JP2000241751A - 映像表示装置 - Google Patents

映像表示装置

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JP2000241751A
JP2000241751A JP11044488A JP4448899A JP2000241751A JP 2000241751 A JP2000241751 A JP 2000241751A JP 11044488 A JP11044488 A JP 11044488A JP 4448899 A JP4448899 A JP 4448899A JP 2000241751 A JP2000241751 A JP 2000241751A
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liquid crystal
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JP11044488A
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English (en)
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Ichiro Kasai
一郎 笠井
Hideki Osada
英喜 長田
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 観察者の眼前にて使用される映像表示装置を
小型、軽量な構成に保ちながら、提供する映像の質の向
上を図る。 【解決手段】 映像表示装置に、映像を表示する表示素
子として反射型の液晶表示器を備え、凹面ミラーを含む
観察光学系で、表示した映像を拡大して観察者の眼に導
く。光源からの照明光を液晶表示器に導き、液晶表示器
の反射光を観察光学系に導く半透過性の反射素子を液晶
表示器と観察光学系の間に配置して、照明光と反射光と
を分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、観察者の眼前に配
置されて使用される映像表示装置に関し、特に、反射型
液晶表示器によって映像を表示する映像表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】頭部に装着され、あるいは手で保持され
て、観察者の眼前にて使用される映像表示装置があり、
仮想の現実を臨場感豊かに提供する手段として、あるい
はビデオカメラ等の撮影機器に組み込まれてファインダ
ーとして多用されている。このような映像表示装置は、
表示した映像の光を観察光学系を介して観察者の眼に導
き、映像を拡大された虚像として観察者に提供するよう
に構成されている。
【0003】観察者に提供する映像は、明るく、精細度
が高く、特に仮想現実を提供する場合は、視野も広いこ
とが望ましい。その一方で、頭部への装着または手での
保持という使用形態から、装置は小型かつ軽量であるこ
とが強く要求される。このような要求を満たし得る表示
素子に液晶表示器があり、眼前にて使用される映像表示
装置の大半が液晶表示器を採用している。
【0004】液晶表示器は2次元に配列された多数の画
素を有しており、与えられる照明光を各画素で偏光変換
して、変換後の光に偏光の強度分布の変化をもたらすこ
とにより光の変調を行う。各画素の偏光変換は映像信号
に応じて個別に制御され、画素ごとに偏光変換の程度は
異なる。その結果、画素間で変換後の偏光の量に差が生
じ、量に差の生じた偏光を眼に導くことにより、輝度に
差のある像すなわち映像が提供される。
【0005】液晶表示器は、観察側の反対側から照明光
を与える透過型と、観察側と同じ側から照明光を与える
反射型に大別される。反射型液晶表示器は透過型液晶表
示器に比べて様々な長所がある。液晶表示器の各画素を
制御するTFT等の回路部分にはある程度の大きさが必
要であるが、透過型液晶表示器ではこれらの回路部分が
各画素の開口を小さくする要因となるのに対し、反射型
液晶表示器では、回路部分を観察側と反対側の面に配置
することが可能であるため、回路部分による開口率の低
下が少なくなって明るい画像が得られる。
【0006】透過型液晶表示器と反射型液晶表示器の開
口率の差異は、画素を小さくするほど顕著になる。した
がって、同じ画素数で明るさも同じにする場合には、反
射型液晶表示器の方がより小型に形成することができ
る。一方、表示器の大きさを同じにする場合には、反射
型液晶表示器の方がより多数の画素を備え得ることにな
り、より精細度の高い画像を提供することができる。
【0007】また、反射型液晶表示器では偏光変換を行
う液晶層の厚さを透過型液晶表示器よりも薄くすること
が原理的に可能である。このため、反射型液晶表示器の
方が表示の切り替えをより速やかに行うことができる。
【0008】このような特長をもつ反射型液晶表示器を
用いれば、眼前にて使用される映像表示装置に求められ
る明るく高精細な画像の達成に大きく寄与することにな
る。しかも、表示器の大きさが小さくなることにより観
察光学系を小さくすることが可能になって、装置を小型
化することも容易になる。
【0009】表示素子からの光を観察者の眼に導く観察
光学系は、表示された映像の質を低下させることなく観
察者に提供し得るものであることに加え、使用形態に適
する小型軽量のものであることが望ましい。この観点か
ら、光学的パワーをもった反射面を観察光学系に備える
ことが提案されている。
【0010】反射面は、屈折角が波長に依存する屈折面
と違い、反射角に波長依存性がなく、色収差が発生しな
い。また、光を収束させる正のパワーを有しながら、ペ
ッツバール値が負となるので全体のペッツバール和の改
善に寄与し、周辺でも像面歪曲のほとんどない平面性に
優れた映像を提供することができる。しかも、入射光と
反射光の光路が一部重なるため、光路長を長くし易い。
したがって、光学的パワーをもつ反射面を備えた観察光
学系では、小型でありながら、映像の質の低下を避けつ
つ拡大倍率を大きくし、広視野化を達成することができ
る。
【0011】このような特長を有する反射面を観察光学
系に備えた頭部載置型表示装置(HMD)が、特開平9
−90270号、8−313829号、7−17500
9号に開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述のように反射型液
晶表示器には観察側から照明光を与える必要があり、照
明光と反射光の光路が重なる。このため、光源からの未
変調の照明光と、変調後の液晶表示器からの反射光を分
離する必要が生じる。ところが、上記各公報のHMDで
は、照明光と変調後の光とを分離することができず、表
示素子として反射型液晶表示器を用いることができなか
った。このため、やや性能の劣る透過型液晶表示器を採
用しており、反射面を備えた観察光学系を用いながら
も、観察者に提供する映像の質の向上には限界があっ
た。
【0013】一方、反射型液晶表示器を用いたHMDも
提案されている。その構成を図5に示す。このHMDで
は、反射型液晶表示器91とこれを照明する光源部92
の間に、偏光面が垂直な2つの偏光成分の一方を透過さ
せ他方を反射する偏光分離(PBS)ミラー93を配置
し、PBSミラー93によって反射された液晶表示器9
1からの反射光の光路上に観察光学系として接眼レンズ
94を配置している。液晶表示器91からの反射光はP
BSミラー93によって光源部92からの照明光と分離
され、接眼レンズ94によって観察者の瞳EPに導かれ
る。
【0014】このHMDでは、反射型液晶表示器91に
より質の高い映像を表示することができる。しかし、観
察光学系を屈折面のみで構成しているため、拡大倍率を
大きくしようとすると観察者に提供する映像の質が劣化
し易くなって、広視野化が困難になる。また、観察光学
系を成す接眼レンズ94は精細さに優れた反射型液晶表
示器91の特長をできるだけ生かし得るように設計され
るが、それにも限界があり、特に大きさに制約のある条
件下では、反射型液晶表示器の特長を十分に生かし得る
接眼レンズの設計は難しい。
【0015】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、使用形態に適した小型、軽量な構成でありなが
ら、より良質の映像を提供し得る映像表示装置を実現す
ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、観察者の眼前に配置されて、表示した
映像の虚像を観察者に提供する映像表示装置に、映像を
表示する反射型の液晶表示器と、液晶表示器に与える照
明光を供給する光源部と、光源部からの照明光を液晶表
示器に導くとともに、液晶表示器の反射光を光源部に向
かう方向とは異なる方向に導く半透過性の反射素子と、
光学的パワーを有する反射面を少なくとも1つ含み、半
透過性の反射素子によって導かれた液晶表示器の反射光
を観察者の眼に導いて、液晶表示器に表示された映像の
虚像を観察者に提供する観察光学系とを備える。
【0017】この映像表示装置は、前述の多くの特徴を
有する反射型液晶表示器によって映像を表示するもので
あり、質の高い映像を表示することができる。また、観
察光学系には光学的パワーを有する反射面が含まれてお
り、表示した映像の質を低下させることなく観察者に提
供することができる。照明光と反射光は半透過性の反射
素子によって分離されるから、照明光が観察者の眼に導
かれてゴーストが発生することもない。したがって、明
るく、精細度が高く、しかも鮮明な映像を提供すること
が可能である。また、照明光と反射光を分離する半透過
性の反射素子は液晶表示器とパワーを有する反射面の間
に配置されているため、観察光学系の主点が観察者の眼
から大きく離れることが防止されて、アイポイントの確
保が容易である。
【0018】観察光学系に含まれる反射面は正のパワー
を有する凹反射面とするとよい。この反射面は液晶表示
器に表示された映像を拡大して眼に導くことになり、そ
の拡大倍率を大きくしても像面歪曲は生じない。したが
って、提供する映像の質の低下を伴うことなく、容易に
映像の視野角を大きくすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の映像表示装置の実
施形態について図面を参照しながら説明する。図1に、
第1の実施形態の映像表示装置1の光学系の構成を示
す。この映像表示装置1は、反射型の液晶表示器11、
光源部12、PBSミラー14、およびプリズム16を
備えている。
【0020】光源部12は、直線状に配列された複数の
ランプ12aと導光板12bより成り、液晶表示器11
を照明するための照明光を供給する。ランプ12aは偏
光面が無秩序な光を発する。導光板12bは、柱状の微
小な三角プリズムを平面状に多数配列して成り、ランプ
12aからの線状の光を側面から受けて、各プリズムで
反射することにより、液晶表示器11の表示面全体を照
明し得る径の光束とする。
【0021】PBSミラー14は、導光板12bからの
光を反射して液晶表示器11に導くとともに、液晶表示
器11からの反射光に含まれる映像を表す光を透過させ
てプリズム16に導く。PBSミラー14は、P偏光と
して入射する偏光成分を透過させ、S偏光として入射す
る光を反射するように設定されている。導光板12bか
らの光のうち、PBSミラー14に対してS偏光となる
偏光成分のみが反射されて液晶表示器11に導かれ、P
BSミラー14に対してP偏光となる光は透過して捨て
られる。
【0022】液晶表示器11は与えられた照明光を反射
するとともに、表示した映像によって照明光を変調し
て、反射光の一部の偏光面を90゜回転させる。映像表
示装置1では、偏光面が90゜回転した偏光成分が映像
を表す光となるように液晶表示器11の駆動を制御す
る。したがって、液晶表示器11の反射光に含まれる映
像を表す光は、PBSミラー14に対してP偏光となり
PBSミラー14を透過する。液晶表示器11の反射光
に含まれる偏光面が回転しなかった光は、PBSミラー
14に対してS偏光のままであり、反射されて捨てられ
る。
【0023】プリズム16はポリメチルメタクリレート
(PMMA)製である。プリズム16は、PBSミラー
14を介して与えられる液晶表示器11からの反射光を
観察者の瞳EPに導くもので、これに関与する面として
面17、18、19を有している。面17は平面であ
り、PBSミラー14からの光を全て透過させるように
設定されている。面18も平面であるが、面17を透過
した光が臨界角を超えて入射するように設定されてお
り、面17を透過した光は面18で全反射される。
【0024】面19は光軸に関して非回転対称なアナモ
ルフィック非球面の凸面である。面19には全反射性の
反射膜が形成されており、面19は面18側からの光に
対して正のパワーを有する凹面ミラーとして作用する。
面19は、面18で全反射された光を反射して、臨界角
よりも小さい入射角で面18に再度入射させるように設
定されている。したがって、面19に入射した光は、入
射角とは異なる反射角で反射され、面18を透過して、
収束しながら観察者の瞳EPに入射する。
【0025】観察者は、面19を介して液晶表示器11
の表示面を視て、表示された映像の拡大された虚像を観
察することになる。プリズム16の3つの面17、18
および19は、照明光から分離された液晶表示器11の
反射光を瞳EPに導き、表示された映像の虚像を観察者
に提供する観察光学系を成す。このうち面18は、入射
する方向に応じて光を透過させまたは反射する選択反射
面となっている。
【0026】上記構成の映像表示装置1は、2組備えて
HMDや手持ち式の双眼鏡型装置とすることができる
し、撮影した映像を電気信号に変換するビデオカメラ等
の撮影機器に組み込んで、ファインダーとして用いるこ
ともできる。映像表示装置1では上述のように非共軸光
学系の観察光学系を採用しており、これにより、観察者
の視線の方向について小型の、すなわち薄型の装置とな
っている。
【0027】第2の実施形態の映像表示装置2の光学系
の構成を図2に示す。この映像表示装置2は、反射型の
液晶表示器21、光源部22、コンデンサレンズ23、
およびプリズム26を備えている。光源部22は、液晶
表示器21に供給する照明光を発するランプ22aと、
ランプ22aが発した光を反射するリフレクタ22bよ
り成る。コンデンサレンズ23は2つの凸面24、25
を有しており、光源部22からの照明光を略平行光とし
て液晶表示器21に導く。
【0028】プリズム26はPMMA製であり、光の進
行に関与する3つの面27、28、29を有している。
面27はアナモルフィック非球面の凹面であり、P偏光
を透過させS偏光を反射するPBSミラーとされてい
る。光源部22からの偏光面が無秩序な光のうち、PB
Sミラー27に対してP偏光となる偏光成分は透過して
捨てられ、PBSミラー27に対してS偏光となる偏光
成分は反射されてコンデンサレンズ23に導かれる。光
源部22からの光は発散光束となっているが、凹面であ
るPBSミラー27によって平行光束に近づけられ、コ
ンデンサーレンズによって略平行光束とされて液晶表示
器21に入射する。
【0029】映像表示装置2においても、液晶表示器2
1は、偏光面が90゜回転した光が映像を表す光となる
ように制御される。液晶表示器21の反射光は、コンデ
ンサレンズ23を透過して、PBSミラー27に再度入
射する。このうち、映像を表す光はPBSミラー27に
対してP偏光となっており、PBSミラー27を透過し
て面28に向かう。変調後も偏光面が回転しなかった光
は、PBSミラー27に対してS偏光のままであり、反
射されて捨てられる。
【0030】面28もアナモルフィック非球面の凹面で
ある。面28は、PBSミラー27を透過した液晶表示
器21の反射光が臨界角を超えて入射するように設定さ
れており、PBSミラー27を透過した光は面28で全
反射される。
【0031】面29はアナモルフィック非球面の凸面で
ある。面29には全反射性の反射膜が形成されており、
面29は面28側からの光に対して正のパワーを有する
凹面ミラーとして作用する。面29は、面28で全反射
された光を反射して臨界角よりも小さい入射角で面28
に再度入射させるように設定されている。面29に入射
した光は、入射角とは異なる反射角で反射され、面28
を透過して、収束しながら観察者の瞳EPに入射する。
【0032】映像表示装置2では、プリズム26に設け
られた面(PBSミラー)27が、照明光と液晶表示器
21の反射光を分離する半透過性の反射素子となる。ま
た、プリズム26の3つの面27、28および29が、
分離後の反射光を瞳EPに導き、表示された映像の虚像
を観察者に提供する観察光学系を構成する。面27は分
離のための半透過性の反射素子と観察光学系の一部とを
兼ねることになる。
【0033】映像表示装置2では、コンデンサレンズ2
3を備えて、光源部22を瞳EPと略共役な位置に配置
している。このため、第1の実施形態の映像表示装置1
に必要であった導光板12bは不要となり、また、光源
部22としても点状光源であるランプ22aとリフレク
タ22bを備えればよくなっている。
【0034】映像表示装置2の光学系の具体的な設定値
を表1、表2に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表1において、アナモルフィック非球面に
関するパラメータは、各面とその光軸との交点を原点と
し、光軸をZ軸としたときの、式1で定義されるZ軸方
向のサグZを規定するものである(単位mm)。RDX
はX軸方向の曲率半径である。
【0038】 Z=(CUX・X2+CUY・Y2) /[1+{1−(1+KX)・CUX2・X2 −(1+KY)・CUY2・Y21/2] +AR・{(1−AP)・X2+(1+AP)・Y22 +BR・{(1−BP)・X2+(1+BP)・Y23 +CR・{(1−CP)・X2+(1+CP)・Y24 +DR・{(1−DP)・X2+(1+DP)・Y25 ・・・ 式1 ここで、CUX、CUYはX軸方向、Y軸方向の曲率半
径の逆数である。
【0039】表2は各面の相対的な位置関係を示したも
のである。ここでは、瞳EPの中心を原点とし、瞳面
(第1面)に対して垂直な軸をZ軸としている。XS
C、YSC、ZSCは、各面とその光軸との交点のX、
Y、Z座標(単位mm)を表し、ASC、BSC、CS
Cは、X軸、Y軸、Z軸についての瞳面からの各面の回
転角(単位゜)を表す。
【0040】第3の実施形態の映像表示装置3の光学系
の構成を図3に示す。この映像表示装置3は、反射型の
液晶表示器31、光源部32、コンデンサレンズ33、
プリズム36およびプリズム41を備えている。光源部
32は、液晶表示器31に供給する照明光を発するラン
プ32aと、ランプ32aが発した光を反射するリフレ
クタ32bと、光束径を規制する絞り32cより成り、
プリズム36に近接して配置されている。コンデンサレ
ンズ33は2つの凸面34、35を有しており、光源部
32からの照明光を略平行光として液晶表示器31に導
く。
【0041】プリズム36はPMMA製の2つのプリズ
ム36a、36bを接合して成る。プリズム36a、3
6bの接合面37は曲面であり、P偏光を透過させ、S
偏光を反射するPBSミラーとされている。プリズム3
6は、面37のほかに、光の進行に関与する3つの面3
8、39、40を有している。面38は平面であり、面
40は凸面である。面39はアナモルフィック非球面の
凸面であり、全反射性の反射膜が形成されている。した
がって、面39は面38側からの光に対して正のパワー
を有する凹面ミラーとして作用する。
【0042】プリズム41もPMMA製である。プリズ
ム41は平面42と凸面43を有し、面42をプリズム
36bの面38の一部に対向させて配置されている。面
38と面42は平行である。面38と面42の間には数
十μm以下の微小な間隙が形成されており、面38と面
42によってTIR(total internal reflection)面
が構成されている。
【0043】光源部32からの照明光はPBSミラー3
7に入射し、PBSミラー37に対してP偏光となる偏
光成分は透過して捨てられ、PBSミラー37に対して
S偏光となる偏光成分は反射されて、面40を介してコ
ンデンサレンズ33に導かれる。光源部32からの光は
発散光束となっているが、凹面であるPBSミラー37
および凸面である面40によって平行光束に近づけら
れ、コンデンサーレンズ33によって略平行光束とされ
て液晶表示器31に入射する。
【0044】映像表示装置3においても、液晶表示器3
1は、偏光面が90゜回転した光が映像を表す光となる
ように制御される。液晶表示器31の反射光は、コンデ
ンサレンズ33および面40を透過して、PBSミラー
37に再度入射する。このうち、映像を表す光はPBS
ミラー37に対してP偏光となっており、PBSミラー
37を透過して面38に向かう。変調後も偏光面が回転
しなかった光は、PBSミラー37に対してS偏光のま
まであり、反射されて捨てられる。
【0045】面38はPBSミラー37を透過した液晶
表示器31の反射光が臨界角を超えて入射するように設
定されており、PBSミラー37を透過した光は面38
で全反射される。前述のように、面38の一部にはプリ
ズム41が対向しているが、面38と面42の間には空
気が介在するため、PBSミラー37からの光は面38
のどの部位においても全反射される。
【0046】面39は、面38で全反射された光を反射
して臨界角よりも小さい入射角で面38に再度入射させ
るように設定されている。面39に入射した光は、入射
角とは異なる反射角で反射され、収束しながら面38を
透過し、さらに面42を透過する。この光は、凸レンズ
として作用する面43を透過して、さらに収束しながら
観察者の瞳EPに入射する。
【0047】映像表示装置3では、プリズム36に設け
られた面(PBSミラー)37が、照明光と液晶表示器
31の反射光を分離する半透過性の反射素子となる。ま
た、プリズム36の2つの面38、39およびプリズム
41の面43が、分離後の反射光を瞳EPに導き、表示
された映像の虚像を観察者に提供する観察光学系を構成
する。なお、光源部32は瞳EPと略共役な位置にあ
る。
【0048】映像表示装置3の光学系の具体的な設定値
を表3、表4に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】表3中のアナモルフィック非球面に関する
パラメータは、前述の式1を規定するものである。表4
中の各パラメータも前述のとおりである。表3におい
て、回転対称非球面に関するパラメータは、各面とその
光軸との交点を原点とし、光軸をZ軸としたときの、式
2で定義されるZ軸方向のサグZを規定するものである
(単位mm)。
【0052】 Z=c・h2/[1+{1−(1+K)・c2・h21/2] +A・h4+B・h6+C・h8+D・h10 ・・・ 式2 ここで、h=(X2+Y21/2であり、cは曲率半径の
逆数である。
【0053】映像表示装置3では、面42を備えて、こ
れと面38とでTIR面を構成するようにしたことによ
り、面38を透過した光を全て直進させることが可能に
なっている。したがって、面38によって全反射された
光を臨界角未満で面38に再入射させるために、面38
に対して傾けて配置する必要がある凹面ミラー39の傾
きを、小さくすることができる。その結果、凹面ミラー
39の偏心量が少なくなって、偏心収差の発生が抑制さ
れる。
【0054】しかも、凹面ミラー39に加えて凸レンズ
面43を備えたことにより、液晶表示器31からの反射
光を収束させるパワーが両者に分散されている。このた
め、凹面ミラー面39の曲率を小さくすることが可能と
なり、偏心収差の発生が一層抑えられる。
【0055】また、正のパワーを有する面43が瞳EP
の近くに位置するため、アイポイントの確保も容易にな
っている。
【0056】第4の実施形態の映像表示装置4の光学系
の構成を図4に示す。この映像表示装置4は、反射型の
液晶表示器51、光源部52、コンデンサレンズ53、
PBSミラー54、およびパンケーキ型光学素子56を
備えている。PBSミラー54は、P偏光を透過させS
偏光を反射するように設定されており、液晶表示器51
は、偏光面が90゜回転した光が映像を表す光となるよ
うに制御される。
【0057】光源部52からの照明光のうちPBSミラ
ー54に対してS偏光となる成分は、反射されてコンデ
ンサレンズ53に導かれる。コンデンサレンズ53は、
この光を略平行光束として液晶表示器51に入射させ
る。液晶表示器51によって変調され反射された光は、
コンデンサレンズ53を透過して、PBSミラー54に
入射する。このうち映像を表す偏光成分のみがPBSミ
ラー54を透過し、光学素子56に入射する。
【0058】光学素子56のPBSミラー54側の面5
7は凸面であり、ハーフミラーとされている。光学素子
56の他方の面58は凹面であり、コレステリック液晶
層が設けられて、選択反射面とされている。光学素子5
6に入射する光の半分は面57を透過し、やや収束しな
がら面58に入射する。この光は面58で反射されて面
57に再度入射し、半分が反射される。面57によって
反射された光は、さらに収束しながら面58を透過し
て、観察者の瞳EPに入射する。
【0059】映像表示装置4では、観察光学系は2つの
面57、58で構成され、このうち面57が正のパワー
を有する凹面ミラーとなっている。このようにきわめて
簡素な構成でありながら、映像表示装置4は明るく、精
細度が高く、視野の広い鮮明な映像を観察者に提供する
ことができる。
【0060】
【発明の効果】本発明の映像表示装置では、反射型の液
晶表示器によって、明るくかつ精細度の高い映像を表示
し、光学的パワーを有する反射面を含んだ観察光学系に
よって、表示した映像の質を維持したまま液晶表示器か
らの反射光を観察者の眼に導くことができる。また、半
透過性の反射素子によって照明光と反射光が分離され、
反射光への照明光の混入によるゴーストの発生も防止さ
れる。したがって、観察者に優れた質の映像を提供する
ことができる。
【0061】観察光学系に含まれる反射面を正のパワー
を有する凹反射面とする構成では、その反射面による拡
大倍率を大きくしても像面の歪曲は生じないから、質に
優れかつ視野の広い映像を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の映像表示装置の光学系の構
成を示す図。
【図2】 第2の実施形態の映像表示装置の光学系の構
成を示す図。
【図3】 第3の実施形態の映像表示装置の光学系の構
成を示す図。
【図4】 第4の実施形態の映像表示装置の光学系の構
成を示す図。
【図5】 従来の映像表示装置の光学系の構成を示す
図。
【符号の説明】
1 映像表示装置 11 反射型液晶表示器 12 光源部 14 PBSミラー(半透過性反射素子) 16 プリズム 17 プリズム面(観察光学系) 18 プリズム面(観察光学系) 19 プリズム面(凹面ミラー、観察光学系) 2 映像表示装置 21 反射型液晶表示器 22 光源部 23 コンデンサレンズ 24 コンデンサレンズ面 25 コンデンサレンズ面 26 プリズム 27 プリズム面(PBSミラー、半透過性反射素
子、観察光学系) 28 プリズム面(観察光学系) 29 プリズム面(凹面ミラー、観察光学系) 3 映像表示装置 31 反射型液晶表示器 32 光源部 33 コンデンサレンズ 34 コンデンサレンズ面 35 コンデンサレンズ面 36 プリズム 37 プリズム接合面(PBSミラー、半透過性反射
素子) 38 プリズム面(観察光学系) 39 プリズム面(凹面ミラー、観察光学系) 40 プリズム面 41 プリズム 42 プリズム面 43 プリズム面(観察光学系) 4 映像表示装置 51 反射型液晶表示器 52 光源部 53 コンデンサレンズ 54 PBSミラー(半透過性反射素子) 56 パンケーキ型光学素子 57 光学素子面(凹面ミラー、観察光学系) 58 光学素子面(観察光学系) EP 瞳

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 観察者の眼前に配置されて、表示した映
    像の虚像を観察者に提供する映像表示装置において、 映像を表示する反射型の液晶表示器と、 前記液晶表示器に与える照明光を供給する光源部と、 前記光源部からの照明光を前記液晶表示器に導くととも
    に、前記液晶表示器の反射光を前記光源部に向かう方向
    とは異なる方向に導く半透過性の反射素子と、 光学的パワーを有する反射面を少なくとも1つ含み、前
    記半透過性の反射素子によって導かれた前記液晶表示器
    の反射光を観察者の眼に導いて、前記液晶表示器に表示
    された映像の虚像を観察者に提供する観察光学系とを備
    えることを特徴とする映像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記反射面は正のパワーを有する凹反射
    面であることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装
    置。
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