JP2000247906A - グリセリド誘導体含有点眼剤 - Google Patents

グリセリド誘導体含有点眼剤

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JP2000247906A
JP2000247906A JP11047346A JP4734699A JP2000247906A JP 2000247906 A JP2000247906 A JP 2000247906A JP 11047346 A JP11047346 A JP 11047346A JP 4734699 A JP4734699 A JP 4734699A JP 2000247906 A JP2000247906 A JP 2000247906A
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glyceride
steroidal anti
ketoprofen
drug
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Ryohei Kimura
良平 木村
Atsutoshi Oota
淳稔 太田
Koichi Kawazu
剛一 河津
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Santen Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Santen Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 グリセリドエステル化した非ステロイド
系抗炎症剤を含有する点眼剤である。非ステロイド系抗
炎症剤はたとえばインドメタシン、イブプロフェン、ケ
トプロフェン、ジクロフェナク、ナプロキセン、プラノ
プロフェン、フルフェナム酸である。グリセリドエステ
ル化した非ステロイド系抗炎症剤の好ましい例は、1,
3−ジアセチル−2−ケトプロフェン グリセリドであ
る。 【効果】 非ステロイド系抗炎症薬の眼内移行性を格段
に向上させた点眼液を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グリセリドエステ
ル化した非ステロイド系抗炎症剤を含有する点眼剤に関
するものであって、非ステロイド系抗炎症剤の眼内移行
性の向上を目的とするものである。
【0002】
【従来の技術】非ステロイド系抗炎症剤は炎症性疾患に
汎用されているが、粘膜刺激性があり経口剤として服用
すると胃障害を伴う場合が多く、製剤処方の工夫や薬物
の化学修飾による改善が種々研究されている。この化学
修飾の一つとして、グリセリドエステル化する方法が報
告されている(特開平51−65706)。
【0003】また、このグリセリドエステル化方法は、
薬物の臓器移行性の改善を目的としても研究されてお
り、非ステロイド系抗炎症剤としてケトプロフェンを用
いた例が報告されている(薬物動態12巻S204(1
997))。
【0004】非ステロイド系抗炎症剤は点眼剤として応
用されているが、グリセリドエステル化した非ステロイ
ド系抗炎症剤の点眼剤への応用についての報告はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】薬物を点眼液に適用す
るためには、薬物の溶解性、調剤後の点眼液の安定性等
種々検討を行わなければならない課題がある。しかし、
最も難しい課題は、目的とする薬効を発揮するため、薬
物が眼内に効率良く移行するかどうかである。
【0006】眼は非常に鋭敏な器官であり、角膜バリア
ーによって外部からの異物混入を防御している。薬物も
眼にとっては異物の一種であり、その眼内移行は角膜バ
リアーによって制御される。角膜は無血管組織であり、
そのバリアー機能は皮膚や血管等のバリアー機能とは同
一視できず、薬物の眼内移行を研究するには角膜バリア
ーを通過するのに適した方法を検討しなければならな
い。
【0007】非ステロイド系抗炎症剤は一般に眼内移行
性が良くないとされ、その眼内移行性の改善が課題とな
っている。また、薬物の開発には副作用の問題を避けて
は通れないが、眼内移行性の改善により配合量の低減が
可能になれば、副作用の低減に繋がり、この点からも眼
内移行性改善のための研究が望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】非ステロイド系抗炎症剤
の眼内移行性の改善方法として、製剤処方の工夫や薬物
の化学修飾、いわゆるプロドラッグ化があるが、本発明
ではプロドラッグ化に焦点を絞り研究を行った。
【0009】前述の様に眼は角膜という特異なバリアー
で保護されているため、非ステロイド系抗炎症剤をどの
ようなプロドラッグに誘導するかは、非常に難しい問題
である。本発明者は、非ステロイド系抗炎症剤のプロド
ラッグ化について鋭意研究した結果、非ステロイド系抗
炎症剤をグリセリドエステル化した化合物に誘導するこ
とにより、非ステロイド系抗炎症剤の眼内移行性が格段
に改善されることを見出した。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、グリセリドエステル化
した非ステロイド系抗炎症薬を含有する点眼液に関する
ものであり、その技術的特徴は非ステロイド系抗炎症薬
の眼内移行性を格段に高めることにある。
【0011】本発明におけるグリセリドとは、2個の水
酸基が飽和または不飽和脂肪酸とエステル結合をし、残
りの1個の水酸基が遊離の状態であるグリセリン、即ち
ジグリセリドを示す。グリセリドエステル化した非ステ
ロイド系抗炎症薬とは、上記ジグリセリドの1個の遊離
水酸基が非ステロイド系抗炎症薬のカルボキシル基とエ
ステル結合した化合物を示す。
【0012】上記ジグリセリドの好ましい例として、1
位と3位の水酸基が飽和または不飽和脂肪酸とエステル
結合したグリセリンが挙げられ、より好ましい例として
は、飽和脂肪酸とエステル結合したグリセリンが挙げら
れる。この脂肪酸の種類については特に制限はないが、
溶解性の点から低級脂肪酸が好ましい。特に好ましい例
としては、1位と3位の水酸基が酢酸とエステル結合し
たグリセリン、即ち1,3−ジアセチルグリセリドが挙
げられる。
【0013】本発明が適用できる非ステロイド系抗炎症
薬は、分子構造中にカルボキシル基を含む非ステロイド
系抗炎症薬であればよく、特に制限はないが、代表的な
例としてインドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフ
ェン、ジクロフェナク、ナプロキセン、プラノプロフェ
ン、フルフェナム酸が挙げられる。
【0014】グリセリドエステル化した非ステロイド系
抗炎症薬の特に好ましい具体例は1,3−ジアセチル−
2−ケトプロフェン グリセリドである。
【0015】グリセリドエステル化した非ステロイド系
抗炎症薬は公知の方法を用いて製造することができる。
例えば、J.Med.Chem.,22,683-687(1979)、J.Med.Chem.,
23,9-12(1980)、J.Med.Chem.,23,79-82(1980)、Eur.J.M
ed.Chem.-Chim.Ther,17,193-195(1982)、特開平51−
65706等に開示された方法を用いて製造することが
できる。
【0016】本発明の効果は、後述の眼内移行試験で詳
細に説明するが、グリセリドエステル化した非ステロイ
ド系抗炎症薬の例として、ケトプロフェンをグリセリド
エステル化した化合物を用いて点眼液を調製し、これを
用いてケトプロフェンの眼内移行性を検討したところ、
グリセリドエステル化していないケトプロフェンの点眼
液を用いた場合に比べて、点眼直後から房水中ケトプロ
フェン濃度が速やかに上昇し、かつ、格段に高い値を維
持することが見出された。
【0017】この試験結果は、非ステロイド系抗炎症薬
をグリセリドエステル化することにより、薬物の眼内移
行性を格段に向上させるだけでなく、点眼直後から優れ
た移行性を示し、薬物の即効性を上げる効果も併せ持つ
ことを示している。
【0018】さらに、薬物の眼内移行性が格段に向上す
ることにより、非ステロイド系抗炎症薬の配合量も低減
でき、副作用の軽減効果も期待できる。
【0019】本発明点眼剤を調製するに際しては、有効
成分であるグリセリドエステル化した非ステロイド系抗
炎症薬の他に、必要に応じて各種添加物を加えることが
できる。例えば、塩化ナトリウム、濃グリセリン等の等
張化剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、
ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油等の非イオン性界面活性剤、ポリソルベート
80等の可溶化剤、酢酸ナトリウム、ホウ酸等の緩衝
剤、塩化ベンザルコニウム、パラベン等の防腐剤、pH
調整剤等が挙げられる。
【0020】本発明点眼剤の調製方法としては特別な技
術は必要でなく、汎用されている方法によって点眼液を
調製することができる。
【0021】本発明点眼剤の投与量は症状、年令等によ
って適宜選択できるが、非ステロイド系抗炎症薬の濃度
に換算すると、0.01〜1.0%(w/v)、より好
ましくは0.05〜0.5%のものを1日1回〜数回点
眼することができる。
【0022】つぎに、具体的処方例を実施例として挙げ
るが、これらの実施例は本発明の理解を助けるためのも
のであって、発明の範囲を限定するものではない。
【0023】
【実施例】 1.製剤例 処方例1(100ml中) 1,3−ジアセチル−2−ケトプロフェン グリセリド 162mg ポリソルベート80 5000mg ホウ酸 250mg 塩化ベンザルコニウム 5mg 滅菌精製水 適量
【0024】上記処方例1の162mgの1,3−ジア
セチル−2−ケトプロフェン グリセリドは、ケトプロ
フェンに換算すると、100mgに相当し、濃度で示す
と0.1%(w/v)に相当する。以下、特記なき限
り、処方例1の点眼液をDAKG点眼液と略記する。
【0025】上記処方例1に準じて、ケトプロフェン換
算濃度が0.01%、0.05%、0.5%の点眼液処
方が得られる。
【0026】 処方例2 1,3−ジアセチル−2−ジクロフェナク グリセリド 154mg リン酸二水素ナトリウム 100mg ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60 5000mg 塩化ベンザルコニウム 10mg グリセリン 2300mg 滅菌精製水 適量
【0027】 処方例3 1,3−ジアセチル−2−プラノプロフェン グリセリド 162mg リン酸二水素ナトリウム 500mg ポリソルベート80 5000mg 塩化ベンザルコニウム 10mg グリセリン 1500mg 滅菌精製水 適量
【0028】2.眼内移行性試験 グリセリドエステル化した非ステロイド系抗炎症剤の代
表例として、1,3−ジアセチル−2−ケトプロフェン
グリセリド(DAKG)を用い、眼内移行性を下記方
法により検討した。
【0029】処方例1のDAKG点眼液と0.1%ケト
プロフェンを含有する点眼液(処方例1において、DA
KGの代わりにケトプロフェン100mgを使用し、他
の成分は同量を用いて調製した。但し、両者の浸透圧を
等しくするため塩化ナトリウムを添加し浸透圧を調整し
た。以下、対照点眼液とする。)を調製し、これらの点
眼液をウサギの両眼にそれぞれ単回点眼し、房水中のケ
トプロフェン濃度を高速液体クロマトグラフィー(HP
LC)を用い経時的に測定し、薬物の眼内移行性を検討
した。また、房水中濃度時間曲線下面積(AUC)を算
出し、眼内移行量を評価した。
【0030】投与方法及び測定方法:1.JW系雄性白
色ウサギの両眼に、DAKG点眼液を50μl点眼(1
回)した。
【0031】2.点眼の0.25、0.5、1、2、
4、6時間後にネンブタール注射液(5ml)を耳静脈
内投与し、ウサギを麻酔致死させた。
【0032】3.注射器で房水を約100μlを採取し
た。
【0033】4.房水中のケトプロフェン濃度をHPL
C法で測定し、房水中濃度時間曲線下面積(AUC)を
計算した。
【0034】また、対照点眼液を用い、1−4と同じ操
作を行った。
【0035】(結果及び考察)房水中でのケトプロフェ
ン濃度の経時変化を図1に示す。図1中の各点の値は4
例の平均値を示す。また、図1より計算したACUの値
を表1に示す。
【0036】
【表1】 DAKG点眼液 対照点眼液 AUC(ng・hr/ml) 2165 921
【0037】図1に示すようにDAKG点眼液投与群
と、対照点眼液投与群との結果を比較すると、DAKG
点眼液点眼群では点眼直後から房水中ケトプロフェン濃
度が速やかに上昇し、点眼後4時間以上経過しても、格
段に高い房水中ケトプロフェン濃度が得られた。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、非ステロイド系抗炎症
薬の眼内移行性を格段に向上させた点眼液を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】DAKG点眼液と対照点眼液を点眼後の房水中
でのケトプロフェン濃度の経時変化を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/48 A61K 47/48 (72)発明者 河津 剛一 奈良県生駒市高山町8916番−16 参天製薬 株式会社奈良RDセンター内 Fターム(参考) 4C076 AA12 BB24 CC05 CC41 DD22 DD49 EE23 FF34 4C084 AA17 MA58 NA11 ZA331 ZB112 4C206 AA01 AA02 DB20 DB48 MA37 MA78 NA11 ZA33 ZB11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グリセリドエステル化した非ステロイド系
    抗炎症剤を含有する点眼剤。
  2. 【請求項2】非ステロイド系抗炎症剤がケトプロフェン
    である請求項1記載の点眼剤。
  3. 【請求項3】グリセリドエステル化した非ステロイド系
    抗炎症剤が1,3−ジアセチル−2−ケトプロフェン
    グリセリドである請求項1記載の点眼剤。
JP11047346A 1999-02-25 1999-02-25 グリセリド誘導体含有点眼剤 Withdrawn JP2000247906A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007137796A (ja) * 2005-11-16 2007-06-07 Taisho Pharmaceut Co Ltd 水分分泌促進剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007137796A (ja) * 2005-11-16 2007-06-07 Taisho Pharmaceut Co Ltd 水分分泌促進剤

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