いることができるのである。なお、このモールド
成形型によって製造されるレンズのレンズ面は、凸面で
あっても凹面であってもよく、非球面であっても球面で
あってもよい。また、そのレンズは、ガラスレンズであ
っても、プラスチックレンズであってもよい。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、前記基盤部材が、前記レンズ用の光学材料の軟化点
よりも高い軟化点を有する材料からなり、前記保持部材
が、その基盤部材よりも耐高温かつ硬質の材料からなる
ことで、特定したものである。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1又は請求
項2において、前記保持部材は、その摺動部が円柱面を
有し、その固定手段が、前記摺動部から環状に突出させ
たつば部として構成されることで、特定したものであ
る。なお、摺動部は、円柱面に限らず、角柱の側面を備
えることとしてもよく、軸方向に直交する断面が楕円状
の面を備えることとしてもよい。また、固定手段は、つ
ば部に限らず、摺動部から環状に陥入させた形状を有す
るものとしてもよい。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項3におい
て、前記保持部材が、その収容穴の内面に、当該保持部
材の摺動部の中心軸に関して回転対称な面である保持面
を備え、この保持面にて、前記基盤部材を位置決めして
保持することで、特定したものである。
【0015】請求項5記載の発明は、請求項4におい
て、前記保持面が、円錐又は円錐台の側面を反転させた
形状を有することで、特定したものである。
【0016】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれかにおいて、前記保持部材が、その収容穴の内面を
狭窄させた形状を有して、前記基盤部材を把持固定する
把持部を備えることで、特定したものである。
【0017】請求項7記載の発明は、請求項6におい
て、前記保持部材の前記把持部が、その保持部材の摺動
部の中心軸に関して回転対称であることで、特定したも
のである。
【0018】請求項8記載の発明は、請求項6又は請求
項7において、前記保持部材が、その保持部材の収容穴
が開口する側の部材と、該収容穴の奥側の部材とを、互
いに着脱可能に係合させることによりなり、その収容穴
が開口する側の部材に、前記把持部を備えることで、特
定したものである。
【0019】請求項9記載のモールド成形型の作製方法
は、前記の基盤部材及び保持部材を、モールド法により
複合一体化成形して、請求項1〜8のいずれかに記載の
モールド成形型を作製することを特徴とする。
【0020】請求項10記載の発明は、請求項9におい
て、前記基盤部材における前記レンズ成形面を、前記の
モールド法による当該基盤部材及び前記保持部材の複合
一体化成形と同時に、形成することで、特定したもので
ある。
【0021】請求項11記載の発明は、請求項9又は請
求項10において、前記レンズ成形面を得る為の所定形
状の転写成形面を有する転写基盤型を予め作製し、該転
写基盤型の転写成形面を、モールド法により前記基盤部
材に反転転写して、該基盤部材に前記レンズ成形面を形
成することで、特定したものである。
【0022】請求項12記載の発明は、請求項9〜11
のいずれかにおいて、前記基盤部材に形成された前記レ
ンズ成形面に、さらに離型膜を形成することで、特定し
たものである。なお、前記転写基盤型の転写成形面に
も、離型膜を形成することとしてもよい。
【0023】請求項13記載の発明は、所定形状のレン
ズ面を有するレンズをモールド成形する際に用いられる
モールド成形型の作製装置であって、請求項1記載のレ
ンズ成形面を得る為の所定形状の転写成形面を有する転
写基盤型と、加熱下で軟化する基盤部材,及び請求項3
〜8のいずれかに記載の保持部材と、これら基盤部材及
び保持部材を加熱する加熱装置と、前記転写基盤型の転
写成形面を前記基盤部材に押し付ける押圧機構とを備え
ることを特徴とする。
【0024】請求項14記載の発明は、請求項13にお
いて、前記保持部材の摺動部を内接させる円筒状の胴型
をさらに備えるとともに、前記転写基盤型は、前記転写
成形面がその先端面に形成されているとともに前記胴型
に摺動可能に内接する円柱部を有することで、特定した
ものである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の形態を説明する。 〔第1実施形態〕本実施形態は、高転移ガラスからモー
ルド成形型(モールド成形面を含む)を形成する方法を
示すものである。
【0026】図1は、モールド成形型を成形するための
作製装置Pの要部を示す(一部断面)概略図である。こ
の図1に示すように、この作製装置Pは、真空チャンバ
ー5と、この真空チャンバー5内に構築された機構と、
この真空チャンバー5内部の機構を外部から作動させる
装置とに、区分される。
【0027】上記真空チャンバー5は、中心軸を鉛直方
向に向けて据えられた密閉円筒状のガラス容器からな
り、図示せぬ開閉口によって開閉されるとともに、吸引
管を介して連通された真空排気装置6によって排気され
る。
【0028】この真空チャンバー5の内部における底面
中央には、円柱状の金属ブロックからなる下プレスステ
ージ4が固定されている。また、真空チャンバー5の外
部における上面中央には、加重制御系(制御回路)13
によって制御される油圧装置8が固定されている。この
油圧装置8は、真空チャンバー5の中心軸に沿ってこの
真空チャンバー5の天頂部5aを貫通しているピストン
7を進退駆動するとともに、このピストン7に対して、
下プレスステージ4へ向けた押圧力を加える。
【0029】真空チャンバー5内においてピストン7の
先端には、下プレスステージ4と同心かつ同径の円柱状
の金属ブロックからなる上プレスステージ9が取り付け
られている。これら下プレスステージ4と上プレスステ
ージ9との間には、後述するセット型Sが挟み込まれ
る。即ち、これら下プレスステージ4,加重制御系1
3,油圧装置8,及び上プレスステージ9が、押圧機構
を構成している。また、両プレスステージ4,9におけ
る互いに対向する端面が、セット型Sをその両端から挟
み込んで互いに接近する一対の対向押圧面である。
【0030】また、真空チャンバー5内において、下プ
レスステージ4及び上プレスステージ9の移動領域は、
円筒状に巻かれたヒータ3によって取り囲まれている。
このヒータ3は、電源装置1によって供給される電力に
応じて熱を発生し、セット型Sを加熱する。なお、セッ
ト型Sの表面には、このセット型Sの温度を検知する熱
電対10が接触されており、この熱電対10の出力は温
度制御系(回路)2に供給されている。この温度制御系
(回路)2は、この熱電対10の出力をフィードバック
情報として用い、セット型Sの温度が所定温度を維持す
るように、電源装置1からヒータ3に供給される電力の
大きさを自動制御する。即ち、これらヒータ3,電源装
置1,熱電対10,及び、温度制御系2が、加熱装置に
相当する。
【0031】次に、真空チャンバー5内において上下各
プレスステージ9,4の間に挟み込まれるセット型Sの
構造を、図2を用いて、以下詳細に説明する。図2は、
このセット型Sの拡大断面図である。この図2に示すよ
うに、セット型Sは、円筒状の胴型14,胴型14の摺
動孔14a内にその上端側開口から挿入された転写基盤
型15,同じく摺動孔14a内にその下端側開口から挿
入された保持部材16,17,摺動孔14a内において
転写基盤型15と保持部材16,17との間に挟まれた
基盤部材18,及び、胴型14の外周を覆う円筒型のス
ペーサ19から、構成されている。
【0032】これらのうち、胴型14,及び転写基盤型
15は、夫々、超硬系材料(平均膨張係数50×1
-7:35〜680℃)のブロックを、研削することによっ
て、形成されている。胴型14は、転写基盤型15を上
プレスステージ4のスライド方向にガイドする機能を果
たす。ここに示す例では、胴型14は、その内径が20.0
03±0.001mmとなるように加工され、さらに、その摺
動孔14aは、滑動に必要な面粗さに加工されている。
【0033】転写基盤型15は、基盤部材18に対して
型押しを施す母型としての機能を果たす。そのため、こ
の転写基盤型15は、胴型14の内径よりも僅かに小径
(φ20.000±0.001mm)であるとともに、その外周面
が滑動に必要な面粗さに仕上げられた円柱部15aを有
し、この円柱部15aの先端面は、先端方向へ非球面状
(球面状でもよい)に突出させた転写成形面15bとし
て加工されている。即ち、該転写成形面15bの形状
は、後述するレンズ製造用のモールド成形型91のレン
ズ成形面18aを得る為の所定形状となるように、鏡面
加工されている。
【0034】さらに、この転写基盤型15の円柱部15
aの上端には、つば状の縁辺部15cが形成されてお
り、該縁辺部15cの外径は、胴型14の内径より大き
く該胴型14の外径よりも小さく形成されている。
【0035】次に、保持部材16,17は、夫々、日本
タングステン製の超硬系材料(平均膨張係数60×10
-7:35〜680℃)のブロックを研削することによって、
形成されている。第1の保持部材16は、胴型14の摺
動孔14aに嵌合可能な円筒状の境界面を有する部分
(摺動部16a)と、この円筒の下端から径方向へ張り
出したつば部(固定手段)16bとを有する。
【0036】この摺動部16aの外径は、胴型14の摺
動孔14aの内径よりも僅かに小径(φ19.988±0.001
mm)に形成され、つば部16bの外径は、摺動孔14
aの内径よりも大径に、かつ、該摺動孔14aの外径よ
りも小径に形成されている。なお、この摺動部16aの
外周面は、滑動のために必要な面粗さに加工されてい
る。
【0037】そして、その保持部材16における摺動部
16aの内側部分は、上側の開口端からテーパー状にく
りぬかれた形状(スリバチ状)を有する保持面16c
と、該保持面16cの下端と一致する位置から下方へ、
テーパー状に拡がった部分とを有する。即ち、摺動部1
6aの内側に形成される空間は、その上側開口から下方
へ向けて狭くなって行き、保持面16c下端にて最も狭
窄し、この最も狭窄した部分(把持部16d)から下方
へ向けて、つば部16bのやや上方の高さまで拡がって
ゆく。なお、保持面16cは、その中心軸が摺動部16
の中心軸に一致するように、かつ、その一致した中心軸
に関して回転対称な形状(ここでは円錐台の側面を反転
させた形状)となるように、高精度に加工されている。
【0038】さらに、この保持部材16下端面からつば
部16bのやや上方の高さまで、摺動部16a外径より
も小径の円柱状にくりぬかれた嵌合孔16eが形成され
ている。なお、この嵌合孔16eの径は、把持部16d
より下側のテーパー状部分における最も拡大された部分
(該テーパー状部分の下端部)よりも大径となってい
る。
【0039】このような第1の保持部材16と組み合わ
された第2の保持部材17は、第1の保持部材16の嵌
合孔16eと略同径の円柱状である大径部17aと、該
大径部17aの上方に突出した略円柱状の小径部17b
とを有する。該小径部17bの上端面は、略平面である
が、その中央部がやや盛り上がるように形成されてい
る。そして、第2の保持部材17の大径部17aは、第
1の保持部材16の嵌合孔16eに、両保持部材16,
17の下端面が一致するように嵌合されており、この状
態で、第2の保持部材17は、その小径部17b先端面
が、第1の保持部材16の把持部16dよりも下方に、
該第1の保持部材16と接しないように、配置されてい
る。
【0040】また、上述の如く、保持部材16,17
は、保持面16c,把持部16d,該把持部16dから
下方へ拡がるテーパー状部分,及びその把持部16dの
下側に配置された略平面状の部分(小径部17bの上端
面)が、基盤部材18を収容する空間(収容穴)を形成
している。単一の部材によって、この収容穴を形成させ
てもよいが、上述の如く、2つの部材(保持部材16,
17)を組み合わせてその収容穴を形成させることとす
ると、加工が容易になる。
【0041】基盤部材18は、高転移点ガラス、即ち、
OHARA製光学ガラスSK10(転移点665℃,屈
状点686℃)により、構成されている。この基盤部材
18は、保持部材16の保持面16cに対応するよう
に、テーパー状に形成された部分を有する上部と、把持
部16dの最も狭窄した円周部分とほぼ同径の円柱状の
下部とを一体にプリフォームした形状を有する。なお、
その基盤部材18の上端面は、平面ではなく、レンズ面
の形状に概略近似させた形状に加工されている。
【0042】また、スペーサ19は、SUS材から構成
されており、その内径は、胴型14の外径と略同径であ
る。このスペーサ19内には胴型14が嵌合され、該胴
型14の下端からは両保持部材16,17が組み合わさ
れた状態で嵌合されている。保持部材16は、そのつば
部16b下端面がスペーサ19の下端面と同一面上に乗
るように配置され、胴型14は、その下端面が、保持部
材16のつば部16bの上端面に接するように、配置さ
れている。そして、保持部材16の把持部16dには、
基盤部材18の下部が嵌合し、該基盤部材18の下端面
は保持部材17の上端面に接している。さらに、胴型1
4の上側開口からは、転写基盤型15の円柱部15a
が、その転写成形面15bを基盤部材18上端面に当接
させるように、嵌合されている。この状態において、転
写基盤型15の縁辺部15c下端は、胴型14の上端に
接することなく、該胴型14の上端やや上方に位置して
いる。
【0043】なお、転写基盤型15の上端面からその円
柱部15a外周面下端までの長さと、保持部材16の下
端面からその摺動部16a上端までの長さとの和は、ス
ペーサ19の軸方向長さ以下となっている。さらに、保
持部材16の保持面16cは、転写基盤型15の転写成
形面15bを反転させた形状(レンズ面形状)よりも深
い傾斜のテーパー状となっている。
【0044】また、転写基盤型15の上端面からその下
端面中心までの長さ,基盤部材18の上端面中心からそ
の下端面までの長さ,及び,保持部材17の上端面中心
からその下端面までの長さの和と、スペーサ19の軸方
向長さとの差は;転写基盤型15のつば部15c下端面
を含む平面から転写成形面15bの中心までの長さ,基
盤部材18の上端面中心からその下端面までの長さ,及
び,保持部材17の上端面中心から保持部材16のつば
部16b上端面を含む平面までの長さの和と、胴型14
の軸方向長さとの差;よりも小さい。
【0045】即ち、図2に示すセット型Sにおいて、転
写基盤型15の上端は、スペーサ19上端のやや上方に
突出しており、この突出した高さは、転写基盤型15の
縁辺部15c下端と胴型14の上端との間隙よりも小さ
く設定されている。そして、スペーサ19の上端から転
写基盤型15の上端までの変位分だけ、基盤部材18は
転写基盤型15によって、下方へ押し込まれることにな
る。
【0046】以上のように構成されるセット型Sを組み
込んで成る作製装置Pを用いて、モールド成形型91を
作製する手順を、以下に説明する。まず、作業者は、旋
盤及びカーブジェネレータ等の各種加工機により、セッ
ト型Sの各部、即ち、転写基盤型15,胴型14,スペ
ーサ19,及び保持部材16,17を作製する。この
際、転写基盤型の転写成形面15bは、目標となるレン
ズ成形面が得られるような所定の形状となるよう、高精
度に鏡面加工される。
【0047】そして、作業者は、得られた保持部材17
を、その小径部17bが上側になった状態でその大径部
17aが保持部材16の嵌合孔16eに嵌合するよう
に、該保持部材16に組み込み、両保持部材16,17
を、両者の下端面が同一面上に乗るように配置する。さ
らに、作業者は、基盤部材18を、その下部が保持部材
16の把持部16dに嵌合し,その下端面が保持部材1
7の小径部17b上端面に接し,かつ,その上部が保持
部材16の保持面16cに略接するように、当該保持部
材16,17に組み込む。
【0048】次に、作業者は、このように基盤部材18
が組み込まれた保持部材16,17を、胴型14の下側
開口から、その保持部材16の摺動部16aが胴型14
の摺動孔14aに内接するように挿入し、保持部材16
のつば部16bの上端を、胴型14の下端に突き当て
る。
【0049】さらに、作業者は、胴型14の上側開口か
ら、転写基盤型15を、その円柱部15aが胴型14の
摺動孔14aに内接するとともに、その転写成形面15
bが基盤部材18の上端面に接するように、挿入する。
そのうえで、作業者は、転写基盤型15,基盤部材1
8,及び保持部材16,17が組み込まれた胴型14
を、該胴型14の外周面がスペーサ19の内周面に接す
るように、該スペーサ内に挿入し、このスペーサ19の
下端面と保持部材16,17の下端面とが同一面に乗る
ように配置し、セット型Sを完成させる。なお、この完
成状態において、転写基盤型15の上端は、スペーサ1
9上端から所定の変位分だけ突出している。
【0050】次に、作業者は、前記のように得られたセ
ット型Sを、作製装置Pに組み込む。即ち、作製装置P
の真空チャンバー5を開けるとともに、加重制御系13
を操作して油圧装置8によってピストン7を縮退させ
て、下プレスステージ4と上プレスステージ9との間に
そのセット型Sを差し入れる。また、作業者は、熱電対
10の先端を、セット型S(スペーサ19)の外周面上
に接触させる。
【0051】以上の準備が完了すると、作業者は、真空
チャンバー5を密閉して、真空排気装置6を動作させ
て、この真空チャンバー5内の空気を吸引する。この真
空排気装置6による吸引量は、真空チャンバー5内の気
圧が0.01[Torr]を維持するように自動調整され
る。
【0052】次に、作業者は、電源装置1を起動してヒ
ータ3に電流を供給し、セット型Sを加熱する。そし
て、基盤部材18が軟化する温度を超える成形温度(7
00°C程度)まで、セット型Sの温度を上昇させる。
このセット型Sが成形温度に保たれた状態で、作業者
は、加重制御系13を操作して、油圧装置8によってピ
ストン7を突出させ、200Kgf/cm2の押圧力
で、上プレスステージ9を介してセット型Sを下プレス
ステージ4に押し付ける。
【0053】すると、セット型Sの転写基盤型15は、
上プレスステージ4によって保持部材16,17方向へ
押圧されるので、その転写基盤型15の転写成形面15
bは、成形温度にて軟化した状態の基盤部材18に圧接
する。転写基盤型15は、胴型14の摺動孔14aに案
内されて、当該転写基盤型15の上端がスペーサ19の
上端と同じ高さになるまで、下方へ変位する。この際、
基盤部材18は、その上部が、保持部材16の保持面1
6cに接した状態で、その上端面に、転写基盤型15の
転写成形面15bが転写され、さらに、当該基盤部材1
8の下部の円柱状部分は、転写基盤型15による押圧力
を受けて、径方向に拡がり、保持部材16の把持部16
d及びその下側の面に圧接する。
【0054】スペーサ19の端面に上プレスステージ9
が当接すると、作業者は、油圧装置8による圧力を、冷
却時保圧の50Kgf/cm2まで低下させた状態で維
持し、電源装置1を停止させ、セット型Sの温度を下降
させる。その結果、セット型Sが充分に冷えると、作業
者は、真空排気装置6の図示せぬバルブを開いて真空チ
ャンバー5内の気圧を大気圧に戻すとともに、加重制御
系13を操作して油圧装置8によってピストン7を縮退
させ、真空チャンバー5からセット型Sを取り出す。そ
して、このセット型Sを分解して、胴型14の摺動孔1
4aの中から、複合一体化成形された基盤部材18及び
保持部材16,17を取り出す。
【0055】その基盤部材18には、転写基盤型15の
転写成形面15b(凸面)を反転させた形状の凹面が転
写されており、作業者は、該基盤部材18の凹面上に、
スパッタリング,イオンプレーティング等の方法によっ
て、種々のセラミックス,金,白金,白金系金属を始め
とする貴金属等からなる薄膜を成膜させることによっ
て、当該基盤部材18のレンズ成形面18aを仕上げ、
モールド成形型91を完成させる。
【0056】こうして得られたモールド成形型91は、
図3に示すように、基盤部材18,及び保持部材16,
17を備えており、その基盤部材18において、所望の
レンズ面を得る為の所定形状のレンズ成形面18aを有
し、その保持部材16において、レンズ製造の際に、当
該モールド成形型91を固定するために必要なつば部1
6b,及び,摺動動作を案内する摺動部16aを有す
る。
【0057】さらに、成形処理後の基盤部材18は、保
持部材16の把持部16dより下側の内面にも隙間なく
接した状態に充填されているので、保持部材16内の空
間中、最も狭窄した把持部16dによって固定されたこ
とになる。従って、このモールド成形型91がどの様に
配置されたとしても、基盤部材18は保持部材16から
外れることがない。このことにより、当該モールド成形
型91は、レンズ製造の際に、下型として使用可能なだ
けでなく、上型として使用されてもよいわけである。な
お、ここでは、モールド成形型91を、上型及び下型の
双方に利用することにする。従って、作業者は、製造す
べきレンズの1対の面に夫々対応させて、2つのモール
ド成形型91を作製しておく。
【0058】そのうえで、レンズ製造担当者は、前記作
業者が予め作製した2つのモールド成形型91のうち、
一方を上型として、他方を下型として、レンズ製造用の
図示せぬモールド製造装置にセットし、これら上型及び
下型間に介在させたレンズ用の光学材料を、所定温度に
てプレスさせることにより、両モールド成形型91のレ
ンズ成形面18aの形状を、夫々、その光学材料に反転
転写させ、所望のレンズ面を備えたレンズを製造する。
【0059】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、基盤部材18,及び保持部材16,17を、ガラス
モールド法によって複合一体化成形することにより、必
要形状を備えたモールド成形型91を作製することがで
きるので、レンズ成形面の加工後に、つば部,又は摺動
部をさらに加工作製する工程が一切不要となる。従っ
て、短時間で容易に、そのモールド成形型91を作製す
ることができるようになる。
【0060】また、モールド成形型91の保持部材16
は、基盤部材18を位置決め保持する回転対称な保持面
16cを有し、この保持面16cの回転対称軸が、摺動
部16aの中心軸と一致しているので、当該保持面16
cの中心軸は、モールド成形型91作製時の装置Pによ
るプレス方向と一致することになる。従って、プレス時
に発生する基盤部材の偏心を、小さく抑えることが可能
となる。
【0061】そのうえ、モールド成形型91の保持部材
16,17には、高強度の材料を使用しているため、レ
ンズ製造時に特に大きな力がかかる摺動部16a,及び
つば部16bも、高い耐久性を有する。
【0062】従って、そのモールド成形型91を用いて
レンズ製造を繰り返した結果、基盤部材18のレンズ成
形面18aが使用に耐えなくなった場合にも、保持部材
16,17は再利用可能である。即ち、そのモールド成
形型91から古い基盤部材18を取り外したうえで、再
度前述の工程を行うことにより、モールド成形型91を
再製させることができる。この際、高精度の加工を要す
る転写基盤型15は、既に作製済みであるので、再製作
業は、さらに、容易かつ短時間で完了することになる。
なお、保持部材16,17は、2つの部材を組み合わせ
て構成されているので、モールド成形型91の再製作業
において、当該保持部材16,17から基盤部材18を
除去する際に、第2の保持部材を第1の保持部材16か
ら取り外すことができ、作業が容易である。
【0063】〔第2実施形態〕本実施形態は、上記の第
1実施形態の構成において、転写基盤型15,保持部材
16,17,及び基盤部材18の代わりに、夫々、該第
1実施形態の場合と同材質で、形状のみ異なる転写基盤
型25,保持部材26及び基盤部材28を用いて、本実
施形態のモールド成形型92を作製することを特徴とし
ている。なお、その他の構成は、第1実施形態と同様で
あるので、ここでは、転写基盤型25,保持部材26及
び基盤部材28を中心に、説明する。
【0064】図4に示すように、転写基盤型25は、円
柱部25a,転写成形面25b及び縁辺部25cを有
し、第1実施形態の転写基盤型15とほぼ同形状である
が、円柱部25aの先端から、該円柱部25aよりもや
や小径の円柱状部分が僅かに突出し、この小径の円柱状
部分の先端に、レンズ成形面28aを得る為の所定形状
の転写成形面25bが形成されたことのみが、異なって
いる。
【0065】保持部材26は、第1の実施形態の保持部
材16,17のように2つの部材から構成されるのでは
なく、単一の部材により成り、胴型14の摺動孔14a
に嵌合可能な円筒状の外周面を有する部分(摺動部26
a)と、この円筒の下端から径方向へ張り出したつば部
26bとを有する。
【0066】その摺動部26aの外径は、胴型14の摺
動孔14aの内径よりも僅かに小径(φ19.988±0.001
mm)に形成され、つば部26bの外径は、摺動孔14
aの内径よりも大径に、かつ、該摺動孔14aの外径よ
りも小径に形成されている。なお、この摺動部26a外
周面は、滑動のために必要な面粗さに加工されている。
【0067】そして、該摺動部26aの内側は、上側の
開口端から円柱状にくりぬかれた収容壁26cを有し、
この収容壁26cの上端には、内方へフランジ状に突出
させた把持部26dが、形成されている。そして、収容
壁26cの下端から下方は、転写基盤型25の転写成形
面25bを反転させた形状(レンズ面形状)よりも深い
傾斜のテーパー状にくりぬかれた形状を有する保持面2
6eが形成されている。これら収容壁26c,把持部2
6d,及び保持面26eは、収容穴に相当する。さら
に、該保持面26e下端からは、当該保持部材26下端
面に開口する細孔26fが、形成されている。
【0068】なお、摺動部26a、つば部26b,収容
壁26c,把持部26d,保持面26e,及び細孔26
fの夫々の中心軸は、全て一致しており、当該保持部材
26は、その中心軸に関して回転対称となっている。ま
た、この保持部材26の中心軸からその上端面の最も内
側までの長さの分だけ、転写基盤型25の上端面におい
て、該転写基盤型25の中心軸から径方向に移動させた
位置を基準位置とし、この基準位置からその転写基盤型
25の中心軸と平行に転写成形面25bまでとった長さ
と、保持部材26の上端面から下端面までの長さとの和
は、スペーサ19の軸方向の長さ以下となっている。
【0069】基盤部材28は、把持部26dの内径とほ
ぼ同径の円柱状の上部と、保持部材26の保持面26e
にほぼ対応させたテーパー状の下部とを、一体にプリフ
ォームした形状を有する。なお、基盤部材28の上面
は、平面ではなく、レンズ面を反転させた形状に近似さ
せて、加工されている。
【0070】これら転写基盤型25,保持部材26,及
び基盤部材28は、胴型14,及びスペーサ19ととも
に、セット型S´を構成する。即ち、スペーサ19内に
は胴型14が嵌合され、該胴型14の下端からは保持部
材26が嵌合されており、該保持部材26は、そのつば
部26b下端面が、スペーサ19の下端面と同一面上に
乗るように配置され、そのつば部26bの上端は、胴型
14の下端に接している。そして、保持部材26の把持
部26dには、基盤部材28の上部が嵌合し、該基盤部
材28の下部は、保持部材26の保持面26eに接して
いる。さらに、胴型14の上側開口からは、転写基盤型
25の円柱部25aが、その転写成形面25bを基盤部
材28上端面に当接させるように、嵌合されている。
【0071】この状態で、転写基盤型25の縁辺部25
c下端は、胴型14の上端に接することなく、該胴型1
4の上端やや上方に位置している。また、その転写基盤
型25の縁辺部25c上端は、スペーサ19上端のやや
上方に突出しており、この突出した高さは、縁辺部25
c下端と胴型14の上端との間隙よりも小さく設定され
ている。即ち、転写基盤型25がこのような位置をとる
ように、セット型S´を構成する各部の形状が決定され
ている。そして、このスペーサ19の上端から転写基盤
型25の上端までの変位分だけ、基盤部材28は転写基
盤型25によって、下方へ押し込まれることになる。
【0072】上記構成のセット型S´を、作製装置Pに
組み込み、上記第1実施形態と同様の手順により、モー
ルド成形型92を製造する。基盤部材28は、所定の温
度で軟化した状態で、転写基盤型25によって保持部材
26の保持面26e方向へ押圧されることにより、その
基盤部材28上面には、転写基盤型25の転写成形面2
5b(凸面)に対応した凹面が転写される。さらに、当
該基盤部材28の上部の円柱状部分は、転写基盤型25
による押圧力を受けて、径方向に拡がり、その基盤部材
28の外周面は、保持部材26の収容壁26c及び把持
部26dに圧接する。従って、基盤部材28に対し、そ
の外周から内方へと、保持部材26の収容壁26cより
も狭窄した把持部26dが陥入した状態となるので、当
該基盤部材28は、その把持部26dによって固定され
ることになる。このことにより、基盤部材28は、保持
部材26から外れることがない。
【0073】成形型作製装置Pより取り出されたセット
型S´を分解して得られた保持部材26,及び基盤部材
28の複合体は、その基盤部材28の表面に、貴金属等
からなる薄膜が成膜されることにより、図5に示すよう
なレンズ成形面28aを備えたモールド成形型92とし
て完成する。
【0074】〔第3実施形態〕本実施形態は、上記の第
1実施形態に示した構成において、転写基盤型15,保
持部材16,17,及び,基盤部材18の代わりに、夫
々、該第1実施形態の場合と同材質で、形状のみ異なる
転写基盤型35,保持部材36,37及び基盤部材38
を用いて、本実施形態のモールド成形型93を得ること
を特徴としている。なお、その他の構成は、第1実施形
態と同様であるので、ここでは、転写基盤型35,保持
部材36,37,及び基盤部材38を中心に、説明す
る。
【0075】図6に示すように、転写基盤型35の円柱
部35a及び縁辺部35cは、第1実施形態の転写基盤
型15の円柱部15a及び縁辺部15cと、夫々同じ形
状であるが、転写基盤型35の転写成形面35bの形状
のみが、第1実施形態の転写成形面15bと異なってい
る。即ち、転写基盤型35の下面中央部分のみが、後述
するモールド成形型93のレンズ成形面38aを得る為
の非球面状(球面状でもよい)に突出し、この突出した
部分が、転写成形面35bとして形成されており、この
突出部分よりも径方向外側の面は平坦面となっている。
【0076】第1の保持部材36は、胴型14の摺動孔
14aに嵌合可能な円柱状の摺動部36aと、この摺動
部36aの下端から径方向へ張り出したつば部36b
と、摺動部36aの上端から上方へ該摺動部36aの外
径よりも小径かつその摺動部36の中心軸と同軸な円柱
状に突出した上部を有する。
【0077】その摺動部36aの外径は、胴型14の摺
動孔14aの内径よりも僅かに小径(φ19.988±0.001
mm)に形成され、つば部36bの外径は、摺動孔14
aの内径よりも大径に、かつ、該摺動孔14aの外径よ
りも小径に形成されている。なお、この摺動部36a外
周面は、滑動のために必要な面粗さに加工されている。
そして、摺動部36aの上端から上方へ突出した円柱状
部分の外周には、オネジ36cが切られている。さら
に、当該保持部材36のオネジ36c部分の内側には、
上端が開口するようにテーパー状にくりぬかれた収容穴
としての保持面36dが形成され、この保持面36d下
端からは、該当該保持部材36下端面に開口する細孔3
6eが形成されている。
【0078】第2の保持部材37は、摺動部36aの外
径よりもやや小径の円筒状部分と、該円筒状部分の上方
から内方へフランジ状に突出した把持部37aと、その
円筒状部分の内面下部に切られて第1の保持部材36の
オネジ36cと螺合するメネジ37bとを、有する。な
お、把持部37aの内側は、上端が狭窄したテーパー状
に面取りされている。
【0079】これら両保持部材36,37が互いに螺合
された状態で、第1の保持部材36の摺動部36a,つ
ば部36b,オネジ36c,保持面36d,及び細孔3
6eの夫々の中心軸,並びに,第2の保持部材37の把
持部37a,メネジ部37bの夫々の中心軸は、全て一
致しており、当該保持部材36,37は、その中心軸に
関して回転対称となっている。
【0080】また、両保持部材36,37が互いに螺合
された状態における第2の保持部材37上端面から第1
の保持部材36のつば部36b上端を含む平面までの長
さと、転写基盤型35の縁辺部35c下端を含む平面か
らその転写基盤型35の下端における平坦面までの長さ
との和は、胴型14の軸方向長さ以下である。
【0081】基盤部材38は、扁平な円柱の両端面に、
同形状の2つの円錐台を、これら両円錐台の底面が夫々
その円柱の両端面に接するように、一体にプリフォーム
された形状を有する。そして、その一方の円錐台の側面
部分(下側テーパー状部分)が、保持部材36の保持面
36dに接するように、かつ、他方の円錐台の側面部分
(上側テーパー状部分)が、保持部材37の把持部37
aに接するように、これら保持部材36,37に組み込
まれている。
【0082】このように基盤部材38が、保持部材3
6,37に組み込まれた状態におけるその基盤部材38
上端から保持部材36のつば部36b上端面を含む平面
までの長さ,及び,転写基盤型35の縁辺部35c下端
面を含む平面から転写成形面35b中心部までの長さの
和と、胴型14の軸方向長さとの差は;基盤部材38上
端から保持部材36下端までの長さ,及び,転写基盤型
35の上端面から転写成形面35b中心部までの長さの
和と、スペーサ19の軸方向長さとの差;よりも大き
い。
【0083】これら転写基盤型35,保持部材36,及
び基盤部材38は、胴型14,及びスペーサ19ととも
に、セット型S´´を構成する。即ち、スペーサ19内
には胴型14が嵌合され、該胴型14の下端からは保持
部材36が嵌合されており、該保持部材36は、そのつ
ば部36bの下端面,及びスペーサ19の下端面が同一
面上に乗るように配置され、そのつば部36bの上端
は、胴型14の下端に接している。そして、基盤部材3
8の下側のテーパー状部分は、保持部材36の保持面3
6dに接している。さらに、胴型14の上側開口から
は、転写基盤型35の円柱部35aが、その転写成形面
35bと基盤部材38上端面とを当接させるように、嵌
合されている。
【0084】この状態で、転写基盤型35の縁辺部35
c下端は、胴型14の上端に接することなく、該胴型1
4の上端やや上方に位置している。また、その転写基盤
型35の上端は、スペーサ19上端のやや上方に突出し
ており、この突出した高さは、その転写基盤型35の縁
辺部35c下端と胴型14の上端との間隙よりも小さく
設定されている。即ち、転写基盤型35がこのような位
置をとるように、セット型S´´を構成する各部の形状
が決定されている。そして、転写基盤型35は、その縁
辺部35c上端がスペーサ19上端の位置まで下方へ押
し込まれ、基盤部材38を、保持部材36側へ押圧する
ことになる。
【0085】上記構成のセット型S´´を、作製装置P
に組み込み、上記第1実施形態と同様の手順により、モ
ールド成形型93を作製する。基盤部材38は、所定の
温度で軟化した状態で、転写基盤型35によって保持部
材36の保持面36d方向へ押圧されることにより、そ
の基盤部材38上面には、転写基盤型35の転写成形面
35b(凸面)に対応した凹面が反転転写される。さら
に、基盤部材38は、転写基盤型35による押圧力を受
けて、径方向に拡がり、その基盤部材38の外周面が、
保持部材36の保持面36d,及び保持部材37の把持
部37aに圧接する。このことにより、当該基盤部材3
8はその保持面36d及び把持部37aに挟持固定され
るのである。
【0086】成形型作製装置Pより取り出されたセット
型S´´を分解して得られた保持部材36,及び基盤部
材38の複合体は、該基盤部材38の表面に、貴金属等
からなる薄膜が成膜されることにより、図7に示すよう
なレンズ成形面38aを備えたモールド成形型93とし
て完成する。
【0087】このモールド成形型93を用いてレンズ製
造を繰り返した結果、基盤部材38のレンズ成形面38
aが使用に耐えなくなった場合、作業者は、第2の保持
部材37を第1の保持部材36から外すことにより、基
盤部材38を、これら保持部材36,37から容易に取
り外すことができる。従って、モールド成形型93の作
製作業のみならず、再製作業も容易になる。
【0088】
【発明の効果】本発明によるモールド成形型,その作製
方法,及びその作製装置によれば、高強度のモールド成
形型を容易に作製することができる。また、請求項4の
効果としては、そのモールド成形型における基盤部材の
レンズ成形面が、レンズ製造時の摺動動作方向と一致す
る軸を回転対称軸とした保持面を有するので、偏心の少
ないレンズを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるモールド成形型作製装置の一実
施形態を示す概略図
【図2】 第1実施形態のセット型を示す縦断面図
【図3】 第1実施形態のモールド成形型を示す縦断面
【図4】 第2実施形態のセット型を示す縦断面図
【図5】 第2実施形態のモールド成形型を示す縦断面
【図6】 第3実施形態のセット型を示す縦断面図
【図7】 第3実施形態のモールド成形型を示す縦断面
【符号の説明】
1 電源 3 ヒータ 4 下プレスステージ 7 ピストン 8 油圧装置 9 上プレスステージ 14 胴型 15 転写基盤型 15a 転写成形面 16 第1の保持部材 16a 摺動部 16b つば部 16c 保持面 16d 把持部 17 第2の保持部材 18 基盤部材 18a レンズ成形面 25 転写基盤型 25a 転写成形面 26 保持部材 26a 摺動部 26b つば部 26d 把持部 26e 保持面 28 基盤部材 28a レンズ成形面 35 転写基盤型 35a 転写成形面 36 第1の保持部材 36a 摺動部 36b つば部 36d 保持面 37 第2の保持部材 37a 把持部 38 基盤部材 38a レンズ成形面 P モールド成形型の作製装置 S,S´,S´´ セット型

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定形状のレンズ面を有するレンズをモー
    ルド成形する際に用いられるモールド成形型であって、 前記レンズ面を得る為の所定形状を有するレンズ成形面
    が端面に形成された基盤部材と、 一端に前記基盤部材を収容する収容穴,他端に当該モー
    ルド成形型固定のための固定手段,及び側面に前記レン
    ズをモールド成形する際の摺動動作を案内する摺動部,
    を有する柱状の保持部材とを備えることを特徴とするモ
    ールド成形型。
  2. 【請求項2】前記基盤部材は、前記レンズ用の光学材料
    の軟化点よりも高い軟化点を有する材料からなり、 前記保持部材は、その基盤部材よりも耐高温かつ硬質の
    材料からなることを特徴とする請求項1記載のモールド
    成形型。
  3. 【請求項3】前記保持部材は、 その摺動部が円柱面を有し、 その固定手段が、前記摺動部から環状に突出させたつば
    部として構成されることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載のモールド成形型。
  4. 【請求項4】前記保持部材は、その収容穴の内面に、当
    該保持部材の摺動部の中心軸に関して回転対称な面であ
    る保持面を備え、 この保持面にて、前記基盤部材を位置決めして保持する
    ことを特徴とする請求項3記載のモールド成形型。
  5. 【請求項5】前記保持面は、円錐又は円錐台の側面を反
    転させた形状を有することを特徴とする請求項4記載の
    モールド成形型。
  6. 【請求項6】前記保持部材は、その収容穴の内面を狭窄
    させた形状を有して、前記基盤部材を把持固定する把持
    部を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載のモールド成形型。
  7. 【請求項7】前記保持部材の前記把持部は、その保持部
    材の摺動部の中心軸に関して回転対称であることを特徴
    とする請求項6記載のモールド成形型。
  8. 【請求項8】前記保持部材は、その保持部材の収容穴が
    開口する側の部材と、該収容穴の奥側の部材とを、互い
    に着脱可能に係合させることによりなり、 その収容穴が開口する側の部材に、前記把持部を備える
    ことを特徴とする請求項6又は請求項7記載のモールド
    成形型。
  9. 【請求項9】前記の基盤部材及び保持部材を、モールド
    法により複合一体化成形して、請求項1〜8のいずれか
    に記載のモールド成形型を作製することを特徴とするモ
    ールド成形型の作製方法。
  10. 【請求項10】前記基盤部材における前記レンズ成形面
    を、前記のモールド法による当該基盤部材及び前記保持
    部材の複合一体化成形と同時に、形成することを特徴と
    する請求項9記載のモールド成形型の作製方法。
  11. 【請求項11】前記レンズ成形面を得る為の所定形状の
    転写成形面を有する転写基盤型を予め作製し、 該転写基盤型の転写成形面を、モールド法により前記基
    盤部材に反転転写して、該基盤部材に前記レンズ成形面
    を形成することを特徴とする請求項9又は請求項10に
    記載のモールド成形型の作製方法。
  12. 【請求項12】前記基盤部材に形成された前記レンズ成
    形面に、さらに離型膜を形成することを特徴とする請求
    項9〜11のいずれかに記載のモールド成形型の作製方
    法。
  13. 【請求項13】所定形状のレンズ面を有するレンズをモ
    ールド成形する際に用いられるモールド成形型の作製装
    置であって、 請求項1記載のレンズ成形面を得る為の所定形状の転写
    成形面を有する転写基盤型と、 加熱下で軟化する基盤部材,及び請求項3〜8のいずれ
    かに記載の保持部材と、 これら基盤部材及び保持部材を加熱する加熱装置と、 前記転写基盤型の転写成形面を前記基盤部材に押し付け
    る押圧機構とを備えることを特徴とするモールド成形型
    の作製装置。
  14. 【請求項14】前記保持部材の摺動部を内接させる円筒
    状の胴型をさらに備えるとともに、 前記転写基盤型は、前記転写成形面がその先端面に形成
    されているとともに前記胴型に摺動可能に内接する円柱
    部を有することを特徴とする請求項13記載のモールド
    成形型の作製装置。
JP11071675A 1999-03-17 1999-03-17 モールド成形型,その作製方法,及び作製装置 Withdrawn JP2000264654A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11071675A JP2000264654A (ja) 1999-03-17 1999-03-17 モールド成形型,その作製方法,及び作製装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11071675A JP2000264654A (ja) 1999-03-17 1999-03-17 モールド成形型,その作製方法,及び作製装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000264654A true JP2000264654A (ja) 2000-09-26

Family

ID=13467404

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11071675A Withdrawn JP2000264654A (ja) 1999-03-17 1999-03-17 モールド成形型,その作製方法,及び作製装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000264654A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016216317A (ja) * 2015-05-25 2016-12-22 オリンパス株式会社 光学素子成形用型セット、及び、光学素子の製造方法
CN112218832A (zh) * 2018-06-04 2021-01-12 Hoya株式会社 玻璃透镜成型模具

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016216317A (ja) * 2015-05-25 2016-12-22 オリンパス株式会社 光学素子成形用型セット、及び、光学素子の製造方法
CN112218832A (zh) * 2018-06-04 2021-01-12 Hoya株式会社 玻璃透镜成型模具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4666677B2 (ja) モールドプレス成形型、及び光学素子の製造方法
US20070092592A1 (en) Molding apparatus for optical elements
CN101386465A (zh) 模造玻璃的模具
CN112218832B (zh) 玻璃透镜成型模具
JP4549820B2 (ja) モールドプレス成形型及びその製造方法、並びに光学素子の製造方法
JP2000264654A (ja) モールド成形型,その作製方法,及び作製装置
JP4094210B2 (ja) ガラス光学素子の製造方法及びそれに用いるガラス光学素子用成形型
JP6037795B2 (ja) 光学素子成形型
JP2000327345A (ja) モールド成形型及びその作製方法
JP7407528B2 (ja) ガラスレンズ成形型
JP5269477B2 (ja) 光学素子の製造方法、光学素子の製造装置、及び光学素子
JP2011132096A (ja) 光学素子の成形装置及び成形方法
JP2005162547A (ja) 光学素子成形型と光学素子製造装置及び光学素子製造方法
JP2001270724A (ja) 光学レンズ及びその成形金型
JP2000247653A (ja) 光学素子成形用金型及び光学素子
JP3652010B2 (ja) 光学素子の成型装置
CN110713389B (zh) 一种非球面陶瓷模仁的成型方法
TWI248919B (en) Method and device for molding optical glass lens
JP2006096579A (ja) 光学素子の成形方法
JP2004277242A (ja) 光学素子成形型およびその成形方法と製造装置
JP3883634B2 (ja) 光学素子のプレス成形用金型
JPH02102136A (ja) 光学素子の成形用型とその製造方法
JP2002104833A (ja) 光学素子成形型および光学素子成形方法
JP2009280449A (ja) 光学素子の製造方法及びその製造装置
JP2004210550A (ja) モールド成形金型

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060215

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20080425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090127

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090217