JP2000239096A - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

シリコン単結晶の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】結晶成長方向の酸素濃度分布および結晶面内の
酸素濃度分布を均一に制御するとともに、有転位化を防
止できるシリコン単結晶を製造できる。 【解決手段】(1) 坩堝内に収容される溶融液に引上げ軸
に対して等軸対称のカスプ磁場を印加しつつ結晶を引上
げるチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方
法であって、単結晶の引上げ過程では雰囲気圧力が特定
値以上になるように制御することを特徴とするシリコン
単結晶の製造方法である。 (2) 上記雰囲気圧力の特定値を50Torrにするのが望まし
く、さらに80Torrにするのが一層望ましい。また、上記
カスプ磁場の強度は300G〜600Gの範囲で適用するのが
望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、坩堝内の溶融液に
カスプ磁場を印加してチョクラルスキー法(以下、「C
Z法」という)によってシリコン単結晶の製造する方法
に関し、さらに詳しくは、カスプ磁場を引上げ軸に対し
て等軸対称に印加して、結晶成長方向の酸素濃度分布を
均一に制御するとともに、結晶面内の酸素濃度分布(以
下、「ROG:Radial Oxygen Gradient」という)のバ
ラツキを抑制したシリコン単結晶の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】超々高集積回路に用いるシリコン単結晶
では、シリコン結晶中の酸素を酸化物として析出させ、
ウェーハ表面近傍において素子歩留を低下させる要因と
なる重金属不純物をゲッタする、いわゆるゲッタリング
技術が用いられている。このゲッタリング機能を十分に
発揮させるには、結晶中に酸素を均一に取り込むことが
重要である。
【0003】近年のように、半導体用デバイスの高機能
化に対応して、基板に要求される酸素濃度値が厳しく規
定されるようになると、従来のCZ法では対応が困難に
なる。しかも、最近導入される大型の単結晶(8イン
チ、12インチ)製造装置においては、単結晶の引上げ過
程で有転位化する現象が増加する傾向にある。そのた
め、この有転位化の問題にも対応する観点からも、単結
晶の引上げに際して、坩堝内の溶融液に引上げ軸を対称
中心として半径方向のカスプ磁場を印加する方法が注目
されている。
【0004】このカスプ磁場を印加する方法では、反対
方向に環状電流を流す一対の磁石(コイル)を坩堝の上
方および下方に配置する。この磁石の配置によって、コ
イルの中心軸上で水平磁場成分が0(ゼロ)になる。さ
らに、この中心軸上の上下磁石の中間付近で垂直磁場成
分も0(ゼロ)になる点が生じる。以下、このような点
を磁場中心位置と表現する。この磁場中心位置から半径
方向、垂直方向に離れるに従って、磁場の水平成分、垂
直成分が発生する。カスプ磁場は、このような磁場成分
によって坩堝内の溶融液の流動を拘束して、溶融液の安
定化を図ることができる。すなわち、溶融液にカスプ磁
場を印加することによって対流を抑制し、坩堝表面から
の石英の溶け込みを抑えて、結果として結晶成長中の有
転位化を防止することができる。
【0005】さらに、カスプ磁場の印加によって、坩堝
表面からの石英の溶け込みを抑制することができるの
で、同時に結晶中の酸素濃度も低下させることが可能に
なる。通常、このような効果は、磁場強度の増大によっ
て促進される(平田ら:J.Crystal Growth, 98, 777 (1
989)参照)。したがって、このような効果を、引上げ開
始直後に酸素濃度が高くなる結晶のトップ側で適用すれ
ば、その部分では低酸素化が図れて、製品歩留まりを向
上させることができる。しかし、結晶トップ側以降の引
上げでは、単結晶の引上げの進捗に伴って酸素濃度が低
減するので、カスプ磁場印加の条件の下では、この領域
での低酸素化を回避するために、酸素濃度を高める制御
方法の開発が必要になる。
【0006】結晶トップ側以降における低酸素化を回避
するための手段として、いわゆる坩堝回転制御法(特開
昭57-135796号公報参照)が知られている。この方法は
坩堝の回転数を変化させることによって、酸素の供給源
である石英坩堝の溶解速度が変わることを利用したもの
である。具体的には、坩堝の回転数を大きくすると石英
の溶け込みが増え、結晶中に取り込まれる酸素量も増加
するが、坩堝の回転数を小さくすると石英の溶け込みが
減り、結晶中に取り込まれる酸素量が減少することにし
ている。しかし、この方法を用いる場合に、結晶中の酸
素濃度を上昇させる範囲が大きくなるため、この上昇範
囲を確保するため、大きな坩堝回転数の増加が必要とな
る。
【0007】ところで、前述したゲッタリング機能を十
分に発揮させるには、引上げられた単結晶の結晶成長方
向の酸素濃度分布に併せて、結晶面内の酸素濃度分布を
表す「ROG」を均一に制御する必要がある。通常、R
OGは結晶とそれと逆方向に回転する坩堝回転数の比率
に依存することが知られており、具体的には「結晶回転
数/坩堝回転数」の比が小さくなる程ROGのバラツキ
が大きくなる。
【0008】上記の「結晶回転数/坩堝回転数」の比を
大きくするためには、坩堝回転数を小さくするか、また
は結晶回転数を大きくすることが有効である。しかし、
実際に用いられている坩堝回転数は、4〜5rpmを下限
としている。図9は坩堝回転数と有転位化位置との関係
を示す図であるが、同図から3乃至5rpm程度の低回転
で引上げを行うと、ボディ前半で有転位化が多発するこ
とが分かる。この要因は、図10に示す坩堝回転数と融液
温度変動との関係から明らかなように、5rpm未満の坩
堝回転数になると、融液温度の変動が大きくなり、有転
位化が多発すると考えられる。
【0009】他に、カスプ磁場印加を前提として、例え
ば、持開平5−194077号公報では、シリコンロッド中の
酸素濃度および分布を調整するため、所定の単結晶ロッ
ド直径が定まった後に、シリコン溶融物の固形化部分が
増加するのに合わせて、坩堝の回転数を増加し、磁界の
強度を減少させるシリコン単結晶の製造方法が提案され
ている。この製造方法では、引上げられる単結晶および
坩堝の回転は反対方向であり、単結晶が成長するとき、
単結晶の回転速度は坩堝の回転速度より大きい。単結晶
が引上げられるのに伴って、坩堝の回転速度が増加され
る。単結晶の成長につれて、磁界の強度を減少させ、坩
堝の底および側壁を垂直に横切る磁界成分を減少させ
る。そして、仕込み溶融液の約50〜80%が固化した後
に、磁界を消すことになる。その後は、単結晶の回転速
度に対して、坩堝回転数を増加することによって酸素含
有量を調整することにしている。
【0010】しかしながら、この提案の製造方法では、
単結晶の成長にともなって磁界の強度を減少させ、さら
には消去させることから、磁場印加による有転位化の抑
制効果が不十分となり、有転位化の発生に伴う製品歩留
まりの低下という問題と、坩堝回転数を上昇させること
によってROGが悪化するという問題もある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな結晶中の酸素濃度、特に結晶トップ側以降の酸素濃
度を調整するために、カスプ磁場を印加するCZ法での
問題に鑑みて開発されたものであり、単結晶を引上げる
際に引上炉内の雰囲気圧力を制御して、結晶成長方向の
酸素分布と同時にROGを均一に制御し、さらに結晶成
長中の有転位化を防止して、優れた品質のシリコン単結
晶を製造する方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するため、CZ法による単結晶製造における雰囲
気圧力に着目して、種々の検討を行った。従来から、磁
場印加をしない条件で、炉内の雰囲気圧力を調整して酸
素濃度を制御する方法が提案されている(例えば、特開
平3−159986号公報参照)。ここで提案された制御方法
に関して検討した結果、次のような見解が得られた。
【0013】すなわち、雰囲気圧力を調整して酸素濃度
を制御する効果は、極めて小さいものに留まり、具体的
には、1×1017atoms/cm3の酸素濃度を変化させるのに6
0Torr(20Torr→80Torr)の雰囲気圧力を変化させなけ
ればならない。また、酸素濃度を制御する効果は、上記
圧力以上で雰囲気圧力が大きくなるほど飽和して、圧力
の変化量に対する酸素濃度を制御する効果が小さくな
る。また、雰囲気圧力を100Torr以上の高圧条件にする
と、チヤンバー内に導入されている不活性ガスの滞留の
ため、溶融液面から発生するSiOガスの排出が効率的に
行われず、チヤンバー内に析出し、その析出したSiOガ
スがチヤンバーから液面に落下して有転位化を起こす恐
れがある。このような見解が存在することから、磁場印
加するCZ法において、雰囲気圧力を調整して酸素濃度
を制御する方法を適用することは考慮されていなかっ
た。
【0014】ところが、本発明者によるCZ法での雰囲
気圧力に着目した多くの検討結果によれば、カスプ磁場
を印加する場合には、磁場印加をしない場合に比べて、
雰囲気圧力を調整することによって、結晶成長方向およ
び結晶面内の酸素濃度の制御性が著しく向上することが
明らかになった。また、磁場印加することにより石英坩
堝の溶け込みが抑制されるため、結果的にSiOガスの蒸
発が小さくなり、従来のCZ法で用いることができなか
った高炉内圧(100〜150Torr)でも有転位化の弊害を発
生させず結晶育成できることも分かった。本願発明は、
このような知見に基づいて完成されたものであり、下記
(1)、(2)のシリコン単結晶の製造方法を要旨としてい
る。
【0015】(1) 坩堝内に収容される溶融液に引上げ軸
に対して等軸対称のカスプ磁場を印加しつつ結晶を引上
げるチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方
法であって、単結晶の引上げ過程では雰囲気圧力を特定
値以上の値で変化させ制御することを特徴とするシリコ
ン単結晶の製造方法である。
【0016】(2) 上記雰囲気圧力を50Torrにするのが望
ましく、さらに80Torrにするのが一層望ましい。また、
上記カスプ磁場の強度は300G〜600Gの範囲で適用する
のが望ましい。
【0017】本発明において、雰囲気圧力の制御は少な
くとも、単結晶の製品直径を形成する直胴部の引上げ過
程であればよく、ネック部およびショルダー部の形成の
際に雰囲気圧力の制御を行わなくても良い。
【0018】本発明で規定する磁場強度は、互いに磁界
が打ち消し合って垂直方向、水平方向の磁場強度が0
(ゼロ)となる、磁場中心位置の高さにおける坩堝側壁
での半径方向の水平磁場の強度で示している。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明者は、下記の図1に示すカ
スプ磁場の印加装置を備えた製造装置を用いて、雰囲気
の圧力条件、カスプ磁場の印加条件等を変動させながら
実験を重ねた結果、単結晶の引上げ過程おける雰囲気圧
力が特定値以上にすることによって、酸素濃度の制御性
が改善されることを明らかにした。
【0020】図1は、本発明のシリコン単結晶の製造方
法が適用される製造装置の構造を模式的に説明する図で
ある。ここで、結晶原料となるシリコンは溶融状態で坩
堝1内に保持され、種結晶3を溶融液4の表面に接した
状態にして回転させ、種結晶3に凝固成長する速度に合
わせて上方に引上げ、成長させて所定直径の単結晶5を
得る。溶融液を入れる石英坩堝1aは、外側支持用の黒鉛
坩堝1bの内側に嵌合されており、この坩堝1はその中心
軸を引上げ軸と一致させて、回転軸11によって全体をそ
の周りに回転させることができるとともに、また上下に
移動させることができる。
【0021】坩堝1の中心軸の上方には、引上げ可能な
ワイヤからなる引上げ装置7が配置されている。坩堝1
の外側には、加熱用のヒーター2、およびさらに外側に
は保温材10が同心円状に配置され、これら全体が外気を
遮断できるチャンバー8およびプルチャンバー9内に収
容されている。坩堝1を介して、上方および下方に相対
向するように磁場印加用のコイル6を一対設けている。
一対の上部コイル6aおよび下部コイル6bには互いに逆向
きに回る電流を流すことによって、坩堝内の溶融液4の
部分にカスプ磁場を形成することができる。なお、図中
のCcは磁場中心位置を示している。
【0022】前記図1に示す製造装置を用いて、100Kg
の多結晶シリコンを有効内径560mmの石英坩堝に投入し
て、充分に溶解した後、直径8インチのシリコン単結晶
を製造した。引上げに際しては、主な条件は結晶回転数
を12rpm、坩堝回転数を6rpmとして、チャンバー内のAr
流量は50リットル/分で、引上げ過程での雰囲気圧力
(以後、炉内圧力と表現する場合もある)を20Torr、50
Torrおよび80Torrで変動させた。さらに、カスプ磁場の
強度は、0G(無磁場)、300Gおよび600Gとした。こ
のときの結果を、図2〜図4に示す。
【0023】図2は雰囲気圧力(炉内圧力)が20Torrで
ある場合での磁場強度と結晶成長方向の酸素濃度分布と
の関係を示す図であり、図3は雰囲気圧力(炉内圧力)
が50Torrである場合、図4は雰囲気圧力(炉内圧力)が
80Torrである場合での、それぞれの磁場強度と結晶成長
方向の酸素濃度分布との関係を示す図である。図2〜図
4から明らかなように、雰囲気圧力が20Torrでは明らか
な低酸素化の効果を発揮したが、雰囲気圧力が50Torr、
80Torrになるにしたがって、低酸素化の効果が小さくな
ることが分かる。この傾向は、高圧条件の下では磁場強
度が300G〜600Gの範囲ではほぼ同様である。また、こ
のときの酸素濃度は、14×1017atoms/cm3程度の制御が
可能になっている。
【0024】図5は、雰囲気圧力をパラメータとした場
合の酸素濃度と磁場強度との関係を引上げ開始から500m
m位置のトップ側での酸素濃度で示した図である。同図
からも、雰囲気圧力を50Torr、さらには80Torrと高圧条
件にすることによって、酸素濃度の低下が防止でき、制
御性が改善できることが分かる。
【0025】次ぎに、雰囲気圧力(炉内圧力)と磁場強
度がROGに及ぼす影響を調査した。ROGは、結晶面
内の中心部、中心から50mmの位置、外周から10mmの位置
で測定した3箇所の酸素濃度値を用いて、下記式から
算出する。
【0026】 ROG={(Max値−Min値)/Min値}×100(%) ・・・ 各条件で引上げられて単結晶の引上げ端から0mm、100m
m、400mm、700mmおよび1000mmの各位置におけるROG
の測定結果を、表1にまとめる。
【0027】
【表1】
【0028】表1の結果から、磁場強度が0G、300G
または600Gのいずれの場合にも、雰囲気圧力の変動に
伴うROGの変化が少ないが、逆に、いずれの雰囲気圧
力であっても、磁場強度を印加することによってROG
が改善できることが分かる。また、ここでは示さなかっ
たが、磁場を600G超とした場合にはROGは次第に悪
化していき、800G以上で通常のCZ法と同様となり、
磁場による改善は皆無となる。600Gを超える磁場を用
いる場合は、電力消費量が大きくなるというデメリット
がある。すなわち、ROGの改善には、磁場強度の増大
が有効であるが、カスプ磁場を300G〜600Gの強度範囲
で適用するのが望ましい。
【0029】例えば、表1中の条件7(雰囲気圧力:20
Torr、磁場強度:600G)と条件9(雰囲気圧力:80Tor
r、磁場強度:600G)とを比較すると、殆どROGの悪
化を生ずることなく、図2および図4に示すように、酸
素濃度を10×1017atoms/cm3程度の制御から14×1017ato
ms/cm3程度の制御に変更できることが分かる。
【0030】以上の説明では、本発明の製造方法の前提
として雰囲気圧力が特定値以上の一定値で保持する場合
について説明したが、特定値以上の範囲で引上げの進捗
に伴い変動させることにより、成長方向の酸素濃度を一
定にすることが可能であり、次ぎにこの制御について説
明する。
【0031】図6は、引上げの進捗に伴い雰囲気圧力を
特定値以上の範囲で変動させる場合の酸素濃度分布を示
した図である。図6で雰囲気圧力を変動させるプロファ
イルを示しているが、製品となるボディプロセス開始
後、速やかに雰囲気圧力を50Torr以上にしておき、引上
げの進捗に伴って70Torr程度まで上昇させた。これによ
り、酸素濃度の12×1017atoms/cm3程度で制御でき、非
常に優れた制御性を示す。一方、ROGは、図示しない
が、表1に示すと同等のバラツキ精度であることを確認
している。
【0032】本発明の製造方法による酸素濃度の制御性
と比較するため、従来方法による酸素濃度の制御性を調
査した。対象とした従来法は、前述の「坩堝回転制御方
法」と「特開平5-194077公報で提案された製造方法」
の2法とした。
【0033】図7は、従来方法のうち「坩堝回転制御方
法」による酸素濃度の制御性を調査した結果を示す図で
ある。前述の条件7(雰囲気圧力:20Torr、磁場強度:
600G)を基準にして、坩堝回転制御法によって酸素濃
度制御を行った。坩堝の回転数は、引上げ当初は6rpm
とし、引上げとともに11rpmまで漸増させた。その結
果、坩堝回転制御法によって、結晶成長方向の酸素濃度
を上昇させることができるが、坩堝回転数の増大に伴っ
てROGの悪化が顕著に現れる。また、特開平5-19407
7号公報に記載されるように、結晶回転を順次上昇させ
る方法を用いればROGを改善できるが、結晶回転の増
加は成長速度の低下をもたらし生産性を低下させるの
で、有効な方法でないことが分かる。
【0034】図8は、従来方法のうち「特開平5-19407
7号公報で提案された製造方法」による酸素濃度の制御
性を調査した結果を示す図である。同様に、条件7(雰
囲気圧力:20Torr、磁場強度:600G)を基準にして、
前述の特開平5-194077公報で提案された製造方法を用
いて酸素濃度制御を行った。具体的な制御方法として
は、磁場強度に関し当初500Gの印加であったが、引上
げ直後から低減を開始し、引上げ長さ300mm位置で磁場
印加をなくした。また、坩堝回転数は当初6rpmであっ
たが、引上げ長さ300mm位置の時点から回転数を漸増さ
せ、7.5rpm程度まで増加させた。
【0035】図8に示す結果から明らかなように、この
「特開平5-194077号公報で提案された製造方法」によ
って、坩堝の回転数を僅かに上昇させるだけで、結晶成
長方向の酸素濃度を上昇させることができる。しかし、
有転位化については問題があり、5本の単結晶の引上げ
を行ったところ、2本について結晶中間部と結晶後半部
で有転位化を発生した。この有転位化は、引上げ過程に
おける実質的な磁場印加の時間が短いことに起因するも
のである。さらに、坩堝回転数を上昇させ磁場強度を減
少させるため、結晶後半部でROGが悪化する。
【0036】上述の通り、従来方法による酸素濃度の制
御方法であれば、結晶成長方向の酸素濃度の制御性を確
保することができるが、ROGの低下、または有転位化
の発生を回避することができない。これに対して、本発
明の方法では、結晶成長方向の酸素濃度分布およびRO
Gの均一化が図れるとともに、結晶成長中の有転位化を
防止することができる。
【0037】
【発明の効果】本発明のシリコン単結晶の製造方法によ
れば、カスプ磁場を印加するCZ法に適用され、雰囲気
圧力が特定値以上の値で変化させ制御することによっ
て、結晶成長方向の酸素分布およびROGを均一に制御
し、さらに結晶成長中の有転位化を防止して、優れた品
質のシリコン単結晶を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリコン単結晶の製造方法が適用され
る製造装置の構造を模式的に説明する図である。
【図2】雰囲気圧力(炉内圧力)が20Torrである場合で
の磁場強度と結晶成長方向の酸素濃度分布との関係を示
す図である。
【図3】雰囲気圧力(炉内圧力)が50Torrである場合で
の磁場強度と結晶成長方向の酸素濃度分布との関係を示
す図である。
【図4】雰囲気圧力(炉内圧力)が80Torrである場合で
の磁場強度と結晶成長方向の酸素濃度分布との関係を示
す図である。
【図5】雰囲気圧力をパラメータとした場合の酸素濃度
と磁場強度との関係を引上げ開始から500mm位置のトッ
プ側での酸素濃度で示した図である。
【図6】本発明方法のうち、引上げの進捗に伴い雰囲気
圧力を特定値以上の範囲で変動させる場合の酸素濃度分
布を示した図である。
【図7】従来方法のうち「坩堝回転制御方法」による酸
素濃度の制御性を調査した結果を示す図である。
【図8】従来方法のうち「特開平5-194077公報で提案
された製造方法」による酸素濃度の制御性を調査した結
果を示す図である。
【図9】坩堝回転数と有転位化位置との関係を示す図で
ある。
【図10】坩堝回転数と融液温度変動との関係を示す図
である。
【符号の説明】
1:坩堝、 1a:石英坩堝、 1b:黒鉛坩堝 2:加熱用ヒーター、 3:種結晶 4:溶融液、 5:単結晶 6:磁場印加用コイル 6a:上部コイル、 6b:下部コイル 7:引上げ装置、 8:チャンバー 9:プルチャンバー、 10:保温材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】坩堝内に収容される溶融液に引上げ軸に対
    して等軸対称のカスプ磁場を印加しつつ結晶を引上げる
    チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法で
    あって、単結晶の引上げ過程では雰囲気圧力を特定値以
    上の値で変化させ制御することを特徴とするシリコン単
    結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】上記雰囲気圧力が50Torr以上であることを
    特徴とする請求項1記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】上記カスプ磁場の強度が300G(ガウス)
    〜600G(ガウス)であることを特徴とする請求項1記
    載のシリコン単結晶の製造方法。
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