JP2000260470A - ポリマー電解質電池 - Google Patents

ポリマー電解質電池

Info

Publication number
JP2000260470A
JP2000260470A JP11061928A JP6192899A JP2000260470A JP 2000260470 A JP2000260470 A JP 2000260470A JP 11061928 A JP11061928 A JP 11061928A JP 6192899 A JP6192899 A JP 6192899A JP 2000260470 A JP2000260470 A JP 2000260470A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer electrolyte
positive electrode
negative electrode
polymer
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11061928A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Kawai
徹夫 川合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Maxell Ltd
Priority to JP11061928A priority Critical patent/JP2000260470A/ja
Publication of JP2000260470A publication Critical patent/JP2000260470A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷特性が優れ、かつ貯蔵による電解液の遊
離がない信頼性の高いポリマー電解質電池を提供する。 【解決手段】 アルミニウム製の集電体の少なくとも一
方の面に正極合剤層を有し該正極合剤層にポリマー電解
質を含有してなるシート状の正極、銅製の集電体の少な
くとも一方の面に負極合剤層を有し該負極合剤層にポリ
マー電解質を含有してなるシート状の負極およびシート
状のポリマー電解質層をそれぞれ複数枚有し、それを外
装体で外装するポリマー電解質電池において、上記ポリ
マー電解質層および上記正極または負極の少なくとも一
方の電極のポリマー電解質中のポリマーの濃度を電極か
ら最も離れた部分を最高濃度とし、電極の集電体に接す
る部分を最低濃度にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマー電解質電
池に関し、さらに詳しくは、特にパソコン、携帯電話な
どの携帯用機器などの電源として使用するのに適したポ
リマー電解質電池に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリマー電解質電池では、電解質をシー
ト状にすることができ、それによって、A4版、B5版
などの大面積でしかも薄形の電池の作製が可能になり、
各種薄形製品への適用が可能になって、電池の使用範囲
が大きく広がっている。このポリマー電解質を用いた電
池は、電解質がゲル化されていて実質上遊離の液を含ま
ないので耐漏液性を含めた安全性、貯蔵性が優れてお
り、しかも薄く、フレキシブルなので、機器の形状に合
わせた電池を設計できるという、今までの電池にない特
徴を持っている。
【0003】このポリマー電解質電池は、通常、電極や
電解質の支持体に有機溶媒にリチウム塩などの無機塩を
溶解した電解液をポリマー系ゲル化剤(例えば、ポリエ
チレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリビニリ
デンフルオライドなどの直鎖状高分子)を混合して調製
したゲル化成分含有電解液を含浸させた後、加熱し、ポ
リマー系ゲル化剤を溶解させた後、冷却することによっ
てゲル化したり、上記ポリマー系ゲル化剤に代えて、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの多官能
モノマーを上記電解液と混合して調製したゲル化成分含
有電解液を上記電極および支持体に含浸させた後、紫外
線などの活性光線を照射してモノマーを重合させてゲル
化することによりポリマー電解質を構成した薄いシート
状の電極とシート状のポリマー電解質層とを組み合わせ
て、アルミニウムフィルムを芯材にしたラミネートフィ
ルムからなる外装体で外装して密封することにより、薄
形電池に仕上げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このポリマー電解質電
池では、電極を薄形にするため、通常、金属箔を集電体
に用いていて、正極の集電体にはアルミニウム箔を用
い、負極の集電体には銅箔を用いている。そして、電解
質の支持体にはポリプロピレンやポリエチレンテレフタ
レート繊維を用いた不織布などが用いられている。
【0005】ところで、上記電極は、活物質や電導助剤
などとポリフッ化ビニリデンなどのバインダーをN−メ
チルピロリドンなどの溶剤でペースト状にし、その活物
質などを含有するペーストを金属箔に塗布し、乾燥、圧
延処理を経て作製されているので、比較的強度が高い
が、電極間に介在するポリマー電解質層は、不織布を支
持体としているものの、電極に比べて強度が低く、その
ため、電解液の保持性やそれ自身の形状保持性が電極に
比べて劣っている。
【0006】そこで、ゲル化成分の量を増やしてゲルの
強度を高くすることも提案されているが、ゲル化成分の
量が増えると当然電解液量が減少し、イオンの移動が円
滑に行なわれなくなる。また、ゲルが電解液を固定する
力が強くなりすぎ、結果として負荷特性の低下や低温特
性が低下するという問題が発生する。
【0007】従って、本発明は、上記のような従来技術
の問題点を解決し、ポリマー電解質層の電解液の保持性
を損なうことなく、ゲル化成分の量を極力少なくするこ
とにより、負荷特性などの電池特性を低下することな
く、信頼性の高いポリマー電解質電池を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、不織布などを
支持体とするポリマー電解質層のポリマー電解質中のポ
リマー濃度を高くし、電極のポリマー電解質中のポリマ
ー濃度を低くすることによって、上記課題を解決したも
のである。
【0009】すなわち、上記の構成にすることにより、
最も強度を必要とするポリマー電解質層はポリマー濃度
を高くすることによって強度の保持と液の保持を行い、
電極の内部はバインダーおよび粉体の液保持能力と機械
的強度を利用することによって、ポリマー濃度を低くし
て電池特性の低下を抑制することができる。そして、そ
れによって、ポリマー電解質中のポリマー濃度を全体と
しては低下させることも可能になり、電池特性をより一
層向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、正極の集電体と
してはアルミニウム製の箔、パンチドメタル、網、エキ
スパンドメタルなどを用い得るが、通常、アルミニウム
箔が用いられる。この正極の集電体は、正極の厚みを薄
くする関係上、厚みが20μm以下ののものが好まし
い。ただし、あまりにも薄すぎると、正極の作製にあた
って正極合剤含有ペーストを塗布した際に皺が発生した
り、引っ張りにより破れが生じるおそれがあるので、そ
の厚みは上記のように20μm以下で10μm以上が好
ましい。
【0011】正極活物質としては、特に限定されること
なく種々のものを用い得るが、リチウムを含む遷移金属
酸化物がエネルギー密度が高く、可逆性に優れているこ
とから好適に用いられ、具体的には、例えば、LiCo
2 などのリチウムコバルト酸化物、LiMn2 4
どのリチウムマンガン酸化物、LiNiO2 などのリチ
ウムニッケル酸化物、それらの混合物、さらにはLiN
iO2 のNiの一部をCoまたはMnで置換したものな
どが好適に用いられる。
【0012】正極合剤層は、通常、上記正極活物質、例
えばカーボンブラックなどの電導助剤やポリフッ化ビニ
リデンなどのバインダーを含み有機溶剤でペースト状に
した正極合剤含有ペーストを上記集電体の少なくとも一
方の面に塗布し乾燥することによって形成される。その
際、有機溶剤中にリチウム塩を溶解しておき、バインダ
ーとしてポリフッ化ビニリデンなどのようにポリマー系
ゲル化剤となるものを用いて正極合剤層をポリマー電解
質を含有する状態に形成することもできる。
【0013】本発明において、負極の集電体としては銅
製の箔、パンチドメタル、網、エキスパンドメタルなど
を用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極の集
電体は、負極の厚みを薄くする関係上、厚みが20μm
以下のものが好ましい。ただし、あまりにも薄すぎる
と、負極の作製にあたって、負極合剤含有ペーストを塗
布した際に皺が発生したり、引っ張りにより破れが生じ
るおそれがあるので、その厚みは上記のように20μm
以下で5μm以上が好ましい。
【0014】また、負極活物質としては、リチウムイオ
ンをドープ・脱ドープできる物質であれば特に限定され
ることなく種々のものを用い得るが、特に炭素系材料が
好適に用いられ、具体的には、例えば、黒鉛、熱分解炭
素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物
の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活
性炭、グラファイトなどが好適に用いられる。
【0015】負極合剤層は、通常、上記負極活物質と、
必要に応じ添加されるカーボンブラックなどの電導助
剤、ポリフッ化ビニリデンなどのバインダーを含み有機
溶剤でペースト状にした負極合剤含有ペーストを上記集
電体の少なくとも一方の面に塗布し乾燥することによっ
ても形成される。その際、有機溶剤中にリチウム塩を溶
解しておき、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンな
どのようにポリマー系ゲル化剤となるものを用いて負極
合剤層をポリマー電解質を含有する状態に形成すること
もできる。
【0016】本発明において、ポリマー電解質層の支持
体としては、例えば、不織布や微孔性フィルムなどの多
孔質シートが用いられる。上記不織布としては、例え
ば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの不織布
などが挙げられる。また、微孔性フィルムとしては、例
えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体の微孔性フィルムなどが挙げられる。
【0017】ポリマー電解質層は、上記支持体にゲル化
成分含有電解液を含浸させて加熱または活性光線の照射
を経て作製される。その際、正極や負極などの電極と切
り離した状態のポリマー電解質層として作製することが
できるし、また、電極の周囲を上記支持体で包囲して電
極と支持体とを一体化させておき、その電極と支持体と
の一体化物に上記ゲル化成分含有電解液を含浸させて加
熱または活性光線の照射を経てポリマー電解質層を電極
に保持させた状態で作製することもできる。
【0018】上記の電極と支持体との一体化とは、電極
と支持体との間に気泡や異物などを含まないで電極と支
持体とを密接させることを意味していて、不可分に接着
させることなどを意味するものではない。
【0019】本発明において、電解液としては、例え
ば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メ
チルエチルカーボネート、プロピオン酸メチル、エチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカ
ーボネート、ガンマーブチロラクトン、エチレングリコ
ールサルファイト、1,2−ジメトキシエタン、1,3
−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テ
トラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどの有機溶媒
に、例えば、LiClO4 、LiPF6 、LiBF 4
LiAsF6 、LiSbF6 、LiCF3 SO3 、Li
4 9 SO3 、LiCF3 CO2 、Li2 2
4 (SO3 2 、LiN(CF3 SO2 2 、LiC
(CF3 SO2 3 、LiCn 2n+1SO3 (n≧
2)、LiN(RfOSO2 2 〔ここでRfはフルオ
ロアルキル基〕などの無機イオン塩を溶解させることに
よって調製したものが使用される。この無機イオン塩の
電解液中の濃度としては、0.5〜1.5mol/l、
特に0.9〜1.25mol/lが好ましい。
【0020】本発明において、ゲル化成分とは電解液を
ゲル化させる成分をいい、このようなゲル化成分として
は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキ
サイド、ポリアクリロニトリル、フッ化ビニリデン−六
フッ化プロピレン共重合体などのように直鎖状のポリマ
ーを加熱することにより電解液に溶解させた後、冷却す
ることによって電解液をゲル化させるポリマー系ゲル化
剤や、活性光線または熱で重合可能な二重結合を一分子
あたり2個以上含むモノマーまたはプレポリマーを主成
分とする架橋性組成物などが挙げられる。
【0021】上記活性光線で重合可能なモノマーとして
は、まず、二重結合を一分子あたり2個有するモノマー
(二官能架橋性モノマー)として、例えば、1,3−ブ
タンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオール
ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレン
グリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジ
アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピレ
ングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコール
ジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレ
ート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、ノ
ボラックジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグ
ルコールジアクリレートなどの二官能アクリレートおよ
び上記アクリレートと同様の二官能メタクリレートなど
が挙げられる。
【0022】また、活性光線で重合可能な二重結合を一
分子あたり3個有するモノマー(三官能架橋性モノマ
ー)としては、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートトリアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールト
リアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパン
トリアクリレート、プロポキシ化グリセリルトリアクリ
レート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパント
リアクリレートなどの三官能アクリレートおよび上記ア
クリレートと同様の三官能メタクリレートなどが挙げら
れる。
【0023】そして、活性光線で重合可能な二重結合を
一分子あたり4個以上有するモノマー(四官能以上の架
橋性モノマー)としては、例えば、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテト
ラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペ
ンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレートなどの四官能以上のアクリレートおよび上記ア
クリレートと同様の四官能以上のメタクリレートなどが
挙げられる。
【0024】また、活性光線で重合可能な二重結合を2
個以上、好ましくは4個以上有するプレポリマーとして
は、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレ
ート、ポリエステルアクリレートのプレポリマーなどが
挙げられ、前記のモノマーに代えて用いることができ
る。
【0025】本発明において、上記の活性光線で重合可
能な二重結合を一分子あたり2個以上有するモノマーま
たはプレポリマーは、主成分として用いられておればよ
く、例えばゲル硬さなどの物性調整のために一官能モノ
マーなどとも併用することができる。
【0026】本発明において、活性光線で重合可能な二
重結合を一分子あたり2個以上有するモノマーまたはプ
レポリマーを主成分とする架橋性組成物とは、上記架橋
性組成物を活性光線で重合可能な二重結合を一分子あた
り2個以上有するモノマーまたはプレポリマーのみで構
成する場合と、一官能モノマーなどと活性光線で重合可
能な二重結合を一分子あたり2個以上有するモノマーま
たはプレポリマーとを併用する場合の両者を含むが、後
者のように活性光線で重合可能な二重結合を一分子あた
り2個以上有するモノマーまたはプレポリマーを一官能
モノマーなどと併用する場合、その架橋性組成物におい
て、活性光線で重合可能な二重結合を一分子あたり2個
以上有するモノマーまたはプレポリマーが50重量%以
上、特に70重量%以上であることが好ましい。また、
架橋性組成物はそれを構成するものがすべて架橋性でな
くてもよく、全体として架橋性であればよく、例えば、
必要に応じて他の成分を添加することができる。
【0027】そして、必要であれば、重合開始剤とし
て、例えば、ベンゾイン類、ベンゾインアルキルエーテ
ル類、ベンゾフェノン類、ベンゾイルフェニルフォスフ
ィンオキサイド類、アセトフェノン類、チオキサントン
類、アントラキノン類などを使用することができる。さ
らに重合開始剤の増感剤としてアルキルアミン類、アミ
ノエステル類なども使用することができる。
【0028】本発明において、活性光線としては、例え
ば、紫外線(UV)、電子線(EB)、可視光線、遠紫
外線などを使用することができる。
【0029】そして、熱により重合可能なモノマーとし
ては、例えば、2−エトキシエチルアクリレート、トリ
(エチルグリコール)ジメタクリレート、エチレングリ
コールエチルカーボネートメタクリレートなどが挙げら
れる。
【0030】本発明において、電極やポリマー電解質層
のポリマー電解質中におけるポリマーの濃度は、上記ゲ
ル化成分の濃度、電極の密度、活物質粒子の大きさなど
を適宜変えることによって調整することができる。
【0031】電極やポリマー電解質層のポリマー電解質
におけるポリマーの濃度は、電極から最も離れた部分を
最高濃度とし、電極の集電体に接する部分を最低濃度に
するが、その最高濃度としては6〜9重量%、最低濃度
としては3〜5重量%が好ましく、もとより、最高濃度
と最低濃度が同一濃度になることはない。
【0032】
【実施例】つぎに、実施例をあげて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明は実施例に例示のもののみ
に限定されるものではない。
【0033】実施例1 この実施例1では、正極や電極は、ポリマー電解質を含
有しない状態で合剤層を作製して、その後にポリマー電
解質を含有させるので、まず、そのポリマー電解質を含
有していない正極および負極の作製について説明する。
【0034】正極の作製:正極活物質であるLiCoO
2 90重量部、電導助剤であるカーボンブラック5重量
部、バインダーであるポリフッ化ビニリデン5重量部を
N−メチルピロリドンを溶媒として均一になるように混
合し、正極合剤含有ペーストを調製した。
【0035】この正極合剤含有ペーストを厚さ20μm
のアルミニウム箔の両面に片面の正極合剤量が20mg
/cm2 (ただし、乾燥後の正極合剤量)になるように
均一に塗布し、乾燥させて正極合剤層を形成した後、密
度を調整してゲル化成分の浸透をコントロールするため
にカレンダー処理を行い、片面の正極合剤層の厚さを6
5μmに調整した。それを70mm×40mmの寸法に
切断して正極とした。ただし、上記正極の作製にあたっ
ては、アルミニウム箔の一部に正極合剤含有ペーストを
塗布せず、アルミニウム箔の露出部を残し、その露出部
を外部端子としての正極端子との接続のためのリード部
とした。
【0036】負極の作製:負極活物質である黒鉛77重
量部およびカーボトロンP〔商品名、呉羽化学工業
(株)製、平均粒径22μmの低結晶カーボン〕8重量
部、バインダーであるポリフッ化ビニリデン15重量部
をN−メチルピロリドンを溶媒として均一になるように
混合し、負極合剤含有ペーストを調製した。
【0037】この負極合剤合剤ペーストを厚さ10μm
の銅箔の両面に片面の負極合剤量が12mg/cm
2 (ただし、乾燥後の負極合剤量)になるように均一に
塗布し、乾燥して負極合剤層を形成した後、密度を調整
してゲル化成分の浸透をコントロールするためにカレン
ダー処理を行い、片面の負極合剤層の厚さを65μmに
調整した。これを72mm×42mmの寸法に切断して
負極とした。ただし、上記負極の作製にあたっては、銅
箔の一部に負極合剤含有ペーストを塗布せず、銅箔の露
出部を残し、その露出部を外部端子としての負極端子と
の接続のためのリード部とした。
【0038】正極ユニットの作製:上記のようにして作
製した正極のリード部に近い部分に、厚さ50μm、幅
3mmのポリイミドテープをその両側から貼着し、該部
分の短絡の防止および強度保持を図った。また、正極端
子との接続部分となるリード部の表面を、熱により接着
面の粘着性が失われる熱剥離テープで被覆した。そし
て、この正極をゲル状ポリマー電解質の保持体となる厚
さ30μm、坪量12g/m2 のポリブチレンテレフタ
レート不織布〔NKK社製、MB1230(商品名)〕
で包んだ。
【0039】負極ユニットの作製:負極のリード部に近
い部分に、厚さ50μm、幅3mmのイミドテープをそ
の両面から貼着し、該部分の短絡の防止および強度保持
を図った。また、負極端子との接続部分となるリード部
の表面を、熱により接着面の粘着性が失われる熱剥離テ
ープで被覆した。そして、この負極をゲル状ポリマー電
解質の保持体となる厚さ30μm、坪量12g/m2
ポリブチレンテレフタレート不織布〔NKK社製、MB
1230(商品名)〕で包んだ。
【0040】ポリマー電解質層の作製:プロピレンカー
ボネートとエチレンカーボネートとの体積比1:1の混
合溶媒にLiPF6 を1.22mol/l溶解させるこ
とによって調製した電解液に重合開始剤として2,4,
6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキ
サイド〔ルシリンTPO(商品名)、ビーエーエスエフ
ジャパン(株)製〕をあらかじめモノマー成分に対して
2重量%加えて溶解しておき、そこにジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレートを使用開始10分前に濃度が
7重量%になるように加えて混合し、ゲル化成分を含有
する電解液を調製した。このゲル化成分を含有する電解
液を以下においては、「ゲル化成分含有電解液」とい
う。
【0041】このゲル化成分含有電解液を上記正極ユニ
ットと負極ユニットにそれぞれ減圧下で吸収させ、この
ゲル化成分含有電解液を含浸させた正極ユニットおよび
負極ユニットをポリエチレン製の袋に入れて、袋を密閉
した。
【0042】このゲル化成分含有電解液を含浸した正極
ユニット入りの袋および負極ユニット入りの袋にその両
面から、フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)
製の紫外線照射装置を用いて、紫外線を1W/cm2
照度で10秒間照射し、正極および負極の周囲に支持体
を内蔵したゲル状のポリマー電解質層を作製した。
【0043】上記のように周囲にゲル状ポリマー電解質
層を作製した正極および負極をそれぞれ袋から取り出
し、そのリード部に150℃の熱風を吹付けることによ
って、熱剥離テープをリード部から剥がした後、上記負
極5枚と正極4枚とを交互に積層して積層電極群を作製
した。上記積層電極群を外装する外装体としてナイロン
フィルム−アルミニウムフィルム−変性ポリオレフィン
フィルムからなる三層構造のラミネートフィルムを準備
した。
【0044】上記のようにして周囲にゲル状のポリマー
電解質層を作製した正極および負極においては、正極ユ
ニットへのゲル化成分含有電解液の含浸時に上記ゲル化
成分含有電解液が多孔質の不織布で構成される支持体の
内部に侵入し、さらに正極の正極合剤層の内部の空孔部
分や負極の負極合剤層の内部の空孔部分にも侵入し、そ
こで重合とゲル化が行なわれてゲル状のポリマー電解質
になっている。
【0045】上記のように正極の周囲に作製したポリマ
ー電解質層のポリマー電解質中のポリマー濃度および正
極のポリマー電解質中のポリマー濃度を溶媒抽出法で未
反応のモノマーを抽出することによって分析したとこ
ろ、ポリマー電解質層中(つまり、支持体の不織布に含
浸した部分)は重合率97%で、ポリマー濃度が6.8
重量%であり、正極のポリマー電解質中は重合率67%
で、正極表面のポリマー濃度は4.7重量%であり、正
極の集電体近傍のポリマー濃度は3.8重量%であっ
た。また、同様に負極の周囲に作製したポリマー電解質
層のポリマー電解質中のポリマー濃度および負極のポリ
マー電解質中のポリマー濃度を上記正極の場合と同様に
求めたところ、ポリマー電解質層中(つまり、支持体の
不織布に含浸した部分)は重合率95%で、ポリマー濃
度が6.7重量%であり、負極のポリマー電解質中は重
合度64%で、負極表面のポリマー濃度は4.5重量%
であり、負極の集電体近傍のポリマー濃度は3.6重量
%であった。
【0046】上記の溶媒抽出法は、エチレンカーボネー
トとプロピレンカーボネートとの混合溶媒にポリマー電
解質層や電極を24時間浸漬して残存モノマーを抽出
し、紫外線吸光度でその量を求め、それによってポリマ
ー量を求める方法であり、電極のポリマー電解質中のポ
リマー濃度は、電極を表面側と集電体側に分離して濃度
測定を行なった。不織布は空孔率が高く、ゲル化成分の
浸透や重合も均一に行なわれるので表面と裏面でポリマ
ー濃度に本質的な相違は生じないが、電極はゲル化成分
の浸透速度を合剤層の密度を変えることによってコント
ロールできるのと、電極の内部と表面とでは紫外線の到
達度に相違があり、内部では表面に比べて重合性が若干
劣ることなどが表面と集電体近傍とでポリマー濃度が異
なる原因になっているものと考えられる。
【0047】上記積層電極群中の正極のリード部積層体
(4枚のアルミニウム箔の露出部で構成される4枚のリ
ード部の積層体)を、厚さ100μm、幅3mmのアル
ミニウム製の2枚の補強板で挟み、さらに正極端子とし
て厚さ40μmのニッケルリボン1枚を重ね、溶接機と
してブランソン製、947M型超音波発振器を用い、溶
接時間1sec、圧力3.2kg/cm2 、アンプリチ
ュード85%の条件で溶接した。この溶接部分の位置
は、積層電極群を外装体で外装する際のシール部分に一
致するようにした。また、上記と同様に、積層電極群中
の負極のリード部積層体(5枚の銅箔の露出部で構成さ
れる5枚のリード部の積層体)を、厚さ100μm、幅
3mmの銅製の2枚の補強板で挟み、さらに、負極端子
として厚さ40μmのニッケルリボン1枚を重ね、上記
と同様の溶接機を用いて、溶接時間1sec、圧力4k
g/cm2 、アンプリチュード100%の条件で溶接し
た。この溶接部分の位置も、積層電極群を外装体で外装
する際のシール部分に一致するようにした。その後、外
装体で積層電極群を外装して密閉することにより、積層
形ポリマー電解質電池を作製した。
【0048】上記の溶接部分の幅は正極側、負極側とも
2mmであり、外装体のシール部分の幅はいずれの場合
も4mmであった。
【0049】つぎに、このポリマー電解質電池の構造を
図面を参照しつつ説明するが、その構造を説明するにあ
たり、まず、前記のように周囲にポリマー電解質層を作
製した正極(以下、これを「ポリマー電解質層保持正
極」という)および周囲にポリマー電解質層を作製した
負極(以下、これを「ポリマー電解質層保持負極」とい
う)について説明しておくと、図1に示すように、ポリ
マー電解質層保持正極10は正極1の周囲に支持体3a
を内蔵するゲル状のポリマー電解質層3を作製すること
によって構成されている。
【0050】また、図2に示すように、ポリマー電解質
層保持負極20は負極2の周囲に支持体3aを内蔵する
ゲル状のポリマー電解質層3を作製することによって構
成されている。
【0051】前記したように、これらの正極1や負極2
では、ゲル化成分含有電解液が合剤層の内部の空孔部分
に侵入し、そこで重合とゲル化が行なわれてゲル状ポリ
マー電解質になっているが、この図1や図2では、それ
らは図示しがたいので図示していない。
【0052】そして、上記ポリマー電解質保持正極10
が4枚とポリマー電解質保持負極20が5枚積層され、
図3に示すように積層電極群が構成される。つまり、1
枚目のポリマー電解質保持負極20と5枚目のポリマー
電解質保持負極20とがそれぞれ最外層に配置され、そ
の間にポリマー電解質保持正極10が4枚とポリマー電
解質保持負極20が3枚交互に配置して積層されてい
る。そして、そのポリマー電解質保持正極10とポリマ
ー電解質保持負極20との間では、図4に示すように、
正極1と負極2との間に正極1の周囲に形成されたポリ
マー電解質層3と負極2の周囲に形成されたポリマー電
解質層3とがあわさって、それらで充分な厚みのポリマ
ー電解質層を形成し、それによって、正極1と負極2と
が充分に隔離されている。
【0053】電池は、上記のような積層電極群を、図3
に示すように、ナイロンフィルム−アルミニウムフィル
ム−変性ポリオレフィンフィルムの三層構造のラミネー
トフィルムからなる外装体4で外装して密閉することに
よって構成されている。そして、この電池において、正
極端子5や負極端子6は外部端子である。
【0054】図5は上記図3に示す電池の正極1のアル
ミニウム製のリード部1cの積層体と正極端子5との接
続部分およびその近傍を概略的に示すもので、この接続
は外装体4のシール部分4aで行われている。すなわ
ち、外装体4は2枚用いられていて、そのシールは外装
体4として用いられているラミネートフィルムの変性ポ
リオレフィンフィルムの熱融着によって行われるが、正
極1のリード部1cの積層体と正極端子5との接続はリ
ード部1cの積層体を補強板7で補強し、その補強板7
に正極端子5を溶接することによって行なわれ(すなわ
ち、補強板7を介してリード部1cの積層体と正極端子
5との接続が溶接により行なわれ)、その溶接は上記外
装体4のシール部分4aで行われ、その接続部分は外装
体4のシール部分4aの領域内に位置している。
【0055】4bは外装体4の最内層の変性ポリオレフ
ィンフィルムが加熱により溶融して形成したシール層で
あり、このシール層4bは外装体4のシール部分4aに
対応しており、また、このシール層4bによって電池内
部の密閉性が保たれている。
【0056】なお、図4に示すように、正極1はアルミ
ニウムからなる集電体1aの両面に正極合剤層1bを形
成してなり、その正極1の周囲にポリマー電解質層3が
作製されている。また、負極2は銅箔からなる集電体2
aの両面に負極合剤層2bを形成してなり、その負極2
の周囲にポリマー電解質層3が作製されている。さら
に、この負極2に関しても、図5には図示していない
が、前記正極1の場合と同様に、リード部2aを積層
し、そのリード部2aの積層体を図3に概略的に示すよ
うに銅製の補強板7で補強し、その銅製の補強板7とニ
ッケル製の負極端子6とを外装体4のシール部分4aに
あたるところで溶接して接続している。ただし、この負
極2側の負極端子6との接続は必ずしも外装体のシール
部分で行う必要はない。なお、図1〜5はいずれも模式
的に示したものであり、各構成部分の寸法比は必ずしも
正確ではない。また、図1〜2では、集電体やリード部
の図示を省略している。
【0057】実施例2 正極や負極の周囲を不織布からなる支持体で包囲せず、
それらにジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの
濃度を4.5重量%にしたゲル化成分含有電解液を含浸
させた後、実施例1と同様に紫外線を照射してモノマー
を重合させるとともにゲル化した。これらの電極におけ
るポリマー電解質中のポリマー濃度を実施例1と同様に
測定したところ、重合率は98%であり、正極の表面の
ポリマー濃度は4.4重量%で、正極の集電体近傍のポ
リマー濃度は4.1重量%であり、負極の表面のポリマ
ー濃度は4.3重量%で、負極の集電体近傍のポリマー
濃度は3.9重量%であった。
【0058】また、厚さ60μm、坪量25g/m2
ポリブチレンテレフタレート不織布を支持体として、こ
れにジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの濃度
を7重量%にしたゲル化成分含有電解液を含浸させた
後、実施例1と同様に紫外線を照射して、ポリマー電解
質層を作製した。
【0059】このポリマー電解質層のポリマー電解質中
のポリマーの重合率は100%であって、ポリマー濃度
は7重量%であった。
【0060】そして、上記正極4枚と負極5枚とポリマ
ー電解質層7枚を用い、負極、ポリマー電解質層、正
極、………正極、ポリマー電解質層、負極の順に負極と
正極とをポリマー電解質層を介して積層して積層電極群
を作製し、その積層電極群を用いて次に示すように積層
形ポリマー電解質電池を作製した。
【0061】すなわち、正極のアルミニウム製のリード
部1cの積層体を実施例1と同様にアルミニウム製の補
強板7で補強し、そのアルミニウム製の補強板7に厚さ
100μmのアルミニウム製のリード体の一方の端部を
溶接して接続し、そのアルミニウム製リード体の他方の
端部を正極端子として溶接して接続し、また、負極の銅
製のリード部2cの積層体を実施例1と同様に銅製の補
強板で補強し、その銅製の補強板と厚さ100μmの銅
製のリード体の一方の端部を溶接して接続し、その銅製
リード体の他方の端部を負極端子と溶接して接続した以
外は、実施例1と同様に積層形ポリマー電解質電池を作
製した。
【0062】この電池の正極のアルミニウム製のリード
体と正極端子との溶接による接続は、外装体のシール部
分で行なわれ、その接続部分の幅は2mmで、シール部
分の幅は4mmである。また、負極の銅製のリード体と
負極端子との溶接による接続も、外装体のシール部分で
行なわれ、その接続部分の幅は2mmで、シール部分の
幅は4mmである。
【0063】図6はこの実施例2の電池の正極のリード
部の積層体に接続したアルミニウム製のリード体と正極
端子5の接続部分およびその近傍を概略的に示すもの
で、このアルミニウム製のリード体8と正極端子5との
接続は外装体4のシール部分4aで行なわれている。す
なわち、この実施例2においても、前記実施例1の場合
と同様に、外装体4は2枚用いられていて、そのシール
は外装体4として用いられているラミネートフィルムの
変性ポリオレフィンフィルムの熱融着によって行なわれ
るが、正極1のリード体1cの積層体に接続したアルミ
ニウム製のリード体8と正極端子5との接続は上記外装
体4のシール部分4aで行なわれ、その接続部分は外装
体4のシール部分4aの領域内に位置している。そし
て、この実施例2の電池が前記実施例1の電池と異なっ
ているところは、正極1のリード部1cの積層体とリー
ド体8との接続を外装体4のシール部分4aより内部側
(電池の内部側)で行ない、そのリード体8と正極端子
5との接続を外装体4のシール部分4aで行なっている
点である。すなわち、上記外装体4のシール部分4aよ
り内部側で、正極1のアルミニウム製のリード部1cの
積層体をアルミニウム製の補強板7で補強し、その補強
板7にアルミニウム製のリード体8の一方の端部を溶接
により接続し、外装体4のシール部分では上記リード体
8の他方の端部と正極端子5とを溶接により接続してい
る。
【0064】このようにすれば、外装体4のシール部分
4aの厚みを前記実施例1の場合より薄くすることがで
きる。なお、上記リード体8と正極端子5との接続部分
の幅は2mmで、シール部分の幅は4mmである。ま
た、この図6には、図示していないが、負極2側におい
ても、上記正極1側と同様に、負極2のリード部2cの
積層体を銅製の補強板で補強し、その補強板に銅製のリ
ード体の一方の端部を溶接により接続し、その銅製のリ
ード体の他方の端部を負極端子6と外装体4のシール部
分4aのところで溶接により接続しており、その接続部
分の幅は2mmで、シール部分の幅は4mmである。
【0065】上記正極1のリード部1cの積層体を補強
する補強板7とアルミニウム製のリード体8との溶接条
件や上記リード体8と正極端子5との溶接条件は、前記
実施例1のアルミニウム製のリード部1cの積層体を補
強する補強板7と正極端子5との溶接条件と同様であ
り、また、負極2のリード部2cの積層体を補強する補
強板と銅製のリード体との溶接条件や上記リード体と負
極端子との溶接条件も、前記実施例1の銅製のリード部
2cの積層体を補強する補強板と負極端子6との溶接条
件と同様である。
【0066】比較例1 正極、負極およびポリマー電解質層のポリマー電解質中
のポリマー濃度をいずれも7重量%にした以外は、実施
例1と同様に積層形ポリマー電解質電池を作製した。
【0067】比較例2 正極、負極およびポリマー電解質層のポリマー電解質中
のポリマー濃度をいずれも5重量%にした以外は、実施
例1と同様に積層形ポリマー電解質電池を作製した。
【0068】上記実施例1〜2および比較例1〜2の電
池について、負荷特性および貯蔵後の電解液保持性を調
べた。その結果を表1に示す。
【0069】上記負荷特性は4.2V、0.2Cの定電
流定電圧で8時間充電し、1Cと0.2Cでそれぞれ
2.75Vまで放電して放電容量を測定し、1Cで放電
したときの放電容量を0.2Cで放電したときの放電容
量で除した比率〔(1Cでの放電容量/0.2Cでの放
電容量)×100〕で示す。また、貯蔵後の電解液保持
性は電池を60℃で20日間貯蔵後に電池を分解し、そ
の内部を目視で観察し、電解液の遊離があるか否かを調
べることによって行なった。
【0070】
【表1】
【0071】表1に示す結果から明らかなように、実施
例1〜2では、負荷特性が優れ、しかも60℃で20日
間貯蔵後も電解液の遊離がなく安定した電解液保持性を
示していた。
【0072】これに対して、比較例1では、貯蔵後も良
好な電解液保持性を有しているものの、ポリマー電解質
中のポリマー濃度が高いため、負荷特性が低下してい
た。また、比較例2では、負荷特性は良好であったが、
貯蔵により電解液の遊離があり、貯蔵による電池特性の
低下や耐漏液性に問題を有していた。
【0073】なお、ポリマー電解質のゲル化に際して
は、上記実施例で示した場合以外に、例えば、ポリマー
がゲル化するものや、ラジカル重合型の不飽和ポリエス
テル、または、ラジカル重合型のアクリル系エポキシア
クリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアク
リレート、アルキッドアクリレート、シリコンアクリレ
ートなどの光硬化性樹脂を紫外線あるいは電子線を用い
てゲル化させるものであってもよい。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、負荷
特性が優れ、かつ貯蔵による電解液の遊離がない信頼性
の高いポリマー電解質電池を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のポリマー電解質電池で用い
たポリマー電解質保持正極を模式的に示す断面図であ
る。
【図2】本発明の実施例1のポリマー電解質電池で用い
たポリマー電解質保持負極を模式的に示す断面図であ
る。
【図3】本発明の実施例1のポリマー電解質電池の一例
を模式的に示す断面図である。
【図4】図3に示す電池中の積層電極群の要部拡大図で
ある。
【図5】図3に示す電池の正極のリード部の積層体と外
部端子である正極端子との接続部分およびその近傍を模
式的に示す断面図である。
【図6】本発明の実施例2のポリマー電解質電池の正極
のリード部の積層体に接続したリード体と外部端子であ
る正極端子との接続部分およびその近傍を模式的に示す
断面図である。
【符号の説明】
1 正極 1a アルミニウム箔 1b 正極合剤層 1c リード部 2 負極 2a 銅箔 2b 負極合剤層 2c リード部 3 ポリマー電解質 4 外装体 4a シール部分 5 正極端子 6 負極端子 7 補強板 8 リード体 10 ポリマー電解質保持正極 20 ポリマー電解質保持負極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム製の集電体の少なくとも一
    方の面に正極合剤層を有し該正極合剤層にポリマー電解
    質を含有してなるシート状の正極、銅製の集電体の少な
    くとも一方の面に負極合剤層を有し該負極合剤層にポリ
    マー電解質を含有してなるシート状の負極およびシート
    状のポリマー電解質層をそれぞれ複数枚有し、それを外
    装体で外装するポリマー電解質電池において、上記ポリ
    マー電解質層および上記正極または負極の少なくとも一
    方の電極のポリマー電解質中のポリマーの濃度を電極か
    ら最も離れた部分を最高濃度とし、電極の集電体に接す
    る部分を最低濃度としたことを特徴とするポリマー電解
    質電池。
  2. 【請求項2】 ポリマー電解質中のポリマーの最高濃度
    が6〜9重量%であり、最低濃度が3〜5重量%である
    請求項1記載のポリマー電解質電池。
  3. 【請求項3】 電極外部のポリマー電解質中のポリマー
    濃度が実質的に一定濃度で、電極内部のポリマー電解質
    中のポリマーの濃度が表面から集電体側に向かって変化
    している請求項1記載のポリマー電解質電池。
JP11061928A 1999-03-09 1999-03-09 ポリマー電解質電池 Withdrawn JP2000260470A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11061928A JP2000260470A (ja) 1999-03-09 1999-03-09 ポリマー電解質電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11061928A JP2000260470A (ja) 1999-03-09 1999-03-09 ポリマー電解質電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000260470A true JP2000260470A (ja) 2000-09-22

Family

ID=13185324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11061928A Withdrawn JP2000260470A (ja) 1999-03-09 1999-03-09 ポリマー電解質電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000260470A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000311709A (ja) * 1999-04-26 2000-11-07 Mitsubishi Chemicals Corp リチウム二次電池
JP2005050756A (ja) * 2003-07-31 2005-02-24 Nissan Motor Co Ltd ゲル電解質電池
JP2005078964A (ja) * 2003-09-01 2005-03-24 Sony Corp 非水電解質二次電池
KR100513637B1 (ko) * 2001-09-11 2005-09-07 에스케이씨 주식회사 리튬이온 폴리머 전지의 제조방법
KR100513636B1 (ko) * 2001-09-11 2005-09-09 에스케이씨 주식회사 리튬이온 폴리머 전지 및 그의 제조방법
JP2014146600A (ja) * 2007-01-16 2014-08-14 Nippon Zeon Co Ltd 結着剤組成物、電極用スラリー、電極および非水電解質二次電池
CN104466253A (zh) * 2013-09-13 2015-03-25 小岛冲压工业株式会社 锂离子二次电池及其制造方法
US20180175367A1 (en) * 2014-03-21 2018-06-21 Robert Bosch Gmbh Electrode for a lithium cell

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000311709A (ja) * 1999-04-26 2000-11-07 Mitsubishi Chemicals Corp リチウム二次電池
KR100513637B1 (ko) * 2001-09-11 2005-09-07 에스케이씨 주식회사 리튬이온 폴리머 전지의 제조방법
KR100513636B1 (ko) * 2001-09-11 2005-09-09 에스케이씨 주식회사 리튬이온 폴리머 전지 및 그의 제조방법
JP2005050756A (ja) * 2003-07-31 2005-02-24 Nissan Motor Co Ltd ゲル電解質電池
JP2005078964A (ja) * 2003-09-01 2005-03-24 Sony Corp 非水電解質二次電池
JP2014146600A (ja) * 2007-01-16 2014-08-14 Nippon Zeon Co Ltd 結着剤組成物、電極用スラリー、電極および非水電解質二次電池
CN104466253A (zh) * 2013-09-13 2015-03-25 小岛冲压工业株式会社 锂离子二次电池及其制造方法
US20180175367A1 (en) * 2014-03-21 2018-06-21 Robert Bosch Gmbh Electrode for a lithium cell
US10411248B2 (en) * 2014-03-21 2019-09-10 Robert Bosch Gmbh Electrode for a lithium cell

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4281129B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP4365098B2 (ja) リチウムポリマー二次電池およびその製造方法
US6689511B2 (en) Secondary battery and electronic instrument using it
JP3872768B2 (ja) 電解液の分解反応が抑えられたリチウム2次電池及びその製造方法
JP2001068156A (ja) 積層形ポリマー電解質電池
JP2004193072A (ja) ポリマー電池及びその製造方法
US6338920B1 (en) Electrode for lithium ion secondary battery and lithium ion secondary battery using the same
JP4132647B2 (ja) 薄型二次電池
JP3850977B2 (ja) 高分子固体電解質電池の製造方法
JPH08329983A (ja) リチウム電池
JP2000260470A (ja) ポリマー電解質電池
JP4070367B2 (ja) 積層型ポリマー電解質電池およびシート形電池の製造方法
JP2001068157A (ja) 積層形ポリマー電解質電池
JP4188668B2 (ja) リチウムポリマー二次電池、その製造方法及びその製造装置
JP2002198016A (ja) 薄型二次電池
JPH11307084A (ja) 有機電解質電池
JP2000133274A (ja) ポリマ―リチウム二次電池
JP2001068161A (ja) 積層形ポリマー電解質電池
JP2004079310A (ja) ポリマーリチウム二次電池の製造方法
JP2000188130A (ja) ポリマー電解質電池
WO2019189860A1 (ja) 二次電池およびその製造方法
JP2001126701A (ja) 積層形ポリマー電解質電池
JP2002100406A (ja) ポリマーリチウム二次電池及びその製造方法
JP2007149701A (ja) 積層形ポリマー電解質電池の製造方法およびその製造方法により製造した積層形ポリマー電解質電池。
JP2000251870A (ja) 積層形ポリマー電解質電池

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060509