JP2000250082A - レーザ波長変換装置 - Google Patents

レーザ波長変換装置

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JP2000250082A
JP2000250082A JP11048136A JP4813699A JP2000250082A JP 2000250082 A JP2000250082 A JP 2000250082A JP 11048136 A JP11048136 A JP 11048136A JP 4813699 A JP4813699 A JP 4813699A JP 2000250082 A JP2000250082 A JP 2000250082A
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crystal
nonlinear optical
angle
laser
incident
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JP11048136A
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English (en)
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Taiji Ouchi
泰司 大内
Hitoshi Kawai
斉 河井
Masaki Harada
昌樹 原田
Soichi Yamato
壮一 大和
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で経時変化が少なく潤滑油等によるコン
タミネーションの発生を起こさない位相整合角調整方法
を備えたレーザ波長変換装置を得る。 【解決手段】 非線形光学結晶10をレーザ光軸上に配
設支持する結晶支持部材22は、このレーザ光軸を含み
前記結晶の入射角を規定する面に円弧状の軌道面22a
を有して形成され、非線形光学結晶10はこの軌道面上
のレーザ光軸方向に移動自在に配設されてレーザ波長変
換装置を構成する。そして、位相整合条件の調整は、非
線形光学結晶10を軌道面22a上で移動させることに
より入射レーザ光Liの入射角を変化させ、位相整合角
と一致させることにより行う。また、非線形光学結晶に
は温度調整手段を具備して構成し、結晶温度を変化させ
て位相整合角を変化させ、入射角と一致するよう調整制
御して行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ光を波長変換
結晶に入射させて角度位相整合を行うに際し位相整合角
を調整してレーザ波長を変換するレーザ波長変換装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】非線形光学結晶を用いて入射する基本波
の2倍の周波数の高調波を発生させる二次高調波発生
(SHG)技術は、光を媒体とする情報処理に於いては
周波数に応じて情報量を増大させることができ、また、
光学的には短波長化に伴いビームスポットサイズを微小
化することができるため、より微細観察や微細加工が可
能になるなど大きなメリットがあり、近年では実用化段
階にあるといえる。
【0003】二次高調波発生を行う非線形光学結晶内部
では、レーザ光の強い光電場により誘起された非線形分
極により、基本波の位相速度と同じ速度で伝播する非線
形分極波と、非線形分極から双極子輻射で放出される二
次高調波(以降「SHG波」という)とが供に伝播す
る。
【0004】ここで、分極波とSHG波の位相速度が同
じであれば、伝播するSHG波と結晶内のどの地点で発
生しつつある双極子輻射とも同位相となるためコヒーレ
ント加算され高効率で二次高調波を発生させることがで
きる。この様に分極波とSHG波との位相を合わせるこ
とを位相整合と呼び、最大の変換効率を得る条件を位相
整合条件という。そして、この位相整合条件は入射波の
波長に於ける結晶の屈折率とSHG波の屈折率とを等し
くすることにより得られる。
【0005】この位相整合条件を満足させる方法として
は、主に非線形光学結晶の複屈折を利用する方法が用い
られる。複屈折とは異方性結晶に於いて入射方向により
屈折率が異なる現象であり、結晶の光学軸に対して異な
る波長の光を入射させたときに各々の屈折率特性が屈折
率ベクトル面上で交差する点、すなわちこの二つの光の
屈折率が同一となる入射角を求めることができる。そし
てこの入射角で基本波を入射させることにより、入射波
の波長に於ける屈折率とSHG波の波長に於ける屈折率
とを等しくすることができる。この様な位相整合を角度
位相整合と呼び、位相整合条件を満足する入射角を位相
整合角という。
【0006】従来では、上記のようにして算出された位
相整合角に合わせるため、波長変換装置の光軸上に非線
形光学結晶を保持して入射光軸に対して非線形光学結晶
を揺動調整可能に構成された微動ステージを配設し、結
晶の光学軸と入射する基本波とがなす角度を相対的に調
整して前記位相整合角と合わせることにより、位相整合
条件を満足させていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のように
微動ステージを用いて位相整合角を調整する調整方法で
は、波長変換装置が大型化しあるいは複雑化するため、
波長変換装置を備えて構成されるレーザ装置全体が大型
化するという問題があった。また、波長変換効率を向上
させるために光共振器構成を採用した連続波レーザ(C
Wレーザ)用の波長変換装置では、ミラー間に微動ステ
ージを配置するためのスペースが必要となり波長変換装
置が大型化するうえ、この大型化に伴って光共振器の剛
性が低下する。そのため、波長変換部をレーザ装置本体
内に搭載して小型化、安定化を図ろうとする場合に大き
な障害となっていた。
【0008】また、微動ステージは光学機器に於ける微
動調整を目的として構成されていることから、設置後長
期間にわたる振動や周囲温度変化、機械的外力等の外囲
気に対する耐性が一般的に低く、経時変化による非線形
光学結晶への入射角の変化を生じて波長変換光率が悪化
するという問題があった。
【0009】さらに、微動ステージの摺動部に使用され
ている潤滑剤は、長期間の使用中に徐々に蒸発して非線
形光学結晶や周辺の光学素子の表面に付着する。この様
にして付着したコンタミネーションはレーザ光を吸収し
て熱となり、光学系のアライメントを変化させて波長変
換光率を低下させるうえ、更にコンタミネーションが進
むと非線形光学結晶や周辺の光学素子に損傷を生じると
いう問題があった。
【0010】そこで、上記のような問題に対処するた
め、微動ステージを用いて初期の結晶入射角調整後に調
整機構部を接着剤等により固定し、あるいは、上記のよ
うな微動ステージを用いずに外部の調整ジグ等によって
入射角を調整したのちに非線形光学結晶や結晶ホルダを
接着剤等により固定する方法が考案される。
【0011】しかし、調整部を固定した場合には、例え
ば光源であるレーザ発振器の調整やレーザ発振器から光
を導く経路上の光学素子の交換、周辺機器の再アライメ
ント等により波長変換装置へ入射するレーザ光の光軸が
変化したときに、入射角度の調整が困難となるという問
題があった。
【0012】本発明は上記の様な問題に鑑みてなされた
ものであり、従来のような微動ステージを用いることな
く、小型で経時変化が少なく且つコンタミネーションの
問題を生じさせない波長変換素子への位相整合角の調整
方法及びこの方法を用いた波長変換装置を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1の形態では非線形光学結晶の光学軸に
対し、入射するレーザ光の入射角を調整することにより
所定の位相整合角となるように角度位相整合を行い、前
記入射レーザ光の波長を変換させる波長変換に於いて、
前記非線形光学結晶を入射するレーザ光の光軸上に所定
の位相整合角で配設支持する結晶支持部材は、少なくと
も入射角を規定する面内に円弧状の曲面を有する軌道面
を備え、非線形光学結晶若しくは該結晶を保持する保持
体はこの軌道面上を移動自在に配設されて構成され、非
線形光学結晶への入射角の調整は、非線形光学結晶若し
くはこの結晶を保持する保持体を軌道面上に沿って位置
を調整することにより行う。
【0014】また、本発明の第2の形態では、前記非線
形光学結晶を入射するレーザ光の光軸上に所定の位相整
合角で配設支持する結晶支持部材を、入射角を規定する
面内に異なる傾斜角を有する複数の支持部材から構成
し、非線形光学結晶への入射角の調整は、前記異なる傾
斜角を有する複数の結晶支持部材を選択自在に配設する
ことにより行う。
【0015】以上のような方法によれば、微動ステージ
を用いることなく非線形光学結晶を任意の傾斜角でレー
ザ光の光軸上に配設することができ、この傾斜角を調整
することにより非線形光学結晶の光学軸に対する入射レ
ーザ光の入射角を調整して位相整合角と合わせることが
できる。
【0016】また、角度位相整合を行う波長変換に於い
て、非線形光学結晶には、この結晶の温度を調整する温
度調整手段を備えてレーザ波長変換装置を構成し、位相
整合条件の調整は、前記非線形光学結晶の温度を調整す
ることにより非線形光学結晶の位相整合角を変化させて
入射角と一致させることにより行う。
【0017】このような方法によれば、微動ステージ等
の機械的調整機構を用いることなく非線形光学結晶を一
定の配設角度でレーザ光の光軸上に配設支持することが
でき、あとは結晶温度を調整することにより非線形光学
結晶の位相整合角を変化させて入射レーザ光の入射角と
一致させることにより位相整合条件を満足させることが
できる。
【0018】そして以上のような調整方法を用いてレー
ザ波長変換装置を構成することにより、微動ステージを
用いることなく小型で経時変化が少なく且つコンタミネ
ーションの問題を生じさせないレーザ波長変換装置を提
供することができる。
【0019】また、上述の第1の形態の構成に於ける結
晶支持部材と供に、非線形光学結晶にはこの結晶温度を
調整する温度調整手段を備えてレーザ波長変換装置を構
成し、非線形光学結晶への入射角の設定は、軌道面上に
配設された非線形光学結晶若しくは該結晶を保持する保
持体を前記軌道面上に沿って位置を調整すること、また
は前記非線形光学結晶の位置調整とともに前記温度調整
手段により結晶温度を調整することにより行い、入射角
設定後には温度調整手段により制御する。
【0020】この様な構成によれば、波長変換装置への
入射角が周辺光学装置の再アライメント等によって変化
し、あるいは非線形光学結晶を交換した結果、結晶個々
の固有条件により位相整合条件が変化した場合等に於い
て、その変化量に応じて適切な調整方法を実施すること
ができる。例えば、その変化量がわずかな場合には結晶
の温度調整のみによって位相整合を行うことが可能であ
り、一方、非線形光学結晶の温度調整だけでは位相整合
角の調整が困難な場合には、一定温度条件下でまず円弧
状軌道面上に於ける結晶(若しくは結晶保持体)の位置
を調整することにより入射角を位相整合角に概略調整
し、しかる後に結晶温度調整により微妙な調整を行う等
が可能である。
【0021】なお、以上のように温度調整手段を備える
レーザ波長変換装置に於いては、波長変換結晶により波
長変換されて出力されるレーザ光の強度を検出する変換
出力検出手段をさらに有し、温度調整手段は変換出力検
出手段によって検出されるレーザ光の強度が最大となる
ように非線形光学結晶の温度を制御するよう構成するこ
とが好ましい。
【0022】上記構成によれば、例えば非線形光学結晶
を支持する結晶支持部材や周辺の光学系の支持部材等が
外部温度変化等により微小変形し、わずかに位相整合条
件からずれた場合であっても非線形光学結晶を温度調整
して非線形光学結晶から出力される出力レーザ光の光強
度が極大値となるように制御することにより、レーザ波
長変換装置を常に最大効率で作動させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以降、本発明に係るレーザ波長変
換装置およびその調整方法の実施の形態について図面を
参照して説明する。まず、図11には本発明のレーザ波
長変換装置100を共焦点型のレーザ走査顕微鏡500
に適用した場合の実施の態様を示しており、レーザ光源
510から出力されるレーザ光を、例えば光ファイバー
や反射光学系等の導入光学系520を用いてレーザ走査
顕微鏡の装置内に導入する。同装置内には本発明に係る
レーザ波長変換装置100が配設されており、導入した
レーザ光は所望の光波長に波長変換され後、照明レンズ
530を透過してハーフミラー540に入射する。ハー
フミラーで反射した照明光は2次元ビーム走査手段55
0、対物レンズ560を透過してステージ上の試料Aの
表面に微小なレーザスポットを形成する。
【0024】試料Aで反射した観察光は対物レンズ56
0を介して所定倍率に拡大され、2次元ビーム走査手段
550、ハーフミラー540を透過して集光レンズ57
0で集光され、ピンホール575で周辺の屈折光を除去
されて、当該レーザ波長観測用の検出器580に入射す
る。検出器580に入射した観察光は光電変換されて2
次元ビーム走査手段550からの制御信号と供に信号処
理装置590に入力されて信号処理された後、これをC
RTや液晶表示パネル等のモニター595に試料Aの拡
大像として表示する。
【0025】図10には上例のようなレーザ装置に用い
られるレーザ波長変換装置100の構成例を示してお
り、レーザ光源としてCW発振レーザを用い外部共振型
波長変換装置を構成した例を示す。
【0026】この図10に示す外部共振器型波長変換装
置100は、図示しない共振器ベース上に配設された共
振器ミラー120,125及びプリズム130で光共振
器が構成されており、この共振器中に入射レーザ光Li
を所望の光波長に変換する非線形光学結晶10が角度位
相整合を行うための位相整合条件を調整可能に構成され
た結晶支持部材20上に配設支持されている。レーザ発
振器510から射出されモードマッチレンズ525を介
して波長変換装置100に入射する基本波レーザ光Li
は前記モードマッチレンズ525で集光されて外部共振
器内の非線形光学結晶上に照射され、光共振器で共振す
ることにより効率よく波長変換されて出力側共振器ミラ
ー125から出力光Loとして出力される。
【0027】なお、入射レーザ光のパワー密度が高いQ
スイッチパルスレーザ等の波長変換装置として適用する
場合には、図10に示す様な共振器構成は必要無く、共
振器ミラー120,125及びプリズム130を配設せ
ずに構成することができる。
【0028】ここで、波長変換に用いる非線形光学素子
10は、入射する基本波レーザ光Liの波長と、レーザ
装置で求められるレーザ光の波長とに応じて適宜選択可
能なものであり、入射する基本波レーザ光の2倍の周波
数の光を発生する二次高調波発生(SHG)と、異なる
二つの基本波の和周波を出力する光パラメトリック発振
(OPO)とを例えば単独で、あるいはこれらを複数段
組み合わせることにより所望の波長の出力レーザ光Lo
を出力させることができる。
【0029】例えば、レーザ光源としてNd:YAGレー
ザやNd:YVO4レーザを用い、この光源からの発振波
長1064nmの入射レーザ光Liを二倍波である波長532nmの
グリーンレーザ光として出力させるときには、公知の非
線形光学結晶であるKTP(KTiOPO4)やMgO:LN(Mg
O:LiNbO3)、LBO(LiB3O5)等を用い、これら結晶軸に
対する入射角(θ,φ)をそれぞれの位相整合角(θ=90de
gφ=26deg),(θ=84.2deg),(θ=90degφ=11.3deg)に調整
することにより達成することができる。
【0030】また、上記波長変換段の後段にもう一段の
二次高調波発生段を設ける場合や、あるいは、上記のよ
うな非線形光学結晶をレーザ光源の共振器内に有し波長
532nmのSHG波を出力するグリーンレーザや、波長420
nmのSHG波を出力するブルーレーザの出力光を入射基
本波として用い、さらにこの二倍波を出力させる場合に
は、非線形光学結晶としてBBO(β-BaB2O4)、CLB
O(CsLiB6O10)を用い、これら結晶の光学軸に対する入
射角θを例えばグリーンレーザについてそれぞれ47.6de
g,62deg(位相整合角)に調整することにより達成するこ
とができる。
【0031】以降では、波長変換装置100への入射レ
ーザ光Liを波長532nmのグリーンレーザ光とし、非線形
光学結晶10としてBBO結晶を用いて出力波長266nm
のSHG波を得る場合を例に取り、この非線形光学結晶
10への入射角の調整方法についてより詳細に説明す
る。
【0032】まず、図2には非線形光学結晶として結晶
長10mmのBBO結晶を用い、結晶温度293°Kの条件でTy
peI位相整合により入射レーザ波長532nmを出力レーザ波
長266nmに波長変換する場合の、入射レーザ光の結晶光
学軸に対する入射角度と波長変換光率(またはSHG波
強度)との関係を計算しプロットしたものである。
【0033】この計算結果から、上例に於ける位相整合
条件は中心位相整合角47.64degであり、波長変換効率が
中心位相整合角の半分の値になる半値全幅(位相整合角
の許容度)は約0.01degである。従って角度位相整合を
調整するための入射角調整手段は0.001deg程度以上の分
解能を有して構成すればよいことがわかる。
【0034】図1には、本発明に係るレーザ波長変換装
置の第1の実施形態を模式的に示したものである。本実
施形態のレーザ波長変換装置は、非線形光学結晶10を
波長変換装置内の入射レーザ光軸Li上に配設支持する
結晶支持部材20として、この結晶の光学軸(図1中に
Z軸で示す)に対する入射角θを規定する面内に円弧状
の曲面22aを有する円筒状の軌道部材22を備え、非
線形光学結晶10がこの軌道面上をレーザ光軸方向(図
中では左右方向)に移動自在に配設されて構成されてい
る。そして、非線形光学結晶10への入射角の調整すな
わち位相整合角への調整は、非線形光学結晶10の軌道
面上の位置を調整することにより行う。
【0035】例えば、前記波長変換条件に於いては、非
線形光学結晶BBOのレーザ光軸方向長さをL=10mm、円
筒状軌道面22aの曲率半径をR=570mm、円筒状軌道面
内での移動調整量を10mmとする。このときBBO結晶1
0を円筒状の軌道部材22の円筒面底部で1mm移動させ
たときの結晶光軸に対する入射角θの変化がδθ=0.1de
gとなり角度調整可能量はθMAX=1degとなる。
【0036】一方、前記波長変換条件で角度位相整合を
行うときに必要な角度上の調整幅及び分解能は、前記図
2から有効角度調整幅が0.15deg(47.55deg〜47.7deg)、
角度上の分解能が0.001deg程度であることから、上記構
成に於いて角度調整幅の条件を満たしており、また、こ
の角度分解能をを満足させるための移動量上の分解能は
軌道面上で10μmとなることから、公知のマイクロメー
タやPZTドライバーユニット等を用いて構成すること
ができる。
【0037】また、前記円筒状の軌道部材22は、例え
ばセラミックスやBK7等の光学ガラス、石英などの無
機材料、アルミ合金や鉄系合金などの金属材料をマシニ
ングセンタや研削盤、放電加工機、電界研磨機等の公知
の工作機械を用いて創成し、必要に応じてメッキ等の表
面処理を施すことにより得ることができる。
【0038】なお、前記円筒状の軌道部材22の材料と
しては温度に対する線膨張係数の小さい素材を用いる
か、または製作した軌道部材22を一定温度範囲内に温
度制御することが好ましい。これらの具体例としては、
例えば前者ではゼロデュア(光学ガラス)やスーパーイ
ンバー(Fe,Ni,Co合金)を、後者では波長変換装置全体
を温調制御する方法やチラー等によって一定温度化され
た冷却水を用いて軌道部材や共振器の構成部材等を定温
化する方法等を例示することができる。
【0039】また、非線形光学結晶を用いて行う波長変
換の使用条件により、結晶上に表示された入射端面側か
ら結晶長軸方向に平行入射させたときに、波長変換の各
条件によって定まる位相整合角と概略一致するように非
線形光学結晶を予め切り出している。また使用波長に対
する無反射コーティング(ARコート)等の端面処理を
施している。従って、本実施形態の様な場合では円筒状
の軌道部材22の概略中央部に入射レーザ光軸と略平行
となるように非線形光学素子10を配設した後、入射角
の微調角度調整を行うことにより角度位相整合をとるこ
とができる。
【0040】次に、本実施形態に於ける第2の実施例と
して、波長変換装置100への入射レーザ光を波長420n
mのブルーレーザ光とし、非線形光学結晶10としてB
BO結晶を用いて出力波長210nmのSHG波を得る場合
について説明する。
【0041】図3には図2の場合と同様に結晶長10mmの
BBO結晶を用い、結晶温度293°Kの条件でTypeI位相
整合により入射レーザ波長420nmを出力レーザ波長210nm
に波長変換する場合の、入射レーザ光の結晶光学軸に対
する入射角度と波長変換光率との関係を計算しプロット
したものである。
【0042】この計算結果から、本例に於ける位相整合
条件は中心位相整合角75.88deg、位相整合角の許容度は
約0.015degである。従って角度位相整合を調整するため
の入射角調整手段は前記第1の実施例と同様に0.001deg
程度の分解能を有して構成すればよく、またこの波長変
換条件で角度位相整合を行うときに必要な角度上の有効
調整幅は図3から0.2deg(75.8deg〜76.0deg)程度あれば
よいことが解る。
【0043】従って、本実施例の波長変換条件に於いて
も前記第1の実施例と同一の構成で容易に入射角の調整
を実施することができ、且つコンパクトに波長変換装置
を構成することができる。
【0044】なお、以上の実施例では円弧状の曲面を有
する軌道部材として、入射角を規定する面内(レーザ光
の光軸方向)にのみ曲率を有する円筒形状を有する軌道
部材22とし、この軌道部材22を1段で使用した場合
について説明したが、例えばこれをレーザ光軸に直交す
る面内(図1に於ける紙面垂直方向)にも曲率を有する
球面形状を有する軌道部材とし、この方向にも調整機構
を設ける構成とすることや、あるいは前記円筒形状を有
する軌道部材22を同一方向若しくは直交方向に2段
(円筒状の軌道部材22の下部にこの軌道部材22の底
面を支持する円筒状の軌道部材を更に設ける)構成と
し、これらを個別に調整自在に配設することもできる。
【0045】この様な構成を採れば、説明した位相整合
角の調整に加えて入射レーザ光の偏光偏波面の非線形光
学結晶に対する入射角調整を合わせて行うことができ
る。また、同一方向に円筒軌道面を2段構成とする実施
例では、有効角度調整幅を拡大することができるほか、
円筒面の曲率半径を異なる値として構成することによ
り、例えば一方を粗動調整用とし他方を微動調整用とす
ることにより角度位相整合の調整容易化をはかることが
できる。
【0046】次に、図4には本発明に係るレーザ波長変
換装置の第2の実施形態を示しており、本実施形態に於
いて非線形光学結晶10へのレーザ光の入射角が波長変
換装置内の入射レーザ光軸Li上に対して所定の角度を
有するように配設支持する一定の傾斜角を有するウェッ
ジ状の支持部材21を用いた。そして、位相整合角の調
整は、これらウェッジ状の支持部材21を単数若しくは
複数組み合わせて配設することにより、結晶光学軸に対
する入射角θを調整し、波長変換条件に於ける位相整合
角と一致させるものである。
【0047】ここでは、実施例として非線形光学結晶に
LBO結晶を用い、レーザ波長1064nmの基本波レーザ光
を波長532nmのSHG波に波長変換する場合を例に取
り、以降に説明する。
【0048】まず、この波長変換条件に於いて、角度位
相整合を行うときに必要な角度上の調整幅及び分解能
は、前記BBO結晶を用た第1の実施形態と同様の計算
により求められ、レーザ光軸方向の結晶長さL=5mmのL
BO結晶に於いては半値幅0.6degで角度上の分解能は
0.06deg程度と求められる。
【0049】ウェッジ状の支持部材(以下ウェッジ基板
という)21は前記第1の実施形態と同様の材料を同様
の周知の加工方法により制作することができる。本実施
例ではウェッジ基板のレーザ光軸方向長さを30mmとし、
このウェッジ基板両端の厚さの差を30μmごとに変えて
傾斜角を変化させたものを複数作成し、これらを交換自
在に配設する。このときの傾斜角の変化は各ウェッジ基
板間で約0.06degとなり、前記必要な角度上の分解能0.0
6degとほぼ一致する。
【0050】従って前述のようにして作成された複数の
ウェッジ基板を適宜選択し、またこれらを複数組み合わ
せることによりLBO結晶への入射角すなわちレーザ光
軸とLBO結晶の光学軸とのなす角を変化させて、位相
整合条件に合致するウェッジ基板を選択することにより
入射角を調整することができる。
【0051】次に、本発明に係るレーザ波長変換装置の
第3の実施形態について説明する。この実施形態は、非
線形光学結晶にこの結晶の温度を調整する温度調整手段
を備えてレーザ波長変換装置を構成し、非線形光学結晶
への入射角の調整は、前記非線形光学結晶の温度を調整
することにより非線形光学結晶の位相整合角を変化させ
て入射角と一致させるものである。
【0052】図5には、この実施形態によるレーザ波長
変換装置を模式的に示しており、本実施形態では入射レ
ーザ光軸Li上に配設される非線形光学結晶10に、こ
の結晶の温度を調整制御する温度調整手段30としてペ
ルチェ素子31の加熱側接点面を密着配設し、加熱側接
点面と対峙する冷却側接点面には放熱板32を配設して
構成する。そして、ペルチェ素子31へ流す電流値を制
御することにより結晶温度を調整する。
【0053】光学的異方性を有する非線形光学結晶は、
結晶温度により位相整合角が変化する特性を有してお
り、上記のようにして結晶温度を制御することにより非
線形光学結晶の位相整合角を変化させ、非線形光学結晶
の光学軸に対するレーザ光の入射角が位相整合角と一致
するように結晶温度を制御する。
【0054】すなわち、これまで述べてきた第1及び第
2の実施形態では、位相整合条件の調整方法として、非
線形光学結晶の入射レーザ光に対する入射角度を変化さ
せ、非線形光学結晶の位相整合角と一致させる方法を示
してきたが、本実施形態では入射レーザ光の結晶への入
射角を変化させず(若しくは入射角変化と併用して)、
結晶温度を調整することにより位相整合角を変化させて
これら両者を一致させるものである。
【0055】例えば、前記第1の実施形態で説明した2
つの波長変換条件、すなわち、非線形光学結晶として
結晶長10mmのBBO結晶を用い、TypeI位相整合により
入射レーザ波長532nmを出力レーザ波長266nmに波長変換
する場合、及び同様のBBO結晶を用い、TypeI位相
整合により入射レーザ波長420nmを出力レーザ波長210nm
に波長変換する場合、の二つの場合について、BBO結
晶の温度と位相整合角との関係を算出し、プロットした
結果を図6(上記の条件)及び図7(上記の条件)に示
す(この様な計算式として例えば K.Kato IEEE JOE QE-2
2 1013 1986)。
【0056】図6は、非線形光学結晶BBOの結晶温度
を0℃から150℃まで変化させたときの前記の波長変換
条件に於ける位相整合角の変化を示したものであり、こ
の計算結果から、結晶温度変化1℃当たりの位相整合角
の変化量は0.0017degと求められる。一方、この波長変
換条件で必要とされる位相整合角の角度分解能及び有効
調整幅は、前記第1の実施形態に於ける図2の検討結果
から角度分解能が0.001deg、有効調整幅が0.15degであ
る。
【0057】従って、必要な角度分解能を満足するため
の温度制御上の分解能は0.59℃、有効調整幅は88℃程度
あればよく、前記ペルチェ素子を用いた公知の温度調整
手段を用いて容易に位相整合角を基本波レーザ光の入射
角と一致させる波長変換装置を構成することができ、ま
た、本方法により容易に位相整合角を調整制御すること
ができる。
【0058】図7は、図6と同様に非線形光学結晶BB
Oの結晶温度を0℃から150℃まで変化させたときの前記
の波長変換条件に於ける位相整合角の変化を示したも
のである。そして、この計算結果から結晶温度変化1℃
当たりの位相整合角の変化量は0.0055degと求められ
る。この値に対してこの波長変換条件で必要とされる位
相整合角の角度分解能及び有効調整幅は、前記第1の実
施形態に於ける図3の検討結果から角度分解能で0.001d
eg、有効調整幅で0.2degである。
【0059】従って、必要な角度分解能を満足するため
の温度制御上の分解能は0.18℃、有効調整幅は36℃程度
となり、前記ペルチェ素子を用いた公知の温度調整手段
30を用いて容易に位相整合角を基本波レーザ光の入射
角と一致させる波長変換装置を構成し、また位相整合角
を調整制御することができる。
【0060】なお、以上説明した実施例では非線形光学
結晶の温度を調整する温度調整手段30としてペルチェ
素子31を用いて構成した例を示したが、この温度調整
手段は非線形光学結晶を効率的に温度調整することがで
きるものであればよく、例えば公知のヒータ等の加熱手
段を適宜用いて構成することができる。また、温度調整
手段は例えば非線形光学結晶をレーザ光軸中に配設支持
する結晶支持部材と一体的に構成されるものであっても
良い。
【0061】次に、本発明のレーザ波長変換装置の第4
の実施形態について説明する。本実施形態のレーザ波長
変換装置は、非線形光学結晶をレーザ光軸上に配設支持
する結晶支持部材として、第1の実施の形態で説明した
円筒状の軌道部材を用いて非線形光学結晶を保持する保
持体をこの軌道面上に移動自在に配設するとともに、非
線形光学結晶には結晶温度を調整する温度調整手段を備
えて構成する。そして位相整合条件の調整は、非線形光
学結晶を保持する保持体の位置を軌道部材の面に沿って
調整すること及び結晶温度を調整することにより行うも
のである。
【0062】以下、本実施形態の実施例について、非線
形光学結晶としてBBO結晶を用い、入射する基本波の
レーザ波長532nmを出力レーザ波長266nmに波長変換する
場合(第1及び第3の実施形態に於ける第1実施例に該
当する)について図8及び図9を用いて説明する。
【0063】これら両図のうち、図8は入射レーザ光L
iおよび射出レーザ光Loを含み結晶光学軸に対する入射
角を規定する面内で切断した主要断面図を(図9におけ
るVIII-VIII断面図)、図9は図8にIX-IXで示すレーザ
光と直交する面で切断した断面図を示している。
【0064】本実施例に於いて、非線形光学結晶である
BBO結晶10を温度調整する温度調整手段30は、結
晶全体を効率的に且つ一様な温度に保持するため、アル
ミや銅等の熱伝導率の高い材料で結晶を包むように形成
された蓄熱部材33を有している以外既に第3の実施形
態で説明したと同様である。なお図中31はペルチェ素
子であり、図中32は放熱板である。
【0065】温度調整手段30を備えたBBO結晶10
は、例えばネジ等の図示しない固定手段により結晶ホル
ダ23に固定され、既に第1の実施形態で説明したと同
様に円筒状の軌道面22aに載置される。
【0066】円筒状の軌道部材22は図9にその断面図
を示す様に、円筒状軌道面を有する面のなかに平面状に
立設する立設部22bを有している。従って軌道部材2
2はL型形状に形成されている。また結晶ホルダ23も
円筒状の軌道面と接する面の他に、立設部22bに接す
る立設部23bを有している。そして、立設部22bと
対向する円筒状の軌道部材22の側端面(図9中では円
筒状の軌道部材22の左側側端面)には、結晶ホルダ2
3の立設部23bを立設部22bに押圧するための固定
部材24を設けている。なお、この固定部材24はネジ
等の図示しない固定手段で軌道部材22と結晶ホルダ2
3に固定される。そして固定部材24と立設部22bと
の間で結晶ホルダ23を挟持し固定する。
【0067】これによって結晶ホルダ23はネジ等の固
定手段をゆるめることにより円筒状軌道面22a上でレ
ーザ光軸方向に移動可能となり、位置決めされたら、固
定手段により結晶ホルダ23の立設部23bが立設部2
2bに押圧されて固定する。
【0068】なお、結晶ホルダ23は例えば前記蓄熱部
材33と一体に構成することも可能であるが、非線形光
学結晶の温度均一化や入力電力の省電力化、円筒状軌道
を含めた他の光学機器への熱伝導による熱変形の抑制等
の面から、断熱性を有し線膨張係数の低い材料を加工
し、また組み合わせて用いることが好ましい。この様な
ものとして例えばセラミックや合成マイカ等を例示する
ことができる。
【0069】この様な構成でBBO結晶10を結晶ホル
ダ23を介して円筒状軌道面22a上で移動させること
により、若しくはBBO結晶の結晶温度を調整すること
により、いずれか一方の方法のみで位相整合条件を調整
することができる。そしてこれら両者を組み合わせるこ
とにより、以下に示すように、さらに効率的な調整が可
能となる。
【0070】まず、温度調整手段であるペルチェ素子3
1に電力供給を行い、BBO結晶温度を例えば50℃程度
の周囲環境温度より高い一定温度に設定し、この温度で
BBO結晶を定温化制御する。次にBBO結晶に基本波
レーザ光を入射させ、出力レーザ光であるSHG波の光
強度が最大となるようにBBO結晶ホルダ23を円筒状
軌道面22a上で例えば図示しないマイクロメータ等に
より移動調整(入射角度調整)し、この入射角度位置で結
晶ホルダ23を結晶ホルダ固定部材24を用いて固定す
る。そして結晶ホルダ23を固定後に残る位相整合角と
入射角との微小残差(例えば移動調整時の調整残差や結
晶ホルダ固定による結晶位置の微小移動)を結晶温度を
微調整することにより位相整合角を微小変化させて入射
角と一致させ、得られるSHG波が最大となる温度条件
で結晶温度を定温化制御する。
【0071】この様に構成し制御することにより容易
に、しかも詳細な位相整合条件の調整が効率的に実施可
能となる。また本実施形態によれば、例えば周辺光学装
置の再アライメント等によって波長変換装置への入射角
が変化した場合等では、その変化量に応じて適切な調整
方法を任意に選択して実施することができる。例えば、
その変化量がわずかな場合には結晶の温度調整のみによ
って位相整合を行うことが可能である。
【0072】なお、この様な実施形態のレーザ波長変換
装置では、例えば図10に示すように、レーザ波長変換
装置の出力部にビームスプリッタやチョッパ等の部分反
射部材150を介してレーザ出力検出器160を配設
し、このレーザ出力検出器によって検出されるレーザ光
の出力強度が極大となるように非線形光学結晶を温度制
御するように構成することが好ましい。
【0073】上記構成によれば、例えばレーザ発振器と
波長変換装置相互位置関係や周囲温度条件の変化等によ
り入射レーザ光の非線形光学結晶への入射角がわずかに
変動する場合であっても、この変動分を自己補正して常
に最大効率で波長変換装置を作動させることができる。
【0074】あるいは、前記部分反射部材150をレー
ザ光軸に対して挿脱自在に配設し、例えば、レーザ装置
の起動時に、または一定稼働時間ごとに上記のレーザ出
力強度が極大となる結晶温度を求め、その後は次の調整
時までその結晶温度で温調制御するよう構成しても良
い。
【0075】なお、以上各実施例の説明に於いては、非
線形光学結晶としてBBO若しくはLBO結晶を単段で
用い、いずれも二次高調波発生を行わせる場合を例に取
り説明したが、本発明はかかる実施例に限定されるもの
ではなく、例えば先に例示した他の非線形光学結晶を用
いても同様に構成することができる他、これを多段に構
成して所望の2n倍波を発生させ、または光パラメトリ
ック発生を組み合わせることにより所望のn倍波を発生
させることも可能である。
【0076】
【発明の効果】以上のような方法及び装置によれば、大
型且つ複雑な微動ステージを用いることなく位相整合を
行うことができる。従って、レーザ波長変換装置をコン
パクトに構成することができると供に、潤滑剤等による
コンタミネーションの問題を生ずることがない。
【0077】また、非線形光学結晶に結晶の温度を調整
する温度調整手段を備えてレーザ波長変換装置を構成
し、位相整合条件の調整は、前記非線形光学結晶の温度
を調整することにより非線形光学結晶の位相整合角を変
化させて入射角と一致させることにより行う。
【0078】上記方法及び装置によれば、微動ステージ
等の機械的調整機構を用いることなく非線形光学結晶を
一定の配設角度で光軸上に固定設置して、位相整合条件
を満足させることができる。従って、小型で経時変化が
なく且つコンタミネーションの問題を生じさせないレー
ザ波長変換装置を提供することができる。
【0079】また、以上の構成を組み合わせてレーザ波
長変換装置を構成し、位相整合条件の調整は、軌道面上
に配設された非線形光学結晶若しくは該結晶を保持する
保持体の前記軌道面上の位置を調整すること、または前
記非線形光学結晶の位置調整とともに前記温度調整手段
により結晶温度を調整することにより行い、入射角設定
後には温度調整手段により制御することで詳細な位相整
合条件の調整を容易且つ効率的行うことができる。ま
た、位相整合の変化量に応じて適切な調整方法を実施す
ることができる。
【0080】なお、温度調整手段を備えるレーザ波長変
換装置に於いては、波長変換結晶により波長変換され出
力されるレーザ光の強度を検出する変換出力検出手段を
さらに有し、温度調整手段は変換出力検出手段によって
検出されるレーザ光の強度が最大となるよう非線形光学
結晶の温度を制御する構成とすることが好ましい。
【0081】上記構成によれば、例えば外的要因により
位相整合条件からずれた場合であっても非線形光学結晶
を温度調整してレーザ波長変換装置を常に最大効率で作
動させることができる。従って、経時変化を押さえて長
期に安定したレーザ波長変換装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーザ波長変換装置の第1の実施
形態を示す構成図である。
【図2】非線形光学結晶としてBBO結晶を用いTypeI
位相整合により波長532nmの基本波レーザ光を波長266nm
のSHG波に波長変換する場合の、波長変換効率の位相
整合角依存性を示すグラフである。
【図3】非線形光学結晶としてBBO結晶を用いTypeI
位相整合により波長420nmの基本波レーザ光を波長210nm
のSHG波に波長変換する場合の、波長変換効率の位相
整合角依存性を示すグラフである。
【図4】本発明に係るレーザ波長変換装置の第2の実施
形態を示す構成図である。
【図5】本発明に係るレーザ波長変換装置の第3の実施
形態を示す構成図である。
【図6】非線形光学結晶としてBBO結晶を用いTypeI
位相整合により波長532nmの基本波レーザ光を波長266nm
のSHG波に波長変換する場合の、BBO結晶の結晶温
度と位相整合角との関係を示すグラフである。
【図7】非線形光学結晶としてBBO結晶を用いTypeI
位相整合により波長420nmの基本波レーザ光を波長210nm
のSHG波に波長変換する場合の、BBO結晶の結晶温
度と位相整合角との関係を示すグラフである。
【図8】本発明に係るレーザ波長変換装置の第4の実施
形態を示す主要断面図である。
【図9】上記レーザ波長変換装置のレーザ光軸に直交す
る方向の断面図である。
【図10】本発明に係るレーザ波長変換装置の全体構成
を例示する説明図である。
【図11】上記レーザ波長変換装置を用いて構成したレ
ーザ装置の一例であるのレーザ顕微鏡の構成図である。
【符号の説明】
10 非線形光学結晶 20 結晶支持部材 21 ウェッジ基板(異なる傾斜角を有する結晶支持部
材) 22 円筒状の軌道部材(円弧状の軌道面を備える結晶
支持部材) 22a円筒状軌道面(円弧状の曲面を有する軌道面) 23 結晶ホルダ(結晶を保持する保持体) 30 温度調整手段 100レーザ波長変換装置 160レーザ出力検出器(変換出力検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 昌樹 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 (72)発明者 大和 壮一 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 Fターム(参考) 2K002 AB12 BA01 CA30 DA01 EA24 GA04 GA06 HA18 HA20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非線形光学結晶の光学軸に対し、入射す
    るレーザ光の入射角を調整することにより所定の位相整
    合角となるように角度位相整合を行い、前記入射レーザ
    光の波長を変換させるレーザ波長変換装置に於いて、 前記非線形光学結晶を前記入射するレーザ光の光軸上に
    前記所定の位相整合角で配設支持する結晶支持部材は、
    少なくとも前記入射角を規定する面内に円弧状の曲面を
    有する軌道面を備え、 前記非線形光学結晶若しくは該結晶を保持する保持体
    を、前記軌道面上に移動自在に配設し、 前記入射角の設定は、前記非線形光学結晶若しくは前記
    保持体を前記軌道面上に沿って位置を調整することによ
    り行うことを特徴とするレーザ波長変換装置。
  2. 【請求項2】 非線形光学結晶の光学軸に対し、入射す
    るレーザ光の入射角を調整することにより所定の位相整
    合角となるように角度位相整合を行い、前記入射レーザ
    光の波長を変換させるレーザ波長変換装置に於いて、 前記非線形光学結晶を前記入射するレーザ光の光軸上に
    前記所定の位相整合角で配設支持する結晶支持部材は、
    前記入射角を規定する面内に異なる傾斜角を有する複数
    の結晶支持部材からなり、 前記入射角の設定は、前記異なる傾斜角を有する複数の
    結晶支持部材を選択自在に配設することにより行うこと
    を特徴とするレーザ波長変換装置。
  3. 【請求項3】 非線形光学結晶にレーザ光を入射させ
    て、前記入射したレーザ光の波長を変換させるレーザ波
    長変換装置に於いて、 前記非線形光学結晶には、前記非線形光学結晶の温度を
    調整する温度調整手段を備え、 前記非線形光学結晶の温度を調整して前記非線形光学結
    晶の位相整合角を変化させることにより、前記レーザ光
    の入射角と前記位相整合角とを一致させて行うことを特
    徴とするレーザ波長変換装置。
  4. 【請求項4】 非線形光学結晶にレーザ光を入射させ
    て、前記入射したレーザ光の波長を変換させるレーザ波
    長変換装置に於いて、 前記非線形光学結晶を前記入射するレーザ光の光軸上に
    所定の位相整合角で配設支持する結晶支持部材を有し、
    前記結晶支持部材は少なくとも前記入射角を規定する面
    内に円弧状の曲面を有する軌道面を備え、 前記非線形光学結晶若しくは該結晶を保持する保持体
    を、前記軌道面上に移動自在に配設するとともに、 前記非線形光学結晶には、前記非線形光学結晶の温度を
    調整する温度調整手段をさらに備え、 前記入射角の設定は、前記軌道面上に配設された前記非
    線形光学結晶若しくは該結晶を保持する保持体を前記軌
    道面上に沿って位置を調整すること、または前記非線形
    光学結晶の位置調整とともに前記温度調整手段により結
    晶温度を調整することにより行い、前記入射角の設定後
    には前記温度調整手段により制御することを特徴とする
    レーザ波長変換装置。
  5. 【請求項5】 前記レーザ波長変換装置には前記波長変
    換結晶により波長変換されたレーザ光の強度を検出する
    変換出力検出手段をさらに有し、 前記温度調整手段は、前記変換出力検出手段によって検
    出されるレーザ光の強度が最大となるように前記非線形
    光学結晶の温度を制御することを特徴とする請求項3ま
    たは請求項4に記載のレーザ波長変換装置。
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