JP2000258099A - 訓練用発射装薬 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の訓練用発射装薬は、各擬製装薬筒片の
ケースがパルプで形成されているため、砲の装填部に数
回装填すると、劣化し、多数回繰り返して用いることが
困難であった。 【解決手段】 本発明による訓練用発射装薬は、単体又
は各擬製装薬筒片(1a〜1f)のケース(3)が柔らかい材料
の樹脂成形品で形成されているため、繰り返し使用に耐
える構成である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、訓練用発射装薬に
関し、特に、単体又は軸方向に沿って互いに連結する各
擬製装薬筒片のケースを樹脂成形品とすることにより、
反覆使用可能回数を従来よりも大幅に増加させ、正確な
機能確認を行うことができるようにするための新規な改
良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、用いられていたこの種の訓練用発
射装薬としては、図４から図８で示される構成が採用さ
れていた。すなわち、図４で示される構成は、全体形状
が円柱型をなす６個の擬製装薬筒片１ａ〜１ｆからなる
訓練用発射装薬１であり、各擬製装薬筒片１ａ〜１ｆは
中心軸位置に中空部２が形成されている。前記各擬製装
薬筒片１ａ〜１ｆのケース３は、ニトロセルロース（パ
ルプ）等からなる柔軟材料で構成されており、このケー
ス３内には疑似装薬４が内蔵されていると共に、このケ
ース３の外表面には塗料等のコーティング面３ａが形成
されている。前記各擬製装薬筒片１ａ〜１ｆの一端に形
成された突部３Ａは他端に形成された凹部３Ｂ内に強嵌
合され、その摩擦力によって互いに結合されている。以
上のように構成された訓練用発射装薬１は、図８で示さ
れる砲１０の装填部１１に装填されるように構成されて
いる。なお、擬製装薬筒片は単体の場合もあった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の訓練用発射装薬
は、以上のように構成されていたため、次のような課題
が存在していた。すなわち、各擬製装薬筒片がパルプ等
のケースで構成されていたため、図６で示されるよう
に、各結合部の摩耗によりガタが発生し、全体として変
形することがあった。また、各結合部の結合力が低下
し、使用中に分離することもあった。また、単体又は各
擬製装薬筒片の表面の塗装が装填部の機械部分と摺れて
剥がれ、その部分が吸湿することによってその強度が低
下することがあった。また、図７で示されるように、擬
製発射装薬が曲がりやすく、装填部への装填が困難とな
ることもあった。

【０００４】本発明は、以上のような課題を解決するた
めになされたもので、特に、単体又は軸方向に沿って互
いに連結する各擬製装薬筒片のケースを樹脂成形品とす
ることにより反覆使用回数を従来よりも大幅に増加さ
せ、正確な機能確認を行うことができるようにした訓練
用発射装薬を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明による訓練用発射
装薬は、全体形状が円筒型をなし内部に擬似装薬を有す
る擬製装薬筒片を所定の長さとした訓練用発射装薬にお
いて、前記擬製装薬筒片のケースは樹脂成形品よりなる
構成であり、また、前記擬製装薬筒片は複数個直列に接
続されている構成であり、また、前記ケースは、外周に
段部を有する第１筒体と、前記第１筒体の内側に設けら
れ前記第１筒体よりは小径の第２筒体とからなる構成で
あり、さらに、前記第１筒体と第２筒体とを接続するた
めの中間筒体が設けられている構成であり、さらに、前
記ケースの両端には、マグネット板が設けられ、各マグ
ネット板同志が互いに吸着することにより前記各擬製装
薬筒片が接続されている構成である。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明による訓
練用発射装薬の好適な実施の形態について説明する。な
お、従来例と同一又は同等部分には同一符号を用いて説
明する。図１において符号１で示されるものは訓練用発
射装薬であり、この訓練用発射装薬１は全体形状が円筒
型をなす６個（１個又は何個でも可）の擬製装薬筒片１
ａ〜１ｆから構成されていると共に、各擬製装薬筒片１
ａ〜１ｆは中心軸位置に中空部２が形成されている。前
記各擬製装薬筒片１ａ〜１ｆのケース３は、軸方向に所
定の長さを有すると共に、合成樹脂からなる樹脂材料に
よって射出成形されており、この樹脂材料は比較的に柔
らかい柔軟性のある材料（例えば、ポリプロピレン）に
て構成されている。

【０００７】前記各ケース３内には、擬製装薬４が内蔵
されていると共に、このケース３の一端に形成された段
部３Ａは他端に形成された凹部３Ｂ内に強嵌合され、そ
の段部３Ａと凹部３Ｂとによる強嵌合によって結合され
ている。前記ケース３の両端には、第１、第２マグネッ
ト板２０，２１が接着剤等により結合されており、各擬
製装薬筒片１ａ〜１ｆを軸方向に直列接続された場合
に、各擬製装薬筒片１ａ〜１ｆ間で互いに接合するマグ
ネット板２０と２１同志が磁気的に結合され、各擬製装
薬筒片１ａ〜１ｆは互いに強固に接続される。なお、こ
のマグネット板２０，２１を用いない場合も嵌合のみで
各擬製装薬筒片１ａ〜１ｆを接続することができる。

【０００８】また、図２の構成は他の形態を示すもの
で、各擬製装薬筒片１ａ〜１ｆのケース３が、樹脂成形
され段部３Ａ及び中空部２を有する第１筒体３ｅと、樹
脂成形されてこの第１筒体３ｅの内側に設けられ、第１
筒体３ｅよりも小径の第２筒体３ｆとからなり、第１筒
体３ｅの端部に第２筒体３ｆが接続されるように結合さ
れ、中空部２が第１筒体３ｅの内筒部３Ａａで構成され
ている。従って、前述の図２の形態においては、第１筒
体３ｅの先端に形成された段部３Ａが第２筒体３ｆに形
成された凹部３Ｂに強嵌合することによって、各擬製装
薬筒片１ａ〜１ｆが軸方向に互いに連結されるように構
成されている。

【０００９】また、図３で示される形態の場合、図２と
同一部分には同一符号を付して説明する。すなわち、第
１筒体３ｅと第２筒体３ｆとは図２と同一構成にて結合
されており、中空部２を構成する内筒部３Ａａの軸方向
長さが短く形成され、第１筒体３ｅと第２筒体３ｆとは
中間筒体３０で接続することにより中空部２が形成され
ている。なお、図２及び図３の構成共、図１のようにマ
グネット板２０，２１を用いることもできる。

【００１０】

【発明の効果】本発明による訓練用発射装薬は、以上の
ように構成されているため、次のような効果を得ること
ができる。すなわち、単体又は各擬製装薬筒片のケース
が樹脂で形成されているため、従来のパルプによる擬製
発射装薬に比べると、使用可能回数が１０倍以上とな
り、ランニングコストを大幅に低減することができる。
また、各擬製装薬筒片同志の結合力の低下が殆んどなく
安定するため、正確な機能確認が実施でき、不良分離に
よる機能確認の中断、変形による火砲の作動停止等の発
生を防止することができる。また、各擬製装薬筒片同志
が嵌合力のみではなく、マグネット板の磁力による結合
を有しているため、結合力をより確実なものとすること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による訓練用発射装薬を示す断面図であ
る。

【図２】図１の他の形態を示す断面図である。

【図３】図２の他の形態を示す断面図である。

【図４】従来の訓練用発射装薬を示す斜視図である。

【図５】図４の断面図である。

【図６】図１の訓練用発射装薬の曲げた状態を示す構成
図である。

【図７】図６の訓練用発射装薬と装填部との関係を示す
構成図である。

【図８】砲の装填部を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ａ〜１ｆ 擬製装薬筒片 ３ ケース ３Ａ 段部 ３ｅ 第１筒体 ３ｆ 第２筒体 ２０，２１ マグネット板 ３０ 中間筒体

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 全体形状が円筒型をなし内部に擬似装薬
   (4)を有する擬製装薬筒片(1a)を所定の長さとした訓練
   用発射装薬において、前記擬製装薬筒片(1a)のケース
   (3)は樹脂成形品よりなることを特徴とする訓練用発射
   装薬。
2. 【請求項２】 前記擬製装薬筒片(1a)は複数個直列に接
   続されていることを特徴とする請求項１記載の訓練用発
   射装薬。
3. 【請求項３】 前記ケース(3)は、外周に段部(3A)を有
   する第１筒体(3e)と、前記第１筒体(3e)の内側に設けら
   れ前記第１筒体(3e)よりは小径の第２筒体(3f)とからな
   ることを特徴とする請求項１又は２記載の訓練用発射装
   薬。
4. 【請求項４】 前記第１筒体(3e)と第２筒体(3f)とを接
   続するための中間筒体(30)が設けられていることを特徴
   とする請求項１ないし３の何れかに記載の訓練用発射装
   薬。
5. 【請求項５】 前記ケース(3)の両端には、マグネット
   板(20,21)が設けられ、各マグネット板(20,21)同志が互
   いに吸着することにより前記各擬製装薬筒片(1a〜1f)が
   接続されていることを特徴とする請求項１ないし４の何
   れかに記載の訓練用発射装薬。