JP2000263447A - 研磨材 - Google Patents

研磨材

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JP2000263447A
JP2000263447A JP2000006949A JP2000006949A JP2000263447A JP 2000263447 A JP2000263447 A JP 2000263447A JP 2000006949 A JP2000006949 A JP 2000006949A JP 2000006949 A JP2000006949 A JP 2000006949A JP 2000263447 A JP2000263447 A JP 2000263447A
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abrasive
fiber
polishing
alumina
diamond
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English (en)
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Takuma Miyazawa
琢磨 宮澤
Takehiko Sumiyoshi
毅彦 住吉
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Xebec Technology Co Ltd
Taimei Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Xebec Technology Co Ltd
Taimei Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬質材の精密研磨が容易にでき、従来のダイ
ヤモンド電着砥石に比べ、研磨効率が非常に優れた砥石
を提供する。 【解決手段】 アルミナ質長繊維と、ダイヤモンド砥粒
と、マトリックス樹脂からなり、前記アルミナ質長繊維
の繊維端を研磨処理端とした研磨材であって、前記アル
ミナ質長繊維とマトリックス樹脂からなる繊維リッチ部
と、前記ダイヤモンド砥粒とマトリックス樹脂からなる
砥粒リッチ部の複合構造に形成されたことを特徴とする
研磨材であって、例えば、アルミナ長繊維のが全て同じ
方向に配されて熱硬化性樹脂マトリックスで結着された
UDシート層と、ダイヤモンド砥粒が熱硬化性樹脂マト
リックスで結着された砥粒層からなり、前記砥粒層が少
なくとも表裏平坦面の一面に配されると共に前記アルミ
ナ長繊維の先端部が研磨面に当たるように平板状に一体
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は研磨用砥石等の研磨
材に関し、超硬合金や高硬度鋼や焼入れ鋼のような硬質
材の研磨に適しており、特に、これらの硬質材でできた
リブやボスなどの微細部分を手磨きで、或いは、振動工
具や回転工具などを用いて精密研磨するのに適した研磨
材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ロックウェル硬度C(HRC)が
50以上の高硬度鋼や焼入れ鋼、さらに高度の高い超硬
合金製の金型が増えている。これら硬質材料を研磨でき
る砥材は主としてダイヤモンドである。しかし、従来の
ダイヤモンド砥石はダイヤモンド砥粒材を金属や熱硬化
性樹脂を結合剤として成形されており、硬質材料の研
削、切断には広く使われているが、研磨にはほとんど使
われておらず、ことに精密研磨に適したダイヤモンド砥
石は存在しなかったと言ってもよい。その理由は、精密
研磨をする際には従来はダイヤモンドパウダーやダイヤ
モンドペーストを使って木や竹製のヘラで磨くのが一般
的であり、この方法は、研磨に時間がかかり熟練を要す
るなどの問題があって固形砥石タイプの出現が強く望ま
れていたが、砥石も小型で肉薄の形状のものでないとワ
ークに対応できず、同時に砥石自体にかなりの強度と弾
力性が要求され、従来のダイヤモンド砥石をこのような
形状に成形すると脆くて実用的でなかったからである。
【0003】一方、砥石を補強する方法として各種の強
化繊維を配合する方法が広く知られている。例えば特開
昭63−52972号公報には炭化ケイ素系繊維、炭素
繊維、窒化ケイ素繊維、ボロン繊維、アルミナ質繊維の
短繊維で補強する方法が提案されている。また、同公報
にはそれ以前から長繊維で補強する方法が知られていた
ことも開示されている。しかし、これまでのところ、強
化繊維と砥粒とマトリックス樹脂の3成分からなる砥石
でも硬質材料の精密研磨ができるものは知られていなか
った。すなわち、硬質材の研磨には優れた研磨性と高い
砥石強度の両立が求められる中で、従来知られている繊
維強化砥石はこの要求を充分満たしていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、繊維強化
砥石においては、研磨性を重視して砥粒含有率を高くし
ようとすると強度が低下し、一方強度を重視して繊維含
有率を高くしようとすると実用的な研磨性が得られな
い、といった問題があった。本発明者らは、この問題を
解決し、優れた研磨性を持ちながら充分な実用強度を有
する研磨材を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の研磨材は、前記
目的を達成するべく、アルミナ質長繊維と、ダイヤモン
ド砥粒と、マトリックス樹脂を必須の構成成分とし、ま
ず、研磨材内におけるアルミナ質長繊維とダイヤモンド
砥粒の分布状態をアルミナ質長繊維リッチ部とダイヤモ
ンド砥粒リッチ部の2領域に分けることにより、優れた
研磨性を発揮させるとともに強度の向上を図った。この
ようなアルミナ質長繊維とダイヤモンド砥粒の配置によ
って研磨材の強度を低下させることなく研磨に必要かつ
充分な砥粒を配合させることが可能となった。さらに強
化繊維として特定のアルミナ質長繊維を使用することに
より、研磨材としてより高い強度を達成した。すなわ
ち、本発明の研磨材料は、請求項1に記載の通り、アル
ミナ質長繊維と、ダイヤモンド砥粒と、マトリックス樹
脂からなり、前記アルミナ質長繊維の繊維端を研磨処理
端とした研磨材であって、前記アルミナ質長繊維とマト
リックス樹脂からなる繊維リッチ部と、前記ダイヤモン
ド砥粒とマトリックス樹脂とからなる砥粒リッチ部の複
合構造に形成されたことを特徴とする。また、請求項2
記載の研磨材は、請求項1記載の研磨材において、前記
繊維リッチ部はアルミナ質長繊維のUDシートで形成さ
れことを特徴とする。また、請求項3記載の研磨材は、
請求項1記載の研磨材において、長手方向に平行して設
けられる繊維リッチ部と砥粒リッチ部からなる複数本の
紐状要素を集束成形したことを特徴とする。また、請求
項4記載の研磨材は、請求項1乃至3の何れかに記載の
研磨材において、ダイヤモンド砥粒の含有量が10〜2
0重量%であることを特徴とする。また、請求項5記載
の研磨材は、請求項1乃至4の何れかに記載の研磨材に
おいて、アルミナ質長繊維のフィラメントが主として横
断面形状が偏平状のフィラメントからなることを特徴と
する。また、請求項6記載の研磨材は、請求項5記載の
研磨材において、前記横断面形状の長軸の短軸に対する
比が1.3〜1.8であることを特徴とする。また、請
求項7記載の研磨材は、請求項1乃至6の何れかに記載
の研磨材において、アルミナ質長繊維の長手方向に対し
て垂直に荷重を架けた場合の曲げ強度が500Mpa以
上、曲げ弾性率が50Gpa以上であることを特徴とす
る。また、請求項8記載の研磨材は、請求項1乃至7の
何れかに記載の研磨材において、厚み0.45〜1.2
mmの平板形状に形成したことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の研磨材料に用いる繊維
は、アルミナ質長繊維である。強化用繊維としてはガラ
ス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維などが知られている
が、研磨材として用いると研磨面で滑るという欠点があ
り、アルミナ質繊維が最も適している。その理由は、ア
ルミナ質繊維の場合は研磨時に繊維の先端部が順次破砕
していくためと考えられる。
【0007】本発明の研磨材料に用いるダイヤモンド砥
粒は市販の100番〜1,000番程度の番手のものが
最も好適に使用されるがこれに限定されるものではな
い。
【0008】本発明のアルミナ質繊維と砥粒とを結合す
るマトリックス樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリマレイミド樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂が好適である。
【0009】本発明研磨材の特徴は、研磨材を構成する
強化繊維と砥粒の分布を、繊維リッチ部と砥粒リッチ部
に分離して、繊維層内部に砥粒が含まれないようにする
ことにより、砥粒リッチ部による高い研磨性と繊維リッ
チ部のアルミナ質繊維による研磨性と強度保持によって
本発明の目的である研磨性と実用強度の確保を達成し
た。
【0010】前記砥粒リッチ部と繊維リッチ部の形成
は、基本的には砥粒を含まないマトリックス樹脂でアル
ミナ質繊維を結着して繊維リッチ部を形成し、このよう
にして形成された繊維リッチ部と一体に且つ別領域に分
離形成されるマトリックス樹脂内にのみダイヤモンド砥
粒が含まれるように構成すれば、その形成方法は特に限
定されるものではない。
【0011】例えば、前記繊維リッチ部はアルミナ長繊
維のUDシートや、ワインディングシートで形成し、こ
れらシートを単層とした、或いは、複層に積層した構成
としてもよい。具体的には、アルミナ質長繊維が全て同
じ方向に配されて熱硬化性樹脂マトリックスで結着され
たUDシート層と、ダイヤモンド砥粒が熱硬化性樹脂マ
トリックスで結着された砥粒層で構成し、前記砥粒層が
少なくとも表裏平坦面の一面に配されると共に前記アル
ミナ質長繊維の先端部が研磨面に当たるように平板状に
一体形成するようにしてもよい。また、前記UDシート
からなる繊維リッチ部は、巻回して棒状体に形成するな
どその成形は任意である。
【0012】また、例えば前記ダイヤモンド砥粒層を備
えた前記UDシートを細紐状に裁断することにより、長
手方向に平行に繊維リッチ部と砥粒リッチ部とを備える
ようにした紐状要素を複数本用意し、これを平板状、丸
棒状などの任意の形状に集束成形して研磨材に形成して
もよい。
【0013】本発明研磨材は、例えば、厚み0.45〜
1.2mmで、幅3〜20mm程度の平板状に形成すれ
ばよい。
【0014】本発明研磨材の砥粒含有率については10
〜20重量%であることが好ましい。本発明研磨材の全
砥粒の含有率が20重量%以下で充分な研磨性があるの
でこれより多く砥粒を含有させる必要がない上に、強度
が低下したり、研磨材料の消耗が早くなったりする。一
方、10重量%未満では基本的に研磨性が不充分であ
る。
【0015】本発明で使用するアルミナ質繊維は、強度
が高いほどよいことは言うまでもない。アルミナ質繊維
の引張強度は、短繊維や開発当初の脆弱な長繊維はせい
ぜい100kg/mm2程度であったが、その後改良されて1
50〜200kg/mm2程度ものが造られている。本発明で
使用するアルミナ質長繊維は引張強度1.8Gpa(約1
80kg/mm2)以上、引張弾性率180Gpa(約180ton
/mm2)以上であることが好ましい。
【0016】アルミナ繊維の強度は、上記のように、炭
素繊維などと比較すると必ずしも高くない。従って、砥
石の強度を向上させるために高い強度のアルミナ質繊維
を使用するにしても限界がある。そこで本発明者らは鋭
意検討の結果、繊維のフィラメント群が主として横断面
形状が偏平状のフィラメントからなるアルミナ質繊維を
使用すると、砥石の強度がさらに向上することを見出し
た。すなわち、本発明で使用するアルミナ質繊維はフィ
ラメント群が、通常の横断面形状が真円形のものではな
く、主として偏平状であることが好ましい。偏平状の具
体的な形状としては、楕円状、繭玉状、雨滴状などであ
り、これらが混在していてもよい。また、丸断面フィラ
メントと混在していてもよいが、丸断面フィラメントは
少ないほうがよく、例えば成形体の横断面写真で全フィ
ラメントの横断面数の20%以下、より好ましくは10
%以下であることが好ましい。尚、前記偏平状は、長軸
の短軸に対する比が1.3〜1.8の範囲にすることが
好ましい。このような横断面形状が偏平状の繊維を使用
すると砥石の強度がより向上する理由は、マトリックス
樹脂を介して隣接するフィラメントや砥粒との接着面積
が増大したり、成形体が外部応力を受けて破壊する際、
繊維がマトリックス樹脂から抜ける現象、いわゆる引抜
き現象が起こり難くなったりするためと推察される。
【0017】本発明の研磨材は硬質材の研磨に使用する
ため、具体的な強度としては、曲げ強度500Mpa以
上、曲げ弾性率50Gpa以上であることが実用上好まし
い。使用中での研磨材の破損の心配をほとんどなくすた
めには、曲げ強度800Mpa程度が要求される。引張強
度が1.8Gpa以上、引張弾性率180Gpa以上のアルミ
ナ質繊維を使用して本発明の層状構造にするとこのよう
な強度を得ることが可能である。その上でアルミナ質繊
維束を構成するフィラメントの横断面形状が主として偏
平状のものを使用するとより高強度の研磨材料が得られ
る。曲げ強度1,000Mpa以上であればより好まし
い。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例につき説明する。 (実施例1)繊維径10μmでフィラメント数1000
本のアルミナ繊維ロービングヤーン(Al 85
重量%、SiO 15重量%、平均引張強度2.5Gp
a、平均引張弾性率220Gpa)をエポキシ樹脂(エピコ
ート828 油化シェルエポキシ製)100重量部、テ
トラヒドロキシメチル無水フタル酸(HN2200日立
化成工業製)80重量部、イミダゾール(2E4MZ−
CN 四国化成工業)2重量部から成る樹脂組成物の槽
にディッピングして該樹脂組成物を含浸させ、余剰の樹
脂を鋼製のローラーで絞りながら直径330mmの回転
ドラムに巻き取った。この時、ドラム上でヤーンが重な
り合わないように、且つ隣同士のヤーンが離れ過ぎない
ようにトラバースし、巻き幅250mmに巻き上げた
後、離型紙の上からローラー掛けをして樹脂と繊維とを
充分に馴染ませてから注意深く切り開き、厚さ0.25
mm、幅250mm、長さ約1000mmで繊維が1方
向に配列したシート状成形物を得た。引き続き、これを
115℃で30分加熱して半硬化させ、4等分して、1
辺250mmのアルミナ長繊維のUDプリプレグ4枚を
得た。
【0019】上記のようにして得たUDシートを3枚使
い、この内2枚のシートのそれぞれの片面に人造ダイヤ
モンド砥粒(170−200番、EID社製)を均等に
付着させ、砥粒を付着させないシートを真ん中にして、
残りのシートのダイヤモンド砥粒の付着した面が外側に
なるように3枚を積層し、この時真ん中のシートの繊維
方向を軸として上下のシートの繊維方向を別々の方向に
約5度ずらし(上のシートと下のシートの繊維方向のず
れは約10度)、加熱、加圧成型機で温度160℃、圧
力30kg/cmの条件で3時間硬化させた。得られ
た成形板から幅10mm、長さ50mmの平板状スティ
ックを80枚切り出し、研磨用砥石とした。砥石の平均
厚さは0.5mm、ダイヤモンド砥粒の含有率は約1
2.5重量%、曲げ強度は840Mpa、曲げ弾性率は5
7.3Gpaであった。
【0020】この砥石の研磨性能を次のようにして測定
した。研磨テスト用ワークとしてNAK80の高硬度鋼
放電加工品(放電加工面の硬度HRC50、面粗度Ra
約10μm)を用い、研磨工具(UHT製 ターボラッ
プスイング TLS−07)に上記スティック砥石を取
り付け、エアー圧によって砥石に17,000往復/分
の振動を与え、全荷重約250gを掛けながら上記ワー
クにスティック側面を押し当てて研磨試験を実施した。
この時の研磨時間とワークの研磨面の面粗度Ra(μ
m)との関係を表1に示した。また、研磨後の試験片の
減量を測定し、研磨時間と切削量との関係を表2に示し
た。さらに、同砥石を用い、超硬合金(V−30、HR
A89.0、面粗度Ra約1μm)のワークに対し同様
の条件で研磨性試験を実施した。その結果を表3に示し
た。
【0021】(実施例2)実施例1と同じ条件でUDプ
リプレグシートを4枚製作し、それぞれのシートの片面
にダイヤモンド砥粒(100−120番)を付着させて
から全てのシートの繊維方向を同じにし、先ず2枚のシ
ートのダイヤモンド砥粒の付着していない面同士を合わ
せ、さらにその両表面に残りのシートのダイヤモンド砥
粒の付着していない面を合わせて、実施例1と同様に加
熱、加圧成形し、厚さ1mmの成形板を得た。この板か
ら幅10mm、長さ50mmの平板状のスティック状砥
石80枚を切り出した。砥石のダイヤモンド砥粒の含有
率は約17重量%、曲げ強度は596Mpa、曲げ弾性率
は58.6Gpaであった。この砥石についてスティック
とワークとの角度を45度とし、荷重を700gとした
他は実施例1と同じ条件で研磨試験を実施し、その結果
を表1、表2に示した。さらに、同砥石を用い、超硬合
金(V−30、HRA89.0、面粗度Ra約1μm)
のワークに対し同様の条件で研磨性試験を実施した。そ
の結果を表3に示した。表1、2に示される結果からわ
かるように、実施例1、2とも、超硬合金の金型の面粗
度として通常要求されるRa=0.5μm以下のレベル
が短時間の間に容易に達成されている。
【0022】(比較例1)実施例1において、あらかじ
め樹脂組成物に実施例1で使用したのと同じダイヤモン
ド砥粒を40重量%混合し、常に樹脂槽を掻き混ぜなが
らアルミナ繊維のロービングヤーンをディッピングした
他は、実施例1と同じ操作、条件でUDプリプレグシー
トを作成した。このシートにはダイヤモンド砥粒が既に
含まれているので、シート表面への砥粒の付着はせず
に、各シートの繊維の方向を実施例1と同じようにずら
して3枚積層し、加熱、加圧処理して板状に成形し、同
じ寸法のスティックを切り出した。この砥石中の砥粒の
分布状態は実施例1と違ってランダムであり、含有率は
約15重量%、スティックの厚さは0.5mm、曲げ強
度は362Mpa、曲げ弾性率は35.2Gpaであった。実
施例1と同じNAK材の研磨性試験を実施したところ、
研磨中にスティックが折れてしまった。
【0023】(比較例2)比較例1において、樹脂に混
合するダイヤモンド砥粒の量を15重量%に変えた他は
同じ条件でスティック状砥石を製作した。砥石の砥粒含
有率は約5重量%、厚さは0.48mm、曲げ強度は5
43Mpa、曲げ弾性率は52.4Gpaで強度的には実用レ
ベルに達したが、実施例1と同じNAK材の研磨性試験
を実施したところ、表1,2に示すように、研磨性は極
めて低かった。
【0024】(比較例3)市販のダイヤモンド電着ヤス
リ(リブ用ダイヤモンドヤスリ HTL2−200、厚
さ0.3mm、幅6mm、長さ72mm、ダイヤモンド
砥粒200番)で実施例1と同じ研磨性試験を実施し、
その結果を表1、表2に示した。また、超硬合金の研磨
試験を実施例1と同じ条件で実施し、その結果を表3に
示した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】上記各表から明らかなように、本発明によ
れば、従来のダイヤモンド電着スティックに比べて初期
の面粗度が同じにもかかわらず、同一研磨時間での面粗
度(Ra)が極めて低く、なおかつ切削量に優れた研磨
効率のよい砥石が得られる。
【0029】(実施例3)モノフィラメントが0.25
TEXで、フィラメント数が1,000本のアルミナ質
長繊維束(Al23 87重量%、SiO2 13重量
%、比重3.2、比重とTEXから求めた平均繊維径1
0μm、この径から求めた平均引張強度2.5Gpa、平均
引張弾性率220Gpa、フィラメントの断面写真から主
として繭玉状の横断面形状のフィラメントからなり、該
形状の短軸対長軸の比率は主として1.5前後であっ
た。尚、丸断面フィラメントはほとんど観察されなかっ
た)を使用し、このアルミナ質長繊維束を平行巻きで、
隣同士の繊維束の間にできるだけ隙間ができないように
トラバースしながら直径330mmの回転ドラムに幅25
0mmに巻き取り、繊維層の上にポリフィルムを当て、そ
の上からローラーをかけて繊維束を開き、繊維束の間の
わずかな隙間を完全になくした。引き続きこの繊維層に
下記配合のエポキシ樹脂組成物をハンドローラーで塗布
し、乾燥してから回転軸方向に切り開いてUDプリプレ
グシートを得た。 エポキシ樹脂組成物 エピコート828(油化シェルエポキシ製)100重量部 3フッ化ホウ素モノエチルアミン 3重量部 メチルエチルケトン(MEK) 25重量部 このシートから220mm×220mmのシートを切り出
し、115℃で15分間加熱してプレキュア(予備硬
化)させた後、シートの両面に375〜400メッシュ
のダイヤモンド砥粒(400番)を200メッシュの篩
を使ってできるだけ均一に散布し、付着させた。このと
き全体を計量しながらダイヤモンド含有率が約12重量
%になるようにした。次に、このシートを裁断機にか
け、繊維方向に沿って幅約1mmに裁断した。得られた紐
状物を55本ずつ、幅10mm×深さ10mm×長さ220
mmの溝状金型の凹部に並べ、この上から金型の凸部を合
わせてホットプレスにかけ、厚さ1mmまで圧縮して10
0℃、1時間加熱し、さらに170℃で3時間加熱して
エポキシ樹脂組成物を硬化させた。硬化物の断面を電子
顕微鏡で観察の結果、幅1mm、厚さ0.2mm前後の多数
の繊維層(1部屈曲しているものもある)が不規則な方
向に配列し、各繊維層の境界面に厚さ0.05mm前後の
ダイヤモンド砥粒層が観察された。
【0030】成形体の1部をルツボに取って秤量し、空
気中で650℃、1時間焼成して樹脂を焼却してから秤
量し、さらに1,200℃で3時間焼成してダイヤモン
ドを焼却してから秤量し、ダイヤモンド含有率を算出し
た結果、12.4重量%であった。
【0031】この成形体の強度は、試験片を10本測定
して平均値を求めた。その結果、曲げ強度1,210Mp
a、曲げ弾性率106Gpaで、ラッピング材として充分な
強度があると判断された。
【0032】また、テスト用ラッピング材として厚さ1
mm×幅10mm×長さ50mmのスティック状にカットした
成形体を専用のエアー工具(UHT社製ターボラップス
イング TLS−07)に装着し、毎分17,000往
復の振動を与えて、荷重約700gをかけながら超硬合
金テスト片の研磨テストを実施した。使用した超硬合金
(V10ワイヤーカット、ロックウェル硬度A=90)
の研磨前の面粗度は、Ra=2.291μm、Rmax
=19.175μmであったが、30mm×15mmの研磨
面を10分間研磨した結果、Ra=0.194μm、R
max=5.754μmに達し、30分後にはRa=
0.062μm、Rmax=0.931μmに達し、きわ
めて研磨性が良好であった。研磨性能の持続性と均一性
はほとんど問題のないレベルであった。
【0033】ラッピング材として実用的な強度を有して
いるか否かを確認する手段として、強度試験だけではな
く、実際の研磨に近い状況での評価が必要であると考
え、ラッピング材の対衝撃性を下記のようにして評価し
た。前記の研磨テストと同じ材質の超硬合金板で表面を
階段状に加工した板(段差は2mm)を、上の段から下の
段に向かって手で研磨し、ラッピング材の先端が上の段
から下の段に落ちる際の衝撃に耐えるかどうかを確認し
た。その結果、本実施例で得たラッピング材は割れたり
折れたりせず、充分な実用強度を有していた。
【0034】(実施例4)実施例3と同じ条件で得た紐
状物を40本引き揃え、テフロンフィルムを巻き付けて
丸棒状にし、ラバープレス機(液槽はシリコンオイルを
使用)にセットして50kg/cm2で加圧しながら120
℃、30分間加熱し、さらに150℃、30分間加熱し
てから取り出し、フィルムの包装を解いてからオーブン
に入れて170℃で3時間加熱して直径約3.2mmの丸
棒状成形体を得た。これをダイヤモンドディスクカッタ
ーで長さ50mmに切断後、センターレス加工して直径
3.0mmの丸棒とした。このようにして製作した丸棒の
ダイヤモンド含有率は12.2重量%、強度は5本の平
均値で、曲げ強度1,030Mpa、曲げ弾性率96Gpa
で、回転工具として充分な強度を有していると判断され
た。
【0035】厚さ5mmのDC53焼入鋼板(ロックウェ
ル硬度C=61)の上から放電加工により逆円錐形の穴
を開け(穴径3mm、円錐角度60度)穴の底部(円錐頂
点部)に径1mmの貫通孔を開けたものを試験片として用
意した。円錐内壁の面粗度はRa=2.488μm、R
max=18.219μmであった。次に、丸棒を専用
の回転工具に取り付け、ダイヤモンドヤスリを使って先
端を試験片と同じ円錐形に加工し、30,000rpmで
回転させて試験片の円錐孔内壁の研磨を行い、1分間毎
に面粗度を測定した。使用中の強度は全く問題なく、丸
棒の折れや亀裂の発生はみられなかった。面粗度は3分
間の研磨でRa=0.925μm、Rmax=6.31
3μmに達成し、実用上充分な性能を有していた。
【0036】
【発明の効果】このように、本発明によれば、ロックウ
ェル硬度C(HRC)が50以上の高硬度鋼や、さらに
硬度の高い超硬合金のような硬質材に対しても、粗研磨
と仕上げ研磨に共通して使用でき、リブやボスの金型の
溝やコーナ部等の微細部分や小面積部分の精密研磨にも
適用でき、超硬合金の金型の面粗度として通常要求され
るRa=0.5μm以下のレベルが短時間の間に容易に
達成され得る研磨効率を有する精密研磨性に優れた研磨
用砥石と研磨方法が提供される。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ質長繊維と、ダイヤモンド砥粒
    と、マトリックス樹脂からなり、前記アルミナ質長繊維
    の繊維端を研磨処理端とした研磨材であって、前記アル
    ミナ質長繊維とマトリックス樹脂からなる繊維リッチ部
    と、前記ダイヤモンド砥粒とマトリックス樹脂からなる
    砥粒リッチ部の複合構造に形成されたことを特徴とする
    研磨材。
  2. 【請求項2】 前記繊維リッチ部はアルミナ質長繊維の
    UDシートで形成されたことを特徴とする請求項1記載
    の研磨材。
  3. 【請求項3】 長手方向に平行して設けられる繊維リッ
    チ部と砥粒リッチ部からなる複数本の紐状要素を集束成
    形したことを特徴とする請求項1記載の研磨材。
  4. 【請求項4】 ダイヤモンド砥粒の含有量が10〜20
    重量%であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか
    に記載の研磨材。
  5. 【請求項5】 アルミナ質長繊維のフィラメントが主と
    して横断面形状が偏平状のフィラメントからなることを
    特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の研磨材。
  6. 【請求項6】 前記横断面形状の長軸の短軸に対する比
    が1.3〜1.8であることを特徴とする請求項5記載
    の研磨材。
  7. 【請求項7】 アルミナ質長繊維の長手方向に対して垂
    直に荷重を架けた場合の曲げ強度が500Mpa以上、曲
    げ弾性率が50Gpa以上であることを特徴とする請求項
    1乃至6の何れかに記載の研磨材。
  8. 【請求項8】 厚み0.45〜1.2mmの平板形状に
    形成したことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記
    載の研磨材。
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