JP2000208415A - 半導体薄膜結晶化方法及びレ―ザ照射装置 - Google Patents

半導体薄膜結晶化方法及びレ―ザ照射装置

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JP2000208415A
JP2000208415A JP238699A JP238699A JP2000208415A JP 2000208415 A JP2000208415 A JP 2000208415A JP 238699 A JP238699 A JP 238699A JP 238699 A JP238699 A JP 238699A JP 2000208415 A JP2000208415 A JP 2000208415A
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Japan
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thin film
semiconductor thin
substrate
energy
irradiation
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JP238699A
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English (en)
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Yukiyasu Sugano
幸保 菅野
Masahiro Fujino
昌宏 藤野
Akihiko Asano
明彦 浅野
Michio Mano
三千雄 眞野
Masumitsu Ino
益充 猪野
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ照射装置の出力性能及び繰り返し再現
性を改善して、半導体薄膜結晶化方法の生産性及び再現
性を改善する。 【解決手段】 まず成膜工程を行ない、基板0の上に非
晶質の半導体薄膜4を形成する。次に照射工程を行な
い、レーザ光50を基板0に対して相対的に走査しなが
ら半導体薄膜4に繰り返し間欠的に照射して非晶質から
多結晶に転換する。大出力レーザ照射装置を用いてお
り、総エネルギーが10J以上のレーザ光50を一回当
たり10cm2 以上の面積で半導体薄膜4に繰り返し照
射する能力がある。レーザ光50を繰り返し周波数が1
0Hz以上で照射しており、これにより半導体薄膜結晶
化方法の生産性(スループット)を改善可能である。
又、10cm2 以上の矩形面積内のエネルギー分布が±
2%以下で繰り返し照射間のエネルギーの変動が±1%
以下に制御されたレーザ光50を用いて、半導体薄膜4
の結晶化を図っている。これにより大粒径で且つ粒径サ
イズが揃った多結晶半導体薄膜5を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エキシマレーザ光
を用いた半導体薄膜の結晶化方法及びレーザ照射装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】アクティブマトリクス型液晶表示装置の
画素のスイッチングに用いる薄膜トランジスタ、スイッ
チングトランジスタを駆動する周辺回路に形成される薄
膜トランジスタ、負荷素子型のスタティックRAMに用
いる薄膜トランジスタなどは、活性層として非晶質シリ
コンあるいは多結晶シリコンが使われている。多結晶シ
リコンは非晶質シリコンに比べ移動度が高いので高性能
な薄膜トランジスタが得られる。しかし、多結晶シリコ
ンは単結晶シリコンと比べると、シリコン原子の未結合
手が高密度に存在しているので、これらの未結合手がチ
ャネルオフ時においてリーク電流の発生原因になってい
る。この結果、スイッチオンの時の動作速度を低下させ
る原因になっている。従って、薄膜トランジスタの特性
を向上させるには、結晶欠陥が少ない均一性に優れた多
結晶シリコンの半導体薄膜を形成することが要求され
る。この様な多結晶半導体薄膜の形成方法としては、エ
キシマレーザ光を用いたアニール処理が提案されてい
る。エキシマレーザ光は紫外波長である為、シリコンの
吸収係数が大きく、シリコン表面のみを局部的に加熱で
き絶縁基板に熱的ダメージを与えることが少ないという
利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】エキシマレーザ光を発
するレーザ照射装置としては、従来レーザ光の照射面積
が200mm×0.7mm程度の線状ビームを用い、9
0%程度オーバーラップさせて重ね打ちするものが一般
的である。又、近年シングルショットで大面積を一括し
てアニール処理することが可能な、大出力エネルギーを
持ったエキシマレーザ照射装置も開発されている。例え
ば、10Jの出力を有するエキシマレーザ光源を用い、
27mm×67mmの領域を一括照射することが可能に
なっている。しかし、レーザ照射装置の能力に限界があ
り、レーザ光の照射繰り返し周波数は1Hz以下であ
り、実用上の実力は1/6Hz程度に過ぎない。従っ
て、従来のレーザ照射装置は大量生産処理能力に欠けて
おり、スループットが不足するという課題がある。又、
従来のレーザ照射装置はレーザ光の出力がショット毎に
数%のオーダーで変動する為、半導体薄膜の結晶化状態
にばらつきが生じるという課題がある。換言すると、従
来のレーザ照射装置はレーザ光出力の繰り返し再現性が
不十分である。
【0004】
【課題を解決する為の手段】上述した従来の技術の課題
を解決する為、本発明はレーザ照射装置の出力性能及び
繰り返し再現性を改善して、半導体薄膜結晶化方法の生
産性及び再現性を改善することを目的とする。係る目的
を達成する為に以下の手段を講じた。即ち、基板の上に
非晶質又は比較的粒径の小さな多結晶の半導体薄膜を形
成する成膜工程と、総エネルギーが10J以上のエネル
ギービームを基板に対して相対的に走査しながら一回当
たり10cm以上の面積で該半導体薄膜に繰り返し間
欠的に照射して非晶質又は比較的粒径の小さな多結晶か
ら比較的粒径の大きな多結晶に転換する照射工程とから
なる半導体薄膜結晶化方法において、前記照射工程は、
該エネルギービームを繰り返し周波数が10Hz以上で
照射することを特徴とする。又、基板の上に形成された
非晶質又は比較的粒径の小さな多結晶の半導体薄膜に、
レーザ光を相対的に走査しながら繰り返し間欠的に照射
して比較的粒径の大きな多結晶に転換するレーザ照射装
置において、エネルギーが10J以上のレーザ光を間欠
的に発するレーザ光源と、該レーザ光の照射領域を10
cm以上の矩形に整形する整形手段と、該基板に対し
て照射領域を走査しながら繰り返し周波数が10Hz以
上で該半導体薄膜を照射する走査手段とを有することを
特徴とする。
【0005】又、本発明は、基板の上に非晶質又は比較
的粒径の小さな多結晶の半導体薄膜を形成する成膜工程
と、総エネルギーが10J以上のエネルギービームを基
板に対して相対的に走査しながら一回当たり10cm
以上の面積で該半導体薄膜に繰り返し間欠的に照射して
非晶質又は比較的粒径の小さな多結晶から比較的粒径の
大きな多結晶に転換する照射工程とからなる半導体薄膜
結晶化方法において、前記照射工程は、上記面積内のエ
ネルギー分布が±2%以下で繰り返し照射間のエネルギ
ーの変動が±1%以下に制御されたエネルギービームを
用いることを特徴とする。更に、基板の上に形成された
非晶質又は比較的粒径の小さな多結晶の半導体薄膜に、
レーザ光を相対的に走査しながら繰り返し間欠的に照射
して比較的粒径の大きな多結晶に転換するレーザ照射装
置において、エネルギーが10J以上のレーザ光を間欠
的に発するレーザ光源と、該レーザ光の照射領域を10
cm以上の矩形に整形する整形手段と、上記面積内の
エネルギー分布を±2%以下に制御し且つ繰り返し照射
間のエネルギーの変動を±1%以下に制御する制御手段
とを有することを特徴とする。
【0006】本発明によれば、総エネルギーが10J以
上で照射面積が10cm2 以上の高出力レーザ照射装置
を用いて半導体薄膜を結晶化する際、エキシマレーザ光
の照射繰り返し周波数を10Hz以上に設定すること
で、スループットの増大化を図っている。更に、照射エ
ネルギーの面内分布を±2%以下で且つショット間の繰
り返し均一性を±1%以下に制御することで、結晶化さ
れた半導体薄膜の品質を改善している。
【0007】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図1は本発明に係る半導体薄
膜結晶化方法の実施形態を示す模式的である。(a)に
示す様に、まず成膜工程を行ない、基板0の上に非晶質
の半導体薄膜4を形成する。場合によっては非晶質に代
えて比較的粒径の小さな多結晶からなる半導体薄膜4を
形成してもよい。尚、半導体薄膜4の形成に先立って、
基板0の表面に下地膜20を形成し、基板0から半導体
薄膜4への不純物汚染などを防いでいる。次に(b)に
示す様に照射工程を行ない、レーザ光50を基板0に対
して相対的に走査しながら半導体薄膜に繰り返し間欠的
に照射して非晶質又は比較的粒径の小さな多結晶から比
較的粒径の大きな多結晶に転換する。尚、場合によって
はレーザ光50に代えて電子ビームなど他のエネルギー
ビームを用いて多結晶半導体薄膜5を形成してもよい。
本発明では大出力レーザ照射装置を用いて半導体薄膜結
晶化方法を実現しており、総エネルギーが10J以上の
レーザ光50を一回当たり10cm 2 以上の面積で半導
体薄膜に繰り返し照射する能力がある。本発明の第一の
特徴事項として、レーザ光50を繰り返し周波数が10
Hz以上で照射しており、これにより半導体薄膜結晶化
方法の生産性(スループット)を改善可能である。第二
の特徴事項として、10cm2 以上の矩形面積内のエネ
ルギー分布が±2%以下で繰り返し照射間のエネルギー
の変動が±1%以下に制御されたレーザ光50を用い
て、半導体薄膜4の結晶化を図っている。これにより大
粒径で且つ粒径サイズが揃った多結晶半導体薄膜5を得
ることができる。
【0008】図2は本発明に係るレーザ照射装置を示す
ブロック図である。本レーザ照射装置は、レーザ発振器
51で発射された波長308nmのレーザ光50が一対
のレーザ反射鏡51a,51bで増幅された後、フライ
アイレンズ52を含むホモジェナイザー部53で矩形に
整形され且つ均一化される。尚、レーザ発振器51は高
効率の冷却機構59により効率的に冷却されている。こ
の後レーザ光50は反射鏡54で直角に反射され、処理
対象となる絶縁基板0に照射される。絶縁基板0は図示
する様にX方向及びY方向にステップ移動可能なステー
ジ56に搭載されており、レーザ光50のパルス照射に
同期して、所定距離X方向又はY方向に移動することが
できる。本装置では、ホモジェナイザー部53におい
て、レーザ光50を面積が10cm2 以上の矩形に整形
する。この断面形状で総エネルギーが10J以上のレー
ザ光50を照射すると、絶縁基板0上では結晶化に十分
なエネルギー密度(例えば300mJ/cm2 程度)を
得ることができる。尚、レーザ光50のエネルギーレベ
ルの制御はエネルギー測定プローブ55を介して行なわ
れる。本発明では、レーザ発振に用いるガスの入れ換え
を短時間化した、高速ガス循環機構を採用することによ
り、高周波数化を実現している。ガスとしてはXeC
l,HClと希釈用のNeを用いている。これにより、
総エネルギーが10乃至15J程度の高出力レーザ照射
装置でも、10Hz以上の繰り返し周波数を実現してい
る。また、フライアイレンズ52により矩形に形成され
たレーザ光50の面内エネルギー分布(エネルギーのば
らつき)が±2%以下に入る様に調整している。加え
て、エネルギー測定プローブ55を用いた制御系などに
より、レーザ光50の繰り返し照射間のエネルギーの変
動が±1%以下になる様、フィードバック制御してい
る。
【0009】図3は図2に示したレーザ照射装置を用い
た半導体薄膜結晶化方法の具体例を模式的に示した平面
図である。例えば、600mm×720mmのサイズを
有する大型基板を27mm×67mmの矩形断面を有す
るレーザ光で、矩形の短辺方向には13.5mm(レー
ザ光のビーム幅の半分)を重ねて、矩形の長辺方向には
5mm重ねて照射すると、基板全面の半導体薄膜を結晶
化する為に540回の繰り返し照射(ショット)が必要
である。ここで、従来の大出力レーザ照射装置は照射繰
り返し周波数が最大1Hzまでに限られている。この装
置を用いて1Hzで照射すると一枚当たりの処理時間が
9分になる。通常、一工程の所要時間は1分が目安にな
っており、これではスループットが不足することにな
る。従って、照射繰り返し周波数を少なくとも10Hz
に高速化する必要がある。上述した様に、本発明では大
型の冷却器を用いることによりレーザ照射装置の高速化
を技術的に解決している。この結果、基板一枚当たりの
処理時間は0.9分(54秒)となり、十分に実用範囲
となる。
【0010】次に図4を参照して、ショット間の繰り返
し均一性若しくは再現性について説明する。図4は、照
射エネルギー密度と形成される多結晶シリコンの平均結
晶粒径との関係を示すグラフである。照射エネルギー密
度に対し平均結晶粒径は徐々に増加するが、330mJ
/cm2 当たりにある最適値を超えると逆に微結晶化し
てしまう。例えば、0.5μm以上の平均結晶粒径を得
ようとする場合、グラフから明らかな様に、照射エネル
ギー密度は310mJ/cm2 から330mJ/cm2
の間の20mJ/cm2 の範囲に収めなければならな
い。特に、330mJ/cm2 を超えると平均結晶粒径
は急激に小さくなってしまう。照射エネルギー密度を2
0mJ/cm2 の範囲に収める為には、基板上における
照射エネルギー密度の均一性(安定性)は±3%以内に
収める必要がある。一般に、レーザ発振器から放射した
レーザ光をホモジェナイザー部を通すことで、レーザ光
の面内分布は±2%程度に抑えることが可能である。従
って、照射エネルギーの繰り返し再現性(ショット間均
一性)を±1%以下に収めることができれば、全体とし
て基板上における照射エネルギー密度の均一性を±3%
以内に収められる。本発明では、例えば図2に示したエ
ネルギー測定プローブ55を用いたフィードバック制御
により照射エネルギーの繰り返し再現性(ショット間均
一性)を±1%以下に収めている。係る均一性を確保す
ることで、絶縁基板上に安定した再現性で平均結晶粒径
が0.5μm以上の多結晶シリコンの膜を形成すること
が可能になる。
【0011】図5は照射回数と照射エネルギー密度との
関係を示すグラフであり、照射エネルギーの繰り返し再
現性を図式化したものである。尚、このデータは安定化
対策を施す前の状態であり、照射エネルギー密度は60
0mJ/cm2 をほぼ中心として、上下に±2%程度変
動している。本発明ではこれを±1%程度の変動に収め
ている。尚、図5に示したデータはレーザ発振器に印加
する電圧を22.9kVに設定した場合である。
【0012】図6はレーザ発振器に印加する電圧と安定
性との関係を示すグラフである。このグラフは参考とし
て安定化対策を施す前の測定結果を表わしている。グラ
フから明らかな様に、実用範囲にある印加電圧に対して
安定性は絶対値で2%程度である。本発明では前述した
様に所定の安定化対策を施すことにより繰り返しショッ
ト間のエネルギーの変動を絶対値で1%以下に収めてい
る。
【0013】図7は、本発明に係る半導体薄膜結晶化方
法を利用した薄膜トランジスタの製造方法を示す工程図
である。ここでは、ボトムゲート構造の薄膜トランジス
タの製造方法を示す。まず(a)に示すように、例えば
ガラス等からなる絶縁基板0の上に例えばAl,Ta,
Mo,W,Cr,Cuまたはこれらの合金を例えば10
0乃至200nmの厚みで形成し、パタニングしてゲー
ト電極1に加工する。
【0014】次いで(b)に示すように、ゲート電極1
の上にゲート絶縁膜を形成する。本例では、ゲート絶縁
膜はゲート窒化膜2(SiNx )/ゲート酸化膜3(S
iO 2 )の二層構造を用いた。ゲート窒化膜2は例えば
SiH4 ガスとNH3 ガスの混合物を原料気体として用
い、例えばプラズマCVD法(PCVD法)で成膜し
た。尚、プラズマCVDに変えて常圧CVD、減圧CV
Dを用いてもよい。本実施例では、ゲート窒化膜2を例
えば50nmの厚みで堆積した。ゲート窒化膜2の成膜
に連続してゲート酸化膜3を例えば約200nmの厚み
で成膜する。さらにゲート酸化膜3の上に連続的に非晶
質シリコンからなる半導体薄膜4を例えば約30乃至8
0nmの厚みで成膜した。二層構造のゲート絶縁膜と非
晶質半導体薄膜4は成膜チャンバの真空系を破らず連続
成膜した。以上の成膜でプラズマCVD法を用いた場合
には、例えば400乃至450℃の温度で窒素雰囲気中
1時間程度加熱処理を行い、非晶質半導体薄膜4に含有
されていた水素を放出する。いわゆる脱水素アニールを
行なう。次いでレーザ光50を照射し、非晶質半導体薄
膜4を結晶化する。レーザ光50としてはエキシマレー
ザビームを用いることができる。総エネルギーが10J
以上のレーザ光50を基板0に対して相対的に走査しな
がら一回当たり10cm以上の面積で半導体薄膜4に
繰り返し間欠的に照射して非晶質から多結晶に転換す
る。この照射工程は、レーザ光50を繰り返し周波数が
10Hz以上で照射する。又、この照射工程は、上記面
積内のエネルギー分布が±2%以下で繰り返し照射間の
エネルギーの変動が±1%以下に制御されたレーザ光5
0を用いる。総エネルギーが10J以上で照射面積が1
0cm2 以上の高出力レーザ照射装置を用いて半導体薄
膜4を結晶化する際、エキシマレーザ光50の照射繰り
返し周波数を10Hz以上に設定することで、スループ
ットの増大化を図っている。更に、照射エネルギーの面
内分布を±2%以下で且つショット間の繰り返し均一性
を±1%以下に制御することで、結晶化された半導体薄
膜50の品質を改善している。
【0015】(c)に示すように、前工程で結晶化され
た多結晶半導体薄膜5の上に例えばプラズマCVD法で
SiO2 を例えば約100nm乃至300nmの厚みで
形成する。このSiO2 を所定の形状にパタニングして
ストッパー膜6に加工する。この場合、例えば裏面露光
技術を用いてゲート電極1と整合するようにストッパー
膜6をパタニングしている。ストッパー膜6の直下に位
置する多結晶半導体薄膜5の部分はチャネル領域Chと
して保護される。続いて、ストッパー膜6をマスクとし
て例えばイオンドーピングにより不純物(たとえばP+
イオン)を半導体薄膜5に注入し、LDD領域を形成す
る。この時のドーズ量は例えば6×10 12乃至5×10
13/cm2 である。さらにストッパー膜6及びその両側
のLDD領域を被覆するようにフォトレジストをパタニ
ング形成したあと、これをマスクとして不純物(たとえ
ばP+イオン)を高濃度で注入し、ソース領域S及びド
レイン領域Dを形成する。不純物注入には、例えばイオ
ンドーピングを用いることができる。これは質量分離を
かけることなく電界加速で不純物を注入するものであ
り、本実施例では例えば1×1015/cm2 程度のドー
ズ量で不純物を注入し、ソース領域S及びドレイン領域
Dを形成した。尚、図示しないが、Pチャネルの薄膜ト
ランジスタを形成する場合には、Nチャネル型薄膜トラ
ンジスタの領域をフォトレジストで被覆したあと、不純
物をP+イオンからB+イオンに切換え例えばドーズ量
1×1015/cm2 程度でイオンドーピングすればよ
い。このあと、多結晶半導体薄膜5に注入された不純物
を活性化する。例えば、エキシマレーザ光源を用いたレ
ーザ活性化アニールが行なわれる。即ち、エキシマレー
ザのパルスを走査しながらガラス基板0に照射して、多
結晶半導体薄膜5に注入されていた不純物を活性化す
る。
【0016】最後に(d)に示すように、例えばSiO
2 を約200nmの厚みで成膜し、層間絶縁膜7とす
る。層間絶縁膜7の形成後、例えばSiNx をプラズマ
CVD法で例えば約200乃至400nm成膜し、パシ
ベーション膜(キャップ膜)8とする。この段階で窒素
ガス又はフォーミングガス中又は真空中雰囲気下で35
0℃程度の加熱処理を1時間行い、層間絶縁膜7に含ま
れる水素原子を半導体薄膜5中に拡散させる。この後、
コンタクトホールを開口し、例えばMo,Alなどを2
00乃至400nmの厚みでスパッタした後、所定の形
状にパタニングして配線電極9に加工する。さらに、例
えばアクリル樹脂などからなる平坦化層10を1μm程
度の厚みで塗布したあと、コンタクトホールを開口す
る。平坦化層10の上に例えばITOやIXO等からな
る透明導電膜をスパッタした後、所定の形状にパタニン
グして画素電極11に加工する。
【0017】最後に図8を参照して本発明に従って製造
した薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリクス型
表示装置の一例を説明する。図示するように、本表示装
置は一対の絶縁基板101,102と両者の間に保持さ
れた電気光学物質103とを備えたパネル構造を有す
る。電気光学物質103としては、例えば液晶材料を用
いる。下側の絶縁基板101には画素アレイ部104と
駆動回路部とが集積形成されている。駆動回路部は垂直
スキャナ105と水平スキャナ106とに分かれてい
る。また、絶縁基板101の周辺部上端には外部接続用
の端子部107が形成されている。端子部107は配線
108を介して垂直スキャナ105及び水平スキャナ1
06に接続している。画素アレイ部104には行状のゲ
ート配線109と列状の信号配線110が形成されてい
る。両配線の交差部には画素電極111とこれを駆動す
る薄膜トランジスタ112が形成されている。薄膜トラ
ンジスタ112のゲート電極は対応するゲート配線10
9に接続され、ドレイン領域は対応する画素電極111
に接続され、ソース領域は対応する信号配線110に接
続している。ゲート配線109は垂直スキャナ105に
接続する一方、信号配線110は水平スキャナ106に
接続している。画素電極111をスイッチング駆動する
薄膜トランジスタ112及び垂直スキャナ105と水平
スキャナ106に含まれる薄膜トランジスタは、本発明
に従って作製されたものである。更には、垂直スキャナ
や水平スキャナに加え、ビデオドライバやタイミングジ
ェネレータも絶縁基板101内に集積形成することも可
能である。これらの薄膜トランジスタは、半導体薄膜
と、その一面に重ねられたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁
膜を介して半導体薄膜に重ねられたゲート電極とを含む
積層構成を有する。半導体薄膜は、基板101の上に非
晶質シリコン又は比較的粒径の小さな多結晶シリコンを
形成した後、総エネルギーが10J以上のエネルギービ
ームを基板に対して相対的に走査しながら繰り返し間欠
的に照射して比較的粒径の大きな多結晶シリコンに転換
したものであり、エネルギービームの照射領域を10c
以上の矩形に整形し、基板101に対して照射領域
を走査しながら、繰り返し周波数が10Hz以上の照射
により結晶化されたものである。又、半導体薄膜は、上
記矩形内のエネルギー分布が±2%以下で繰り返し照射
間のエネルギーの変動が±1%以下に制御されたエネル
ギービームを用いて結晶化されたものである。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エキシマレーザ照射装置を用いた半導体薄膜結晶化方法
においてレーザ光の繰り返し照射周波数を10Hz以上
に上げることで、プロセスのスループットとして通常必
要とされる一枚/分が実現できる。又、照射エネルギー
の面内分布を±2%以下で且つショット間の繰り返し変
動を±1%以下に抑えることで、基板全面に亘って平均
結晶粒径が0.5μm以上の多結晶半導体薄膜を形成で
きる。以上の様に、本発明によれば、高スループットで
高い均一性を有する多結晶半導体薄膜を作成でき、高性
能な液晶表示装置などの量産化を行なうことが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体薄膜結晶化方法を示す模式
図である。
【図2】本発明に係るレーザ照射装置を示すブロック図
である。
【図3】本発明に係る半導体薄膜結晶化方法を示す模式
図である。
【図4】照射エネルギー密度と平均結晶粒径との関係を
示すグラフである。
【図5】照射エネルギー密度のショット間変動を示すグ
ラフである。
【図6】レーザ発振器の印加電圧と出力安定性との関係
を示すグラフである。
【図7】本発明に係る薄膜トランジスタの製造方法を示
す工程図である。
【図8】本発明に係る表示装置を示す模式的な斜視図で
ある。
【符号の説明】
0・・・基板、4・・・非晶質半導体薄膜、5・・・多
結晶半導体薄膜、20・・・下地膜、50・・・レーザ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 明彦 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 眞野 三千雄 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 猪野 益充 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5F052 AA02 BA04 BA13 BB07 CA10 DA02 JA01 5F110 AA01 BB01 CC07 DD02 EE02 EE23 FF02 FF03 FF09 FF30 GG02 GG13 GG35 GG45 GG58 HJ13 HJ22 HK07 HK33 HL03 HL04 HL23 HM15 NN03 NN23 NN24 NN35 NN40 PP05 PP06 QQ09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の上に非晶質又は比較的粒径の小さ
    な多結晶の半導体薄膜を形成する成膜工程と、 総エネルギーが10J以上のエネルギービームを基板に
    対して相対的に走査しながら一回当たり10cm以上
    の面積で該半導体薄膜に繰り返し間欠的に照射して非晶
    質又は比較的粒径の小さな多結晶から比較的粒径の大き
    な多結晶に転換する照射工程とからなる半導体薄膜結晶
    化方法において、 前記照射工程は、該エネルギービームを繰り返し周波数
    が10Hz以上で照射することを特徴とする半導体薄膜
    結晶化方法。
  2. 【請求項2】 基板の上に形成された非晶質又は比較的
    粒径の小さな多結晶の半導体薄膜に、レーザ光を相対的
    に走査しながら繰り返し間欠的に照射して比較的粒径の
    大きな多結晶に転換するレーザ照射装置であって、 エネルギーが10J以上のレーザ光を間欠的に発するレ
    ーザ光源と、 該レーザ光の照射領域を10cm以上の矩形に整形す
    る整形手段と、 該基板に対して照射領域を走査しながら繰り返し周波数
    が10Hz以上で該半導体薄膜を照射する走査手段とを
    有することを特徴とするレーザ照射装置。
  3. 【請求項3】 半導体薄膜と、その一面に重ねられたゲ
    ート絶縁膜と、ゲート絶縁膜を介して半導体薄膜に重ね
    られたゲート電極とを含む積層構成を有する薄膜トラン
    ジスタであって、 前記半導体薄膜は、基板の上に非晶質シリコン又は比較
    的粒径の小さな多結晶シリコンを形成した後、総エネル
    ギーが10J以上のエネルギービームを基板に対して相
    対的に走査しながら繰り返し間欠的に照射して比較的粒
    径の大きな多結晶シリコンに転換したものであり、 該エネルギービームの照射領域を10cm以上の矩形
    に整形し、該基板に対して照射領域を走査しながら、繰
    り返し周波数が10Hz以上の照射により結晶化された
    半導体薄膜であることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  4. 【請求項4】 所定の間隙を介して互いに接合した一対
    の基板と、該間隙に保持された電気光学物質とを有し、
    一方の基板には対向電極を形成し、他方の基板には画素
    電極及びこれを駆動する薄膜トランジスタを形成し、該
    薄膜トランジスタを、半導体薄膜とその一面にゲート絶
    縁膜を介して重ねられたゲート電極とで形成した表示装
    置であって、 前記半導体薄膜は、他方の基板の上に非晶質シリコン又
    は比較的粒径の小さな多結晶シリコンを形成した後、総
    エネルギーが10J以上のエネルギービームを基板に対
    して相対的に走査しながら繰り返し間欠的に照射して比
    較的粒径の大きな多結晶シリコンに転換したものであ
    り、 該エネルギービームの照射領域を10cm以上の矩形
    に整形し、該基板に対して照射領域を走査しながら、繰
    り返し周波数が10Hz以上の照射により結晶化された
    半導体薄膜であることを特徴とする表示装置。
  5. 【請求項5】 基板の上に非晶質又は比較的粒径の小さ
    な多結晶の半導体薄膜を形成する成膜工程と、 総エネルギーが10J以上のエネルギービームを基板に
    対して相対的に走査しながら一回当たり10cm以上
    の面積で該半導体薄膜に繰り返し間欠的に照射して非晶
    質又は比較的粒径の小さな多結晶から比較的粒径の大き
    な多結晶に転換する照射工程とからなる半導体薄膜結晶
    化方法において、 前記照射工程は、上記面積内のエネルギー分布が±2%
    以下で繰り返し照射間のエネルギーの変動が±1%以下
    に制御されたエネルギービームを用いることを特徴とす
    る半導体薄膜結晶化方法。
  6. 【請求項6】 基板の上に形成された非晶質又は比較的
    粒径の小さな多結晶の半導体薄膜に、レーザ光を相対的
    に走査しながら繰り返し間欠的に照射して比較的粒径の
    大きな多結晶に転換するレーザ照射装置であって、 エネルギーが10J以上のレーザ光を間欠的に発するレ
    ーザ光源と、 該レーザ光の照射領域を10cm以上の矩形に整形す
    る整形手段と、 上記面積内のエネルギー分布を±2%以下に制御し且つ
    繰り返し照射間のエネルギーの変動を±1%以下に制御
    する制御手段とを有することを特徴とするレーザ照射装
    置。
  7. 【請求項7】 半導体薄膜と、その一面に重ねられたゲ
    ート絶縁膜と、ゲート絶縁膜を介して半導体薄膜に重ね
    られたゲート電極とを含む積層構成を有する薄膜トラン
    ジスタであって、 前記半導体薄膜は、基板の上に非晶質シリコン又は比較
    的粒径の小さな多結晶シリコンを形成した後、総エネル
    ギーが10J以上のエネルギービームを基板に対して相
    対的に走査しながら繰り返し間欠的に照射して比較的粒
    径の大きな多結晶シリコンに転換したものであり、 該エネルギービームの照射領域を10cm以上の矩形
    に整形し、上記矩形内のエネルギー分布が±2%以下で
    繰り返し照射間のエネルギーの変動が±1%以下に制御
    されたエネルギービームを用いて結晶化された半導体薄
    膜であることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  8. 【請求項8】 所定の間隙を介して互いに接合した一対
    の基板と、該間隙に保持された電気光学物質とを有し、
    一方の基板には対向電極を形成し、他方の基板には画素
    電極及びこれを駆動する薄膜トランジスタを形成し、該
    薄膜トランジスタを、半導体薄膜とその一面にゲート絶
    縁膜を介して重ねられたゲート電極とで形成した表示装
    置であって、 前記半導体薄膜は、基板の上に非晶質シリコン又は比較
    的粒径の小さな多結晶シリコンを形成した後、総エネル
    ギーが10J以上のエネルギービームを基板に対して相
    対的に走査しながら繰り返し間欠的に照射して比較的粒
    径の大きな多結晶シリコンに転換したものであり、 該エネルギービームの照射領域を10cm以上の矩形
    に整形し、上記矩形内のエネルギー分布が±2%以下で
    繰り返し照射間のエネルギーの変動が±1%以下に制御
    されたエネルギービームを用いて結晶化された半導体薄
    膜であることを特徴とする表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8337618B2 (en) 2009-10-26 2012-12-25 Samsung Display Co., Ltd. Silicon crystallization system and silicon crystallization method using laser
KR20180030356A (ko) * 2016-09-13 2018-03-22 삼성디스플레이 주식회사 결정화 방법 및 결정화 장치

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