JP2000251618A - 電子放出素子、電子源及び画像形成装置並びにこれらの製造方法 - Google Patents

電子放出素子、電子源及び画像形成装置並びにこれらの製造方法

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JP2000251618A
JP2000251618A JP11048598A JP4859899A JP2000251618A JP 2000251618 A JP2000251618 A JP 2000251618A JP 11048598 A JP11048598 A JP 11048598A JP 4859899 A JP4859899 A JP 4859899A JP 2000251618 A JP2000251618 A JP 2000251618A
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Hitoshi Oda
仁 織田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上部電極による電子散乱を抑制し、効率の高
いMIM型の電子放出素子を提供する。 【解決手段】 基板1、下部電極2,絶縁層3,上部電
極4からなるMIM型電子放出素子21の上部電極4に
微細な孔を形成した。上部電極4としてFe等の触媒性
金属を用い、絶縁層3上にカーボン微粒子を分散させ、
その上に触媒性金属膜を形成し、触媒性金属に接したカ
ーボン微粒子が酸素または水素と反応して消失する現象
を利用して微細な孔を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子放出素子、この
電子放出素子を応用した電子源および平面ディスプレイ
装置等の画像形成装置、およびこれらの製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】情報化社会の進展に伴って、大面積、高
輝度、高精細、低消費電力を目指した電子放出型平面デ
ィスプレイの開発が進められている。電子放出素子とし
ては針状のエミッタに高電界を印加して電子放出させる
FE型(field emission)、および絶縁層を上下電極
で挟んでトンネリングにより電子放出させるMIM型
(metal-insulator-metal)が研究されている。
【0003】(1)FE型は円錐状のエミッター頂点か
ら数10Vのゲート電圧を印加することで電子放出させ
るものである。鋭い針状電極に強い電界が印加されてい
るためチップ先端から高密度の電子が放出される。この
素子を多数個集積することで大きな放出電流が得られ
る。効率は略100%であり、プラズマディスプレイ
(PDP)や液晶ディスプレイ(LCD)に比較して低
消費電力化が容易と考えられている。
【0004】しかしながら、FE型には2つの大きな問
題が存在する:(a)ビーム広がり、(b)エミッタ表
面の汚れによる放出電流の雑音および劣化: (a)エミッタから放出された電子はゲート電界の横方
向成分のためアノード電極上に到達するまでにビーム径
が広がる。これを小さくするためにはアノード−ゲート
間距離を数100μm程度にすれば良いが、必然的にア
ノード電圧を数100V程度まで下げる必要がある。し
かし、このような低加速電子に対する効率の良い蛍光材
料が存在しないのが現状である。その結果アノード電圧
を数kV以上、アノード−ゲート間距離を数mmにした
構成をとらずをえず、結果としてビーム径を小さくする
ために収束電極を付けなければならない。これは製造プ
ロセスを複雑にすると同時に大面積ディスプレイを実現
するための障害となる。(b)一方、FE型の電子放出
先端部には電界が集中するため残留ガスの吸着がおき
る。水や二酸化炭素分子がティップ先端表面に吸着する
と仕事関数が増加し電子放出特性が劣化することが知ら
れている。また気体分子の吸着や脱離、高電界下でのチ
ップの針状電極の先端原子の移動などにより放出電流に
変動や雑音が生ずることが懸念されている。安定した電
子放出を持続させるためには超高真空を維持するために
真空容器の封止技術やゲッタ材の開発が必要不可欠とな
っている。
【0005】(2)MIM型電子源は強電界の印加され
ている絶縁層(I層)をトンネリングした電子が上部電
極を透過して真空中に放出される現象を利用してディス
プレイに応用するものである。
【0006】MIM型では10数V以下という低い印加
電圧で駆動できるという特徴を有する。また、横電界成
分が小さく、駆動電圧も低いため、真空中でのビーム広
がりが小さく、収束電極を設けなくとも高精細ディスプ
レイへの応用が可能である。さらに最も高電界の印加さ
れている下部電極−絶縁層界面が真空に晒されていない
ため残留ガスの影響を受け難く低真空動作が可能であ
る。また、陰極構造が平面であるため大面積ディスプレ
イへの応用が比較的容易である。
【0007】しかし、従来のMIM型電子源では電子が
絶縁層や上部電極ををトンネリングするため、固体内散
乱を避けることができず、放出電流にたいするダイオー
ド電流(下部電極から上部電極に流れ込む電流)の比で
ある効率は1%以下と小さい。特に上部電極の厚さは効
率に大きく影響を与えることが知られている。金属内で
の電子の平均自由行程は数10Åであり、それ以下の膜
厚に設定すれば電子散乱を低減できるが、導電性を確保
できなくなるという問題が発生する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前節で述べたようにM
IM型電子源はFE型電子源に比較して低電圧駆動が可
能で電子ビーム広がりが少なく、残留ガスの影響を受け
難いという特徴を有するため、高精細、大面積ディスプ
レイへ応用することを考えたときFE型より優れている
と考えられる。しかし、効率が低いため大面積ディスプ
レイにおいては消費電力の問題や、配線抵抗による電圧
降下の問題が生ずる。MIM型電子源を用いた大面積デ
ィスプレイを実現するためには効率を上げることが必須
と考えられる。
【0009】本発明は上記従来技術の課題を解決するた
めになされたものであって、図1に示す様に、MIM型
電子放出素子21の上部電極層に微細な孔を形成するこ
とで上部電極による電子散乱を抑制し、効率の高い電子
放出素子、これを用いた電子源及び画像形成装置並びに
これらの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、上記目的
を達成するために、対向形成された上部電極と下部電極
とからなる一対の電極と、前記一対の電極間に挟まれた
絶縁層からなる電子放出素子において、前記上部電極に
電子放出のための微細な孔が多数形成されていることを
特徴とする。
【0011】第2の発明は、第1の発明において、前記
上部電極が触媒性金属からなることを特徴とする。
【0012】第3の発明は、第2の発明において、前記
触媒性金属がFe, Co, Ni, Pd, Pt, Cu, A
gのいずれかであることを特徴とする。
【0013】第4の発明は、対向形成された上部電極と
下部電極とからなる一対の電極と、前記一対の電極間に
挟まれた絶縁層からなる電子放出素子であって、該上部
電極に電子放出のための微細な孔が多数形成された電子
放出素子の製造方法において、前記上部電極を触媒性金
属によって形成し、カーボン微粒子と該触媒性金属と反
応性ガスが共存する系を熱処理することによって前記上
部電極に微細な孔を作成することを特徴とする。
【0014】第5の発明は、第4の発明において、前記
触媒性金属がFe, Co, Ni, Pd, Pt, Cu, A
gのいずれかであることを特徴とする。
【0015】第6の発明は、第4又は第5の発明におい
て、前記反応性ガスが酸素または水素ガスであることを
特徴とする。
【0016】第7の発明は、第4乃至第6の発明のいず
れかにおいて、前記カーボン微粒子の結晶構造がグラフ
ァイト、ダイアモンド及びアモルファスカーボンのいず
れかまたはそれらの組み合わされた構造であることを特
徴とする。
【0017】第8の発明は、第4乃至第7の発明のいず
れかに係る製造方法によって製造されたことを特徴とす
る電子放出素子である。
【0018】第9の発明は、電子放出素子を基板上にマ
トリックス状に配置してなる電子源において、前記電子
放出素子として第1乃至第3又は第8の発明のいずれか
に係る電子放出素子を用いたことを特徴とする。
【0019】第10の発明は、電子放出素子を基板上に
マトリックス状に配置してなる電子源の製造方法におい
て、前記電子放出素子を第4乃至第7の発明のいずれか
に係る製造方法によって製造することを特徴とする。
【0020】第11の発明は、電子源と、該電子源に対
向配置されるとともに該電子源から放出された電子によ
って画像を形成する画像形成部材とを備えた画像形成装
置において、前記電子源として第9の発明に係る電子源
を用いたことを特徴とする。
【0021】第12の発明は、電子源と、該電子源に対
向配置されるとともに該電子源から放出された電子によ
って画像を形成する画像形成部材とを備えた画像形成装
置の製造方法において、前記電子源を第10の発明に係
る製造方法によって製造することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明を実施
の形態に基づいて説明する。
【0023】本発明は、図1に示す様に、MIM型電子
放出素子21の上部電極層に微細な孔を形成することで
上部電極による電子散乱を抑制し効率の高い電子放出素
子を提供する。
【0024】上部電極に開ける孔の径および密度は放出
電流を大きくすることと電子ビーム広がりを小さくする
こととの兼ね合いで決定されるが、実験的に孔径が10
0Å程度で孔密度が1×109個/cm2程度のものが
適当であった。
【0025】このような孔をレジスト膜をマスクに用い
て露光・エッチングし、金属膜をパターニングするとい
う従来の方法や金属膜の陽極酸化による空孔形成方法で
は大面積ディスプレイに適用することは難しい。
【0026】本発明では、大面積領域に微細な孔を形成
する方法として触媒性金属によりカーボン微粒子が酸素
または水素と低温で反応し、二酸化炭素、一酸化炭素ま
たは炭化水素ガスとなって消失する現象を利用する。
【0027】触媒性金属に接したカーボンは酸素または
水素との反応時に、金属から電子が供給されるため低温
で反応が促進されることが知られている。図2に上記の
反応を利用した電極膜への孔開け方法を述べる。
【0028】まず、カーボン微粒子を分散剤を用いて2
次凝集を起こさないように溶媒中に分散させる。カーボ
ン微粒子の径は上部電極の膜厚によって決定されるが、
後に述べるように、上部電極膜厚を100Åにする場
合、数100Å程度が適当である。この溶液をスピンコ
ートまたはディッピング法によって基板面に塗布すると
図2(a)に示すようなカーボン微粒子膜を得る。微粒
子の面密度はスピンコート法で作成する場合には溶液濃
度とスピンコート回転数で決定され、ディッピング法の
場合は溶液濃度と基板の引き上げ速度で決定される。
【0029】次に、上記微粒子分散膜の上に触媒性金属
膜を成膜する。触媒性金属とはフェルミ面近傍での電子
密度が高く、酸化還元反応に際して電子を授受し易い金
属で、Fe, Co, Ni, Pd, Pt, Cu, Ag等が
挙げられる。これらの金属薄膜を図2(b)に示すよう
に蒸着法、スパッタ法、CVD法等でカーボン微粒子分
散膜上に形成する。このようにしてできた金属膜は微粒
子の影効果により、微粒子周囲に亀裂が形成される。金
属膜が微粒子径よりも厚くなると金属膜内に微粒子が埋
め込まれてしまい亀裂が形成されなくなるため金属膜の
膜厚はカーボン微粒子径の半分以下程度でかつ導電性が
十分に確保される膜厚(100Å)以上が好ましい。
【0030】亀裂の形状は金属膜の成膜法で変化させる
ことが可能で、例えば斜め蒸着等の手段を用いて亀裂の
大きさを変えることもできる。
【0031】次に上記の膜を大気中(酸素中)または水
素中で焼成するとカーボン微粒子が酸素または水素と反
応しガス化して消失する。その結果、触媒性金属膜には
図2(c)に示すような孔が開くことになる。
【0032】上記したカーボン微粒子とは元素記号Cで
表されるものを指し、結晶構造としてはグラファイト、
ダイアモンド、アモルファスカーボンのいずれであって
も良い。
【0033】触媒性金属は上記の反応を低温度、短時間
で引き起こす効果を有する。ガラス基板を用いた大面積
ディスプレイに対してはプロセス温度を少なくとも60
0℃以下にする必要があるため上記の触媒作用は必須で
ある。
【0034】このような金属膜をMIM型電子源の上部
電極として用いると絶縁層をトンネリングしてきた電子
に対して上部電極による散乱を低減でき、効率を向上さ
せることが可能である。
【0035】
【実施例】(実施例1)以下本発明によるMIM型電子
源の作成例を図3を参照して説明する。
【0036】(1)下部電極形成方法 まず石英基板上に下部電極2を形成した(図3
(a))。下部電極はPt膜を700Åその上にカーボ
ン膜を700Åの厚さに成膜することで2層構成とし
た。成膜は図4に示すイオンビームスパッタ装置で行っ
た。成膜条件はアルゴンガス圧1.5×10-4Tor
r、加速電圧2kV、ターゲット電流300mAであっ
た。この条件での成膜速度はPt膜で10Å/分、カー
ボン膜で4Å/分であった。Ptおよびカーボン膜は真
空を破ることなく連続して成膜された。
【0037】(2)絶縁層形成方法 次に絶縁層(I層)3として電子散乱を低減しかつ誘電
率を小さくするという目的から、ゾル・ゲル法と超臨界
乾燥法を組み合わせて多孔質シリカ膜を形成した(図3
(b)):第1の溶液としてTEOS(テトラエトキシ
シラン)とエタノールと水と塩酸をモル比で1:3.
8:1.1:0.0007の割合で混合した。その後混
合液を60℃で90分間還流した。この混合液と濃度
0.2Mのアンモニア水とエタノールを体積比で10:
1:xの割合で混合し、15分間攪拌した。ここでxは
エタノールの希釈量で10から50の範囲で変化させ
た。混合後溶液の粘度が10から20mPa・secにな
ったところでスピンコート法により上記の下部電極上に
成膜した。成膜後基板はエタノール溶液中に浸されゲル
構造の骨格を形成した。次にこの基板をオートクレーブ
内に入れ膜中に含まれているエタノールを液体二酸化炭
素で置換した。その後40℃まで昇温し、内部の圧力を
90気圧とした。この状態は二酸化炭素の超臨界条件
(31℃、72.8気圧)以上であるので膜中の二酸化
炭素は表面張力の働かない超臨界流体となっている。超
臨界状態で15分保ったのち温度を40℃に固定したま
ま二酸化炭素を徐々に排出し圧力を1気圧まで戻した。
続いて温度を徐々に下げ常温まで戻しオートクレーブよ
り基板を取り出した。このプロセスにより、空孔率の高
い骨格を保ったシリカ膜を形成できた。この膜中には水
酸基やアルキル基が吸着しているため窒素ガス中で2時
間、温度450℃でアニールしこれらの吸着物を脱離さ
せた。このようにして形成された多孔質シリカ膜の膜厚
および空孔率は希釈エタノール量xとスピンコート条件
に依存し、それぞれ接触式膜厚計とエリプソメーターか
ら求めた屈折率から算定した。
【0038】(3)上部電極形成方法 次に、上記の方法で得られた多孔質シリカ膜の上に前節
で述べた方法で微細な孔が開けられた上部電極膜を形成
した:カーボン微粒子5として市販のカーボンブラック
(平均粒径300Å)を用いた。このカーボンブラック
を分散したエタノール溶液をスピンコート法で上記絶縁
層上に塗布した(図3(c))。スピンコート条件は回
転数1500rpm、時間30秒とした。上記の条件で
分散塗布されたカーボン微粒子の面密度は電子顕微鏡観
察から109ヶ/cm2であった。この上にPt膜4をイ
オンビームスパッタ法で100Åの厚さに成膜した(図
3(d))。
【0039】次にこの素子を電気炉内で大気雰囲気で4
00℃で1時間熱処理した。この素子表面を電子顕微鏡
観察した結果Pt膜には不定形な孔が開いておりその平
均孔径は約100Åであった(図3(e))。
【0040】上記素子の電子放出特性と比較するため、
膜厚100ÅのPt連続膜を上部電極とした素子も作成
した。
【0041】(4)電子放出特性測定 上記の方法で作成したMIM型電子放出素子を図5に示
す真空装置7内にセットし電子放出特性の測定を行っ
た。
【0042】真空装置7内を10−6Torr以下まで
排気した後、下部電極2と上部電極4の間に上部電極4
を正にして電圧(Vf=15V)を印加しそこに流れる
ダイオード電流をモニターすると同時に基板上10mm
の位置におかれたアノード板6に電圧(Va=1kV)
を印加しエミッション電流を測定した。
【0043】測定した素子の絶縁層である多孔質シリカ
の膜厚及び空孔率はそれぞれ0.5μmおよび85%で
あった。
【0044】表1はこのようにして得られたMIM型電
子源で、上部電極に孔開き膜を用いたものと一様膜を用
いたものの電子放出特性を比較したものである。
【0045】
【表1】 表1から分かるように上部電極として孔開き膜を用いた
素子の効率は一様膜に比較して1桁高く上部電極による
電子散乱が低減されたことが確認された。
【0046】(実施例2)実施例1と同じ構造で多孔質
シリカ膜上にカーボンブラック分散膜を形成した。この
上にイオンビームスパッタ法でNi膜を100Åの厚さ
に成膜した。この素子を電気炉内に入れ水素ガスを毎分
1Lで流しながら500℃、1時間熱処理した。
【0047】この素子表面を電子顕微鏡観察したところ
実施例1と同じ大きさの孔が形成されていることが分か
った。
【0048】この素子の電子放出特性も実施例1と同等
であった。
【0049】(実施例3)以上述べた第1および第2の
実施例では一つの電子放出素子について説明した。この
ようなMIM型電子放出素子を画像形成装置としての平
面ディスプレイ装置に適用した例を次に説明する。この
平面ディスプレイ装置は図6に示すもので第1または第
2の実施例で説明した電子放出素子を集積してなる電子
源13とこの電子源から放出された電子を受けて発光表
示を行う表示部14からなる。
【0050】この電子源の作成方法を図6を用いて説明
する。
【0051】まず基板1上に形成されたベース電極16
をエッチングによってX方向に隣り合う多数の帯状のベ
ース電極16に分割することでアドレスラインが作成さ
れる。つづいて上記基板上に配線間絶縁層15を形成す
る。次に、各帯状のベース電極上に所定の間隔で配線間
絶縁層に貫通孔8を設け、ベース電極表面を露出させ
る。この後、前述の方法で多孔質シリカ膜3を全面に形
成する。つづいて全面に亘ってカーボン微粒子分散膜を
形成したのち触媒性金属からなる導電膜9を形成する。
その後上記カーボン微粒子分散膜と導電膜を一括してエ
ッチングし、ベース電極と直交するy方向に隣り合う多
数の帯状の導電膜に分割する。このことでデータライン
が作成される。最後に大気中で熱処理を行うことでカー
ボン微粒子を酸化・消失させデータライン電極に微細な
孔を形成する。
【0052】以上の工程により多数の電子放出素子をマ
トリックス状に集積してなる電子源13を得ることがで
きる。
【0053】一方、表示部14は透明基板10とその上
に塗布された画像形成部材としての発光蛍光体11さら
にその上に形成された金属膜(メタルバック)12から
なる。この表示部のメタルバック面と電子源を向かいあ
うように配置し、外枠(不図示)を挟んで接着し、真空
容器を形成する。
【0054】このように構成された平面ディスプレイ装
置では上記の各電子放出素子が1画素を構成する。そし
てこの平面ディスプレイ装置では駆動方法として単純マ
トリックス方式を採用することができる。すなわち上記
ベース電極によって構成されるアドレスラインと導電膜
によって構成されるデータラインはそれぞれ駆動ドライ
バに接続されている。そしてこの駆動ドライバを作動さ
せ任意のアドレスラインとデータラインを選択して電圧
を印加することによって各ラインが交わる個所に設けら
れた電子放出素子から電子を放出させる。
【0055】このとき上記表示部14に設けられた金属
膜12に対して高電圧を与えておくと放出された電子は
上記金属膜に引き寄せられそれを透過し、その下の蛍光
体11を発光させることができる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電子放出素
子はMIM型電界放出素子において上部電極に微細な孔
を形成したものである。
【0057】このような構成によれば製造が容易で大面
積化でき、電子放出効率が高く、ビーム広がりの少ない
面状電子源を提供することができる。したがって、この
電子放出素子を集積することによって良好な動画像表示
を可能にする大面積フラットパネルディスプレイ等の画
像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の基本構成図である。
【図2】図2は本発明に係る製造方法を示す工程図であ
る。
【図3】図3は本発明のMIM型電子放出素子の製造工
程を示す工程図である。
【図4】図4はイオンビームスパッタ装置の模式図であ
る。
【図5】図5は電子放出特性を測定するための評価装置
である。
【図6】図6は本発明による電子放出素子を用いた平面
ディスプレイ装置である。
【符号の説明】
1:基板 2:下部電極 3:絶縁層 4:上部電極 5:カーボン微粒子 6:アノード電極 7:真空チャンバー 8:貫通孔 9:データライン 10:透明基板 11:蛍光体 12:金属膜(メタルバック) 13:電子放出部 14:表示部 15:層間絶縁層 16:ベース電極 21:電子放出素子

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向形成された上部電極と下部電極とか
    らなる一対の電極と、前記一対の電極間に挟まれた絶縁
    層からなる電子放出素子において、 前記上部電極に電子放出のための微細な孔が多数形成さ
    れていることを特徴とする電子放出素子。
  2. 【請求項2】 前記上部電極が触媒性金属からなること
    を特徴とする請求項1記載の電子放出素子。
  3. 【請求項3】 前記触媒性金属がFe, Co, Ni, P
    d, Pt, Cu, Agのいずれかであることを特徴とす
    る請求項2記載の電子放出素子。
  4. 【請求項4】 対向形成された上部電極と下部電極とか
    らなる一対の電極と、前記一対の電極間に挟まれた絶縁
    層からなる電子放出素子であって、該上部電極に電子放
    出のための微細な孔が多数形成された電子放出素子の製
    造方法において、 前記上部電極を触媒性金属によって形成し、カーボン微
    粒子と該触媒性金属と反応性ガスが共存する系を熱処理
    することによって前記上部電極に微細な孔を作成するこ
    とを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記触媒性金属がFe, Co, Ni, P
    d, Pt, Cu, Agのいずれかであることを特徴とす
    る請求項4記載の電子放出素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記反応性ガスが酸素または水素ガスで
    あることを特徴とする請求項4又は5記載の電子放出素
    子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記カーボン微粒子の結晶構造がグラフ
    ァイト、ダイアモンド及びアモルファスカーボンのいず
    れかまたはそれらの組み合わされた構造であることを特
    徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の電子放出素
    子の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項4乃至7のいずれかに記載の製造
    方法によって製造されたことを特徴とする電子放出素
    子。
  9. 【請求項9】 電子放出素子を基板上にマトリックス状
    に配置してなる電子源において、 前記電子放出素子として請求項1乃至3又は請求項8の
    いずれかに記載の電子放出素子を用いたことを特徴とす
    る電子源。
  10. 【請求項10】 電子放出素子を基板上にマトリックス
    状に配置してなる電子源の製造方法において、 前記電子放出素子を請求項4乃至7のいずれかの製造方
    法によって製造することを特徴とする電子源の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 電子源と、該電子源に対向配置される
    とともに該電子源から放出された電子によって画像を形
    成する画像形成部材とを備えた画像形成装置において、 前記電子源として請求項9記載の電子源を用いたことを
    特徴とする画像形成装置。
  12. 【請求項12】 電子源と、該電子源に対向配置される
    とともに該電子源から放出された電子によって画像を形
    成する画像形成部材とを備えた画像形成装置の製造方法
    において、 前記電子源を請求項10記載の製造方法に
    よって製造することを特徴とする画像形成装置の製造方
    法。
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