JP2000260721A - 化学的気相成長装置、化学的気相成長方法および化学的気相成長装置のクリーニング方法 - Google Patents

化学的気相成長装置、化学的気相成長方法および化学的気相成長装置のクリーニング方法

Info

Publication number
JP2000260721A
JP2000260721A JP11097218A JP9721899A JP2000260721A JP 2000260721 A JP2000260721 A JP 2000260721A JP 11097218 A JP11097218 A JP 11097218A JP 9721899 A JP9721899 A JP 9721899A JP 2000260721 A JP2000260721 A JP 2000260721A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction chamber
chemical vapor
film
plasma
vapor deposition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11097218A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisayoshi Yamoto
久良 矢元
Hideo Yamanaka
英雄 山中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP11097218A priority Critical patent/JP2000260721A/ja
Publication of JP2000260721A publication Critical patent/JP2000260721A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒CVD装置では、触媒体を発熱させるた
めに大電力が必要となり、エネルギー消費が大きくなっ
ていた。またプラズマCVD装置では、反応ガスのプラ
ズマ化が不十分なため、高品質な成膜が困難となってい
た。 【解決手段】 第1の化学的気相成長装置1は、反応室
11内に備えられた触媒体21に原料ガスを供給して生
成した堆積種を反応室11内の被成膜基板51上に堆積
して成膜を行うものであって、触媒体21は直流電源2
2に接続され、かつ触媒体21と直流電源22の正極と
が接続している間に高周波電源25が接続されているも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学的気相成長装
置、化学的気相成長方法および化学的気相成長装置のク
リーニング方法に関し、詳しくは原料ガスを活性化させ
る触媒体を備えた化学的気相成長装置、触媒により原料
ガスを活性化させて堆積を行う化学的気相成長方法、お
よび化学的気相成長装置の反応室内をドライクリーニン
グする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の化学的気相成長法では、低圧下で
反応ガスに高周波電力を印加し、反応ガスをプラズマ化
して反応温度の低温化を図るプラズマCVD法が知られ
ている。そのプラズマCVD法を実現するプラズマCV
D装置としては、例えば、低圧下で反応の高周波グロー
放電分解によって薄膜を形成する高周波プラズマCVD
装置、対向電極間に高周波電圧を印加し、低圧下で、反
応ガスのプラズマを発生させ、プラズマ分解により薄膜
を形成する容量結合型プラズマCVD装置等が知られて
いる。
【0003】また、シリコンエピタキシー層を形成する
方法としては、700℃〜1200℃かつ13.3kP
a〜101.3kPa程度の高温水素雰囲気で、モノシ
ラン、ジシラン、トリシラン等のシラン系ガスもしくは
四塩化シリコンガスを分解してシリコンを成長させる方
法が知られている。この反応では、エピタキシーに必要
なエネルギーは全て熱エネルギーの形で基板から供給さ
れる。そのため、基板温度は、700℃以上に保つ必要
がある。
【0004】また、800℃〜2000℃未満の範囲で
かつ融点未満の温度に加熱した触媒体により原料ガスを
触媒反応もしくは熱分解反応させて成膜の原料種を生成
し、それを堆積して成膜を行う触媒CVD法による薄膜
の製造方法、および耐熱性堆積室内に抵抗発熱体からな
る触媒体を設け、その触媒体(抵抗発熱体)を発熱させ
る可変抵抗を含む電気回路からなる発熱手段を設けた触
媒CVD法による薄膜の製造装置が、特開昭63−40
314号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記プ
ラズマCVD法およびプラズマCVD装置では、プラズ
マ中に多くの電子と電荷を持った原子の集団および電位
傾配が存在するため、絶縁膜中の界面(例えば絶縁膜と
シリコン)に電荷が蓄積される現象が生じ、半導体素子
の動作不良を招くことがある。また反応ガスのプラズマ
化が不十分で反応分子が原子まで分解せず、活性化した
原子の集団で存在し、さらに基板温度も一般に低い(2
00℃〜400℃)ため、形成される薄膜中に未反応の
原子が不安定な状態で残留し、この原子が半導体素子の
動作不良の原因となることがある。
【0006】また、従来のシリコンエピタキシーでは、
エピタキシーに必要なエネルギーを熱エネルギーの形で
基板から供給する必要があるため、基板を700℃以上
に加熱する必要があった。よって、700℃よりも低い
温度でシリコンエピタキシー層を成長させることは困難
であった。
【0007】また上記触媒CVD法およびその装置で
は、触媒体を発熱させるために数十kW程度の大電力が
必要になるため、エネルギー消費が大きくなっていた。
【0008】さらに、クリーニングガスを反応室内に供
給してクリーニングを行う方法は行われているが、反応
室内を十分にかつ効率的にクリーニングするには至って
いない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされた化学的気相成長装置、化学的気相
成長方法および化学的気相成長装置のクリーニング方法
である。
【0010】第1の化学的気相成長装置は、反応室内に
備えられた触媒体に原料ガスを供給して生成した堆積種
を反応室内の被成膜基板上に堆積して成膜を行うもので
あって、触媒体は直流電源に接続され、その触媒体と直
流電源の正極とが接続している間に高周波電源が接続さ
れているものである。
【0011】上記第1の化学的気相成長装置では、触媒
体と直流電源の正極とが接続している間に高周波電源が
接続されていることから、触媒体は直流電源から供給さ
れる直流電流によって発熱されるとともに高周波電源か
ら供給される高周波電力によって発生する表皮効果(高
周波電流が導体を流れるとき、電流が導体の表面近傍に
集中して流れる現象であり、導線では内部を電流が流れ
ないため、高周波電流が流れる実行断面積が減少して導
線の表面が抵抗加熱されやすくなる現象)によって発熱
される。そのため、効率よく発熱されるので、直流電流
のみによって発熱させる場合よりも消費電力が低減され
る。また、反応ガスを高温の触媒体に接触させることに
よって、通常の熱CVDよりも反応ガスのエネルギーは
さらに高められるので、プラズマ中に多くの電子と電荷
を持った原子の集団および電位傾配が存在しなくなり、
反応ガスのプラズマ化が十分に行われ反応分子が原子に
至るまで分解されるようになる。
【0012】第2の化学的気相成長装置は、反応室内に
備えたれた触媒体に原料ガスを供給して生成した堆積種
を反応室内の被成膜基板上に堆積して成膜を行うもので
あって、反応室に接続したプラズマ発生室と、プラズマ
を発生させるものでプラズマ発生室内に設けた電極と、
電極に接続した高周波電源とを備えたものである。
【0013】上記第2の化学的気相成長装置では、プラ
ズマ発生室が反応室に接続されていることから、反応室
内でプラズマを発生しなくてもよい。そのため、被成膜
基板にプラズマの発生によるダメージが加わりにくくな
る。またプラズマ発生室内に高周波電源を接続した電極
を備えていることから、プラズマ発生室内で効率よくプ
ラズマを発生させることができる。また、プラズマ化し
た反応ガスを高温の触媒に接触させることによって、さ
らにエネルギーを高めることができるので、プラズマ中
に多くの電子と電荷を持った原子の集団および電位傾配
が存在しなくなり、反応ガスのプラズマ化が十分に行わ
れ反応分子が原子に至るまで分解されるようになる。
【0014】第1の化学的気相成長方法は、反応室内に
備えた触媒体に原料ガスを供給して堆積種を生成し、そ
の堆積種を反応室内の被成膜基板上に堆積して膜を形成
する化学的気相成長方法において、触媒体に高周波電力
を供給して成膜を行う。
【0015】上記第1の化学的気相成長方法では、触媒
体に高周波電力を供給して成膜を行うことから、高周波
電流によって発生する表皮効果によって触媒体は効率よ
く発熱される。また、反応ガスを高温の触媒に接触させ
ることによって、さらにエネルギーを高めることができ
るので、プラズマ中に多くの電子と電荷を持った原子の
集団および電位傾配が存在しなくなり、反応ガスのプラ
ズマ化が十分に行われ反応分子が原子に至るまで分解さ
れるようになる。
【0016】第2の化学的気相成長方法は、反応室内に
備えた触媒体に原料ガスを供給して堆積種を生成し、そ
の堆積種を反応室内の被成膜基板上に堆積して膜を形成
する化学的気相成長方法において、反応ガスの少なくと
も一部を反応室の外部でプラズマ化して堆積種を生成
し、その堆積種を反応室内に供給して、反応室内で生成
した堆積種とともに、反応室内の被成膜基板上に堆積し
て膜を形成する。
【0017】上記第2の化学的気相成長方法では、反応
ガスの少なくとも一部を反応室の外部でプラズマ化して
堆積種を生成し、その堆積種を反応室内に供給して、反
応室内で生成した堆積種とともに、反応室内の被成膜基
板上に堆積して膜を形成することから、反応室内でプラ
ズマを発生しなくともすむ。そのため、被成膜基板にプ
ラズマの発生によるダメージが加わりにくくなる。また
プラズマ発生室内に高周波電源を接続した電極を備えて
いることから、プラズマ発生室内で効率よくプラズマを
発生させることができる。また、プラズマ化した反応ガ
スを高温の触媒に接触させることによって、さらにエネ
ルギーを高めることができるので、プラズマ中に多くの
電子と電荷を持った原子の集団および電位傾配が存在し
なくなり、反応ガスのプラズマ化が十分に行われ反応分
子が原子に至るまで分解されるようになる。
【0018】化学的気相成長装置のクリーニング方法
は、化学的気相成長法により膜を形成する反応室の内部
でプラズマ化したクリーニングを発生させる、もしくは
反応室の外部でプラズマ化したクリーニングガスを発生
させて反応室内に供給して、反応室内をクリーニングす
る。
【0019】上記化学的気相成長装置のクリーニング方
法では、化学的気相成長法により膜を形成する反応室内
をプラズマ化したクリーニングガスでクリーニングする
ことから、反応室内が効率的にクリーニングされて、反
応室内のパーティクルが大幅に減少されるので、クリー
ニング後の成膜では被成膜基板に堆積される膜の品質が
高められる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の第1の化学的気相成長装
置に係わる実施の形態を、図1の概略構成断面図によっ
て説明する。
【0021】図1に示すように、第1の化学的気相成長
装置1には反応室11が備えられている。上記反応室1
1には、この反応室11の内部に反応ガス(矢印で示
す)61を導入するためのガス導入部12が設けられて
いる。また反応室11の内部で上記ガス導入部12に対
向する位置には被成膜基板51を保持するステージ13
が設けられている。このステージ13は、例えばアルミ
ニウム製のサセプタ(図示省略)を備え、後述するヒー
タ14によって所定の温度に保持されている。このステ
ージ13の内部には、ステージ13の基板載置面13S
上に載置される被成膜基板51を加熱するためのヒータ
14が設けられている。このヒータ14は電源(図示省
略)に接続されている。また上記ヒータ14の温度を制
御する温度制御装置(図示省略)が設けられていてもよ
い。さらに上記反応室11には反応室内の余分なガスを
排出する排気系(図示省略)が接続されている。なお、
上記反応室11には、図示はしないが、例えばゲートバ
ルブを介してロードロックチャンバが接続されている。
【0022】さらに上記反応室11の内部には、上記ガ
ス導入部12と上記ステージ13との間に、反応ガス6
1を触媒分解もしくは熱分解させる触媒体21が備えら
れている。この触媒体21は、例えばタングステンフィ
ラメントからなり、被成膜基板51の上方を覆う状態
に、すなわち、触媒体21をステージ13の方向に投影
した像が被成膜基板51を十分に覆う状態になる範囲に
形成されている。なお、上記触媒体21には、タングス
テン以外の高融点金属を用いることもできる。
【0023】また上記触媒体21には直流電源22に接
続されている。すなわち、触媒体21の一端側が直流電
源22の正極(+)が接続され、触媒体21の他端側は
アース23に接続されている。さらにこの触媒体21と
上記直流電源22の正極(+)とが接続している間にコ
ンデンサ24を介して高周波電源25が接続されてい
る。この高周波電源25は、例えば40kHz〜30M
Hzの周波数を発振するもので、ここでは13.56M
Hzの周波数を発振するものを用いた。
【0024】上記第1の化学的気相成長装置1では、触
媒体21と直流電源22の正極とが接続している間に高
周波電源25が接続されていることから、触媒体21は
直流電源22から供給される直流電流によって発熱され
るとともに高周波電源25から供給される高周波電流に
より発生する表皮効果によって発熱される。そのため、
効率よく発熱されるので、直流電流のみによって発熱さ
せる場合よりも消費電力が低減される。例えば、従来は
高温触媒に消費される電力が数kW〜数十kWであった
が、高周波電源25を設けることによって、例えば6イ
ンチウエハでは1kW〜数kW程度の消費電力を低減す
ることが可能になった。また、反応ガス61を高温の触
媒体21に接触させることによって、通常の熱CVDよ
りも反応ガス61のエネルギーはさらに高められるの
で、プラズマ中に多くの電子と電荷を持った原子の集団
および電位傾配が存在しなくなり、反応ガスのプラズマ
化が十分に行われ反応分子が原子に至るまで分解される
ようになる。
【0025】次に上記第1の化学的気相成長装置1を用
いて、被成膜基板51上にシリコン膜を形成するシリコ
ン膜の成膜方法の一例を以下に説明する。このシリコン
膜の成膜は、下記の工程1から工程7までを順に行えば
よい。以下、工程1から工程7を説明する。
【0026】工程1:ロードロックチャンバを経由し
て、被成膜基板51を反応室11内のステージ13上に
載置する。このステージ13はヒータ14によって温度
制御(例えば200℃〜600℃の範囲の所定温度にな
るように設定)されている。
【0027】工程2:反応室11内の雰囲気を例えば1
μPa〜2μPa程度まで減圧し、特に反応室11内に
持ち込まれた水分や酸素を排出する。その排出を例えば
5分程度行う。
【0028】工程3:触媒体21(ここではタングステ
ン細線を用いた)の温度を例えば1600℃〜1800
℃程度に上昇させて、所定の温度に保持する。
【0029】工程4:触媒体21を経由して反応室11
内に水素を供給する。水素の流量を例えば150scc
mに設定して、反応室11内の圧力を0.1Pa〜15
Paの範囲の所定圧力に設定する。またステージ13の
温度を200℃〜600℃の範囲の所定温度になるよう
に設定する。そして、上記流量、圧力、各温度等が安定
になるように制御する。
【0030】このように触媒体21を経由することによ
り活性化された水素を被成膜基板51上に供給すること
によって、被成膜基板51上に形成されている自然酸化
膜を水素の還元作用により除去することが可能になる。
【0031】工程5:モノシランを触媒体21を経由し
て反応室11内の被成膜基板51上に供給する。このよ
うに反応室11内にモノシランを供給することによっ
て、被成膜基板51の表面にシリコン膜の成膜を行っ
た。
【0032】工程6:シリコンの成長終了後、触媒体2
1の温度を下げて、反応室11内の圧力を例えば1μP
a〜2μPa程度まで減圧して、反応室11内のモノシ
ラン、水素を排出する。このガス排出は例えば5分間行
う。
【0033】工程7:その後、被成膜基板51をロード
ロックチャンバを経由して大気圧雰囲気の外部に取り出
せばよい。
【0034】このように工程1〜工程7を行うことによ
って、被成膜基板51上にシリコン膜が成膜された。
【0035】なお、上記シリコン膜を単結晶シリコンで
形成する場合には、被成膜基板51の表面側に結晶成長
のシード、例えば段差もしくはシリコンとの格子整合性
を有するような物質からなるシード層(例えばサファイ
ア層もしくはスピネル層)を形成しておく必要がある。
その結晶成長のシードを起点にシリコンが結晶成長し
て、被成膜基板51の表面側にシリコン膜が形成され
る。このシリコン膜は、単結晶シリコンからなる。な
お、ここでは、転位、亜結晶等を有するシリコンも含め
て単結晶シリコンという。
【0036】次に、上記触媒体21の構成例を図2〜図
8によって、以下に説明する。
【0037】図2に示すように、触媒体21(211)
は、ステージ13の基板載置面13S(前記図1参照)
と平行な面内で触媒体となる複数のフィラメント26を
並列に接続して配設したのものであり、各フィラメント
26は例えば石英製の枠体27に固定されている。
【0038】次に図3に示すように、触媒体21(21
2)は、前記図2に示したステージ13の基板載置面1
3S(前記図1参照)と平行な面内で触媒体となる複数
のフィラメント26を並列に接続して構成され、かつ各
フィラメント26へ電力を供給をする配線28には、そ
れ自体の抵抗を低減するために、通常よりも太い導線を
用いたものである。
【0039】図4に示すように、触媒体21(213)
は、ステージ13の基板載置面13S(前記図1参照)
と平行な面内で触媒体となるフィラメント26を円状に
配設したものである。
【0040】図5に示すように、触媒体21(214)
は、ステージ13の基板載置面13S(前記図1参照)
と平行な面内で触媒体となるフィラメント26を折れ線
状に配設したものである。図面では、簡略的にフィラメ
ント26を線状に描いているが、フィラメント26はコ
イル状に形成されているものであってもよい。
【0041】図6に示すように、触媒体21(215)
は、ステージ13の基板載置面13S(前記図1参照)
と平行な面内で触媒体となるフィラメント26をうず巻
き状に配設したものである。図面では、簡略的にフィラ
メント26を線状に描いているが、フィラメント26は
コイル状に形成されているものであってもよい。
【0042】図7に示すように、触媒体21(216)
は、ステージ13の基板載置面13S(前記図1参照)
と平行な面内で触媒体となるフィラメント26を同心円
状に配設したものである。図面では、簡略的にフィラメ
ント26を線状に描いているが、フィラメント26はコ
イル状に形成されているものであってもよい。
【0043】図8に示すように、触媒体21(217)
は、ステージ13の基板載置面13S(前記図1参照)
と平行な面内で触媒体となるフィラメント26を格子状
に配設したものである。図面では、簡略的にフィラメン
ト26を線状に描いているが、フィラメント26はコイ
ル状に形成されているものであってもよい。
【0044】上記各触媒体21の形状は一例であって、
上記以外の形状であってもよい。また、図示したフィラ
メント26は、コイル状に形成されたものであるが、線
状に形成されあものであってもよい。
【0045】次に、複数の高周波電源を設けた一例を、
図9の概略構成図によって説明する。
【0046】図9に示すように、触媒体21は、格子状
に形成されている。例えば、触媒体21を構成する第1
の触媒体21aは折れ線状にかつその主要部が図面のx
方向にそうように設けられ、第2の触媒体21bは折れ
線状にかつその主要部が図面のy方向にそうように設け
られている。そして第1の触媒体21aには第1の直流
電源22aが接続されていて、第2の触媒体21bには
第2の直流電源22bが接続されている。すなわち、触
媒体21には第1,第2の直流電源22a,22bから
なる複数の直流電源が接続されていることになる。ま
た、第1の直流電源22aの正極と触媒体21aとの間
には、第1のコンデンサ24aを介して第1の高周波電
源25aが接続され、第2の直流電源22bの正極と触
媒体21bとの間には、第2のコンデンサ24bを介し
て第2の高周波電源25bとが接続されている。
【0047】このように、触媒体21に対して複数の高
周波電源25a,25bを設けることにより、表紙効果
により効率よく格子状の触媒体21を発熱させることが
できる。
【0048】また、図示はしないが、一つの触媒体に対
して複数の高周波電源を接続することにより、触媒体に
供給する電力量を多くして、触媒体の発熱量を多くする
ことも可能である。同様に、一つの触媒体に対して複数
の直流電源を接続することにより、触媒体に供給する電
力量を多くして、触媒体の発熱量を多くすることも可能
である。
【0049】本発明の第2の化学的気相成長装置に係わ
る実施の形態を、図10の概略構成断面図によって説明
する。前記図1によって説明した構成部品と同様のもの
には同一符号を付与する。
【0050】図10に示すように、第2の化学的気相成
長装置2には反応室11が備えられている。上記反応室
11には、この反応室11の内部に反応ガス(矢印で示
す)61を導入するためのガス導入部12が設けられて
いる。また反応室11の内部で上記ガス導入部12に対
向する位置には被成膜基板51を保持するステージ13
が設けられている。このステージ13は、例えばアルミ
ニウム製のサセプタ(図示省略)を備え、後述するヒー
タ14によって所定の温度に保持されている。このステ
ージ13の内部には、ステージ13の基板載置面13S
上に載置される被成膜基板51を加熱するためのヒータ
14が設けられている。このヒータ14は電源(図示省
略)に接続されている。また温度制御装置(図示省略)
が設けられていてもよい。さらに上記反応室11には反
応室内の余分なガスを排出する排気系(図示省略)が接
続されている。なお、上記反応室11には、図示はしな
いが、例えばゲートバルブを介してロードロックチャン
バが接続されている。
【0051】さらに上記反応室11の内部で、上記ガス
導入部12と上記ステージ13との間には、反応ガス6
1を触媒分解もしくは熱分解させる触媒体21が備えら
れている。この触媒体21は、例えばタングステンフィ
ラメントからなり、被成膜基板51の上方を覆う状態
に、すなわち、触媒体21をステージ13の方向に投影
した像が被成膜基板51を十分に覆う状態になる範囲に
形成されている。なお、上記触媒体21には、タングス
テン以外の高融点金属を用いることもできる。
【0052】また上記触媒体21には直流電源22に接
続されている。すなわち、触媒体21の一端側が直流電
源22の正極(+)が接続され、触媒体21の他端側は
アース23に接続されている。
【0053】さらに上記反応室11にはプラズマ発生室
31が配管32を介して接続されている。このプラズマ
発生室31の内部には、対向する上部電極33と下部電
極34とが設置され、一方の電極、例えば上部電極33
には高周波電源35が接続され、他方の電極、例えば下
部電極34はアース36に接続されている。さらに上記
配管32の反対側の上記プラズマ発生室31には、その
プラズマ発生室31内でプラズマ化される反応ガスを導
入するガス導入部37が接続されている。
【0054】また、上記化学的気相成長装置2におい
て、前記図1によって説明した化学的気相成長装置1と
同様に、触媒体21に高周波電源を接続してもよい。
【0055】なお、この化学的気相成長装置2において
も、前記図2〜図9によって説明したような、種々の触
媒体の構成を用いることが可能である。
【0056】上記第2の化学的気相成長装置2では、プ
ラズマ発生室31が反応室11に接続されていることか
ら、反応室11内でプラズマを発生しなくてもよい。そ
のため、被成膜基板51にプラズマの発生によるダメー
ジが加わりにくくなる。またプラズマ発生室31内に高
周波電源35を接続した上部,下部電極33,34を備
えていることから、プラズマ発生室31内で効率よくプ
ラズマを発生させることができる。また、プラズマ化し
た反応ガスを高温の触媒に接触させることによって、さ
らにエネルギーを高めることができるので、プラズマ中
に多くの電子と電荷を持った原子の集団および電位傾配
が存在しなくなり、反応ガスのプラズマ化が十分に行わ
れ反応分子が原子に至るまで分解されるようになる。
【0057】次に上記化学的気相成長装置2を用いて、
被成膜基板上に酸化シリコン膜を形成する酸化シリコン
膜の成膜方法の一例を以下に説明する。この酸化シリコ
ン膜の成膜は、下記の工程1から工程9までを順に行え
ばよい。以下、工程1から工程9を説明する。
【0058】工程1:ロードロックチャンバを経由し
て、被成膜基板51を反応室11内のステージ13上に
載置する。このステージ13はヒータ14によって温度
制御(例えば200℃〜600℃の範囲の所定温度にな
るように設定)されている。一例として、ここでは、2
00℃になるようにステージ13をヒータ14によって
加熱した。
【0059】工程2:反応室11内の雰囲気を例えば1
μPa〜2μPa程度まで減圧し、特に反応室11内に
持ち込まれた水分や酸素を排出する。その排出を例えば
5分程度行った。
【0060】工程3:触媒体21(ここではタングステ
ン細線を用いた)の温度を例えば1600℃〜1800
℃程度に上昇させて、所定の温度に保持する。ここで
は、一例として、1700℃に設定した。
【0061】工程4:触媒体21を経由して反応室11
内に水素を供給する。水素の流量を例えば150scc
mに設定して、反応室11内の圧力を1Pa〜15Pa
の範囲の所定圧力に設定する。ここでは、一例として、
10Paに設定した。
【0062】工程5:反応室11の外部に設置したプラ
ズマ発生室31に酸素を供給する。一例として、酸素の
流量を20sccmに設定した。またプラズマ発生室3
1内の圧力を1Pa〜150Pa程度に設定する。また
ステージ13の温度が例えば200℃になるように設定
した。そして、上記各流量、圧力、触媒体の温度、ステ
ージの温度等が安定になるように制御した。
【0063】工程6:高周波電源35より上部電極33
に酸素プラズマ発生電力を印加する。例えば、1kWの
酸素プラズマ発生電力を印加した。
【0064】工程7:モノシランを触媒体21を経由し
て反応室11内の被成膜基板51上に供給する。一例と
して、モノシランの流量を例えば15sccmに設定し
た。そのときの成膜速度は50nm/分程度となるの
で、反応室11内にモノシランを2分間供給することに
よって、被成膜基板51の表面に100nmの厚さの酸
化シリコン膜が成膜された。
【0065】工程8:酸化シリコンの成長終了後、触媒
体21の温度を下げて、反応室11内の圧力を1μPa
〜2μPa程度まで減圧する。それによって、反応室1
1内のモノシラン、酸素、水素が排出された。この減圧
によるガス排出は例えば5分間行った。
【0066】工程9:その後、被成膜基板51をロード
ロックチャンバを経由して大気圧雰囲気の外部に取り出
す。
【0067】上記のように工程1〜工程9を行うことに
よって、被成膜基板51上に高品質な酸化シリコン膜が
成膜された。
【0068】次に、本発明の第1の化学的気相成長方法
に係わる実施の形態を、前記図1によって以下に説明す
る。
【0069】第1の化学的気相成長方法は、高周波電源
25より高周波電力を触媒体21に供給するとともに、
その触媒体21には直流電源22より直流電流を印加す
る。その結果、直流電流による抵抗発熱とともに高周波
電流による触媒体21の表皮効果によって、触媒体21
は高温に効率良く発熱する。続いて反応室11内に触媒
体21を通すようにして反応ガスを供給する。反応ガス
は高温(例えば800℃〜2000℃、好ましくは16
00℃〜1800℃)に発熱している触媒体21を通る
ことによって、熱分解反応もしくは触媒反応を起こし、
プラズマ化して堆積種を生成する。その堆積種が例えば
200℃〜600℃に加熱されたステージ13上の被成
膜基板51上に堆積することによって膜を形成する。
【0070】この第1の化学的気相成長方法により、例
えばシリコン膜を成膜するには、前記説明したシリコン
膜の成膜方法に示した工程1〜工程7を行えばよい。
【0071】次に、上記第1の化学的気相成長方法によ
るシリコン膜(シリコンエピタキシー層)の成膜例を以
下に説明する。
【0072】試料1は、被成膜基板51に結晶方位(1
11)3°off.のシリコンベアウエハ(φ5インチ)を
用い、表1に示す成膜条件でシリコン膜を形成したもの
である。このシリコンベアウエハの表面には1.8nm
の厚さに自然酸化膜が形成されていた。
【0073】
【表1】
【0074】試料2は、被成膜基板51に結晶方位(1
11)3°off.のシリコンベアウエハ(φ5インチ)を
用い、表2に示す成膜条件でシリコン膜を形成したもの
である。このシリコンベアウエハの表面には1.8nm
の厚さに自然酸化膜が形成されていた。
【0075】
【表2】
【0076】試料3は、被成膜基板51に結晶方位(1
11)3°off.のシリコンベアウエハ(φ5インチ)を
用い、表3に示す成膜条件でシリコン膜を形成したもの
である。このシリコンベアウエハの表面には1.8nm
の厚さに自然酸化膜が形成されていた。
【0077】
【表3】
【0078】試料4は、被成膜基板51に結晶方位(1
00)のシリコンベアウエハ(φ5インチ)を用い、表
4に示す条件で触媒活性水素処理を行った後、表4に示
す成膜条件でシリコン膜を形成したものである。なお、
このシリコンベアウエハの表面には自然酸化膜が形成さ
れていたが、シリコン膜を成膜する前に上記触媒活性水
素処理により自然酸化膜は除去されている。
【0079】
【表4】
【0080】試料5は、被成膜基板51に結晶方位(1
102)のサファイアウエハ(φ4インチ)を用い、表
5に示す条件で触媒活性水素処理を行った後、表5に示
す成膜条件でシリコン膜を形成したものである。
【0081】
【表5】
【0082】上記試料1、2、3のシリコン膜は、その
断面をTEM(透過形電子顕微鏡)を用いて観察した結
果、シリコンベアウエハの結晶方位と同様な結晶方位
(111)3°off.に配位しているものとなっていた。
また成膜表面に自然酸化膜が形成されているが、この自
然酸化膜が形成されていない部分より結晶成長が行われ
ていることが認められた。
【0083】上記試料4のシリコン膜は、目視において
その表面にうっすらと曇りはあるが、一般のエピ基板と
同等程度に綺麗な表面状態であった。またシリコン膜の
断面をTEM(透過形電子顕微鏡)を用いて観察した結
果、このシリコン膜はシリコンベアウエハの結晶方位と
同様な結晶方位(111)3°off.に配位しているもの
となっていた。またシリコンベアウエハの表面には自然
酸化膜が形成されていたが、触媒活性水素処理によっ
て、その自然酸化膜は除去されていることが確認され
た。
【0084】なお、反応ガス中に酸素や水分が混入した
場合には、酸素が結晶粒界付近に析出して、欠陥が発生
することがあった。
【0085】上記試料5のシリコン膜は、市販のSOI
(Silicon on Insulator)基板と同等程度に非常に綺麗
な表面状態であった。
【0086】上記第1の化学的気相成長方法では、触媒
体21に高周波電力を供給して成膜を行うことから、高
周波電流によって発生する表皮効果によって触媒体21
は効率よく発熱される。また、反応ガスを表皮効果等に
よって高温に発熱している触媒体21に接触させること
から、反応ガスのエネルギーを高めることができるの
で、プラズマ中に多くの電子と電荷を持った原子の集団
および電位傾配が存在しなくなり、反応ガスのプラズマ
化が十分に行われ反応分子が原子に至るまで分解される
ようになる。そのため、良質な成膜が行える。
【0087】また、反応ガスを高温の触媒体21に接触
させるので、反応ガスは活性化し、高エネルギーを持つ
シリコン原子(または分子)または水素原子(または分
子)、場合によってはこれらの集団(クラスタ)を形成
する。そして、上記高エネルギーを持った原子または分
子またはクラスタを基板に衝突させることによって、特
にシリコン原子が基板結晶方位に沿って整列するために
必要なエネルギーを供給支援するため、基板の温度が2
00℃〜600℃程度であっても、シリコンエピタキシ
ー層を形成することが可能になる。したがって、格子定
数がシリコン結晶とほとんど同等なサファイア基板上も
しくはスピネル基板上にシリコンエピタキシー層を、2
00℃〜600℃程度の基板温度で形成することが可能
になる。また、段差を設けた基板上に、その段差を結晶
成長のシードにして、シリコンのグラフォエピタキシー
層を形成することが可能になる。
【0088】さらに、シリコン膜の成膜前に触媒体21
を経由することにより活性化された水素の原子または分
子またはクラスタを被成膜基板51に衝突させることに
よって、被成膜基板51の表面に形成されている自然酸
化膜(例えば厚さが数nm程度の自然酸化膜)を、20
0℃〜600℃程度の低温で、水素の還元作用により除
去することが可能である。なお、その除去速度は、例え
ば基板温度が200℃のとき、0.075nm/分〜
0.1nm/分程度であった。
【0089】次に、本発明の第2の化学的気相成長方法
に係わる実施の形態を、前記図10によって説明する。
【0090】第2の化学的気相成長方法は、前記図10
によって説明した第2の化学的気相成長装置2を用いて
シリコン膜を成膜する方法である。
【0091】まず、直流電源22より直流電流を触媒体
21に印加して、直流電流による抵抗発熱によって触媒
体21を高温に発熱させる。続いて反応室11内に、触
媒体21を通すようにして反応ガスを供給する。反応ガ
スは高温(例えば800℃〜2000℃、好ましくは1
600℃〜1800℃)に発熱している触媒体21を通
ることによって、熱分解反応もしくは触媒反応を起こし
てプラズマ化して堆積種を生成する。それとともに、反
応ガスの少なくとも一部を反応室11の外部に接続して
設けたプラズマ発生室31内に供給し、そのプラズマ発
生室31内に設けた上部電極33に高周波電源35より
高周波電力を供給して、上部電極33と下部電極34と
の間において反応ガスをプラズマ化して堆積種を生成す
る。そして、その堆積種を反応室11内に供給して、上
記反応室11内で生成した堆積種とともに、例えば20
0℃〜600℃に加熱されたステージ13上の被成膜基
板51上に堆積することによって膜を形成する。
【0092】なお、上記第2の化学的気相成長方法にお
いても、前記第1の化学的気相成長方法と同様に触媒体
に高周波電力を供給してもよい。
【0093】この第2の化学的気相成長方法により、例
えば酸化シリコン膜を成膜するには、前記説明した酸化
シリコン膜の成膜方法に示した工程1〜工程9を行えば
よい。
【0094】上記第2の化学的気相成長方法では、反応
ガスの少なくとも一部を反応室11の外部に設けたプラ
ズマ発生室33内でプラズマ化して堆積種を生成し、そ
の堆積種を反応室11内に供給して、反応室11内で生
成した堆積種とともに、反応室11内の被成膜基板51
上に堆積して膜を形成することから、反応室11内でプ
ラズマを発生しなくともすむ。そのため、被成膜基板5
1にプラズマの発生によるダメージが加わりにくくなる
ので、良質な成膜が行える。またプラズマ発生室31内
に高周波電源35を接続した上部電極33を備えている
ことから、プラズマ発生室31内で効率よくプラズマを
発生させることができる。また、プラズマ化した反応ガ
スを高温の触媒体(図示省略)に接触させさた場合に
は、さらに反応ガスのエネルギーを高めることができる
ので、プラズマ中に多くの電子と電荷を持った原子の集
団および電位傾配が存在しなくなり、反応ガスのプラズ
マ化が十分に行われ反応分子が原子に至るまで分解され
るようになる。
【0095】また、反応ガスを高温の触媒体21に接触
させるので、反応ガスは活性化し、高エネルギーを持つ
シリコン原子(または分子)または水素原子(または分
子)または酸素原子(または分子)、場合によってはこ
れらの集団(クラスタ)を形成する。そして、上記高エ
ネルギーを持った原子または分子またはクラスタを基板
に衝突させることによって、堆積に必要なエネルギーを
供給支援するため、基板の温度が200℃〜600℃程
度であっても、良質な酸化シリコン膜を形成することが
可能になる。
【0096】次に、本発明の化学的気相成長装置のクリ
ーニング方法に係わる第1の実施の形態を以下に説明す
る。
【0097】化学的気相成長装置のクリーニング方法
は、化学的気相成長法により膜を形成する反応室内をプ
ラズマ化したクリーニングガスによりクリーニングする
ことであって、上記プラズマ化したクリーニングガス
は、反応室内で生成する。もしくは反応室の外部で生成
する。
【0098】例えば、前記図1に示した化学的気相成長
装置1の場合には、反応室11内の脱ガスを行った後、
三フッ化窒素(NF3 )を触媒体21を通して反応室1
1内に供給し、三フッ化窒素プラズマを生成して、反応
室11内をクリーニングする。このように、容易に反応
室11内のクリーニングを行うことができる。
【0099】また、例えば図10に示した化学的気相成
長装置2に場合には、反応室11内の脱ガスを行った
後、プラズマ発生室31内にドライクリーニング用の反
応ガスである三フッ化窒素を供給し、それに高周波電力
を印加してプラズマ化し、その三フッ化窒素のプラズマ
を反応室11に供給することにより反応室11の内部を
ドライクリーニングする。このように、容易にかつ効率
的にクリーニングガスをプラズマ化して、反応室11内
のクリーニングを行うことができる。
【0100】具体的には、前記説明した酸化シリコン膜
の成膜方法に示した工程1〜工程9のうちの工程5にお
いて、外部に設置したプラズマ発生室31に三フッ化窒
素を供給する。例えば三フッ化窒素の流量を15scc
mに設定して、プラズマ発生室31内の圧力を1Pa〜
150Pa程度に設定する。またステージ13の温度
は、例えば200℃〜600℃、ここでは一例として、
200℃に設定する。このとき、モノシラン、水素の供
給は停止しておく。そして、上記流量、圧力、温度等が
安定になるように制御する。
【0101】次いで、工程6において、三フッ化窒素に
例えば1kWのプラズマ発生電力を高周波電源35より
上部電極33を介して印加する。その結果、三フッ化窒
素はプラズマ化され、反応室11内に供給される。それ
によって、反応室11内はドライクリーニングされる。
このようなドライクリーニングは、成膜装置の場合、膜
質を維持するため、特にパーティクル密度を少なく制御
するために、必ず行う必要がある。
【0102】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の第1の化
学的気相成長装置によれば、触媒体と直流電源の正極と
が接続している間に高周波電源が接続されているので、
触媒体は直流電源から供給される直流電流によって発熱
されるとともに高周波電源から供給される高周波電力に
よって発生する表皮効果によって効率よく発熱させるこ
とができる。そのため、直流電流のみによって発熱させ
る場合よりも消費電力を低減することができ、省エネル
ギー化が図れる。また、反応ガスを高温の触媒体に接触
させるので、通常の熱CVDよりも反応ガスのエネルギ
ーをさらに高めることができ、反応ガスのプラズマ化が
十分に行われるので、低温で高品質な成膜を行うことが
できる。
【0103】本発明の第2の化学的気相成長装置によれ
ば、プラズマ発生室が反応室に接続されているので、プ
ラズマ発生室でプラズマを発生させることができ、被成
膜基板にはプラズマの発生によるダメージが生じ難くな
る。また、反応室内には高温に発熱できる触媒体を備え
ているので、プラズマ化した反応ガスを高温の触媒体に
接触させて、反応ガスのエネルギーをさらに高めること
ができるので、反応ガスのプラズマ化を十分に行うこと
ができる。よって、低温で高品質な成膜を行うことがで
きる。
【0104】本発明の第1の化学的気相成長方法によれ
ば、触媒体に高周波電力を供給して成膜を行うので、高
周波電流によって発生する表皮効果によって触媒体は効
率よく発熱する。また、反応ガスを高温の触媒体に接触
させるので、反応ガスのエネルギーをさらに高めること
ができ、反応ガスのプラズマ化を十分に行うことができ
る。よって、低温で高品質な成膜を行うことが可能にな
る。
【0105】本発明の第2の化学的気相成長方法によれ
ば、反応ガスの少なくとも一部を反応室の外部でプラズ
マ化して堆積種を生成し、その堆積種を反応室内に供給
して、反応室内で生成した堆積種とともに、反応室内の
被成膜基板上に堆積して膜を形成するので、被成膜基板
にはプラズマの発生によるダメージが加わりにくくな
る。また、プラズマ化した反応ガスを高温の触媒体に接
触させるので、反応ガスのエネルギーをさらに高めるこ
とができ、反応ガスのプラズマ化を十分に行うことがで
きる。よって、低温で高品質な成膜を行うことが可能に
なる。
【0106】本発明の化学的気相成長装置のクリーニン
グ方法によれば、化学的気相成長法により膜を形成する
反応室内をプラズマ化したクリーニングガスでクリーニ
ングするので、反応室内のパーティクルを大幅に減少す
ることができる。その結果、被成膜基板に堆積される膜
の品質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の化学的気相成長装置に係わる実
施の形態を示す概略構成断面図である。
【図2】触媒体の構成例の説明図である。
【図3】触媒体の構成例の説明図である。
【図4】触媒体の構成例の説明図である。
【図5】触媒体の構成例の説明図である。
【図6】触媒体の構成例の説明図である。
【図7】触媒体の構成例の説明図である。
【図8】触媒体の構成例の説明図である。
【図9】複数の高周波電源を設けた触媒体の構成例の説
明図である。
【図10】本発明の第2の化学的気相成長装置に係わる
実施の形態を示す概略構成断面図である。
【符号の説明】
1…第1の化学的気相成長装置、11…反応室、21…
触媒体、22…直流電源、25…高周波電源、51…被
成膜基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K030 AA06 AA17 BA29 CA05 DA06 FA03 KA30 KA49 5F045 AB02 AB32 AC11 AD06 AD07 AD08 AD09 AE13 AE15 AE17 AE19 DA61 DP03 EB02 EB03 EB06 EB08 EH18

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応室内に備えられた触媒体に原料ガス
    を供給して生成した堆積種を前記反応室内の被成膜基板
    上に堆積して成膜を行う化学的気相成長装置において、 前記触媒体は直流電源に接続され、 前記触媒体と前記直流電源の正極とが接続している間に
    高周波電源が接続されていることを特徴とする化学的気
    相成長装置。
  2. 【請求項2】 前記直流電源は複数設けられ、 前記複数設けられた直流電源の各正極と前記触媒体との
    間のそれぞれに、高周波電源が接続されていることを特
    徴とする請求項1記載の化学的気相成長装置。
  3. 【請求項3】 反応室内に備えられた触媒体に原料ガス
    を供給して生成した堆積種を前記反応室内の被成膜基板
    上に堆積して成膜を行う化学的気相成長装置において、 前記反応室に接続したプラズマ発生室と、 プラズマを発生させるもので前記プラズマ発生室内に設
    けた電極と、 前記電極に接続した高周波電源とを備えたことを特徴と
    する化学的気相成長装置。
  4. 【請求項4】 反応室内に備えた触媒体に原料ガスを供
    給して堆積種を生成し、前記堆積種を前記反応室内の被
    成膜基板上に堆積して膜を形成する化学的気相成長方法
    において、 前記触媒体に高周波電力を供給することを特徴とする化
    学的気相成長方法。
  5. 【請求項5】 反応室内に備えた触媒体に原料ガスを供
    給して堆積種を生成し、前記堆積種を前記反応室内の被
    成膜基板上に堆積して膜を形成する化学的気相成長方法
    において、 前記反応ガスの少なくとも一部を前記反応室の外部でプ
    ラズマ化して堆積種を生成し、該堆積種を前記反応室内
    に供給して、前記反応室内で生成した堆積種とともに、
    前記反応室内の被成膜基板上に堆積して膜を形成するこ
    とを特徴とする化学的気相成長方法。
  6. 【請求項6】 化学的気相成長法により膜を形成する反
    応室内をプラズマ化したクリーニングガスによりクリー
    ニングすることを特徴とする化学的気相成長装置のクリ
    ーニング方法。
  7. 【請求項7】 前記プラズマ化したクリーニングガス
    は、化学的気相成長法により膜を形成する反応室内で生
    成されることを特徴とする請求項6記載の化学的気相成
    長装置のクリーニング方法。
  8. 【請求項8】 前記プラズマ化したクリーニングガス
    は、化学的気相成長法により膜を形成する反応室の外部
    で生成されることを特徴とする請求項6記載の化学的気
    相成長装置のクリーニング方法。
JP11097218A 1999-01-08 1999-04-05 化学的気相成長装置、化学的気相成長方法および化学的気相成長装置のクリーニング方法 Pending JP2000260721A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11097218A JP2000260721A (ja) 1999-01-08 1999-04-05 化学的気相成長装置、化学的気相成長方法および化学的気相成長装置のクリーニング方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-2411 1999-01-08
JP241199 1999-01-08
JP11097218A JP2000260721A (ja) 1999-01-08 1999-04-05 化学的気相成長装置、化学的気相成長方法および化学的気相成長装置のクリーニング方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000260721A true JP2000260721A (ja) 2000-09-22

Family

ID=26335768

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11097218A Pending JP2000260721A (ja) 1999-01-08 1999-04-05 化学的気相成長装置、化学的気相成長方法および化学的気相成長装置のクリーニング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000260721A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002058125A1 (fr) * 2001-01-22 2002-07-25 Tokyo Electron Limited Dispositif et procede de traitement au plasma
JP2002299238A (ja) * 2001-04-04 2002-10-11 Sony Corp 多結晶性半導体薄膜の形成方法、及び半導体装置の製造方法
JP2002299264A (ja) * 2001-04-04 2002-10-11 Sony Corp 多結晶性半導体薄膜の形成方法、及び半導体装置の製造方法
JP2004533118A (ja) * 2001-05-30 2004-10-28 エーエスエム アメリカ インコーポレイテッド 低温搬入出およびベーク
JP2007150135A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Ulvac Japan Ltd 触媒線化学気相成長装置、この装置を用いた化学気相成長方法及びこの装置のセルフクリーニング方法
WO2007132887A1 (ja) * 2006-05-16 2007-11-22 Tokyo Electron Limited 成膜方法及び成膜装置
JP2009044190A (ja) * 2008-11-07 2009-02-26 Canon Anelva Corp 付着膜のエッチング法
JP2009111397A (ja) * 2008-11-04 2009-05-21 Canon Anelva Corp 付着膜のエッチング法
US7581550B2 (en) 2004-02-02 2009-09-01 Samsung Electronics Co., Ltd. Method of cleaning reaction chamber using substrate having catalyst layer thereon
KR100915252B1 (ko) * 2000-09-08 2009-09-03 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 샤워 헤드 구조체 및 그의 의한 성막 방법과, 가스 처리 장치
JP5687396B1 (ja) * 2014-03-31 2015-03-18 Sppテクノロジーズ株式会社 プラズマ処理装置

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100915252B1 (ko) * 2000-09-08 2009-09-03 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 샤워 헤드 구조체 및 그의 의한 성막 방법과, 가스 처리 장치
WO2002058125A1 (fr) * 2001-01-22 2002-07-25 Tokyo Electron Limited Dispositif et procede de traitement au plasma
US8394231B2 (en) 2001-01-22 2013-03-12 Tokyo Electron Limited Plasma process device and plasma process method
JP2002299238A (ja) * 2001-04-04 2002-10-11 Sony Corp 多結晶性半導体薄膜の形成方法、及び半導体装置の製造方法
JP2002299264A (ja) * 2001-04-04 2002-10-11 Sony Corp 多結晶性半導体薄膜の形成方法、及び半導体装置の製造方法
JP4644964B2 (ja) * 2001-04-04 2011-03-09 ソニー株式会社 多結晶性半導体薄膜の形成方法、及び半導体装置の製造方法
JP2004533118A (ja) * 2001-05-30 2004-10-28 エーエスエム アメリカ インコーポレイテッド 低温搬入出およびベーク
US7581550B2 (en) 2004-02-02 2009-09-01 Samsung Electronics Co., Ltd. Method of cleaning reaction chamber using substrate having catalyst layer thereon
JP2007150135A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Ulvac Japan Ltd 触媒線化学気相成長装置、この装置を用いた化学気相成長方法及びこの装置のセルフクリーニング方法
WO2007132887A1 (ja) * 2006-05-16 2007-11-22 Tokyo Electron Limited 成膜方法及び成膜装置
KR101130897B1 (ko) * 2006-05-16 2012-03-28 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 성막 방법 및 성막 장치
JP2009111397A (ja) * 2008-11-04 2009-05-21 Canon Anelva Corp 付着膜のエッチング法
JP2009044190A (ja) * 2008-11-07 2009-02-26 Canon Anelva Corp 付着膜のエッチング法
JP5687396B1 (ja) * 2014-03-31 2015-03-18 Sppテクノロジーズ株式会社 プラズマ処理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2000044033A1 (fr) Procede et appareil de depot de film
JPH09148322A (ja) シリコン酸化膜の成膜方法及びプラズマcvd成膜装置
US7521341B2 (en) Method of direct deposition of polycrystalline silicon
JP2000260721A (ja) 化学的気相成長装置、化学的気相成長方法および化学的気相成長装置のクリーニング方法
JP2000223421A (ja) 成膜方法及びその装置
CN103572248B (zh) 金刚石制造方法和dc等离子体增强cvd装置
JPH1154441A (ja) 触媒化学蒸着装置
JP4963584B2 (ja) プラズマcvd装置及びプラズマcvd方法
TWI709658B (zh) 氧化石墨烯沉積源及利用其的氧化石墨烯薄膜形成方法
JP3194256B2 (ja) 膜成長方法と膜成長装置
JP4907017B2 (ja) カーボンナノチューブ膜体の製造方法
JP2004149857A (ja) Cat−PECVD装置およびそれを用いた膜処理システム
JPH05213695A (ja) ダイヤモンド薄膜の堆積方法
JP3194547B2 (ja) 多結晶シリコン層の製造方法
JP3301152B2 (ja) プラズマ処理装置
JP3615919B2 (ja) プラズマcvd装置
JP3259452B2 (ja) プラズマcvd装置に用いる電極及びプラズマcvd装置
JP2001210594A (ja) 薄膜堆積装置および薄膜堆積方法
JP3486292B2 (ja) 金属メッシュヒータのクリーニング方法
JP4282047B2 (ja) プラズマ処理装置および半導体装置の製造方法
JPH118238A (ja) 初期パーティクルの発生を抑制した酸化シリコン薄膜の形成方法
JPH0831749A (ja) 多結晶半導体薄膜の形成方法およびそれを用いた薄膜トランジスタの形成方法
JPH0249386B2 (ja) Purazumacvdsochi
JP2636856B2 (ja) ダイヤモンド薄膜の製造方法
JP2004043847A (ja) 薄膜形成方法と装置