JP2000210836A - 工作機械用主軸装置 - Google Patents

工作機械用主軸装置

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JP2000210836A
JP2000210836A JP11016340A JP1634099A JP2000210836A JP 2000210836 A JP2000210836 A JP 2000210836A JP 11016340 A JP11016340 A JP 11016340A JP 1634099 A JP1634099 A JP 1634099A JP 2000210836 A JP2000210836 A JP 2000210836A
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oil
fluid
cutting fluid
tool
air
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JP11016340A
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Toru Takada
亨 高田
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧空気に切削液を混入させた流体を主軸の
内部から工具を介してワークへと供給する場合に、切削
液の含有量が低下することを防止する。 【解決手段】 流路15の内部に主軸3の回転によって
生じた遠心力でオイルミストより分離したオイルを捕集
するフィルタ21を設け、その捕集したオイルをピスト
ン機構部25を備えた流体供給機構部16によってオイ
ルミスト流路34へと供給し、工具12の近傍において
フィルタ21を通過したエアーに再度混入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転駆動されるよ
うに設けられ先端部に工具が装着される主軸を備えてな
る工作機械用主軸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この様な工作機械においては、ワークを
加工する際の潤滑及び切削屑の除去を目的とすると共
に、そのワークと工具との冷却をも目的として加工部分
周辺に切削油がクーラントとして供給されるようになっ
ている。そして、切削油を供給する方式の一つに、回転
継手を介して主軸の内部から工具へと供給するようにし
たものがある。このような切削油は、加工時において比
較的大量に使用されるため、加工後のワークに付着した
切削油を洗浄により除去する作業がかなり面倒であっ
た。また、高速で回転する工具により切削加工が行われ
ることによって、切削油が環境中に飛散してしまうとい
う問題があった。
【0003】斯様な問題を解決するために、高圧空気中
に微少量の切削油を混入してミスト状にしたオイルミス
トを用いることが提案されている。オイルミストを使用
することで、実質的な切削油の使用量を大きく削減でき
るので、加工中における切削油の環境中に対する放出量
を低減し、また、加工後におけるワークの洗浄を容易に
することが期待できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、オイル
ミストを主軸の内部から工具へと供給して実際に使用す
るには、以下のような問題があった。即ち、主軸が比較
的高速で回転すると、比重が大である切削油分は遠心力
によって空気と分離され主軸内部にある流体通路の内壁
に付着する現象が発生し、工具からワークに対して実際
に放出されるオイルミスト中の切削油含有量は、所期の
値より著しく低下してしまう。そのため、切削加工時に
おける潤滑作用を充分に得ることができなかった。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、高圧空気に切削液を混入させた流体
を主軸の内部から工具を介してワークへと供給する場合
に、切削液の含有量が低下することを防止できる工作機
械用主軸装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の工作機械用主軸装置は、先端部に工
具が装着され、回転駆動されるように構成された主軸
と、この主軸の軸心を貫通するように設けられ、高圧空
気に切削液を混入させた流体が外部より供給される流体
通路と、前記主軸の回転に伴って発生する遠心力によっ
て、前記流体通路内において前記流体より分離した切削
液を捕集する捕集手段と、この捕集手段によって捕集さ
れた切削液を、前記工具の近傍において前記流体に混入
させて前記工具に供給する流体供給手段と備えたことを
特徴とする。
【0007】例えば、切削液たる微少量のオイルを高圧
空気に混入させてミスト状としたオイルミストを流体に
用いる場合には、主軸が高速で回転した際に発生する強
い遠心力により、比重が比較的大であるオイルはオイル
ミストより分離して流体通路の内壁に付着する場合があ
る。従って、上記のように構成すれば、分離した切削液
を捕集手段によって捕集し、流体供給手段によって前記
捕集された切削液を工具の近傍において流体に再度混入
させることで、工具に供給される流体に含まれる切削液
の割合が低下することを防止できる。
【0008】この場合、請求項2に記載したように、前
記捕集手段によって捕集された切削液が貯留される切削
液貯留部を備え、前記流体供給手段に、前記切削液貯留
部に貯留されている切削液を前記流体に混入する際の流
量を調整する流量調整機構を備えると良い。
【0009】斯様に構成すれば、流量調整機構が切削液
貯留部に貯留されている切削液を流体に混入する際の流
量を調整することで、工具に供給される流体に含まれる
切削液の割合が所期の値となるように制御することがで
きる。
【0010】請求項3記載の工作機械用主軸装置は、先
端部に工具が装着され、回転駆動されるように構成され
た主軸と、この主軸の軸心を貫通するように設けられ、
外部より高圧空気が供給される流体通路と、外部より前
記主軸の停止時に供給される切削液が貯留される切削液
貯留部を有し、この切削液貯留部に貯留されている切削
液を前記工具の近傍において前記流体通路に供給するこ
とで前記高圧空気に混入させて切削液混入空気を生成
し、その切削液混入空気を前記工具に供給する流体供給
手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】斯様に構成すれば、切削液貯留部には、主
軸の回転が停止している時に外部より供給される切削液
が貯留される。そして、流体供給手段は、貯留されてい
る切削液を工具の近傍で流体通路に供給して切削液混入
空気を生成するので、予め外部で生成した切削液混入空
気を流体通路に供給する場合に比較して、切削液混入空
気が流体通路を通過する距離が短くなる。従って、主軸
の回転に伴って発生する遠心力が作用し、流体通路内に
おいて切削液混入空気より切削液が分離することを極力
防止できる。
【0012】この場合、請求項4に記載したように、前
記切削液貯留部に、内部に貯留されている切削液を前記
高圧空気の圧力を受けて加圧することで前記流体通路に
供給する加圧手段を備えると良く、斯様に構成すれば、
主軸の回転速度にかかわらず、切削液貯留部に貯留され
ている切削液を流体通路に供給するための圧力を高圧空
気の圧力に応じて付与することができる。
【0013】また、請求項5に記載したように、前記主
軸に、前記工具を自身と連結して装着するための連結部
を備え、前記流体供給手段を前記連結部の内部に配置し
ても良く、斯様に構成すれば、切削液貯留部に貯留され
ている切削液を工具のより近傍において高圧空気に混入
させることが可能となる。
【0014】更に、請求項6に記載したように、前記流
体供給手段に、前記切削液貯留部に貯留されている切削
液を前記流体通路に導入する際の流量を調整する流量調
整機構を備えるのが好ましい。斯様に構成すれば、流量
調整機構によって、工具に供給される流体に含まれる切
削液の割合が所期の値となるように制御することができ
る。
【0015】加えて、請求項7または8に記載したよう
に、前記流量調整機構を、前記高圧空気の供給圧力に応
じて流量を調整する構成としたり(請求項7)、また、
電気的に動作するアクチュエータの駆動力に応じて流量
を調整する構成としても良い(請求項8)。斯様に構成
すれば、高圧空気の供給圧力やアクチュエータの駆動力
に応じて流量調整機構における調整が最適となるように
制御することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施例につい
て図1及び図2を参照して説明する。図1は、工作機械
用主軸装置の構成を概略的に示す軸方向断面図,図2
は、図1の要部を拡大して示す図である。主軸装置(工
作機械用主軸装置)1は、例えば、中空円筒状のハウジ
ング2内に、主軸3とその主軸3を回転駆動させる誘導
モータ4とを内蔵するビルトインタイプとして構成され
ているものである。主軸3の先端部分及び中間部分は、
玉軸受5及び6によってハウジング2に対して回転自在
に支承されている。尚、ハウジング2及び主軸3は、い
ずれも鉄系材料で構成されている。
【0017】玉軸受5及び6によって支承されている部
分の略中間に位置する部位の主軸3側には、コア7a及
びかご形巻線(エンドリング)7bからなるロータ7が
配設され、ハウジング2の内周部には、コア7aと所定
ギャップを以て対向するコア8a及び巻線(コイルエン
ド)8bからなるステータ8が配設されることにより、
前述の誘導モータ4が構成されている。
【0018】主軸3の内部には、周知の機構であるドロ
ーバー9,そのドローバー9の先端側に配置されたチャ
ック機構10及びドローバースプリング11等が配設さ
れている。一方、切削加工用の工具12は、工具シャン
ク(連結部)13に取付けられており、その工具シャン
ク13は、上端部にプルスタッド14を備えている。そ
して、主軸3側のドローバー9が図示しない駆動機構に
よって軸方向に変位することにより、主軸3内部で、チ
ャック機構10が工具シャンク13のプルスタッド14
を鋼球10aを介して把持することで、工具12が主軸
3の先端部に取付けられるようになっている。
【0019】また、主軸3の内部には、その軸心(即
ち、ドローバー9の内部)を途中部位まで貫通するよう
にして流路(流体通路)15が設けられている。そし
て、ドローバー9の先端側には、前述のチャック機構1
0と一体となり前記流路15と連通して構成される流体
供給機構部(流体供給手段)16が設けられている。加
えて、プルスタッド14,工具シャンク13及び工具1
2の内部には、流体供給機構部16と接続される流路1
4a,13a及び12aが夫々設けてあり、工具12の
先端部分にある切削加工用刃部の付近には、その流路1
2aに繋がると共に外部に連通する吐出孔12bを有し
ている。
【0020】主軸装置1の後端側には、回転継手17が
配置されており、その回転継手17を介して主軸3の流
路15とオイルミスト装置18とが接続されている。オ
イルミスト装置18には、コンプレッサなどのエアー源
19a,19bからの高圧(数気圧程度)の圧縮空気
が、P1位置20a及びP2位置20bからなる切換え
バルブ20を介して供給されるようになっている。ここ
で、エアー源19a,19b夫々のエアー圧力P1,P
2は、P1>P2となるように設定されている。
【0021】エアー源19aまたは19bより送出され
た圧縮空気は、オイルミスト装置18内部のミキシング
バルブに導入され、そのミキシングバルブにはオイル槽
(何れも図示せず)内より微少量吸い上げられたオイル
(切削液)も送出されるようになっている。そして、ミ
キシングバルブにより圧縮空気とオイルとは混合されて
オイルミスト(流体)が生成され、そのオイルミストが
ダクト18aを介して回転継手17に送出され、主軸3
の流路15に供給されるようになっている。ここで、オ
イルミストは、例えば1分当たり数10リットル程度の
割合で流出する圧縮空気に対して、オイルが1時間当た
り0.1〜1cc程度の割合で混入されるものであり、
オイルミストにおけるオイルの粒径は、0.1〜0.5
mm程度となっている。
【0022】次に、流体供給機構部16の詳細な構成に
ついて説明する。図2中上方に位置する流路15の下端
側にはその内周に沿うようにして円筒状のフィルタ(捕
集手段)21が配置されており、フィルタ21が配置さ
れている部位の更に下端側は、流路15の行き止まりと
なった部分がオイルタンク(切削液貯留部)22として
形成されている。
【0023】フィルタ21は、主軸3が回転した場合に
発生する遠心力によって、流路15に供給されたオイル
ミストに含まれているオイルが分離して流路15の内壁
に付着したものを捕集するために設けられている。そし
て、そのフィルタ21によって捕集されたオイルは、オ
イルタンク22に貯留されるようになっている。また、
フィルタ21が配置されている部位の外周側には、図2
中左方向と奥行き方向とに延長された横穴が、夫々エア
ー流路23a,24aとして形成されている。
【0024】尚、エアー流路23aについて左端側にハ
ッチングで図示されている部分は、エアー流路23aを
実際に加工形成するために側方より空けた孔を塞ぐため
の部材であり、以降の図においても、同様の部材をハッ
チングで図示している。
【0025】オイルタンク22の下方に位置する部位に
は、横向きに(即ち、主軸3の径方向に)ピストン機構
部(流量調整機構)25が配置されている。そして、エ
アー流路23aは、ピストン機構部25のシリンダ26
に、縦穴状のエアー流路23bを介して連通している。
【0026】シリンダ26の内部には、ピストン27及
びピストン27の左方向変位を規制するためのストッパ
28が配置されている。また、ピストン27とシリンダ
26との間には、Oリング29が介在するようになって
いる。シリンダ26の右方向には、ピストン27よりも
径小でありロッド27aが径方向に変位するための空間
であるロッドスペース26aが配置されている。ロッド
27aの先端部分は、ロッド27aよりも径小となるプ
ランジャ27bが形成されている。
【0027】ロッド27aとロッドスペース26aとの
間には、Oリング30が介在するようになっている。ロ
ッドスペース26aの内部には、ロッド27aを左方へ
付勢するリターンスプリング31が配置されている。ロ
ッドスペース26aとその上方に位置するオイルタンク
22とはオイル流路32を介して連通している。また、
ロッドスペース26aは、その右方から下方側へと延設
されている縦穴状のオイル流路33に連通している。
【0028】ここで、ピストン27が図2に示す状態か
ら右方向に変位する場合を想定すると、先ず、ロッドス
ペース26aの上方側にあるオイル流路32の開孔部が
ロッド27aによって塞がれ、更にピストン27が右方
向に変位すると、プランジャ27bの先端がオイル流路
33の開孔部に突入して当該開孔部を塞ぐようになって
いる。
【0029】ピストン機構部25の下方には、主軸3の
軸心部に短い縦穴であるオイルミスト流路34が形成さ
れており、そのオイルミスト流路34は、チャック機構
10内部である空間部35に連通している。また、オイ
ルミスト流路34とオイル流路33とは、オイル流路3
3の途中部位において内径方向に延設された横穴部33
a及びその横穴部33aの先端から延びるオリフィス3
3bを介して連通している。
【0030】ここで、オイル流路33の下方側に延びて
いる部分は、オイル流路33を実際に加工形成する際に
空けられたものである。一方、流路15の下端側に設け
られたエアー流路24aは、ピストン機構部25の奥行
側に配置された縦穴状のエアー流路24b(図2におい
て破線で示す)に連通しており、そのエアー流路24b
もオイルミスト流路34に連通している。以上が流体供
給機構部16を構成している。
【0031】チャック機構10内部の空間部35には、
工具シャンク13を主軸3に取付ける際に、プルスタッ
ド14内にある流路14aにオイルミスト流路34より
供給されるオイルミストを導入するための接続パイプ3
6が配置されている。接続パイプ36は、空間部35の
上底部との間に配置されているスプリング37によって
下方に付勢されていると共に、主軸3の左側方より挿入
される抜け止めピン38によって抜け止めされている。
そして、接続パイプ36の先端部分は、チャック機構1
0が工具シャンク13のプルスタッド14を把持する場
合に、プルスタッド14の内部に挿入されるようになっ
ている。
【0032】次に、第1実施例の作用について説明す
る。先ず、エアー源19aを、切換えバルブ20のP1
位置20aを介してオイルミスト装置18に接続する。
すると、オイルミスト装置18によって生成されたオイ
ルミストが圧力P1によって送出され、回転継手17を
介して主軸装置1内部の流路15に供給される。流路1
5に供給されたオイルミストに含まれているオイルはフ
ィルタ21によって捕集されオイルタンク22の底部に
溜り、フィルタ22を通過した高圧空気はエアー流路2
3a,24aに流れる。エアー流路24aに流れたエア
ーは、エアー流路24bを介してオイルミスト流路34
に流出する。
【0033】一方、エアー流路23aに流れたエアーは
シリンダ26内に導入されて、ピストン27を右方に変
位させる駆動力となる。オイルミストが圧力P1で供給
された場合は、ピストン27の変位量は最大となり、プ
ランジャ27bは、オイル流路33の開孔部に突入して
その開口部を完全に塞ぐ。この時、オイル流路32もロ
ッド27aにより塞がれるので、フィルタ21によって
捕集されたオイルはオイルタンク22の底部に溜り続け
る。
【0034】この状態を暫く維持した後に、オイルミス
ト装置18を一旦停止させるか、或いは、オイルミスト
装置18において、オイルミストの送出圧力をエアー源
19bを切換えバルブ20のP2位置20bを介して供
給するように調整する。すると、ピストン27に高圧エ
アーによる駆動力が印加されなくなり、ピストン27は
リターンスプリング31によって初期位置に戻される。
この時、オイルタンク22の底部に溜っているオイル
は、オイル流路32を介してロッドスペース26aに流
れ込みその内部に貯留される。
【0035】次に、エアー源19aを切換えバルブ20
のP1位置20aを介してオイルミスト装置18に接続
して、オイルミスト装置18によりオイルミストを圧力
P1によって送出する。すると、ピストン27は、初期
位置より右方向に変位してオイル流路32がロッド27
aによって塞がれ、ロッドスペース26aに貯留されて
いるオイルはオイル流路33より流出する。この場合、
オイル流路32を塞ぐのは、オイルの逆流を防止するた
めである。
【0036】オイル流路33に流出したオイルは、オリ
フィス33bを介してオイルミスト流路34に導入され
てエアー流路24bを介して供給される高圧エアーに混
入され、ここでオイルミストが生成される。生成された
オイルミストは、空間部35→接続パイプ36→流路1
4a,13a,12aを介して、工具12の吐出孔12
bより外部の図示しないワークへと向けて吐出される。
【0037】この状態で、誘導モータ4に通電が行われ
て主軸3が回転駆動されると共に、主軸装置1が図示し
ない駆動機構によって降下され工具12によりワークの
切削加工が行われる。この時、工具12の先端部から吐
出されるオイルミストの高圧空気により工具12及びワ
ークは冷却されると共に、ワークの切削屑が周辺部に飛
ばされる。また、オイルミストに含まれている粒子状の
オイルによって、切削加工における潤滑作用が生じる。
【0038】ここで、前述したように、主軸3が比較的
高速で回転すると、オイルミスト装置18より供給され
るオイルミストに含まれるオイルは、流路15の内部で
生じる遠心力によって分離して内壁に付着するようにな
るが、そのように分離したオイルはフィルタ21によっ
て捕集され、主軸3の回転速度が低下した時などにオイ
ルタンク22の底部に貯留される。また、フィルタ21
を通過した高圧エアーは、エアー流路24a及び24b
を介してオイルミスト流路34へと供給される。
【0039】そして、オイルタンク22に貯留されたオ
イルは、シリンダ27に印加される駆動力を適宜調整す
ることによって、オイル流路32→ロッドスペース26
a→オイル流路33→オリフィス33b→オイルミスト
流路34へと供給され、前述のようにオイルミストが再
生成される。
【0040】以上のように本実施例によれば、流路15
の内部に主軸3の回転によって生じた遠心力でオイルミ
ストより分離したオイルを捕集するフィルタ21を設
け、その捕集したオイルをピストン機構部25を備えた
流体供給機構部16によってオイルミスト流路34へと
供給し、工具12の近傍においてフィルタ21を通過し
たエアーに再度混入するようにした。
【0041】従って、主軸3を比較的高速で回転させて
ワークの切削加工を行う場合でも、オイルミストの供給
を安定した状態で行うことができる。また、ピストン2
6に印加するエアーの圧力を調整することによって、エ
アーに再度混入するオイルの量を適正に調整することが
できる。
【0042】図3及び図4は本発明の第2実施例を示す
ものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付し
て説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明す
る。第2実施例では、第1実施例において径方向に配置
されていたピストン機構部25を、軸方向に配置した点
が異なっている。
【0043】即ち、フィルタ21の下方にはオイルタン
ク(切削液貯留部)39が配置され、そのオイルタンク
39の直下にピストン機構部(流量調整機構)40が配
置されている。また、フィルタ21の左右側方には、横
穴状のエアー流路41a,42aが設けられており、各
エアー流路41a,42aは、ピストン機構部40と平
行に配置された縦穴状のエアー流路41b,42bに接
続されている。そして、エアー流路41b,42bは、
ピストン機構部40の下方において径方向にわたる横穴
状のエアー流路43に何れも接続されている。
【0044】ピストン機構部40は、オイルタンク39
の延長部分をシリンダ部44として軸方向にピストン4
5が配置されており、ピストン45と流路15との間に
はOリング46が介在している。ピストン45の下部に
はロッド45aが延びており、そのロッド45aの先端
面には、ロッド45aよりも径小となっているプランジ
ャ45bがある。そのプランジャ45bは、開口寸法を
プランジャ45bの径に合わせてシリンダ部44の底部
に設けられた凹部47に挿入されるようになっている。
【0045】シリンダ部44の内部には、ピストン45
を上方に付勢するリターンスプリング48及びピストン
45の下方変位を規制するためのストッパ49が配置さ
れている。ピストン45及びロッド45aの内部には、
上部にあるオイルタンク39に連通するオイル流路45
cが設けられている。そのオイル流路45cは、プラン
ジャ45bの内部において図4中で右方に90°屈曲し
ており、プランジャ45bの側面部を開口して外部と連
通するようになっている。
【0046】そして、ピストン45に対して圧力が印加
されない状態若しくはエアー源19bによって圧力P2
のオイルミストが印加された状態では、オイル流路45
cの開口部はシリンダ部44の内部に向けて開放され
る。また、エアー源19aによって圧力P1のオイルミ
ストが印加され、ピストン45が最大に変位してプラン
ジャ45bが凹部47に挿入されている状態では、前記
開口部は凹部47の側面部によって閉塞されるようにな
っている(図4に示す状態)。また、凹部47は、オリ
フィス50を介してエアー流路43と連通するようにな
っている。
【0047】エアー流路43は、主軸3aの軸心部分に
おいて下方へと延びているエアー流路43aを介して、
チャック機構10内部の空間部35に連通するようにな
っている。以上が流体供給機構部(流体供給手段)51
を構成している。その他の構成は第1実施例と同様であ
り、主軸装置(工作機械用主軸装置)52を構成してい
る。
【0048】次に、第2実施例の作用について説明す
る。第1実施例と同様に、先ず、エアー源19aを切換
えバルブ20のP1位置20aを介してオイルミスト装
置18に接続し、オイルミストを圧力P1によって送出
する。すると、ピストン45はその圧力を受けて最大に
変位するので、前述のようにロッド45b内部にあるオ
イル流路45cの開口部は凹部47の側面部によって閉
塞される。
【0049】そして、主軸3aの回転速度が比較的高速
になると、流路15内に供給されたオイルミストよりオ
イルが分離してフィルタ21によって捕集される。ある
程度時間が経過した後、主軸3aの回転速度を低下させ
ると、フィルタ21によって捕集されたオイルは、オイ
ル流路45c及びオイルタンク39に貯留される。ま
た、フィルタ21を通過してエアー流路41a,42a
内に導入された高圧エアーは、エアー流路41b,42
及び43を介して空間部35に送出される。
【0050】次に、エアー源19bを切換えバルブ20
のP2位置20bを介してオイルミスト装置18に接続
し、オイルミストを圧力P2によって送出する。する
と、ピストン45に印加される圧力が低下してその変位
位置は上昇し、前述のようにオイル流路45cの開口部
はシリンダ部44の内部に向けて開放された状態とな
る。すると、オイル流路45cに貯留されているオイル
は、その開放された開口部より外部に流出して凹部47
及びシリンダ部44の底部に溜まる。
【0051】その状態で、再びエアー源19aを切換え
バルブ20aを介してオイルミスト装置18に接続する
と、ピストン45は最大に変位し、凹部47などに溜ま
っているオイルはオリフィス50を介してエアー流路4
3へと送出される。すると、エアー流路43に流れてい
る高圧エアーにオイルが混入されて、その部位において
オイルミストが生成され空間部35へと送出される。
【0052】以上のように第2実施例によれば、流路1
5の内部に縦型のピストン機構部40を配置して、主軸
3aの高速回転によって分離したオイルをエアー流路4
3において高圧エアーに混入させるようにした。従っ
て、第1実施例と同様の効果が得られると共に、主軸3
が回転してもピストン45に対しては遠心力が作用しな
いので、ピストン45の変位量の調整をより容易に行う
ことができる。
【0053】図5及び図6は本発明の第3実施例を示す
ものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付し
て説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明す
る。第3実施例では、オイルミスト装置18は使用せ
ず、回転継手17には、単一のエアー源53が開放位置
54a及び閉止位置54bを有してなる切換えバルブ5
4を介して接続されている。そして、流路15とチャッ
ク機構10内部の空間部35との間には、フィルタ21
及びピストン機構部25に代わって、空間として構成さ
れたタンク配置部55とその内部に配置される円筒状の
オイルタンク(切削液貯留部,流体供給手段)56とを
備えている。
【0054】オイルタンク56は、タンク配置部55に
上方より圧入され、上下部分に若干のスペースを残すよ
うにしてタンク配置部55の内壁によって固定支持され
ている。オイルタンク56の内部には貯留部56aがあ
り、その貯留部56aに対して、主軸装置(工作機械用
主軸装置)57の外部にあるオイル供給装置58より供
給されるオイルが貯留されるようになっている。貯留部
56aは、開放されている上端側がピストン(加圧手
段)59によって閉塞されており、そのピストン59と
貯留部56aの内壁との間には、Oリング60が介在す
るようになっている。即ち、貯留部56aがピストン5
9に対するシリンダとなる。
【0055】貯留部56aの左側方には、軸方向に貫通
する貫通孔がエアー流路61として設けられている。オ
イルタンク56の底部には、貯留部56aに連通するよ
うにしてオイル流路62aを接続するためのノズル部材
62が取付けられている。ノズル部材62は下方へと延
びており、その先端に配置されたノズル62bは、タン
ク配置部55の底部に設けられたベンチュリ部55aに
向けて開放されている。ベンチュリ部55aは、空間部
35に連通するようになっている。
【0056】また、オイルタンク56の図6中右側部に
おける下方には、主軸3bの本体側に配置されているオ
イル供給路63を貯留部56aに連通させる横穴として
オイル供給孔64が設けられている。オイル供給路63
は、主軸3bの本体内部において90°屈曲して下方へ
と延びており、その先には、チェックバルブ65が配置
されている。
【0057】チェックバルブ65の右方側にはパイプ挿
入孔66が設けられており、そのパイプ挿入孔66に
は、外部にあるオイル供給装置58のパイプ58aが挿
入されている。パイプ58aは、パイプ駆動部58bに
よって図5中左右方向に駆動されるようになっており、
左方側に駆動されると先端部がチェックバルブ65を介
してオイル供給路63に連通するようになっている。そ
して、オイル供給装置58より加圧供給されたオイルは
オイル供給路63へと供給され、オイルタンク56の貯
留部56a内部に貯留されるようになっている。尚、一
旦貯留部56aに貯留されたオイルは、チェックバルブ
65によって逆流が防止されるようになっている。その
他の構成は第1実施例と同様である。
【0058】次に、第3実施例の作用について説明す
る。先ず、主軸3bの回転が停止している状態で、オイ
ル供給装置58のパイプ58aがチェックバルブ65に
接続されて、オイルが貯留部56aに予め貯留される。
そして、切換えバルブ54の閉止位置54bが開放位置
54aに切換えられることで、エアー源53からの高圧
空気が主軸装置57内の流路15に供給される。流路1
5に供給された高圧空気はタンク配置部55に導入され
て、オイルタンク55のピストン59に圧力を加えると
共に、エアー流路61を介してベンチュリ部55aへと
至る。
【0059】ピストン59に圧力が加わることによっ
て、貯留部56aに貯留されているオイルは、オイル流
路62aを介してノズル62bよりベンチュリ部55a
へと噴射される。即ち、ベンチュリ部55aにおいて、
高圧空気中にオイルが噴射されることでオイルミストが
生成され、生成されたオイルミストは空間部35へ放出
されることになる。この状態で誘導モータ4に通電が行
われて主軸3bが回転駆動され工具12によるワークの
切削加工が行われると、第1実施例と同様に、工具12
の吐出孔12bから吐出されるオイルミストによって冷
却作用や潤滑作用が生じる。
【0060】以上のように第3実施例によれば、主軸装
置57の内部にオイルタンク56を配置して、主軸3b
の回転が停止している時に、外部のオイル供給装置58
よりオイルを供給してそのオイルを貯留部56aに貯留
させておき、主軸装置57に別途エアー源53より高圧
空気を供給することで、主軸3b内部における工具12
の近傍で高圧空気にオイルを混入させてオイルミストを
生成するようにした。
【0061】従って、外部において予め生成したオイル
ミストを主軸装置の内部に供給する場合に比較して、主
軸の回転時に生じる遠心力により分離したオイルを捕集
することを考慮する必要がなく、主軸装置57内部の工
具12の近傍において効率的にオイルミストを生成して
工具12に供給することができる。
【0062】図7及び図8は本発明の第4実施例を示す
ものであり、第3実施例と同一部分には同一符号を付し
て説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明す
る。第4実施例では、第3実施例で主軸3bの内部に配
置したオイルタンク55に代えて、同様のオイルタンク
(切削液貯留部,流体供給手段)67を、(工具シャン
ク13に代わる)工具シャンク(連結部)68の内部配
置したものである。
【0063】即ち、図8に示すように、工具シャンク6
8の内部には、プルスタッド14の流路14aに連通す
る流路68aと工具12との間で且つ工具12の近傍側
に円筒状の空間をなすタンク配置部69が設けてあり、
そのタンク配置部69の内部に、円筒状のオイルタンク
67が配置されている。
【0064】オイルタンク67は、工具シャンク68に
工具12が取付けられる以前にタンク配置部69に下方
より圧入され、タンク配置部69の内壁によって固定支
持されている。オイルタンク67の内部には、オイルタ
ンク55と同様に貯留部67aがあり、その貯留部67
aには、工具シャンク68が主軸装置(工作機械用主軸
装置)70に取付けられる前に、外部にあるオイル供給
装置(図示せず)より供給されるオイルが貯留されるよ
うになっている。
【0065】また、オイルタンク67は、同様に、ピス
トン71,Oリング72,エアー流路73,ノズル部材
74などを有している。そして、ノズル部材74の先端
に配置されたノズル74bは、タンク配置部69の底部
に設けられたベンチュリ部69aに向けて開放されてい
る。そのベンチュリ部69aは、工具12の流路12a
に連通するようになっている。
【0066】また、オイルタンク67のオイル供給孔7
5は、工具シャンク68の本体側に配置されているオイ
ル供給路76を貯留部67aに連通させるように形成さ
れている。オイル供給路76は、工具シャンク68の本
体内部において上方へと延びて、工具シャンク68の鍔
部68bの上面側に配置されているチェックバルブ77
に接続されている。この場合、流路15とプルスタッド
14の流路14aとは、空間部35に配置された接続パ
イプ36を介して直接接続されている。
【0067】次に、第4実施例の作用について説明す
る。前述のように、工具シャンク68が主軸装置70に
取付けられる前に、外部にあるオイル供給装置からチェ
ックバルブ77及びオイル供給路76を介して供給され
たオイルが、オイルタンク67の貯留部67aに貯留さ
れる。そして、第3実施例と同様に、エアー源53から
の高圧空気が主軸装置70内の流路15に供給される
と、その高圧空気は、プルスタッド14の流路14a及
び流路68aを介してタンク配置部69に導入され、オ
イルタンク67のピストン71に圧力を加えると共に、
エアー流路73を介してベンチュリ部69aへと至る。
【0068】すると、第3実施例と同様の作用により、
貯留部67aに貯留されているオイルは、オイル流路7
4aを介してノズル74bよりベンチュリ部69aに噴
射され、ベンチュリ部69aにおいて高圧空気中にオイ
ルが噴射されることでオイルミストが生成される。生成
されたオイルミストは工具12の流路12aへ放出され
ることになる。この状態で誘導モータ4に通電が行われ
て主軸3cが回転駆動され工具12によるワークの切削
加工が行われると、第3実施例と同様に、工具12の吐
出孔12bから吐出されるオイルミストによって冷却作
用や潤滑作用が生じる。以上のように第4実施例によれ
ば、オイルタンク67を工具シャンク68の内部に配置
したことによって、第3実施例と同様の効果が得られ
る。
【0069】図9及び図10は本発明の第5実施例を示
すものであり、第3実施例と同一部分には同一符号を付
して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明す
る。第5実施例では、第3実施例と同様に主軸3dの内
部に設けられたタンク配置部78にオイルタンク(切削
液貯留部,流体供給手段)79が配置されているが、オ
イルタンク79の底部側には、ノズル部材62に代わる
ノズル部80とピストン機構部(流量調整機構)81と
が配置されている。ノズル部80のオイル流路80a
は、オイル流路62aと同様に、オイルタンク79の貯
留部79aとタンク配置部78のベンチュリ部78aと
を連通させるものであり、そのオイル流路80aの途中
部位に、ピストン機構部81のピストンロッドがプラン
ジャ82として側方より突入されるようになっている。
【0070】ピストン機構部81は、第1実施例のよう
に、シリンダ83内のピストン84が主軸3dの径方向
に駆動されるように配置されている。そして、ピストン
84によって区切られたシリンダ83の(図10)左側
には、当該ピストン84を右方側に付勢するスプリング
85が配置されており、シリンダ83の右側(プランジ
ャ82がある側)の上方には、オイルタンク79の駆動
用エアー流路86が連通している。
【0071】プランジャ82は、その先端部分がオイル
流路80aの途中部位に設けられている挿入孔80bに
挿入され、ピストン84に外力が作用してない状態で
は、図10(a)に示すように、先端部が挿入孔80b
の反対側に設けられている凹部80cに嵌合することに
より、オイル流路80aを流れるオイルが下方へ流出し
ないようにせき止める作用をなすようになっている。そ
して、オイル流路80aの先端に設けられているノズル
80dは、タンク配置部78のベンチュリ部78aに臨
むようになっている。
【0072】また、図10において破線で示すように、
オイルタンク79には、軸方向の貫通孔であるエアー流
路87が設けられている。尚、オイルタンク79のオイ
ル供給孔64は、第3実施例と同様に、主軸3dの本体
側に配置されているオイル供給路63に連通するように
なっている。その他の構成は第3実施例と同様である。
以上が主軸装置(工作機械用主軸装置)88を構成して
いる。
【0073】次に、第5実施例の作用について説明す
る。オイルタンク79の貯留部79aには、第3実施例
と同様に、主軸3dが回転停止状態の時にオイル供給装
置58より供給されたオイルが予め貯留される。そし
て、エアー源53からの高圧空気が主軸装置88内の流
路15に供給されると、タンク配置部78に導入されて
駆動用エアー流路86に流入しオイルタンク79のピス
トン84に圧力を加えると共に、エアー流路87を介し
てベンチュリ部78aへと至る。
【0074】ピストン84は、高圧空気の圧力が印加さ
れるとスプリング85の付勢力に抗して外径方向に駆動
される。すると、プランジャ82の先端部は、オイル流
路80aの凹部80cに嵌合されている状態から脱し
て、当該部位においてせき止めているオイルをオイル流
路80aの下流側へ流出させる。尚、図10(b)は、
ピストン84が最大に変位して、プランジャ82が完全
に開放された状態を示している。そして、流出したオイ
ルは、ノズル80dよりベンチュリ部78aに噴射され
て高圧空気に混入され、オイルミストが生成される。
【0075】生成されたオイルミストは空間部35へ放
出されることになる。この状態で誘導モータ4に通電が
行われて主軸3dが回転駆動され工具12によるワーク
の切削加工が行われると、工具12の吐出孔12bから
吐出されるオイルミストによって冷却作用や潤滑作用が
生じる。この場合、主軸3dが回転駆動されることで発
生する遠心力がピストン84にも作用するので、プラン
ジャ82の開閉度合いを決定するための高圧空気の圧力
は、その分を考慮して設定するのが望ましい。
【0076】以上のように第5実施例によれば、オイル
タンク79の底部側にピストン機構部81を配置して、
オイル流路80aからのオイルの流出量を、ピストン8
4の変位量に応じたプランジャ82の開閉度合いによっ
て調整するようにしたので、ピストン84に印加される
高圧空気の圧力を適宜設定することで、工具12側に供
給するオイルミストのオイル含有量を所望の値に調整す
ることができる。
【0077】図11及び図12は本発明の第6実施例を
示すものであり、第5実施例と同一部分には同一符号を
付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明
する。第6実施例におけるオイルタンク(切削液貯留
部,流体供給手段)79′の底部側には、第5実施例に
おいてオイルタンク79の底部側に配置されていたピス
トン機構部81に代えて、圧電素子(ピエゾ素子,アク
チュエータ)89が配置されている。
【0078】圧電素子89には、主軸装置(工作機械用
主軸装置)90の外部に配置されている交流電源装置9
1から供給される交流電源が、主軸装置90の内部に配
置されているロータリトランス92を介して供給される
ようになっている。即ち、ロータリトランス92の一次
側コイル92aは、主軸装置90のハウジング側(固定
側)に配置されており、二次側コイル92bは、主軸3
e側(回転側)に配置されている。そして、二次側コイ
ル92bと圧電素子89とを接続する配線93は、主軸
3eに設けられた配線孔94の内部を経由するようにな
っている。尚、二次側の交流電源は、図示しない直流変
換部により直流電源に変換されて圧電素子89に供給さ
れるようになっている。
【0079】圧電素子89にはロッド状のプランジャ9
5が取付けられており、圧電素子89に電源が印加され
ると、そのプランジャ95を主軸3eの外径方向に変位
させるようになっている。一方、ノズル部80に代わる
ノズル部96のオイル流路96aはクランク状に屈曲し
た形状をなしてオイルタンク79′の貯留部79′aと
タンク配置部78のベンチュリ部78aとを連通させて
いる。
【0080】そして、プランジャ95の先端部は、オイ
ル流路96aの屈曲部(水平方向部分)96bの左側方
に設けられている突入孔より突入するようになってお
り、その先端部の突入度合いによってオイル流路96a
を流れるオイルの流量を調整するようになっている。
【0081】尚、圧電素子89に電源が印加された状態
では、プランジャ95の屈曲部96bに対する突入量は
最大となっており、オイル流路96aを流れるオイルを
当該部位において完全にせき止めるようになっている。
また、オイルタンク79′には、第5実施例における駆
動用エアー流路86に相当するものは存在しない。以上
において、オイルタンク79′,エアー流路87,圧電
素子89,プランジャ95及びオイル流路96aが流量
調整機構97を構成している。その他の構成は第5実施
例と同様である。
【0082】次に、第6実施例の作用について説明す
る。オイルタンク79′の貯留部79′aには、第5実
施例と同様に、主軸3eが回転停止状態の時にオイル供
給装置58より供給されたオイルが予め貯留される。そ
して、エアー源53からの高圧空気は、主軸装置90内
の流路15に供給されると、タンク配置部78に導入さ
れてエアー流路87を介してベンチュリ部78aへと至
る。
【0083】次に、交流電源装置91のスイッチ91a
が開かれ圧電素子89に電源が印加されない状態になる
と、プランジャ95が変位して、オイル流路96aの屈
曲部96bにおいてせき止められていたオイルは下方へ
流出する。すると、流出したオイルは、ノズル部96の
ノズル96cよりベンチュリ部78aに噴射されて高圧
空気に混入され、オイルミストが生成される。
【0084】尚、この場合のオイル流出量は、プランジ
ャ95の屈曲部96bに対する突入度合いで決定される
ので、圧電素子89に印加する電源電圧を調整すること
によってオイル流出量を制御することが可能である。ま
た、印加電圧を周期的にON,OFFさせることによっ
て、プランジャ95に加圧ポンプとしての動作をさせる
こともできる。
【0085】以上のように第6実施例によれば、オイル
タンク79′の底部側に圧電素子89を配置して、その
圧電素子89によりプランジャ95を駆動してオイル流
路96aを流れるオイルの流量を制御するようにしたの
で、圧電素子89に印加する電源電圧を調整することで
オイル流出量を精密に制御して、オイルミスト中に含有
させるオイルの分量を所望の値に設定することができ
る。本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限
定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で適宜変
形または拡張して実施することが可能である。
【0086】
【発明の効果】本発明は以上説明した通りであるので、
以下の効果を奏する。請求項1記載の工作機械用主軸装
置によれば、主軸が高速で回転した際に発生する強い遠
心力により流体より分離して流体通路の内壁に付着した
切削液を捕集手段によって捕集して、その捕集された切
削液を、流体供給手段によって工具の近傍において流体
に再度混入させることで、工具に供給される流体に含ま
れる切削液の割合が低下することを防止できる。
【0087】請求項2記載の工作機械用主軸装置によれ
ば、流量調整機構が、切削液貯留部に貯留されている切
削液を流体に混入する際の流量を調整するので、工具に
供給される流体に含まれている切削液の割合が所期の値
となるように制御することができる。
【0088】請求項3記載の工作機械用主軸装置によれ
ば、流体供給手段は、主軸の回転が停止している時に外
部より供給され切削液貯留部に貯留されている切削液
を、工具の近傍で流体通路に供給して切削液混入空気を
生成するので、予め外部で生成した切削液混入空気を流
体通路に供給する場合に比較して、切削液混入空気が流
体通路を通過する距離が短くなり、主軸の回転に伴って
発生する遠心力が作用し、流体通路内において切削液混
入空気より切削液が分離することを極力防止できる。
【0089】請求項4記載の工作機械用主軸装置によれ
ば、切削液貯留部に、内部に貯留されている切削液を高
圧空気の圧力を受けて加圧することで流体通路に供給す
る加圧手段を備えたので、主軸の回転速度にかかわら
ず、切削液貯留部に貯留されている切削液を流体通路に
供給するための圧力を、高圧空気の圧力に応じて付与す
ることができる。
【0090】請求項5記載の工作機械用主軸装置によれ
ば、流体供給手段を、工具を主軸と連結して装着する連
結部の内部に配置したので、切削液貯留部に貯留されて
いる切削液を工具のより近傍において高圧空気に混入さ
せることができる。
【0091】請求項6記載の工作機械用主軸装置によれ
ば、流体供給手段に、切削液貯留部に貯留されている切
削液を流体通路に導入する際の流量を調整する流量調整
機構を備えたので、工具に供給される流体に含まれる切
削液の割合が所期の値となるように制御することができ
る。
【0092】請求項7または8に記載の工作機械用主軸
装置によれば、流量調整機構を、高圧空気の供給圧力に
応じて流量を調整する構成(請求項7)とし、また、電
気的に動作するアクチュエータの駆動力に応じて流量を
調整する構成(請求項8)としたので、高圧空気の供給
圧力やアクチュエータの駆動力に応じて流量調整機構に
おける調整が最適となるように制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における主軸装置の構成を
示す縦断面図
【図2】要部を拡大して示す図
【図3】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図4】図2相当図
【図5】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【図6】図2相当図
【図7】本発明の第4実施例を示す図1相当図
【図8】図2相当図
【図9】本発明の第5実施例を示す図1相当図
【図10】図2相当図であり、(a)は高圧空気が供給
されない場合を示し、(b)は高圧空気が供給された場
合を示す
【図11】本発明の第6実施例を示す図1相当図
【図12】図2相当図
【符号の説明】
1は主軸装置(工作機械用主軸装置)、3,3a,3
b,3c,3d及び3eは主軸、15は流路(流体通
路)、16は流体供給機構部(流体供給手段)、21は
フィルタ(捕集手段)、22はオイルタンク(切削液貯
留部)、25はピストン機構部(流量調整機構)、39
はオイルタンク(切削液貯留部)、40はピストン機構
部(流量調整機構)、51は流体供給機構部(流体供給
手段)、52は主軸装置(工作機械用主軸装置)、56
はオイルタンク(切削液貯留部,流体供給手段)、57
は主軸装置(工作機械用主軸装置)、59はピストン
(加圧手段)、67はオイルタンク(切削液貯留部,流
体供給手段)、68は工具シャンク(連結部)、70は
主軸装置(工作機械用主軸装置)、79,79′はオイ
ルタンク(切削液貯留部,流体供給手段)、81はピス
トン機構部(流量調整機構)、88は主軸装置(工作機
械用主軸装置)、89は圧電素子(アクチュエータ)、
90は主軸装置(工作機械用主軸装置)、97は流量調
整機構を示す。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部に工具が装着され、回転駆動され
    るように構成された主軸と、 この主軸の軸心を貫通するように設けられ、高圧空気に
    切削液を混入させた流体が外部より供給される流体通路
    と、 前記主軸の回転に伴って発生する遠心力によって、前記
    流体通路内において前記流体より分離した切削液を捕集
    する捕集手段と、 この捕集手段によって捕集された切削液を、前記工具の
    近傍において前記流体に混入させて前記工具に供給する
    流体供給手段と備えたことを特徴とする工作機械用主軸
    装置。
  2. 【請求項2】 前記捕集手段によって捕集された切削液
    が貯留される切削液貯留部を備え、 前記流体供給手段は、前記切削液貯留部に貯留されてい
    る切削液を前記流体に混入する際の流量を調整する流量
    調整機構を備えていることを特徴とする請求項1記載の
    工作機械用主軸装置。
  3. 【請求項3】 先端部に工具が装着され、回転駆動され
    るように構成された主軸と、 この主軸の軸心を貫通するように設けられ、外部より高
    圧空気が供給される流体通路と、 外部より前記主軸の停止時に供給される切削液が貯留さ
    れる切削液貯留部を有し、この切削液貯留部に貯留され
    ている切削液を前記工具の近傍において前記流体通路に
    供給することで前記高圧空気に混入させて切削液混入空
    気を生成し、その切削液混入空気を前記工具に供給する
    流体供給手段とを備えたことを特徴とする工作機械用主
    軸装置。
  4. 【請求項4】 前記切削液貯留部は、内部に貯留されて
    いる切削液を前記高圧空気の圧力を受けて加圧すること
    で前記流体通路に供給する加圧手段を備えていることを
    特徴とする請求項3記載の工作機械用主軸装置。
  5. 【請求項5】 前記主軸は、前記工具を自身と連結して
    装着するための連結部を備え、 前記流体供給手段を、前記連結部の内部に配置したこと
    を特徴とする請求項4記載の工作機械用主軸装置。
  6. 【請求項6】 前記流体供給手段は、前記切削液貯留部
    に貯留されている切削液を前記流体通路に導入する際の
    流量を調整する流量調整機構を備えていることを特徴と
    する請求項3乃至5の何れかに記載の工作機械用主軸装
    置。
  7. 【請求項7】 前記流量調整機構は、前記高圧空気の供
    給圧力に応じて流量を調整することを特徴とする請求項
    2または6記載の工作機械用主軸装置。
  8. 【請求項8】 前記流量調整機構は、電気的に動作する
    アクチュエータの駆動力に応じて流量を調整することを
    特徴とする請求項2または6記載の工作機械用主軸装
    置。
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