JP2000237894A - ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤおよびその製造方法 - Google Patents

ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤおよびその製造方法

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JP2000237894A
JP2000237894A JP3761899A JP3761899A JP2000237894A JP 2000237894 A JP2000237894 A JP 2000237894A JP 3761899 A JP3761899 A JP 3761899A JP 3761899 A JP3761899 A JP 3761899A JP 2000237894 A JP2000237894 A JP 2000237894A
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shielded arc
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Tatsuya Sedo
達也 背戸
Mitsuharu Tamaru
光治 田丸
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Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接時に長尺のコンジットケーブルがS字あ
るいはJ字状に曲げて使用される場合においても、ワイ
ヤ送給ローラでのスリップが少なく、かつコンジットチ
ューブ内での摩擦抵抗の少ないなど、ワイヤ送給性が極
めて良好なガスシールドアーク溶接用フラックス入りワ
イヤおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 ガスシールドアーク溶接用フラックス入
りワイヤの断面積当たりの引張強度が450〜600N
/mm2 、ワイヤ表面粗さRaが0.08〜0.22μ
mである凹凸状表面にワイヤ10kg当たり二硫化モリ
ブデンまたは二硫化タングステンの1種以上を0.01
〜0.05g有することを特徴とする。また、ガスシー
ルドアーク溶接用フラックス入りワイヤの製造方法にお
いて、一次焼鈍後のワイヤ素線を二次伸線し、二次焼鈍
して酸洗,めっき後に二硫化モリブデンまたは二硫化タ
ングステンの1種以上を含んだ潤滑剤で三次伸線し、次
いで湿式伸線で仕上げ四次伸線することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガスシールドア
ーク溶接用フラックス入りワイヤおよびその製造方法に
係り、さらに詳しくは、溶接時にワイヤ送給性が優れた
ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤおよび
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスシールドアーク溶接用フラックス入
りワイヤ、特にシームレスフラックス入りワイヤを製造
する一般的な方法は、図4に示すように(イ)フラック
ス充填後のフラックス充填管を2〜5mm径までローラ
ダイスあるいは孔ダイスで伸線する工程(一次伸線)、
(ロ)焼鈍工程、(ハ)酸洗工程、(ニ)めっき工程、
(ホ)最終サイズ径まで伸線する工程(仕上げ伸線)、
(ヘ)スプール巻またはペイルパックに装填する巻取り
工程によって行われる。これらの方法によって製造され
たガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ(以
下、フラックス入りワイヤという。)は、溶接の自動
化、溶接ロボットの普及やコンジットケーブルの長尺化
等に伴って、ワイヤの送給性の向上要求が一層高まって
いる。
【0003】そこで従来、ワイヤ送給性を改善するため
に、ワイヤには、一般に特公昭50−3256号公報に
代表されるように微量の動植物油あるいは鉱物油の単独
またはそれらの混合潤滑剤が、前述の(ホ)の仕上げ伸
線工程でワイヤ表面に塗布されており、この潤滑剤がワ
イヤの送給性を良好にしている。また、長さ6〜20m
の長尺のコンジットケーブルを使用し、かつ狭隘な現場
での溶接においては、コンジットケーブルをS字あるい
はJ字状に曲げて使用されることが多々ある。この場
合、コンジットケーブル内のコンジットチューブと内部
を通過するワイヤとの接触摩擦部が増えて送給抵抗が増
加し、また、ワイヤ送給ローラで溶接ワイヤがスリップ
してワイヤ送給性が悪くなる。そのため、特開昭61−
27198号公報のように、ワイヤの表面に平均粒径5
0〜750μmのショットを用いてショットブラスト加
工を行い凹部を付与し、その後潤滑油を塗布する方法や
特公平1−15356号公報のように、ワイヤ表面を多
孔度5〜50%の多孔質めっき層で被覆し、このめっき
層に潤滑油を含ませたものが開示されている。
【0004】しかし、前述の特開昭61−27198号
公報にあっては、ワイヤ表面にショットブラスト加工で
所定の凹凸形状にしながら連続加工性に問題がある。ま
た、ワイヤ表面が加工硬化しているので屈曲したコンジ
ットチューブ内で摩擦抵抗が大きくなる。一方、特公平
1−15356号公報にあっては、めっき被覆のコント
ロールが難しく製造工程も複雑となる。また、ワイヤ素
地表面が平坦な状態でめっき層を多孔質としたものであ
るから、ワイヤ送給ローラでの送給力とコンジットチュ
ーブ内での摩擦抵抗の両方のバランスによって定まる良
好なワイヤ送給性を維持することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、溶接
時に長尺のコンジットケーブルがS字あるいはJ字状に
曲げられて使用される場合においても、ワイヤ送給ロー
ラでスリップが少なく、かつコンジットチューブ内での
摩擦抵抗の少ないなど、ワイヤ送給性が極めて良好なガ
スシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤおよびそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、 (1)ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
断面積当たりの引張強度が450〜600N/mm2
ワイヤ表面粗さRaが0.08〜0.22μmである表
面にワイヤ10kg当たり二硫化モリブデンまたは二硫
化タングステンの1種以上を0.01〜0.05g有す
るガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。 (2)ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
の製造方法において、一次焼鈍後のワイヤ素線を二次伸
線し、次いで二次焼鈍して酸洗,めっき後に二硫化モリ
ブデンまたは二硫化タングステンの1種以上を含んだ潤
滑剤で三次伸線し、次いで湿式伸線で仕上げ四次伸線す
る。
【0007】また、ワイヤ素線を二次伸線した後のワイ
ヤ表面粗さRaが0.40〜0.80μmで、めっき後
の三次および四次伸線における総減面率が80%以下で
あるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤの
製造方法にある。なお、本発明にいうワイヤ表面粗さR
aとは、JIS B0601に準じてワイヤ長手方向に
測定した値をいう。また、減面率とは、次式で示したも
のである。 減面率={1−(加工後のワイヤ断面積/加工前のワイ
ヤ断面積)}×100
【0008】
【発明の実施の形態】図1はワイヤ送給の工程を示す説
明図である。フラックス入りワイヤ1はワイヤ送給装置
(図示せず)にセットされた状態から送給モータ(図示
せず)の駆動によりワイヤ送給部の平型加圧送給ローラ
2およびV溝付送給ローラ3によって順次送給され、コ
ンジットケーブル4から溶接トーチ5を通って溶接部に
供給される。この時フラックス入りワイヤ1は、ワイヤ
送給部の平型加圧送給ローラ2およびV溝付送給ローラ
3によって押圧され、フラックス入りワイヤ1はその垂
直荷重によりV溝付送給ローラ3内に入り込もうとする
がV溝付ローラ3との接触による摩擦力が働いて送給力
となる。また、例えば6〜20mのコンジットケーブル
4の中のコンジットチューブ(図示せず)内を通過する
ため、フラックス入りワイヤ1の剛性、ワイヤ表面の潤
滑剤付着状態およびワイヤ表面の形状によって摩擦抵抗
が変わって送給性は変化するものである。
【0009】ワイヤの剛性(引張強さ)を低くし、ワイ
ヤ表面粗さRaを適度にして二硫化モリブデンまたは二
硫化タングステンの1種以上を適度に有することによっ
て、長尺のコンジットケーブルがS字あるいはJ字状に
曲げて使用される場合においても、ワイヤ送給ローラで
のスリップやコンジットチューブ内での摩擦抵抗が少な
いのでワイヤ送給性を極めて良好にする。これらの効果
は、ワイヤ引張強さ、ワイヤ表面粗さRaおよび二硫化
モリブデンまたは二硫化タングステンの1種以上の共存
効果、相乗効果によりなし得たものであるが、これらの
限定理由について以下に述べる。
【0010】フラックス入りワイヤ断面積当たりの引張
強度を450〜600N/mm2 とすることにより、屈
曲したコンジットチューブ内においても柔軟に追従でき
摩擦抵抗を減じることができる。しかし、フラックス入
りワイヤ断面積当たりの引張強さが450N/mm2
満であると、フラックス入りワイヤがコンジットチュー
ブ内で座屈する場合がある。逆に600N/mm2 を超
えると、特に屈曲したコンジットチューブ内での摩擦抵
抗が大きくなって送給性が不良となり、アークが不安定
となる。
【0011】ワイヤ表面粗さRaを0.08〜0.22
μmとすることにより、ワイヤ送給ローラ部に送られた
フラックス入りワイヤはV溝付送給ローラと平型ローラ
に摩擦力が働きスリップをすることなく送給できる。ワ
イヤ表面粗さRa0.08μm未満であると、V溝付送
給ローラと平型ローラへの摩擦力が小さく、フラックス
入りワイヤがスリップしてアークが不安定となる。逆に
ワイヤ表面粗さRaが0.22μmを超えると、コンジ
ットチューブ内での摩擦抵抗が大きくなって、ワイヤ送
給性が不良となりアークが不安定となる。
【0012】二硫化モリブデンまたは二硫化タングステ
ンの1種以上は、ワイヤ表面の凹部にワイヤ10kg当
たり0.01〜0.05g保持されることによって、屈
曲したコンジットチューブ内での摩擦抵抗をさらに低く
する。二硫化モリブデンまたは二硫化タングステンの1
種以上がワイヤ10kg当たり0.01g未満である
と、ワイヤ送給時に屈曲したコンジットチューブ内では
摩擦抵抗が大きくなりアークが不安定となる。逆に0.
05gを超えると、溶接時にワイヤ送給ローラ部でフラ
ックス入りワイヤがスリップしてアークが不安定とな
る。
【0013】図2に本発明のフラックス入りワイヤの製
造工程例を示す。フラックス充填後のフラックス充填
管を3〜6mm径までローラダイスあるいは孔ダイスで
伸線する工程(一次伸線)、一次焼鈍工程、酸洗工
程、二次伸線工程、二次焼鈍工程、酸洗工程、
めっき工程、二硫化モリブデンまたは二硫化タングス
テンの1種以上を用いて伸線する塗布三次伸線工程、
最終サイズ径まで伸線する工程(仕上げ四次伸線)、
(10)スプールに巻取ったりペイルパックに装填する
巻取り工程によって製造することにより、ワイヤ引張強
さが低く、ワイヤ表面粗さRaが適度で二硫化モリブデ
ンまたは二硫化タングステンの1種以上を適度に有する
ことができ、長尺のコンジットケーブルがS字あるいは
J字状に曲げて使用される場合においても、ワイヤ送給
ローラでのスリップやコンジットチューブ内での摩擦抵
抗の少ないのでワイヤ送給性を極めて良好なワイヤを製
造できる。
【0014】二次焼鈍し、かつめっき後の三次および四
次伸線における総減面率を80%以下とするので、製品
のワイヤ引張強さを低くすることができるので、屈曲し
たコンジットチューブ内においても柔軟に追従でき摩擦
抵抗を減じることができる。二次焼鈍をしなかったり、
めっき後の三次および四次伸線における総減面率が80
%を超えるとワイヤの引張強度が高くなって、特に屈曲
したコンジットチューブ内での摩擦抵抗が大きくなって
送給性が不良となり、アークが不安定となる。なお、二
次焼鈍の条件は、特に限定しないがワイヤ成分や加工硬
化度等を考慮して、温度650℃以上、保持時間2分以
上であることが好ましい。また、めっき後の総減面率の
下限は、製品径でのワイヤ表面粗さRaおよびワイヤ引
張強度の調整のために30%以上であることが好まし
い。
【0015】一次焼鈍したフラックス充填管を二次伸線
した後のワイヤ表面粗さRaを0.40〜0.80μm
とし、めっき後の三次および四次伸線における総減面率
を80%未満とするので、製品のワイヤ表面粗さRaが
適度となって、ワイヤ送給ローラ部に送られたワイヤは
V溝付送給ローラと平型ローラに摩擦力が働きスリップ
をすることなく送給できる。二次伸線後のワイヤ表面粗
さRaが0.4μm未満であると、また、めっき後の伸
線における総減面率が80%を超えると、製品のワイヤ
表面粗さRaが0.08μm未満となり、V溝付送給ロ
ーラと平型ローラへの摩擦力が小さく、フラックス入り
ワイヤはスリップしてアークが不安定となる。
【0016】さらに、二硫化モリブデンまたは二硫化タ
ングステンの1種以上を含んだ潤滑剤を用いて伸線する
塗布三次伸線工程において、二硫化モリブデンまたは二
硫化タングステンの1種以上の塗布量が少なくなって、
特に屈曲したコンジットチューブ内での摩擦抵抗が大き
くなって送給性が不良となり、アークが不安定となる。
逆にワイヤ素線を二次伸線した後のワイヤ表面粗さRa
が0.80μmを超えると、仕上げ四次伸線工程でダイ
スが荒れてワイヤ表面に傷が生じたり、二硫化モリブデ
ンまたは二硫化タングステンの1種以上を含んだ潤滑剤
を用いて伸線する塗布三次伸線工程において、二硫化モ
リブデンまたは二硫化タングステンの1種以上が塗布さ
れすぎて、溶接時にワイヤ送給ローラ部でフラックス入
りワイヤがスリップしてアークが不安定となる。さら
に、製品ワイヤのワイヤ表面粗さRaが0.22μmを
超えてコンジットチューブ内での摩擦抵抗が大きくなっ
て、ワイヤ送給性が不良となり、アークが不安定とな
る。
【0017】なお、ワイヤ素線を二次伸線した後のワイ
ヤ表面粗さRaの付与は、ローラダイスの溝部に適度の
粗度を付したものを用いるか、乾式伸線でワイヤ表面粗
さRaが0.40〜0.80μmの範囲内にあれば強制
的に粗度を付与する必要はない。また、塗布三次伸線工
程における伸線の減面率は5〜30%が好ましく、潤滑
剤は、二硫化モリブデンまたは二硫化タングステンの1
種以上を10〜50%含み、他は各種ろう、弗素樹脂、
炭酸石化等の有機あるいは無機物の粉末を混合した潤滑
剤、あるいはグリース、動植物油、鉱物油または合成油
をベースとした油脂に混合した潤滑剤を用いる。本発明
にいうワイヤ素線とは、フラックス充填後のフラックス
充填管を3〜6mmまで一次伸線、一次焼鈍および酸洗
したもの、または、一次伸線せず一次焼鈍および酸洗し
たもの、あるいは一次焼鈍のみを行ったものをいう。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。まず、ワイヤ素線はJIS Z3313に規定
されるYFG−C50DRのシームレスフラックス入り
ワイヤ(フラックス充填率14%)の充填管を、表2に
示すそれぞれのワイヤ径まで一次伸線して一次焼鈍、酸
洗したワイヤ素線を用いた。なお、この時用いたフラッ
クス入りワイヤ外皮の成分を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】前記ワイヤ素線を図2に示す二次伸線工程
で表1に示すワイヤ径まで乾式伸線してワイヤ表面粗
さRaを付与し、二次焼鈍(焼鈍温度650〜750
℃、保持時間4〜10min)工程、酸洗工程、めっ
き工程の後、塗布三次伸線工程で二硫化モリブデン
または二硫化タングステンの1種以上を合成ワックスお
よび金属石鹸に配合比を変えて混合した固体潤滑剤を用
いて孔ダイスにより塗布三次伸線して、仕上げ四次伸線
工程で湿式伸線、スキンパス伸線で表2に示す製品径
として巻取り工程(10)で20kgのスプール巻ワイ
ヤとした。ワイヤ送給性の調査は図1に示す装置で6m
長さのコンジットケーブル4を用い、図3に示すコンジ
ットケーブル4をループ径D150mmを2回付して、
表3に示す溶接条件でワイヤ各10kgを溶接した。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】ワイヤ送給性は、ワイヤ送給モータの電機
子電流の測定により調べた。なお、電機子電流が3.5
Aを超えるとアーク長が変化してアークが不安定にな
る。また、ワイヤ送給ローラ部でのワイヤスリップは、
ワイヤ送給ローラの周速(T)とワイヤ送給ローラ出口
のワイヤ速度(W)を測定し、下記式でスリップ率を算
出して調べた。ワイヤのスリップ率は5%を超えると、
ワイヤ送り速度に緩急が生じてワイヤの送給むらによっ
てアークが不安定となる。 スリップ率=(T−W)/T×100 それらの結果を表2にまとめて示す。
【0024】表2において、試験No.1〜6が本発明
例、試験No.7〜14が比較例である。本発明例の試
験No.1〜6は、一次焼鈍後のワイヤ素線を二次伸線
して適度な表面粗さRaを付与し、二次焼鈍、酸洗およ
びめっきした後、二硫化モリブデンまたは二硫化タング
ステンの1種以上を含む潤滑剤で塗布三次伸線して仕上
げ四次伸線し、かつめっき後の総減面率が80%以下
で、製品ワイヤの引張強さ、ワイヤ表面粗さRaおよび
二硫化モリブデンまたは二硫化タングステンの1種以上
の含有量が適正であるので、長尺のコンジットケーブル
を曲げて溶接してもワイヤ送給ローラ部でのワイヤスリ
ップ率が小さく、コンジットチューブ内での摩擦抵抗も
少なく電機子電流が低くアークが安定しており、極めて
満足な結果であった。
【0025】比較例中試験No.7は、二次伸線後のワ
イヤ表面粗さRaが低いので、製品ワイヤのワイヤ表面
粗さRaが低く、V溝付送給ローラと平型ローラへの摩
擦力が大きくなってスリップ率が高くなり、アークが不
安定となった。試験No.8は、二次伸線後のワイヤ表
面粗さRaが低いので、製品ワイヤの凹部に二硫化モリ
ブデン含有量が少なく、ワイヤ摩擦抵抗が大きく電機子
電流が高くなってワイヤ送給性が不良となり、アークが
不安定となった。
【0026】試験No.9は、二次伸線後のワイヤ表面
粗さRaが高いので、仕上げ四次伸線工程でダイスが荒
れワイヤ表面に傷が生じたので試作を中止した。試験N
o.10は、二次伸線後のワイヤ表面粗さRaが高いの
で、製品ワイヤの凹部に二硫化モリブデンと二硫化タン
グステンの含有量が多く、V溝付送給ローラと平型ロー
ラへの摩擦力が小さくなってスリップ率が高く、アーク
が不安定となった。
【0027】試験No.11は、二次伸線後のワイヤ表
面粗さRaが高いので、製品ワイヤのワイヤ表面粗さR
aが高く、ワイヤ摩擦抵抗が大きく電機子電流が高くな
ってワイヤ送給性が不良となり、アークが不安定となっ
た。試験No.12は、めっき後の総減面率が高いの
で、製品ワイヤのワイヤ表面粗さRaが低く、V溝付送
給ローラと平型ローラへの摩擦力が小さくなってスリッ
プ率が高く、アークが不安定となった。
【0028】試験No.13は、めっき後の総減面率が
高いので、ワイヤ引張強度が高くなって、ワイヤ摩擦抵
抗が大きく電機子電流が高くなってワイヤ送給性が不良
となり、アークが不安定となった。試験No.14は、
めっき後の総減面率が低く、ワイヤ引張強度が低くなっ
たので、コンジットチューブ内でワイヤが座屈した。
【0029】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のガスシー
ルドアーク溶接用フラックス入りワイヤおよびその製造
方法によれば、溶接時に長尺のコンジットケーブルがS
字あるいはJ字状に曲げて使用される場合においても、
ワイヤ送給ローラでの送給力が得られ、かつコンジット
チューブ内での摩擦抵抗の少なくアークが安定した溶接
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワイヤ送給の工程を示す説明図である。
【図2】本発明のガスシールドアーク溶接用フラックス
入りワイヤ製造ラインの概要図である。
【図3】本発明の実施例に用いたコンジットケーブルの
ループ部を示す図である。
【図4】従来のガスシールドアーク溶接用フラックス入
りワイヤ製造ラインの概要図である。
【符号の説明】
1 フラックス入りワイヤ 2 平型加圧送給ローラ 3 V溝付き送給ローラ 4 コンジットケーブル 5 溶接トーチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスシールドアーク溶接用フラックス入
    りワイヤ断面積当たりの引張強度が450〜600N/
    mm2 、ワイヤ表面粗さRaが0.08〜0.22μm
    である表面にワイヤ10kg当たり二硫化モリブデンま
    たは二硫化タングステンの1種以上を0.01〜0.0
    5g有することを特徴とするガスシールドアーク溶接用
    フラックス入りワイヤ。
  2. 【請求項2】 ガスシールドアーク溶接用フラックス入
    りワイヤの製造方法において、一次焼鈍後のワイヤ素線
    を二次伸線し、次いで二次焼鈍して酸洗,めっき後に二
    硫化モリブデンまたは二硫化タングステンの1種以上を
    含んだ潤滑剤で三次伸線し、次いで湿式伸線で仕上げ四
    次伸線することを特徴とするガスシールドアーク溶接用
    フラックス入りワイヤの製造方法。
  3. 【請求項3】 ワイヤ素線を二次伸線した後のワイヤ表
    面粗さRaが0.40〜0.80μmであることを特徴
    とする請求項2記載のガスシールドアーク溶接用フラッ
    クス入りワイヤの製造方法。
  4. 【請求項4】 めっき後の三次および四次伸線における
    総減面率が80%以下であることを特徴とする請求項2
    または請求項3記載のガスシールドアーク溶接用フラッ
    クス入りワイヤの製造方法。
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