JP2000219553A - セメント系吹付材用液体急結剤 - Google Patents

セメント系吹付材用液体急結剤

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JP2000219553A
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佳史 細川
Shigeru Matsuura
茂 松浦
Kumiko Kobayashi
久美子 小林
Takashi Ayada
隆史 綾田
Kazunori Nishi
和紀 西
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Taiheiyo Cement Corp
Onoda Co Ltd
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Taiheiyo Cement Corp
Onoda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 急結性および貯蔵安定性に優れたセメント系
吹付け材用液体急結剤の提供 【解決手段】水性懸濁液中に、溶解度以上の硫酸アルミ
ニウムと、アルカリ酸化物換算で0.01〜2.0重量
%のアルカリ化合物を含有し、好ましくは、硫酸アルミ
ニウムの含有量が溶解度以上であって溶解度の1.5倍
量以下であり、かつシリカ成分を含有することを特徴と
するセメント系吹付材用液体急結剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネルや地下構
造物などの工事に際し、天井や壁面にモルタルやコンク
リートなどのセメント系材料を吹付け施工する際に使用
する液体急結剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、トンネルや地下構造物などの
覆工工法として、急結剤と圧縮空気を利用して型枠を使
用せずにモルタルやコンクリートを施工面に直接吹き付
ける吹付け工法が知られている。この吹付け工法には、
セメント、細骨材、粗骨材および急結剤をあらかじめ混
合し、この混合粉末に吹付けノズル手前で水を加えて吹
付けるいわゆる乾式工法と、セメント、細骨材、粗骨材
および水を混練りして生コンクリートとし、これに吹付
けノズル手前で急結剤を添加するいわゆる湿式工法とが
ある。いずれの工法でも、急結剤としてカルシウムアル
ミネート系やカルシウムサルフォアルミネート系などの
粉体急結剤が従来から使用されてきた。これら急結剤は
吹付け施工の際、粉体であるためにコンクリートに添加
される時に飛散するので必要量を安定的に添加するのが
困難であり、このために吹付られたコンクリート硬化体
が不均質になりやすい問題がある。さらにコンクリート
に添加する時に粉体の状態でノズルから空気中に飛散し
て大量の粉塵を発生させ、作業環境を悪化させるなどの
問題があった。他方、液体タイプの急結剤としては、ア
ルカリアルミン酸塩やアルカリ珪酸塩(水ガラス)を主成
分としたものが古くから知られているが、高アルカリ成
分の影響によりコンクリートの長期強度の発現性を阻害
する問題や環境上の問題があり、最近は殆ど使用されて
いないのが現状である。
【0003】これらの欠点を解消するため、アルミニウ
ム系化合物やシリカゾル系化合物などからなる液体タイ
プの急結剤がこれまで考案されている。これらの急結剤
は吹付け施工の際、液体であるので、コンクリートへの
添加時に飛散せず、必要量を安定に添加でき、そのため
吹付けられたコンクリート硬化体が均質となり、また粉
塵の発生が少なく取り扱いやすいなどの利点がある。し
かし、現状の液体タイプの急結剤は、その急結性能が十
分ではなく、実用に供するにはコンクリート添加後数分
以内の初期硬化性能を改善する必要があった。
【0004】このような問題点を解決するため、特願平
10−291184号において、硫酸アルミニウムおよ
びシリカを主成分とし、かつ溶解度以上の硫酸アルミニ
ウムを含有する液体急結剤が本発明者等によって提案さ
れている。この液体急結剤は従来の硫酸アルミニウムを
主成分とする急結剤に比べ、モルタルおよびコンクリー
トに添加された場合の初期硬化性状が改善される利点を
有する。他方、硫酸アルミニウムの含有量が多くなると
長期間の貯蔵安定性が低下する傾向があり、その改善が
求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の液体
タイプの急結剤における上記問題を解決し、初期強度の
発現に優れた性能を有し、かつ長期間の貯蔵安定性に優
れた液体急結剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、特定量の
硫酸アルミニウムおよびアルカリ化合物を含有する水性
懸濁液からなる液体急結剤が、コンクリートやモルタル
に添加された際に優れた初期強度発現性能と同時に良好
な貯蔵安定性を兼ね備えることを見出した。本発明はこ
の知見に基づくものである。
【0007】すなわち、本発明は、以下の構成からなる
セメント系吹付材用液体急結剤に関する。 (1)水性懸濁液中に、無水換算で溶解度以上の硫酸ア
ルミニウムと、アルカリ酸化物換算で0.01〜2.0重
量%のアルカリ化合物を含有することを特徴とするセメ
ント系吹付材用液体急結剤。 (2)水性懸濁液中に、無水換算で溶解度以上の硫酸ア
ルミニウムと、アルカリ酸化物換算で0.01〜2.0重
量%のアルカリ化合物、およびシリカ成分を含有するこ
とを特徴とするセメント系吹付材用液体急結剤。 (3)硫酸アルミニウムの含有量が、無水換算で溶解度
以上であって溶解度の1.5倍量以下である上記(1)また
は(2)の液体急結剤。 (4)シリカ成分の含有量が、無水換算で3〜15重量
%である上記(2)または(3)の液体急結剤。 (5)アルカリ化合物がアルミン酸アルカリ金属塩であ
る上記(1)〜(4)のいずれかの液体急結剤。
【0008】
【発明の実施形態】以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の液体急結剤は、水性懸濁液中に、主として無水
換算で溶解度以上の硫酸アルミニウムと、アルカリ酸化
物換算で0.01〜2.0重量%のアルカリ化合物を含有
するセメント系吹付材用液体急結剤である。
【0009】本発明の液体急結剤に含まれる硫酸アルミ
ニウムは、水性懸濁液中で溶解した硫酸アルミニウムが
アルミニウムイオンの供給源となり、このアルミニウム
イオンはセメント成分や石灰から生じるカルシウムイオ
ンと反応してアルミン酸カルシウム水和物を形成し、コ
ンクリートやモルタルの初期強度を高める。さらに、水
性懸濁液中に溶解度以上の硫酸アルミニウムを含有する
ことにより硫酸アルミニウムの未溶解の固形分が液中に
分散し、これがコンクリート中に混合することによって
急結性能を高める効果が得られる。
【0010】具体的には、本発明の液体急結剤に含まれ
る硫酸アルミニウムの含有量は、溶解度以上であって、
好ましくは溶解度の1.5倍量以下、より好ましくは溶
解度の1.25倍量以下が適当である。硫酸アルミニウ
ムの含有量が溶解度の1.5倍量を上回ると初期の硬化
性能は向上するものの、次第に水性懸濁液の安定性が損
なわれて凝集物や沈殿物が生成し、急結剤の圧送ポンプ
や送液パイプを詰まらせる懸念があり、また、モルタル
やコンクリートの長期強度を大きく低下させる傾向があ
る。ちなみに、25℃での硫酸アルミニウムの水に対す
る溶解度は無水換算で27.82重量%(化学便覧基礎
編II)であり、本願発明の液体急結剤の含有量は、例え
ば25℃においてこれより多く、かつ、この溶解度の
1.5倍量以下の硫酸アルミニウムを含有するものであ
る。
【0011】本発明の液体急結剤は硫酸アルミニウムと
共にアルカリ化合物を含有する。アルカリ化合物はアル
カリ金属塩あるいは水酸化アルカリを用いることができ
る。具体的には、アルカリアルミン酸塩、アルカリ硫酸
塩、アルカリ炭酸塩またはアルカリ珪酸塩などを使用す
ることができる。このうち、アルミン酸ナトリウム等の
アルカリアルミン酸塩が少量の添加で効果を発揮するの
で好ましい。アルカリ化合物は水性懸濁液において硫酸
アルミニウムの結晶成長を抑制し、水性懸濁液の安定性
を高める作用を有する。アルカリ化合物を含有しないも
のは長期保存中に液中の硫酸アルミニウムが結晶化して
析出し、これが次第に凝集して粗大化する。このような
粗大化した凝集塊を含むものは施工の際にホースの目詰
まりを招き、またコンクリート中への均一な分散も難し
いので反応が不十分になる。
【0012】アルカリ化合物の含有量は、水性懸濁液に
対してアルカリ酸化物換算で0.01〜2.0重量%が適
当であり、好ましくは0.01〜1.0重量%、さらに好
ましくは0.1〜0.5重量%が良い。0.01重量%未
満では安定性の効果がほとんど認められず、また2.0
重量%を上回ると従来のアルカリ含有急結剤と同様にモ
ルタルやコンクリートの長期強度発現を阻害すると共に
アルカリ骨材反応を引き起こす原因となる懸念がある。
また、モルタルやコンクリートからのアルカリの溶出に
よる環境汚染をもたらす虞が大きくなるので好ましくな
い。
【0013】なお、アルカリアルミン酸塩やアルカリ炭
酸塩は、硫酸アルミニウムと同様に急結性を与える成分
として従来から知られている。例えば、特開昭63−1124
48号公報にはカルシウムアルミネート、炭酸アルカリお
よびアルミン酸アルカリからなる急結剤が提案されてい
る。また、特開平1−298050号公報にはアルカリアルミ
ン酸塩と硫酸アルミニウムとを併用した急結剤が提案さ
れている。しかし、これら従来の急結剤では、上記アル
カリ金属塩をアルカリ酸化物換算で少なくとも5重量%
以上必要としており、このアルカリ金属塩が少ないと急
結性が低下することが開示されている。さらに、特開昭
59−169957号公報には、アルカリ金属炭酸塩および硫酸
塩から選ばれる成分(イ)と、硫酸アルミニウムなどの可
溶性アルミニウム成分(ロ)からなる急結剤が提案されて
いるが、この各成分の混合比率は、成分(ロ)1重量部に
対して成分(イ)が0.1〜9重量部であり、従ってアルカ
リ金属塩はアルカリ酸化物換算で少なくとも4重量%以
上含有するものである。また、このアルカリ金属塩には
アルカリアルミン酸塩が含まれていない。このように、
従来の上記急結剤はアルカリ金属塩を急結成分として多
量に含むものであり、本発明における飽和した硫酸アル
ミニウム溶液を安定化する目的でごく少量のアルカリ化
合物を使用する急結剤とは使用目的が異なる。
【0014】本発明の液体急結剤は、硫酸アルミニウム
とアルカリ化合物と共にシリカ成分を含有するものが好
ましい。このシリカ成分はモルタルまたはコンクリート
に添加されると急速にゲル化が進行し、モルタルやコン
クリートに粘着性を与え、モルタルやコンクリートが吹
付け面へ吹付けられた時に吹付け面に対する付着性を向
上させる。また、添加数時間の間にセメント中のエーラ
イト成分の水和を促進させ、初期強度発現を高めると共
に長期強度の増進にも有効に作用する。
【0015】以上のシリカ成分は、シリカフューム、沈
降シリカ、アルミノケイ酸塩、スメクタイトまたはスメ
クタイト型ケイ酸マグネシウムおよびこれらの混合物な
どのシリカ化合物を用いることができるが、特にこれら
に限定されるものではない。これらのうちでは沈降シリ
カが好ましい。沈降シリカは反応性に優れており、添加
数時間の間にセメント中のエーライト成分の水和を促進
させ初期強度発現を高めるとともに、モルタルあるいは
コンクリートの中長期強度をも促進する効果が大きい。
【0016】シリカ成分の含有量は特に限定されるもの
ではないが、水性懸濁液に対し無水換算で3〜15重量
%が好ましく、5〜12重量%の範囲がより好ましい。
シリカの含有量が3重量%未満ではその添加効果が認め
られず、また15重量%を上回ると相対的に硫酸アルミ
ニウムの含有量が制限されて急結性が低下するので好ま
しくない。
【0017】上記沈降シリカの粒度は、累積粒度分布に
よる粒径d(50)が1〜35μmであって累積粒度分布に
よる粒径d(90)が20〜500μmであるものが好まし
い。ここで、累積粒度分布による粒径d(50)とは、粉体
系で粒径の小さいほうから累積した累積粒度分布におい
て、累積値が50重量%である粒径を意味する。同様
に、累積粒度分布による粒径d(90)とは、粉体系で粒径
の小さいほうから累積した累積粒度分布において、累積
値が90重量%である粒径を意味する。これらの粒度
は、シーラス粒度分析器のレーザー散乱によって測定す
ることができる。シリカの粒度が上記範囲内にあるもの
は水性懸濁液中でシリカの分散性が良いので水性懸濁液
の安定性が高く、また初期強度を高める効果も優れる。
【0018】本願発明の液体急結剤は、混練りしたモル
タルあるいはコンクリートを吹き付ける際に、吹付けノ
ズルの手前でこれらのモルタル等に所定量を添加して使
用する。モルタル等に使用するセメントの種類は限定さ
れず、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセ
メント等のポルトランドセメント類、高炉セメント、シ
リカセメント、フライアッシュセメント等の混合セメン
トなどを使用することができる。また、当該モルタル等
は、公知の減水剤やAE減水剤などのセメント分散剤、
増粘剤などの混和剤、シリカフューム、フライアッシ
ュ、石灰石微粉末などの混和材等を含むものであっても
良い。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に示
す。なお、これらの実施例は本発明を限定するものでは
ない。
【0020】急結剤の調整 温度25℃の室温において、表1に示す配合の水性懸濁
液からなる急結剤(A〜I)をおのおの調製した。なお、
表中、アルカリ化合物の含有量はアルカリ酸化物換算量
であり、硫酸アルミニウム濃度は懸濁液中の硫酸アルミ
ニウム量(無水換算)、すなわち硫酸アルミニウム量/
(硫酸アルミニウム量+水分量)である。各急結剤の硫酸アルミ
ニウムの濃度は、その25℃における溶解度27.82w
t%(化学便覧基礎編II)よりも高く、溶解度以上の硫
酸アルミニウムを含有している。なお、これらの急結剤
(A〜H)を偏光顕微鏡で観察したところ、懸濁液中に硫
酸アルミニウムの微細な結晶が観察されたことから各急
結剤は溶解度以上の硫酸アルミニウムを含有しているこ
とが確認された。急結剤(A〜F)は本願発明に係る急結
剤であり、適当量のアルカリ成分を含んでいる。一方、
比較例の急結剤Gはアルカリ成分を含有せず、また、比
較例の急結剤Hは本発明の範囲を超えてアルカリ成分を
含有するものである。なお、硫酸アルミニウム濃度が溶
解度以下のものを比較例Iとして示した。
【0021】
【表1】
【0022】急結剤の安定性試験 表1の各急結剤について、以下の促進安定性試験を実施
した。各液体急結剤500mlを透明なポリ容器に入れ、
温度コントロールが可能な装置に設置した。これを0℃
に降温し、そのまま6時間保持した後、6時間かけて4
0℃まで昇温し、そのまま6時間保持し、再度6時間か
けて0℃まで降温した。これを1サイクルとして反復
し、1ヶ月後および3ヶ月後の各急結剤の液の性状を観
察した。結果を表2に示す。なお、表中の記号は、○:
変化なし(良好)、△:やや凝集物がみられる(やや不
良)、×:多数の凝集物が認められる(不良)を示す。な
お、この凝集物は攪拌しても容易には分散しないものを
云う。表2に示すように、アルカリ化合物を含有しない
比較例Gは、1ヶ月後に凝集物がみられるようになり、
3ヶ月後には多数の凝集物が認められた。これ以外の急
結剤はほぼ良好な安定性を示した。
【0023】
【表2】
【0024】吹付け試験 表1に示す急結剤(A〜I)と、表3に示す配合のコンク
リートを用いて吹付け試験を行った。試験は、混練した
コンクリートをポンプで圧送し、吹付けノズルの手前3
mで急結剤をセメントに対して12重量%添加し、プル
アウト試験用型枠および木製型枠に吹付けコンクリート
を吹付けた。吹付けたコンクリートの硬化性能評価とし
て、凝結終了後の3時間材齢および24時間材齢におい
てプルアウト試験を行い、28日材齢および91日材齢
では、木製型枠供試体からコア抜きした供試体(直径50m
m×長さ100mm)の圧縮強度を測定した。急結剤添加後の
吹付け性状については目視および触感で評価した。この
結果を表4に示した。表4に示すように、適量のアルカ
リ化合物を有する急結剤(A〜G)を使用したものは急結
性および28日以降の圧縮強度がいずれも良好であった
が、アルカリ化合物の含有量が過剰な急結剤Hを使用し
たものは28日以降の強度発現性が低かった。また、硫
酸アルミニウム量が少ない急結剤Iを用いたものは急結
性が不良であった。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【発明の効果】本発明の液体急結剤は、モルタルやコン
クリート等のセメント系吹付け材に用いることにより、
急結性および強度発現性に優れた効果を発揮する。さら
に、それ自体、貯蔵安定性に優れ、長期間の保存が可能
である。また、吹付け時の粉塵の発生が少なく、作業環
境の劣化を避けることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松浦 茂 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 太平洋 セメント株式会社佐倉研究所内 (72)発明者 小林 久美子 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 太平洋 セメント株式会社佐倉研究所内 (72)発明者 綾田 隆史 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 太平洋 セメント株式会社佐倉研究所内 (72)発明者 西 和紀 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 株式会 社小野田開発研究所内 Fターム(参考) 4G012 MB13 PA04 PB04 PC06 PC12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性懸濁液中に、無水換算で溶解度以上
    の硫酸アルミニウムと、アルカリ酸化物換算で0.01
    〜2.0重量%のアルカリ化合物を含有することを特徴
    とするセメント系吹付材用液体急結剤。
  2. 【請求項2】 水性懸濁液中に、無水換算で溶解度以上
    の硫酸アルミニウムと、アルカリ酸化物換算で0.01
    〜2.0重量%のアルカリ化合物、およびシリカ成分を
    含有することを特徴とするセメント系吹付材用液体急結
    剤。
  3. 【請求項3】 硫酸アルミニウムの含有量が、無水換算
    で溶解度以上であって溶解度の1.5倍量以下である請
    求項1または2の液体急結剤。
  4. 【請求項4】 シリカ成分の含有量が、無水換算で3〜
    15重量%である請求項2または3の液体急結剤。
  5. 【請求項5】 アルカリ化合物がアルミン酸アルカリ金
    属塩である請求項1〜4のいずれかの液体急結剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003055021A (ja) * 2001-08-23 2003-02-26 Denki Kagaku Kogyo Kk 吹付け材料及びそれを用いた吹付け工法
JP2014152058A (ja) * 2013-02-06 2014-08-25 Denki Kagaku Kogyo Kk 液体急結剤、それを用いたセメント組成物および吹付け工法
WO2014148523A1 (ja) * 2013-03-21 2014-09-25 電気化学工業株式会社 液体急結剤

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