JP2000219844A - 水性被覆組成物 - Google Patents

水性被覆組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ素系樹脂を使用した塗料に対して優れた
密着性を有し、相溶性についても改善された水性被覆組
成物を提供する。 【解決手段】 (a)ターシャリーブチル(メタ)アク
リレート5〜80重量部、(b)エチレン性不飽和カル
ボン酸単量体0.1〜10重量部、および(c)その他
のエチレン性不飽和単量体10〜94.9重量部
[(a)〜(c)成分の合計量は100重量部]から得
られる共重合体からなるエマルションを含有することを
特徴とする水性被覆組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素系樹脂に対
する密着性および相溶性が良好である水性被覆組成物に
関し、各種水性塗料に広く利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】建築用塗料の分野においては、ユーザー
からの長期間の建物の美観の保持というニーズに答える
ため、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂などの耐候性に優
れた樹脂を使用したトップコート用塗料の開発が進んで
いる。
【0003】しかしながら、これらの樹脂、特にフッ素
系樹脂を使用した塗料は、他のアクリル系樹脂を使用し
た塗料等との密着性が劣るので、従来使用されているア
クリル系樹脂を使用した中塗り塗料や下塗り塗料が使用
できない場合があった。
【0004】また、フッ素系樹脂は、従来使用されてい
るアクリル系樹脂との相溶性が劣るので、フッ素系樹脂
とアクリル系樹脂をブレンドして使用しようとすると、
各々の樹脂を単体で使用した場合より光沢が低下する等
の不具合が発生する場合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の従来
技術の課題を解決するためになされたものであり、フッ
素系樹脂を使用した塗料に対して優れた密着性を有し、
さらに相溶性についても改善された水性被覆組成物を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、特定の構造を持つ単量
体を乳化共重合して得られるエマルションを使用する
と、フッ素系樹脂を使用した塗料に対して優れた密着性
を有し、さらに、相溶性についても改善されることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(a)ターシャリー
ブチル(メタ)アクリレート5〜80重量部、(b)エ
チレン性不飽和カルボン酸単量体0.1〜10重量部、
および(c)その他のエチレン性不飽和単量体10〜9
4.9重量部[(a)〜(c)成分の合計量は100重
量部]から得られる共重合体からなるエマルションを含
有することを特徴とする水性被覆組成物である。
【0008】なお本発明において、「(メタ)アクリレ
ート」とは、「アクリレートおよび/またはメタクリレ
ート」を示す。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて説明する。
【0010】エマルションの共重合体を構成する為の
(a)成分である、ターシャリーブチル(メタ)アクリ
レートは、(a)〜(c)成分の合計量100重量部を
基準として5〜80重量部の範囲で使用することが必要
であり、特に10〜70重量部の範囲で使用することが
好ましい。この範囲で使用することにより、フッ素系樹
脂に対する優れた密着性と相溶性を発揮させることが可
能となる。すなわち、この使用量が5重量部以上である
と、フッ素系樹脂に対する十分な密着性と相溶性を得る
ことができる。また、80重量部以下であると、塗膜を
硬くすることなくフッ素系樹脂に対しての相溶性や密着
性を維持することができる。
【0011】エマルションの共重合体を構成する為の
(b)成分である、エチレン性不飽和カルボン酸単量体
は、(a)〜(c)成分の合計量100重量部を基準と
して0.1〜10重量部の範囲で使用することが必要で
あり、特に2〜10重量部の範囲で使用することが好ま
しく、2〜8重量部の範囲で使用することがより好まし
い。すなわち、この使用量が0.1重量部以上である
と、エマルションの分散安定性が向上し、水性被覆組成
物に顔料を入れて着色した場合、混合中に凝集物が発生
するような問題を回避することができる。また、10重
量部以下であると、エマルションの粘度を高くすること
なく分散安定性を維持することができ、得られた塗膜の
耐水性が低下することもない。
【0012】(b)成分であるエチレン性不飽和カルボ
ン酸単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イ
タコン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸モノヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸モノヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、テトラヒドロフタル酸モノヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフタル酸モノ
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、5−メチル
−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸モノヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、シュウ酸モノヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0013】さらに、このエチレン性不飽和カルボン酸
単量体として、下記一般式(I) CH2=CR1−COO−C24−OC(O)−R2−COOH (I) (式中、R1はHまたはCH3を示し、R2は炭素数2〜
28の基を示す。)で表される単量体を使用することが
好ましい。
【0014】一般式(I)に示す構造式を持つエチレン
性不飽和カルボン酸単量体を使用することで、エマルシ
ョンとしての安定性を維持しながら、金属基材等に優れ
た密着性を付与できる。
【0015】この一般式(I)で表されるエチレン性不
飽和単量体としては、例えば、1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、テトラヒドロフタル酸モノヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、テトラヒドロフタル酸モノヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、5−メチル−1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸モノヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸2−メタ
クリロイルオキシエチル等が挙げられる。
【0016】エマルションの共重合体を構成する為の
(c)成分である、その他のエチレン性不飽和単量体と
しては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、i−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜18のアルキル
基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル; 2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート; エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)
アクリレート等のグリコールジ(メタ)アクリレート;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキ
ルアミノ(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレートメチルクロライド塩;アリル(メ
タ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等
の芳香族ビニル化合物;酢酸ビニル;プロピオン酸ビニ
ル;(メタ)アクリロニトリル;ベンジル(メタ)アク
リレート;イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げ
られる。
【0017】エマルションの共重合体は、Foxの計算
式から求められる理論ガラス転移温度(理論Tg)が好
ましくは−20℃〜70℃、より好ましくは−10℃〜
60℃になるように(a)〜(c)成分の混合比を設定
するとよい。理論Tgが−20℃以上であると塗膜に粘
着性が残らず、上塗用フッ素系樹脂を塗装する前に汚れ
が塗装部分の周囲に付着し難くなるので好ましい。ま
た、70℃以下であると造膜した塗膜が硬くなり過ぎる
こともなく、冷熱サイクル試験で、ワレ等を発生するこ
とがなくなるので好ましい。
【0018】Foxの計算式とは、共重合体のガラス転
移温度(Tg)についての下記の関係式である。
【0019】1/Tg= Σ(Wi/Tgi) (Wiはモノマーiの重量分率、Tgiはモノマーiの
ホモポリマーのTgを示す。) 共重合体のエマルションを得る為には、界面活性剤が必
要である。界面活性剤の使用量は、(a)〜(c)成分
の合計100重量部に対して0.1〜10重量部が好ま
しい。この範囲内で界面活性剤がエマルション中に存在
することにより、塗膜の耐水性を著しく低下させること
なく、塗料配合時の安定性、経時的安定性等を維持する
ことができる。
【0020】界面活性剤としては、従来より知られるア
ニオン性、カチオン性、およびノニオン性の界面活性
剤、さらには高分子乳化剤が挙げられる。また、界面活
性成分中にエチレン性不飽和結合を持つ、いわゆる反応
性乳化剤も使用することができる。
【0021】さらに、本発明の水性被覆組成物を構成す
るエマルションは、(c)成分として、カルボニル基ま
たはアルデヒド基含有ビニル系単量体を使用し、エマル
ションの水性媒体(主たる分散媒である水)中に2個以
上のヒドラジン残基を有する有機ヒドラジン誘導体を含
有させることが好ましい。このような構成とすることに
より、湿潤状態での高い基材密着性を維持しながら、耐
水性、耐溶剤性が向上した塗膜を形成可能な常温架橋性
一液型水性被覆組成物とすることができる。
【0022】このカルボニル基またはアルデヒド基含有
ビニル系単量体は、分子中にカルボン酸基、エステル基
およびアミド基以外のケト基並びにアルデヒド基の少な
くとも1種の基と重合可能であり、かつ二重結合を有す
る単量体である。
【0023】このカルボニル基またはアルデヒド基含有
ビニル系単量体の使用量は、1〜10重量部が好まし
く、1.5〜9重量部がより好ましい。この使用量が1
重量部以上であると塗膜の耐溶剤性、耐水性等が十分に
向上する。また、10重量部以下であると、安定して乳
化重合することが可能となる。
【0024】カルボニル基またはアルデヒド基含有ビニ
ル系単量体としては、例えば、アクロレイン、ジアセト
ンアクリルアミド、ホルミルスチロール、ビニルアルキ
ルケトン等を挙げることができる。好ましくは、炭素原
子数4〜7個のビニルメチルケトン、ビニルエチルケト
ン、ビニルイソブチルケトン、下記一般式(II) CH2=CR3−COO−CHR4−CR56−CHO (II) (式中、R3はHまたはCH3を示し、R4およびR5はH
または炭素数1〜3のアルキル基を示し、R6は炭素数
1〜4のアルキル基を示す。)で表される(メタ)アク
リロイルオキシアルキルプロパナールの他、(メタ)ア
クリルアミドピバリンアルデヒド、ジアセトン(メタ)
アクリレート、アセトニトリルアクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、アセ
トアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ブタンジオ
ール−1,4−アクリレート−アセチルアセテート、ア
クリルアミドメチルアニスアルデヒドなどが挙げられ
る。中でも、アクロレイン、ジアセトンアクリルアミ
ド、ビニルメチルケトンが特に好ましい。また、これら
カルボニル基またはアルデヒド基含有ビニル系単量体を
2種類以上組み合わせて使用することも可能である。
【0025】2個以上のヒドラジン残基を有する有機ヒ
ドラジン誘導体を使用する場合は、共重合体中のカルボ
ニル基のモル数(A)と分散媒中のヒドラジン残基のモ
ル数(B)の比率が0.1≦(A)/(B)≦10とな
るように添加することが好ましく、0.8≦(A)/
(B)≦2となるように添加することがより好ましい。
この(A)/(B)が0.1以上であると、水性被覆組
成物の安定性が向上し、長期間の安定した保存が可能と
なる。また、10以下であると塗膜の耐溶剤性が十分に
向上する。
【0026】この有機ヒドラジン誘導体としては、例え
ば、炭素数が2〜10、好ましくは炭素数が4〜6のジ
カルボン酸ヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン
酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジ
ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒ
ドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラ
ジド、イソフタル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラ
ジドや、2〜4の炭素原子を有する脂肪族の水溶性ヒド
ラジン、例えば、エチレン−1,2−ジヒドラジン、プ
ロピレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジ
ヒドラジン等が挙げられる。これらの中でも、アジピン
酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル
酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジドが特に好まし
い。これらは2種類以上組み合わせて使用することも可
能である。
【0027】本発明の水性被覆組成物を構成するエマル
ションを得るためには、乳化剤の存在下、単量体混合物
を重合系内に供給し、水溶性開始剤により重合を行わせ
る方法や、無機過酸化物とチオ硫酸ナトリウム等の還元
剤のレドックス系開始剤を用いる方法が使用できる。単
量体の重合系中への供給方法は、特に制約を受けるもの
ではなく、従来より知られる各種手法を用いることがで
きる。
【0028】また、乳化重合法により得られるエマルシ
ョンを重合後、塩基性化合物の添加により系のpHを中
性領域〜弱アルカリ性、すなわちpH6.5〜10.0の
範囲にすることで系の安定性を高めることができる。
【0029】添加される塩基性化合物としては、アンモ
ニア、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジブチルア
ミン、アミルアミン、1−アミノオクタン、2−ジメチ
ルアミノエタノール、エチルアミノエタノール、2−ジ
エチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノー
ル、2−アミノ−1−プロパール、3−アミノ−1−プ
ロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、
3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−プロピル
アミノエタノール、エトキシプロピルアミン、アミノベ
ンジルアルコール、モルホリン、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等が挙げられる。
【0030】さらに、ビニル系重合体の分子量を調整す
る必要がある場合には、分子量調節剤としてn−ドデシ
ルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、α−メチ
ルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を用いることで調節
が可能である。
【0031】このようにして得られたエマルションを主
成分として含有する本発明の水性被覆組成物は、コーテ
ィング材料としての高度な性能を発現させるために、各
種の顔料、消泡剤、顔料分散剤、スリップ剤、防腐剤、
可塑剤等を添加して使用することもできる。
【0032】本発明の水性被覆組成物を用いて各種材料
の表面に塗膜を形成する際には、噴霧コート法、ローラ
ーコート法、バーコート法、エアーナイフコート法、刷
毛塗り法、ディッピング法等、従来より知られる各種の
塗装方法を適宜選択して行なえばよく、特に制約を受け
るものではない。
【0033】本発明の水性被覆組成物をコーティング材
料として用いる場合には、通常、室温〜120℃程度の
温度範囲で10分〜1時間程度乾燥することで十分に造
膜した塗膜を得ることができる。
【0034】
【実施例】以下に、本発明を、実施例によりさらに詳細
に説明する。なお、相溶性および密着性は以下の方法で
評価した。
【0035】(1)相溶性評価 フッ素樹脂系エマルション(旭硝子(株)製、商品名ル
ミフロンFE−3000およびルミフロンFE−410
0)とアクリル系エマルションを固形分比率で1:1で
ブレンドし、可塑剤としてブチルセルソルブを全固形分
に対して10重量%添加し、十分に攪拌して混合した。
この混合エマルションを300メッシュナイロン紗で濾
過し、ガラス板にアプリケータ(4ML)で塗装し、室
温で30分セッティングを行ない、80℃の乾燥機で3
0分乾燥させた。乾燥完了後、塗膜の透明性を以下の基
準で評価し、相溶性の指標とした。 「C」 :乾燥後の塗膜が完全に透明な状態である(相
溶性極めて良好)。 「VHS」 :乾燥後の塗膜に微かに濁りがある状態である
(相溶性良好)。 「SH」 :乾燥後の塗膜にVHS以上に濁りがある(相溶
性があまり良くない)。 「H」 :乾燥後の塗膜が白濁している(相溶性不
良)。
【0036】(2)密着性評価 アクリル系エマルションに可塑剤としてブチルセルソル
ブを10重量部(対固形分)、増粘剤(RHEOX社
製、商品名RHEOLATE350)を3重量部(対固
形分)添加し、十分に攪拌した後、300メッシュナイ
ロン紗で濾過をした。次いで、このアクリル系エマルシ
ョンを、スレート板およびモルタル板にウェット膜厚3
0μmになるように塗装し、室温で30分セッティング
し、80℃の乾燥機で30分乾燥した。
【0037】乾燥した塗板を完全に室温まで冷却し、フ
ッ素樹脂系エマルション(旭硝子(株)製、商品名ルミ
フロンFE−3000およびFE−4000)に、上記
アクリル系エマルションと同様の配合および濾過を行っ
て得たフッ素樹脂系エマルションを、この塗板の上(ス
レート板およびモルタル板のアクリル系エマルション塗
膜の上)に、ウェット膜厚30μmになるように塗装
し、室温で30分セッティングし、80℃の乾燥機で3
0分乾燥した。
【0038】この評価用塗板を完全に室温になるまで冷
却し、フッ素系エマルションを塗装した層のみに2mm
角の切り込みを100個碁盤目状に入れ、セロハンテー
プ剥離試験を同一箇所で3回行い、この3回剥離試験後
に剥離しなかったマス目を数えた。
【0039】[実施例1]攪拌機、冷却器、温度計を備
えた重合容器に脱イオン水60重量部を仕込み、60℃
に昇温した。その後、表1に示す樹脂組成の単量体混合
物100重量部、乳化剤(界面活性剤)と脱イオン水4
0重量部を十分に混合し均一な乳化状態のプレエマルシ
ョン(以下「PE液」と略す)を作製した。
【0040】このPE液5重量部を重合容器に入れ、8
0℃まで昇温し、内温が安定した時点で過硫酸ナトリウ
ム0.1重量部を脱イオン水5重量部に溶解したものを
投入し、1時間放置した。1時間経過後から、PE液の
残りと過硫酸ナトリウム0.2重量部を脱イオン水10
重量部に溶解したものを、重合容器の内温を80℃に維
持しながら3時間かけて重合容器中に滴下し、滴下完了
後内温80℃を2時間維持して反応を完結した。反応完
結後冷却を行い、エマルションを取り出し、エマルショ
ンのpHが7.5〜10の間になるように、28%アン
モニア水を加えた。
【0041】得られたアクリル系エマルションの固形
分、pH、フッ素系樹脂との密着性および相溶性を表2
に示す。
【0042】[実施例2〜6および比較例1〜4]表1
に示す樹脂組成および乳化剤に変更したこと以外は、実
施例1と同様にしてな方法でアクリル系エマルションを
得た。ただし、実施例3〜5および比較例1では、架橋
剤としてアジピン酸ジヒドラジドを1.9部添加した。
【0043】得られたアクリル系エマルションの固形
分、pH、フッ素系樹脂との密着性および相溶性を表2
に示す。
【0044】
【表1】 表1中の略号は以下の化合物を示す。
【0045】 t−BMA:ターシャリーブチルメタクリレート t−BA :ターシャリーブチルアクリレート MMA :メチルメタクリレート MAA :メタクリル酸 AA :アクリル酸 St :スチレン n−BMA:ノルマルブチルメタクリレート n−BA :ノルマルブチルアクリレート IBXA :イソボルニルアクリレート CHMA :シクロヘキシルメタクリレート 2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート DAAm :ジアセトンアクリルアミド HH :ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロイルオキシエチル(三菱レ イヨン(株)製、商品名アクリエステルHH) サンノールNP−2030 :ライオン(株)製界面活性剤 ABEX 23S :ローディア日華(株)製界面活性剤 アデカリアソープSE−10N:旭電化(株)製界面活性剤
【0046】
【表2】 表2に示すように、実施例1〜6の水性被覆組成物は、
フッ素系樹脂に対して優れた相溶性と密着性を有してい
た。
【0047】一方、比較例1では、(a)成分であるタ
ーシャリーブチル(メタ)アクリレートおよび(b)成
分であるエチレン性不飽和カルボン酸単量体を使用しな
かったので、フッ素系樹脂との密着性および相溶性が劣
っていた。また比較例2では、(b)成分および(c)
成分を全く使用せずに(a)成分のみを使用したので、
エマルションとして求められる安定性が不足しており、
可塑剤等の配合時に凝集物が大量に発生し、相溶性およ
び密着性の評価ができなかった。また比較例3では、
(a)成分を使用せずかつ理論Tgが高過ぎるので、エ
マルションを塗装後乾燥した段階で塗膜にクラックが発
生し、密着性の評価ができなかった。また比較例4で
は、(a)成分を非常に少量しか使用せずかつ理論Tg
が低過ぎるので、エマルションを塗装したの塗板は、乾
燥後にべたつき(タック)があり、冷却中に塗膜表面に
著しくゴミが付着して清浄な塗装面を維持できず、密着
性もやや劣っていた。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水性被覆
組成物は、フッ素系樹脂との相溶性および密着性に優
れ、フッ素系樹脂とブレンドして使用しても透明性に優
れた塗膜を得ることができ、フッ素系樹脂使用した塗料
をトップコートとして使用する際の中塗り塗料および下
塗り塗料用に良好に使用でき、極めて実用性の高いもの
である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ターシャリーブチル(メタ)アク
    リレート5〜80重量部、 (b)エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.1〜10
    重量部、および (c)その他のエチレン性不飽和単量体10〜94.9
    重量部 [(a)〜(c)成分の合計量は100重量部]から得
    られる共重合体からなるエマルションを含有することを
    特徴とする水性被覆組成物。
  2. 【請求項2】 共重合体のFoxの計算式から求められ
    る理論ガラス転移温度が−20℃〜70℃である請求項
    1記載の水性被覆組成物。
  3. 【請求項3】 エマルション中の界面活性剤の含有量
    が、(a)〜(c)成分の合計100重量部に対して
    0.1〜10重量部の範囲である請求項1または2記載
    の水性被覆組成物。
  4. 【請求項4】 (b)成分として、下記一般式(I)で
    表される単量体を使用する請求項1記載の水性被覆組成
    物。 CH2=CR1−COO−C24−OC(O)−R2−COOH (I) (式中、R1はHまたはCH3を示し、R2は炭素数2〜
    28の基を示す。)
  5. 【請求項5】 (c)成分として、カルボニル基または
    アルデヒド基含有ビニル系単量体1〜10重量部を使用
    し、エマルションの水性媒体中に2個以上のヒドラジン
    残基を有する有機ヒドラジン誘導体を含有させる請求項
    1記載の水性被覆組成物。
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