JP2000220092A - 製紙用添加剤および紙の製造方法 - Google Patents

製紙用添加剤および紙の製造方法

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JP2000220092A JP11018033A JP1803399A JP2000220092A JP 2000220092 A JP2000220092 A JP 2000220092A JP 11018033 A JP11018033 A JP 11018033A JP 1803399 A JP1803399 A JP 1803399A JP 2000220092 A JP2000220092 A JP 2000220092A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 瀘水性、紙力強度等の製紙用添加剤としての
諸効果に優れ、しかも抄紙pHの変動に対しても安定し
て効果を発揮し、操業性に優れる製紙用添加剤および当
該製紙用添加剤を用いた紙の製造方法を提供すること。 【解決手段】 (A)重量平均分子量30万〜400万
のアニオン性または両性のポリアクリルアミド、および
(B)1mol/lの食塩水中0.1g/dlの溶液と
して、25℃で測定した還元粘度の値が0.1〜10d
l/gであるアミジン環構造を繰り返し単位として有す
るカチオン性高分子を含有する水性混合物からなる製紙
用添加剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製紙用添加剤およ
び当該製紙用添加剤を用いた紙の製造方法に関する。本
発明の製紙用添加剤は抄紙用瀘水剤、紙力増強剤、填料
歩留剤、サイズ定着剤等として利用できる。特に、本発
明の製紙用添加剤は、抄紙用瀘水剤、紙力増強剤として
有用である。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリアクリルアミドは、通
常、分子量が大きい程良好な瀘水性や紙力増強効果等の
製紙用添加剤としての効果を示すことが知られている。
しかし、高分子量型のポリアクリルアミドを用いた製紙
用添加剤は、非常に高粘度になるために、低分子量型の
ポリアクリルアミドに比べて作業性が劣っている。一
方、低分子量型のものは、作業能率の点では問題はない
が、高分子量型と比較して製紙用添加剤としての効果の
点で十分でない。これらの問題を改善するために、比較
的低粘度のアニオン性ポリアクリルアミドとホフマン変
性やマンニッヒ変性をしたカチオン性ポリアクリルアミ
ドを予め混合してパルプスラリーに添加する処方も検討
されている。かかる混合処方によれば、pH4.5〜
5.5の範囲で作業能率を低下させることなく、製紙用
添加剤としての効果をある程度は発現できる。
【0003】しかし、かかる混合処方によっても、製紙
用添加剤としての効果、特に瀘水性、紙力強度が十分と
はいえなかった。また、かかる混合処方により製紙用添
加剤としての効果を向上すべくポリアクリルアミドの分
子量を高めた場合には、瀘水性は向上するが地合乱れを
誘発し、十分な紙力効果が得られない。さらには、近
年、古紙の使用比率が増加していることや、環境対策の
一環で紙の製造プロセスにおけるクローズド化などによ
り、抄紙pHが高くなる傾向があり、原料に起因する抄
紙pHの変動が大きく、前記混合処方では安定な操業が
困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、瀘水性、紙
力強度等の製紙用添加剤としての諸効果に優れ、しかも
抄紙pHの変動に対しても安定して効果を発揮し、操業
性に優れる製紙用添加剤および当該製紙用添加剤を用い
た紙の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、(A)アニオン性
または両性のポリアクリルアミドと(B)アミジン環構
造を繰り返し単位として有するカチオン性高分子を含有
してなる水性混合物を製紙用添加剤として使用すること
により、前記目的を達成できることを見出し、本発明を
解決するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、(A)重量平均分子
量30万〜400万のアニオン性または両性のポリアク
リルアミド、および(B)1mol/lの食塩水中0.
1g/dlの溶液として、25℃で測定した還元粘度の
値が0.1〜10dl/gであるアミジン環構造を繰り
返し単位として有するカチオン性高分子を含有する水性
混合物からなる製紙用添加剤;さらにはパルプスラリー
に、前記製紙用添加剤を添加し、抄造することを特徴と
する紙の製造方法、に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において用いる(A)アニ
オン性または両性のポリアクリルアミドは、たとえば、
(a)(メタ)アクリルアミドおよび(b)アニオン性
ビニルモノマー、さらには(c)カチオン性ビニルモノ
マーを共重合することにより得られる。すなわち、
(A)アニオン性ポリアクリルアミドは、(a)(メ
タ)アクリルアミドおよび(b)アニオン性ビニルモノ
マーを、(A)両性のポリアクリルアミドは、(a)
(メタ)アクリルアミド、(b)アニオン性ビニルモノ
マーおよび(c)カチオン性ビニルモノマー共重合する
ことにより得られる。
【0008】(a)(メタ)アクリルアミドとは、アク
リルアミドまたはメタクリルアミドのことを意味し、こ
れらは単独使用または併用できる。経済性の面からはア
クリルアミドを単独使用するのがよい。なお、以下本発
明において(メタ)とは同様の意味である。(a)成分
の使用量は、(A)アニオン性または両性のポリアクリ
ルアミドを構成するモノマーの総モル和に対し、通常、
60モル%程度、好ましくは65モル%である。(a)
成分が60モル%に満たない場合には、製紙用添加剤と
しての十分な紙力効果等を得難い。なお、(a)成分の
使用量は(a)成分以外の成分の残部である。
【0009】(b)アニオン性ビニルモノマーとして
は、たとえば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、(メ
タ)アリルカルボン酸等のα,β−不飽和一塩基酸酸;
マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、ムコン酸等の
α,β−不飽和二塩基酸酸;ビニルスルホン酸、スチレ
ンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸などの有機ス
ルホン酸;またはこれら各種有機酸のナトリウム塩、カ
リウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩等があげ
られる。これらアニオン性ビニルモノマーは1種または
2種以上を特に制限なく使用できる。特に、アニオン性
ビニルモノマーの1種として、(メタ)アリル基を有す
るモノマー、殊に(メタ)アリルスルホン酸またはその
塩を使用するのが、得られるイオン性ポリアクリルアミ
ドが高分子量化する点で好ましい。また、α,β−不飽
和一塩基酸酸、α,β−不飽和二塩基酸酸およびこれら
の塩から選ばれる少なくとも1種を使用するのが好まし
い。殊にイタコン酸を使用するのが好ましい。なかで
も、(メタ)アクリル酸および/またはイタコン酸と
(メタ)アリルスルホン酸またはその塩を組み合わせる
場合が好ましい。
【0010】(b)アニオン性ビニルモノマーの使用量
は、(A)アニオン性または両性ポリアクリルアミドを
構成するモノマーの総モル和に対し、通常、1〜40モ
ル%程度、好ましくは3〜40モル%、より好ましくは
3〜30モル%である。
【0011】(c)カチオン性ビニルモノマーとして
は、たとえばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメ
チルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル
アミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの第三級ア
ミノ基を有するビニルモノマーまたはそれらの塩酸、硫
酸、酢酸などの無機酸もしくは有機酸の塩類、または該
第三級アミノ基含有ビニルモノマーとメチルクロライ
ド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸、エピクロルヒ
ドリンなどの四級化剤との反応によって得られる第四級
アンモニウム塩を含有するビニルモノマー等があげられ
る。
【0012】(c)カチオン性ビニルモノマーの使用量
は、(A)両性ポリアクリルアミド中のイオン性官能基
の当量比(カチオン性基/アニオン性基)が2以下とな
るような割合で用いるのが好ましい。かかる当量比は
(カチオン性基/アニオン性基)は、(A)両性ポリア
クリルアミドと、後述する(B)アミジン環構造を有す
るカチオン性高分子から得られる水性混合物が、充分な
製紙用添加剤としての効果を発現するうえで好ましい。
特に前記当量比(カチオン性基/アニオン性基)が1.
5以下の範囲になるような割合で用いるのが好ましい。
【0013】なお、(A)両性ポリアクリルアミドへ、
カチオン性基を付与する手段は、前記のように(c)カ
チオン性ビニルモノマーを共重合することができる他
に、アニオン性アクリルアミドにホルマリン及び第2級
アミンを反応させるマンニッヒ変性や、次亜ハロゲン酸
塩を反応させるホフマン反応によっても、カチオン性基
を導入することができる。このような変性によりカチオ
ン性基を導入する場合にも、(A)イオン性ポリアクリ
ルアミド中の、イオン性官能基の当量比(カチオン性基
/アニオン性基)は前記と同様の範囲に調整するのが好
ましい。
【0014】本発明の(A)アニオン性または両性ポリ
アクリルアミドは、前記(a)成分、(b)成分、
(c)成分の他に、一般式(1):CH=C(R
−CONR(R)(Rは水素原子またはメチル
基、Rは水素原子または炭素数1〜4の直鎖もしくは
分岐鎖のアルキル基、Rは炭素数1〜4の直鎖または
分岐鎖のアルキル基)で表されるN−置換(メタ)アク
リルアミド類および/または多官能性モノマーを構成モ
ノマーとして含むことができる。
【0015】一般式(1)で表されるN−置換(メタ)
アクリルアミド類は、N−アルキル基中のメチル基また
はメチレン性基が連鎖移動点として作用し、ポリマーに
多くの分岐構造を導入し、ゲル化を伴わない分岐ポリマ
ーが得られる。前記一般式(1)中のRまたはR
おける炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基と
しては、たとえば、メチル基、エチル基、イソプロピル
基、t−ブチル基等があげられ、N−置換(メタ)アク
リルアミド類の具体例としては、N,N−ジメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エ
チル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メ
タ)アクリルアミドおよびN−t−ブチル(メタ)アク
リルアミドがあげられる。これらのなかでも共重合性、
連鎖移動性の点でN,N−ジメチルアクリルアミドが好
ましい。
【0016】また、多官能性モノマーを使用することに
よっても、架橋構造を(A)アニオン性または両性ポリ
アクリルアミドに付与できる。多官能性モノマ−として
は、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)ア
クリレート類、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、
エチレンビス(メタ)アクリルアミド、ヘキサメチレン
ビス(メタ)アクリルアミド等のビス(メタ)アクリル
アミド類、アジピン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル等
のジビニルエステル類、アリルメタクリレート、ジアリ
ルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム、ジアリルフ
タレート、ジアリルクロレンデート、ジビニルベンゼ
ン、N,N−ジアリルアクリルアミド等の2官能性ビニ
ルモノマー、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒド
ロ−S−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、ト
リアリルアミン、トリアリルトリメリテート等の3官能
性ビニルモノマー、テトラメチロールメタンテトラアク
リレート、テトラアリルピロメリテート、N,N,
N′,N′−テトラアリル−1,4−ジアミノブタン、
テトラアリルアミン塩、テトラアリルオキシエタン等の
4官能性ビニルモノマー、その他にN−メチロールアク
リルアミド等があげられる。これら多官能性モノマーの
なかでも1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−
S−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート等が好ま
しい。
【0017】一般式(1)で表されるN−置換(メタ)
アクリルアミド類および/または多官能性モノマーの使
用量は、(A)アニオン性または両性のポリアクリルア
ミドを構成するモノマーの総モル和に対し、通常、10
モル%程度以下、さらには5モル%以下である。一般式
(1)で表されるN−置換(メタ)アクリルアミド類の
機能を発揮するには、0.1モル%以上、より好ましく
は0.5モル%以上を使用する。
【0018】さらに、(A)アニオン性または両性のポ
リアクリルアミドには、疎水性を付与するために、前記
アニオン性ビニルモノマーのアルキルエステル(アルキ
ル基の炭素数1〜8)、アクリロニトリル、スチレン
類、酢酸ビニル、メチルビニルエーテルなどのノニオン
性ビニルモノマーを使用することもできる。ノニオン性
ビニルモノマーを使用する場合、その使用量は、(A)
アニオン性または両性のポリアクリルアミドを構成する
モノマーの総モル和に対し、通常、30モル%程度以
下、好ましくは20モル%以下である。
【0019】(A)アニオン性または両性のポリアクリ
ルアミドの合成は、従来公知の各種方法により行うこと
ができる。例えば、所定の反応容器に前記各種モノマー
および水を仕込み、ラジカル重合開始剤を加え、撹拌
下、加温することにより得られる。反応温度は、通常5
0〜100℃程度、反応時間は1〜5時間程度である。
反応濃度(モノマー濃度)は、通常10〜40重量%程
度で行うことができ、高濃度においても重合できる。そ
の他、モノマーの仕込み方法は同時重合、連続滴下重合
等の従来公知の各種方法により行うことができる。ラジ
カル重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウム等の過硫酸塩、またはこれらと亜硫酸水素ナト
リウムのごとき還元剤とを組み合わせた形のレドックス
系重合開始剤等の通常のラジカル重合開始剤を使用でき
る。また、前記ラジカル重合開始剤には、アゾ系開始剤
を用いてもよい。ラジカル重合開始剤の使用量は、モノ
マーの総重量和の0.05〜2重量%程度、好ましくは
0.1〜0.5重量%である。
【0020】(A)アニオン性または両性のポリアクリ
ルアミドの重量平均分子量は、作業性及び経済性を考慮
して30万〜400万に調製する。好ましくは、100
万〜400万である。重量平均分子量が30万未満では
紙力効果が不十分であり、他方、400万を超えるとき
は作業性の点で好ましくない。また、(A)アニオン性
または両性のポリアクリルアミドの粘度は、取扱性の点
から、通常、10000cps程度(25℃)以下の性
状で使用するのがよい。なお、本発明の製紙用添加剤
は、固形分濃度10〜40重量%に調整される。通常
は、固形分濃度を30重量%以下とするのが好ましい。
【0021】本発明において用いる(B)アミジン環構
造を繰り返し単位として有するカチオン性高分子は、高
分子の繰り返し単位として、アミジン環構造を有する各
種のものを使用できる。
【0022】アミジン環構造の繰り返し単位としては、
たとえば、下記一般式(2)、一般式(3)、一般式
(4)、
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】(式中R、Rは水素原子またはメチル
基を、Xは陰イオンをそれぞれ表す。)で表される繰
り返し単位があげられる。
【0027】本発明の(B)カチオン性高分子は、これ
ら一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)で表され
るアミジン環構造の繰り返し単位を、(B)カチオン性
高分子の繰り返し単位の、20〜90モル%程度含有す
るものが好ましい。(B)カチオン性高分子の、パルプ
に対する凝集作用の効果を高める場合には、分子中に占
めるアミジン環構造単位の比率が多い方が性能は優れる
ため、前記アミジン環構造の繰り返し単位は、30モル
%以上、さらには50モル%とするのが好ましい。また
製造の容易さ等を考慮すれば、前記アミジン環構造の繰
り返し単位は、85モル%以下、さらには80モル%以
下とするのが好ましい。
【0028】これらアミジン環構造の繰り返し単位を形
成する方法は特に限定されるものではないが、一般的
に、前記一般式(2)または(3)で表されるアミジン
環構造の繰り返し単位は、一級アミノ基または変換反応
により一級アミノ基が生成しうる置換アミノ基を有する
エチレン性不飽和モノマー(X)と(メタ)アクリロニ
トリル等のニトリル類との共重合体を製造し、更に、該
共重合体中のシアノ基と一級アミノ基を反応させてアミ
ジン化することにより形成される。
【0029】なお、前記エチレン性不飽和モノマー
(X)としては、たとえば、一般式(5)CH=CR
NHCOR(Rは水素原子またはメチル基を、R
は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表わ
す。)で表されるエチレン性不飽和モノマーがあげられ
る。一般式(5)で表されるエチレン性不飽和モノマー
に由来する置換アミノ基は、共重合体中において、加水
分解あるいは加アルコール分解により容易に一級アミノ
基に変換される。一般式(5)で表されるエチレン性不
飽和モノマーとしては、たとえば、N−ビニルホルムア
ミド(R=H、R=H)、N−ビニルアセトアミド
(R=H、R=CH)等が例示される。
【0030】前記一般式(2)または(3)で表される
アミジン環構造の繰り返し単位を形成させる場合、エチ
レン性不飽和モノマー(X)とニトリル類との重合モル
比は、(B)カチオン性高分子中に占めるアミジン環構
造単位の比率が多い方が製紙用添加剤としての性能は優
れることから通常20:80〜80:20、特に40:
60〜60:40とするのが好ましい。所望ならばこの
範囲外のモル比、例えば、更にエチレン性不飽和モノマ
ーの比率の大きい重合モル比を採用することもできる。
【0031】エチレン性不飽和モノマー(X)とニトリ
ル類との共重合の方法としては、通常のラジカル重合法
が用いられ、塊状重合、水溶液沈殿重合、懸濁重合、乳
化重合等のいずれも用いることができる。溶媒中で重合
させる場合、原料モノマー濃度が通常5〜80重量%、
好ましくは20〜60重量%で実施される。重合開始剤
には、一般的なラジカル重合開始剤を用いることができ
るが、アゾ化合物が好ましく、2,2′−アゾビス−2
−アミジノプロパンの塩酸塩等が例示される。また、重
合反応は、一般に、不活性ガス気流下、30〜100℃
の温度で実施される。得られた共重合体は、そのままの
状態あるいは希釈して、即ち、溶液状もしくは懸濁状で
アミジン化反応に供することができる。また、公知の方
法で脱溶媒、乾燥し、共重合体を固体として分離した
後、固体状でアミジン化反応に供することもできる。な
お、得られる重合体は、ラジカル重合開始剤の使用量、
反応温度等を調節することにより適宜、所望の分子量の
ものを得ることができる。
【0032】アミジン化反応は、共重合体の置換アミノ
基を一級アミノ基に変換し、次いで、生成した一級アミ
ノ基と隣接するシアノ基と反応させてアミジン環構造を
生成させる2段階反応、または該共重合体を、強酸また
は強塩基の存在下、水またはアルコール溶液中で加熱し
てアミジン環構造を生成させる一段階反応により行う。
アミジン化反応は一段階反応が好ましい。一段階反応
は、具体的には、例えば、共重合体に対し、その置換ア
ミノ基に対して通常0.9〜5倍、好ましくは1〜3倍
当量の強酸、好ましくは塩酸を加え、通常80〜150
℃、好ましくは90〜120℃の温度で、通常0.5〜
20時間加熱することにより行う。一般に置換アミノ基
に対する強酸の当量比が大きいほど、かつ、反応温度が
高いほど、アミジン化が進行する。また、アミジン化に
際しては反応に供する共重合体に対し、通常10重量%
以上、好ましくは20重量%以上の水を反応系に存在さ
せる。
【0033】このようにして得られる(B)カチオン性
高分子は、前記一般式(1)および/または(2)で表
されるアミジン環構造の繰り返し単位を通常20〜90
モル%程度含有する他、前記エチレン性不飽和モノマー
(X)に由来する繰り返し単位を0〜2モル%程度、前
記ニトリル類に由来する繰り返し単位を0〜70モル%
程度、エチレン性不飽和モノマー(X)の変換物(一級
アミノ基)に由来する繰り返し単位を0〜70モル%程
度含有している。
【0034】かかる(B)カチオン性高分子中、アミジ
ン環構造の繰り返し単位の多い方が一般に製紙用添加剤
としての性能が優れているため、前記一般式(1)およ
び/または(2)で表されるアミジン環構造の繰り返し
単位は、ニトリル類の繰り返し単位の0.5〜10倍、
好ましくは2〜5倍とするのが好ましい。
【0035】また、一級アミノ基に由来する繰り返し単
位はカチオン性であり、アミジン環構造の繰り返し単位
と同じく濾水性向上剤としての性能に有効に寄与してい
ると考えられる。したがって、一級アミノ基に由来する
繰り返し単位は5〜60モル%であるのが好ましい。ま
た、一般式(1)および/または(2)で表されるアミ
ジン環構造の繰り返し単位、さらには一級アミノ基に由
来する繰り返し単位を含めたカチオン単位の合計は一般
に40モル%以上、好ましくは60〜95モル%であ
る。ただし、一般式(1)および/または(2)で表さ
れるアミジン環構造の繰り返し単位が一級アミノ基に由
来する繰り返し単位よりも製紙用添加剤の性能により有
効に寄与すると考えられるため、前記一般式(1)およ
び/または(2)で表されるアミジン環構造の繰り返し
単位は、一級アミノ基に由来する繰り返し単位の0.5
〜10倍、好ましくは2〜5倍とするのが好ましい。
【0036】なお、(B)カチオン性高分子は、一般に
そのままでは保存安定性が悪いので、強酸を添加してア
ミジン環構造および1級アミノ基のカチオン単位は完全
に中和しておくことが好ましい。
【0037】また、アミジン環構造の繰り返し単位とし
て前記一般式(4)で表される繰り返し単位を有する
(B)カチオン性高分子は、前記エチレン性不飽和モノ
マー(X)を重合した後、当該モノマーの置換アミノ基
の一部を一級アミノ基に変換するとともに、当該置換ア
ミノ基と変換反応により生成した一級アミノ基とのアミ
ジン化により形成される。アミジン化条件は、溶媒中で
通常50〜110℃程度、1〜72時間程度加熱する。
また、反応は通常撹拌下で行い、通常は常圧下で良い
が、必要に応じて加圧しても良い。なお、反応温度が5
0℃未満では反応速度が遅すぎて効率的ではなく、一
方、110℃を越えると副反応として架橋化反応などが
起こりやすくなり、不溶化する恐れがあるので好ましく
ない。一般式(4)で表されるアミジン環構造の繰り返
し単位は20モル%以上であるのが好ましい。
【0038】また、本発明の(B)カチオン性高分子
は、アニオン性ビニルモノマーに由来する繰り返し単位
を含有していてもよい。一般的には、エチレン性不飽和
モノマー(X)等を重合するにあたり、アニオン性ビニ
ルモノマーを共重合させる。アニオン性ビニルモノマー
としては、(A)で使用するものと同様のものがあげら
れる。アニオン性ビニルモノマーの使用量は、全構成モ
ノマーの通常0〜20モル%程度が好適であるが、3〜
15モル%がより好ましい。なお、(B)カチオン性高
分子には、(メタ)アクリロニトリルに由来する繰り返
し単位の加水分解によって、(メタ)アクリル酸に由来
する繰り返し単位が、一般的には0〜5モル生成しう
る。
【0039】さらに、本発明の(B)カチオン性高分子
には、前述の繰り返し単位の外に更に(メタ)アクリル
アミドに由来する繰り返し単位が含まれていても良い。
また、(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位
と(メタ)アクリル酸に由来する繰り返し単位が反応し
てラクタム環状を一部形成した繰り返し単位が含まれて
いても良い。
【0040】本発明の(B)カチオン性高分子は、1m
ol/lの食塩水中0.1g/dlの溶液として、25
℃で測定した還元粘度の値が0.1〜10dl/gであ
る。好ましくは1〜10dl/g、更に好ましくは0.
5〜4dl/gである。
【0041】本発明の製紙用添加剤は、(A)アニオン
性または両性のポリアクリルアミドと前記(B)カチオ
ン性高分子からなる水性混合物である。かかる水性混合
物は、(A)アニオン性または両性のポリアクリルアミ
ドと(B)カチオン性高分子が予め混合されることで、
両者が何らかの相互作用を起こし、パルプへの定着率が
向上し、より高い瀘水性および紙力効果等を発現する。
これらの使用割合は、通常は、固形分重量比で、(A)
/(B)が99.5/0.5〜50/50、好ましくは
99/1〜70/30の範囲とするのがよい。
【0042】前記水性混合物からなる製紙用添加剤は、
パルプスラリーに添加された後、抄造され紙が製造され
る。抄造は各種の手段を採用できるが、製紙用添加剤の
パルプスラリーへの添加は、パルプスラリーに硫酸バン
ドを添加した後が好ましく、硫酸バンドの添加からある
程度時間をあけて添加するのがより好ましい。また生じ
たフロックに無用のシェアーをかけることなく、直ちに
抄造するするのが望ましいため、抄紙用ワイヤー部に近
い場所で製紙用添加剤を添加するのが好ましい。特に、
ファンポンプサクション口で添加するのが瀘水性および
紙力効果等が向上するので好ましい。パルプスラリーの
pHは通常4〜9の幅広い範囲から選択できる。なお、
製紙用添加剤である水性混合物には、必要により水、ア
ルコール類等により適宜に希釈してもよい。また、水性
混合物の調製は抄紙系への添加の直前に行ってもよく、
別途混合しておいたものを抄紙系に添加してもよい。調
製した水性混合物はそのまま流通過程においてもさしつ
かえない
【0043】製紙用添加剤の使用量は、通常と同様でよ
く、固形分重量比で、パルプに対して、0.005〜3
重量%程度、好ましくは0.01〜1重量%程度とする
のがよい。また、硫酸バンドは、パルプ固形分に対し通
常、0.5〜10重量%である。
【0044】かかる抄造工程において、かかる製紙用添
加剤は、作業性を低下させることなく、瀘水性および紙
力効果等の製紙用添加剤としての効果を向上できる。特
に、(A)両性のポリアクリルアミドを使用した場合に
は、抄紙pHの影響を受けることなく、酸性から中性域
での抄造において、安定して効果を発揮することができ
る。
【0045】
【発明の効果】本発明の製紙用添加剤は、瀘水性、紙力
強度等の製紙用添加剤としての諸効果に優れ、しかも抄
紙pHの範囲が広く、操業性に優れる。特に抄紙pHが
酸性から中性の領域において優れている。
【0046】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳
細に説明するが、本発明はこれら各例に限定されるもの
ではない。尚、各例中、部及び%は特記しない限りすべ
て重量基準である。
【0047】製造例1(アニオン性ポリアクリルアミド
の製造) 攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を備
えた四つ口フラスコに、粉末アクリルアミド300.2
部(モノマーの総モル和に対し、88モル%、以下同
様)、80%アクリル酸水溶液38.9部(9モル
%)、イタコン酸6.2部(1モル%)、メタアリルス
ルホン酸ソーダ7.6部(1モル%)、ジメチルアクリ
ルアミド4.8部(1モル%)およびイオン交換水13
00部(モノマー濃度21%)を仕込み、窒素ガスを通
じて反応系の酸素を除去した。系内を40℃にし攪拌下
に重合開始剤として5%過硫酸アンモニウム水溶液7部
および5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液3部を投入し
た。90℃まで昇温した後、2時間保温した。重合終了
後、イオン交換水70部(固形分濃度20%に調整)を
投入し、pH4.0、固形分20.2%、粘度(25
℃)が6800cps、重量平均分子量が240万の共
重合体水溶液を得た。以下、この水溶液をA−1とす
る。なお、重量平均分子量の測定は、低角度光散乱法
(GPC−LALLS(東ソー(株)製))により、p
H4.2の酢酸と酢酸ソーダを含む水溶液を移動層とし
て用い、試料濃度0.0125%で測定した。
【0048】製造例2(両性ポリアクリルアミドの製
造) 攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を備
えた四つ口フラスコに、粉末アクリルアミド284.5
部(モノマーの総モル和に対し、85モル%、以下同
様)、62.5%硫酸9.9部、ジメチルアミノエチル
メタクリレート22.2部(3モル%)、80%アクリ
ル酸水溶液42.4部(10モル%)、ジメチルアクリ
ルアミド9.3部(2モル%)およびイオン交換水13
00部(モノマー濃度21%)を仕込み、窒素ガスを通
じて反応系の酸素を除去した。系内を40℃にし攪拌下
に重合開始剤として5%過硫酸アンモニウム水溶液7部
および5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液3部を投入し
た。90℃まで昇温した後、2時間保温した。重合終了
後、イオン交換水100部(固形分濃度20%に調整)
を投入し、pH4.1、固形分20.1%、粘度(25
℃)が4600cps、重量平均分子量が190万の共
重合体水溶液を得た。以下、この水溶液をA−2とす
る。
【0049】製造例3(両性ポリアクリルアミドの製
造) 攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を備
えた四つ口フラスコに、粉末アクリルアミド294.4
部(モノマーの総モル和に対し、89.5モル%、以下
同様)、62.5%硫酸6.5部、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート14.5部(2モル%)、80%アク
リル酸水溶液16.7部(4モル%)イタコン酸12.
0部(2モル%)、メタアリルスルホン酸ソーダ11.
0部(1.5モル%)、ジメチルアクリルアミド4.6
部(1モル%)およびイオン交換水1300部(モノマ
ー濃度21%)を仕込み、窒素ガスを通じて反応系の酸
素を除去した。系内を40℃にし攪拌下に重合開始剤と
して5%過硫酸アンモニウム水溶液9.8部および5%
亜硫酸水素ナトリウム水溶液4部を投入した。90℃ま
で昇温した後、2時間保温した。重合終了後、イオン交
換水105部(固形分濃度20%に調整)を投入し、p
H3.9、固形分20.1%、粘度(25℃)が850
0cps、重量平均分子量が300万の共重合体水溶液
を得た。以下、この水溶液をA−3とする。
【0050】製造例4(両性ポリアクリルアミドの製
造) 攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を備
えた四つ口フラスコに、粉末アクリルアミド288.7
部(モノマーの総モル和に対し、89.5モル%、以下
同様)、62.5%硫酸19.2部、ジメチルアミノエ
チルメタクリレート42.8部(6モル%)、80%ア
クリル酸水溶液10.2部(2.5モル%)イタコン酸
5.9部(1モル%)、ジメチルアクリルアミド4.5
部(1モル%)およびイオン交換水1300部(モノマ
ー濃度21%)を仕込み、窒素ガスを通じて反応系の酸
素を除去した。系内を40℃にし攪拌下に重合開始剤と
して5%過硫酸アンモニウム水溶液9.8部および5%
亜硫酸水素ナトリウム水溶液4部を投入した。90℃ま
で昇温した後、2時間保温した。重合終了後、イオン交
換水105部(固形分濃度20%に調整)を投入し、p
H3.9、固形分20.1%、粘度(25℃)が550
0cps、重量平均分子量が220万の共重合体水溶液
を得た。以下、この水溶液をA−4とする。
【0051】製造例5(両性ポリアクリルアミドの製
造) 攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を備
えた四つ口フラスコに、50%アクリルアミド162部
(モノマーの総モル和に対し、95モル%、以下同
様)、80%アクリル酸水溶液5.4部(5モル%)、
イオン交換水737部およびイソプロピルアルコール
2.5部を仕込み、48%カセイソーダでpHを5〜
5.5に調整し、窒素ガスを通じて反応系の酸素を除去
した。攪拌下に重合開始剤として5%過硫酸アンモニウ
ム水溶液2.6部および5%亜硫酸水素ナトリウム水溶
液1.1部を投入した後、室温から80℃まで昇温し、
3時間保温した。これを50℃まで冷却した後、50%
ジメチルアミン水溶液13.0部と37%ホルマリン
9.8部(アクリルアミド95モル%の10%分をマン
ニッヒ変性)を順に投入し、同温度で1時間保持して、
pH10.8、固形分10.4%、粘度(25℃)が5
600cpsの重量平均分子量が100万の両性マンニ
ッヒ変性共重合体の水溶液を得た。以下、この水溶液を
A−5とする。
【0052】製造例6(両性ポリアクリルアミドの製
造) 攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を備
えた四つ口フラスコに、粉末アクリルアミド230.8
部(モノマーの総モル和に対し、78モル%、以下同
様)、62.5%硫酸44.0部、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート98.1部(15モル%)、80%ア
クリル酸水溶液11.3部(3モル%)イタコン酸5.
4部(1モル%)、メタアリルスルホン酸ソーダ6.6
部(1モル%)、ジメチルアクリルアミド4.1部(1
モル%)およびイオン交換水1300部(モノマー濃度
21%)を仕込み、窒素ガスを通じて反応系の酸素を除
去した。系内を40℃にし攪拌下に重合開始剤として5
%過硫酸アンモニウム水溶液12部および5%亜硫酸水
素ナトリウム水溶液3部5部を投入した。90℃まで昇
温した後、2時間保温した。重合終了後、イオン交換水
100部(固形分濃度20%に調整)を投入し、pH
3.9、固形分20.1%、粘度(25℃)が6000
cps、重量平均分子量が230万の共重合体水溶液を
得た。以下、この水溶液をA−6とする。
【0053】製造例7(両性ポリアクリルアミドの製
造) 攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を備
えた四つ口フラスコに、50%アクリルアミド162部
(モノマーの総モル和に対し、95モル%、以下同
様)、80%アクリル酸水溶液5.4部(5モル%)、
イオン交換水737部およびイソプロピルアルコール
2.5部を仕込み、48%カセイソーダでpHを5〜
5.5に調整し、窒素ガスを通じて反応系の酸素を除去
した。攪拌下に重合開始剤として5%過硫酸アンモニウ
ム水溶液2.6部および5%亜硫酸水素ナトリウム水溶
液1.1部を投入した後、室温から80℃まで昇温し、
3時間保温した。これを50℃まで冷却した後、50%
ジメチルアミン水溶液25.9部と37%ホルマリン1
9.5部(アクリルアミド95モル%の20%分をマン
ニッヒ変性)を順に投入し、同温度で1時間保持して、
pH10.8、固形分10.5%、粘度(25℃)が5
300cpsの重量平均分子量が100万の両性マンニ
ッヒ変性共重合体の水溶液を得た。以下、この水溶液を
A−7とする。
【0054】比較製造例1(アニオン性ポリアクリルア
ミドの製造) 攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を備
えた四つ口フラスコに、粉末アクリルアミド128部
(モノマーの総モル和に対し、90モル%、以下同
様)、80%アクリル酸水溶液18部(10モル%)、
イオン交換水530部、およびイソプロピルアルコール
8部を仕込み、窒素ガスで反応系内の酸素を除去した。
次いで、攪拌下、重合開始剤として5%過硫酸アンモニ
ウム水溶液10部および5%亜硫酸水素ナトリウム水溶
液4.1部を投入した後、室温から80℃まで昇温し、
3時間保温した。その後、イオン交換水240部を加
え、48%カセイソーダでpHを5に調整し、固形分1
5.2%、粘度(25℃)が6500cps、重量平均
分子量が25万の共重合体水溶液を得た。以下、この水
溶液をC−1とする。
【0055】
【表1】
【0056】表中、AM:アクリルアミド、DM:N,
N−ジメチルエチルメタクリレート、AA:アクリル
酸、IA:イタコン酸、SMAS:メタリルスルフォン
酸ナトリウム、DMAA:N,N−ジメチルアクリルア
ミドを表す。なお、製造例5はアクリルアミド95モル
%の10%分をマンニッヒ変性しており(※1)、製造
例7は、アクリルアミド95モル%の10%分をマンニ
ッヒ変性している(※2)。
【0057】製造例8〜11(アミジン環構造を有する
カチオン性の高分子の製造) 攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を備
えた四つ口フラスコに、表2に示す仕込み単量体の混合
物60gおよび340gのイオン交換水を入れた。窒素
ガス気流中、撹拌しながら45℃に昇温したのち、10
%の2,2′−アゾビス−2−アミジノプロパン・2塩
酸塩水溶液1.2gを添加した。45℃で4時間、撹拌
保持した後、60℃に昇温し、更に3時間保持し、水中
に重合体が析出した懸濁物を得た。該懸濁物に水200
g添加し、次いで、重合体中のホルミル基に対して2当
量の濃塩酸を添加して撹拌しつつ90℃で4時間保持
し、重合体をアミジン化した。得られた重合体の溶液を
アセトン中に添加し、析出せしめ、これを真空乾燥して
重合体B−1〜B−4を得た。重合体組成の分析結果、
還元粘度を表2に示す。
【0058】〔重合体組成の分析法〕各重合体B−1〜
B−4を、13C−NMRスペクトル(13C−核磁気
共鳴スペクトル)の各繰り返し単位に対応した吸収ピ−
クの積分値より算出した。
【0059】〔還元粘度の測定〕各重合体B−1〜B−
4を、1mol/l食塩水中、0.1g/dlの溶液と
して25℃でオストワルドの粘度計により還元粘度を測
定した。
【0060】
【表2】
【0061】表2中、NVF:N−ビニルホルムアミ
ド、AN:アクリロニトリル、AA:アクリル酸を表
す。
【0062】実施例1〜23、比較例1〜3 製造例1〜7で得られたA−1〜A−7、比較製造例1
で得られたC−1、製造例8〜11で得られたB−1〜
B−4を表3に示すような割合で混合し水性混合物(製
紙用添加剤)を得た。なお、水性混合物は、各々のポリ
マーの希釈液(1%)を混合して調製した。
【0063】試験例1 L−BKPをナイアガラ式ビーターにて叩解し、カナデ
ィアン・スタンダード・フリーネス(C.S.F)45
0mlに調整したパルプスラリーに、硫酸バンド(Al
um)を対パルプ固形分比2%添加してpH4.7と
し、次いで表4に示す水性混合物(対パルプ固形分比
0.3%または0.6%)加えた。こうして得られたパ
ルプスラリーについて、タッピ・シートマシンにて坪量
100g/m となるように抄紙し、4kg/cm
4分プレス脱水した。次いで、回転型乾燥機で110℃
において3分間乾燥し、20℃、65%R.H.の条件
下に24時間調湿して紙質試験に供した。また、濾水性
をJIS P−8121に準じて測定した。なお、紙質
測定法は、次の通りである。圧縮強度:JISP−81
26。破裂強度:JIS P−8112。結果を表4に
示す。
【0064】試験例2 段ボール古紙をナイアガラ式ビーターにて叩解し、カナ
ディアン・スタンダード・フリーネス(C.S.F)4
30mlに調整したパルプスラリーに、硫酸バンド(A
lum)を対パルプ固形分比1.0%添加してpH6.
2とし、次いで表5に示す水性混合物(対パルプ固形分
比0.3%または0.6%)加えた。こうして得られた
パルプスラリーについて、タッピ・シートマシンにて坪
量150g/mとなるように抄紙し、4kg/cm
で4分プレス脱水した。次いで、回転型乾燥機で110
℃において3分間乾燥し、20℃、65%R.H.の条
件下に24時間調湿した。上記実施例1と同様の操作を
行い、濾水性、圧縮強度および破裂強度を測定した。圧
縮強度:JIS P8126。破裂強度:JIS P81
31に準じる。結果を表5に示す。
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J100 AB02S AB07Q AE03S AG04S AJ01Q AJ02Q AJ08Q AJ09Q AK02Q AK02R AK03Q AL08R AM02S AM15P AM19R AM21Q AP01Q BA29R BA56Q CA05 CA06 CA31 DA01 DA09 EA03 EA06 HA53 HC01 HC34 HC45 HC50 HC63 JA13 4L055 AG57 AG65 AG70 AG71 AG72 AG73 AG74 AG93 AH16 AH18 AH50 EA25 EA29 EA30 FA08 FA13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)重量平均分子量30万〜400万
    のアニオン性または両性のポリアクリルアミド、および
    (B)1mol/lの食塩水中0.1g/dlの溶液と
    して、25℃で測定した還元粘度の値が0.1〜10d
    l/gであるアミジン環構造を繰り返し単位として有す
    るカチオン性高分子を含有する水性混合物からなる製紙
    用添加剤。
  2. 【請求項2】 (A)アニオン性または両性のポリアク
    リルアミドが、一般式(1):CH=C(R)−C
    ONR(R)(Rは水素原子またはメチル基、R
    は水素原子または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐
    鎖のアルキル基、Rは炭素数1〜4の直鎖または分岐
    鎖のアルキル基)で表されるN−置換(メタ)アクリル
    アミド類および/または多官能性モノマーを構成モノマ
    ーとして含んでなる請求項1記載の製紙用添加剤。
  3. 【請求項3】 (A)アニオン性または両性のポリアク
    リルアミドが、アニオン成分として、(メタ)アリルス
    ルホン酸またはその塩を含んでなる請求項1または2記
    載の製紙用添加剤。
  4. 【請求項4】 (A)アニオン性または両性のポリアク
    リルアミドが、アニオン成分として、α,β−不飽和一
    塩基酸、α,β−不飽和二塩基酸およびこれらの塩のい
    ずれか少なくとも1種を含有してなる請求項1、2また
    は3記載の製紙用添加剤。
  5. 【請求項5】 (B)カチオン性高分子のアミジン環構
    造の繰り返し単位が、一般式(2): 【化1】 【化2】一般式(3): 【化3】一般式(4): (式中R、Rは水素原子またはメチル基を、X
    陰イオンをそれぞれ表す。)で表される繰り返し単位か
    ら選ばれるいずれか少なくとも1種である請求項1〜4
    のいずれかに記載の製紙用添加剤。
  6. 【請求項6】 (B)カチオン性高分子の繰り返し単位
    中のアミジン環構造の繰り返し単位が、20〜90モル
    %である請求項1〜5のいずれかに記載の製紙用添加
    剤。
  7. 【請求項7】 パルプスラリーに、請求項1〜6のいず
    れかに記載の製紙用添加剤を添加し、抄造することを特
    徴とする紙の製造方法。
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