JP2000264622A - 球状シリカ粉末の製造方法 - Google Patents
球状シリカ粉末の製造方法Info
- Publication number
- JP2000264622A JP2000264622A JP6506699A JP6506699A JP2000264622A JP 2000264622 A JP2000264622 A JP 2000264622A JP 6506699 A JP6506699 A JP 6506699A JP 6506699 A JP6506699 A JP 6506699A JP 2000264622 A JP2000264622 A JP 2000264622A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silica powder
- raw material
- flame
- sphericity
- particles
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Abstract
を高めて容易に製造すること。 【解決手段】火炎中にシリカ粉末原料を噴射して球状シ
リカ粉末を製造する方法において、上記シリカ粉末原料
が、平均粒径d50=20〜80μm、累積10%粒子
径d10=10μm以上、d90/d10≦5(但し、
d90は累積90%粒子径である。)の粒度分布を有
し、それをキャリアガスに混入させ、そのガス流速を1
5〜40m/sにして噴射することを特徴とする球状シ
リカ粉末の製造方法であり、特に、内炎と外炎との間に
シリカ粉末原料を噴射することを特徴とするものであ
る。
Description
充填材に好適な球状シリカ粉末の製造方法に関する。
たものは、非晶質網目構造を持ち、低膨脹性、耐熱衝撃
性、低熱伝導性であるので耐熱材料として用いられてい
る。また、その粉末も化学的に安定で高い絶縁性を持
ち、高周波誘電体損失も少ないことから、半導体封止樹
脂用フィラーとして用いられ、特に球状のものは流動性
や充填性の向上に役立っている。中でも、真球に近いも
のほど充填性、流動性、耐金型摩耗性に優れているの
で、球形度の高いフィラーが追求されてきている。
化する場合、原料中の微粉粒子は単独では球状化しにく
く、微粉粒子同士あるいは微粉粒子と粗粉粒子が合着結
合して、原料よりも粗い粒子になることが多い。また、
粗粉粒子は微粉粒子に比べて溶融しにくいため、より長
い火炎滞留時間が必要となる。
製造する場合、粗めに粉砕した原料を単に用いると、微
粉粒子と粗粉粒子の合着により、得られた粒子の球形度
が低下してしまう。更には、シリカ原料粉末を混入させ
たキャリアガスの流速によっては、粗粉粒子の溶融球状
化が不十分となる。
445公報では、溶融原料噴出口における溶融原料のキ
ャリアガス流速を3〜60m/s、燃焼火炎ガス流速を
30〜200m/sとすることが提案されているが、合
着による球形度の低下については何の配慮もなされてい
ない。特に、45μm以上の粗い粒子を含むシリカ粉末
原料の球状化を行う際、合着による球形度の低下改善に
ついては何も記載されていない。
てなされたものであり、その目的は、平均粒径の大きな
球状溶融シリカ粉末をその球形度を高めて容易に製造す
ることである。
噴射されるシリカ粉末原料の粒度分布と噴射速度を適正
化し、溶融状態を最適化することによって達成すること
ができる。
原料を噴射して球状シリカ粉末を製造する方法におい
て、上記シリカ粉末原料が、平均粒径d50=20〜8
0μm、累積10%粒子径d10=10μm以上、d9
0/d10≦5(但し、d90は累積90%粒子径であ
る。)の粒度分布を有し、それをキャリアガスに混入さ
せ、そのガス流速を15〜40m/sにして噴射するこ
とを特徴とする球状シリカ粉末の製造方法であり、特
に、内炎と外炎との間にシリカ粉末原料を噴射すること
を特徴とするものである。本発明の製造方法は、粒径4
5〜80μmにおける粉末の球形度が0.9以上である
球状シリカ粉末を得るのに特に好適なものである。
説明する。
比較的良質のSiO2を主成分とする珪石、水晶、珪砂
等を振動ミル等の手段で粉砕し、好ましくは2回以上の
分級を行って得られたものである。
粒度分布に大きな特徴があり、平均粒径d50が20〜
80μmで、累積10%粒子径d10が10μm以上、
好ましくは20μm以上であり、しかもd90/d10
≦5を満たすことが重要なことである。
m未満では、原料噴射時の分散が悪くなり球形度が低下
し、80μmをこえると、粒子の球状化が不十分とな
る。一方、累積10%粒子径d10が10μm未満で
は、微粉粒子の割合が多くなり、それと粗粉粒子とが合
着する割合が多くなって、球形度の低下を招き、またd
90/d10が5をこえると、球状化できる粒子の割合
が少なくなり、粒径45〜80μmの高球形度の溶融シ
リカ粉末の収得率が低下する。これらの結果、いずれの
場合も、平均粒径の大きな、高球形度の球状溶融シリカ
粉末を容易に製造することができなくなる。本発明にお
いては、シリカ粉末原料の粒度調整ないしは得られた球
状溶融シリカ粉末の分級によって生成した80μmをこ
える粒子は、原料工程に戻して再使用されることが望ま
しい。
は、従来の代表的な一例が、平均粒径d50が17μ
m、累積10%粒子径d10が1.8μm、d90/d
10が34程度であったことと比べて特異的である。
アガスに混入して火炎中に噴射され、溶融球状化処理さ
れて高球形度の粉末となる。火炎の形成は、可燃性ガス
と、酸素、空気等の助燃ガスによって行われ、可燃ガス
としては、アセチレン、エチレン、プロパン、ブタン等
が使用される。
リアガスに混入させて噴射する際、そのキャリアガス流
速を15〜40m/s、好ましくは20〜30m/sと
することが重要なことである。この条件は、従来の代表
的な一例が、48m/s程度であったことと比べて著し
く異なっている。キャリアガス流速が15m/s未満で
は、原料噴射に支障を来しバーナーで原料詰まりが多く
なり、また、40m/sをこえると、火炎滞留時間が短
くなり、溶融球状化が不十分となる。
形成される火炎の中心に噴射させるよりは、同心円上に
形成される内炎と外炎において、両火炎の間に噴射させ
ることが好ましい。これによって、シリカ粒子が火炎と
接触し易くなり、粒径の大きなシリカ粉末原料であって
も球形度が高くなり、溶融率も向上する。
における球形度が0.9以上の球状シリカ粉末を得るの
に特に好適であり、このような球状シリカ粉末は、半導
体チップ封止用樹脂組成物のフィラーとしての用途があ
り、樹脂の高流動性と高強度を従来以上に高めることが
可能となる。
(例えば、日本電子社製「JSM−T200型」)と画
像解析装置(例えば、日本アビオニクス社製)を用い、
次のようにして測定することができる。
影面積(A)と周囲長(PM)を測定する。周囲長(P
M)に対応する真円の面積を(B)とすると、その粒子
の球形度はA/Bとして表示できる。そこで、試料粒子
の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定する
と、PM=2πr、B=πr2であるから、B=π×
(PM/2π)2 となり、個々の粒子の球形度は、球形
度=A/B=A×4π/(PM)2として算出すること
ができる。そこで、球状シリカ粒子の集合体である球状
シリカ粉末の球形度は、球状シリカ粉末から任意に選ん
だ1000個の粒子について測定し、その平均値で代表
させるものとする。
粉末X線回折装置(例えば、RIGAKU社製「Min
i Flex」)を用い、CuKα線の2θが26°〜
27.5°の範囲において試料のX線回折分析を行い、
特定回折ピークの強度比から測定することができる。す
なわち、結晶シリカは、26.7°に主ピークが存在す
るが、溶融シリカではこの位置には存在しない。溶融シ
リカと結晶シリカが混在していると、それらの割合に応
じた26.7°のピーク高さが得られるので、結晶シリ
カ標準試料のX線強度に対する試料のX線強度の比か
ら、結晶シリカ混在率(試料のX線強度/結晶シリカの
X線強度)を算出し、式、溶融率(%)=(1−結晶シ
リカ混在率)×100、から溶融率を求めることができ
る。
0.3gを水に分散し、レーザー回折式粒度分布測定装
置(シーラスグラニュロメーター「モデル715」)に
よって測定された値である。
本発明を説明する。
と、両火炎の間にシリカ粉末原料の噴射とを行うことが
できるバーナーの設置された竪型溶融炉と、得られた球
状シリカ粉末の捕集系とから構成されている。火炎が形
成されている領域が溶融ゾーンであり、それに続いて溶
融粒子の冷却固化の行われる冷却ゾーンがあり、溶融ゾ
ーンの終わり付近から冷却用空気が供給できるようにな
っている。捕集系には、重力沈降室、サイクロン、バグ
フィルター等の捕集機が設置され、それらの捕集機の性
能に応じた粒子が段階的に取得される。
た。このシリカ粉末を、二台直列のラインで構成された
空気分級機で粗粉と微粉を除去し、種々の粒度分布を有
するシリカ粉末原料を調整した。このシリカ粉末原料
を、酸素をキャリアガスとし、その流速を表1に示され
る条件として、内炎と外炎の間(実施例1〜5、比較例
1〜5)又は火炎の中心(実施例6)に噴射して球状化
処理を行った。重力沈降室より捕集された球状シリカ粉
末を篩分けし、80μm下粒子の取得率と溶融率、及び
粒径45〜80μm粒子の球形度を測定した。それらの
結果を表1に示す。
〜40m/sである場合において、球形度0.9以上、
溶融率97%以上で、しかも80μm下粒子の収得率が
向上した(実施例1〜5)。これに対し、キャリアガス
流速が40m/sをこえると、火炎滞留時間が短いた
め、溶融率は低下し(比較例2)、また15m/s未満
であると、原料噴射に支障を来しバーナーで原料詰まり
が頻繁に起り、80μm下粒子の収得率、球形度、溶融
率がともに低下した(比較例1)。
積10%粒子径d10が10μm未満では、微粉粒子が
多いため、粗粉粒子と合着し球形度が低下し、肥大化も
進行した(比較例3)。また、d90/d10が5をこ
える場合(比較例4)、平均粒径が80μmをこえる場
合(比較例5)には、80μm下粒子の収得率が大幅に
低下した。
に噴射したこと以外は、実施例4に準じて行ったもので
あるが、内炎と外炎との間に噴射を行わなかった分だ
け、実施例4よりも球形度と溶融率が低くなった。
シリカ粉末をその球形度を高めて容易に製造することが
できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 火炎中にシリカ粉末原料を噴射して球状
シリカ粉末を製造する方法において、上記シリカ粉末原
料が、平均粒径d50=20〜80μm、累積10%粒
子径d10=10μm以上、d90/d10≦5(但
し、d90は累積90%粒子径である。)の粒度分布を
有し、それをキャリアガスに混入させ、そのガス流速を
15〜40m/sにして噴射することを特徴とする球状
シリカ粉末の製造方法。 - 【請求項2】 内炎と外炎との間にシリカ粉末原料を噴
射することを特徴とする請求項1記載の球状シリカ粉末
の製造方法。 - 【請求項3】 球状シリカ粉末の45〜80μmにおけ
る球形度が0.9以上であることを特徴とする請求項2
記載の球状シリカ粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06506699A JP3868141B2 (ja) | 1999-03-11 | 1999-03-11 | 球状シリカ粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06506699A JP3868141B2 (ja) | 1999-03-11 | 1999-03-11 | 球状シリカ粉末の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000264622A true JP2000264622A (ja) | 2000-09-26 |
JP3868141B2 JP3868141B2 (ja) | 2007-01-17 |
Family
ID=13276219
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06506699A Expired - Fee Related JP3868141B2 (ja) | 1999-03-11 | 1999-03-11 | 球状シリカ粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3868141B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005090262A1 (ja) * | 2004-03-19 | 2005-09-29 | Ngk Insulators, Ltd. | 多孔質セラミック構造体の製造方法 |
WO2015114956A1 (ja) * | 2014-01-29 | 2015-08-06 | 三菱マテリアル株式会社 | 合成非晶質シリカ粉末及びその製造方法 |
-
1999
- 1999-03-11 JP JP06506699A patent/JP3868141B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005090262A1 (ja) * | 2004-03-19 | 2005-09-29 | Ngk Insulators, Ltd. | 多孔質セラミック構造体の製造方法 |
WO2015114956A1 (ja) * | 2014-01-29 | 2015-08-06 | 三菱マテリアル株式会社 | 合成非晶質シリカ粉末及びその製造方法 |
US20170008772A1 (en) * | 2014-01-29 | 2017-01-12 | Mitsubishi Materials Corporation | Synthetic amorphous silica powder and process for manufacturing same |
JPWO2015114956A1 (ja) * | 2014-01-29 | 2017-03-23 | 三菱マテリアル株式会社 | 合成非晶質シリカ粉末及びその製造方法 |
US9745201B2 (en) * | 2014-01-29 | 2017-08-29 | Mitsubishi Materials Corporation | Synthetic amorphous silica powder and process for manufacturing same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3868141B2 (ja) | 2007-01-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN109455728B (zh) | 一种燃气加热生产高纯超细球形硅微粉的装置及方法 | |
TW202304811A (zh) | 二氧化矽粉末及其製造方法 | |
JP4294191B2 (ja) | 球状シリカ粉末の製造方法及び製造装置 | |
JPH0891874A (ja) | ガラス球状粉末及びその製造方法 | |
JP3868141B2 (ja) | 球状シリカ粉末の製造方法 | |
JP4330298B2 (ja) | 球状無機質粉末の製造方法 | |
JP3891740B2 (ja) | 微細球状シリカ質粉末の製造方法 | |
JP4313924B2 (ja) | 球状シリカ粉末及びその製造方法 | |
JP2670628B2 (ja) | 微細な溶融球状シリカの製造方法 | |
JP2002179409A (ja) | 微細球状無機質粉末の製造方法 | |
JP2003212572A (ja) | 球状ガラス粉末の製造方法 | |
CN109694078A (zh) | 一种氟晶云母的制备方法及其在二维晶体制备中的应用 | |
JP4230554B2 (ja) | 球状粒子の製造方法 | |
JP2001199719A (ja) | 球状アルミナ粉末の製造方法 | |
JP3816052B2 (ja) | 球状シリカ質粉末の製造方法 | |
JPH02286B2 (ja) | ||
JP4392097B2 (ja) | 超微粉球状シリカの製造方法 | |
JP3784144B2 (ja) | 低ウラン球状シリカ粉末の製造方法 | |
JP4145855B2 (ja) | 球状溶融シリカ粉末の製造方法 | |
JP3853137B2 (ja) | 微細球状シリカの製造方法 | |
JP3608968B2 (ja) | 球状無機質粒子の製造方法 | |
JP2004051409A (ja) | 球状無機質超微粉末の製造方法 | |
JP2006131442A (ja) | 球状溶融シリカ粉末の製造方法 | |
JP5308085B2 (ja) | 球状金属酸化物粉末の製造方法 | |
JP4313943B2 (ja) | 微細球状シリカ粉末の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050526 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060725 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060912 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061010 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061010 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121020 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131020 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |