JP2000263668A - Frp製サンドイッチパネルおよびその製造方法 - Google Patents
Frp製サンドイッチパネルおよびその製造方法Info
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Abstract
ドイッチパネルを安価に製造する。 【解決手段】 少なくとも一方にFRPを含む一対の板
が間隙をもって配置され、該間隙に両板を接合するリブ
構造体が介装されているFRP製サンドイッチパネルに
おいて、中空の箱状物を該間隙に包含してなることを特
徴とするFRP製サンドイッチパネル、およびその製造
方法。
Description
ッチパネルおよびその製造方法に関し、とくに軽量で低
コストのFRP製サンドイッチパネルおよびその製造方
法に関する。
イッチパネルには、たとえば発泡体や断熱材をコアに用
いて、それを金属の板や木製の板で挟む構造を採ってい
る。しかしながら、金属の板を使用する場合には剛性や
強度は高いが、重量が重くまた組立に時間が掛かる欠点
があった。一方、木製の板を使用する場合には、軽量で
はあるものの剛性や強度が低いことが構造体として使う
場合に難点であり、また木製であるため、湿気により杤
ちることがあり寿命も極めて短い。
べ比強度、比弾性率が高いFRPの板、特に炭素繊維を
使用したCFRPの板が提案されている。
パネルについては、軽量かつ高強度、高剛性であること
から種々の分野、特に土木・建材用途で使用されている
が、サンドイッチパネルの成形のために、通常サンドイ
ッチパネルの中に発泡体をコア材として使用している。
通常コア材はウレタンフォーム、ポリスチレンフォー
ム、フェノールフォームなどの有機の発泡体が広く用い
られているが、これらのフォーム材はいずれもポリマー
に発泡剤を混入したものを原料に用いて製造する必要が
あるため、製造コストが高く付いており、これがサンド
イッチパネルの製造コストを引き上げていた。
RPを製造できる成形法として注目されている真空RT
M法(Resin Transfer Moldin
g)に使用するためには、コア材は真空の圧力に耐える
ことが必要であり、そのための高い圧縮強度を得るため
に、コア材の密度は高くならざるを得ず、通常の発泡体
に比べさらにコストが高い上に重量も重いものを使用し
ていた。従って結果的にそれを使用したサンドイッチパ
ネルは、成形法としては低コストの方法を用いても、コ
ア材の価格が高いために製造コストが高くなっていた。
備えた軽量のFRP製サンドイッチパネルを安価に製造
することにあり、とくに屋根材等の建材用途に好適なF
RP製サンドイッチパネルおよびその製造方法を提供す
ることにある。
に、本発明のFRP製サンドイッチパネルは、少なくと
も一方にFRPを含む一対の板が間隙をもって配置さ
れ、該間隙に両板を接合するリブ構造体が介装されてい
るFRP製サンドイッチパネルにおいて、中空の箱状物
を該間隙に包含してなることを特徴とするものからな
る。
属、木材等を使用でき、リブ構造体は一対の板の成形と
同時に配置し組み込むことが好ましい。
延在方向において、実質的に一定であってもよく、変化
していてもよい。
状のものでもよいが、たとえば、少なくとも一方の板
が、山部と谷部が交互に配置された折板形状に形成され
ているものとすることもできる。この山部または/およ
び谷部は、ある方向に直線状に延びるものの他、ピラミ
ッド形等に立体的に形成されたものであってもよい。
きるが、さらに、トラスまたはラーメン構造体に構成す
ることもできる。
られたもの、熱硬化製樹脂で作られたもののいずれも使
用できる。これら樹脂で作られた箱状物に強化繊維を巻
き、サンドイッチパネル成形後には実質的にFRP製の
箱状物が形成されるようにしてもよい。箱状物の表面に
溝を形成しておけば、成形時に樹脂を拡散させることが
できる。また、箱状物の形状については、直方体形状の
他、断面形状が台形のものも使用できる。
パネルにおいては、耐火性をを向上するために、少なく
とも一方の板のマトリックス樹脂がフェノール樹脂から
なることが好ましい。さらに、少なくとも片面に、耐火
材、たとえば耐火性の材料や耐火塗料からなる層を設け
ておくこともできる。
チパネルは、屋根材等の建材として好適に使用できるも
のである。その際、FRP製屋根材全体、あるいは屋根
を構成するためのFRP製屋根材一単位全体について、
立体的な形状に形成することが可能である。たとえば、
少なくとも一方の板が、多面体状の立体形状部を有して
いる構造や、少なくとも一方の板が、三次元曲面部をも
つ立体形状部を有している構造とすることができる。ま
たこれら立体形状部の両方をもつ構造とすることもでき
る。
の製造方法は、成形型上に強化繊維を配置し、その上の
所定の位置に強化繊維を巻いた中空の箱状物を配置し、
さらに強化繊維を配置した後、全体を真空用フィルム基
材で覆った後フィルム基材で覆われた内部を真空にし、
樹脂を注入して強化繊維に含浸させることを特徴とする
方法からなる。
イッチパネルにおいては、両板間の間隙に中空の箱状物
が内包されるので、この箱状物もコア材および/または
リブとして機能してサンドイッチパネル全体の機械的物
性を十分に高く確保しつつ、中空構造のため全体の軽量
性も維持、あるいは他のリブ構造に比べ向上できる。そ
して、この中空の箱状物はサンドイッチパネル全体の成
形前には単なる樹脂成形物でよいから、安価に製造でき
る。
形態を、図面を参照しながら説明する。まず、本発明の
基本技術思想について、本発明者らは、低コストかつ高
い強度剛性を持つFRP製サンドイッチパネルを得るた
めの最適なサンドイッチパネルの構造を鋭意検討した結
果、サンドイッチパネルの板間の間隙に中空の箱状物
を、コア材あるいはその一部の代わりに使用することに
よって、前述の課題を解決できることを見いだした。
りに、FRP成形法として最も一般的なハンドレイアッ
プ法でも用いることができる。さらに真空成形法におい
ても中空状の箱状物の内圧が通常の空気圧と同じでよい
ので、全体を真空フィルム基材で覆って成形をする際に
も、外気圧と圧力がつり合うことから、箱状物がつぶれ
ることなく成形可能である。
が、特に熱可塑性の樹脂を用いて、射出成形あるいはブ
ロー成形によって製造されるものがコストの面から非常
に有利である。さらに射出成形、あるいはブロー成形で
は所望の形状の中空箱状物が簡単に成形できる。従って
サンドイッチパネルの形状がどんなものであっても、中
空の箱状物の形状を変えることによって作ることができ
る。例えば、サンドイッチパネルの間隙の寸法が変化し
ているものでも、また一方の板が山部と谷部が交互に配
置された折板形状であっても、容易に作ることが可能で
ある。
てもよいが、体積があまり小さいと、発泡体のコアに比
べ軽量化効果が出にくく、したがって1,000cm3
以上のものが好適に用いられる。またあまり体積が大き
いと構造上問題があるため、100,000cm3 以下
が好ましい。
全部あるいは一部を中空の箱状物にすることによって、
低コスト化が可能である。サンドイッチパネルの物性上
の要求特性によっては、コア材として中空の箱状物と共
に木材、コンクリートなどを使用することも可能であ
る。
対の板は、軽量化のために少なくとも一方がFRPを含
む板である。この板の厚みとしては、0.6〜7mmが
好ましい。0.6mm未満では所望の強度・剛性を得る
のが難しいほか、衝撃によって板を貫通してしまうよう
な傷が生じる可能性が高い。一方7mmを越えると、強
度・剛性は十分であるが、重量の面で非常に重くなって
しまう欠点がある。
によって、板としてはFRPと金属の一体構造の板も用
いることができる。また、例えば、サンドイッチパネル
を形成する板の内、下面はFRP、上面は耐火性の要求
から金属、コンクリート、モルタルなどの不燃材で形成
することも、可能である。
ラミド繊維、炭素繊維などが通常用いられる。軽量・高
強度のFRPを得るためには、炭素繊維が最も好ましい
が、コストとのバランスを取るため、ガラス繊維/炭素
繊維のハイブリッドのものも好ましい。また用いられる
繊維の形態としては、クロス、マット、ストランドなど
を好適に用いることができる。さらに用いる炭素繊維の
種類は、炭素繊維の高い強度・剛性を考えると、どんな
ものでもよいが、より低コストを考えると、いわゆるラ
ージ・トウの炭素繊維を用いるのが最も好ましい。
数が通常の10,000本未満のものではなく、10,
000〜300,000本の範囲、より好ましくは5
0,000〜150,000本の範囲にあるトウ状の炭
素繊維フィラメント糸を使用する方が、樹脂の含浸性、
強化繊維基材としての取扱い性、さらには強化繊維基材
の経済性において、より優れるため、好ましい。またF
RP構造体の表面に炭素繊維の織物を配置すると、表面
の意匠性が高められ、より好ましい。また、必要に応じ
て、あるいは要求される機械特性等に応じて、強化繊維
の層を複数層に積層して強化繊維基材を形成し、その強
化繊維基材に樹脂を含浸する。積層する強化繊維層に
は、一方向に引き揃えた繊維層や織物層を適宜積層で
き、その繊維配向方向も、要求される強度の方向に応じ
て適宜選択できる。
テル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂な
どが好適に用いられるが、特に建築材料・土木材料用途
では、燃焼性の規格があるため、フェノール樹脂が最も
好適に用いられる。
の板がある間隙をもって配置されその間隙に上下の板を
接合するリブ構造体があり、中空の箱状物がその間隙内
に存在すればどんな構造でもよい。また少なくとも一方
の板が、山部と谷部が交互に配置された折板形状をして
いるサンドイッチパネルも用途によっては好適に用いら
れる。
板形状、波板形状などを使い分けることができる。また
一対の板の間隔も、実質的に一定であるものの他、間隔
が変化していても何ら問題はない。
延びて一対の板を繋いでいる構造を取れる他、トラス構
造、ラーメン構造のリブ構造でもよい。
に用いる場合には、耐火性の要求から少なくとも片面に
耐火材が設けられていてもよい。耐火材としては、ロッ
クウール成形板、樹脂発泡体、ロックウールのフェルト
材、セラミックファイバーのフェルト材、耐火性塗料、
発泡性塗料、耐火性シーラントなど、あるいはそれらの
組み合わせたものが好適に用いられる。
以下に順を追って説明する。 (1)成形型上に強化繊維を配置する。この時強化繊維
を配置する方法としては、繊維をそのまま型上に置く方
法もあるが、製造の効率化からあらかじめクロスとした
繊維を配置した方が好ましい。
化繊維状に配置する。中空の箱状物はサンドイッチパネ
ルの所望の形状に合わせて、ブロー成形あるいは射出成
形などで成形されたものを用いることができる。また中
空の箱状物の間には樹脂注入後リブとなるように強化繊
維を挿入してもよい。強化繊維を挿入せずに、箱状物に
巻いた強化繊維をリブとしてもよい。サンドイッチパネ
ルの物性に応じてコア材については中空の箱状物のみで
なく、有機の発泡体、木材、コンクリートなどを中空の
箱状物と組み合わせて使用してもよい。
なる強化繊維を配置する。
覆う。
浸させる。この時含浸の補助手段として、中空の箱状物
あるいはそれと合わせて使用するコア材の少なくとも一
面に、樹脂の通り道となる溝を切ったものを用いてもよ
い。成形体が大型になると特にこのような樹脂含浸の補
助手段が有効である。
化には必要に応じて熱を与えてもよい。また脱型後にア
フターキュアとしてさらに熱を加えてもよい。
を用いて説明する。図1は本発明の一実施態様を示した
ものである。サンドイッチパネル1は、上下の板2およ
び、リブ3によって形成されたサンドイッチパネルの中
に中空の箱状物4が包含されている。リブ3と中空箱状
物4の側壁は一体成形されてもよい。
である。折板形状に賦形されたサンドイッチパネル11
の上下の板12、およびリブ13によって形成されたサ
ンドイッチパネル11の中に、中空の箱状物14が包含
されている。リブ13と中空箱状物14の側壁は一体成
形されてもよい。
たものである。サンドイッチパネル21の上下の板22
とリブ23、中空の箱状物24とおよびウレタン発泡体
のコア25のサンドイッチパネル21の片面に耐火材2
6の層が形成されている。
したものである。図4に示す中空箱状物31の表面(図
示例では上下面)には、溝32が形成されており、成形
の際の樹脂の流路として機能できるようになっている。
板42a、42bのうちの一方の板42aが折板構造を
有し、両板の間隙が板延在方向に変化している例を示し
ている。43はリブ、44は中空箱状物を示している。
リブ43と中空箱状物44の側壁は一体成形されてもよ
い。
一対の板52a、52b間に、リブ構造体としてトラス
構造体53が設けられている。そして、内部の適当な位
置に、中空の箱状物54とコア55が設けられた例を示
している。
全体として種々の形状を採り得ることを示しており、図
示例ではピラミッド状に形成された部分62が連接され
た形状になっている。
れたサンドイッチパネル71とすることにより、屋根材
として使用する上で、より好適なものとなる。図7にお
いて、72は一対の板、73はリブ、74は中空箱状物
を示している。
ッチパネルは種々の形態を採り得る。とくに屋根材等の
建材に好適な種々の形態とすることができ、かつ、前述
の如く軽量でありながら十分な機械的物性を備えること
ができ、しかも安価に製造できる。
ンドイッチパネルおよびその製造方法によれば、低コス
トでかつ十分な物性を備えたサンドイッチパネルが提供
できる。
チパネルの部分断面図である。
ッチパネルの部分断面図である。
ンドイッチパネルの部分断面図である。
ンドイッチパネルの部分断面図である。
ンドイッチパネルの部分断面図である。
ンドイッチパネルの部分斜視図である。
ンドイッチパネルの斜視断面図である。
ンドイッチパネル 2、12、22、42a、42b、52a、52b、7
2 板 3、13、23、43、73 リブ 4、14、24、44、54、74 中空箱状物 25、55 コア 26 耐火材 53 トラス構造体 62 ピラミッド部分
Claims (17)
- 【請求項1】 少なくとも一方にFRPを含む一対の板
が間隙をもって配置され、該間隙に両板を接合するリブ
構造体が介装されているFRP製サンドイッチパネルに
おいて、中空の箱状物を該間隙に包含してなることを特
徴とするFRP製サンドイッチパネル。 - 【請求項2】 前記間隙の寸法が、板延在方向において
実質的に一定である、請求項1のFRP製サンドイッチ
パネル。 - 【請求項3】 前記間隙の寸法が、板延在方向において
変化している、請求項1のFRP製サンドイッチパネ
ル。 - 【請求項4】 少なくとも一方の板が、山部と谷部が交
互に配置された折板形状に形成されている、請求項1〜
3のいずれかに記載のFRP製サンドイッチパネル。 - 【請求項5】 中空の箱状物が熱可塑性樹脂で作られて
いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載
のFRP製サンドイッチパネル。 - 【請求項6】 中空の箱状物が熱硬化性樹脂で作られて
いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載
のFRP製サンドイッチパネル。 - 【請求項7】 中空の箱状物の体積が、1000cm3
以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
記載のFRP製サンドイッチパネル。 - 【請求項8】 少なくとも一方の板のマトリックス樹脂
がフェノール樹脂であることを特徴とする、請求項1〜
7のいずれかに記載のFRP製サンドイッチパネル。 - 【請求項9】 少なくとも一方の板のFRPの強化繊維
として炭素繊維を含むことを特徴とする、請求項1〜8
のいずれかに記載のFRP製サンドイッチパネル。 - 【請求項10】 強化繊維が、フィラメント数が10,
000〜300,000本の範囲にあるトウ状の炭素繊
維フィラメント糸を有することを特徴とする、請求項9
のFRP製サンドイッチパネル。 - 【請求項11】 前記リブ構造体がトラスまたはラーメ
ン構造体からなる請求項1〜10のいずれかに記載のF
RP製サンドイッチパネル。 - 【請求項12】 少なくとも片面に耐火材が設けられて
いることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記
載のFRP製サンドイッチパネル。 - 【請求項13】 中空の箱状物が直方体である、請求項
1〜12のいずれかに記載のFRP製サンドイッチパネ
ル。 - 【請求項14】 中空の箱状物の断面形状が台形であ
る、請求項1〜12のいずれかに記載のFRP製サンド
イッチパネル。 - 【請求項15】 中空の箱状物のいずれか一つの表面に
溝を有することを特徴とする、請求項1〜14のいずれ
かに記載のFRP製サンドイッチパネル。 - 【請求項16】 請求項1〜15のいずれかに記載のF
RP製サンドイッチパネルを用いてなるFRP製屋根
材。 - 【請求項17】 成形型上に強化繊維を配置し、その上
の所定の位置に強化繊維を巻いた中空の箱状物を配置
し、さらに強化繊維を配置した後、全体を真空用フィル
ム基材で覆った後フィルム基材で覆われた内部を真空に
し、樹脂を注入して強化繊維に含浸させることを特徴と
する、FRP製サンドイッチパネルの製造方法。
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