JP2000231990A - 発光素子およびその製造方法 - Google Patents

発光素子およびその製造方法

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JP2000231990A
JP2000231990A JP11031595A JP3159599A JP2000231990A JP 2000231990 A JP2000231990 A JP 2000231990A JP 11031595 A JP11031595 A JP 11031595A JP 3159599 A JP3159599 A JP 3159599A JP 2000231990 A JP2000231990 A JP 2000231990A
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Yoshio Himeshima
義夫 姫島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発光素子パネルで使用される隔壁もしくはスペ
ーサーから出てくる物質を最小限に抑えて素子の表示品
位を維持する。 【解決手段】陽極と陰極の間に発光を司る物質が存在
し、電気エネルギーによって発光する素子であり、全発
光領域を形成する部分発光領域の外周部の少なくとも一
部に陽極、陰極、そして発光を司る物質の総膜厚より厚
い軟化点700℃以下の無機物層を設けることで表示品
位を維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気エネルギーを
光に変換できる素子であって、表示素子、フラットパネ
ルディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、標
識、看板、電子写真機、光信号発生器などの分野に利用
可能な発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】陰極から注入された電子と陽極から注入
された正孔が両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する
際に発光するという有機積層薄膜発光素子の研究が近年
活発に行われるようになってきた。この素子は、薄型、
低駆動電圧下での高輝度発光、蛍光材料を選ぶことによ
る多色発光が特徴であり注目を集めている。
【0003】この研究は、コダック社のC.W.Tan
gらが有機積層薄膜素子が高輝度に発光することを示し
て以来(Appl.Phys.Lett.51(12)
21,p.913,1987)、多くの研究機関が検討
を行っている。コダック社の研究グループが提示した有
機積層薄膜発光素子の代表的な構成は、ITOガラス基
板上に正孔輸送性のジアミン化合物、発光層である8−
ヒドロキシキノリンアルミニウム、そして陰極としてM
g:Agを順次真空蒸着法で設けたものであり、10V
程度の駆動電圧で1000cd/m2 の緑色発光が可能
であった。現在の有機積層薄膜発光素子は、上記の素子
構成要素の他に電子輸送層を設けているものなど構成を
変えているものもあるが、基本的にはコダック社の構成
を踏襲している。
【0004】本技術の代表的用途の一つは、ドットマト
リックス表示を行うフラット・パネル・ディスプレイで
ある。本表示形式の代表的なものには、液晶ディスプレ
イ、無機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、フ
ィールドエミッションディスプレイがある。ドットマト
リックス表示の場合、部分発光領域がアレイ状に形成さ
れその複数の領域を独立に発光させることによって情報
表示を行う。この部分発光領域全てが同じ色で発光する
場合はモノクロディスプレイとなり、2種類以上の色で
発光させるとマルチカラーディスプレイになり、更にR
GB三原色をある規則性をもって配置するとフルカラー
カラーディスプレイとなる。規則性の種類には、ストラ
イプ配列、ダイアゴナル配列、デルタ配列、レクタング
ル配列などがある。この様にドットマトリックス表示を
行う場合には、モノクロ、カラーに限らず部分発光領域
を規定する必要がある。部分発光領域を規定する方法と
しては、スクリーン印刷、フォトリソグラフィー法、レ
ーザー加工、光クエンチング法、インクジェットプリン
ティング法、シャドーマスク法などがあり、状況によっ
て使い分けられるが真空蒸着法で発光素子を形成する場
合は、主にシャドーマスク法が用いられる。しかし、本
手法であると高精細マスクの作製が難しいことや真空中
でマスクと基板の位置合わせの問題、更にはマスクが触
れることによって先に蒸着した有機層に傷が付く等の問
題点がある。そこで、マスクによるパターン化工程を減
らしたりマスク傷防止のために部分発光領域の間に隔壁
を形成する方法が考案されている(特開平5−2751
72号公報、特開平8−315981号公報)。これに
より、マスクを用いなくとも蒸着物が隔壁によって自動
的に分断され部分発光層が規定されるし、マスクを用い
る場合は隔壁の方が発光素子部より先にマスクに接触す
るため有機層に傷を付けることはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの隔壁
は、主にレジスト材料のような有機物で出来ているた
め、発光素子作製後に隔壁からレジスト構成物質が出て
来て発光素子特性に大きなダメージを与える。特に長期
の駆動や高温状態での保存安定性に問題があった。
【0006】また、シリカ、アルミナ、窒化ケイ素等の
無機材料をリフトオフ法によってパターン化して隔壁を
形成する場合、これら無機物は融点が極めて高いため電
子ビーム蒸着法、CVD法、スパッタリング法などの真
空薄膜形成法を使用しなくてはならない。真空薄膜形成
法は、装置自体が大がかりであることと膜成長速度が遅
いためミクロンオーダーの厚さの隔壁を形成するには、
かなりの時間がかかるという問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は陽極と陰極の間
に発光を司る物質が存在し、電気エネルギーによって発
光する素子であり、全発光領域を形成する部分発光領域
の外周部の少なくとも一部に陽極、陰極、そして発光を
司る物質の総膜厚より厚い無機物層が形成され、該無機
物層の歪み点がそれを保持する基板の該無機物層の軟化
点がそれを保持する基板の軟化点以下であることを特徴
とする発光素子である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において陽極は、光を取り
出すために透明であれば酸化錫、酸化インジウム、酸化
錫インジウム(ITO)などの導電性金属酸化物、ある
いは金、銀、クロムなどの金属、ヨウ化銅、硫化銅など
の無機導電性物質、ポリチオフェン、ポリピロール、ポ
リアニリンなどの導電性ポリマなど特に限定されるもの
でないが、ITOガラスやネサガラスを用いることが特
に望ましい。透明電極の抵抗は素子の発光に十分な電流
が供給できればよいので限定されないが、素子の消費電
力の観点からは低抵抗であることが望ましい。例えば3
00Ω/□以下のITO基板であれば素子電極として機
能するが、現在では10Ω/□程度の基板の供給も可能
になっていることから、低抵抗品を使用することが特に
望ましい。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ
事ができるが、通常100〜300nmの間で用いられ
ることが多い。また、ガラス基板はソーダライムガラ
ス、無アルカリガラスなどが用いられ、また厚みも機械
的強度を保つのに十分な厚みがあればよいので、0.5
mm以上あれば十分である。ガラスの材質については、
ガラスからの溶出イオンが少ない方がよいので無アルカ
リガラスの方が好ましいが、SiO2 などのバリアコー
トを施したソーダライムガラスも市販されているのでこ
れを使用できる。ITO膜形成方法は、電子ビーム法、
スパッタリング法、化学反応法など特に制限を受けるも
のではない。
【0009】陰極は、電子を本有機物層に効率良く注入
できる物質であれば特に限定されないが、一般に白金、
金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウ
ム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシ
ウム、マグネシウムなどがあげられるが、電子注入効率
をあげて素子特性を向上させるためにはリチウム、ナト
リウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムまたはこ
れら低仕事関数金属を含む合金が有効である。しかし、
これらの低仕事関数金属は、一般に大気中で不安定であ
ることが多く、例えば、有機層に微量のリチウムやマグ
ネシウム(真空蒸着の膜厚計表示で1nm以下)をドー
ピングして安定性の高い電極を使用する方法が好ましい
例として挙げることができるが、フッ化リチウムのよう
な無機塩の使用も可能であることから特にこれらに限定
されるものではない。更に電極保護のために白金、金、
銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、インジウムなどの金
属、またはこれら金属を用いた合金、そしてシリカ、チ
タニア、窒化ケイ素などの無機物、ポリビニルアルコー
ル、塩化ビニル、炭化水素系高分子などを積層すること
が好ましい例として挙げられる。これらの電極の作製法
も抵抗加熱、電子線、スパッタリング、イオンプレーテ
ィング、コーティングなど導通を取ることができれば特
に制限されない。
【0010】発光を司る物質とは、1)正孔輸送層/発
光層、2)正孔輸送層/発光層/電子輸送層、3)発光
層/電子輸送層、そして、4)以上の組合わせ物質を一
層に混合した形態のいずれであってもよい。即ち、素子
構成としては、上記1)〜3)の多層積層構造の他に
4)のように発光材料単独、または発光材料と正孔輸送
材料と電子輸送材料、あるいは発光材料と正孔輸送材料
または電子輸送材料を含む層を一層設けるだけでもよ
い。
【0011】正孔輸送層は正孔輸送性物質単独または二
種類以上の物質を積層、混合するか正孔輸送性物質と高
分子結着剤の混合物により形成され、正孔輸送性物質と
してはN,N´−ジフェニル−N,N´−ジ(3−メチ
ルフェニル)−4,4´−ジフェニル−1,1´−ジア
ミン、N,N´−ジナフチル−N,N´−ジフェニル−
4,4´−ジフェニル−1,1´−ジアミンなどのトリ
フェニルアミン類、ビス(N−アリルカルバゾール)ま
たはビス(N−アルキルカルバゾール)類、ピラゾリン
誘導体、スチルベン系化合物、ヒドラゾン系化合物、オ
キサジアゾール誘導体やフタロシアニン誘導体、ポルフ
ィリン誘導体に代表される複素環化合物、ポリマー系で
は前記単量体を側鎖に有するポリカーボネートやスチレ
ン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリシラン、ポリ
チオフェン、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレンな
どが好ましいが、素子作製に必要な薄膜を形成し、陽極
から正孔が注入できて、さらに正孔を輸送できる化合物
であれば特に限定されるものではない。
【0012】本発明に関する発光材料は、トリス(8−
キノリノラト)アルミニウム、置換8−キノリノラト金
属錯体、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラ
ト)ベリリウム、置換ヒドロキシベンゾキノリノール金
属錯体、トリス(8−キノキサリノラト)アルミニウ
ム、置換キノキサリノール金属錯体、ベンズオキサゾー
ル誘導体、水酸基を有するベンズオキサゾール誘導体の
金属錯体、ベンズチアゾール誘導体、水酸基を有するベ
ンズチアゾール誘導体の金属錯体、フラボン誘導体の金
属錯体、ジスチリルアリレン系誘導体、ピリミジン誘導
体、シロール誘導体、ビフェニル−p−(t−ブチル)
フェニル−1,3,4−オキサジアゾールをはじめとす
るオキサジアゾール誘導体、オリゴフェニレン誘導体、
ピロロピロール誘導体、ポルフィリン誘導体、スピロオ
リゴフェニレン誘導体、フェナントロリン誘導体などが
挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0013】また、発光効率向上、発光色変換や色純度
向上のためにドーピングの手法が用いられる。ドーピン
グに使われるドーパントとしては上記発光材料の他にク
マリン誘導体、キナクリドン誘導体、ルブレン誘導体、
ペリレン誘導体、ジシアノスチリルピラン誘導体、ロー
ダミン誘導体、ペリレン誘導体、ユーロピウム錯体誘導
体、テルビウム金属錯体、ピロメテン誘導体、フタロシ
アニン誘導体、オキサジン誘導体などが挙げられるがこ
れらに限定されるものではない。ドープ量は、多い方が
発光効率が上がると考えられるが、多くの蛍光体は高濃
度になると濃度消光現象が起こることと有機薄膜の膜質
の観点から最適濃度が存在する。多くのドーパントの場
合、ホストに対するドーパントの濃度は10%以下、好
ましくは5%以下、更に好ましくは1%以下であること
が多いが特に限定されるものではない。ドーピング方法
は、蒸着における共蒸着、混合蒸着、または混合塗布法
などがある。
【0014】電子輸送性物質としては、電界を与えられ
た電極間において陰極からの電子を効率良く輸送するこ
とが必要で、電子注入効率が高く、注入された電子を効
率良く輸送することが望ましい。そのためには電子親和
力が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性
に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に
発生しにくい物質であることが要求される。本発明に関
する発光材料は、電子輸送性能も兼ね備えてるので、発
光材料だけではなく電子輸送層の材料としても有用であ
る。従って、本化合物は何等発光することなく電子のみ
を素子の中で輸送する役割も果たすし、発光層兼電子輸
送層として働かせることも可能である。
【0015】また、本発明に関する材料は、オキサジア
ゾール、トリアゾール、フェナントロリン、キノキサリ
ン、キノリノラト金属錯体などの誘導体と混合したり、
積層して用いることもできる。本発明に関する材料が発
光材料である場合は、前記オキサジアゾール、トリアゾ
ール、フェナントロリン、キノリノラト金属錯体などの
誘導体を単独または二種類以上混合して用いてもよい。
以上述べてきた化合物以外にも蒸着可能な高分子化合物
が存在するし、モノマーを蒸着して基板上で重合する方
法もあることから、特に材料には制限はない。
【0016】発光を司る物質の形成方法は、抵抗加熱蒸
着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法など
特に限定されるものではないが、通常は、抵抗加熱蒸
着、電子ビーム蒸着が特性面で好ましい。層の厚みは、
発光を司る物質の抵抗値にもよるので限定することはで
きないが、10〜1000nmの間から選ばれる。
【0017】電気エネルギーとは主に直流電流を指す
が、パルス電流や交流電流を用いることも可能である。
電流値および電圧値は特に制限はないが、素子の消費電
力、寿命を考慮するとできるだけ低いエネルギーで最大
の輝度が得られるようにするべきである。
【0018】全発光領域は、部分発光領域の集合領域全
てを含む部分を指している。例えばVGAの場合である
と横640×縦480、全307200個の部分発光領
域が全発光領域を構成していることになる。このような
形状をマトリクス形状と呼び、表示のための画素が格子
状に配置して画素の集合で文字や画像を表示する。画素
の形状、サイズは用途によって決まる。例えばパソコ
ン、モニター、テレビの画像および文字表示には、通常
一辺が300μm以下の四角形の画素が用いられるし、
表示パネルのような大型ディスプレイの場合は、一辺が
mmオーダーの画素を用いることになる。モノクロ表示
の場合は、同じ色の画素を配列すればよいが、カラー表
示の場合には、赤、緑、青の画素を並べて表示させる。
この場合、典型的にはデルタ配置、ストライプ配置、ダ
イアゴナル配置、レクタングル配置がある。そして、こ
のマトリクスの駆動方法としては、線順次駆動方法やア
クティブマトリックスのどちらでもよい。線順次駆動の
方が構造が簡単であるという利点があるが、動作特性を
考慮した場合、アクティブマトリックスの方が優れる場
合があるので、これも用途によって使い分けることが必
要である。一方でセグメント形状というものもある。こ
れは、予め決められた情報を表示するようにパターンを
形成し、決められた領域を発光させることになる。例え
ば、デジタル時計や温度計における時刻や温度表示、オ
ーディオ機器や電磁調理器などの動作状態表示、自動車
のパネル表示などがあげられる。そして、前記マトリク
ス表示とセグメント表示は同じパネルの中に共存してい
てもよい。
【0019】この様な表示方式の中で部分発光領域の外
周部とは、複数の部分発光領域より外側で非発光である
領域を指す。但し、他の発光部分の上には形成しないの
で実質上は部分発光領域間の一部または全ての領域に形
成されることになる。
【0020】ここで、前記課題において無機物層から出
てくる物質を最小限に止めるには、有機物より無機物の
方が適しているが、厚い無機物層を特定のパターン形状
に形成するのは困難であった。そこで、軟化点が基板の
軟化点を超えない無機物をバインダー樹脂などと混合し
てペースト状とし、これを特定のパターン形状に成形し
た後に軟化点以上の温度で焼成して無機物同士を結着す
ることによって形態を安定化させて、無機物層を形成す
れば容易に厚い無機物層が作れる。一方、軟化点や融点
が更に高いシリカ、アルミナ、窒化ケイ素なども微粉末
状にして軟化点が低い物質と混合して結着させることも
可能である。
【0021】本発明にいては、無機物層を形成する材料
の軟化点(粘度が107.5dPa・sになる温度)がそ
れを形成する基板の軟化点より低いことが肝要である。
例えばソーダライムガラスの軟化点は735℃、高歪み
点ガラスは830℃であり、本発明の無機物層の軟化点
は、これらの温度以下で充分本発明の目的を達すること
ができる。そして、より好ましい温度としては、ガラス
基板の歪み点(粘度が1014.5dPa・sになる温度)
以下であることがより好ましい。即ち、ソーダライムガ
ラスの場合、歪み点が511℃、高歪み点ガラスの場合
570℃なのでこれより低い軟化点を持つ無機材料がよ
り好ましい材料として挙げることができる。
【0022】ガラス基板は上記材質のみでなく、石英ガ
ラス基板など更に高温でも安定な基板を用いてもよい。
【0023】尚、歪み点及び軟化点は材料を加熱してい
った時のその伸びによって評価される。即ち加熱と共に
伸びはほぼ直線的に変化するが、歪み点近くから一時伸
び率が減少し、ガラス転移温度を越えると今後は急激に
増大して、軟化点の近くで屈服する減少が観察されるの
で特定できる。また、これらの値は示差熱分析(DT
A)と呼ばれる方法で測定することが出来る。
【0024】無機物層の厚さは、本発光素子における陽
極、陰極、そして発光を司る物質の総膜厚より厚ければ
よい。これは、前述の通りマスクによる傷防止と部分発
光領域を規定するために電極および/または発光を司る
物質を分断するに必要な厚さと言える。具体的には、無
機物層の厚さは発光素子の厚さより1μm以上厚ければ
よい。発光素子の厚さは、通常1μm以下であるが抵抗
値を下げるためにミクロンオーダーの電極を形成した場
合は、数μmに及ぶことがあるため膜厚を絶対値で規定
することは難しい。無機物層の形状は、ストライプ状、
円柱状、格子状、島状など如何なる形状も取り得る。断
面形状も矩形、三角形、台形、樽型など特に限定を受け
ない。どちらも部分発光領域が規定するということおよ
び/またはマスク傷が付かないという目的が達せられれ
ば良いわけである。例えばマスク傷を防止するだけで良
い場合は、スペーサー的形状であればよく、隔壁状であ
れば良いのは勿論、円柱状や島状でも良い。
【0025】また、本無機物層は黒色とすることや黒色
層と積層することにより表示コントラストを向上するこ
とができる。ドットマトリックスディスプレイでは、ブ
ラックマトリックス(BM)と呼ばれているもので、無
機物層に黒色物質を混合したり無機物層の下にクロムま
たは酸化クロムとの積層体や樹脂にカーボンやチタンを
分散した層を形成してもよい。
【0026】更に、本無機物層の何れかの部分に金属電
極を形成して発光素子に使用されている何れかの電極に
対するガイド電極としても良い。この様にすると電極の
抵抗値が下がるために表示における輝度ムラ低減、消費
電力低減、パネルの発熱防止などに効果がある。
【0027】この様な無機物層を形成するために前述の
ような軟化点を持つ無機物質を樹脂バインダーと混合し
てペーストを調整し、所定の形状に塗布した後、加熱焼
成することによって得られる。所定の形状に塗布する方
法は、スクリーン印刷法、レーザー加工法、サンドブラ
スト法、感光性ペースト法など如何なる方法も取り得る
し同じ手法または異なる手法を繰り返すことにより膜厚
を厚くすることも出来る。しかし、高解像度の表示素子
を作製する場合は、感光性ペースト法が好ましく、更に
は一工程で厚い無機膜ができるのがより好ましい。以下
に本発明において好ましい感光性ペーストについて説明
する。
【0028】感光性ペースト法に用いるガラス粉末の量
は、ガラス粉末と有機成分の和に対して40〜85重量
%であるのが好ましい。40重量%より小さいと、焼成
時の収縮率が大きくなり、無機物層の形態変化や剥がれ
の原因となるため、好ましくない。また、ペーストとし
て乾燥が難しくなり、ベタ付きが生じ、スクリーン印刷
特性が低下する。さらにパターン太り、現像時の残膜の
発生が起こりやすい。85重量%より大きいと、感光性
成分が少ないことにより、無機物層パターン底部まで光
硬化しない。
【0029】無機物層材質の組成としては、酸化珪素は
ガラス中に、3〜60重量%の範囲で配合することが好
ましい。3重量%未満の場合はガラス層の緻密性、強度
や安定性が低下し、また熱膨張係数が所望の値から外
れ、ガラス基板とのミスマッチが起こりやすい。また6
0重量%以下にすることによって、熱軟化点が低くな
り、ガラス基板への焼き付けが可能になるなどの利点が
ある。
【0030】酸化ホウ素はガラス中に、5〜50重量%
の範囲で配合することによって、電気絶縁性、強度、熱
膨張係数、絶縁層の緻密性などの電気、機械および熱的
特性を向上することができる。50重量%を越えるとガ
ラスの安定性が低下する。
【0031】酸化ビスマス、酸化鉛、酸化亜鉛のうち少
なくとも1種類をガラス中に、5〜50重量%含むガラ
ス粉末を用いることによって、ガラス基板上にパターン
加工できる温度特性を有する感光性ペーストを得ること
ができる。50重量%を越えるとガラスの耐熱温度が低
くなり過ぎてガラス基板上への焼き付けが難しくなる。
特に、酸化ビスマスを5〜50重量%含有するガラスを
用いることは、ペーストのポットライフが長いなどの利
点がある。
【0032】酸化ビスマスを含むガラス組成としては、
酸化物換算表記で 酸化ビスマス 10〜40重量部 酸化珪素 3〜50重量部 酸化ホウ素 10〜40重量部 酸化バリウム 8〜20重量部 酸化アルミニウム 10〜30重量部 の組成を含むものを50重量%以上含有することが好ま
しい。
【0033】酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリ
ウムのうち少なくとも1種類を2〜20重量%含むガラ
ス粉末を用いることによっても、ガラス基板上にパター
ン加工できる温度特性を有する感光性ペーストを得るこ
とができる。リチウム、ナトリウム、カリウム等のアル
カリ金属の酸化物は添加量としては、20重量%以下、
好ましくは、15重量%以下にすることによって、ペー
ストの安定性を向上することができる。
【0034】酸化リチウムを含むガラス組成としては、
酸化物換算表記で 酸化リチウム 2〜15重量部 酸化珪素 15〜50重量部 酸化ホウ素 15〜40重量部 酸化バリウム 2〜15重量部 酸化アルミニウム 6〜25重量部 の組成を含むものを70重量%以上含有することが好ま
しい。また、上記組成で、酸化リチウムの代わりに、酸
化ナトリウム、酸化カリウムを用いても良いが、ペース
トの安定性の点で、酸化リチウムが好ましい。
【0035】また、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛の
ような金属酸化物と酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸
化カリウムのようなアルカリ金属酸化物の両方を含有す
るガラスによって、より低いアルカリ含有量で軟化点や
線熱膨張係数のコントロールが容易になる。
【0036】また、ガラス粉末中に、酸化アルミニウ
ム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウ
ム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなど、特に酸化アルミ
ニウム、酸化バリウム、酸化亜鉛を添加することによ
り、高度や加工性を改良することができるが、軟化点、
熱膨張係数、屈折率の制御の点からは、その含有量は4
0重量%以下が好ましく、より好ましくは25重量%以
下である。
【0037】さらに、一般に絶縁体として用いられるガ
ラスは、1.5〜1.9程度の屈折率を有しているが、
感光性ペースト法を用いる場合、有機成分の平均屈折率
がガラス粉末の平均屈折率と大きく異なる場合は、ガラ
ス粉末と感光性有機成分の界面での反射・散乱が大きく
なり、精細なパターンが得られない。一般的な有機成分
の屈折率は1.45〜1.7であるため、ガラス粉末と
有機成分の屈折率を整合させるためには、ガラス粉末の
平均屈折率を1.5〜1.7にすることが好ましい。さ
らにより好ましくは1.5〜1.65にするのがよい。
但し、無機物層の膜厚が薄い場合には、光は容易に透過
できることから、屈折率の整合性は不可欠の要因とはな
らず、これらの値に限定されるものではない。
【0038】酸化ナトリウム、酸化リチウム、酸化カリ
ウム等のアルカリ金属の酸化物を合計で2〜20重量%
含有するガラスを用いることによって、軟化点、熱膨張
係数のコントロールが容易になるだけでなく、ガラスの
平均屈折率を低くすることができるため、有機物との屈
折率差を小さくすることが容易になる。2%より小さい
時は、軟化点の制御が難しくなる。アルカリ金属の酸化
物の添加量はペーストの安定性を向上させるためにも、
10重量%より小さいことが好ましく、より好ましくは
8重量%以下である。
【0039】特に、アルカリ金属の中では酸化リチウム
を用いることが、比較的ペーストの安定性を高くするこ
とができるから、好ましい。また、酸化カリウムを用い
た場合は、比較的少量の添加でも屈折率を制御できる利
点がある。この結果、ガラス基板上に焼き付け可能な軟
化点を有し、平均屈折率を1.5〜1.7にすることが
でき、有機成分との屈折率差を小さくすることが容易に
なる。
【0040】酸化ビスマスを含有するガラスは軟化点や
耐水性向上の点から好ましいが、酸化ビスマスを10重
量%以上含むガラスは、屈折率が1.6以上になるもの
が多い。このため酸化ナトリウム、酸化リチウム、酸化
カリウムなどのアルカリ金属の酸化物と酸化ビスマスを
併用することによって、軟化点、熱膨張係数、耐水性、
屈折率のコントロールが容易になる。
【0041】本発明におけるガラス材質の屈折率測定
は、感光性ガラスペースト法で露光する光の波長で測定
することが効果を確認する上で正確である。特に、35
0〜650nmの範囲の波長の光で測定することが好ま
しい。さらには、i線(365nm)もしくはg線(4
36nm)での屈折率測定が好ましい。
【0042】本発明の無機物層はコントラストをあげる
点で優れていることから、黒色に着色されていてもよ
い。種々の金属酸化物を添加することによって、焼成後
の無機物層を着色することができる。例えば、感光性ペ
ースト中に黒色の金属酸化物を1〜10重量%含むこと
によって、黒色のパターンを形成することができる。
【0043】この際に用いる黒色の金属酸化物として、
Cr、Fe、Co、Mn、Cuの酸化物の内、少なくと
も1種、好ましくは3種以上を含むことによって、黒色
化が可能になる。特に、FeとMnの酸化物をそれぞれ
0.5重量%以上含有することによって、黒色パターン
を形成できる。
【0044】上記において使用されるガラス粉末粒子径
は、作製しようとする無機物層の線幅や高さを考慮して
選ばれるが、50体積%粒子径(平均粒子径D50)が
1〜6μm、最大粒子径サイズが30μm以下、比表面
積1.5〜4m2/gであることが好ましい。より好ま
しくは10体積%粒子径(D10)0.4〜2μm、5
0体積%粒子径(D50)1.5〜6μm、90体積%
粒子径(D90):4〜15μm、最大粒子径サイズが
25μm以下、比表面積1.5〜3.5m2/gを有し
ていることが好ましい。さらに好ましくはD50が2〜
3.5μm、比表面積1.5〜3m2/gである。ここ
で、D10、D50、D90は、それぞれ、粒径の小さ
いガラス粉末から10体積%、50体積%、90体積%
のガラスの粒子径である。
【0045】上記のような粒度分布をもったガラス粉末
を用いることにより、粉末の充填性が向上し、感光性ペ
ースト中の粉末比率を増加させても気泡を巻き込むこと
が少なくなり、余分な光散乱が小さいため好ましい無機
物層パターン形状が形成できる。ガラス粉末の粒度が上
記範囲より小さいと比表面積が増えるため、粉末の凝集
性があがり、有機成分内への分散性が下がるため、気泡
を巻き込みやすくなる。またガラス粉末の粒度が上記範
囲より大きくても、粉末のかさ密度が下がるため充填性
がさがり、感光性有機成分の量が不足し気泡を巻き込み
やすくなり、やはり光散乱を起こしやすくなる。さら
に、ガラス粉末の粒度分布が上記範囲にあると、粉末充
填比率が高いので焼成収縮率が低くなり、焼成時にパタ
ーン形状が崩れず、本発明の無機物層形状が安定して得
られる。
【0046】粒子径の測定方法は特に限定しないが、レ
ーザー回折・散乱法を用いるのが、簡便に測定できるの
で好ましい。たとえばマイクロトラック社製、粒度分布
計HRA9320−X100を用いた場合の測定条件は
下記の通りである。
【0047】試料量 :1g 分散条件 :精製水中で1〜1.5分間超音波分散、分
散しにくい場合は0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム
水溶液中で行う。粒子屈折率:ガラス種類によって変更
(リチウム系1.6、ビスマス系1.88) 溶媒屈折率:1.33 測定数 :2回。
【0048】本発明の無機物層に軟化点が550〜12
00℃、さらに好ましくは650〜800℃であるフィ
ラーを3〜60重量%含ませてもよい。これにより、感
光性ペースト法において、パターン形成後の焼成時の収
縮率が小さくなり、パターン形成が容易になり、焼成時
の形状保持性が向上する。
【0049】フィラーとしては、チタニア、アルミナ、
チタン酸バリウム、ジルコニアなどのセラミックスや酸
化珪素、酸化アルミニウムを15重量%以上含有する高
融点ガラス粉末が好ましい。一例としては、以下の組成
を含有するガラス粉末を用いることが好ましい。
【0050】 酸化珪素 :25〜50重量% 酸化ホウ素 : 5〜20重量% 酸化アルミニウム:25〜50重量% 酸化バリウム : 2〜10重量%。
【0051】高融点ガラス粉末をフィラーとして用いる
際、母ガラス材料(低融点ガラス)との屈折率差が大き
いと有機成分との整合が困難になり、パターン形成性が
悪くなる。そこで、低融点ガラス粉末の平均屈折率N
1、高融点ガラス粉末の平均屈折率N2が、次の範囲に
あることによって、有機成分との屈折率整合が容易にな
る。
【0052】−0.05≦N1−N2≦0.05。
【0053】無機粉末の屈折率のばらつきが小さいこと
も光散乱低減には重要なことである。屈折率のばらつき
が±0.05である(無機粉末の95体積%以上が平均
屈折率N1±0.05の範囲に入っている)ことが、光
散乱低減には好ましい。用いるフィラーの粒子径として
は、平均粒子径1〜6μmのものが好ましい。
【0054】有機成分は、感光性モノマー、感光性オリ
ゴマー、感光性ポリマーのうち少なくとも1種類から選
ばれる感光性成分を含有し、さらに必要に応じて、バイ
ンダー、光重合開始剤、紫外線吸収剤、増感剤、増感助
剤、重合禁止剤、可塑剤、増粘剤、有機溶媒、酸化防止
剤、分散剤、有機あるいは無機の沈殿防止剤などの添加
剤成分を加えることも行われる。
【0055】感光性成分としては、光不溶化型のものと
光可溶化型のものがあり、光不溶化型のものとして、 (A)分子内に不飽和基などを1つ以上有する官能性の
モノマー、オリゴマー、ポリマーを含有するもの (B)芳香族ジアゾ化合物、芳香族アジド化合物、有機
ハロゲン化合物などの感光性化合物を含有するもの (C)ジアゾ系アミンとホルムアルデヒドとの縮合物な
どいわゆるジアゾ樹脂といわれるもの等がある。また、
光可溶型のものとしては、 (D)ジアゾ化合物の無機塩や有機酸とのコンプレック
ス、キノンジアゾ類を含有するもの (E)キノンジアゾ類を適当なポリマーバインダーと結
合させた、例えばフェノール、ノボラック樹脂のナフト
キノン−1,2−ジアジド−5−スルフォン酸エステル
等がある。
【0056】本発明において用いる感光性成分は、上記
のすべてのものを用いることができる。感光性ペースト
として、無機微粒子と混合して簡便に用いることができ
る感光性成分は、(A)のものが好ましい。
【0057】感光性モノマーとしては、炭素−炭素不飽
和結合を含有する化合物で、その具体的な例として、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピル
アクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチル
アクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−
ブチルアクリレート、イソ−ブチルアクリレート、te
rt−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレー
ト、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブト
キシエチルアクリレート、ブトキシトリエチレングリコ
ールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシ
クロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロ
ールアクリレート、グリシジルアクリレート、ヘプタデ
カフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルア
クリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イ
ソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−
メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコ
ールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアク
リレート、オクタフロロペンチルアクリレート、フェノ
キシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ト
リフロロエチルアクリレート、アリル化シクロヘキシル
ジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチ
レングリコールジアクリレート、ジエチレングリコール
ジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリ
トールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチ
ロールプロパンテトラアクリレート、グリセロールジア
クリレート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレ
ングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、アクリルア
ミド、アミノエチルアクリレート、フェニルアクリレー
ト、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレ
ート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリ
レート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノ
ールA−エチレンオキサイド付加物のジアクリレート、
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物のジア
クリレート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメ
ルカプタンアクリレート等のアクリレート、また、これ
らの芳香環の水素原子のうち、1〜5個を塩素または臭
素原子に置換したモノマー、もしくは、スチレン、p−
メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチ
レン、塩素化スチレン、臭素化スチレン、α−メチルス
チレン、塩素化α−メチルスチレン、臭素化α−メチル
スチレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルス
チレン、カルボシキメチルスチレン、ビニルナフタレ
ン、ビニルアントラセン、ビニルカルバゾール、およ
び、上記化合物の分子内のアクリレートを一部もしくは
すべてをメタクリレートに変えたもの、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピ
ロリドンなどが挙げられる。本発明ではこれらを1種ま
たは2種以上使用することができる。
【0058】これら以外に、不飽和カルボン酸等の不飽
和酸を加えることによって、感光後の現像性を向上する
ことができる。不飽和カルボン酸の具体的な例として
は、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロト
ン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれ
らの酸無水物などがあげられる。
【0059】これらモノマーの含有率は、ガラス粉末と
感光性成分の和に対して、5〜30重量%が好ましい。
【0060】バインダーとしては、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合
体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル−
メタクリル酸エステル共重合体、α−メチルスチレン重
合体、ブチルメタクリレート樹脂などがあげられる。
【0061】また、前述の炭素−炭素二重結合を有する
化合物のうち少なくとも1種類を重合して得られたオリ
ゴマーやポリマーを用いることができる。重合する際
に、これら光反応性モノマーの含有率が、10重量%以
上、さらに好ましくは35重量%以上になるように、他
の感光性のモノマーと共重合することができる。
【0062】共重合するモノマーとしては、不飽和カル
ボン酸等の不飽和酸を共重合することによって、感光後
の現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の
具体的な例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イ
タコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル
酢酸、またはこれらの酸無水物などがあげられる。
【0063】こうして得られた側鎖にカルボキシル基等
の酸性基を有するポリマーもしくはオリゴマーの酸価
(AV)は50〜180、さらには70〜140の範囲
が好ましい。酸価が50未満であると、未露光部の現像
液に対する溶解性が低下するため現像液濃度を濃くする
と露光部まで剥がれが発生し、高精細なパターンが得ら
れにくい。また、酸価が180を現像許容幅が狭くな
る。
【0064】現像性を不飽和酸等のモノマーで付与する
場合は、ポリマーの酸価値は50以下にすることにより
ガラス粉末とポリマーの反応によるゲル化を抑制できる
ことから好ましい。
【0065】以上示した、ポリマーもしくはオリゴマー
に対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させ
ることによって、感光性を持つ感光性ポリマーや感光性
オリゴマーとして用いることができる。好ましい光反応
性基は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチ
レン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリ
ル基、メタクリル基などがあげられる。
【0066】このような側鎖をオリゴマーやポリマーに
付加させる方法は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ
基、水酸基やカルボキシル基に対して、グリシジル基や
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やア
クリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはア
リルクロライドを付加反応させて作る方法がある。
【0067】グリシジル基を有するエチレン性不飽和化
合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グ
リシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル
酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロト
ン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエ
ーテルなどがあげられる。
【0068】イソシアネート基を有するエチレン性不飽
和化合物としては、(メタ)アクリロイルイソシアネー
ト、(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート等があ
る。
【0069】また、グリシジル基やイソシアネート基を
有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライ
ド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライド
は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカ
ルボキシル基に対して0.05〜1モル当量付加させる
ことが好ましい。
【0070】感光性ガラスペースト中の感光性ポリマ
ー、感光性オリゴマーおよびバインダーからなるポリマ
ー成分の量としては、パターン形成性、焼成後の収縮率
の点で優れていることから、ガラス粉末と感光性成分の
和に対して、5〜30重量%であることが好ましい。
【0071】光重合開始剤としての具体的な例として、
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,
4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−
ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジク
ロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフ
ェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,
2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−
2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチル
ジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチル
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソ
プロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベ
ンジル、ベンジルジメチルケタノール、ベンジルメトキ
シエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、
2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキ
ノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズ
アントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、
4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p
−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビ
ス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキ
サノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o
−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロ
パンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシ
ム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o
−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−
エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)
オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−[4−(メチ
ルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノ
ン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホ
ニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4
−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィ
ド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホル
フィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモ
フェニルスルホン、過酸化ベンゾインおよびエオシン、
メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン
酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組合せなどが
あげられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使
用することができる。
【0072】光重合開始剤は、感光性成分に対し、0.
05〜30重量%の範囲で添加され、より好ましくは、
0.1〜20重量%である。重合開始剤の量が少なすぎ
ると、光感度が不良となり、光重合開始剤の量が多すぎ
れば、露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがあ
る。
【0073】紫外線吸収剤を添加することも有効であ
る。紫外線吸収効果の高い化合物を添加することによっ
て高アスペクト比、高精細、高解像度が得られる。紫外
線吸収剤としては有機系染料からなるもの、中でも35
0〜450nmの波長範囲で高UV吸収係数を有する有
機系染料が好ましく用いられる。具体的には、アゾ系染
料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン
系染料、アミノケトン系染料、アントラキノン系、ベン
ゾフェノン系、ジフェニルシアノアクリレート系、トリ
アジン系、p−アミノ安息香酸系染料などが使用でき
る。有機系染料は吸光剤として添加した場合にも、焼成
後の絶縁膜中に残存しないで吸光剤による絶縁膜特性の
低下を少なくできるので好ましい。これらの中でもアゾ
系およびベンゾフェノン系染料が好ましい。
【0074】有機染料の添加量はガラス粉末に対して
0.05〜1重量%が好ましい。0.05重量%以下で
は紫外線吸光剤の添加効果が低く、1重量%を越えると
光感度が不良になったり、焼成後の絶縁膜特性が低下す
るので好ましくない。より好ましくは0.1〜0.18
重量%である。
【0075】有機染料からなる紫外線吸光剤の添加方法
の一例を上げる。有機染料を予め有機溶媒に溶解した溶
液を作製し、それをペースト作製時に混練する。あるい
は、該有機染料溶液中にガラス微粒子を混合後、乾燥す
る方法もある。この方法によってガラス微粒子の個々の
粒子表面に有機染料の膜をコートしたいわゆるカプセル
状の微粒子が作製できる。
【0076】本発明において、無機微粒子に含まれるP
b、Fe、Cd、Mn、Co、Mgなどの金属および酸
化物がペースト中に含有する感光性成分と反応してペー
ストが短時間でゲル化し、塗布できなくなる場合があ
る。このような反応を防止するために安定化剤を添加し
てゲル化を防止することが好ましい。用いる安定化剤と
しては、トリアゾール化合物が好ましく用いられる。ト
リアゾール化合物としては、ベンゾトリアゾール誘導体
が好ましく用いられる。この中でも特にベンゾトリアゾ
ールが有効に作用する。本発明において使用されるベン
ゾトリアゾールによるガラス微粒子の表面処理の一例を
上げると、無機微粒子に対して所定の量のベンゾトリア
ゾールを酢酸メチル、酢酸エチル、エチルアルコール、
メチルアルコールなどの有機溶媒に溶解した後、これら
微粒子が十分に浸すことができるように溶液中に1〜2
4時間浸積する。浸積後、好ましくは20〜30℃で自
然乾燥して溶媒を蒸発させてトリアゾール処理を行った
微粒子を作製する。使用される安定化剤の割合(安定化
剤/無機微粒子)は0.05〜5重量%が好ましい。
【0077】増感剤は、感度を向上させるために添加さ
れる。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオ
キサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビ
ス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、
2,6−ビス(4−ジメチルアミニベンザル)シクロヘ
キサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザ
ル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、
4,4−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、
4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビ
ス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシ
ンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリ
デンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビ
ニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−
ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニ
ル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、
3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリ
ン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N
−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノール
アミン、N−フェニルエタノールアミン、ジメチルアミ
ノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソア
ミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾー
ル、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラ
ゾールなどがあげられる。本発明ではこれらを1種また
は2種以上使用することができる。なお、増感剤の中に
は光重合開始剤としても使用できるものがある。増感剤
を本発明の感光性ペーストに添加する場合、その添加量
は感光性成分に対して通常0.05〜30重量%、より
好ましくは0.1〜20重量%である。増感剤の量が少
なすぎれば光感度を向上させる効果が発揮されず、増感
剤の量が多すぎれば露光部の残存率が小さくなりすぎる
おそれがある。
【0078】また、増感剤は、露光波長に吸収を有して
いるものが用いられる、この場合、吸収波長近傍では屈
折率が極端に高くなるため、増感剤を多量に添加するこ
とによって、有機成分の屈折率を向上することができ
る。この場合の増感剤の添加量は3〜10重量%添加す
ることができる。
【0079】重合禁止剤は、保存時の熱安定性を向上さ
せるために添加される。重合禁止剤の具体的な例として
は、ヒドロキノン、ヒドロキノンのモノエステル化物、
N−ニトロソジフェニルアミン、フェノチアジン、p−
t−ブチルカテコール、N−フェニルナフチルアミン、
2,6−ジ−t−ブチル−p−メチルフェノール、クロ
ラニール、ピロガロールなどが挙げられる。重合禁止剤
を添加する場合、その添加量は、感光性ペースト中に、
通常、0.001〜1重量%である。
【0080】可塑剤の具体的な例としては、ジブチルフ
タレート、ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコ
ール、グリセリンなどがあげられる。
【0081】酸化防止剤は、保存時におけるアクリル系
共重合体の酸化を防ぐために添加される。酸化防止剤の
具体的な例として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ
ール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t
−4−エチルフェノール、2,2−メチレン−ビス−
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−
メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、4,4−ビス−(3−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2
−メチル−4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)ブタ
ン、ビス[3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−3−t−
ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエス
テル、ジラウリルチオジプロピオナート、トリフェニル
ホスファイトなどが挙げられる。酸化防止剤を添加する
場合、その添加量は通常、添加量は、ペースト中に、通
常、0.001〜1重量%である。
【0082】本発明の感光性ペーストには、溶液の粘度
を調整したい場合、有機溶媒を加えてもよい。このとき
使用される有機溶媒としては、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケト
ン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロ
ペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアル
コール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシ
ド、γ−ブチロラクトン、ブロモベンゼン、クロロベン
ゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安
息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上
を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
【0083】有機成分の屈折率とは、露光により感光性
成分を感光させる時点におけるペースト中の有機成分の
屈折率のことである。つまり、ペーストを塗布し、乾燥
工程後に露光を行う場合は、乾燥工程後のペースト中の
有機成分の屈折率のことである。例えば、ペーストをガ
ラス基板上に塗布した後、50〜100℃で1〜30分
乾燥して屈折率を測定する方法などがある。
【0084】本発明における屈折率の測定は、一般的に
行われるエリプソメトリー法やVブロック法が好まし
く、測定は露光する光の波長で行うことが効果を確認す
る上で正確である。特に、350〜650nmの範囲中
の波長の光で測定することが好ましい。さらには、i線
(365nm)もしくはg線(436nm)での屈折率
測定が好ましい。
【0085】また、有機成分が光照射によって重合した
後の屈折率を測定するためには、ペースト中に対して光
照射する場合と同様の光を有機成分のみに照射すること
によって測定できる。
【0086】感光性ペーストは、通常、無機微粒子、紫
外線吸光剤、感光性ポリマー、感光性モノマー、光重合
開始剤、ガラスフリットおよび溶媒等の各種成分を所定
の組成となるように調合した後、3本ローラや混練機で
均質に混合分散し作製する。
【0087】ペーストの粘度は無機微粒子、増粘剤、有
機溶媒、可塑剤および沈殿防止剤などの添加割合によっ
て適宜調整される。
【0088】次に、感光性ペーストを用いてパターン加
工を行う一例について説明するが、本発明はこれに限定
されない。
【0089】ガラス基板やセラミックスの基板、もしく
は、ポリマー製フィルムの上に、感光性ペーストを全面
塗布、もしくは部分的に塗布する。塗布方法としては、
スクリーン印刷、バーコーター、ロールコーター、ダイ
コーター、ブレードコーター等の方法を用いることがで
きる。塗布厚みは、塗布回数、スクリーンのメッシュ、
ペーストの粘度を選ぶことによって調整できる。
【0090】ここでペーストを基板上に塗布する場合、
基板と塗布膜との密着性を高めるために基板の表面処理
を行うことができる。表面処理液としてはシランカップ
リング剤、例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス−
(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキ
シプロピル)トリメトキシシラン、γ(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ランなどあるいは有機金属例えば有機チタン、有機アル
ミニウム、有機ジルコニウムなどである。シランカップ
リング剤あるいは有機金属を有機溶媒、例えばエチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、ブチルアルコールなどで0.
1〜5%の濃度に希釈したものを用いる。次にこの表面
処理液をスピナーなどで基板上に均一に塗布した後に8
0〜140℃で10〜60分間乾燥することによって表
面処理ができる。
【0091】また、フィルム上に塗布した場合、フィル
ム上で乾燥を行った後、次の露光工程を行う場合と、ガ
ラスやセラミックの基板上に張り付けた後、露光工程を
行う方法がある。
【0092】塗布した後、露光装置を用いて露光を行
う。露光は通常のフォトリソグラフィーで行われるよう
に、フォトマスクを用いてマスク露光する方法が一般的
である。用いるマスクは、感光性有機成分の種類によっ
て、ネガ型もしくはポジ型のどちらかを選定する。ま
た、フォトマスクを用いずに、赤色や青色のレーザー光
などで直接描画する方法を用いても良い。
【0093】露光装置としては、ステッパー露光機、プ
ロキシミティ露光機等を用いることができる。また、大
面積の露光を行う場合は、ガラス基板などの基板上に感
光性ペーストを塗布した後に、搬送しながら露光を行う
ことによって、小さな露光面積の露光機で、大きな面積
を露光することができる。
【0094】この際使用される活性光源は、たとえば、
可視光線、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザー
光などが挙げられるが、これらの中で紫外線が好まし
く、その光源としてはたとえば低圧水銀灯、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用
できる。これらのなかでも超高圧水銀灯が好適である。
露光条件は塗布厚みによって異なるが、1〜100mW
/cm2 の出力の超高圧水銀灯を用いて20秒〜30分
間露光を行なう。
【0095】塗布した感光性ペースト表面に酸素遮蔽膜
を設けることによって、パターン形状を向上することが
できる。酸素遮蔽膜の一例としては、ポリビニルアルコ
ール(PVA)やセルロースなどの膜、あるいは、ポリ
エステルなどのフィルムが上げられる。
【0096】PVA膜を形成するには濃度が0.5〜5
重量%のPVA水溶液をスピナーなどの方法で基板上に
均一に塗布した後に70〜90℃で10〜60分間乾燥
することによって水分を蒸発させて行う。また水溶液中
にアルコールを少量添加すると絶縁膜との塗れ性が良く
なり蒸発が容易になるので好ましい。さらに好ましいP
VAの溶液濃度は、1〜3重量%である。この範囲にあ
ると感度が一層向上する。PVA塗布によって感度が向
上するのは次の理由が推定される。すなわち感光性成分
が光反応する際に、空気中の酸素があると光硬化の感度
を妨害すると考えられるが、PVAの膜があると余分な
酸素を遮断できるので露光時に感度が向上すると考えら
れる。ポリエステルやポリプロピレン、ポリエチレン等
の透明なフィルムを用いる場合は、塗布後の感光性ペー
ストの上に、これらのフィルムを張り付けて用いる方法
もある。
【0097】露光後、感光部分と非感光部分の現像液に
対する溶解度差を利用して、現像を行なうが、この場
合、浸漬法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法で行な
う。用いる現像液は、感光性ペースト中の有機成分が溶
解可能である有機溶媒を使用できる。また該有機溶媒に
その溶解力が失われない範囲で水を添加してもよい。感
光性ペースト中にカルボキシル基等の酸性基を持つ化合
物が存在する場合、アルカリ水溶液で現像できる。アル
カリ水溶液として水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、
水酸化カルシウム水溶液などのような金属アルカリ水溶
液を使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼
成時にアルカリ成分を除去しやすいので好ましい。
【0098】有機アルカリとしては、アミン化合物を用
いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウム
ヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミンなどが挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は通常
0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量
%である。アルカリ濃度が低すぎると可溶部が除去され
ず、アルカリ濃度が高すぎると、パターン部を剥離さ
せ、また非可溶部を腐食させるおそれがあり好ましくな
い。また、現像時の現像温度は、20〜50℃で行うこ
とが工程管理上好ましい。
【0099】次に焼成炉にて焼成を行う。焼成雰囲気
や、温度はペーストや基板の種類によって異なるが、空
気中、窒素、水素等の雰囲気中で焼成する。焼成炉とし
ては、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉を用
いることができる。
【0100】ガラス基板上にパターン加工する場合は、
昇温速度200〜400℃/時間で500〜610℃の
温度で10〜60分間保持して焼成を行う。なお焼成温
度は用いるガラス粉末によって決まるが、パターン形成
後の形が崩れず、かつガラス粉末の形状が残らない適正
な温度で焼成するのが好ましい。適正温度より低いと、
気孔率、無機物層上部の凹凸が大きくなり、放電寿命が
短くなったり、誤放電を起こしやすくなったりするため
好ましくない。また適正温度より高いとパターン形成時
の形状が崩れ、無機物層上部が丸くなったり、極端に高
さが低くなり、所望の高さが得られないため、好ましく
ない。
【0101】また、以上の塗布や露光、現像、焼成の各
工程中に、乾燥、予備反応の目的で、50〜300℃加
熱工程を導入しても良い。
【0102】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて、具体的に
説明する。ただし、本発明はこれに限定はされない。な
お、実施例中の濃度(%)は特にことわらない限り重量
%である。
【0103】実施例1 ITO基板(120×100mm高歪み点ガラス(歪み
点570℃、軟化点830℃)使用、ITO膜厚150
nm、10Ω/□、スパッタ品)の短尺方向にピッチ3
00μm、線幅270μmで273本のストライプが出
来るようにITOをパターニングした。本基板をケミコ
クリーン56で15分、純水で15分超音波洗浄を行っ
た後に熱メタノールに15分浸漬して乾燥した。
【0104】次に無機物層用感光性ペーストを作製し
た。ガラス粉末(組成:Li2O:9%、SiO2:20
%、B23:31%、BaO:4%、Al23:24
%、ZnO:2%、MgO:6%、CaO:4%、熱物
性:ガラス転移点474℃、軟化点515℃、熱膨張係
数83×10-7/K、粒径:D10:0.9μm、D5
0:2.5μm、D90:6.5μm、最大粒径:1
8.5μm、比表面積:2.56m2/g、屈折率:
1.59(g線436nm)比重:2.55)70重量
部に対して、有機染料(スダン)0.08重量部の割合
で秤量した。スダンをアセトンに溶解させ、分散剤を加
えてホモジナイザで均質に攪拌した。この溶液中にガラ
ス粉末を添加して均質に分散・混合後、ロータリーエバ
ポレータを用いて、100℃の温度で乾燥し、アセトン
を蒸発させた。こうして有機染料の膜でガラス粉末の表
面が均質にコーティングされた粉末を作製した。
【0105】ポリマー(40%のメタアクリル酸(MA
A)、30%のメチルメタアクリレート(MMA)およ
び30%のスチレン(St)からなる共重合体のカルボ
キシル基に対して0.4当量のグリシジルメタアクリレ
ート(GMA)を付加反応させた重量平均分子量430
00、酸価95の感光性ポリマーの40%γ−ブチロラ
クトン溶液)、モノマー(X2-N-CH(CH3)-CH2-(O-CH2-CH
(CH3))n-N-X2,X:-CH2-CH(OH)-CH2O-CO-C(CH3)=CH2、n
=2〜10)、光重合開始剤(IC−369)、増感剤
(DETX−S)をスダン0.08%、ポリマー37.
5%、モノマー12.75%、開始剤4.8%、増感剤
4.8%の割合で混合し、均質に溶解させた。その後、
この溶液を400メッシュのフィルターを用いて濾過
し、有機ビヒクルを作製した。上記有機ビヒクルと上記
ガラス粉末を70%添加し、3本ローラで混合・分散し
て、無機物層形成用の感光性ペーストを調整した。有機
成分の屈折率は1.59、ガラス粉末のそれは1.59
であった。
【0106】前記無機物層用感光性ペーストを325メ
ッシュのスクリーンを用いて前記ITO基板にスクリー
ン印刷により、均一に塗布した。塗布膜にピンホールな
どの発生を回避するために塗布・乾燥を数回以上繰り返
し行い、膜厚みの調整を行った。途中の乾燥は80℃で
10分間行った。その後、80℃で1時間保持して乾燥
した。乾燥後の厚みは170μmであった。続いて、3
00μmピッチのネガ型のクロムマスクを通して、上面
から50mJ/cm2 出力の超高圧水銀灯で紫外線照射
した。露光量は0.7J/cm2 であった。
【0107】次に、35℃に保持したモノエタノールア
ミンの0.2重量%の水溶液をシャワーで170秒間か
けることにより現像し、その後シャワースプレーを用い
て水洗浄した。これにより、光硬化していない部分が除
去され、ITOストライプに直交するようにストライプ
状の無機物層パターンが形成された。無機物層パターン
が形成されたガラス基板を、空気中で560℃で15分
間焼成し、ITO電極に直交しピッチ300μm、幅5
0μm、高さ150μmの無機物層を形成した。
【0108】本基板をケミコクリーン56で5分、純水
で5分超音波洗浄を行った後に熱メタノールに5分浸漬
して乾燥した。そして、UV−オゾン洗浄を3分間行っ
た。基板を真空蒸着機の中に固定し、3×10-4Paに
減圧し、自転で基板を回転(10rpm)させながら
N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニ
ル)−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(T
PD)を抵抗加熱方式によって0.3nm/秒の速度で
130nm、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム
を100nm、リチウムを1nm、そしてアルミニウム
を0.5nm/秒の速度で200nm蒸着した。この様
にして得られたモノクロ発光素子のアルミニウム電極
は、電気的にストライプ状に各々分断されていた。
【0109】また、本発光素子を蒸着機から取り出し、
ロータリーポンプによる減圧雰囲気下で20分間保持し
た後に、酸素濃度が10-4%、露点−100℃のアルゴ
ン雰囲気下に移した。本雰囲気下でエポキシ樹脂接着剤
(XNR3101+XNH3101、チバ・スペシャリ
ティ・ケミカルズ社製)とガラス板を用いて封止を行っ
た。この時、ガラス板の大きさは電極は封止板の外に出
るが素子には接着剤が付かないサイズにしている。
【0110】本発光素子は線順次駆動において明瞭なパ
ターン表示が可能であり、80℃、相対湿度80%で2
00時間保持しておいても隔壁から出てくる物質はな
く、素子表示は良好であった。
【0111】実施例2 実施例1で隔壁の高さを15μmとなるようにペースト
をスクリーン印刷した以外は同様にしてモノクロ発光素
子を作製したところ、発光素子は線順次駆動において明
瞭なパターン表示が可能であり、80℃、相対湿度80
%で200時間保持しておいても隔壁から出てくる物質
はなく、素子表示は良好であった。
【0112】実施例3 実施例2において加湿することなく100℃で200時
間保持しておいても、隔壁から出てくる物質はなく、素
子表示は良好であった。
【0113】実施例4 実施例1で厚さ5μmのストライプ状無機物層をITO
ストライプのギャップ部分に存在するように形成し、リ
チウムとアルミニウムの蒸着を10μmの補強線が入っ
たコバール製ストライプ状シャドーマスク(ピッチ30
0μm、ストライプ幅50μm)をストライプ状無機物
層に対して直角になるように配置し、基板背面から永久
磁石でマスクを固定して行う以外は同様に行ったとこ
ろ、得られた発光素子は線順次駆動において明瞭なパタ
ーン表示が可能であり、80℃、相対湿度80%で20
0時間保持しておいても隔壁から出てくる物質はなく、
素子表示は良好であった。
【0114】実施例5 実施例2においてITOストライプに直交するようにペ
ーストをピッチ300μm、幅50μmのストライプ状
にスクリーン印刷し、フォトリソ工程は省略した。ま
た、焼成後の厚さは15μmになるように無機物層を形
成した。この様にして得られた発光素子は線順次駆動に
おいて明瞭なパターン表示が可能であり、80℃、相対
湿度80%で200時間保持しておいても隔壁から出て
くる物質はなく、素子表示は良好であった。
【0115】実施例6 実施例4で無機物層をストライプ状でなく島状にし、シ
ャドーマスクをITOストライプに対して直交するよう
にした以外は同様に行ったところ、得られた発光素子は
線順次駆動において明瞭なパターン表示が可能であり、
80℃、相対湿度80%で200時間保持しておいても
隔壁から出てくる物質はなく、素子表示は良好であっ
た。
【0116】実施例7 実施例2のITOストライプのピッチを100μm、幅
を70μmにして、同様に無機物層を形成し洗浄した。
本ITOストライプ上に3本おきにRGBの発光体をシ
ャドーマスクを介して形成した。即ち、洗浄された無機
物層を形成したITO基板を真空蒸着機の中に固定し、
3×10-4Paに減圧し、自転で基板を回転(10rp
m)させながらN,N’−ジフェニル−N,N’−(3
−メチルフェニル)−1,1’−ジフェニル−4,4’
−ジアミン(TPD)を抵抗加熱方式によって0.3n
m/秒の速度で全面に蒸着した。次にピッチ300μm
で10μmの補強線を入れた幅70μmのストライプ形
状開口部を持つコバール製シャドーマスクを開口部の外
周がITOと一致するように真空蒸着機内で配置し、
0.3%のPM546(エキシトン社製)を含むトリス
(8−キノリノラト)アルミニウム層を共蒸着法で15
nm形成し、続いてトリス(8−キノリノラト)アルミ
ニウム層を35nm形成した。次に本シャドーマスクを
一度基板から離し、右方向に100μm移動させて再び
磁石で固定した。そして、0.3%の4−(ジシアノメ
チレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチ
リル)−4H−ピラン(DCM、コダック社製)を含む
トリス(8−キノリノラト)アルミニウム層を共蒸着法
で15nm形成し、続いてトリス(8−キノリノラト)
アルミニウム層を35nm形成した。再度、シャドーマ
スクを一度基板から離し、右方向に100μm移動させ
て再び磁石で固定した。そして、4,4’−ビス(2,
2’−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)を
450nm、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム
を5nm蒸着した。ここでマスクを外して前面にリチウ
ムを0.5nm、アルミニウムを200nm蒸着した。
【0117】この様にして得られたカラー発光素子のア
ルミニウム電極は、電気的にストライプ状に各々分断さ
れていた。
【0118】封止は、実施例1同様の方法によって行っ
た。本発光素子は線順次駆動において明瞭なカラーのパ
ターン表示が可能であり、80℃、相対湿度80%で2
00時間保持しておいても隔壁から出てくる物質はな
く、素子表示は良好であった。
【0119】
【発明の効果】本発明は、隔壁もしくはスペーサー層を
無機物とした無機物層を用いることによって、内部から
出てくる物質が極めて少ないために発光素子の表示特性
を高品位に維持できる。また、無機物層の軟化点がそれ
を保持する基板の軟化点以下であることによって無機物
層の厚さを厚くでき、容易に部分発光領域を規定でき
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年2月14日(2000.2.1
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0108
【補正方法】変更
【補正内容】
【0108】本基板を”セミコクリーン”56で5分、
純水で5分超音波洗浄を行った後に熱メタノールに5分
浸漬して乾燥した。そして、UV−オゾン洗浄を3分間
行った。基板を真空蒸着機の中に固定し、3×10-4
aに減圧し、自転で基板を回転(10rpm)させなが
らN,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェ
ニル)−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン
(TPD)を抵抗加熱方式によって0.3nm/秒の速
度で130nm、トリス(8−キノリノラト)アルミニ
ウムを100nm、リチウムを1nm、そしてアルミニ
ウムを0.5nm/秒の速度で200nm蒸着した。こ
の様にして得られたモノクロ発光素子のアルミニウム電
極は、電気的にストライプ状に各々分断されていた。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0116
【補正方法】変更
【補正内容】
【0116】実施例7 実施例2のITOストライプのピッチを100μm、幅
を70μmにして、同様に無機物層を形成し洗浄した。
本ITOストライプ上に3本おきにRGBの発光体をシ
ャドーマスクを介して形成した。即ち、洗浄された無機
物層を形成したITO基板を真空蒸着機の中に固定し、
3×10-4Paに減圧し、自転で基板を回転(10rp
m)させながらN,N’−ジフェニル−N,N’−(3
−メチルフェニル)−1,1’−ジフェニル−4,4’
−ジアミン(TPD)を抵抗加熱方式によって0.3n
m/秒の速度で全面に蒸着した。次にピッチ300μm
で10μmの補強線を入れた幅70μmのストライプ形
状開口部を持つコバール製シャドーマスクを開口部の外
周がITOと一致するように真空蒸着機内で配置し、
0.3%のPM546(エキシトン社製)を含むトリス
(8−キノリノラト)アルミニウム層を共蒸着法で15
nm形成し、続いてトリス(8−キノリノラト)アルミ
ニウム層を35nm形成した。次に本シャドーマスクを
一度基板から離し、右方向に100μm移動させて再び
磁石で固定した。そして、0.3%の4−(ジシアノメ
チレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチ
リル)−4H−ピラン(DCM、コダック社製)を含む
トリス(8−キノリノラト)アルミニウム層を共蒸着法
で15nm形成し、続いてトリス(8−キノリノラト)
アルミニウム層を35nm形成した。再度、シャドーマ
スクを一度基板から離し、右方向に100μm移動させ
て再び磁石で固定した。そして、4,4’−ビス(2,
2’−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)を
45nm、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムを
5nm蒸着した。ここでマスクを外して全面にリチウム
を0.5nm、アルミニウムを200nm蒸着した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/14 H05B 33/14 A

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と陰極の間に発光を司る物質が存在
    し、電気エネルギーによって発光する素子であり、全発
    光領域を形成する部分発光領域の外周部の少なくとも一
    部に陽極、陰極、そして発光を司る物質の総膜厚より厚
    い無機物層が形成され、該無機物層の軟化点がそれを保
    持する基板の軟化点以下であることを特徴とする発光素
    子。
  2. 【請求項2】無機物層の軟化点が基板の歪み点以下であ
    ることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  3. 【請求項3】無機物層が絶縁性物質からなることを特徴
    とする請求項2記載の発光素子。
  4. 【請求項4】陽極および陰極がストライプ形状であっ
    て、ギャップ部分に無機物層が形成されていることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか記載の発光素子。
  5. 【請求項5】陽極または陰極の少なくとも一方のギャッ
    プ部分に無機物層をストライプ状に形成して発光を司る
    物質および/または電極を分断し、矩形状に規定された
    部分発光領域が発光することを特徴とする請求項4記載
    の発光素子。
  6. 【請求項6】無機物層の断面形状に於いて上面の幅より
    下面の幅の方が狭いことを特徴とする請求項5または6
    記載の発光素子。
  7. 【請求項7】赤、緑、青に発光する矩形状部分発光領域
    が規則性をもって配置されていることを特徴とする請求
    項4〜6のいずれか記載の発光素子。
  8. 【請求項8】陽極、無機物層、発光を司る物質、陰極の
    順で形成されてなることを特徴とする請求項7記載の発
    光素子の製造方法。
  9. 【請求項9】無機物と樹脂からなるペースト状物質を加
    熱焼成することにより無機物層を形成することを特徴と
    する請求項8記載の発光素子の製造方法。
  10. 【請求項10】ペースト状物質が感光性であることを特
    徴とする請求項9記載の発光素子の製造方法。
  11. 【請求項11】発光を司る物質および/または陰極を形
    成する際に少なくとも1回シャドーマスクを用いた真空
    蒸着工程を行うことを特徴とする請求項8〜10のいず
    れか記載の発光素子の製造方法。
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