JP2000223930A - コイル装置 - Google Patents

コイル装置

Info

Publication number
JP2000223930A
JP2000223930A JP11019147A JP1914799A JP2000223930A JP 2000223930 A JP2000223930 A JP 2000223930A JP 11019147 A JP11019147 A JP 11019147A JP 1914799 A JP1914799 A JP 1914799A JP 2000223930 A JP2000223930 A JP 2000223930A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil device
coil
coils
base
reader
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11019147A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshinori Takuma
俊則 宅間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rohm Co Ltd
Original Assignee
Rohm Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rohm Co Ltd filed Critical Rohm Co Ltd
Priority to JP11019147A priority Critical patent/JP2000223930A/ja
Priority to CA 2296976 priority patent/CA2296976A1/en
Publication of JP2000223930A publication Critical patent/JP2000223930A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Near-Field Transmission Systems (AREA)
  • Details Of Aerials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 変形等への適合性に優れたコイル装置を実
現する。 【解決手段】複数のコイル2と、これらを保持する基体
1とを備えたコイル装置において、コイル2を互いに分
離させるとともに、基体1に可撓性部材を用いる。これ
により、変形や拡張などの使用状況の変化に対して機械
的に良く適合して変形するばかりか電磁気回路としても
殆ど調整しなくても旨く適合するようになる。また、コ
イル2を列設することで、伝送ケーブルにも好適とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数のコイルを
持ったコイル装置に関し、詳しくは、相互誘導に基づい
て信号伝達を行うコイル装置に関する。このようなコイ
ル装置は、特に、磁気センサや、アンテナユニット、信
号伝送ユニットなどの部材に適する。
【0002】
【従来の技術】非接触での通信やセンシング等に際し
て、磁気信号や電磁信号を受信・検出するために、しば
しば、アンテナコイル等のコイル装置が用いられてい
る。例えば、ICカードからそのデータ等を非接触で読
み取るリーダやライタは、その典型的な応用例である。
そして、並列接続されたコイルを複数配設することで、
非接触カードリーダにおけるアンテナの指向性を改善し
たものも、知られている(特開平8−27919号公
報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のコイル装置では、突然の設置要求や使用態様
の変更には対応しきれなかった。あるいは対応するには
大変であった。例えば、通信範囲を広げるには、上述の
例のように複数・多数のコイルを付加したりそれで置き
換えたりする等のことが必要となるが、その改造は、コ
イル装置周りの機構部や筐体などにも及ぶので、手軽に
は出来ない。また、並列接続されたアンテナコイルの個
数が増減すると、負荷状態が変化するので、同調のため
のマッチングを取り直す必要も生じる。このため、送受
信回路などにも影響が及ぶので、やはり安易には増減出
来ない。
【0004】そこで、如何にして、手軽に多様な使用状
況に適合できるようにするかが、技術的な課題となる。
この発明は、このような課題を解決するためになされた
ものであり、変形等への適合性に優れたコイル装置を実
現することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために発明された第1乃至第8の解決手段について、
その構成および作用効果を以下に説明する。
【0006】[第1の解決手段]第1の解決手段のコイ
ル装置は(、出願当初の請求項1に記載の如く)、複数
のコイルと、これらを保持する基体とを備えたコイル装
置において、前記コイルは互いに分離したものであり、
前記基体は可撓性部材からなるものである。
【0007】このような第1の解決手段のコイル装置に
あっては、複数のコイルのうち何れかのコイルがアンテ
ナとして働くのに加えて、残りの各コイルは相互誘導に
基づいて信号伝達を行うので、磁気信号・電磁信号の受
信・検出が広い範囲で行えるようになる。しかも、コイ
ルは複数あっても並列接続されずに分離しているので、
コイル装置に含められるコイルの個数が増減しても、同
調特性はほぼ一定に維持される。
【0008】また、基体の可撓性に基づき曲げたりして
容易に変形しうるので、種々の状況下で使用できること
となる。しかも、分離して設けられたコイルには引出線
が接続されていないので、曲げても、引出線接続部の断
線が生じない。さらに、コイル間で基体を切断しても信
号伝達機能等が損なわれないので、現場で形状等を合わ
せ込むのも楽にできる。
【0009】これにより、変形や拡張などの使用状況の
変化に対して機械的に良く適合して変形するばかりか、
電磁気回路としても殆ど調整しなくても旨く適合するこ
ととなる。したがって、この発明によれば、機械的にも
回路的にも変形等への適合性に優れたコイル装置を実現
することができる。
【0010】[第2の解決手段]第2の解決手段のコイ
ル装置は(、出願当初の請求項2に記載の如く)、上記
の第1の解決手段のコイル装置であって、前記コイルが
列設されているものである。
【0011】このような第2の解決手段のコイル装置に
あっては、列におけるコイルの並びに沿って磁気信号・
電磁信号が伝搬する。このようなコイル装置は、伝送ケ
ーブル的な使用に好適である。したがって、この発明に
よれば、変形等への適合性に優れたコイル装置であって
伝送ケーブル的な使用に好適なものを実現することがで
きる。
【0012】[第3の解決手段]第3の解決手段のコイ
ル装置は(、出願当初の請求項3に記載の如く)、上記
の第2の解決手段のコイル装置であって、前記コイルの
巻数が列び順に増加または減少しているものである。
【0013】このような第3の解決手段のコイル装置に
あっては、磁気信号・電磁信号が各コイルを伝搬する際
に、コイルの巻数が増える方に伝搬が行われると、それ
に伴って誘導電圧も上昇する。これにより、コイル装置
の設置等に際してコイル巻数の増減する向きを適切に選
択するだけで容易に、伝搬に伴う信号の減衰が抑えられ
る。したがって、この発明によれば、変形等への適合性
に加えて信号の伝送特性にも優れたコイル装置を実現す
ることができる。
【0014】[第4の解決手段]第4の解決手段のコイ
ル装置は(、出願当初の請求項4に記載の如く)、上記
の第1〜第3の解決手段のコイル装置であって、前記基
体にはコイル間に位置する部位の表面のところに凹みが
形成されているものである。
【0015】このような第4の解決手段のコイル装置に
あっては、長さ等を調節する際には、凹みのところを切
断する。これにより、凹みが切断の目安となって、コイ
ルを傷つけること無くコイル装置を適宜に形成しうるの
で、便利である。したがって、この発明によれば、変形
等への適合性に優れたコイル装置であって変形そのもの
も容易なものを実現することができる。
【0016】[第5の解決手段]第5の解決手段のコイ
ル装置は(、出願当初の請求項5に記載の如く)、上記
の第4の解決手段のコイル装置であって、前記基体には
前記凹みの内側に非連結部が形成されているものであ
る。
【0017】このような第5の解決手段のコイル装置に
あっては、目安となる凹みのところの表面を浅く切り込
むだけで、全体が切り離される。これにより、切断が、
力まなくても短時間で、簡単に行われる。したがって、
この発明によれば、変形等への適合性に優れたコイル装
置であって切断が容易なものを実現することができる。
【0018】[第6の解決手段]第6の解決手段のコイ
ル装置は(、出願当初の請求項6に記載の如く)、上記
の第1〜第5の解決手段のコイル装置であって、前記基
体が、分離した内挿部材と、連続した外套部材とを含ん
だものである。
【0019】このような第6の解決手段のコイル装置
は、外套部材に内挿部材を詰め込む等のことで、作成さ
れることとなる。これにより、大規模で複雑な製造設備
は無くても、簡単に、コイル装置が出来上がることとな
る。したがって、この発明によれば、変形等への適合性
に優れたコイル装置であって製造も容易なものを実現す
ることができる。
【0020】[第7の解決手段]第7の解決手段のコイ
ル装置は(、出願当初の請求項7に記載の如く)、上記
の第1〜第3の解決手段のコイル装置であって、前記基
体がフィルム状に形成されているものである。
【0021】このような第7の解決手段のコイル装置に
あっては、曲げたり捻ったりしても壊れることなく変形
する。また、TAB( Tape Automated Bonding )やF
PC等のフィルム配線技術などを利用して製造すること
も可能である。これにより、適用箇所や設置場所に対し
て確実に適合するとともに、安価に大量生産することも
可能となる。したがって、この発明によれば、変形等へ
の適合性に優れたコイル装置であって変形能が大きく量
産性も高いものを実現することができる。
【0022】[第8の解決手段]第8の解決手段のコイ
ル装置は(、出願当初の請求項8に記載の如く)、上記
の第1〜第7の解決手段のコイル装置であって、複数の
磁性体膜を具え、これらが前記コイルに対応して分離し
て配設されているものである。
【0023】このような第8の解決手段のコイル装置に
あっては、磁性体膜の存在によって各コイル周りの磁路
における磁気抵抗が下がるので、コイル間の相互インダ
クタンスが増す。これにより、各コイル間で磁気信号・
電磁信号を伝搬させる能力が強化されることとなる。し
たがって、この発明によれば、変形等への適合性に加え
て信号の伝搬性にも優れたコイル装置を実現することが
できる。
【0024】
【発明の実施の形態】このような解決手段で達成された
本発明のコイル装置について、これを実施するための具
体的な形態を、第1〜第6実施例により説明する。図1
に示した第1実施例は、上述した第1〜第3の解決手段
を具現化したものであり、図2に示した第2実施例は、
上述した第1〜第6の解決手段を具現化したものであ
り、図3に示した第3実施例は、上述の第7解決手段を
具現化したものであり、図4の第4実施例および図5の
第5実施例は、いずれも、上述の第8解決手段を具現化
したものであり、図6に示した第6実施例は、複数のも
のを組み合わせた応用例である。
【0025】
【第1実施例】本発明のコイル装置の第1実施例につい
て、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図
1(a)は、その側面図であり、図1(b)は、その端
面図であり、図1(c)は、その斜視図である。
【0026】このコイル装置は、一本の丸棒状の基体1
の中に多数のコイル2を等間隔で埋め込んだ状態のもの
であり、基体1には、優れた絶縁性に加えて可撓性も具
有したポリイミドやポリスチレン等のプラスチック、あ
るいはその可撓性を高めるためにプラスチックゴムを混
入したものなどが用いられる。また、コイル2は、エナ
メル銅線などの絶縁被覆電線をコイル捲回機等で巻いて
から膠状接着剤を含侵させて円環状に形成したものなど
が用いられる。各コイル2は、両端同士が接続されてい
て、他のコイル等と接続されることなく、それぞれが個
々に閉路をなしている。このようなコイル装置は、互い
に分離した複数のコイルと、これらを保持する可撓性の
基体とを備えたものとなっている。
【0027】このコイル装置(1)は、その製造に際
し、例えば、適度な粘度に溶融させた基体1を傾斜管に
流し込み続けながら逐次コイル2を差し込むとともに順
次固めることで、連続的に製造される。その際、円環状
のコイル2は、その中心軸ができるだけ基体1の軸芯に
一致するとともに、前後のコイル2との間隔が同じにな
るように供給される。また、コイル2は、その巻数の異
なるものが何種類か用意されていて、基体1への差込に
際し、ある範囲について見れば、巻数が増えるような順
序で供給されるか、巻数が減るような順序で供給され
る。そして、巻数の増減が反転するところで切断されて
から、提供される。これにより、このコイル装置は、列
設されている多数のコイルについてその巻数が列び順に
増加または減少しているようなものとなる。
【0028】この第1実施例のコイル装置について、そ
の使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図1
(d)は、リーダ3にて物品タグ4のデータを非接触で
読み取る物流システムの簡略斜視図であり、図1(d)
及び(f)は、そのシステムに上述のコイル装置を導入
して取扱物品の変更等に対処した状態を示している。
【0029】このシステムでは、ベルトコンベア6に乗
って運ばれて来る配送品5に付されている物品タグ4か
ら配送先等のデータを非接触で読み取るために、ベルト
コンベア6の近傍にリーダ3を設置するとともに、リー
ダ3の送受信用アンテナ部に上述のコイル装置(1)を
組み込んでいる。その際、基体1のうちコイル2の巻数
の少ない方の一端部・先端部をリーダ3の筐体から外へ
突き出した状態で、コイル2の巻数の多い他端部・後端
部がリーダ3側に連結させられる。
【0030】そして(図1(d)参照)、基体1の先端
がリーダ3のアンテナ位置から水平に延びた状態でコイ
ル装置(1)と物品タグ4とが近距離で対向するような
配送品5がベルトコンベア6上を流れて来て、両者のコ
イルが電磁結合可能な範囲に入ると、FSKやPSK等
の適宜な通信方式に基づき、リーダ3からコイル装置
(1)を介してエネルギーや指令が送信されるととも
に、それを受けた物品タグ4のコイルからはデータ等が
返信される。
【0031】その返信は、異なる周波数の磁気信号・電
磁信号を発信する能動的な手法や、コイルの負荷状態を
変化させる受動的な手法等によって行われるが、いずれ
にしても、その磁気的信号が基体1の先端側のコイル2
に誘導電流を惹起し、それが、次々と相互インダクタン
スに則ってコイル2を伝搬して基体1の後端側に至り、
最終的にはリーダ3内部の受信回路に入力される。
【0032】こうして、非接触での通信が行われるが、
この場合、コイル装置(1)がリーダ3から突き出てい
るので、リーダ3をベルトコンベア6から多少離して設
置してもコイル装置(1)の先端は確実に物品タグ4に
接近させることができる。しかも、基体1の中を信号が
伝搬する際には、先端から後端にかけて各コイル2に惹
起される誘起電圧が、なかなか低下しないので、あるい
は高まったりするので、パワーの少ない物品タグ4から
の信号でも、より確実に、コイル装置(1)によってリ
ーダ3に伝達される。
【0033】また、取り扱う配送品5の種類や形状等が
変更されたり多様化したりして、物品タグ4を取り付け
る部位の高低が変更されたような場合でも、リーダ3そ
のものを改造したり、その設置環境を作り直したりしな
くても、対処可能である(図1(e),(f)参照)。
例えば、リーダ3等から適宜の固定支柱3aや可動支柱
3bを延ばしてその先端等にコイル装置(1)の先端部
を取り付けておき、物品タグ4の取付位置が高い配送品
5を取り扱うときには(図1(e)参照)、可動支柱3
bを上にスライドさせる等のことにて、コイル装置
(1)の先端を物品タグ4の高さまで持ち上げるのであ
る。
【0034】一方、物品タグ4の取付位置が低い配送品
5を取り扱うときには(図1(f)参照)、やはり可動
支柱3bを下にスライドさせる等のことにて、コイル装
置(1)の先端を物品タグ4に対応した高さまで下げる
のである。こうして、リーダ3の設計変更や改造といっ
た困難なことを行うことなく、現場での作業のついでに
行える程度の簡単なことを行うだけで、容易に、種々の
使用状況に適合させることができる。
【0035】
【第2実施例】本発明のコイル装置の第2実施例につい
て、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図
2(a)〜(c)は、基体1を分割して構成する各部材
11〜13についての端面図および側面図であり、図2
(d),(e)は、それらを組み上げた状態についての
側面図である。
【0036】このコイル装置が第1実施例のものと相違
するのは、基体1が、コイル2を内包した薄い円板状の
内挿部材11(図2(a)参照)と、一方の端面が内挿
部材11の端面とほぼ同じ大径で他方の端面がそれより
小径に形成されコイル2を含まない内挿部材12(図2
(b)参照)と、それらよりも内腔径が少しだけ大きな
筒状の外套部材13(図2(c)参照)とに分割されて
いる点である。内挿部材11及び内挿部材12は、上述
した第1実施例の基体1と同じ材料で良いが、外套部材
13には、熱収縮性プラスチック等の収縮変形機能も具
有した可撓性部材が用いられる。
【0037】このようなコイル装置は、基体1が、分離
した内挿部材11,12と、連続した外套部材13とを
具えたものとなっている。そして、その製造は、内挿部
材11,12を外套部材13の内腔に詰め込んで行われ
るが、その際(図2(d)参照)、先ず小径側端面を先
にして一つの内挿部材12を挿入し、次に内挿部材11
を挿入し、さらに大径側端面を先にしてもう一つの内挿
部材12を挿入する、という作業を繰り返す。また、内
挿部材11の挿入に際しては、コイル2の巻数が増える
ような順序で、あるいは巻数が減るような順序で、内挿
部材11の選出を行う。それから(図2(e)参照)、
十分な長さまで詰め込んだところで、所定の加熱処理等
を施して、外套部材13を収縮させる。
【0038】これにより、このコイル装置は、互いに分
離した複数のコイル2と、これらを保持する可撓性の基
体1(=11〜13)とを備え、列設されている多数の
コイル2についてその巻数が列び順に増加または減少し
ているようなものとなる。また、内挿部材12の小径端
面のところは縊れたようになるので、基体1は、コイル
2間に位置する部位の表面に一定間隔で凹み1aが形成
されたものとなる(図2(e)参照)。しかも、そこで
は内挿部材12の小径端面が対向し合っているだけで接
着等されていないので、基体1は、凹み1aの内側に非
連結部が形成されたものとなる。
【0039】この第2実施例のコイル装置は、そのよう
にして製造されるので、少量生産から大量生産まで種々
の要求に対して柔軟に応じることができ、その使用態様
や動作は、ほぼ第1実施例のときと同様となるが、使用
に先立つ切断作業は、簡単になっている。すなわち(図
2(f)参照)、このコイル装置(1)を所望の長さに
切断するときは、適当な凹み1aを選び、そこにカッタ
等の刃を軽く押し当てながら、コイル装置(1)を軸芯
回りに一回転させるのである。
【0040】そうすると、表面層にあたる外套部材13
に切り込むだけで、芯央部まで深く切り込まなくても、
コイル装置(1)が完全に切り離される。しかも、そう
して切断された端部は、形状等が内挿部材12によって
規定されるので、コイル2の露出する心配が無く、信号
伝達特性も安定した一定状態になる。
【0041】
【第3実施例】本発明のコイル装置の第3実施例につい
て、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図
3(a)は、その表面図であり、図3(b)は、その側
面図である。このコイル装置は、上述した各例のものと
同様に、一列に並んで分離した複数のコイル2と、これ
らを保持する可撓性の基体1とを備えているが、その具
体的形状および製法が相違する。
【0042】すなわち、基体1は、広いシートを所定幅
にカットしたり、あるいは連続成型等にてテープ状に延
ばしたりすることで、フィルム状に形成されている。コ
イル2は、基体1の表面に印刷した配線パターン等によ
り形成され、平坦面上で横一列に配置されている。隣接
コイル2との安定した相互インダクタンスを確保するた
めに、コイル2は、正方形や長方形などの角形にされる
とともに、巻数が2以上の場合は、渦巻き風に径または
辺長が漸増等変化し、両端が裏面や中間層のところで接
続されている。
【0043】このようなコイル装置は、TAB技術のう
ちのテープ製造技術や、プリント配線技術を応用したF
PC製造技術などを利用して、量産され、安価に提供さ
れる。なお、図示は割愛したが、絶縁と保護のために、
基体1の表面には、コイル2の上から適宜の薄い保護膜
が、貼り付けられている。
【0044】この第3実施例のコイル装置について、そ
の使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図3
(c)は、そのコイル装置(1)をリーダ3に組み込ん
だ装置の正面図であり、図3(d)は、その装置を壁7
に埋め込んで設置したシステムの縦断側面図である。な
お、リーダ3は、ICカードを応用して作られた入門証
8から非接触で利用者データ等を読み取るための装置で
ある。
【0045】この場合、基体1は縦長にしてリーダ3の
前面パネルに取り付けられ、これによって縦一列に並ぶ
こととなった幾つかのコイル2のうち略中央のものがリ
ーダ3の送受信アンテナ3cに電磁結合するように位置
調整もなされる。また、そのときに、コイル装置(1)
を所望の長さに形成するのは、鋏みやナイフ等で切断す
るだけで、簡単に行える。さらに、壁7にリーダ3を取
り付けたときに、リーダ3の表面パネルからはみ出して
いる基体1の上下端は、壁7の表面に貼り付けられる。
【0046】そして、利用者が背の高い大人等の場合に
は、リーダ3に読み取らせようとする入門証8を上の方
のコイル2に近づけ、利用者が背の低い子供等の場合に
は、そのような入門証8を下の方のコイル2に近づけ
る。いずれの場合も、両者のコイルが電磁結合可能な範
囲に入ると、適宜な通信方式に基づきリーダ3からコイ
ル装置(1)を介してエネルギーや指令が送信されると
ともにそれを受けた入門証8のコイルからはデータ等が
返信される。その返信は、その磁気的信号が入門証8に
最も近いコイル2に誘導電流を惹起し、それが、次々と
相互インダクタンスに則ってコイル2を伝搬して基体1
のほぼ中央のコイル2に至り、最終的にはアンテナ3c
を介してリーダ3内部の受信回路に入力される。
【0047】こうして、この場合も非接触での通信が行
われる。しかも、高いところから低いところまでの広い
範囲に亘って、通信可能領域が確保されている。また、
水平や斜めの方向に通信可能領域を確保したい場合は、
コイル装置(1)の向きを変えて、その長手方向を所望
の方向に一致させるだけで良い。
【0048】
【第4実施例】本発明のコイル装置の第4実施例につい
て、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図
4(a)は、その表面図であり、図4(b)は側面図で
あり、図4(c)は裏面図である。
【0049】このコイル装置は、上述した第3実施例の
ものの改良であり、磁気信号等の伝搬能力を高めるため
に、基体1の裏面に磁性体膜21が付加されている。磁
性体膜21は、透磁率の大きいフェライト粉などを接着
剤等に混入したものからなり、基体1の表面上でコイル
2同士が隣り合うところの反対側に位置する裏面上のと
ころを中心とした四角形に形成される。その際、何れの
磁性体膜21も、隣のものとの間には、一定の間隙が確
保される。これにより、複数の磁性体膜21は、コイル
2に対応して分離して配設されたものとなる。この場
合、基体1の裏面にも、磁性体膜21を覆う保護膜が貼
られる。
【0050】このようなコイル装置の使用態様及び動作
は、上述した第3実施例のときとほぼ同様なので、詳細
な説明は割愛するが、磁性体膜21の介在によって、隣
同士のコイル2に亘る磁路が、集中的に確保されるの
で、通信可能範囲が更に延びることとなる。
【0051】
【第5実施例】本発明のコイル装置の第5実施例につい
て、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図
5には、上述の第2実施例に基づく3種類の変形例が示
され、図5(a)〜(c)は、何れも図2(a)に対応
している。同図中、(a)のものは、磁性体膜21が内
挿部材11の内部に埋め込まれたものであり、(b)の
ものは、磁性体膜21が内挿部材11の片側の端面上に
形成されたものであり、(c)のものは、磁性体膜21
が内挿部材11の両端面上に形成されたものであある。
なお、(a)及び(b)のものは丸形なのに対し、
(c)のものは角形になっている。
【0052】このような内挿部材11を用いることによ
り、第2実施例のものに相当する棒状のコイル装置につ
いても、複数の磁性体膜21がコイル2に対応して分離
して配設されたものを具現化することができる。そし
て、この場合も、磁性体膜21の介在により、列設され
た多数のコイル2に亘る磁気信号等の伝搬能力が、高ま
ることとなる。
【0053】
【第6実施例】本発明のコイル装置の第6実施例につい
て、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。
【0054】図6(a)に示したのは、フィルム状の基
体1の表面に多数のコイル2をマトリクス状に配置した
広いシートから、直方体の6面を展開してできる略十字
形の部分を切り取ったものである。また、図6(b)に
示したのは、同図(a)のフィルム状基体1を箱形に組
み立ててそれを立体アンテナ部Aに用いるとともに、図
1又は図2のコイル装置(1)をアンテナ部Aとリーダ
3との信号伝送部Bに用いたものである。
【0055】このように平面状のコイル装置と棒状のコ
イル装置とを適当に組み合わせることで、広い範囲で種
々の領域を通信可能にすることができるとともに、通信
機本体等の設置に関する制約も緩和されることとなる。
しかも、その組み立てに際し、アンテナ部Aと信号伝送
部Bとの電気的導通や、信号伝送部Bとリーダ3との電
気的導通は、確立不要なので、組み立ての作業も簡単で
ある。
【0056】
【その他】図7に示したグラフは、上述したコイル装置
におけるコイル2の同調特性を示すものであり、横軸
に、周波数を採り、縦軸に、同一パワーで周波数だけ異
なる磁気信号を印加したときコイル2に流れる電流値を
採ったものである。その特性は、基体1の誘電率や形状
等による寄生容量とコイル2のQ等とに基づいて決まる
が、通信に用いられる搬送波の周波数帯に対応してその
帯域をカバーする幅のピークを持っている。そうなるよ
うに基体1の材質や形状が工夫され、必要であれば明示
的に小容量のコンデンサも分散して付加される。
【0057】そして、このような同調特性は、コイル装
置に対して切断や延長あるいは折り曲げ等の変形処理を
施しても、ほとんど変化しないので、上述した何れのコ
イル装置にあっても、リーダ3等への組み込みや、組み
込み後の改変・組み替え等に際して、リーダ3の送受信
回路に関して同調を取り直す必要が無い。例え、調整す
るとしても、微調整で済む。
【0058】なお、上記の第1,第2実施例において、
基体1又は全体の形状は、棒状であったが、これに限ら
れるもので無く、その形状は、筒状や、パイプ状、螺旋
状など適宜で良く、真っ直ぐ延びていても、曲がってい
ても良い。また、コイル2や磁性体膜21の形状は、上
記の第4,第5実施例に示した円形や四角形に限らず、
環状や、六角形等の多角形、厚みも変わる円盤状など、
適宜のもので良い。さらに、外套部材13は、上記の第
2実施例に示した熱収縮性のものに限らず、化学反応な
ど他の作用による収縮性を具えたものであっても良い。
【0059】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第1の解決手段のコイル装置にあっては、コイルの分
離性と基体の可撓性との組み合わせに基づいいて、変形
や拡張などの使用状況の変化に対して機械的に良く適合
して変形するばかりか電磁気回路としても殆ど調整しな
くても旨く適合するようにしたことにより、変形等への
適合性に優れたコイル装置を実現することができたとい
う有利な効果が有る。
【0060】また、本発明の第2の解決手段のコイル装
置にあっては、コイルの並びに沿って電磁信号等が伝搬
するようにしたことにより、変形等への適合性に優れた
コイル装置であって伝送ケーブル的な使用に好適なもの
を実現することができたという有利な効果を奏する。
【0061】さらに、本発明の第3の解決手段のコイル
装置にあっては、コイル巻数の増減方向を選択するだけ
で伝搬に伴う信号の減衰が抑えられるようにしたことに
より、変形等への適合性に加えて信号の伝送特性にも優
れたコイル装置を実現することができたという有利な効
果が有る。
【0062】また、本発明の第4の解決手段のコイル装
置にあっては、凹みを目安にしてコイルを傷つけること
無くコイル装置を切断しうるようにしたことにより、変
形等への適合性に優れたコイル装置であって変形そのも
のも容易なものを実現することができたという有利な効
果を奏する。
【0063】また、本発明の第5の解決手段のコイル装
置にあっては、目安のところを浅く切り込むだけで全体
が切り離されるようにしたことにより、変形等への適合
性に優れたコイル装置であって切断が容易なものを実現
することができたという有利な効果が有る。
【0064】また、本発明の第6の解決手段のコイル装
置にあっては、外套部材に内挿部材を詰め込む等のこと
でコイル装置が出来上がるようにしたことにより、変形
等への適合性に優れたコイル装置であって製造も容易な
ものを実現することができたという有利な効果を奏す
る。
【0065】また、本発明の第7の解決手段のコイル装
置にあっては、フィルム配線技術などで製造しうるよう
にしたことにより、変形等への適合性に優れたコイル装
置であって変形能が大きく量産性も高いものを実現する
ことができたという有利な効果が有る。
【0066】また、本発明の第8の解決手段のコイル装
置にあっては、コイル間の相互インダクタンスが増すよ
うにしたことにより、変形等への適合性に加えて信号の
伝搬性にも優れたコイル装置を実現することができたと
いう有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のコイル装置の第1実施例についての
側面図等である。
【図2】 本発明のコイル装置の第2実施例についての
側面図等である。
【図3】 本発明のコイル装置の第3実施例についての
表面図等である。
【図4】 本発明のコイル装置の第4実施例についての
表面図等である。
【図5】 本発明のコイル装置の第5実施例についての
端面図等である。
【図6】 本発明のコイル装置の第6実施例についての
展開図等である。
【図7】 本発明の各コイル装置の同調特性を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 基体(棒状体、筒状体、丸物、角材) 1a 凹み 2 コイル(絶縁被覆導線捲回体、印刷形成ループ状
配線パターン) 3 リーダ(コイル装置を組み込んだ応用装置、通信
装置) 3a 固定支柱(コイル装置の一部又は全部を支
持する部材) 3b 可動支柱(コイル装置の一部又は全部を支
持する部材) 4 物品タグ(ICカード、相手方通信装置) 5 配送品 6 ベルトコンベア 7 壁(コイル装置の一部又は全部を支持する部材) 8 入門証(ICカード、相手方通信装置) 11 内挿部材(コイルを内包した大径の内挿部材) 12 内挿部材(コイル間に来る内挿部材で径の変化す
るもの) 13 外套部材(収縮性筒体) 21 磁性体膜(磁性薄膜)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のコイルと、これらを保持する基体と
    を備えたコイル装置において、前記コイルは互いに分離
    したものであり、前記基体は可撓性部材からなるもので
    あることを特徴とするコイル装置。
  2. 【請求項2】前記コイルが列設されていることを特徴と
    する請求項1記載のコイル装置。
  3. 【請求項3】前記コイルの巻数が列び順に増加または減
    少していることを特徴とする請求項2記載のコイル装
    置。
  4. 【請求項4】前記基体は、コイル間に位置する部位の表
    面に凹みが形成されているものであることを特徴とする
    請求項1乃至請求項3の何れかに記載されたコイル装
    置。
  5. 【請求項5】前記基体は、前記凹みの内側に非連結部が
    形成されているものであることを特徴とする請求項4記
    載のコイル装置。
  6. 【請求項6】前記基体は、分離した内挿部材と、連続し
    た外套部材とを具えたものであることを特徴とする請求
    項1乃至請求項5の何れかに記載されたコイル装置。
  7. 【請求項7】前記基体がフィルム状に形成されているこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載さ
    れたコイル装置。
  8. 【請求項8】前記コイルに対応して分離して配設された
    複数の磁性体膜を具えたことを特徴とする請求項1乃至
    請求項7の何れかに記載されたコイル装置。
JP11019147A 1999-01-27 1999-01-27 コイル装置 Pending JP2000223930A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11019147A JP2000223930A (ja) 1999-01-27 1999-01-27 コイル装置
CA 2296976 CA2296976A1 (en) 1999-01-27 2000-01-24 Coil device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11019147A JP2000223930A (ja) 1999-01-27 1999-01-27 コイル装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000223930A true JP2000223930A (ja) 2000-08-11

Family

ID=11991344

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11019147A Pending JP2000223930A (ja) 1999-01-27 1999-01-27 コイル装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2000223930A (ja)
CA (1) CA2296976A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002109497A (ja) * 2000-10-04 2002-04-12 Dainippon Printing Co Ltd 非接触式データキャリアおよびその組合体
JP2010500820A (ja) * 2006-08-08 2010-01-07 センサーマティック・エレクトロニクス・コーポレーション 薄いフィルムでできたeas,rfidアンテナ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002109497A (ja) * 2000-10-04 2002-04-12 Dainippon Printing Co Ltd 非接触式データキャリアおよびその組合体
JP4548921B2 (ja) * 2000-10-04 2010-09-22 大日本印刷株式会社 非接触式データキャリアおよびその組合体
JP2010500820A (ja) * 2006-08-08 2010-01-07 センサーマティック・エレクトロニクス・コーポレーション 薄いフィルムでできたeas,rfidアンテナ

Also Published As

Publication number Publication date
CA2296976A1 (en) 2000-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3958667B2 (ja) リーダライタ用ループアンテナ、及びそれを備えた物品管理棚及び図書管理システム
CN107872102A (zh) 具有多层发射器线圈布置的无线充电垫
EP1308884B1 (en) Rfid tag installing structure and rfid tag installing method
EP2922142B1 (en) Multi-coil module and electronic device
JP5385900B2 (ja) 無線周波数チップの組立
US9627128B2 (en) Antenna module, communication device and method of manufacturing antenna module
TW531976B (en) Communication apparatus and installing structure, manufacturing method and communication method
KR101455825B1 (ko) 무선 전력전송용 공진기
CN101501929B (zh) 天线线圈及天线装置
JP2962580B2 (ja) チップカードモジュールおよびそれと接続されたコイルを有する回路装置
EP1288975A3 (en) Magnetic device, method for manufacturing the same and power supply module equipped with the same
JP2010268306A (ja) コイルアンテナ
RU2127933C1 (ru) Антенная катушка (варианты)
CN102792401A (zh) 无线电力传输用磁元件和电力供给装置
EP3166180B1 (en) An antenna device for hf and lf operation
EP3493325B1 (en) Ultra-low-profile triaxial low frequency antenna for integration in a mobile phone and mobile phone therewith
WO2017179601A1 (ja) Rfidタグ
KR20190085941A (ko) 복합 코일 모듈 및 자성 시트
CN102915460A (zh) 集成电路标签和电子设备
TW200917573A (en) A loop antenna and a method for manufacturing the same
EP1280103A1 (en) Non-contact type IC card and flat coil used therein
JP4042078B2 (ja) データキャリア
CN220291080U (zh) 天线收发模块
WO1999035691A1 (en) An integrated circuit (ic) package including accompanying ic chip and coil and a method of production therefor
JP2000223930A (ja) コイル装置