JP2000257428A - 内燃機関のウオータポンプ構造 - Google Patents

内燃機関のウオータポンプ構造

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JP2000257428A
JP2000257428A JP11055659A JP5565999A JP2000257428A JP 2000257428 A JP2000257428 A JP 2000257428A JP 11055659 A JP11055659 A JP 11055659A JP 5565999 A JP5565999 A JP 5565999A JP 2000257428 A JP2000257428 A JP 2000257428A
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water pump
combustion engine
internal combustion
shaft
case
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JP11055659A
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Yuichi Tawarada
雄一 俵田
Masatoshi Fukamachi
昌俊 深町
Shuji Hirayama
周二 平山
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関のウオータポンプ構造において、ウ
オータポンプの組付性の向上、駆動構造の簡単化、部品
点数と加工工数の削減、コストの低減、信頼性の向上等
を図る。 【解決手段】 内燃機関本体にマグネット式ウオータポ
ンプ31が取り付けられてなる内燃機関2のウオータポン
プ構造において、内燃機関2によって駆動される回転体
32の軸部32a が内燃機関2のケース6(左パワーユニッ
トケース部6a )を貫通し、その貫通部分の上方を覆っ
て、カバー部材42が配設され、該カバー部材42は、内燃
機関2のケース6の内部を油密に覆うとともに、回転体
32の軸部32a が臨む開口部42a を備え、マグネット式ウ
オータポンプ31のアウタ部材35は、回転体32の軸部32a
に連結され、マグネット式ウオータポンプ31のインナ部
材56は、外部に冷却水入口47および出口を備え、内部に
インナヨーク46とインペラ45とを一体に備えて、カバー
部材42の開口部42a に支持されて取り付けられている。
回転体32は、内燃機関2のクランク回転を減速して回転
する補機回転体(タイミングカム32)とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、内燃機関のウ
オータポンプ構造に関し、特にウオータポンプの組付性
の向上と駆動構造の簡単化、製作コストの低減と信頼性
の向上等を図った内燃機関のウオータポンプ構造に関す
る。
【0002】
【従来技術、発明が解決しようとする課題】自動2輪車
等に搭載される従来の内燃機関のウオータポンプ構造と
して、特開平10−89069号公報に記載されたもの
がある。この内燃機関のウオータポンプ構造において
は、マグネット式ウオータポンプのアウタ部材が内燃機
関のケース内部の潤滑油中に没する構造となっているの
で、ウオータポンプの組付性に優れたものとはいえなか
った。
【0003】また、ウオータポンプの駆動のために専用
の回転軸を用意する必要があり、スペースを要し、部品
点数および加工工数が増加して、コストアップの要因に
なっていた。
【0004】さらに、内燃機関内部の摩耗粉や切削粉が
潤滑油に混じって運ばれて、マグネット式ウオータポン
プのアウタヨークに付着し易いといった不具合や、マグ
ネット式ウオータポンプが取り付けられる側と同じ側に
オルタネータが配設されていたので、マグネットがオル
タネータのもつ磁界による影響を受け易いといった不具
合があり、これらにより、マグネット式ウオータポンプ
の信頼性が損なわれる虞があった。
【0005】本願の発明は、従来の内燃機関のウオータ
ポンプ構造が有する前記のような問題点を解決して、ウ
オータポンプの組付性の向上と駆動構造の簡単化、これ
らによる部品点数と加工工数の削減、製作コストの低
減、信頼性の向上等を可能にする内燃機関のウオータポ
ンプ構造を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および効果】本願の発明
は、前記のような課題を解決した内燃機関のウオータポ
ンプ構造に係り、その請求項1に記載された発明は、内
燃機関本体に、マグネット式ウオータポンプが取り付け
られてなる内燃機関のウオータポンプ構造において、前
記内燃機関によって駆動される回転体の軸部が前記内燃
機関のケースを貫通し、その貫通部分の上方を覆って、
カバー部材が配設され、前記カバー部材は、前記内燃機
関のケースの内部を油密に覆うとともに、前記回転体の
軸部が臨む開口部を備え、前記マグネット式ウオータポ
ンプのアウタ部材は、前記回転体の軸部に連結され、前
記マグネット式ウオータポンプのインナ部材は、外部に
冷却水入出口を備え、内部にインナヨークとインペラと
を一体に備えて、前記カバー部材の開口部に支持されて
取り付けられたことを特徴とする内燃機関のウオータポ
ンプ構造である。
【0007】請求項1に記載された発明は、前記のよう
に構成されているので、マグネット式ウオータポンプの
インナ部材が、外部に冷却水入出口を備え、内部にイン
ナヨークとインペラとを一体に備えて、内燃機関のケー
スの内部を油密に覆うカバー部材の開口部に支持されて
取り付けられる。
【0008】この結果、マグネット式ウオータポンプの
インナ部材は、ポンプ部品のうちの過半の部品を具備し
つつ、これらを一体としてカバー部材に外部から直接取
り付けることができるので、マグネット式ウオータポン
プの組付性が向上する。
【0009】また、マグネット式ウオータポンプのアウ
タ部材が、内燃機関によって駆動される回転体の軸部に
連結され、この回転体の軸部は、内燃機関のケースを貫
通してケース外に突出しているので、アウタ部材は、内
燃機関のケース内部の潤滑油中に没することがない。こ
れにより、内燃機関内部の摩耗粉や切削粉がマグネット
式ウオータポンプのアウタヨークに付着することがなく
なり、マグネット式ウオータポンプの信頼性が向上す
る。
【0010】また、その請求項2に記載された発明は、
内燃機関本体に、マグネット式ウオータポンプが取り付
けられてなる内燃機関のウオータポンプ構造において、
前記内燃機関のケースの一側には、前記内燃機関のクラ
ンクシャフトが貫通する軸受開口および前記クランクシ
ャフトによって駆動される回転体の軸部が貫通する軸受
開口がそれぞれ形成され、前記回転体の軸部が貫通する
軸受開口を囲んで、前記ケースの一側の外面上には、前
記マグネット式ウオータポンプのヨーク部分を少なくと
も部分的に収容する室が形成され、前記両軸受開口を覆
うカバー部材が、前記室の開口部に被着され、前記室に
臨んで前記マグネット式ウオータポンプのインナ部材を
取り付ける開口部を備えて、前記内燃機関のケースの内
部を油密に保持し、前記マグネット式ウオータポンプの
アウタ部材は、前記回転体の軸部に連結され、前記マグ
ネット式ウオータポンプのインナ部材は、外部に冷却水
入出口を備え、内部にインナヨークとインペラとを一体
に備えたことを特徴とする内燃機関のウオータポンプ構
造である。
【0011】請求項2に記載された発明は、前記のよう
に構成されているので、両軸受開口を覆い、内燃機関の
ケースの内部を油密に保持するカバー部材が、回転体の
軸部が貫通する軸受開口を囲んでケースの一側の外面上
に形成される室の開口部に被着され、該室に臨んでマグ
ネット式ウオータポンプのインナ部材を取り付ける開口
部を備え、該マグネット式ウオータポンプのインナ部材
は、外部に冷却水入出口を備え、内部にインナヨークと
インペラとを一体に備えるようにされている。
【0012】この結果、マグネット式ウオータポンプの
インナ部材は、ポンプ部品のうちの過半の部品を具備し
つつ、これらを一体としてカバー部材に外部から直接取
り付けることができるので、マグネット式ウオータポン
プの組付性が向上する。
【0013】また、カバー部材は、空間(内燃機関のケ
ースの内部)の閉鎖・密封部材としての機能と、部品
(マグネット式ウオータポンプのインナ部材)の取付け
部材としての機能との2つの機能を兼備しているので、
部品を共通化することができて、部品点数と加工工数を
削減し、製作コストを低減することができる。
【0014】また、マグネット式ウオータポンプのアウ
タ部材が、内燃機関のクランクシャフトによって駆動さ
れる回転体の軸部に連結され、この回転体の軸部は、内
燃機関のケースの一側を貫通してケース外に突出してい
るので、アウタ部材は、内燃機関のケース内部の潤滑油
中に没することがない。これにより、内燃機関内部の摩
耗粉や切削粉がマグネット式ウオータポンプのアウタヨ
ークに付着することがなくなり、マグネット式ウオータ
ポンプの信頼性が向上する。
【0015】さらに、請求項3記載のように請求項1ま
たは請求項2記載の発明を構成することにより、回転体
は、内燃機関のクランク回転を減速して回転する補機回
転体とされる。
【0016】この結果、ウオータポンプの駆動のための
専用の回転軸が不要になるので、ウオータポンプの駆動
構造が簡単化されて、スペースを節約することができ、
部品点数および加工工数をさらに削減して、製作コスト
をさらに低減することができる。
【0017】また、アウタ部材は、内燃機関のクランク
回転を減速して回転する補機回転体の軸部に連結される
ことになるので、アウタ部材に備えられるアウタヨーク
の回転が減速されて、インナヨークの滑り現象を低減す
ることができる。これにより、マグネット式ウオータポ
ンプのポンプ性能およびラジエータの冷却性能が向上し
て、内燃機関の高回転化を図ることができる。
【0018】以下、図1ないし図4に図示される本願の
請求項1ないし請求項3に記載された発明の一実施形態
について説明する。図1は、本実施形態におけるウオー
タポンプ構造が適用される内燃機関を含むパワーユニッ
トの概略左側面図、図2は、図1のII−II線矢視縦
断面図、図3は、図2の要部拡大図、図4は、図1のI
V−IV線矢視縦断面図である。
【0019】図1において、本実施形態におけるウオー
タポンプ構造が適用される内燃機関2を含むパワーユニ
ット1は、スクータ型自動2輪車に搭載され、頭上弁
(OHV)式の内燃機関2と動力伝達装置3とが一体化
され、内燃機関2のシリンダヘッド4とシリンダブロッ
ク5とは、図示されないボルトでもって相互に一体に結
合されている。図1においては、スクータ型自動2輪車
の後輪14のみが図示されている。
【0020】また、図2および図4に図示されるよう
に、内燃機関2のクランクケースと、動力伝達装置3の
ミッションケースとを前後方向に一体化したパワーユニ
ットケース6は、車幅方向にわたって左パワーユニット
ケース部6a と、中央パワーユニットケース部6b と、
右パワーユニットケース部6c とに3分割され、これら
も、図示されないボルトでもって一体に結合され、しか
も、シリンダブロック5とパワーユニットケース6も、
図示されないボルトでもって一体に結合されている。
【0021】内燃機関2のシリンダブロック5に摺動自
在に嵌装されているピストン7は、パワーユニットケー
ス6に回転自在に枢支されているクランクシャフト8に
コネクティングロッド9を介して連結されており、ピス
トン7の往復動によって、クランクシャフト8は回転駆
動されるようになっている。
【0022】動力伝達装置3は、遠心クラッチ10と、チ
ェンジクラッチ11と、歯車変速装置12と、歯車変速装置
12の出力軸たる車軸13とからなり、該車軸13には、後車
輪14のハブ15が一体に装着され、該ハブ15から半径方向
に延出させられたスポーク16は、左方に向って大きく湾
曲し、車軸13の右端には、ボール軸受17を介して図示さ
れない右側緩衝器のクッションロアブラケット18が連結
されている。
【0023】クランクシャフト8と一体の減速ドライブ
歯車8a は、遠心クラッチ10のプライマリ軸10a と一体
の減速ドリブン歯車10b に噛み合い、該遠心クラッチ10
の出力軸10c と一体の出力歯車10d は、チェンジクラッ
チ11の入力部材11a と一体の入力歯車11b に噛み合って
いる。
【0024】チェンジクラッチ11のメイン軸11c は、歯
車変速装置12の減速歯車群19、カウンタ軸20およびファ
イナル歯車21を介してファイナル軸たる車軸13に接続さ
れており、減速歯車群19の選択的な噛合により、所定の
減速比で車軸13が回転駆動されるようになっている。
【0025】減速歯車群19の噛合の選択は、次のように
して行なわれる。すなわち、図1に図示されるように、
メイン軸11c 上の各歯車およびカウンタ軸20上の各歯車
には、シフトフォーク60が係合されており、該シフトフ
ォーク60は、シフトドラム61によって切換え駆動され
る。
【0026】このシフトドラム61は、シフト機構62を介
してシフトモータ63に連結されており、該シフトモータ
63の間欠的回転駆動により、シフト機構62が一段ずつシ
フトアップまたはシフトダウンされる。
【0027】シフト機構62のシフトアップまたはシフト
ダウンにより、シフトドラム61が間欠的に回転駆動され
て、シフトフォーク60の切換え駆動が行なわれる。この
シフトフォーク60の切換え駆動により、メイン軸11c 上
の歯車とカウンタ軸20上の歯車との噛合の組合せが変更
されて、所望の減速比が達成されるようになっている。
【0028】クランクシャフト8の右端部には、図2及
び図4に図示されるように、発電機22のロータ22a が一
体に嵌着されており、発電機22のステータ22b は、パワ
ーユニットケース6の右パワーユニットケース部6c に
一体に取付けられている。
【0029】左パワーユニットケース部6a と中央パワ
ーユニットケース部6b とで囲まれた左側クランクケー
ス室23内には、クランクシャフト8とピストン7との枢
着部たる大端部25と、クランクウェイト8b と、遠心ク
ラッチ10と、チェンジクラッチ11とが配置され、また、
中央パワーユニットケース部6b と右パワーユニットケ
ース部6c とで囲まれた右側クランクケース室24内に
は、クランクシャフト8の減速ドライブ歯車8a と、遠
心クラッチ10の減速ドリブン歯車10b と、歯車変速装置
12とが配置されている。
【0030】パワーユニットケース6の右パワーユニッ
トケース部6c の右側には、車軸13の弯曲したスポーク
16に隣接するように形成された膨出カバー26が一体に取
付けられ、右パワーユニットケース部6c の車軸枢支筒
状部6d には、膨出カバー26の孔26a が嵌合され、発電
機22は、右パワーユニットケース6c と膨出カバー26と
で密閉されている。
【0031】後車輪14のハブ15の左側には、ブレーキド
ラム27が形成され、該ブレーキドラム27の内周面に相対
して、ブレーキシュー28が配置され、図4に図示される
ように、該ブレーキシュー28は、アンカーピン29を介し
てブレーキカムレバー30に揺動自在に枢支されており、
図示されないブレーキレバーに連結されたブレーキカム
レバー30が制動方向に揺動すると、図示されないカムに
よって、ブレーキシュー28は、ブレーキドラム27の内周
面に圧接され、また、ブレーキカムレバー30が制動方向
と反対方向に揺動すると、ブレーキドラム27の内周面か
ら離隔されるようになっている。
【0032】ウオータポンプ構造は、次のようにして構
成されている。本実施形態において使用されるウオータ
ポンプ31は、マグネット式ウオータポンプであり、図2
および図3に図示されるように、パワーユニットケース
6の左パワーユニットケース部6a の左側面に油密に取
り付けられ、アウタ部材35とインナ部材56との組立体と
して構成されている。
【0033】ウオータポンプ31が左パワーユニットケー
ス部6a の左側面に取り付けられる位置には、動弁機構
の構成要素であるタイミングカム(補機回転体)32の軸
部であるカム軸32a の左右両端部が、左パワーユニット
ケース部6a と中央パワーユニットケース部6b との各
軸受開口部にボール軸受33、34を介して軸受けされて支
持されており、このうち、カム軸32a の左端部は、左パ
ワーユニットケース部6a を貫通していて、その端面に
穿設された孔には、マグネット式ウオータポンプ31のア
ウタ部材35の回転軸部が嵌着されて、カム軸32a が回転
すると、これと一体にアウタ部材35が回転するようにな
っている。
【0034】アウタ部材35の回転軸部は、カム軸32a の
左端部の端面に穿設された孔にセレーション噛合して嵌
着されているが、これに限定されず、ボルト連結により
固着されてもよく、また、カム軸32a と一体に成形され
てもよい。
【0035】また、ボール軸受33は、シール機能を有す
るシール軸受とすることにより、特別にメカニカルシー
ルやオイルシール等を用いなくとも、パワーユニットケ
ース6内部の潤滑油中の摩耗粉や切削粉が外部に漏出す
ることはなく、したがって、アウタ部材35が内部に一体
に備えるアウタヨーク35a に摩耗粉や切削粉が付着する
ことはない。アウタヨーク35a は、アウタ部材35の外殻
体の内周に周方向にN、S極を交互にして固定された複
数個の永久磁石により構成されている。
【0036】タイミングカム32は、クランクシャフト8
の回転を2分の1に減速して回転して、バルブリフタ36
を介してプッシュロッド37を上下動させる。プッシュロ
ッド37は、ロッカーアーム38を揺動させる。そして、こ
のロッカーアーム38の揺動により、吸気弁39および排気
弁40が所定のタイミングで開閉駆動される( 図1、図2
参照)。
【0037】タイミングカム32のカム軸32a の左端部お
よびクランクシャフト8の左端部が左パワーユニットケ
ース部6aを貫通する部分には、これらの部分を一体に
包囲するようにして、囲壁41が左パワーユニットケース
部6aの外壁面に突設されている。この囲壁41は、アウ
タ部材35の周囲を独立的に包囲することができる部分を
備えていて、囲壁41のこの部分により、アウタ部材35の
過半部分を受け入れることができる室(凹部空間)57が
形成されている。
【0038】タイミングカム32のカム軸32a の左端部お
よびクランクシャフト8の左端部が左パワーユニットケ
ース部6aを貫通する部分の上方を覆い、囲壁41の開口
部を塞ぐようにして、カバー部材42が配設されている。
このカバー部材42は、囲壁41の端面に合致する合わせ面
を備えており、この合わせ面が囲壁41の端面に合わせら
れて、図示されないボルトにより連結されることによ
り、カバー部材42が囲壁41に一体に油密に取り付けられ
ている。
【0039】カバー部材42には、タイミングカム32のカ
ム軸32a の左端部および該左端部に一体に取り付けられ
たマグネット式ウオータポンプ31のアウタ部材35が臨む
開口部42a が形成されており、この開口部42a には、こ
の開口部42a を塞ぐようにして、マグネット式ウオータ
ポンプ31のインナ部材56が油密に取り付けられている。
【0040】このインナ部材56は、樹脂製の隔壁43と、
外側カバー44と、これら隔壁43と外側カバー44とにより
形成される室内に回転自在に収容されたインペラ45と、
該インペラ45と一体のインナヨーク46とにより構成され
ている。インナヨーク46は、インペラ45の軸部の外周に
周方向にN、S極を交互にして固定された複数個の永久
磁石により構成されている。外側カバー44には、冷却水
入口47と、該冷却水入口47と周方向に位相をずらせて、
冷却水出口64とがそれぞれ形成されている。
【0041】隔壁43、外側カバー44、インペラ45および
インナヨーク46は、予め小組されていて、これらが一体
として、マグネット式ウオータポンプ31のインナ部材56
を構成している。インナ部材56がカバー部材42の開口部
42a を塞ぐようにして該開口部42a に油密に取り付けら
れるときには、隔壁43と外側カバー44とは、図示されな
いボルトにより共締めされる。
【0042】したがって、タイミングカム32のカム軸32
a の左端部およびクランクシャフト8の左端部が左パワ
ーユニットケース部6a を貫通する部分においては、カ
バー部材42が囲壁41に一体に取り付けられ、カバー部材
42の開口部42a がインナ部材56により塞がれることによ
り、内燃機関2の内部および動力伝達装置3の内部の油
密が図られている。
【0043】隔壁43は、アウタ部材35に一体に取り付け
られたアウタヨーク35a とインナ部材56内のインペラ45
に一体に取り付けられたインナヨーク46とを対向させて
隔離する。これにより、インナ部材56のインナヨーク46
収容部分は、アウタ部材35により包囲され、マグネット
式ウオータポンプ31のヨーク部分(アウタヨーク35aと
インナヨーク46とが配置される部分)の略過半の部分が
室(凹部空間)57内に収容される。
【0044】アウタヨーク35a とインナヨーク46との前
記のような配置により、アウタ部材35がカム軸32a と一
体に回転したときには、アウタヨーク35a を構成する永
久磁石とインナヨーク46を構成する永久磁石との間に働
く磁力により、インナヨーク46を構成する永久磁石が回
転され、インペラ45はアウタ部材35に随伴して回転し
て、マグネット式ウオータポンプ31が駆動されるように
なっている。
【0045】このようにして、マグネット式ウオータポ
ンプ31により昇圧された冷却水は、冷却水出口64から冷
却水導管48を経て、シリンダヘッド4とシリンダブロッ
ク5とにまたがって形成されたウォータジャケット49に
入り、燃焼室回りを冷却して、冷却水導管50を経てラジ
エータ51に導かれる。
【0046】ラジエータ51において放熱して冷却された
冷却水は、次いで、冷却水導管52、冷却水入口47を経て
マグネット式ウオータポンプ31に還流される。なお、53
はサーモスタットであって、冷却水温度が所定の温度に
到達するまでは、冷却水がウオータポンプ31とウォータ
ジャケット49との間の閉鎖回路を循環するようにされて
いる。
【0047】クランクシャフト8の左端部は、左パワー
ユニットケース部6a の軸受開口部を貫通し、さらに、
その小径部8c がカバー部材42を貫通している。そし
て、この小径部8c の端部には、詳細には図示されてい
ないが、トロコイド式オイルポンプ54のインナロータが
固着されている。
【0048】オイルポンプ54のインナロータおよびアウ
タロータは、カバー部材42の外面に穿設された凹部42b
に収容され、カバー55により密閉されている。クランク
シャフト8には、オイルポンプ54の吐出口に連通するオ
イル通路8d が形成されている。
【0049】本実施形態は、前記のように構成されてい
るので、さらに、次のような効果を奏することができ
る。マグネット式ウオータポンプ31のインナ部材56が、
その外部の外側カバー44に冷却水入口47および出口64を
備え、該外側カバー44と内部の隔壁43とにより形成され
る内部空間にインナヨーク46とインペラ45とを一体に備
えて、内燃機関2および動力伝達装置3のケース(パワ
ーユニットケース)6の内部を油密に覆うカバー部材42
の開口部42a の端壁に支持されて取り付けられている。
【0050】この結果、マグネット式ウオータポンプ31
のインナ部材56は、ポンプ部品のうちの過半の部品を具
備しつつ、これらを一体としてカバー部材42に外部から
直接取り付けることができるので、マグネット式ウオー
タポンプ31の組付性が向上する。
【0051】また、カバー部材42は、空間(パワーユニ
ットケース6の内部空間)の閉鎖部材としての機能と、
部品(マグネット式ウオータポンプ31のインナ部材56、
オイルポンプ54)の取付け部材もしくは設置部材として
の機能との2つの機能を兼備しているので、部品を共通
化することができて、部品点数と加工工数を削減し、製
作コストを低減することができる。
【0052】また、マグネット式ウオータポンプ31のア
ウタ部材35が、内燃機関2によって駆動されるタイミン
グカム(補機回転体)32のカム軸32a に連結され、この
タイミングカム32のカム軸32a は、パワーユニットケー
ス6の左パワーユニットケース部6aを貫通してケース
6外に突出しているので、アウタ部材35は、ケース6内
部の潤滑油中に没することがない。
【0053】この結果、内燃機関2の内部の摩耗粉や切
削粉がマグネット式ウオータポンプ31のアウタ部材35に
備えられるアウタヨーク35a に付着することがなく、マ
グネット式ウオータポンプ31の信頼性が向上する。
【0054】さらに、マグネット式ウオータポンプ31の
アウタ部材35は、タイミングカム32のカム軸32a に連結
されて、これと一体に回転するので、マグネット式ウオ
ータポンプ31の駆動のための専用の回転軸が不要にな
り、マグネット式ウオータポンプ31の駆動構造が簡単化
されて、スペースを節約することができる。また、これ
により、部品点数および加工工数をさらに削減して、製
作コストをさらに低減することができる。
【0055】また、アウタ部材35は、内燃機関2のクラ
ンク回転を2分の1に減速して回転するタイミングカム
32のカム軸32a に連結されているので、アウタ部材35に
備えられるアウタヨーク35a の回転が減速されて、イン
ナヨーク46の滑り現象を低減することができる。これに
より、マグネット式ウオータポンプ31のポンプ性能およ
びラジエータ51の冷却性能が向上して、内燃機関2の高
回転化を図ることができる。
【0056】また、マグネット式ウオータポンプ31のイ
ンナ部材56は、その構成要素である隔壁43、外側カバー
44、インペラ45およびインナヨーク46が予め小組され
て、一体に結合されて構成されているので、ウオータポ
ンプ31とラジエータ51とを連結する冷却水導管48、50、
52が可撓性を有するホースによって構成される場合、内
燃機関2の整備時には、ホースを組み付けたまま冷却系
を内燃機関2から取り外すことができ、冷却系の水抜
き、エアー抜き等の作業性を改善することができる。
【0057】さらに、マグネット式ウオータポンプ31
は、クランクシャフト8の左端部側に設けられ、発電機
22は、クランクシャフト8の右端部側に設けられている
ので、マグネット式ウオータポンプ31は、発電機22の磁
界の影響を受けることがなく、クランクシャフト8に近
づけて配置することができるので、内燃機関を小型化す
ることができる。
【0058】本実施形態においては、小型車両としてス
クータ型自動2輪車について説明したが、小型車両はこ
れに限定されず、鞍乗り型自動3輪車や荒地走行用のバ
ギー車にも、本願の発明は適用可能である。
【0059】また、本実施形態において、内燃機関2
は、頭上弁(OHV)式内燃機関とされたが、これに限
定されず、頭上カム(OHC)式内燃機関とされてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の請求項1および請求項2に記載された発
明の一実施形態におけるウオータポンプ構造が適用され
る内燃機関を含むパワーユニットの概略左側面図であ
る。
【図2】図1のII−II線矢視縦断面図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】図1のIV−IV線矢視縦断面図である。
【符号の説明】
1…パワーユニット、2…内燃機関、3…動力伝達装
置、4…シリンダヘッド、5…シリンダブロック、6…
パワーユニットケース、6a …左パワーユニットケース
部、6b …中央パワーユニットケース部、6c …右パワ
ーユニットケース部、6d …車軸枢支筒状部、7…ピス
トン、8…クランクシャフト、8a …減速ドライブ歯
車、8b …クランクウェイト、8c …小径部、8d …オ
イル通路、9…コネクティングロッド、10…遠心クラッ
チ、10a …プライマリ軸、10b …減速ドリブン歯車、10
c …出力軸、10d …出力歯車、11…チェンジクラッチ、
11a…入力部材、11b …入力歯車、11c …メイン軸、12
…歯車変速装置、13…車軸、14…後車輪、15…ハブ、16
…スポーク、17…ボール軸受、18…クッションロアブラ
ケット、19…減速歯車群、20…カウンタ軸、21…ファイ
ナル歯車、22…発電機、22a …ロータ、22b …ステー
タ、23…左側クランクケース室、24…右側クランクケー
ス室、25…大端部、26…膨出カバー、26a …孔、27…ブ
レーキドラム、28…ブレーキシュー、29…アンカーピ
ン、30…ブレーキカムレバー、31…ウオータポンプ(冷
却水ポンプ)、32…タイミングカム(補機回転体)、32
a …カム軸、33、34…ボール軸受、35…アウタ部材、35
a …アウタヨーク(永久磁石)、36…バルブリフタ、37
…プッシュロッド、38…ロッカーアーム、39…吸気弁、
40…排気弁、41…囲壁、42…カバー部材、42a …開口
部、42b …凹部、43…隔壁、44…外側カバー、45…イン
ペラ、46…インナヨーク(永久磁石)、47…冷却水入
口、48…冷却水導管、49…ウォータジャケット、50…冷
却水導管、51…ラジエータ、52…冷却水導管、53…サー
モスタット、54…オイルポンプ、55…カバー、56…イン
ナ部材、57…室(凹部空間)、60…シフトフォーク、61
…シフトドラム、62…シフト機構、63…シフトモータ、
64…冷却水出口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 49/10 H02K 49/10 A (72)発明者 平山 周二 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D011 AF04 AG01 AH02 AL13 AL31 5H649 BB02 GG09 GG13 GG16 HH09 HH13 HH16 JK02 JK04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関本体に、マグネット式ウオータ
    ポンプが取り付けられてなる内燃機関のウオータポンプ
    構造において、 前記内燃機関によって駆動される回転体の軸部が前記内
    燃機関のケースを貫通し、その貫通部分の上方を覆っ
    て、カバー部材が配設され、 前記カバー部材は、前記内燃機関のケースの内部を油密
    に覆うとともに、前記回転体の軸部が臨む開口部を備
    え、 前記マグネット式ウオータポンプのアウタ部材は、前記
    回転体の軸部に連結され、 前記マグネット式ウオータポンプのインナ部材は、外部
    に冷却水入出口を備え、内部にインナヨークとインペラ
    とを一体に備えて、前記カバー部材の開口部に支持され
    て取り付けられたことを特徴とする内燃機関のウオータ
    ポンプ構造。
  2. 【請求項2】 内燃機関本体に、マグネット式ウオータ
    ポンプが取り付けられてなる内燃機関のウオータポンプ
    構造において、 前記内燃機関のケースの一側には、前記内燃機関のクラ
    ンクシャフトが貫通する軸受開口および前記クランクシ
    ャフトによって駆動される回転体の軸部が貫通する軸受
    開口がそれぞれ形成され、 前記回転体の軸部が貫通する軸受開口を囲んで、前記ケ
    ースの一側の外面上には、前記マグネット式ウオータポ
    ンプのヨーク部分を少なくとも部分的に収容する室が形
    成され、 前記両軸受開口を覆うカバー部材が、前記室の開口部に
    被着され、前記室に臨んで前記マグネット式ウオータポ
    ンプのインナ部材を取り付ける開口部を備えて、前記内
    燃機関のケースの内部を油密に保持し、 前記マグネット式ウオータポンプのアウタ部材は、前記
    回転体の軸部に連結され、 前記マグネット式ウオータポンプのインナ部材は、外部
    に冷却水入出口を備え、内部にインナヨークとインペラ
    とを一体に備えたことを特徴とする内燃機関のウオータ
    ポンプ構造。
  3. 【請求項3】 前記回転体は、前記内燃機関のクランク
    回転を減速して回転する補機回転体とされたことを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の内燃機関のウオー
    タポンプ構造。
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