JP2000215518A - 光情報媒体とその製造方法 - Google Patents

光情報媒体とその製造方法

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JP2000215518A
JP2000215518A JP11015426A JP1542699A JP2000215518A JP 2000215518 A JP2000215518 A JP 2000215518A JP 11015426 A JP11015426 A JP 11015426A JP 1542699 A JP1542699 A JP 1542699A JP 2000215518 A JP2000215518 A JP 2000215518A
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substrates
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徹 藤井
Sukehisa Tomizawa
祐寿 富澤
Emiko Hamada
恵美子 浜田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘度の比較的低い接着剤を使用し、接着層へ
の微細な気泡の混入等を抑え、緻密な接着層を得ると共
に、接着剤の均一で速い展開を可能とし、しかも所定の
膜厚の接着層を得て、必要なディスクの貼り合わせ強度
を確保する。 【解決手段】 光情報媒体は、第一と第二の基板1、5
を貼り合わせ、少なくとも一方の基板1に信号が記録さ
れ、または信号を記録し得る領域を有する。この光情報
媒体は、第一の基板1及び第二の基板5の少なくとも一
方の基板1、5の貼り合わせ面に形成され、その径方向
に凹凸を繰り返す凹凸15、16と、この凹凸15、1
6を有する貼り合わせ面において第一の基板1及び第二
の基板5を互いに接着した接着層11とを有する。接着
層11の膜厚は15〜50μmとし、必要な基板1、5
の貼り合わせ強度を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的に再生可能
な情報が記録し得る光情報媒体とその製造方法に関し、
特に2枚の基板を貼り合わせた形態を有し、2枚の基板
の間に接着剤を均一に展開してこれら基板を貼り合わせ
た光情報媒体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の短波長レーザーの開発と実用化に
伴い、より高密度な記録再生を可能とするDVD(Digi
tal Versatile Disc)の規格の標準化に伴い、その実用
化が進んでいる。このDVDでは、その少なくとも一方
の主面にデータ記録領域が設定され、このデータ記録領
域に情報記録手段であるピットが形成され、その上に金
属膜からなる反射層が形成されている。
【0003】前記DVDでは、現在最も一般的な光情報
媒体の規格であるCD(Compact Disc)と比較して、高
密度化のために異なる規格が定められている。例えば、
光学ピックアップにおいては、波長630nm〜670
nmという短波長赤色レーザを使用すること、開口率N
Aが0.6という高開口率対物レンズを使用すること等
である。またこれに伴い、ディスクの反り等に対応する
ため、0.6mm厚というCDの約半分の厚さのディス
クが採用されている。ただ、ディスク厚1.2mmのC
Dとの寸法上の互換性を確保するため、2枚のディスク
の貼り合わせ構造となっている。DVD規格では、1枚
のディスクに標準で最大記録容量約4.7GB、映像と
音声が平均約133分収録することを規格化している。
【0004】前記DVDの規格の標準化の中で、CD−
ROMとCD−R或いはCD−RWとの関係と同様に、
当初は再生専用の光情報媒体と記録可能な光情報媒体と
の双方が想定されていた。しかし、当初の規格化は、映
像用のDVD−Videoとコンピュータデータ記録用
のDVD−ROM等の再生専用のDVDのみであり、記
録可能なDVDについては、規格化が先送りされてい
る。そうした背景の中で、1枚のディスクに最大記録容
量4.7GBという高密度な記録可能な光情報媒体とそ
の記録技術の開発が望まれいる。
【0005】前記のような高密度記録媒体であるDVD
では、前述の通り、ディスク厚1.2mmのCDとの寸
法上の互換性を確保するため、2枚のディスクを貼り合
わせた構造となっている。このディスクの貼り合わせの
ためには、接着剤が使用されている。接着剤としては、
例えば紫外線硬化性樹脂系のものが使用され、その未硬
化時の粘度は500cps程度である。
【0006】2枚のディスクを貼り合わせるに当たって
は、その貼り合わせ面の間に接着剤を均一に展開したう
えで、その接着剤を硬化させる必要がある。ディスクの
間の接着剤を展開する手段としては、例えば、少なくと
も一方のディスクの内周側に接着剤を塗布し、その後2
枚のディスクを重ね合わせ、さらに重ね合わせたディス
クを高速回転し、その遠心力でディスクの間の接着剤を
外周方向に展開する手段がとられる。
【発明が解決しようとしている課題】
【0007】前述のように、接着剤として500cps
前後の比較的粘度の高い接着剤が使用されるため、重ね
合わせたディスクに十分な回転を与えても、接着剤が容
易に展開しない。また、接着剤の粘性が大きいため、接
着剤に混入した気泡が接着剤の中に閉じこめられ、気泡
が容易に抜け出ないため、接着剤を硬化することにより
形成される接着層の中に微細な気泡が残る。このため、
接着層が粗密になって、接着力の低下を来したり、ピッ
ト形状に影響を及ぼすという課題がある。
【0008】このような課題に対し、接着剤の展開を速
くし、気泡の封じ込めを少なくするため、より粘度の低
い接着剤を使用することも検討された。しかし、接着剤
の粘度が500cps前後より低いと、遠心展開すると
きに、接着剤の流動性が高すぎるため、接着剤がディス
クの間から振り切られ、最終的に接着剤を硬化したとき
に形成される接着層が薄くなり過ぎる。このため、必要
な接着強度を確保できないという課題がある。
【0009】本発明では、このような2枚のディスクを
貼り合わせた構造を有する光情報媒体の接着手段の課題
に鑑み、その第一の目的は、2枚のディスクを貼り合わ
せた構造を有する光情報媒体において、粘度の比較的低
い接着剤を使用し、接着層への微細な気泡の混入等を抑
え、緻密な接着層を得ることである。また、本発明の第
二の目的は、ディスクの間に接着剤を展開する際に、接
着剤の均一で速い展開を可能とし、しかも所定の膜厚の
接着層を得て、必要なディスクの貼り合わせ強度を確保
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では、前記の目的
を達成するため、粘度の低い接着剤を使用することによ
り、接着層11への微細な気泡の閉じ込み等を無くする
と共に、速く均一な接着剤の展開を可能にしたものであ
る。しかも、必要な接着層11の接着強度を得るため
に、基板1、5の少なくとも一方の貼り合わせ面に、そ
の径方向に凹と凸を繰り返す凹凸15、16を設け、接
着層11の厚みを確保することができるようにする。
【0011】すなわち、本発明による光情報媒体は、第
一と第二の基板1、5を貼り合わせ、少なくとも一方の
基板1に信号が記録され、または信号を記録し得る領域
を有するものであって、互いに貼り合わせられる第一の
基板1及び第二の基板5の少なくとも一方の基板1、5
の貼り合わせ面に形成され、その径方向に凹凸を繰り返
す凹凸15、16と、この凹凸15、16を有する貼り
合わせ面において第一の基板1及び第二の基板5を互い
に接着した接着層11とを有するものである。
【0012】第一と第二の基板1、5の凹凸15、16
は、通常の場合、螺旋状である。また、この第一と第二
の基板1、5の凹凸15、16の溝幅は、0.37±
0.2μmである。接着層11は均一な膜厚を有し、そ
の膜厚は10〜50μmとすることにより、所要の基板
1、5の貼り合わせ強度を確保することができる。
【0013】このような光情報媒体を製造する方法は、
少なくとも一方の基板1、5の貼り合わせ面に、その径
方向に凹凸を繰り返す凹凸15、16を有する第一の基
板1と第二の基板5を用意する工程と、第一と第二の基
板1、2の少なくとも一方の貼り合わせ面に接着剤を塗
布する工程と、第一の基板1と第二の基板5の貼り合わ
せ面を重ね合わせる工程と、第一の基板1と第二の基板
5の貼り合わせ面の間の接着剤をそれら貼り合わせ面に
展開する工程と、展開した接着剤を硬化し、接着層11
を形成する工程とを有する。第一と第二の基板1、5の
間の接着剤を展開する工程では、通常の場合、重ね合わ
せた第一と第二の基板1、5を回転することにより、遠
心力で接着剤を展開する。このとき、接着剤は、未硬化
時の粘性が80〜250cpsの比較的粘度の低いもの
を使用することができる。
【0014】このような光情報媒体とその製造方法で
は、接着剤を第一と第二の基板1、5の間に挟んでそれ
らの径方向に展開する際に、基板1、5の貼り合わせ面
に形成された凹凸15、16により、接着剤の流動抵抗
が大きくなる。このため、粘性が比較的小さい接着剤を
使用しても、接着剤の振切量が過多にならず、所要の接
着力を得るのに必要な接着層11の厚さを確保するする
ことができる。すなわち、前記基板1、5の貼り合わせ
面に形成された凹凸15、16は、基板1、5の径方向
に凹凸を繰り返すため、展開時の未硬化の接着剤に流動
抵抗を与え、その過度の流出を防止する。
【0015】他方において、粘性が比較的小さい接着剤
を使用することができることにより、接着剤内部の気泡
の閉じ込めが少なくなり、容易に脱泡できるため、接着
剤が硬化することで形成される接着層11が緻密とな
る。これにより、薄い接着層11でより高い接着強度を
得ることができる。また、接着剤の粘性が小さいことか
ら、遠心展開する際に振り切られた接着剤が再利用し易
くなり、そのリサイクル化を容易に実現できる。さら
に、光情報媒体が不要になったとき、基板1、5を分離
し、基板1、5やその上に形成された反射層を資源とし
て再利用する際に、接着剤の除去が容易となり、資源の
再利用が容易となる。
【0016】なお、接着剤として未硬化時の粘性が80
〜250cpsのものを使用するのは、前記の基板1、
5の貼り合わせ面の凹凸により、10〜50μmの最適
な接着層11を得るためである。接着剤の粘度が低すぎ
ると所要の接着層11の膜厚を確保することができず、
基板1、5の貼り合わせ強度が低下する。逆に接着剤の
粘度が高すぎると接着層11の膜厚が過大となる。10
〜50μmの接着層11の膜厚は、貼り合わせた基板
1、5の所要の接着強度を確保するためのもので、これ
以上膜厚が増大しても、基板1、5の貼り合わせ強度の
増加はない。むしろ、膜厚が過大になる結果、接着剤の
リサイクル化を阻害し、光情報媒体の資源としての再生
利用時に、接着剤を除去することが困難になる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態について具体的且つ詳細に説明する。本
発明による光情報媒体の一例として、両面貼り合わせに
よる片面記録・再生構造を有する追記形光情報媒体の例
を図1〜図3に示す。第一の基板1は、中央にセンター
ホール4を有する透明な円板状の基板である。この基板
1は、一般にポリカーボネート、ポリメチルメタクリレ
ート(PMMA)等の透明樹脂を射出成形して作られ
る。
【0018】この透光性を有する基板1の片面の前記セ
ンターホール4の外側にクランピングエリアが設定され
ており、このクランピングエリアの外周側がデータ記録
領域となる。基板1のデータ記録領域の部分には、スパ
イラル状のグルーブからなるトラッキングガイド3が形
成されている。このトラッキングガイド3のピッチは、
0.74μmを標準とする。
【0019】さらに、図1〜図3に示すように、基板1
の前記データ記録領域の部分の主面に記録層12が形成
される。例えば、スピンコート法等の手段で有機色素等
が塗布され、記録層12が形成される。この記録層12
の上に、金、アルミニウム、銀、銅等の金属膜或いはこ
れらの合金膜からなる反射層13が形成される。さらに
反射層13の上に、紫外線硬化性樹脂等の保護膜14が
形成される。
【0020】図1〜図3に示すように、この基板1の他
にもう1枚の第二の基板5を用意する。この第二の基板
5は、前記基板1と同じ材質で出来た同じサイズのもの
であるが、その主面には、前記基板1のような記録層1
2、反射層13は設けられていない。もちろん、この他
の基板5にも前記基板1と同様に、記録層12や反射層
13等を設けることもできる。
【0021】この基板5の貼り合わせ面には、図2及び
図3に示すような凹凸15が形成されている。この凹凸
の溝は、前記第一の基板1のトラッキングガイド3を形
成するためのものと同じものであり、基板5の貼り合わ
せ面に螺旋状に形成されている。その溝のピッチは、
0.74μmを標準とする。また、溝幅、具体的には溝
の半分の深さ位置における半値幅は0.37±0.2μ
mである。
【0022】次に、これらの2枚の基板1、5を貼り合
わせる。図7は、2枚の基板1、5を貼り合わせる工程
を示す図であり、この図に従って基板の貼合工程の例を
説明する。図7に示すように、ワークテーブル21上に
基板1を載せるターンテーブル22が設けられている。
ワークテーブル21は間欠的に回転し、複数の工程をそ
れぞれのターンテーブル22の停止位置に設定したワー
クステーションで順次行っていく。
【0023】ターンテーブル22の上面の中心からセン
ターピン23が突設され、このセンターピン23を基板
1、5のセンターホール4(図1、図2参照)に差し込
んだ状態で基板1を位置決めする。ターンテーブル22
のセンターピン23と基板1、5のセンターホール4と
の間に若干の寸法上の余裕、いわゆるガタがあり、これ
によって基板1、5のセンターホール4がセンターピン
23が差し込みやすくなっている。ターンテーブル22
の下面からは、前記センターピン23と一体となって同
心状に図示してないスピンドルが設けられ、このスピン
ドルを介して駆動モータによりターテーブル22が回転
される。
【0024】まず、ワークテーブル21が停止し、図7
(a)に示すように、ターンテーブル22が最初のワー
クステーションに停止したとき、このターンテーブル2
2の上に一方の基板1が載せされる。例えば、真空吸着
手段等を使用したマニプレータ27を使用し、基板1を
ターンテーブル22に載せる。このとき、ターテーブル
22上のセンターピン23を基板1のセンターホール4
(図1、図2参照)に差し込み、基板1を位置決めす
る。
【0025】次に、ワークテーブル21が1ステップだ
け間欠回転すると、ターンテーブル22が図7(b)に
示す接着剤塗布工程を行うワークステーションに移動
し、そこで停止する。ここでターンテーブル21が低速
で回転されならが、ディスペンサ25を用いて、ターテ
ーブル22上の基板1のセンターホール4の周囲に紫外
線硬化性樹脂系等の接着剤aが塗布される。
【0026】次に、ワークテーブル21が1ステップ間
欠回転し、ターンテーブル22が図7(c)に示す次の
ワークステーションに移動し、停止する。この位置で、
ターンテーブル22上の基板1上に別の基板5が載せら
れ、それら基板1、2の貼り合わせ面が重ね合わせられ
る。例えば、基板5は基板1と同様に真空吸着手段等を
使用したマニプレータを使用して基板1の上に載せられ
る。
【0027】基板1上に基板5が載せられると、基板1
に塗布された接着剤が基板1、5の貼り合わせ面の間で
押圧され、その間隙に展開する。さらに、ターンテーブ
ル22が高速回転され、接着剤が遠心力で基板1、5の
外周側に展開され、余剰の接着剤が基板1、5の間から
振り切られる。これにより、基板1と基板5の間には、
それらの接着に必要な必要最小限の厚さの接着剤が残さ
れる。なお、この状態では接着剤は硬化しておらず、基
板1、5は固定されていない。
【0028】次に、ワークテーブル21が1ステップ間
欠回転し、ターンテーブル22が図7(d)に示す次の
ワークステーションに移動し、停止する。この位置で紫
外線ランプ28により、基板5を通して基板1、5の間
の接着剤に紫外線が照射される。これにより、接着剤が
硬化され、基板1、5が互いに固定される。なお、前述
の例では、最初に基板1をターンテーブル22上に載せ
たが、その逆に記録層12や反射層14を有しない、い
わゆるダミーの基板5を最初にターテーブル22上に載
せ、その上に記録層12や反射層14を有する基板1を
載せて貼り合わせることもできる。
【0029】本発明では、前記のような基板1、5の接
着工程において、粘度が80〜250cpsと低い接着
剤を使用する。このような比較点粘度が小さい接着剤を
第一と第二の基板1、5の間に挟んでそれらの径方向に
展開する場合、基板5の貼り合わせ面に形成された前述
の凹凸15により、接着剤の流動抵抗が大きくなり、基
板1、5の間に必要な量の接着剤を留めておくことがで
きる。このため、所要の接着力を得るのに必要な接着層
11の膜厚10〜50μmを確保するすることができ
る。
【0030】また前述のように、粘性が比較的小さい接
着剤を使用することにより、接着剤内部の気泡の閉じ込
めが少なくなり、接着剤からの脱泡も容易であるため、
接着層11が緻密となる。これにより、薄い接着層11
でも高い接着強度を得ることができる。さらに、使用済
の光情報媒体の基板1、5を分離し、基板1、5の貼り
合わせ面から接着剤を除去するときに、その除去が容易
となる。
【0031】図4は、本発明による光情報媒体の他の例
において、基板1、5の貼り合わせ面が接着された状態
を示す模式断面図である。前述の例では、基板1側は反
射層13上に紫外線硬化性樹脂製の保護層14が設けら
れ、この保護層14は概ね平坦であった。これに対し、
図4に示す例では保護層14の貼り合わせ面にも凹凸1
6が設けられている。この凹凸16は、基板5の貼り合
わせ面の凹凸15とピッチは同じであるが、溝の深さは
若干浅い。この図4に示す光情報媒体の例でも、基板
1、5の接着方法は前述の例と同じであり、その詳細な
説明は省略する。
【0032】図5は、本発明による光情報媒体の更に他
の例において、基板1、5の貼り合わせ面が接着された
状態を示す模式断面図である。前述の例では、基板1側
は反射層13上に紫外線硬化性樹脂製の保護層14が設
けられているが、これに対し、図5に示す例では、基板
1には保護層14を形成せず、貼り合せ面に反射層13
を臨ませるようにして接着剤を介して基板1と基板5と
を貼り合せるようにしている。この場合、基板1側の反
射層13の貼り合わせ面に凹凸16が設けられていても
差し支えなく、この凹凸16は、基板5の貼り合せ面の
凹凸15より溝の深さが若干浅い。この図5に示す光情
報媒体の例でも、基板1、5の接着方法は前述の例と同
じであり、その詳細な説明は省略する。
【0033】図6は、本発明による光情報媒体のさらに
他の例を示すもので、基板1、5の貼り合わせ面が接着
された状態を示す模式断面図である。図6に示す例で
は、基板5の貼り合せ面に金、アルミニウム、銀、銅等
の金属膜或いはこれらの合金膜からなる金属層17が形
成され、この金属層17の貼り合せ面にも凹凸が設けら
れている。この金属層17は、膜厚にしておよそ20〜
50μm、スパッタリング等の方法により基板5の貼り
合せ面上に形成される。このようにして形成された基板
5と基板1とを接着剤を介して貼り合わせても構わな
い。
【0034】この図6に示す光情報媒体の例でも、基板
1、5の接着方法は前述の例と同じであり、その詳細な
説明は省略する。このようにすると、粘性を低くしたこ
とにより接着剤の塗布ムラ等が生じたとしても、前述し
た金属層17によって遮断されるため、視覚的に表面に
現れることがなく、ディスク外観が良好なものとなる。
【0035】
【実施例】次に、本発明の実施例について、具体的な数
値をあげて説明する。 (実施例1)外径120mmφ、内径15mmφ、厚さ
0.597mm、屈折率1.59のポリカーボネート基
板であって、その一方の主面にトラッキングピッチp=
0.74μmのトラッキング用のグルーブ3を有する透
明な第一の基板1を用意した。この透光性基板1の前記
グルーブ3を有する面側に、シアニン色素(トリメチン
色素)の溶液をスピンコート成膜し記録層12を形成し
た。
【0036】さらに、前記記録層12の上にAuをスパ
ッタリングし、反射層13を形成した。この上に紫外線
硬化性樹脂(大日本インキ化学工業(株)社製SD21
1)をスピンコートし、これに紫外線を照射して硬化さ
せ、保護層14を形成した。別に前記と同じ外径120
mmφ、内径15mmφ、厚さ0.597mmのポリカ
ーボネート基板5を用意した。この基板5の片面には、
ピッチ0.74μm、半値幅0.3μmの溝を有する凹
凸15が形成されている。
【0037】次に、第一の基板1をそのセンターホール
4の中心の回りに低速で回転しながら、基板1の保護層
14側のセンターホール4の周囲に粘度150cpsに
調整した紫外線硬化性樹脂系接着剤を塗布した。次に、
基板1の上に第二の基板5の凹凸15を有する貼り合わ
せ面を載せ、基板1、5を上から加圧した。続いて、重
ね合わせた基板1、5を2500rpmの速度で回転
し、接着剤を遠心力で基板1、5の外周側に展開すると
共に、余剰の接着剤を振り切った。
【0038】次に、紫外線ランプにより、第二の基板5
を通して基板1、5の間の接着剤に紫外線を照射し、接
着剤を硬化することにより、基板1、5を互いに固定し
た。これにより光情報媒体を作った。引張試験機を使用
し、貼り合わせた基板1、5の接着強度を測定した結
果、150Kgf/cm2 であった。基板1、5を剥が
し、その間の接着層11の膜厚を測定した結果、25〜
35μmであり、平均30μmであった。さらに、寸法
測定機器を使用し、気泡の直径を測定してその占有面積
率を求めることにより、この接着層11の空隙率を測定
した結果、0%であった。
【0039】(実施例2)前記実施例1において、粘度
100cpsに調整した紫外線硬化性樹脂系接着剤を使
用したことと、この接着剤を基板1、5の間に遠心力で
展開するときの基板1、5の回転速度を1500rpm
としたこと以外は、前記実施例1と同様にして光情報媒
体を作った。
【0040】引張試験機を使用し、貼り合わせた基板
1、5の接着強度を測定した結果、200Kgf/cm
2 であった。基板1、5を剥がし、その間の接着層11
の膜厚を測定した結果、25〜35μmであり、平均3
0μmであった。さらに、寸法測定機器を使用し、気泡
の直径を測定してその占有面積率を求めることにより、
この接着層11の空隙率を測定した結果、0%であっ
た。
【0041】(実施例3)前記実施例1において、粘度
220cpsに調整した紫外線硬化性樹脂系接着剤を使
用したことと、この接着剤を基板1、5の間に遠心力で
展開するときの基板1、5の回転速度を3500rpm
としたこと以外は、前記実施例1と同様にして光情報媒
体を作った。
【0042】引張試験機を使用し、貼り合わせた基板
1、5の接着強度を測定した結果、100Kgf/cm
2 であった。基板1、5を剥がし、その間の接着層11
の膜厚を測定した結果、20〜35μmであり、平均2
8μmであった。さらに、寸法測定機器を使用し、気泡
の直径を測定してその占有面積率を求めることにより、
この接着層11の空隙率を測定した結果、0%であっ
た。
【0043】(比較例1)前記実施例1において、貼り
合わせ面が平坦で凹凸15が無い基板5を使用したこと
と、粘度500cpsに調整した紫外線硬化性樹脂系接
着剤を使用したこと以外は、前記実施例1と同様にして
光情報媒体を作った。引張試験機を使用し、貼り合わせ
た基板1、5の接着強度を測定した結果、10Kgf/
cm2 であった。基板1、5を剥がし、その間の接着層
11の膜厚を測定した結果、15〜25μmであり、平
均20μmであった。さらに、寸法測定機器を使用し、
気泡の直径を測定してその占有面積率を求めることによ
り、この接着層11の空隙率を測定した結果、0%であ
った。
【0044】(比較例2)前記実施例1において、貼り
合わせ面が平坦で凹凸15が無い基板5を使用した以外
は、前記実施例1と同様にして光情報媒体を作った。引
張試験機を使用し、貼り合わせた基板1、5の接着強度
を測定した結果、15Kgf/cm2 であり、実施例に
比べて10%の接着強度であった。基板1、5を剥が
し、その間の接着層11の膜厚を測定した結果、5〜1
5μmであり、平均8μmであった。さらに、寸法測定
機器を使用し、気泡の直径を測定してその占有面積率を
求めることにより、この接着層11の空隙率を測定した
結果、0%であった。
【0045】(比較例3)前記実施例1において、前記
比較例1と同じ粘度500cpsに調整した紫外線硬化
性樹脂系接着剤を使用したこと以外は、前記実施例1と
同様にして光情報媒体を作った。引張試験機を使用し、
貼り合わせた基板1、5の接着強度を測定した結果、1
20Kgf/cm2 であった。基板1、5を剥がし、そ
の間の接着層11の膜厚を測定した結果、40〜60μ
mであり、平均50μmであった。さらに、寸法測定機
器を使用し、気泡の直径を測定してその占有面積率を求
めることにより、この接着層11の空隙率を測定した結
果、10%であった。
【0046】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、2
枚の基板1、5を貼り合わせた構造を有する光情報媒体
において、粘度の比較的低い接着剤を使用し、接着層1
1への微細な気泡の混入等を抑え、緻密な接着層を得る
ことができ、薄い接着層でより大きな基板1、5の貼り
合わせ強度を確保することができる。しかも、ピット形
成時、気泡の存在によるジッターの悪化を抑えることが
できるので、ピット形状のばらつきを無くし、トラッキ
ングエラーあるいはフォーカスエラーを防ぐことができ
る。また、基板1、5の間に接着剤を展開するときに、
粘度の比較的低い接着剤を使用することにより、接着剤
の均一で速い展開が可能となる。しかも、所定の膜厚の
接着層11を得て、必要な基板1、5の貼り合わせ強度
を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光情報媒体の例を示す2枚の基板
を貼り合わせる前の状態の半断面分解斜視図である。
【図2】同光情報媒体を示す一部縦断面斜視図である。
【図3】同光情報媒体の要部縦断拡大側面図である。
【図4】本発明による光情報媒体の他の例を示す要部縦
断側面図である。
【図5】本発明による光情報媒体のさらに他の例を示す
要部縦断側面図である。
【図6】本発明による光情報媒体のさらに他の例を示す
要部縦断側面図である。
【図7】前記光情報媒体の製造工程を示す部分側面図で
ある。
【符号の説明】
1 第一の基板 5 第二の基板 11 接着層 14 第一の基板の保護層 15 第二の基板の貼り合せ面に形成された凹凸 16 第一の基板の貼り合せ面に形成された凹凸
フロントページの続き (72)発明者 浜田 恵美子 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 Fターム(参考) 5D029 RA08 RA28 5D121 AA07 FF03 FF20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一と第二の基板(1)、(5)を貼り
    合わせ、少なくとも一方の基板(1)側に信号が記録さ
    れ、または信号を記録し得る領域を有する光情報媒体に
    おいて、互いに貼り合わせられる第一の基板(1)及び
    第二の基板(5)の少なくとも一方の基板(1)、
    (5)の貼り合わせ面に形成され、その径方向に凹と凸
    を繰り返す凹凸(15)、(16)と、この凹凸(1
    5)、(16)を有する貼り合わせ面において第一の基
    板(1)及び第二の基板(5)を互いに接着した接着層
    (11)とを有することを特徴とする光情報媒体。
  2. 【請求項2】 第一と第二の基板(1)、(5)の凹凸
    (15)、(16)は、螺旋状であることを特徴とする
    請求項1に記載の光情報媒体。
  3. 【請求項3】 第一と第二の基板(1)、(5)のう
    ち、信号が記録され、または信号を記録し得る領域を有
    さない基板(5)の貼り合せ面には金属層が形成されて
    いることを特徴とする請求項1または2に記載の光情報
    媒体。
  4. 【請求項4】 接着層(11)の膜厚が10〜50μm
    であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の
    光情報媒体。
  5. 【請求項5】 第一と第二の基板(1)、(5)を貼り
    合わせ、少なくとも一方の基板(1)側に信号が記録さ
    れ、または信号を記録し得る領域を有する光情報媒体を
    製造する方法において、少なくとも一方の基板(1)、
    (5)の貼り合わせ面に、その径方向に凹と凸を繰り返
    す凹凸(15)、(16)を有する第一の基板(1)及
    び第二の基板(5)を用意する工程と、第一と第二の基
    板(1)、(2)の少なくとも一方の貼り合わせ面に接
    着剤を塗布する工程と、第一の基板(1)と第二の基板
    (5)の貼り合わせ面を重ね合わせる工程と、第一の基
    板(1)と第二の基板(5)の貼り合わせ面の間の接着
    剤をそれら貼り合わせ面に展開する工程と、展開した接
    着剤を硬化し、接着層(11)を形成する工程とを有す
    ることを特徴とする光情報媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 第一と第二の基板(1)、(5)の間の
    接着剤を展開する工程が、重ね合わせた第一と第二の基
    板(1)、(5)を高速回転することにより、遠心力で
    接着剤を展開する工程であることを特徴とする請求項5
    に記載の光情報媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 未硬化の接着剤の粘性が80〜250c
    psであることを特徴とする請求項5または6に記載の
    光情報媒体の製造方法。
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