JP2000263213A - ロール式セミソリッド加工法およびその加工装置 - Google Patents

ロール式セミソリッド加工法およびその加工装置

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JP2000263213A
JP2000263213A JP11067605A JP6760599A JP2000263213A JP 2000263213 A JP2000263213 A JP 2000263213A JP 11067605 A JP11067605 A JP 11067605A JP 6760599 A JP6760599 A JP 6760599A JP 2000263213 A JP2000263213 A JP 2000263213A
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roll
molten alloy
type semi
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solid processing
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Manabu Kiuchi
学 木内
Shingoro Fukuoka
新五郎 福岡
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質の鋳造製品を安価に製造できるロール
式セミソリッド加工法を提供する。 【解決手段】 液相線温度より僅かに高い所定温度に保
持した合金溶湯Aを急冷して初晶を生成させる工程、前
記初晶が生成した合金溶湯Bを徐冷して前記初晶を粒状
晶に成長させる工程、前記粒状晶が成長して所定の固相
比率になった合金溶湯Cを金型圧入用スラグとして所定
量押出す工程からなる。 【効果】 均一微細な粒状晶組織からなり、空気巻込み
や凝固収縮巣などのない、強度、伸び、疲労特性などに
優れる鋳造製品がセミソリッドビレットを用いずに安価
に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高品質の鋳造製品
を安価に製造できるロール式セミソリッド加工法および
その加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】合金溶湯を金型に圧入し凝固させるダイ
キャスト加工法は、形状が複雑な製品を容易に成型でき
るため様々な分野に適用されている。しかし、この加工
法で製造される鋳造製品は、微細孔を多数含むデンドラ
イト状組織からなり、また合金溶湯を液相線温度より1
00℃以上も高い温度から高速度で鋳込むため空気の巻
込みや凝固収縮巣が発生し易く、鍛造材などと比べて強
度、伸び、疲労強度などが劣るという欠点がある。
【0003】前述のデンドライト状組織、空気巻込み、
凝固収縮巣などの発生を抑える方法としては、合金溶湯
を傾斜冷却板で急冷したのち金型に圧入する方法が知ら
れているが、生産性の面で実用化に至っていない。
【0004】また、合金溶湯を電磁攪拌し低温保持した
のち金型に圧入する方法が提案されているが、この方法
は、電磁攪拌と冷却と溶湯保持の3工程が殆ど同時に行
われるためプロセスの安定性に欠け、実用化されていな
い。
【0005】最近、合金溶湯を攪拌し初晶を粒状化して
鋳造したビレット(以下セミソリッドビレットと称す
る)を再加熱し固液共存状態にして金型に圧入するセミ
ソリッド加工法が開発された。このセミソリッド加工法
によれば、デンドライト状組織、空気巻込み、凝固収縮
巣などが著しく低減し、金型急冷による結晶微細化効果
と相まって、強度と伸びが向上し、疲労強度が大幅に改
善される、と報告されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記セミソリ
ッド加工法にはコストなどの面で問題がある。即ち、
前記セミソリッドビレットは、その製造に高価な電磁攪
拌機と連続鋳造機を要するため、価格が地金代の1.5
倍以上にもなる。セミソリッドビレットは、加熱装置
で徐々に加熱し固液共存状態にして金型に圧入するた
め、前記加熱装置に費用が掛かり、スペースも広く必要
になる。金型に圧入される合金溶湯は半分近くが湯口
や湯道で凝固して滓となり、この滓は溶解工程からでな
いとリサイクルできないためコストが一層高くなる。本
発明は、高品質の鋳造製品を安価に製造できるロール式
セミソリッド加工法およびその加工装置の提供を目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
液相線温度より僅かに高い所定温度に保持した合金溶湯
Aを急冷して初晶を生成させる工程、前記初晶が生成し
た合金溶湯Bを徐冷して前記初晶を粒状晶に成長させる
工程、前記粒状晶が成長して所定の固相比率になった合
金溶湯Cを金型圧入用セミソリッドとして所定量押出す
工程からなることを特徴とするロール式セミソリッド加
工法である。
【0008】請求項2記載の発明は、合金溶湯をその液
相線温度より僅かに高い所定温度に保持する保持炉、前
記保持炉内の合金溶湯Aを急冷して初晶を生成させる急
冷器、前記初晶が生成した合金溶湯Bを徐冷して前記初
晶を粒状晶に成長させる貯留槽、前記初晶が粒状晶に成
長した合金溶湯Cを金型圧入用セミソリッドとして間欠
的に押出す押出具を主要部とすることを特徴とするロー
ル式セミソリッド加工装置である。
【0009】請求項3記載の発明は、前記急冷器が少な
くとも1個のロールからなることを特徴とする請求項2
記載のロール式セミソリッド加工装置である。
【0010】請求項4記載の発明は、前記急冷器が所定
間隔を開けて水平に並列配置された一対のロールからな
ることを特徴とする請求項2または3記載のロール式セ
ミソリッド加工装置である。
【0011】請求項5記載の発明は、前記一対のロール
が、合金溶湯Aが前記一対のロールの一方のロール表面
に接触したのち、前記一対のロール間に供給されるよう
に配置されていることを特徴とする請求項4記載のロー
ル式セミソリッド加工装置である。
【0012】請求項6記載の発明は、前記ロール表面が
合金溶湯Aとの濡れ性の悪い物質で被覆されていること
を特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載のロール
式セミソリッド加工装置である。
【0013】請求項7記載の発明は、前記ロール表面に
付着した凝着物を除去するためのワイパーが設けられて
いることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載
のロール式セミソリッド加工装置である。
【0014】請求項8記載の発明は、前記ワイパーがス
テンレスワイヤブラシまたは硬質合成樹脂繊維ブラシで
あることを特徴とする請求項7記載のロール式セミソリ
ッド加工装置である。
【0015】請求項9記載の発明は、前記ロール表面の
凝着物が貯留槽または押出されるセミソリッド上に落下
するのを防止するためのカバーが設けられていることを
特徴とする請求項3乃至8のいずれかに記載のロール式
セミソリッド加工装置である。
【0016】請求項10記載の発明は、前記急冷器が内
部に冷却管を配した溶湯保留器であることを特徴とする
請求項2記載のロール式セミソリッド加工装置である。
【0017】請求項11記載の発明は、前記冷却管が前
記溶湯保留器の側壁を貫通して液密に出入自在に配され
ていることを特徴とする請求項10記載のロール式セミ
ソリッド加工装置である。
【0018】請求項12記載の発明は、前記冷却管に振
動付与機が設けられていることを特徴とする請求項10
又は11記載のロール式セミソリッド加工装置である。
【0019】請求項13記載の発明は、前記貯留槽に冷
却体または/および発熱体が、前記溶湯貯留槽内の合金
溶湯に上方から下方に向けて低温となる温度勾配がつく
ように設けられていることを特徴とする請求項2乃至1
2のいずれかに記載のロール式セミソリッド加工装置で
ある。
【0020】請求項14記載の発明は、前記押出具がピ
ストン、スクリュー、または電磁ポンプであることを特
徴とする請求項2乃至13のいずれかに記載のロール式
セミソリッド加工装置である。
【0021】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、合金溶
湯をその液相線温度より僅かに高い温度に保持し、前
記合金溶湯Aを急冷して初晶を生成させ、この初晶の
生成した合金溶湯Bを除冷して前記初晶を成長させてデ
ンドライトの少ない粒状晶の豊富な固液共存状態の合金
溶湯Cにする、という最近知られるようになった凝固組
織の粒状化方法(セミソリッド加工法)を高圧ダイキャ
スト加工法に応用したものである。この発明では、前記
固液共存状態の合金溶湯Cは、所要量が金型圧入用セミ
ソリッド(以下スラグと称する)として間欠的に押出さ
れる。前記スラグはスクイズキャスト加工法または高圧
ダイキャスト加工法などにより金型に圧入され凝固して
鋳造製品が製造される。
【0022】前記合金溶湯Aは、〔その液相線温度T0
+30〕℃以下の低めの所定温度T1 に、±5℃の精度
で保持すると、前記急冷工程で初晶が効率良くかつ安定
して生成する。
【0023】以下に本発明の加工装置を図1乃至図4を
参照して具体的に説明する。図1は本発明のロール式セ
ミソリッド加工装置の第1の実施形態を示す縦断面説明
図である。この加工装置は、合金溶湯を液相線温度より
僅かに高い温度に保持する保持炉1が最上部に位置し、
その下に、保持炉1から出湯される合金溶湯Aを急冷し
て初晶を生成させる急冷器2、初晶が生成した合金溶湯
Bを徐冷して前記初晶を粒状晶に成長させる貯留槽3、
粒状晶が成長し固相比率が所定値に達した合金溶湯Cを
金型(図示せず)圧入用のスラグ4として押出すための
押出部5が順に配置され構成されている。
【0024】ここでは急冷器2は水平方向に配置された
一対のロール6、7からなり、保持炉1から出湯される
合金溶湯Aは一方のロール7の表面に一旦接触したの
ち、前記一対のロール6、7の間隙に供給され、そこに
滞留して急冷されて初晶が晶出する。前記初晶が晶出し
た合金溶湯Bは貯留槽3に供給され、ここで徐冷されて
前記初晶が粒状晶に成長して所定固相比率の合金溶湯C
となる。この合金溶湯Cは貯留槽3下面の連通口9から
押出部5に流出する。押出部5はピストン10とシリン
ダー11からなり、その前方は扉12で閉ざされてい
る。なお、前述のように、合金溶湯Aを一方のロール7
表面に一旦接触させると、一対のロール6、7間隙への
合金溶湯Aの供給が静的になされ、また初晶の生成が促
進される。
【0025】次にピストン10を前進(矢印方向)させ
ると合金溶湯Cに押されて扉12が開きスラグ4が押出
される。スラグの押出量はピストン10のストロークに
より調節される。スラグ4は、高圧ダイキャスト機など
の金型(図示せず)に圧入され凝固して鋳造製品とな
る。スラグ4は前記金型への圧入サイクルに同期して押
出される。
【0026】図1で8は出湯制御棒、C’は粒状晶が所
定の固相比率に達する前段階の合金溶湯である。13は
ロール6、7面上の凝着物14を除去するワイパーであ
る。ロール6、7面上に凝着物14が付着したままにし
ておくと、ロールの冷却能が低下して初晶の生成が阻害
される。また、この凝着物14は粗大樹枝晶となって合
金溶湯B中に混入して合金溶湯Bの流動性を阻害する。
15は除去された凝着物が貯留槽内やスラグ上に落下す
るのを防止するカバーである。前記ワイパーには、例え
ばブラシが用いられる。ロールの材質或いは凝着物の付
着程度に応じてステンレスワイヤブラシ、硬質合成樹脂
繊維(例えばナイロン繊維)ブラシなどを使い分けるの
が良い。
【0027】ロール6、7は、表面に合金溶湯Aとの濡
れ性の悪いセラミックス、グラファイトなどの物質を被
覆しておくと凝着物14が生成し難くなる。前記セラミ
ックスなどの物質は任意の方法により被覆できるが、特
にスプレー法は簡便である。またCVD法はセラミック
スを薄く均一に被覆できる。前記セラミックスとしては
窒化ボロンなどが好適である。ロールは金属製のものが
高強度で望ましい。
【0028】貯留槽3に、冷却体または発熱体(共に図
示せず)を設け、貯留槽3内の合金溶湯に上方から下方
に向けて低温となる温度勾配がつくようにしておくと合
金溶湯Cを効率良く生成することができる。
【0029】図2は本発明のロール式セミソリッド加工
装置の第2の実施形態を示す縦断面説明図である。図1
と同一の部分は同一の符号を付してある。この加工装置
は、合金溶湯Cの押出をスクリュー16により行う他は
図1に示した加工装置と同じである。スクリューで押出
す方法は、ピストンで押出す方法に比べて押出量を厳密
に制御できる。
【0030】以上、図1、2には一対のロールからなる
急冷器2を示したが、一対のロールの複数を縦に並べて
用いても良く、また1個のロールだけを用いても良い。
1個のロールを用いる場合は合金溶湯Aはロール面上を
伝わってそのまま貯留槽に供給される。複数のロールを
1個づつ縦に並べても良い。
【0031】図3は本発明のロール式セミソリッド加工
装置の第3の実施形態を示す縦断面説明図である。図2
と同一の部分は同一の符号を付してある。この加工装置
は、急冷器2が、内部に冷却管17を配した溶湯保留器
18からなり、その他は図2に示した加工装置と同じで
ある。溶湯保留器18では、合金溶湯Aは冷却管17に
より冷却されて初晶が生成する。冷却管17表面上に凝
着物が生成すると、溶湯流路が狭まる、凝着物は粗
大樹枝晶となって合金溶湯中に混入して合金溶湯の流動
性を阻害する。このため、冷却管17は、溶湯保留器1
8の側壁を貫通して液密に出入れ自在に配しておき、冷
却管17を出入れして前記凝着物を溶湯保留器18内面
に擦って剥離するのが良い。
【0032】冷却管17が湯面上に露出していると露出
部分に凝着物が生成し、この場合も前記の不具合が
生じるので、冷却管17は合金溶湯B中に埋没させるよ
うにするのが良い。冷却管17は内部に水を流すなどの
方法で容易に冷却される。冷却管17に振動を付与する
と、初晶の生成が促進され、また冷却管17上への凝着
物の生成が低減する。
【0033】図4は本発明のロール式セミソリッド加工
装置の第4の実施形態を示す縦断面説明図である。図3
と同一の部分は同一の符号を付してある。この加工装置
は、貯留槽3に蓋19を被せ、また押出部5に電磁ポン
プ20を配したものである。その他は図3に示したもの
と同じである。この加工装置は、貯留槽3に蓋19を被
せるので、保持炉1から押出部5までを外気から遮断で
きる。従って内部を不活性ガス雰囲気としたり、真空に
することにより合金溶湯の酸化を防止できる。また保持
炉1から押出部5まで合金溶湯を充満させることにより
合金溶湯の供給を静的に行うことができる。電磁ポンプ
20は合金溶湯Cを遠隔操作で押出すので、合金溶湯C
の付着によるトラブルがなく望ましい。
【0034】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明す
る。 (実施例1)図1に示した本発明の加工装置を用いてA
l−6wt%Si合金のスラグを押出し、このスラグを高
圧ダイキャスト機の金型に圧入して鋳造製品を製造し
た。即ち、保持炉1内のAl−6wt%Si合金溶湯(6
30℃±5℃に保持)Aを、定量給湯機(図示せず)に
より最高3リットル/分の速度で静かに急冷器2に供給
して初晶を生成させ、初晶生成後の合金溶湯Bを溶湯貯
留槽3に供給して前記初晶を粒状晶に成長させ、粒状晶
が成長し所定の固相比率になった合金溶湯Cをピストン
10により重量約4kgのスラグ4として間欠的に押出
した。スラグの固相比率は35%とした。スラグ4は高
圧ダイキャスト機の金型に圧入し凝固させて4kgの鋳
造製品を40秒サイクルで製造した。なお、急冷器2に
は、外径350mmの2個の鋼製ロール6、7を7mm
の間隔を開けて水平に並列配置したものを用いた。製造
中、ロール6、7表面には凝着を防ぐため離型剤(窒化
ボロン)をスプレーにより塗布した。
【0035】(実施例2)図2に示した本発明の加工装
置を用いてAl−6wt%Si合金のスラグを押出し、こ
のスラグを高圧ダイキャスト機の金型に圧入し重量約1
0kgの製品を4分サイクルで製造した。スラグの押出
量はスクリューの回転数により制御した。その他は実施
例1と同じようにした。
【0036】(実施例3)図3に示した本発明の加工装
置を用いてAl−6wt%Si合金のスラグを押出し、こ
のスラグを高圧ダイキャスト機の金型に圧入し重量約1
0kgの鋳造製品を4分サイクルで製造した。なお、溶
湯保留器18の冷却管17には、セラミックスをCVD
処理で被覆した鋼製管を用いた。その他は実施例2と同
じようにした。
【0037】(実施例4)図4に示した本発明の加工装
置を用いてMg合金スラグを押出し、このスラグを高圧
ダイキャスト機の金型に圧入し重量約10kgの鋳造製
品を4分サイクルで製造した。Mgは酸化し易いため保
持炉1に蓋(図示せず)を被せ、保持炉1から押出部5
までを密閉状態とし内部に窒素ガスを充満させた。Mg
は流動性が悪いため固相比率は30%と低めにした。そ
の他は実施例3と同じようにした。
【0038】(実施例5)図3に示した本発明の加工装
置を用いてTiを添加したAl−6wt%Si合金スラグ
を押出し、このスラグを高圧ダイキャスト機の金型に圧
入し重量約10kgの鋳造製品を4分サイクルで製造し
た。前記合金の溶湯は流動性が良いため固相比率は55
%と大きくした。冷却管17に振動を付与して初晶の生
成を促進し、また冷却管17を定期的に溶湯保留器18
から出し入れして凝着物の粗大化を防いだ。その他は実
施例3と同じようにした。
【0039】(比較例1)700℃に保持したAl−6
wt%Si合金溶湯を、そのまま高圧ダイキャスト機の金
型に圧入して鋳造製品を製造した。
【0040】(比較例2)Al−6wt%Si合金のセミ
ソリッドビレットを600℃の温度に再加熱して高圧ダ
イキャスト機の金型に圧入して鋳造製品を製造した。
【0041】実施例1〜5、比較例1、2で製造した各
々の鋳造製品を縦に切断して内部品質(空気巻込みまた
は凝固収縮巣の有無)を調査した。結果を表1に示す。
空気巻込みまたは凝固収縮巣などの欠陥が全く認められ
ないものを◎、認められるが実用上問題ないものを○、
多数認められるものを×で表示した。
【0042】
【表1】 (表1の注)実施例=本発明例。*鋳造製品の重量。
【0043】表1より明らかなように、本発明例のNo.1
〜5 は、いずれも、均一微細な粒状晶組織からなる内部
品質に優れるものであった。特に鋳造製品の重量の小さ
いNo.1とTiが添加されて合金溶湯の流動性の良いNo.5
はともに内部品質が極めて優れた。No.4は保持炉から貯
留槽下方の押出部までを密閉し窒素ガスを充満させたた
め、本来鋳造性の悪いMg合金でも内部品質に優れる鋳
造製品が得られた。これに対し、比較例1のNo.6は合金
溶湯を高温から圧入するため粗大な空気巻込みおよび凝
固収縮巣が多数認められた。比較例2のNo.7はセミソリ
ッドビレットを用いたため内部品質は優れるが、高価で
ある。なお、本発明例の鋳造製品について、別途、疲労
試験を行ったが、いずれも優れた疲労特性を示した。こ
れは内部品質に優れるためである。
【0044】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
均一微細な粒状晶組織からなり、空気巻込みや凝固収縮
巣などのない、強度、伸び、疲労特性などに優れる鋳造
製品がセミソリッドビレットを用いずに安価に製造でき
る。依って、工業上顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明加工装置の第1の実施形態を示す縦断面
説明図である。
【図2】本発明加工装置の第2の実施形態を示す縦断面
説明図である。
【図3】本発明加工装置の第3の実施形態を示す縦断面
説明図である。
【図4】本発明加工装置の第4の実施形態を示す縦断面
説明図である。
【符号の説明】
1保持炉 2急冷器 3溶湯貯留槽 4スラグ 5押出部 6、7ロール 8出湯制御棒 9連通口 10ピストン 11シリンダー 12押出部の扉 13ワイパー 14凝着物 15カバー 16スクリュー 17冷却管 18溶湯保留器 19貯留槽の蓋 20電磁ポンプ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液相線温度より僅かに高い所定温度に保
    持した合金溶湯Aを急冷して初晶を生成させる工程、前
    記初晶が生成した合金溶湯Bを徐冷して前記初晶を粒状
    晶に成長させる工程、前記粒状晶が成長して所定の固相
    比率になった合金溶湯Cを金型圧入用セミソリッドとし
    て所定量押出す工程からなることを特徴とするロール式
    セミソリッド加工法。
  2. 【請求項2】 合金溶湯をその液相線温度より僅かに高
    い所定温度に保持する保持炉、前記保持炉内の合金溶湯
    Aを急冷して初晶を生成させる急冷器、前記初晶が生成
    した合金溶湯Bを徐冷して前記初晶を粒状晶に成長させ
    る貯留槽、前記初晶が粒状晶に成長した合金溶湯Cを金
    型圧入用セミソリッドとして間欠的に押出す押出具を主
    要部とすることを特徴とするロール式セミソリッド加工
    装置。
  3. 【請求項3】 前記急冷器が少なくとも1個のロールか
    らなることを特徴とする請求項2記載のロール式セミソ
    リッド加工装置。
  4. 【請求項4】 前記急冷器が所定間隔を開けて水平に並
    列配置された一対のロールからなることを特徴とする請
    求項2または3記載のロール式セミソリッド加工装置。
  5. 【請求項5】 前記一対のロールが、合金溶湯Aが前記
    一対のロールの一方のロール表面に接触したのち、前記
    一対のロール間に供給されるように配置されていること
    を特徴とする請求項4記載のロール式セミソリッド加工
    装置。
  6. 【請求項6】 前記ロール表面が合金溶湯Aとの濡れ性
    の悪い物質で被覆されていることを特徴とする請求項3
    乃至5のいずれかに記載のロール式セミソリッド加工装
    置。
  7. 【請求項7】 前記ロール表面に付着した凝着物を除去
    するためのワイパーが設けられていることを特徴とする
    請求項3乃至6のいずれかに記載のロール式セミソリッ
    ド加工装置。
  8. 【請求項8】 前記ワイパーがステンレスワイヤブラシ
    または硬質合成樹脂繊維ブラシであることを特徴とする
    請求項7記載のロール式セミソリッド加工装置。
  9. 【請求項9】 前記ロール表面の凝着物が貯留槽または
    押出されるセミソリッド上に落下するのを防止するため
    のカバーが設けられていることを特徴とする請求項3乃
    至8のいずれかに記載のロール式セミソリッド加工装
    置。
  10. 【請求項10】 前記急冷器が内部に冷却管を配した溶
    湯保留器であることを特徴とする請求項2記載のロール
    式セミソリッド加工装置。
  11. 【請求項11】 前記冷却管が前記溶湯保留器の側壁を
    貫通して液密に出入自在に配されていることを特徴とす
    る請求項10記載のロール式セミソリッド加工装置。
  12. 【請求項12】 前記冷却管に振動付与機が設けられて
    いることを特徴とする請求項10又は11記載のロール
    式セミソリッド加工装置。
  13. 【請求項13】 前記貯留槽に冷却体または/および発
    熱体が、前記溶湯貯留槽内の合金溶湯に上方から下方に
    向けて低温となる温度勾配がつくように設けられている
    ことを特徴とする請求項2乃至12のいずれかに記載の
    ロール式セミソリッド加工装置。
  14. 【請求項14】 前記押出具がピストン、スクリュー、
    または電磁ポンプであることを特徴とする請求項2乃至
    13のいずれかに記載のロール式セミソリッド加工装
    置。
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