JP2000254526A - 試験管ホルダー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】異なる外径を有する複数種の試験管に共通に適
用可能な汎用タイプの試験管ホルダーを提供。 【解決手段】円柱状基体の中央部位に大径部(11a) を有
し先端部位に小径部(11b) を有し基端部位に基体軸心に
沿って所定間隔をおいて設けられた二つの係合部(11c,1
1d) を有すると共に、上記基体の軸心部に先端から基端
に向けて所定深さまで穿たれた中空部(11f) を有するホ
ルダー本体(11)と、この本体(11)の周壁に先端から基端
に向けて軸心と平行に切り込まれた複数のスリット(11
g) と、これらのスリット(11g) に各一側縁が夫々差し
込まれて支持され各他側縁が上記本体(11)の軸心に接近
する如く変位力を付与された複数の板ばね(13a〜13d)
と、各スリット(11g) の間隙を圧縮して複数の板ばねの
各一側縁を夫々狭圧保持する如く前記本体の小径部(11b
g)の外周に嵌め込まれる締付リング(14)とを具備。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、血液等の検体を収
容する試験管を、検体の分取または分注を行なうために
搬送する場合等において用いられる試験管ホルダーに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の試験管ホルダーとして、
円柱状ラックと称されるものが多用されている。この円
柱状ラックは、合成樹脂製の円柱状基体の外周面に、ベ
ルトコンベアなどで搬送するのに好都合なように、上記
コンベアのガイドレールに係合する係合溝および上記コ
ンベアによる搬送を制御する為の制御用の溝を設け、軸
心部に当該試験管を収容保持する為の中空部を設けたも
のとなっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記構成の円柱状ラッ
クすなわち試験管ホルダーは、軸心部に設けてある試験
管を収容保持する為の中空部のサイズが特定されること
から、そのサイズに適合する外径を有する試験管にしか
適用できないという問題があった。

【０００４】本発明の目的は、異なる外径を有する複数
種の試験管に共通に適用可能な汎用タイプの試験管ホル
ダーを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を
達成するために、本発明の試験管ホルダーは下記の如く
構成されている。なお下記以外の本発明の特徴ある構成
については実施形態の中で明らかにする。

【０００６】本発明の試験管ホルダーは、円柱状基体の
中央部位に大径部を有し、上記基体の先端部位に小径部
を有し、上記基体の基端部位に当該基体の軸心に沿って
所定間隔をおいて設けられた二つの係合部を有すると共
に、上記円柱状基体の軸心部に先端から基端に向けて所
定深さまで穿たれた円筒形の中空部を有するホルダー本
体と、このホルダー本体の周壁に先端から基端に向けて
所定深さまで軸心と平行に切り込まれた複数のスリット
と、これら複数のスリットに各一側縁がそれぞれ差し込
まれて支持され、各他側縁が前記ホルダー本体の軸心に
接近する如く変位力を付与された複数の板ばねと、これ
ら複数の板ばねの各一側縁がそれぞれ差し込まれている
前記各スリットの間隙を圧縮して上記複数の板ばねの各
一側縁をそれぞれ狭圧保持する如く、前記ホルダー本体
の小径部の外周に嵌め込まれる締め付けリングと、を備
えたことを特徴としている。

【０００７】

【発明の実施の形態】（第１実施形態）図１は本発明の
第１実施形態に係る試験管ホルダーの概略的構成を示す
斜視図である。図１に示すように、本実施形態における
試験管ホルダー１０は、合成樹脂からなる円筒形のホル
ダー本体１１と、試験管保持用スプリング機構１３と、
締め付けリング１４とを主要部として構成されている。

【０００８】円筒形のホルダー本体１１は、合成樹脂製
の円柱状基体における長手方向の中央部位に、大径部１
１ａを有し、上記基体の先端部位に小径部１１ｂを有
し、上記基体の基端部位に当該基体の軸心に沿って所定
間隔をおいて設けられた係合部としての二つのフランジ
部１１ｃ，１１ｄを有している。二つのフランジ部１１
ｃ，１１ｄの間には環状溝１１ｅが形成されている。円
柱状基体の軸心部には、先端から基端に向けて所定深さ
（本実施形態ではフランジ部１１ｃの配設位置に相当す
る深さ）まで穿たれた円筒形の中空部１１ｆを有してい
る。この中空部１１ｆの内部には試験管保持用スプリン
グ機構１３が装着されている。この試験管保持用スプリ
ング機構１３は、後述するように複数枚の板ばねからな
り、外径がＤ１，Ｄ２…と異なる複数種の試験管１，２
…のいずれが挿入された場合においても、安定に保持し
得るものとなっている。なお図示の如く、各試験管１，
２…は、それぞれ管体１ａ，２ａ…の開口部を、キャッ
プ１ｂ，２ｂ…で閉塞し得るようになっている。

【０００９】図２の（ａ）（ｂ）は本実施形態に係る試
験管ホルダーの具体的構成を示す上面図および側面図で
ある。二つのフランジ部１１ｃ，１１ｄは、搬送中に振
動等によってホルダー１０が転倒するのを防止する為の
ものであり、搬送用ベルトコンベア（不図示）の両側に
配置されるガイドレール（不図示）に係合可能となって
いる。上記二つのフランジ部１１ｃ，１１ｄの間に形成
されている環状溝１１ｅは、ホルダー搬送制御用のピス
トン／シリンダー・デバイス１２によって、搬送用ベル
トコンベア（不図示）の特定位置で、停止操作される停
止操作溝となっている。

【００１０】すなわち、上記ガイドレール（不図示）の
所定位置には、ホルダー搬送制御用のピストン／シリン
ダー・デバイス１２が装着されている。このピストン／
シリンダー・デバイス１２は、シリンダー１２ａと、こ
のシリンダー内に供給される圧搾空気により摺動制御さ
れるピストン１２ｂと、このピストン１２ｂに連結され
た操作ピン１２ｃとを備えている。ホルダー本体１１の
搬送を一時的に停止するときは、ピストン／シリンダー
・デバイス１２を作動させ、操作ピン１２ｃを搬送用ベ
ルトコンベア（不図示）の搬送路内に、当該搬送路とは
直交する方向から挿入する。こうすることによって、ホ
ルダー本体１１の環状溝１１ｅが操作ピン１２ｃによっ
て遮られる為、搬送用ベルトコンベア（不図示）を動作
させたままで、搬送されつつある当該ホルダー本体１１
のみを、その位置で一時的に停止させることができる。
停止中のホルダー本体１１を再び搬送開始させるとき
は、ピストン／シリンダー・デバイス１２を逆作動さ
せ、操作ピン１２ｃを前記搬送路から外へ引き出す。こ
うすることによって、当該ホルダー本体１１は動作を継
続している搬送用ベルトコンベア（不図示）によって再
び搬送開始される。

【００１１】試験管保持用スプリング機構１３は、例え
ば燐青銅あるいはステンレス鋼といった弾性部材にて形
成された複数（本実施形態では４枚）の板ばね１３ａ，
１３ｂ，１３ｃ，１３ｄからなっている。各板ばね１３
ａ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｄは、各一側縁をホルダー本
体１１の周壁に設けられている複数のスリット１１ｇに
差し込まれて支持されている。

【００１２】上記複数のスリット１１ｇは、ホルダー本
体１１の周壁に、先端から基端に向けて所定深さ（例え
ば小径部１１ｂの長さに相当する深さ）まで、軸心と平
行に切り込まれている。

【００１３】各板ばね１３ａ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｄ
の各他側縁は、前記ホルダー本体１１の軸心に接近する
如く変位力を付与されている。かくして二点鎖線で示す
ようにホルダー１０の内部に挿入された試験管１は、そ
の外周面を、上記板ばね１３ａ，１３ｂ，１３ｃ，１３
ｄの各他側縁で４方向から支えられて保持される事にな
る。

【００１４】前記ホルダー本体の小径部１１ｂの外周に
は、例えばステンレス鋼などの金属製の締め付けリング
１４が、例えば圧入手段によって嵌め込まれている。か
くして各スリット１１ｇの間隙が圧縮され、各スリット
１１ｇ内にそれぞれ差し込まれている複数の板ばね１３
ａ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｄの各一側縁が、各スリット
１１ｇ内で堅固に狭圧保持される。

【００１５】図３の（ａ）（ｂ）は、本実施形態に係る
複数の板ばね１３ａ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｄのうちの
一つ２０の具体的構成を示す斜視図および上面図であ
る。図３の（ａ）（ｂ）に示す如く、板ばね２０は、前
記ホルダー本体１１の内周面の曲率に近似した曲率で円
弧状に湾曲した短冊形をなす板ばね本体２１と、この板
ばね本体２１の一側縁の少なくとも一部に形成され、前
記スリット１１ｇに差し込まれて支持される支持部２２
と、前記板ばね本体２１の他側縁に形成され保持すべき
試験管１，２…の外周面に長手方向に沿って所定圧力で
接触する直線バー形の接触部２３と、この接触部２３の
先端部に連接され、前記ホルダー本体１１の軸心に対向
する側面が先端に行くに従って上記軸心から漸次遠ざか
る方向へ傾斜した傾斜面となっている試験管挿入ガイド
部２４と、からなっている。

【００１６】なお図３に示す本実施形態では、支持部２
２は先端がＬ字形に屈曲された鉤状をなしており、スリ
ット１１ｇの形状も上記支持部２２の先端形状に適合し
た形状にしてある。かくしてスリット１１ｇによる板ば
ね２０の狭圧保持機能が格段に向上する。

【００１７】このような構成であれば、試験管ホルダー
１０に外径Ｄ１の試験管１が挿入されたときは、板ばね
２０の接触部２３はポジションＰ１にて試験管１の外周
面に接触する。また外径Ｄ２の試験管２が挿入されたと
きは、板ばね２０は符号Ｑで示す位置を軸として全体が
二点鎖線で示す如く径の大きな方向へ撓み、接触部２３
はポジションＰ２にて試験管２の外周面に接触する。

【００１８】なお図３に示す本実施形態では、直線バー
形の接触部２３は、板ばね本体２１とは別に形成したも
のを当該板ばね本体２１に接合したものを例示している
が、板ばね本体２１の他側縁を折り畳むことによって形
成してもよい。

【００１９】換言すれば、板ばね本体２１と、支持部２
２と、接触部２３と、試験管挿入ガイド部２４とは、単
一弾性部材を成形加工することにより一体形成したもの
でも良い。このように構成した場合には、製作が容易化
し、コストを低減できることになる。

【００２０】図３において、符号１１ｈはホルダー本体
１１の底部に形成した貫通孔を示している。

【００２１】（変形例）実施形態に示された試験管ホル
ダー１０は下記の変形例を含んでいる。

【００２２】・短冊状の板ばね本体２１の全長に亙って
支持部２２を形成したもの。

【００２３】・板ばね１３ａ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｄ
を金属以外の例えば合成樹脂等の弾性部材で形成したも
の。

【００２４】・係合部として二つのフランジ１１ｃ，１
１ｄの代わりに二つの環状溝を設けたもの。

【００２５】（実施形態における特徴点） ［１］実施形態に示された試験管ホルダー１０は、円柱
状基体の中央部位に大径部１１ａを有し、上記基体の先
端部位に小径部１１ｂを有し、上記基体の基端部位に当
該基体の軸心に沿って所定間隔をおいて設けられた係合
部（１１ｃ，１１ｄ）を有すると共に、上記円柱状基体
の軸心部に先端から基端に向けて所定深さまで穿たれた
円筒形の中空部１１ｆを有するホルダー本体１１と、こ
のホルダー本体１１の周壁に先端から基端に向けて所定
深さまで軸心と平行に切り込まれた複数のスリット１１
ｇと、これら複数のスリット１１ｇに各一側縁がそれぞ
れ差し込まれて支持され、各他側縁が前記ホルダー本体
１１の軸心に接近する如く変位力を付与された複数の板
ばね１３ａ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｄと、これら複数の
板ばね１３ａ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｄの各一側縁がそ
れぞれ差し込まれている前記各スリット１１ｇの間隙を
圧縮して、上記複数の板ばね１３ａ，１３ｂ，１３ｃ，
１３ｄの各一側縁をそれぞれ狭圧保持する如く、前記ホ
ルダー本体の小径部１１ｂの外周に嵌め込まれる締め付
けリング１４と、を備えたことを特徴としている。

【００２６】［２］実施形態に示された試験管ホルダー
は、前記［１］に記載の試験管ホルダーであって、前記
複数の板ばね１３ａ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｄの各々２
０は、前記ホルダー本体１１の内周面の曲率に近似した
曲率で円弧状に湾曲した短冊形をなす板ばね本体２１
と、この板ばね本体２１の一側縁の少なくとも一部に形
成され、前記スリット１１ｇに差し込まれて支持される
支持部２２と、前記板ばね本体２１の他側縁に形成さ
れ、保持すべき試験管１，２…の外周面に対し長手方向
に沿って所定圧力で接触する直線バー形の接触部２３
と、この接触部２３の先端部に連接され、前記ホルダー
本体１１の軸心に対向する側面が先端に行くに従って上
記軸心から漸次遠ざかる方向へ傾斜した傾斜面となって
いる試験管挿入ガイド部２４と、からなることを特徴と
している。

【００２７】［３］実施形態に示された試験管ホルダー
は、前記［２］に記載の試験管ホルダーであって、前記
板ばね本体２１と、支持部２２と、接触部２３と、試験
管挿入ガイド部２４とが、単一弾性部材の成形加工によ
り一体形成されていることを特徴としている。

【００２８】

【発明の効果】本発明によれば、異なる外径を有する複
数種の試験管に共通に適用可能な汎用タイプの試験管ホ
ルダーを提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態に係る試験管ホルダーの
概略的構成を示す斜視図。

【図２】本発明の第１実施形態に係る試験管ホルダーの
具体的構成を示す図で、（ａ）は上面図、（ｂ）は側面
図。

【図３】本発明の第１実施形態に係る試験管ホルダーに
おける一つの板ばねについての具体的構成を示す図で、
（ａ）は斜視図、（ｂ）は上面図。

【符号の説明】

１，２…外径の異なる試験管 １０…試験管ホルダー １１…ホルダー本体 １１ａ…大径部 １１ｂ…小径部 １１ｃ，１１ｄ…二つのフランジ部 １１ｆ…円筒形の中空部 １１ｇ…スリット １２…ピストン／シリンダー・デバイス １２ａ…シリンダー １２ｂ…ピストン １２ｃ…操作ピン １３ａ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｄ…板ばね １４…締め付けリング ２０…板ばね ２１…板ばね本体 ２２…支持部 ２３…接触部 ２４…試験管挿入ガイド部

【手続補正書】

【提出日】平成１２年３月２７日（２０００．３．２
７）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００６

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００６】本発明の試験管ホルダーは、円柱状基体の
中央部位に大径部を有し、上記基体の先端部位に小径部
を有し、上記基体の基端部位に当該基体の軸心に沿って
所定間隔をおいて設けられた二つの係合部を有すると共
に、上記円柱状基体の軸心部に先端から基端に向けて所
定深さまで穿たれた円筒形の中空部を有するホルダー本
体と、このホルダー本体の周壁のうち前記小径部の周壁
に先端から基端に向けて軸心と平行に切り込まれた複数
のスリットと、これら複数のスリットに各一側縁がそれ
ぞれ差し込まれて支持され、各他側縁が前記ホルダー本
体の軸心に接近する如く変位力を付与された複数の板ば
ねと、これら複数の板ばねの各一側縁がそれぞれ差し込
まれている前記各スリットの間隙を圧縮して上記複数の
板ばねの各一側縁をそれぞれ狭圧保持する如く、前記ホ
ルダー本体の小径部の外周に嵌め込まれる金属製の締め
付けリングと、を備え、前記複数の板ばねの各々は、前
記ホルダー本体の前記円筒形中空部の深さに相当する長
さを有し、且つ前記円筒形中空部の内周面の曲率に近似
した曲率で円弧状に湾曲した短冊形をなす板ばね本体
と、この板ばね本体の一側縁における先端側の一部に形
成され、前記スリットに差し込まれて支持される支持部
と、前記板ばね本体の他側縁に形成され、保持すべき試
験管の外周面に長手方向に沿って所定圧力で接触する直
線バー形の接触部と、この接触部の先端部に連接され、
前記ホルダー本体の軸心に対向する側面が先端に行くに
従って上記軸心から漸次遠ざかる方向へ傾斜した傾斜面
となっている試験管挿入ガイド部と、からなることを特
徴としている。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】円柱状基体の中央部位に大径部を有し、上
   記基体の先端部位に小径部を有し、上記基体の基端部位
   に当該基体の軸心に沿って所定間隔をおいて設けられた
   二つの係合部を有すると共に、上記円柱状基体の軸心部
   に先端から基端に向けて所定深さまで穿たれた円筒形の
   中空部を有するホルダー本体と、 このホルダー本体の周壁に先端から基端に向けて所定深
   さまで軸心と平行に切り込まれた複数のスリットと、 これら複数のスリットに各一側縁がそれぞれ差し込まれ
   て支持され、各他側縁が前記ホルダー本体の軸心に接近
   する如く変位力を付与された複数の板ばねと、 これら複数の板ばねの各一側縁がそれぞれ差し込まれて
   いる前記各スリットの間隙を圧縮して上記複数の板ばね
   の各一側縁をそれぞれ狭圧保持する如く、前記ホルダー
   本体の小径部の外周に嵌め込まれる締め付けリングと、 を備えたことを特徴とする試験管ホルダー。
2. 【請求項２】前記複数の板ばねの各々は、 前記ホルダー本体の内周面の曲率に近似した曲率で円弧
   状に湾曲した短冊形をなす板ばね本体と、 この板ばね本体の一側縁の少なくとも一部に形成され、
   前記スリットに差し込まれて支持される支持部と、 前記板ばね本体の他側縁に形成され、保持すべき試験管
   の外周面に長手方向に沿って所定圧力で接触する直線バ
   ー形の接触部と、 この接触部の先端部に連接され、前記ホルダー本体の軸
   心に対向する側面が先端に行くに従って上記軸心から漸
   次遠ざかる方向へ傾斜した傾斜面となっている試験管挿
   入ガイド部と、 からなることを特徴とする請求項１に記載の試験管ホル
   ダー。
3. 【請求項３】前記板ばね本体と、支持部と、接触部と、
   試験管挿入ガイド部とが、単一弾性部材の成形加工によ
   り一体形成されていることを特徴とする請求項２に記載
   の試験管ホルダー。