JP2000221157A - バイオセンサおよびその製造方法 - Google Patents

バイオセンサおよびその製造方法

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JP2000221157A
JP2000221157A JP11059120A JP5912099A JP2000221157A JP 2000221157 A JP2000221157 A JP 2000221157A JP 11059120 A JP11059120 A JP 11059120A JP 5912099 A JP5912099 A JP 5912099A JP 2000221157 A JP2000221157 A JP 2000221157A
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Katsumi Hamamoto
勝美 浜本
Norimasa Noda
憲正 野田
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KDK Corp
Kyoto Daiichi Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】微量の液体試料を用いて、その試料中の特定成
分を迅速、高精度、簡便に測定することができるバイオ
センサに関し、特に試料液の毛細管吸引が確実に行える
と共に、界面活性剤層の形成を不要にして製造工程を簡
略化し、生産性を良くする。 【解決手段】絶縁性基板上に設けた電極上に、スペーサ
によって空間部を設ける。この空間部に酸化還元酵素、
電子伝達体、親水性高分子、および界面活性剤を含む溶
液を分注し乾燥させた後、カバー板を重ね合わせてキャ
ピラリー構造とする。キャピラリーの試料流入部に界面
活性剤を含む反応試薬部を露出させて形成しているの
で、確実な毛細管吸引が可能になり、また、従来のよう
な界面活性剤層の形成工程が不要になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品分析、医療分
析、環境分析等の分野において、微量の液体試料を用い
て、その試料中の特定成分を迅速、高精度、簡便に測定
することができるバイオセンサおよびその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のバイオセンサとして、例えば血液
中のグルコース濃度を測定するものとして、次のグルコ
ースセンサが提案されている。図1はグルコースセンサ
を示す分解斜視図を、図2はその要部断面図を示すもの
である。
【0003】このグルコースセンサは絶縁性基板1上
に、樹脂バインダーを含む導電性カーボンペーストを1
0μmの厚さでコーテイング法によって塗工し、80〜
150℃の乾燥炉で加熱乾燥して電極膜15を形成す
る。次に、図1に示すようなL字形状の対極5と測定極
4、および対極5’を形成するため、V字断面形状の刃
物の金型で絶縁性基板の厚み方向にハーフカットして溝
16を設け、両極の電気的絶縁性を確保する。さらに、
対極5と測定極4、および対極5’を部分的に覆って露
出部分の面積を一定とし、かつ測定極用リード部2、対
極用リード部3、3’の不要部を覆う様に絶縁性ペース
トを印刷し、加熱処理をして絶縁層6(図1中の斜線
部)を形成し、電極系を作製する。
【0004】この様にして電極系を作製した後、親水性
高分子としてカルボキシメチルセルロース(以下、CM
Cと略す。)水溶液を電極系上に展開、乾燥して第一の
層であるCMC層7を形成し、次に、酵素としてグルコ
ースオキシダーゼ(以下、GODと略す。)、CMC及
び電子受容体としてフェリシアン化カリウムを純水に溶
解した溶液を調製し、これを第一層のCMC層7を覆う
ように展開し、乾燥させた第二の層であるGOD・CM
C・フェリシアン化カリウム層8を形成する。さらにそ
れらを覆うようにして、血液吸引を迅速・確実に行うた
めに界面活性剤の溶液を展開し、乾燥させて第三の層で
ある界面活性剤層9を形成して、反応試薬部10を完成
する。
【0005】そして切欠13を有するスペーサ11を介
して、空気穴14を有するカバー板12で覆った構成と
なっている。
【0006】測定時には、スペーサ11の切欠13によ
り形成されるキャピラリーの一端に試料液を点着する
と、他端を空気穴14とするキャピラリー内へ吸引さ
れ、第二層のGODとCMC、フェリシアン化カリウ
ム、及び第一層のCMCが試料液に溶解し、試料液中の
グルコースとの間で酵素反応が進行して、フェリシアン
化カリウムが還元され、フェロシアン化カリウムが生成
する。一定時間後、フェロシアン化カリウムを測定極4
で酸化し、このとき得られる酸化電流値をリード2、
3、3’を介して計測することにより、試料液中のグル
コース濃度が求められる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
のグルコースセンサでは、スペーサ11の切欠13によ
り形成されるキャピラリーの入り口に試料液を点着させ
ても吸引しなかったり、反応試薬部10の途中で止まり
測定出来ない場合がある。特に、血液を用いた場合に
は、血球や蛋白質、脂質などの成分によって試料液の粘
性が高くなり、液抵抗が増大して毛細管吸引が進まない
現象をもたらす。この様な吸引不良が生じた時には、測
定値の精密度と正確度は信頼できず、測定者はこのグル
コースセンサを廃棄して別の新しいセンサに交換する以
外に対処の方法はなく、ユーザに大きな負担をかける等
の問題を有していた。
【0008】この様な問題の原因は図2に示した様に、
界面活性剤層9は絶縁性基板1の先端部分から試薬層の
全体に至るまで形成されていなければならないが、界面
活性剤の溶液をGOD・CMC・フェリシアン化カリウ
ム層8の上に分注した時、試薬層の全体、及びキャピラ
リーの先端にあたる部分まで拡散して十分に広く行き渡
らない状態で乾燥してしまったことが上げられ、界面活
性剤層9を必要な面積範囲に形成できていないことにあ
る。
【0009】また、試料液が血液の場合には、界面活性
剤によって血球破壊を起こさないことが望ましく、これ
は血球内にあるグルタチオンなどの還元性物質が酵素と
電極反応に妨害影響を及ぼすためである。溶血しない界
面活性剤としてはレシチン(ホスファチジルコリン)が
知られているが、レシチンの溶解には有機溶媒であるト
ルエンやアルコール類を使用するため、分注と乾燥の工
程で溶媒蒸気が室内に充満し、その毒性の問題からクリ
ーンルームの排気設備や温度・湿度の作業環境を厳重に
管理しなければならなかった。
【0010】水溶性の界面活性剤を使用する場合には、
作業環境の問題はなくなるが、上記したような血球破壊
を起こさない好適な材料は見いだされておらず、血液を
測定対象から除いた食品や環境分析等の試料、また尿等
の生体試料に含まれる特定成分のバイオセンサに限定さ
れていた。
【0011】さらに、上記グルコースセンサでは、電極
上に第一層のCMC層、第二層のGOD・CMC・フエ
リシアン化カリウム層、第三層の界面活性剤層からなる
3種類の試薬層を順次形成しなければならないため、製
造工程が長く複雑になり製造コストが高くなる問題が有
った。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のバイオセンサ
は、上記欠点を解決したものであり、絶縁性の基板上に
設けた少なくとも測定極と対極とからなる電極系と、前
記測定極と対極の一部を臨ませて空間部を形成するよう
に前記電極上に重ね合わされたスペーサと、前記空間部
に形成した反応試薬部と、前記スペーサに重ね合わされ
たカバー板からなり、前記基板とスペーサ、およびカバ
ー板とで囲まれる空間部が試料液通路であるキャピラリ
ーを形成しており、前記反応試薬部が酸化還元酵素、電
子伝達体、親水性高分子、及び界面活性剤を含む構成か
らなっている。
【0013】さらに、本発明は前記キャピラリーの開口
部に反応試薬部を露出して形成しており、界面活性剤の
作用によってキャピラリーの内部へ確実に試料液を吸引
することが可能になる。
【0014】また、本発明は血液を試料とする場合は血
球破壊を起こさない界面活性剤を使用することにあり、
好ましくは、非イオン系界面活性剤のポリエチレングリ
コール−p−イソアルキルエーテルから選択されるトリ
トンX−405を含有することを特徴とする。
【0015】さらにまた、本発明は絶縁性の基板上に設
けた少なくとも測定極と対極とからなる電極系を一定の
距離をおいて左右対称に二組形成する工程、前記電極系
の一部を臨ませて空間部を形成するように前記二組の電
極上にスペーサを取り付ける工程、前記空間部に酸化還
元酵素、電子伝達体、親水性高分子、及び界面活性剤を
含む反応試薬部を形成する工程、前記スペーサに重ね合
わせてカバー板を取り付ける工程、前記反応試薬部の中
央部を切断することによって二組に分割する工程からな
り、前記基板とスペーサ、およびカバー板とで囲まれる
空間部が試料液通路であるキャピラリーになり、該キャ
ピラリーの開口部に反応試薬部が露出するように形成し
たバイオセンサの製造方法に関する。
【0016】この様なバイオセンサの構造と界面活性剤
を含有した第二層とすることにより、従来の形成方法で
ある3種類の試薬層を別々に積層して形成する必要がな
くなるため製造工程が単純化すると共に、キヤピラリー
内部へ確実に試料液の吸引が可能なバイオセンサを実現
することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において、電気絶縁性の基
板には、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂板
が用いられる。
【0018】測定極および対極を有する電極系は、この
基板上にコーティング法やスクリーン印刷法、蒸着法な
どの公知の方法を用いて設けられる。例えば、該基板上
にリード部を有する測定極と対極が互いに絶縁するよう
に設けられる。上記リードおよび電極の材料としては、
公知の導電性材料が使用される。例としては、カーボ
ン、銀、白金、金、パラジウムが挙げられる。
【0019】次に、前記測定極と対極の一部を臨ませて
空間部を形成するために前記電極上にスペーサを重ね合
わせる。このスペーサには厚みが0.05〜0.3mm
の市販されている両面テープを使用する。そして、この
空間部の全面積に反応試薬部を形成したあと、前記スペ
ーサにポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂板か
らなるカバー板を重ね合わせる。このような作製方法に
よって、前記空間部とカバー板とで囲まれる領域が試料
液通路であるキャピラリーの構造をなし、前記キャピラ
リーの開口部に反応試薬部が露出するように形成して、
試料液の流入部とする。
【0020】反応試薬部は第一層に親水性高分子層を形
成し、第二層は酸化還元酵素、電子伝達体、親水性高分
子、及び界面活性剤を混合した溶液で形成される。
【0021】ここで使用する界面活性剤は試料液が血液
の場合には、ポリエチレングリコール−p−イソオクチ
ルフェニルエーテルから選択されるトリトンX−405
を含有する。トリトンX−405は、血球破壊を起こさ
ない非イオン性の界面活性剤として好適に使用できる。
【0022】また、試料液が血液以外の場合には、前記
トリトンX−405以外に同系列のトリトンX−100
やトリトンX−114など、また他の非イオン系界面活
性剤であるポリオキシエチレンソルビタン(ツイーン2
0、ツイーン40、ツイーン85)など、カチオン系界
面活性剤のヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミ
ドやアルキルアミン塩など、アニオン系界面活性剤のオ
クタデシルアミノ酢酸など、酵素活性に影響を及ぼさな
いものであれば、特に制限されることはない。
【0023】トリトンX−405の含有量は、反応試薬
部1平方センチメートル当たり、0.12〜1.2mg
が好ましく、さらに好ましくは0.15〜0.9mgで
ある。この最適量は、トリトンX−405の含有量が、
反応試薬部1平方センチメートル当たり、0.12mg
未満では血液のヘマトクリット値(血球体積)が60%
を越えるような高粘性の試料液では吸引され難く、2秒
以上の時間が必要になり、さらに反応試薬部を完全に覆
わないで途中で吸引しなくなる現象が生じる。トリトン
X−405の含有量が、反応試薬部1平方センチメート
ル当たり1.2mgを上回る場合も吸引時間は2秒以上
が必要になり、そして酵素反応が遅くなり応答電流値に
バラツキを生じ易い。
【0024】また、血液測定以外で、粘性の低い試料液
の場合では他の水溶性界面活性剤を使用できるが、トリ
トンX−100やトリトンX−114では、上記と同じ
範囲の0.1〜0.5mgが好ましい。他の非イオン系
やカチオン系、アニオン系界面活性剤でも、ほぼ同じ範
囲の濃度が好ましいことが判っている。
【0025】また、反応試薬部にはグルコースを測定す
る場合には、酸化還元酵素としてGODを含有するが、
好適なGODの含有量は、反応試薬部1平方センチメー
トル当たり、0.2〜100ユニットが好ましく、さら
に好ましくは、0.4〜30ユニットである。ここで本
明細書に用いられる用語「ユニット」とは、1μmol
の基質を1分間で酸化させる酸化還元酵素の量をいう。
【0026】さらに、反応試薬部は種々の親水性高分子
を含有し得る。上記に記載したCMC以外に、ヒドロキ
シエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセ
ルロース(HPC)、メチルセルロース、なども使用で
き、澱粉系、ゼラチン系、アクリル酸塩系、ビニルアル
コール系、ビニルピロリドン系、無水マレイン酸系な
ど、水溶性であり、かつ酵素活性に影響をおよぼさない
ものであれば、特に制限されることはない。
【0027】また、反応試薬部は電子伝達体として、上
記に示したフェリシアン化カリウム以外に、P−ベンゾ
キノンおよびその誘導体、2.6−ジクロロフェノール
インドフェノール、メチレンブルー、フェナジンメトサ
ルフェート、β−ナフトキノン4−スルホン酸カリウム
などが使用できる。電子伝達体は、これらの1種または
それ以上が用いられるが、特に、フェリシアン化カリウ
ムを用いることが好ましい。
【0028】フェリシアン化カリウムの含有量は、反応
試薬部1平方センチメートル当たり0.4〜3.6mg
が好ましく、さらに好ましくは0.6〜2.4mgであ
る。フェリシアン化カリウムの含有量が、反応試薬部1
平方センチメートル当たり0.4mg未満では、測定可
能なグルコース濃度の範囲が狭くなる。フェリシアン化
カリウムの含有量が、反応試薬部1平方センチメートル
当たり3.6mgを上回ると反応試薬部の形成時に、反
応試薬部が割れて応答電流値にバラツキを生じ易い。
【0029】
【実施例】次に、本発明のバイオセンサの製造方法の好
ましい実施形態について、図面を用いて説明する。なお
従来の構成と実質的に同じものについては、同一符号を
付して説明する。
【0030】《実施例1》図3に本実施形態のバイオセ
ンサの分解斜視図を、図4には本実施形態におけるバイ
オセンサの断面図を示している。図3に示すように、厚
みが250μmのポリエチレンテレフタレートからなる
絶縁性の基板1の表面全面に、樹脂バインダーを含む導
電性カーボンペーストを10μmの厚さでコーティング
法によって塗工し、80〜150℃の乾燥炉で加熱処理
して電極膜15を形成した。
【0031】次にセンサの先端部に対極5と測定極4、
および二つ目の対極5’を形成し、リード部をその延長
上に測定極4を中央にして均等面積となるようなL字形
状で、V字の断面を有する2本の刃物が一定の距離をお
いて左右対称に二組からなる金型を、X−Z駆動の裁断
機のZ軸に取り付けた。そして、絶縁性基板1の電極膜
15が上になるようにX軸方向に駆動する裁断機のテー
ブルに設置した。次に、絶縁性基板1が5mm/秒毎に
移動して止まり、これに同期してZ軸のL字形状でV字
断面の刃物の金型が絶縁性基板1の厚み方向に対して深
さ約200μm、幅50μmで裁断する条件に調整し
た。このようにして絶縁性基板1に切断しない50μm
の厚みを残すように、5mm間隔毎にL字形状の溝16
を電極膜15に形成して、対極5と測定極4及び二つ目
の対極5’に分割し、両極の電気的絶縁性を確保した。
【0032】次に、このL字形状に分割された左右対称
の二組からなる電極系(対極5と測定極4及び対極
5’)上を横断するように0.8mm幅の空間部18を
有するスペーサ11を配置して、液体試料が適用される
空間部18に対極5と測定極4、及び対極5’、並びに
これら両電極に電圧を印加するための測定極用リード
2、対極用リード部3、3’を形成した。
【0033】次いで、液体試料が適用される空間部18
に、例えばグルコースセンサの場合には、第一層に親水
性高分子として0.25W/V%−CMCを1.2μL
分注し乾燥させてCMC層を形成した。このCMC層上
に1250U/ml−GOD、3.0W/V%−フェリ
シアン化カリウム、0.5W/V%−CMC及び界面活
性剤として0.5W/V%−トリトンX−405をそれ
ぞれ水に溶解させた混合溶液を1.2μL分注し、乾燥
させて反応試薬部を形成した。この反応試薬部内に含ま
れるトリトンX−405の量は、1平方センチメートル
当たり、0.15mgであり、GODおよびフェリシア
ン化カリウムの量は、それぞれ37.5ユニットおよび
0.9mgであった。
【0034】そして二個の空気穴14を備えたカバー板
12でスペーサ11を覆い、反応試薬部10の中央部
(図3中のA−A’の破線部)を切断することによって
二組に分割した。この様にして作製したグルコースセン
サは、図4の断面図に示すようにスペーサ11とカバー
板12とで囲まれる空間部18が試料液通路であるキャ
ピラリーを形成しており、切断面のキャピラリー開口部
17に第1層であるCMC層7と第2層の界面活性剤を
含むGOD・CMC・フェリシアン化カリウム層19か
らなる反応試薬部10が露出した状態になる。
【0035】さらに、トリトンX−405の最適濃度を
求めることを目的として、上記の組成でトリトンX−4
05の含有量だけを、0〜5.0W/V%の範囲で変化
させた12種類のグルコースセンサを作製した。
【0036】上記のように作製したグルコースセンサに
おいて、その測定時には、キャピラリー開口部17から
毛細管作用によって試料液が導入され、反応試薬部10
が溶解して酸化還元反応が起こる。次いで、試料液の吸
引後25秒で、対極5、5’に対して測定極4にリード
部2、3、3’を介して+0.5Vの電圧を印加する
と、グルコース濃度に依存した電流が得られ、血糖値が
測定される。
【0037】実際に試料液として血液を用い、キャピラ
リー開口部17に血液が吸引される瞬間から、反応試薬
部10の全体が血液で満たされるまでの時間を測定し
た。ここで用いた血液は、毛細管作用による吸引性能の
確認を目的として、正常な成人男性のヘマトクリット値
(血球体積)=45%よりもはるかに高粘性のヘマトク
リット値=68%に調製した。
【0038】図5は、横軸にトリトンX−405の濃
度、縦軸にヘマトクリット値=68%の血液が吸引され
るのに要した時間を示している。図4に示すように、界
面活性剤が添加されていない場合は、反応試薬部の全体
を血液が満たすのに3.5秒の吸引時間を要したが、ト
リトンX−405濃度が0.5W/V%から3.0W/
V%の範囲にあるときには、1.3秒から1.6秒の時
間で迅速に吸引した。また、同一の血液試料について5
0個のグルコースセンサを用いた実験でも吸引不良は一
度も発生せず、繰り返し測定の再現性は平均値98mg
/dlで変動係数(CV%)は3%以下の良好な応答が
得られた。
【0039】《実施例2》トリトンX−405の代わり
に0.5W/V%−トリトンX−100を含有するグル
コースセンサを作製した以外は、上記と同様にして、高
粘性のヘマトクリット値=68%に調製した血液を用い
て、吸引の確実性と吸引速度、およびグルコース濃度に
対する応答電流を20回測定した。吸引の確実性と速度
はトリトンX−405の場合と同様に一度の失敗もな
く、迅速な吸引性能であることを確認した。しかし、応
答電流の再現性は悪く、変動係数(CV)は5%以上と
なった。さらに、この応答電流値は高値の傾向を示し、
還元性物質の影響を受けていることを示唆させた。
【0040】なお、上記実施例ではグルコースセンサに
ついて示したが、本発明は乳酸センサやアルコールセン
サ、コレステロールセンサなど、酸化還元酵素の関与す
る反応系に用いることができる。酸化還元酵素として実
施例ではグルコースオキシダーゼを用いたが、ピラノー
スオキシダーゼやグルコースデヒドロゲナーゼを用いる
ことができる。また、ラクテートオキシダーゼ、アルコ
ールオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼなどを
用いることもできる。
【0041】また、上記実施例では、測定極と対極のみ
の二電極系について述べたが、参照極を加えた三電極方
式にすれば、より正確な測定が可能である。
【発明の効果】
【0042】以上の実施例から明らかな様に本発明によ
れば、界面活性剤層を別に形成させる必要がなくなり、
キャピラリー内部へ確実に試料液が吸引できるバイオセ
ンサを提供することができる。さらに、本発明の製造法
によると界面活性剤溶液の分注と乾燥の工程が不要にな
るため製造工程の単純化が図られ生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のグルコースセンサを示す分解斜視図
【図2】従来のグルコースセンサの要部断面図
【図3】本発明の一実施形態によるバイオセンサを示す
分解斜視図
【図4】本発明の一実施形態によるバイオセンサの断面
【図5】本発明の一実施形態おけるトリトンX−405
濃度に対する血液の吸引時間の関係を示す図
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2、3、3’ リード部 4 測定極 5 5’ 対極 6 絶縁層 7 CMC層 8 GOD・CMC・フェリシアン化カリウ
ム層 9 界面活性剤層 10 反応試薬部 11 スペーサ 12 カバー板 13 切欠 14 空気穴 15 電極膜 16 溝 17 キャピラリー開口部 18 空間部 19 GOD・CMC・フェリシアン化カリ
ウム・界面活性剤層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)絶縁性の基板上に設けた少なくと
    も測定極と対極とからなる電極系と、(2)前記測定極
    と対極の一部を臨ませて空間部を形成するように前記電
    極上に重ね合わされたスペーサと、(3)前記空間部に
    形成した反応試薬部と、(4)前記スペーサに重ね合わ
    されたカバー板からなり、前記基板とスペーサ、および
    カバー板とで囲まれる空間部が試料液通路であるキャピ
    ラリーを形成しており、前記反応試薬部が酸化還元酵
    素、電子伝達体、親水性高分子、及び界面活性剤を含む
    ことを特徴とするバイオセンサ。
  2. 【請求項2】 前記キャピラリーの開口部に反応試薬部
    が露出していることを特徴とする請求項1に記載のバイ
    オセンサ。
  3. 【請求項3】 前記反応試薬部の第一層に親水性高分子
    層を形成し、第二層に酸化還元酵素、電子伝達体、親水
    性高分子、及び界面活性剤を混合した溶液で形成したこ
    とを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ。
  4. 【請求項4】 前記界面活性剤がポリエチレングリコー
    ル−p−イソオクチルフェニルエーテルから選択される
    トリトンX−405を含有することを特徴とする請求項
    1に記載のバイオセンサ。
  5. 【請求項5】 前記トリトンX−405の含有量が、反
    応試薬部1平方センチメートル当たり0.15〜0.9
    mgである請求項4に記載のバイオセンサ。
  6. 【請求項6】 (1)絶縁性の基板上に設けた少なくと
    も測定極と対極とからなる電極系を一定の距離をおいて
    左右対称に二組形成する工程、(2)前記電極系の一部
    を臨ませて空間部を形成するように前記二組の電極上に
    スペーサを取り付ける工程、(3)前記空間部に反応試
    薬部を形成する工程、(4)前記スペーサに重ね合わせ
    てカバー板を取り付ける工程、(5)前記反応試薬部の
    中央部を切断することによって二組に分割する工程から
    なり、前記基板とスペーサ、およびカバー板とで囲まれ
    る空間部が試料液通路であるキャピラリーになり、該キ
    ャピラリーの開口部に反応試薬部が露出するように形成
    したバイオセンサの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の反応試薬部が酸化還元
    酵素、電子伝達体、親水性高分子、及び界面活性剤を含
    むことを特徴とするバイオセンサの製造方法。
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