JP2000257408A - 内燃機関のカム機構 - Google Patents

内燃機関のカム機構

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JP2000257408A
JP2000257408A JP11063472A JP6347299A JP2000257408A JP 2000257408 A JP2000257408 A JP 2000257408A JP 11063472 A JP11063472 A JP 11063472A JP 6347299 A JP6347299 A JP 6347299A JP 2000257408 A JP2000257408 A JP 2000257408A
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JP
Japan
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cam
lift
sub
exhaust
internal combustion
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JP11063472A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Hamaguri
稔章 蛤
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Gears, Cams (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部EGR等のために行う吸排気バルブのサ
ブリフトに起因したカムトルク変動を低減できる内燃機
関のカム機構の提供。 【解決手段】 排気バルブのサブリフトにおける正トル
クが最大の位置と、他の気筒でのメインリフトの負トル
クの絶対値が最大の位置とを重ねていることにより、カ
ムトルクにおいて実線で図示するごとく負トルクの絶対
値を小さくすることができる。したがって、ピストンと
の干渉を避けたサブリフトによる内部EGR等が可能と
なると共に、カムトルク変動が小さくなるので、カムト
ルク変動に起因したカム機構のバックラッシュに基づく
騒音や内燃機関の回転変動の発生を抑制することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の吸気バ
ルブと排気バルブとの一方または両方のバルブを開閉駆
動するためのカム機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関の1サイクルにおいて排
気バルブを一度閉じた後に再度開くことにより、ピスト
ンとの干渉を避けて、排気バルブの開期間を長くして内
部EGR(排気再循環)を行う技術が検討されている。
例えば、4気筒の内燃機関における排気バルブの例を図
23(a)に示す。この4つの排気バルブのリフトパタ
ーンに示すごとく、一旦、排気バルブを閉じた後に再度
2回目を開く手法である。このように一旦閉じてピスト
ンとの干渉を避けた後に再度2回目を開くことにより、
内燃機関の運転状態に応じた内部EGRの自由度を高く
して、燃費やエミッションなどの向上を図ろうとするも
のである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ピストンとの
干渉が無くなった時点で一旦閉じた排気バルブを開けた
場合、カムトルク上、不利な状態になるおそれがある。
すなわち、図23(b)のカムトルクパターンに示すご
とく、2回目のリフト(以下、「サブリフト」と称す
る)のリフト低下側では、排気バルブ側からの反力によ
り排気カムには負のトルクを生じる。
【0004】この負トルクが、他のカムにおける1回目
のリフト(以下、「メインリフト」と称する)のリフト
低下側による負トルクと重複して合成されることで負側
へのトルク変動が増幅されて、排気バルブ用カムシャフ
トに大きな負トルクのピークを生じることがある。
【0005】このような大きな負トルクピークは、カム
シャフトに取り付けられた各種機構例えば、タイミング
スプロケットや可変バルブ特性装置のギヤなどにおける
バックラッシュにより、大きな歯打音を発生させる原因
ともなる。更に、このようなトルク変動が増幅されるこ
とにより、内燃機関自身の回転変動を引き起こすおそれ
がある。
【0006】また、負トルクピークばかりでなく、サブ
リフトに伴う正トルクが他のカムにおけるメインリフト
ピーク時の正トルクピークと重複した場合には、正トル
クピークが過大となる。このような場合にも、トルク変
動が増幅され、内燃機関自身の回転変動を引き起こすお
それがある。
【0007】本発明は、このようなサブリフトによるカ
ムトルク上の問題点を解決してトルク変動の低減を可能
とする内燃機関のカム機構の提供を目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の内燃機関
のカム機構は、1つのカムシャフトまたは連動する複数
のカムシャフトに配置されて吸気バルブと排気バルブと
の一方または両方のバルブを開閉駆動する複数のカムが
設けられた内燃機関のカム機構であって、前記カムにお
けるリフトパターンはメインリフト以外にサブリフトを
有すると共に、該サブリフトは、他のカムのメインリフ
トにより生じるカムトルク変動が前記サブリフトにより
生じる逆方向のカムトルク変動により相殺される位相に
設定されていることを特徴とする。
【0009】このように、本請求項のカム機構において
は、サブリフトは、他のカムのメインリフトにより生じ
るカムトルク変動がサブリフトにより生じる逆方向のカ
ムトルク変動により相殺される位相に設定されている。
このことにより、サブリフトは他のカムのメインリフト
によるカムトルク変動を増幅させることがない。したが
って、内燃機関の回転変動を生じたり、サブリフトを設
けても大きな歯打音を発生させたりすることが無い。
【0010】しかも、サブリフトによりトルク変動を相
殺させているので、サブリフトが存在しない場合よりも
カムトルク変動を更に低減することができ、一層顕著
に、内燃機関の回転変動防止や歯打音低減の効果を上げ
ることができる。
【0011】請求項2記載の内燃機関のカム機構は、請
求項1記載の構成に対して、同一カムシャフト内または
連動する異なるカムシャフト間のカムにおいて、カムの
サブリフトは、他のカムのメインリフトにより生じる負
のカムトルクピークが前記サブリフトにより生じる正の
カムトルクにより相殺される位相に設定されていること
を特徴とする。
【0012】より具体的には、本請求項2に示すごと
く、カムのサブリフトにより生じる正のカムトルクによ
り、他のカムのメインリフトにより生じる負のカムトル
クピークを相殺する。このようにすると、メインリフト
により生じる負のカムトルクピークを従来よりも低くで
きるので、カムトルク変動を低減でき、請求項1に述べ
たごとく、効果的な歯打音の低減および内燃機関の回転
変動の低減を実現することができる。
【0013】請求項3記載の内燃機関のカム機構は、請
求項1記載の構成に対して、同一カムシャフト内または
連動する異なるカムシャフト間のカムにおいて、カムの
サブリフトは、他のカムのメインリフトにより生じる正
のカムトルクピークが前記サブリフトにより生じる負の
カムトルクにより相殺される位相に設定されていること
を特徴とする。
【0014】すなわち、他のカムのメインリフトにより
生じる正のカムトルクピークをサブリフトにより生じる
負のカムトルクにより相殺する。このようにすると、メ
インリフトにより生じる正のカムトルクピークを従来よ
りも低くできるので、カムトルク変動を低減でき、請求
項1に述べたごとく、効果的な内燃機関の回転変動の低
減を実現することができる。
【0015】請求項4記載の内燃機関のカム機構は、請
求項2または3記載の構成に対して、前記カムシャフト
は排気バルブ用カムシャフトであり、前記サブリフトは
メインリフトにおけるバルブ閉じ側に設定されているこ
とを特徴とする。
【0016】このように、サブリフトはメインリフトに
おけるバルブ閉じ側に設定することにより、排気バルブ
用カムシャフトに請求項2または3の構成を適用するこ
とができる。このことにより請求項2または3の作用効
果を生じさせることができる。
【0017】請求項5記載の内燃機関のカム機構は、請
求項2または3記載の構成に対して、前記カムシャフト
は吸気バルブ用カムシャフトであり、前記サブリフトは
メインリフトにおけるバルブ開き側に設定されているこ
とを特徴とする。
【0018】このように、サブリフトはメインリフトに
おけるバルブ開き側に設定することにより、吸気バルブ
用カムシャフトに請求項2または3の構成を適用するこ
とができる。このことにより請求項2または3の作用効
果を生じさせることができる。
【0019】請求項6記載の内燃機関のカム機構は、請
求項1〜5のいずれか記載の構成に対して、前記カムに
おける前記サブリフトの大きさが変更可能であることを
特徴とする。
【0020】この構成により、内燃機関の運転状態によ
ってサブリフトを低くしたり無くしたりする必要性に対
応できる。すなわち、内燃機関の高速回転時やアイドル
時では、サブリフトを低くしたりサブリフトを無くして
EGR過多等を防止することができる。そして、適切な
内部EGR等が必要になれば、サブリフトを発生させた
り高めたりして内燃機関の運転状態に対応させることが
できる。そして、このような機能を内燃機関の回転変動
低減や歯打音低減を伴って実現できる。
【0021】請求項7記載の内燃機関のカム機構は、請
求項6記載の構成に対して、前記カムは、カムプロフィ
ールが回転軸方向にて前記サブリフトが存在するリフト
パターンと前記サブリフトが存在しないまたは低いリフ
トパターンとの間で連続的に変化している3次元カムと
して構成され、該3次元カムの回転軸方向の位置を調整
することで、前記サブリフトの大きさが無段階に変更可
能であることを特徴とする。
【0022】このように、サブリフトの大きさを変更す
る構成として、カムプロフィールが回転軸方向にて前記
2種のリフトパターンの間で連続的に変化している3次
元カムを採用することが挙げられる。このような3次元
カムの回転軸方向の位置を調整することで、3次元カム
による吸気バルブと排気バルブとの一方または両方のサ
ブリフトの大きさを無段階に変更することができる。し
たがって内燃機関の運転状態に応じて精密なサブリフト
の調整が可能となり、前述した請求項6の作用効果を一
層顕著なものにできる。
【0023】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は、上述し
た発明が適用された内燃機関としてのエンジン11の概
略構成図である。エンジン11は直列4気筒の車載用ガ
ソリンエンジンである。本エンジン11は、往復移動す
る4つピストン12が配置されたシリンダブロック13
と、シリンダブロック13の下側に設けられたオイルパ
ン13aと、シリンダブロック13の上側に設けられた
シリンダヘッド14とを備えている。
【0024】このエンジン11の下部には出力軸である
クランクシャフト15が回転可能に支持され、このクラ
ンクシャフト15にはコンロッド16を介して4つのピ
ストン12が連結されている。そして、各ピストン12
の往復移動は、そのコンロッド16によって、クランク
シャフト15の回転へと変換される。また、各ピストン
12の上側には燃焼室17が設けられ、この各燃焼室1
7には吸気通路18および排気通路19が接続されてい
る。そして、吸気通路18と燃焼室17とは各2つの吸
気バルブ20により連通・遮断され、排気通路19と燃
焼室17とは各2つの排気バルブ21により連通・遮断
される。
【0025】一方、シリンダヘッド14には、各1本の
吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト23
が平行に配置され、それぞれ回転可能に支持されてい
る。吸気側カムシャフト22の一端部にはタイミングス
プロケット24が取り付けられている。また、排気側カ
ムシャフト23の一端部にはタイミングスプロケット2
5が取り付けられている。このタイミングスプロケット
24,25は、タイミングチェーン26を介して、クラ
ンクシャフト15に取り付けられたスプロケット15a
に連結されている。そして、出力軸としてのクランクシ
ャフト15の回転はスプロケット15aおよびタイミン
グチェーン26を介して、タイミングスプロケット2
4,25に伝達される。このことによって吸気側カムシ
ャフト22および排気側カムシャフト23は、クランク
シャフト15の回転に同期して、クランクシャフト15
の2回転に対して1回転する。
【0026】吸気側カムシャフト22には、吸気バルブ
20の上端に設けられたバルブリフタ20aに当接する
吸気カム27が設けられている。また排気側カムシャフ
ト23には、排気バルブ21の上端に設けられたバルブ
リフタ21aに当接する排気カム28が設けられてい
る。そして、クランクシャフト15に同期して吸気側カ
ムシャフト22が回転すると、吸気カム27のカムプロ
フィールに応じて吸気バルブ20が開閉駆動され、排気
側カムシャフト23が回転すると、排気カム28のカム
プロフィールに応じて排気バルブ21が開閉駆動され
る。
【0027】ここで、吸気カム27のカムプロフィール
は図2の斜視図および図3のプロフィール説明図に示す
ごとくノーズ27bが1つである。このため図6のリフ
トパターンに破線で示すごとく、エンジン11の1サイ
クルで1回のリフトが行われて1つのリフトピークPが
存在する。
【0028】排気カム28のカムプロフィールは、図4
の斜視図および図5のプロフィール説明図に示すごとく
である。なお、破線の円はリフト量ゼロの位置を示して
いる。図示されているごとく、排気カム28のカムプロ
フィールには、メインノーズ28bとサブノーズ28c
とが存在する。サブノーズ28cはメインノーズ28b
におけるバルブ閉じ側に設けられている。このため、図
6のリフトパターンに実線で示すごとく、メインノーズ
28bによる排気バルブ21のメインリフトが終了した
後、吸気バルブ20が開いて吸気がなされている期間
に、サブノーズ28cによる排気バルブ21のサブリフ
トが実行される。したがって、排気バルブ21のリフト
パターンには、1サイクル内にメインリフトピークMP
とサブリフトピークSPとが存在する。
【0029】更に、この排気カム28のサブノーズ28
cによるサブリフトの位置は、図7(a)のタイミング
チャートに示すごとく、このサブリフトの増加領域(リ
フトパターンの左側)が、次の気筒のメインリフトの減
少領域(リフトパターンの右側)に重複するようにされ
ている。このことにより、次の気筒の排気バルブ21の
負トルクのピーク位置に、サブリフトによる正トルクの
ピーク位置をほぼ一致させている。
【0030】すなわち、図7(b)で示したごとく、#
1気筒のサブリフトの正トルクが最大の位置と#3気筒
のメインリフトの負トルクの絶対値が最大の位置とを重
ねている。同様に、#3気筒のサブリフトの正トルクが
最大の位置と#4気筒のメインリフトの負トルクの絶対
値が最大の位置とを重ね、#4気筒のサブリフトの正ト
ルクが最大の位置と#2気筒のメインリフトの負トルク
の絶対値が最大の位置とを重ね、#2気筒のサブリフト
の正トルクが最大の位置と#1気筒のメインリフトの負
トルクの絶対値が最大の位置とを重ねている。
【0031】以上説明した本実施の形態1によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).サブリフトの正トルクが最大の位置と他の気筒
のメインリフトの負トルクの絶対値が最大の位置とを重
ねていることにより、カムトルクにおいて図7(b)に
実線で示すごとく、負トルクの絶対値を小さくすること
ができる。
【0032】従来のごとくサブリフトの設定においてカ
ムトルクが考慮されていない場合には、図23(b)に
示したごとくメインリフトにおける負トルクの絶対値が
増幅されてしまう。しかし、本実施の形態1では、上述
したごとくカムトルクを考慮してサブリフトの位置を決
定しているので、メインリフトによる負トルクの絶対値
が増幅されることはない。
【0033】したがって、ピストン12との干渉を避け
た内部EGR等が可能となると共に、タイミングスプロ
ケット25とタイミングチェーン26とのバックラッシ
ュに基づく騒音やエンジン11の回転変動の発生を抑制
することができる。
【0034】(ロ).更に、メインリフトの負トルクは
サブリフトの正トルクにより相殺されているので、一点
鎖線で示したサブリフトが存在せずメインリフトのみの
負トルクよりも、実線で示したごとく、サブリフトが存
在する方が絶対値が小さくなる。したがって、一層効果
的にバックラッシュに基づく騒音の発生やエンジン11
の回転変動の発生を抑制することができる。
【0035】[実施の形態2]図8は、可変バルブ特性
装置125を組み込んだ実施の形態2としてのエンジン
111の概略構成説明図である。なお、図8には後述す
る制御系としての電子制御ユニット(以下「ECU」と
称する)180もブロック図で示している。
【0036】本実施の形態2が前記実施の形態1と異な
る点は、排気側カムシャフト123が回転軸方向に移動
可能にシリンダヘッド114上に支持され、可変バルブ
特性装置125にて回転軸方向の位置がエンジン111
の運転状態に応じて調整されている点である。更に、排
気カム128のにおけるカムプロフィールは、後述する
ごとくカム面において排気側カムシャフト123の回転
軸方向(矢印S方向)に連続的に変化している点であ
る。すなわち、排気カム128は3次元カムとして構成
されている。なお、可変バルブ特性装置125はECU
180により駆動されている。
【0037】これ以外の構成は、基本的には実施の形態
1と同じである。なお、特に説明のない限り、本実施の
形態2内において実施の形態1と同一の機能を有する構
成については、該当する実施の形態1の構成に付した符
号に「100」を加えた符号で示している。
【0038】次に、可変バルブ特性装置125について
図9に基づき詳しく説明する。可変バルブ特性装置12
5のタイミングスプロケット125aは、排気側カムシ
ャフト123が貫通する筒部151と、筒部151の外
周面から突出する円板部152と、円板部152の外周
面に設けられた複数の外歯153とから構成されてい
る。タイミングスプロケット125aの筒部151は、
シリンダヘッド114のジャーナル軸受114aとカム
シャフトベアリングキャップ114bに回転可能に支持
されている。そして、排気側カムシャフト123は、そ
の軸方向へ移動できるように筒部151を貫通してい
る。
【0039】また、タイミングスプロケット125aに
は排気側カムシャフト123の端部を覆うように設けら
れたカバー154が、ボルト155により固定されてい
る。カバー154の内周面において排気側カムシャフト
123の端部に対応する位置には、排気側カムシャフト
123の回転軸方向に直線状に延びる内歯157が、周
方向に沿って複数配列されて設けられている。
【0040】一方、排気側カムシャフト123の先端に
は、中空ボルト158およびピン159により、筒状に
形成されたリングギヤ162が固定されている。リング
ギヤ162の外周面には、カバー154の内歯157と
噛み合う平歯163が設けられている。この平歯163
は排気側カムシャフト123の回転軸方向へ直線状に延
びている。こうして、リングギヤ162は、カバー15
4側とは相対回転することなく、排気側カムシャフト1
23の回転軸方向に排気側カムシャフト123と共に移
動可能となっている。
【0041】このように構成された可変バルブ特性装置
125において、エンジン111の駆動によりクランク
シャフト115が回転し、その回転がタイミングチェー
ン126を介してタイミングスプロケット125aに伝
達されると、可変バルブ特性装置125を介して排気側
カムシャフト123が回転される。この排気側カムシャ
フト123の回転に伴なって排気バルブ121が開閉駆
動される。
【0042】そして、リングギヤ162が、後述する機
構により、タイミングスプロケット125a側(矢印方
向R)へ移動すると、排気側カムシャフト123も一体
となって方向Rへ移動する。このことにより、バルブリ
フタ121a上に設けられたカムフォロア121bの当
接位置は、排気カム128のカム面128aにおいて方
向R側の面から方向F側の面へ移動させることができ
る。また、リングギヤ162がカバー154側(矢印方
向F)へ移動すると、排気側カムシャフト123も一体
となって方向Fへ移動する。このことにより、カムフォ
ロア121bの当接位置は、排気カム128のカム面1
28aにおいて方向F側の面から方向R側の面へ移動さ
せることができる。
【0043】次に、可変バルブ特性装置125にあっ
て、上述したリングギヤ162の移動を油圧制御するた
めの構造について説明する。リングギヤ162の円盤状
リング部162aの外周面がカバー154の内周面に軸
方向へ摺動可能に密着されていることにより、カバー1
54の内部は、第2リフトパターン側油圧室165と第
1リフトパターン側油圧室166とに区画されている。
そして、排気側カムシャフト123の内部には、これら
第2リフトパターン側油圧室165および第1リフトパ
ターン側油圧室166にそれぞれ接続される第2リフト
パターン制御油路167および第1リフトパターン制御
油路168が通っている。
【0044】第2リフトパターン制御油路167は、中
空ボルト158の内部を通って第2リフトパターン側油
圧室165に連通するとともに、カムシャフトベアリン
グキャップ114bおよびシリンダヘッド114の内部
を通ってオイルコントロールバルブ170に接続してい
る。また、第1リフトパターン制御油路168は、タイ
ミングスプロケット125aの筒部151内の油路17
2を通って第1リフトパターン側油圧室166に連通す
るとともに、カムシャフトベアリングキャップ114b
およびシリンダヘッド114の内部を通ってオイルコン
トロールバルブ170に接続している。
【0045】一方、オイルコントロールバルブ170に
は、供給通路174および排出通路176が接続されて
いる。そして、供給通路174はオイルポンプ113b
を介してオイルパン113aに接続しており、排出通路
176は直接オイルパン113aに接続している。
【0046】オイルコントロールバルブ170は、電磁
ソレノイド170aを備えている。この電磁ソレノイド
170aの消磁状態においては、内部のポートの連通状
態により、オイルパン113a内の作動油が、図示矢印
のごとく供給通路174、オイルコントロールバルブ1
70および第1リフトパターン制御油路168を介し
て、可変バルブ特性装置125の第1リフトパターン側
油圧室166へ供給される。また、可変バルブ特性装置
125の第2リフトパターン側油圧室165内にあった
オイルは、図示矢印のごとく第2リフトパターン制御油
路167、オイルコントロールバルブ170および排出
通路176介してオイルパン113a内へ戻される。そ
の結果、カバー154内部においてリングギヤ162は
第2リフトパターン側油圧室165へ向かって移動さ
れ、排気側カムシャフト123を方向Fへ移動させる。
このことにより、カム面128aに対するカムフォロア
121bの当接位置が、図9に示されているごとく排気
カム128の方向Rの端面(以下、「後方端面」と称す
る)128c側となる。
【0047】一方、電磁ソレノイド170aが励磁され
たときには、オイルコントロールバルブ170内部のポ
ートの連通状態により、オイルパン113a内の作動油
が、図示矢印とは逆に供給通路174、オイルコントロ
ールバルブ170および第2リフトパターン制御油路1
67を介して可変バルブ特性装置125の第2リフトパ
ターン側油圧室165へ供給される。また、可変バルブ
特性装置125の第1リフトパターン側油圧室166内
にあった作動油は、図示矢印とは逆に第1リフトパター
ン制御油路168、オイルコントロールバルブ170お
よび排出通路176を介してオイルパン113a内へ戻
される。その結果、リングギヤ162が第1リフトパタ
ーン側油圧室166へ向かって移動され、カム面128
aに対するカムフォロア121bの当接位置が、排気カ
ム128の方向Fの端面(以下、「前方端面」と称す
る)128d側へ変化する。
【0048】更に、電磁ソレノイド170aへの給電を
制御し、オイルコントロールバルブ170内部のポート
間の作動油の移動を禁止すると、第2リフトパターン側
油圧室165および第1リフトパターン側油圧室166
に対して作動油の給排が行われなくなる。このため、第
2リフトパターン側油圧室165および第1リフトパタ
ーン側油圧室166内に作動油が充填保持されて、カバ
ー154に対するリングギヤ162の位置は固定され
る。その結果、カム面128aに対するカムフォロア1
21bの当接位置が維持されるので、排気バルブ121
のリフトパターンはリングギヤ162が固定されたとき
の状態に保持される。
【0049】上述したオイルコントロールバルブ170
の制御を行っているECU180は、図8に示したごと
く、CPU182、ROM183、RAM184および
バックアップRAM185等を備える論理演算回路とし
て構成されている。
【0050】ここで、ROM183は各種制御プログラ
ムや、その各種制御プログラムを実行する際に参照され
るマップ等が記憶されているメモリである。CPU18
2はROM183に記憶された各種制御プログラムに基
づいて必要な演算処理を実行する。またRAM184は
CPU182での演算結果や各センサから入力されたデ
ータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップ
RAM185はエンジン111の停止時に保存すべきデ
ータを記憶する不揮発性のメモリである。そして、CP
U182、ROM183、RAM184およびバックア
ップRAM185は、バス186を介して互いに接続さ
れるとともに、外部入力回路187および外部出力回路
188と接続されている。
【0051】外部入力回路187には、エンジン回転数
を検出するためのクランク側電磁ピックアップ190、
排気カム128のカム角および排気側カムシャフト12
3の回転軸方向の移動量を検出する排気カム側電磁ピッ
クアップ192、エンジン111の冷却水の温度を検出
する水温センサ194および車速センサ196等が接続
されている。また、外部出力回路188には、オイルコ
ントロールバルブ170が接続されている。
【0052】本実施の形態では、こうした構成のECU
180を通じて、排気バルブ121のバルブ特性制御が
行われる。即ち、ECU180は、エンジン111の運
転状態を各種センサからの検出信号に基づき検出する。
そして、この検出結果に応じてエンジン111を適切な
運転状態にするために、オイルコントロールバルブ17
0を駆動制御して排気バルブ121のリフトパターンを
調整する。このリフトパターン調整においては、排気カ
ム側電磁ピックアップ192にて排気側カムシャフト1
23の回転軸方向での位置を求める。そして、この位置
が目的とする排気バルブ121のリフトパターンを実現
するように、オイルコントロールバルブ170を介して
可変バルブ特性装置125に対するフィードバック制御
を行う。
【0053】ここで、排気カム128は、図10の斜視
図および図11のプロフィール説明図に示すごとくのカ
ムプロフィールを備えている。図11に一点鎖線で示し
た前方端面128d側では、メインノーズ128bとバ
ルブ閉じ側にサブノーズ128eとが設けられている
が、実線で示した後方端面128c側ではサブノーズ1
28eが次第に低下することにより消失している。な
お、他のプロフィールは前方端面128d側も後方端面
128c側も同じである。このようなサブノーズ128
eの存在により、前方端面128d側のカムプロフィー
ルでは、前記実施の形態1の図6にて示したごとくのサ
ブリフトが排気カム128により発生する。
【0054】しかし、後方端面128c側のカムプロフ
ィールに移るほど、サブノーズ128eが低くなりサブ
リフトが次第に小さくなる。そして最後には図12に示
すごとく排気カム128はサブリフトが生じなくなる。
【0055】このように、排気カム128において、図
11に実線と一点鎖線とで示した2種類のリフトパター
ンを表すカムプロフィールが、回転軸方向の各端面12
8c,128d側に存在し、中間においては一方のカム
プロフィールから他方のカムプロフィールへ連続的に変
化している。このことにより、オイルコントロールバル
ブ170の駆動制御により、排気バルブ121のリフト
パターンは、図12に実線で示したメインリフトピーク
MPのみの第1リフトパターンと、図6に実線で示した
メインリフトピークMPとサブリフトピークSPとの両
方が存在する第2リフトパターンとの間で、無段階にリ
フトパターンを切り替えることが可能となる。
【0056】以上説明した本実施の形態2によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).可変バルブ特性装置125と3次元カムである
排気カム128との組み合わせにより、前記実施の形態
1と同様なサブリフトを有するプロフィールとサブリフ
トを有さないプロフィールとの間で、カムプロフィール
を切り替えることができる。このため、エンジン111
の高速回転時やアイドル時あるいはこれらに近い運転状
態では、サブリフトを低くしたりあるいは完全に無くし
て内部EGR過多によるエミッション悪化等を防止する
ことができる。
【0057】そして、適切な内部EGR等が必要になれ
ば、サブリフトを発生させたり高めたりしてエンジン1
11の運転状態に対応させることができる。そして、こ
のような機能を、前記実施の形態1の(イ)および
(ロ)に述べた効果を伴って実現できる。
【0058】(ロ).3次元カムである排気カム128
は、カムプロフィールが回転軸方向にて2種のリフトパ
ターンの間で連続的に変化している。したがって、可変
バルブ特性装置125にて排気側カムシャフト123の
回転軸方向の位置を調整することで、排気カム128に
よる排気バルブ121のサブリフトの大きさを、ゼロま
で無段階に変更することができる。したがってエンジン
11の運転状態に応じて精密なサブリフトの調整が可能
となり、(イ)の効果を一層顕著に生じる。
【0059】[実施の形態3]本実施の形態3が前記実
施の形態1と異なるのは、図13の斜視図に示す排気カ
ム228のカムプロフィールであり、具体的にはサブノ
ーズ228cの位相が図14のカムプロフィールおよび
図15のリフトパターンに示すごとく異なる。これ以外
の構成は、基本的には実施の形態1と同じである。
【0060】本排気カム228のカムプロフィールにお
いて、メインノーズ228bに対するサブノーズ228
cの位相は、サブリフトの減少領域が他の気筒における
排気カム228のメインリフトの増加領域となるように
設定されている。このことにより、メインリフトにおけ
る正のカムトルクピークを低下させている。
【0061】すなわち、図16(a),(b)のタイミ
ングチャートに示すごとく、排気カム228のサブリフ
トによる負トルクの絶対値が最大となっている位置を、
他の排気カム228のメインリフトによる正トルクが最
大となっている位置に一致させている。
【0062】以上説明した本実施の形態3によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).図16(b)に示したごとく、カムトルクの
内、正トルクピークが大きくなるのを防止できる。した
がって、ピストンとの干渉を避けた内部EGR等が可能
となると共に、エンジンの回転変動を抑制できる。
【0063】(ロ).更に、本実施の形態3では、図1
6(b)に示したごとくサブリフトが存在しない場合に
生じる正トルク(一点鎖線)よりもサブリフトが存在す
る方が小さくなり、一層効果的にエンジンの回転変動を
抑制することができる。
【0064】[実施の形態4]本実施の形態4が前記実
施の形態1と異なるのは、図17の斜視図に示す排気カ
ム328のカムプロフィールである。具体的には図18
のカムプロフィールおよび図19のリフトパターンに示
すごとく、メインノーズ328bに対して前記実施の形
態1の場合と同じ位相に配置された第2サブノーズ32
8c以外に、前記実施の形態3の場合と同じ位相に配置
された第1サブノーズ328dが設けられている点であ
る。これ以外の構成は、基本的には実施の形態1と同じ
である。
【0065】本排気カム328のカムプロフィールにお
いて、メインノーズ328bに対する第1サブノーズ3
28dの位相は、この第1サブリフトの減少領域が他の
気筒における排気カム328のメインリフトの増加領域
となるように設定されている。そして、第2サブノーズ
328cの位相は、この第2サブリフトの増加領域が他
の気筒における排気カム328のメインリフトの減少領
域となるように設定されている。
【0066】すなわち、図20(a),(b)のタイミ
ングチャートに示すごとく、第1サブリフトによる負ト
ルクの絶対値が最大となっている位置を、他の排気カム
328のメインリフトによる正トルクが最大となってい
る位置に一致させている。更に、第2サブリフトによる
正トルクが最大となっている位置を、他の排気カム32
8のメインリフトによる負トルクの絶対値が最大となっ
ている位置に一致させている。
【0067】以上説明した本実施の形態4によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).実施の形態1の(イ)、(ロ)および実施の形
態3の(イ)、(ロ)の効果を生じる。
【0068】[その他の実施の形態] ・前記実施の形態1,2,4においては、排気側カムシ
ャフトにおけるバックラッシュに基づく騒音の抑制であ
ったが、同様な構成を吸気カムに適用することにより吸
気側カムシャフトにおけるバックラッシュに基づく騒音
の抑制を行ってもよい。この場合、内部EGR等のため
のサブリフトはメインリフトのバルブ開き側に設定さ
れ、前の気筒(直前に吸気行程である気筒)における吸
気カムのメインリフトに対して、その負トルクの絶対値
が最大であるタイミングに、サブリフトの正トルクの最
大のタイミングを重複させる。
【0069】このことにより、ピストンとの干渉を避け
た内部EGR等が可能となると共に、吸気側カムシャフ
トに取り付けられたタイミングスプロケットとタイミン
グチェーンとのバックラッシュあるいは可変バルブ特性
装置内部のバックラッシュに基づく騒音の抑制が可能と
なる。
【0070】・前記実施の形態3においては、排気側カ
ムシャフトのトルク変動に伴うエンジン回転変動の抑制
であったが、同様な構成を吸気カムに適用することによ
り吸気側カムシャフトのトルク変動に伴うエンジン回転
変動の抑制を行ってもよい。この場合には、サブリフト
はメインリフトのバルブ開き側に設定され、前の気筒に
おける吸気カムのメインリフトに対して、その正トルク
が最大であるタイミングに、サブリフトの負トルクの絶
対値が最大であるタイミングを重複させる。
【0071】このことにより、ピストンとの干渉を避け
た内部EGR等が可能となると共に、吸気側カムシャフ
トのトルク変動に伴うエンジン回転変動の抑制が可能と
なる。
【0072】・前記実施の形態3においては、排気カム
のプロフィールは回転軸方向で変化しないが、この代わ
りに図21に示すごとくの3次元カムとして形成した排
気カム428を用いて、可変バルブ特性装置にて回転軸
方向に位置調整を行うようにしてもよい。この排気カム
428は、実施の形態3と同じ位相にサブノーズ428
eを形成している。ただしこのサブノーズ428eは実
施の形態2の場合と同じく、回転軸方向の前方端面42
8d側では存在するが、後方端面428c側に移動する
に従い次第に低くなり最後には無くなる。
【0073】したがって、図21の構成においては、
(1).前記実施の形態3と同様なサブリフトを有する
プロフィールとサブリフトを有さないプロフィールとの
間で、プロフィールを切り替えることができる。このた
め、エンジンの高速回転時やアイドル時あるいはこれら
に近い運転状態では、サブリフトを低くしたりあるいは
完全に無くして内部EGR過多等を防止することができ
る。そして、適切な内部EGR等が必要になれば、サブ
リフトを発生させたり高めたりしてエンジンの運転状態
に対応させることができ、前記実施の形態3の(イ)お
よび(ロ)に述べた効果を生じさせることができる。
(2).3次元カムである排気カム428は、プロフィ
ールが回転軸方向にて2種のリフトパターンの間で連続
的に変化している。したがって、可変バルブ特性装置に
て排気側カムシャフト423の回転軸方向の位置を調整
することで、排気カム428によるサブリフトの大きさ
を、ゼロまで無段階に変更することができる。したがっ
て排気バルブにおいて、エンジンの運転状態に応じたサ
ブリフトの精密な調整が可能となり、(1)の効果を一
層顕著に生じる。
【0074】・また、前記実施の形態4においても、図
22に示すごとくの3次元カムとして形成した排気カム
528を用いて、可変バルブ特性装置にて回転軸方向に
位置調整を行うようにしてもよい。この排気カム528
は、実施の形態4と同じ位相に第1サブノーズ528e
と第2サブノーズ528fを形成している。これらのサ
ブノーズ528e,528fは実施の形態2の場合と同
じく、回転軸方向の前方端面528d側では存在する
が、後方端面528c側に移動するに従い次第に低くな
り最後には無くなる。
【0075】したがって、(1).前記実施の形態4と
同様な2つのサブリフトを有するプロフィールとサブリ
フトを有さないプロフィールとの間で、カムプロフィー
ルを切り替えることができる。このため、エンジンの高
速回転時やアイドル時あるいはこれらに近い運転状態で
は、2つのサブリフトを低くしたりあるいは完全に無く
して内部EGR過多等を防止することができる。そし
て、エンジンの運転状態に応じて内部EGR等を行うた
めに2つのサブリフトが存在する場合には、前記実施の
形態4の(イ)に述べた効果を生じさせることができ
る。(2).3次元カムである排気カム528は、カム
プロフィールが回転軸方向にて2種のリフトパターンの
間で連続的に変化している。したがって、可変バルブ特
性装置にて排気側カムシャフト523の回転軸方向の位
置を調整することで、排気カム428による排気バルブ
の2つのサブリフトの大きさを、ゼロまで無段階に変更
することができる。したがってエンジンの運転状態に応
じて精密な2つのサブリフトの調整が可能となり、
(1)の効果を一層顕著に生じる。
【0076】・図22の例では、2つのサブノーズ52
8e,528fの高さが回転軸方向において同様に変化
したが、2つのサブノーズ528e,528fの内で一
方のサブノーズのみ回転軸方向において変化しないよう
にしてもよい。
【0077】・前述した各実施の形態では、排気カムと
吸気カムとの一方のみにサブノーズを形成したが、排気
カムと吸気カムとの両者に前述したごとくのサブノース
を設けてカムトルク変動を低減させることができる。こ
のことにより、ピストンとの干渉を避けた状態でのバッ
クラッシュに基づく騒音の抑制やエンジン回転変動の抑
制を一層効果的なものとすることができる。
【0078】・前述した3次元カムはサブノーズのみの
高さ変更であったが、メインノーズも同時に変更するよ
うにしてエンジンの運転状態に対応させてもよい。
【0079】
【発明の効果】請求項1記載の内燃機関のカム機構にお
いては、サブリフトは、他のカムのメインリフトにより
生じるカムトルク変動がサブリフトにより生じる逆方向
のカムトルク変動により相殺される位相に設定されてい
る。このことにより、サブリフトは他のカムのメインリ
フトによるカムトルク変動を増幅させることがない。し
たがって、内燃機関の回転変動を生じたり、サブリフト
を設けても大きな歯打音を発生させたりすることが無
い。しかも、サブリフトによりトルク変動を相殺させて
いるので、サブリフトが存在しない場合よりもカムトル
ク変動を更に低減することができ、一層顕著に内燃機関
の回転変動防止や歯打音低減の効果を上げることができ
る。
【0080】請求項2記載の内燃機関のカム機構におい
ては、請求項1記載の構成に対して、他のカムのメイン
リフトにより生じる負のカムトルクピークをサブリフト
により生じる正のカムトルクにより相殺している。この
ようにすると、メインリフトにより生じる負のカムトル
クピークを従来よりも低くできるので、カムトルク変動
を低減でき、請求項1に述べたごとく、効果的な歯打音
の低減および内燃機関の回転変動の低減を実現すること
ができる。
【0081】請求項3記載の内燃機関のカム機構におい
ては、請求項1記載の構成に対して、他のカムのメイン
リフトにより生じる正のカムトルクピークをサブリフト
により生じる負のカムトルクにより相殺している。この
ようにすると、メインリフトにより生じる正のカムトル
クピークを従来よりも低くできるので、カムトルク変動
を低減でき、請求項1に述べたごとく、効果的な内燃機
関の回転変動の低減を実現することができる。
【0082】請求項4記載の内燃機関のカム機構におい
ては、請求項2または3記載の構成に対して、前記カム
シャフトは排気バルブ用カムシャフトであり、前記サブ
リフトは排気カムのメインリフトにおけるバルブ閉じ側
に設定されていることとしている。このように、排気カ
ムにおいてサブリフトはメインリフトにおけるバルブ閉
じ側に設定することにより、排気バルブ用カムシャフト
に請求項2または3の構成を適用することができる。こ
のことにより請求項2または3の作用効果を生じさせる
ことができる。
【0083】請求項5記載の内燃機関のカム機構におい
ては、請求項2または3記載の構成に対して、前記カム
シャフトは吸気バルブ用カムシャフトであり、前記サブ
リフトは吸気カムのメインリフトにおけるバルブ開き側
に設定することにより、吸気バルブ用カムシャフトに請
求項2または3の構成を適用することができる。このこ
とにより請求項2または3の作用効果を生じさせること
ができる。
【0084】請求項6記載の内燃機関のカム機構におい
ては、請求項1〜5のいずれか記載の構成に対して、前
記カムにおける前記サブリフトの大きさが変更可能であ
る。この構成により、内燃機関の運転状態によってサブ
リフトを低くしたり無くしたりする必要性に対応でき
る。すなわち、内燃機関の高速回転時やアイドル時で
は、サブリフトを低くしたりサブリフトを無くしてEG
R過多等を防止することができる。そして、適切な内部
EGR等が必要になれば、サブリフトを発生させたり高
めたりして内燃機関の運転状態に対応させることができ
る。そして、このような機能を内燃機関の回転変動低減
や歯打音低減を伴って実現できる。
【0085】請求項7記載の内燃機関のカム機構におい
ては、請求項6記載の構成に対して、サブリフトの大き
さを変更する構成として、カムプロフィールが回転軸方
向にて前記2種のリフトパターンの間で連続的に変化し
ている3次元カムを採用している。このような3次元カ
ムの回転軸方向の位置を調整することで、3次元カムに
よる吸気バルブと排気バルブとの一方または両方のサブ
リフトの大きさを無段階に変更することができる。した
がって内燃機関の運転状態に応じて精密なサブリフトの
調整が可能となり、前述した請求項6の作用効果を一層
顕著なものにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1におけるエンジンの概略構成
図。
【図2】 実施の形態1における吸気カムの斜視図。
【図3】 実施の形態1における吸気カムのプロフィー
ル説明図。
【図4】 実施の形態1における排気カムの斜視図。
【図5】 実施の形態1における排気カムのプロフィー
ル説明図。
【図6】 実施の形態1における排気バルブと吸気バル
ブとのリフトパターンのグラフ。
【図7】 実施の形態1における4気筒の排気バルブの
リフト量と排気カムに生じるカムトルクとのタイミング
チャート。
【図8】 実施の形態2におけるエンジンおよび制御系
の概略構成説明図。
【図9】 実施の形態2の可変バルブ特性装置の縦断面
と油圧系統の説明図。
【図10】 実施の形態2における排気カムの斜視図。
【図11】 実施の形態2における排気カムのプロフィ
ール説明図。
【図12】 実施の形態2における排気バルブと吸気バ
ルブとのリフトパターンの一つの状態を表すグラフ。
【図13】 実施の形態3における排気カムの斜視図。
【図14】 実施の形態3における排気カムのプロフィ
ール説明図。
【図15】 実施の形態3における排気バルブと吸気バ
ルブとのリフトパターンのグラフ。
【図16】 実施の形態3における4気筒の排気バルブ
のリフト量と排気カムに生じるカムトルクとのタイミン
グチャート。
【図17】 実施の形態4における排気カムの斜視図。
【図18】 実施の形態4における排気カムのプロフィ
ール説明図。
【図19】 実施の形態4における排気バルブと吸気バ
ルブとのリフトパターンのグラフ。
【図20】 実施の形態4における4気筒の排気バルブ
のリフト量と排気カムに生じるカムトルクとのタイミン
グチャート。
【図21】 実施の形態3の変形例における排気カムの
斜視図。
【図22】 実施の形態4の変形例における排気カムの
斜視図。
【図23】 従来例における4気筒の排気バルブのリフ
ト量と排気カムに生じるカムトルクとのタイミングチャ
ート。
【符号の説明】
11…エンジン、12…ピストン、13…シリンダブロ
ック、13a…オイルパン、14…シリンダヘッド、1
5…クランクシャフト、15a…スプロケット、16…
コンロッド、17…燃焼室、18…吸気通路、19…排
気通路、20…吸気バルブ、20a…バルブリフタ、2
1…排気バルブ、21a…バルブリフタ、22…吸気側
カムシャフト、23…排気側カムシャフト、24,25
…タイミングスプロケット、26…タイミングチェー
ン、27… 吸気カム、27b…ノーズ、28…排気カ
ム、28b…メインノーズ、28c…サブノーズ、11
1…エンジン、113a…オイルパン、113b…オイ
ルポンプ、114…シリンダヘッド、114a…ジャー
ナル軸受、114b…カムシャフトベアリングキャッ
プ、115…クランクシャフト、121…排気バルブ、
121a…バルブリフタ、121b… カムフォロア、
123…排気側カムシャフト、125…可変バルブ特性
装置、125a…タイミングスプロケット、126…タ
イミングチェーン、128…排気カム、128a…カム
面、128b…メインノーズ、128c…後方端面、1
28d…前方端面、128e…サブノーズ、151…筒
部、152…円板部、153…複数の外歯、154…
カバー、155…ボルト、157…内歯、158…中空
ボルト、159…ピン、162…リングギヤ、162a
…円盤状リング部、163…平歯、165…第2リフト
パターン側油圧室、166…第1リフトパターン側油圧
室、167…第2リフトパターン制御油路、168…第
1リフトパターン制御油路、170…オイルコントロー
ルバルブ、170a…電磁ソレノイド、172…油路、
174…供給通路、176… 排出通路、180…電子
制御ユニット(ECU)、182…CPU、183…R
OM、184…RAM、185…バックアップRAM、
186…バス、187…外部入力回路、188…外部出
力回路、190…クランク側電磁ピックアップ、192
…排気カム側電磁ピックアップ、194…水温センサ、
196…車速センサ、223…排気側カムシャフト、2
28…排気カム、228c…サブノーズ、328…排気
カム、328c…第2サブノーズ、328d…第1サブ
ノーズ、423… 排気側カムシャフト、428…排気
カム、428c…後方端面、428d…前方端面、42
8e…サブノーズ、523…排気側カムシャフト、52
8…排気カム、528c…後方端面、528d…前方端
面、528e…第1サブノーズ、528f…第2サブノ
ーズ、MP…メインリフトピーク、P…リフトピーク、
SP…サブリフトピーク、SP1…第1サブリフトピー
ク、SP2…第2サブリフトピーク。
フロントページの続き Fターム(参考) 3G016 AA08 AA12 AA19 BA03 BA06 BA23 BA36 BA42 BA43 BB04 CA17 CA19 CA22 CA24 CA29 CA32 CA33 CA36 CA48 DA06 DA22 DA23 GA04 GA06 GA08 3G092 AA11 AA13 DA01 DA02 DA04 DF08 DG05 EA28 EA29 FA05 FA14 FA21 HA13X HA13Z HE08Z HF21Z 3J030 EA02 EA07 EC02 EC07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つのカムシャフトまたは連動する複数
    のカムシャフトに配置されて吸気バルブと排気バルブと
    の一方または両方のバルブを開閉駆動する複数のカムが
    設けられた内燃機関のカム機構であって、 前記カムにおけるリフトパターンはメインリフト以外に
    サブリフトを有すると共に、該サブリフトは、他のカム
    のメインリフトにより生じるカムトルク変動が前記サブ
    リフトにより生じる逆方向のカムトルク変動により相殺
    される位相に設定されていることを特徴とする内燃機関
    のカム機構。
  2. 【請求項2】 同一カムシャフト内または連動する異な
    るカムシャフト間のカムにおいて、カムのサブリフト
    は、他のカムのメインリフトにより生じる負のカムトル
    クピークが前記サブリフトにより生じる正のカムトルク
    により相殺される位相に設定されていることを特徴とす
    る請求項1記載の内燃機関のカム機構。
  3. 【請求項3】 同一カムシャフト内または連動する異な
    るカムシャフト間のカムにおいて、カムのサブリフト
    は、他のカムのメインリフトにより生じる正のカムトル
    クピークが前記サブリフトにより生じる負のカムトルク
    により相殺される位相に設定されていることを特徴とす
    る請求項1記載の内燃機関のカム機構。
  4. 【請求項4】 前記カムシャフトは排気バルブ用カムシ
    ャフトであり、前記サブリフトはメインリフトにおける
    バルブ閉じ側に設定されていることを特徴とする請求項
    2または3記載の内燃機関のカム機構。
  5. 【請求項5】 前記カムシャフトは吸気バルブ用カムシ
    ャフトであり、前記サブリフトはメインリフトにおける
    バルブ開き側に設定されていることを特徴とする請求項
    2または3記載の内燃機関のカム機構。
  6. 【請求項6】 前記カムにおける前記サブリフトの大き
    さが変更可能であることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか記載の内燃機関のカム機構。
  7. 【請求項7】 前記カムは、カムプロフィールが回転軸
    方向にて前記サブリフトが存在するリフトパターンと前
    記サブリフトが存在しないまたは低いリフトパターンと
    の間で連続的に変化している3次元カムとして構成さ
    れ、該3次元カムの回転軸方向の位置を調整すること
    で、前記サブリフトの大きさが無段階に変更可能である
    ことを特徴とする請求項6記載の内燃機関のカム機構。
JP11063472A 1999-03-10 1999-03-10 内燃機関のカム機構 Pending JP2000257408A (ja)

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