JP2000200543A - 封止パネル装置及びその製造方法 - Google Patents

封止パネル装置及びその製造方法

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JP2000200543A
JP2000200543A JP11001749A JP174999A JP2000200543A JP 2000200543 A JP2000200543 A JP 2000200543A JP 11001749 A JP11001749 A JP 11001749A JP 174999 A JP174999 A JP 174999A JP 2000200543 A JP2000200543 A JP 2000200543A
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Kazuo Kikuchi
一夫 菊地
Tomoo Kosugi
知生 小杉
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】真空空間の真空度を向上させると共に高真空度
の長期間維持を可能とする信頼性の高い封止パネル装置
提供する。 【解決手段】封止パネル装置は、対向配置された第1パ
ネルP1と第2パネルP2とが周縁部において接着層A
mによって接着され、第1パネルP1と第2パネルP2
と接着層Amとによって囲まれた空間が真空にされた封
止パネル装置であって、接着層Amは低融点金属材料か
ら成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、封止パネル装置及
びその製造方法に関し、より詳しくは、対向配置された
2枚のパネルの間の空間が真空にされたパネル装置の真
空度を良好に維持することを可能とする封止パネル装置
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、画像表示装置の分野において、
対向配置された2枚のパネルの間の空間が真空にされた
封止パネル装置が用いられている。封止パネル装置の一
般的な構成において、真空空間を規定する部材は、2枚
のパネル及びこれら2枚のパネルの間に介在する接合材
料層、あるいは2枚のパネルを所定の離間距離にて保持
するための支持部材である枠体と接合材料層との組み合
わせである。枠体は、通常、剛性材料で構成されている
ので、真空空間の真空度の維持の良否を決定付ける部材
は、実質的には接合材料層である。
【0003】かかる封止パネル装置の具体例として、平
面画像表示装置、例えば冷陰極電界電子放出型の表示装
置(以下、単に表示装置と称する)を挙げることができ
る。この表示装置は、透明支持体上に蛍光体層とアノー
ド電極とが形成されて成るアノード・パネルと、支持体
上に複数の冷陰極電界電子放出素子(以下、単に電界放
出素子と称する)が形成されて成るカソード・パネルと
が、真空空間を挟んで対向配置された構成を有する。電
界放出素子は、ミクロン・オーダーの寸法にて形成され
た電子放出部を有しており、この電子放出部が或る強度
以上の電界中に置かれたときに電子放出部から真空中へ
向けて電子が放出され、この電子がアノード電極に引き
つけられて蛍光体に衝突し、発光を得る仕組みである。
【0004】上述の表示装置に代表される封止パネル装
置において、接合材料層の構成材料として、低融点のガ
ラス系材料、所謂フリットガラスが広く用いられてい
る。フリットガラスは、ガラス微粒子を有機バインダ中
に分散させた高粘度のペースト状材料であり、所定のパ
ターンに塗布した後、焼成によって有機バインダを除去
することにより、固体状の接合材料層となる。
【0005】また、特開平7−122189号公報に
は、2枚のパネル1,2の間にガラス・スペーサ13を
介在させ、フリットガラスのような接合材料を用いるこ
となく、互いに直接接合して気密的に封止する技術が開
示されている。この直接接合は、具体的には陽極接合に
よって行われる。即ち、2枚のパネル1,2とガラス・
スペーサ13にそれぞれ電極を形成し、両パネルを30
0゜C程度に加熱しながら、これらの電極間にパネル
1,2側が正、ガラス・スペーサ13側が負となるよう
な直流電圧を印加し、パネル1,2とガラス・スペーサ
13との接触面において両者を融着させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
封止方法には問題点もある。先ず、フリットガラスを使
用して形成された封止パネル装置は、両パネル間の絶縁
性能には優れるものの、真空空間の汚染や真空度の劣化
を生じ易い。真空空間の汚染は、主としてフリットガラ
スのペーストに含まれる有機バインダに起因する。ま
た、真空度の劣化は、フリットガラスの高温焼成中にお
ける脱ガスに起因する。フリットガラスのペーストは一
般に高粘度であるため、パネル上に所定のパターンに塗
布する際に、塗膜中に気泡が形成され易く、この気泡の
中に含まれていたガスがパネル間の空間に放出されて真
空度を劣化させる。
【0007】パネル間の空間に何らかのガスが存在して
いると、例えば冷陰極電界電子放出型の表示装置におい
ては、このガスから生じたイオンによって微小な電子放
出部がスパッタされ、電子放出効率が変化したり、ある
いは電子放出部が損傷を受けて表示装置の寿命が短縮す
るといった問題がある。また、フリットガラスの塗布
量、塗布厚さ、塗布幅等の制御は煩雑であり、均一な塗
膜形成が難しいために、局部的なパネルの接合不良を生
じ易い。更に、焼成におおよそ450゜C以上の高温を
要するので、加熱や冷却の工程に時間がかかり、生産性
を大幅に向上させることが困難である。
【0008】一方、陽極接合では、真空空間の汚染や真
空度の劣化の問題は比較的起こり難いが、陽極接合を行
うための電極を予めパネルとガラス・スペーサとに形成
しておく必要があること、数百Vオーダーの高電圧を要
すること、従って、パネルの構成材料の選択幅が限られ
ること等の問題がある。
【0009】そこで本発明は、真空空間の真空度を向上
させると共に高真空度の長期間維持を可能とする信頼性
の高い封止パネル装置、及び、かかる封止パネル装置
を、煩雑な操作を一切必要とせず、高い生産性をもって
製造することが可能な製造方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の第1の態様に係る封止パネル装置は、対向
配置された第1パネルと第2パネルとが周縁部において
接着層によって接着され、第1パネルと第2パネルと接
着層とによって囲まれた空間が真空にされた封止パネル
装置であって、接着層は低融点金属材料から成ることを
特徴とする。接着層の厚さは、第1パネルと第2パネル
と接着層とによって囲まれた空間が確実に真空状態に保
持される厚さであって、しかも、封止パネル装置に要求
される第1パネルと第2パネルとの対向距離に基づき決
定すればよく、0.1mm乃至0.2mmを例示するこ
とができる。
【0011】本発明の第1の態様に係る封止パネル装置
においては、第1パネルと第2パネルとの間隔を一定に
維持するための間隔維持部材が、第1パネルと第2パネ
ルとの間に挟持されている構成とすることもできる。間
隔維持部材は、典型的には、絶縁性を有するガラスやセ
ラミック等の剛性材料から構成することができる。間隔
維持部材を用いることにより、接着層のみから構成され
ている場合に比べて、第1パネルと第2パネルとの対向
距離をより精度良くより制御することが可能となる。間
隔維持部材の構成材料や形状や寸法は特に限定されない
が、所望の対向距離に応じて選択された直径を有する球
体、あるいは円筒体であることが好ましい。尚、後述す
る本発明の第1の態様に係る封止パネル装置の製造方法
において間隔維持部材を用いる場合も同様である。間隔
維持部材は、第1パネルと第2パネルと接着層とによっ
て囲まれた空間内にて挟持されていてもよいし、空間外
にて挟持されていてもよい。
【0012】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る封止パネル装置は、枠体、並びに、該枠体
を挟んで対向配置された第1パネル及び第2パネルから
成り、枠体と第1パネルとは第1接着層によって接着さ
れ、枠体と第2パネルとは第2接着層によって接着さ
れ、第1パネルと第1接着層と枠体と第2接着層と第2
パネルとによって囲まれた空間が真空にされた封止パネ
ル装置であって、第2接着層は低融点金属材料から成る
ことを特徴とする。
【0013】本発明の第2の態様に係る封止パネル装置
にあっては、枠体の高さを選択することにより、本発明
の第1の態様に係る封止パネル装置に比べて、パネル間
の対向距離をより長く設定することが可能である。枠体
は、絶縁性を有するガラス、セラミック等の剛性材料か
ら構成することができる。尚、後述する本発明の第2及
び第3の態様に係る封止パネル装置の製造方法における
枠体も同様とすればよい。
【0014】本発明の第2の態様に係る封止パネル装置
においては、2層の接着層の内の1層(即ち、第2接着
層)は必ず低融点金属材料から構成される。従って、2
層共フリットガラスを用いて構成されていた従来の封止
パネル装置に比べ、真空度の維持がより確実となり、封
止パネル装置の長寿命化を図ることができる。第2の態
様に係る封止パネル装置は、第1接着層の構成材料によ
って更に、以下の4つの構成に分けることができる。
【0015】即ち、本発明の第2の態様に係る封止パネ
ル装置においては、第1接着層は低融点金属材料から成
り、第1接着層を構成する低融点金属材料の融点と、第
2接着層を構成する低融点金属材料の融点とは、略等し
い構成(第1の構成と呼ぶ場合がある)とすることがで
きる。このような構成にすることによって、1回の加熱
プロセスで第1パネルと枠体、第2パネルと枠体を同時
に接着できるので、製造された封止パネル装置の残留熱
歪みが低減され得る。あるいは又、第1接着層は低融点
金属材料から成り、第1接着層を構成する低融点金属材
料の融点は、第2接着層を構成する低融点金属材料の融
点よりも高い構成(第2の構成と呼ぶ場合がある)とす
ることもできる。このような構成にすることによって、
第1パネルと枠体の接着、第2パネルと枠体の接着とを
独立した加熱プロセスにて行うことができるので、製造
される封止パネル装置の組立て精度を向上させることが
できる。更には、第1接着層はフリットガラス(ガラス
ペーストとも呼ばれる)から成る構成(第3の構成と呼
ぶ場合がある)とすることもできる。フリットガラスは
低融点金属材料には望むことのできない高い絶縁性を備
えている。従って、例えば第1パネルが高電圧仕様であ
って、第1パネル上に形成されたパッシベーション膜等
の薄い絶縁層のみでは絶縁性が不足する場合に、フリッ
トガラスを用いる構成は極めて有効である。あるいは
又、第1接着層の一部分はフリットガラスから成り、第
1接着層の残部は低融点金属材料から成る構成(第4の
構成と呼ぶ場合がある)とすることもできる。フリット
ガラスにより構成される第1接着層の一部分と、低融点
金属材料により構成される第1接着層の残部とは、第1
接着層の形成領域内において如何なる配置をとっても構
わない。例えば、複数の「一部分」が残部の中に点在し
ていてもよい。
【0016】例えば、第1パネルが封止パネル装置の外
部へ引き出される電極を含む場合には、この電極の周囲
のみをフリットガラスで覆う構成が可能である。また、
第1パネルや第2パネルが封止パネル装置の外部へ引き
出される電極を含む場合には、電極上に絶縁層を形成
し、かかる絶縁層の上に第1接着層や第2接着層を形成
又は配置すればよい。このような構成においては、第1
パネルや第2パネルにはかかる絶縁層が含まれる。ある
いは又、場合によっては、第1接着層や第2接着層と接
する電極の部分(表面)に絶縁膜(例えば電極を構成す
る材料の酸化膜)を形成してもよい。
【0017】上記の目的を達成するための本発明の第1
の態様に係る封止パネル装置の製造方法は、本発明の第
1の態様に係る封止パネル装置を製造するための方法で
あり、(イ)第1パネル及び/又は第2パネルの周縁部
に低融点金属材料から成る接着層を形成し、あるいは配
置する工程と、(ロ)接着層を構成する低融点金属材料
の融点よりも高い温度に接着層を加熱することにより、
第1パネルと第2パネルとを接着層によって接着する工
程、を有することを特徴とする。
【0018】本発明の第1の態様に係る封止パネル装置
の製造方法の工程(イ)においては、接着層の形成ある
いは配置は、第1パネル及び第2パネルのいずれか一
方、又は両方に対して行うことができる。第1パネル又
は第2パネルに対する接着層の濡れ性が十分に高い場合
は、いずれか一方のパネルに形成してもよい。
【0019】本発明の第1の態様に係る封止パネル装置
の製造方法における工程(イ)では、第1パネルと第2
パネルとの間隔を一定に維持するための間隔維持部材を
予め第1パネル又は第2パネル上に配置しておくことが
好ましい。間隔維持部材は、第1パネル又は第2パネル
上に単に置くことによって配置することができるし、あ
るいは又、塗布、散布、吹付け等の任意の方法により配
置することもでき、配置のパターンはランダムであって
も規則的であっても構わない。プロセスの容易化の観点
からは、工程(イ)における間隔維持部材の配置のタイ
ミングは、接着層を形成した後とすることが好ましい。
あるいは又、工程(イ)における間隔維持部材の配置の
タイミングは、接着層を配置する前あるいは配置した後
とすることが好ましい。
【0020】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る封止パネル装置の製造方法は、本発明の第
2の態様に係る封止パネル装置を製造するための方法で
あり、枠体、並びに、該枠体を挟んで対向配置された第
1パネル及び第2パネルから成る封止パネル装置の製造
方法であって、(イ)第1パネルの周縁部及び/又は枠
体に低融点金属材料から成る第1接着層を形成し、ある
いは配置し、一方、第2パネルの周縁部及び/又は枠体
に低融点金属材料から成る第2接着層を形成し、あるい
は配置する工程と、(ロ)第1接着層を構成する低融点
金属材料の融点、及び第2接着層を構成する低融点金属
材料の融点よりも高い温度に第1接着層及び第2接着層
を加熱することにより、枠体と第1パネルとを第1接着
層によって接着し、且つ、枠体と第2パネルとを第2接
着層によって接着する工程、を有することを特徴とす
る。
【0021】本発明の第2の態様に係る封止パネル装置
の製造方法では、第1パネルと枠体と第2パネルの三者
が1回の加熱プロセスにより同時に接着される。従っ
て、第1接着層と第2接着層がいずれも低融点金属材料
から構成されることが前提となっている。ここで、第1
接着層を構成する低融点金属材料の融点が第2接着層を
構成する低融点金属材料の融点と異なっている場合に
は、工程(ロ)における加熱温度を融点の高い方に合わ
せて設定する必要がある。但し、第1接着層を構成する
低融点金属材料の融点が第2接着層を構成する低融点金
属材料の融点と余り大きく異なっていると、融点の高い
方の接着層を溶融し得る温度において、融点の低い方の
接着層が過度に変形したり、あるいは流失する虞れがあ
る。従って、第1接着層を構成する低融点金属材料の融
点と、第2接着層を構成する低融点金属材料の融点とが
略等しくなるように、例えば、温度差が0゜C〜100
゜C程度となるように、第1接着層を構成する低融点金
属材料及び第2接着層を構成する低融点金属材料を選択
することが特に好ましい。
【0022】本発明の第2の態様に係る封止パネル装置
の製造方法の工程(イ)においては、第1接着層の形成
あるいは配置は、第1パネル及び枠体のいずれか一方、
又は両方に対して行うことができる。第1パネル又は枠
体に対する接着層の濡れ性が十分に高い場合は、いずれ
か一方に形成してもよい。また、第2接着層の形成ある
いは配置は、第2パネル及び枠体のいずれか一方、又は
両方に対して行うことができる。第2パネル又は枠体に
対する接着層の濡れ性が十分に高い場合は、いずれか一
方に形成してもよい。
【0023】上記の目的を達成するための本発明の第3
の態様に係る封止パネル装置の製造方法は、本発明の第
2の態様に係る封止パネル装置を製造するための方法で
あり、枠体、並びに、該枠体を挟んで対向配置された第
1パネル及び第2パネルから成る封止パネル装置の製造
方法であって、(イ)第1パネルの周縁部と枠体とを第
1接着層によって接着する工程と、(ロ)第2パネルの
周縁部及び/又は枠体に低融点金属材料から成る第2接
着層を形成し、あるいは配置する工程と、(ハ)第2接
着層を構成する低融点金属材料の融点よりも高い温度に
第2接着層を加熱することにより、枠体と第2パネルと
を第2接着層によって接着する工程、を有することを特
徴とする。
【0024】本発明の第3の態様に係る封止パネル装置
の製造方法の工程(ロ)においては、第2接着層の形成
あるいは配置は、第2パネル及び枠体のいずれか一方、
又は両方に対して行うことができる。第2パネル又は枠
体に対する接着層の濡れ性が十分に高い場合は、いずれ
か一方に形成してもよい。
【0025】本発明の第3の態様に係る封止パネル装置
の製造方法では、第1パネルと枠体とを先ず接着し、し
かる後に枠体と第2パネルとを接着する。従って、第1
パネルと枠体と第2パネルの三者を同時に接着する本発
明の第2の態様に係る製造方法に比べ、三者の位置合わ
せが容易となり、位置合わせ精度を向上させることがで
きる。但し、枠体と第2パネルとの接着時に、既に形成
されている第1接着層を変形させないよう、第1接着層
の構成材料は、第2接着層の構成材料よりも高い融点等
を有している必要がある。
【0026】即ち、本発明の第3の態様に係る封止パネ
ル装置の製造方法においては、第1接着層は、第2接着
層を構成する低融点金属材料の融点よりも高い融点を有
する低融点金属材料から成り、工程(イ)では、第1接
着層を構成する低融点金属材料の融点よりも高い温度に
て第1接着層を加熱し、工程(ハ)では、第2接着層を
構成する低融点金属材料の融点よりも高い温度であっ
て、第1接着層を構成する低融点金属材料の融点よりも
低い温度に第2接着層を加熱する形態とすることができ
る。この場合、工程(イ)に先立ち、第1パネルの周縁
部及び/又は枠体に低融点金属材料から成る第1接着層
を形成し、あるいは配置しておけばよい。あるいは又、
第1接着層は、第2接着層を構成する低融点金属材料の
融点よりも高い焼成温度(封着温度あるいは固着温度と
も呼ばれる)を有するフリットガラスから成り、工程
(イ)では、フリットガラスを焼成することによって第
1パネルの周縁部と枠体とを接着し、工程(ハ)では、
第2接着層を構成する低融点金属材料の融点よりも高い
温度であって、第1接着層を構成するフリットガラスの
焼成温度よりも低い温度に第2接着層を加熱する形態と
することもできる。この場合、工程(イ)に先立ち、第
1パネルの周縁部及び/又は枠体にフリットガラスから
成る第1接着層を形成しておけばよい。あるいは又、第
1接着層の一部分は、第2接着層を構成する低融点金属
材料の融点よりも高い焼成温度を有するフリットガラス
から成り、第1接着層の残部は、第2接着層を構成する
低融点金属材料の融点よりも高い融点を有する低融点金
属材料から成り、工程(イ)では、フリットガラスを焼
成し、且つ、第1接着層を構成する低融点金属材料を溶
融させることによって第1パネルの周縁部と枠体とを接
着し、工程(ハ)では、第2接着層を構成する低融点金
属材料の融点よりも高い温度であって、第1接着層の残
部を構成する低融点金属材料の融点よりも低い温度に第
2接着層を加熱する形態とすることもできる。この場
合、工程(イ)に先立ち、第1パネルの周縁部及び/又
は枠体にフリットガラスから成る第1接着層の一部分を
形成し、また、低融点金属材料から成る第1接着層の残
部を形成し、あるいは配置しておけばよい。
【0027】低融点金属材料は、高粘度ペースト状にて
使用されるフリットガラスとは異なり、接着層として構
成された場合にも層内に気泡を含むことがなく、また、
接着層の幅や厚さ等の寸法精度にも優れている。従っ
て、低融点金属材料から成る接着層を用いれば、脱ガス
や接着不良による経時的な封止パネル装置の真空度劣化
を防止し、封止パネル装置の性能及び長期信頼性を大幅
に改善することができる。
【0028】ここで、「低融点」の語が意味する温度範
囲は、概ね400゜C以下である。一般的なフリットガ
ラスの軟化温度は600゜C前後、焼成温度は450゜
C前後であるから、低融点金属材料の融点はこれらの温
度よりも更に低い。融点の下限は、特に限定されるもの
ではない。但し、余り低すぎると、接着を行うための加
熱時に接着層の表面に吸着した水分を除去することがで
きないので、概ね120゜C以上であることが好まし
い。尚、後述する封止パネル装置の製造方法によって
は、接着層を形成するための加熱を真空中で行うため、
接着層表面に吸着した水分は100゜C未満でも除去で
きる。従って、水分除去の観点のみで考えると、融点が
100゜C未満の低融点金属材料も使用可能であるが、
通常の使用環境下における封止パネル装置の信頼性を考
慮すると、やはり融点の下限は概ね120゜C以上であ
ることが好ましい。
【0029】本発明の封止パネル装置の製造方法におい
て、接着層の「形成」とは、接着層が第1パネルや第2
パネル、枠体の表面に原子間力によって密着している状
態を指す。かかる接着層の形成は、例えば、蒸着法、ス
パッタリング法、イオン・プレーティング法等の真空薄
膜形成技術を用いて達成することができるし、あるいは
又、第1パネルや第2パネル、枠体上で接着層を一旦溶
融させることによって達成することもできる。一方、接
着層の「配置」とは、接着層が第1パネルや第2パネ
ル、枠体の表面に重力や摩擦力により保持されている状
態を指す。かかる「配置」は、低融点金属材料から成る
線材や箔を第1パネルや第2パネル、枠体の表面に載置
したり、貼り付けることにより達成される。箔のように
ある程度の密着性をもってパネルや枠体の表面に保持さ
れることが可能であって、場合によっては保持面を下に
向けても脱落しない密着性を有する接着層を用いるとき
には、第1パネルと第2パネルの両方、第1パネルと枠
体の両方、第2パネルと枠体の両方に接着層を配置する
こともできる。しかし、線材のように単に重力によって
第1パネルや第2パネル、枠体の表面に保持されるよう
な接着層を用いる場合には、接着層の配置は、第1パネ
ルと第2パネルのいずれか一方、第1パネルと枠体のい
ずれか一方、第2パネルと枠体のいずれか一方のみに対
して行うことが好ましい。
【0030】本発明の第1の態様に係る封止パネル装置
の製造方法における工程(ロ)、本発明の第2の態様に
係る封止パネル装置の製造方法における工程(ロ)、本
発明の第3の態様に係る封止パネル装置の製造方法にお
ける工程(イ)あるいは(ハ)における加熱は、ランプ
を用いた加熱、レーザを用いた加熱、炉を用いた加熱等
の公知の加熱方法により行うことができる。
【0031】本発明の封止パネル装置あるいはその製造
方法における第1パネルと第2パネルと接着層とによっ
て囲まれた空間、あるいは、第1パネルと第1接着層と
枠体と第2接着層と第2パネルとによって囲まれた空間
(以下、これらの空間を総称して、単に空間と呼ぶ場合
がある)の真空度は、封止パネル装置の構成に応じて異
なる。封止パネル装置として冷陰極電界電子放出型の表
示装置を想定した場合、要求される真空度はおおよそ1
-2Paのオーダー、あるいはそれ以上(即ち、より低
圧)である。
【0032】本発明の封止パネル装置の製造方法におい
ては、この空間を真空とするタイミングによって、更に
2つの態様が含まれる。即ち、本発明の第1の態様に係
る封止パネル装置の製造方法における工程(ロ)、本発
明の第2の態様に係る封止パネル装置の製造方法におけ
る工程(ロ)、本発明の第3の態様に係る封止パネル装
置の製造方法における工程(ハ)において、加熱を真空
雰囲気中で行い、以て、空間を真空にする態様である。
尚、本発明の第1の態様に係る封止パネル装置の製造方
法におけるかかる態様を本発明の第1Aの態様と称し、
本発明の第2の態様に係る封止パネル装置の製造方法に
おけるかかる態様を本発明の第2Aの態様と称し、本発
明の第3の態様に係る封止パネル装置の製造方法におけ
るかかる態様を本発明の第3Aの態様と称する。また、
本発明の第1の態様に係る封止パネル装置の製造方法に
おける工程(ロ)、本発明の第2の態様に係る封止パネ
ル装置の製造方法における工程(ロ)、本発明の第3の
態様に係る封止パネル装置の製造方法における工程
(ハ)を総称して、加熱・接着工程と呼ぶ場合がある。
尚、加熱・接着工程においては、先ず、大気雰囲気を不
活性ガスで置換した後、雰囲気温度を昇温し、その後、
雰囲気を真空とすることが好ましく、あるいは又、大気
雰囲気を不活性ガスで置換した後、雰囲気を真空とし、
その後、雰囲気温度を昇温することが好ましく、あるい
は又、大気雰囲気を不活性ガスで置換した後、雰囲気を
真空としながら雰囲気温度を昇温することが好ましい。
【0033】あるいは又、本発明の第1の態様に係る封
止パネル装置の製造方法における工程(ロ)の後に、本
発明の第2の態様に係る封止パネル装置の製造方法にお
ける工程(ロ)の後に、本発明の第3の態様に係る封止
パネル装置の製造方法における工程(ハ)の後に、即
ち、加熱・接着工程の後に、空間を排気することにより
真空にする態様である。尚、本発明の第1の態様に係る
封止パネル装置の製造方法におけるかかる態様を本発明
の第1Bの態様と称し、本発明の第2の態様に係る封止
パネル装置の製造方法におけるかかる態様を本発明の第
2Bの態様と称し、本発明の第3の態様に係る封止パネ
ル装置の製造方法におけるかかる態様を本発明の第3B
の態様と称する。これらの第1B〜3Bの態様では、加
熱・接着工程における加熱を真空下で行う必要がなく、
常圧下、あるいは減圧下で行うことができる。更に、常
圧下あるいは減圧下の雰囲気は、大気であっても、ある
いは窒素ガスや周期律表0族に属するガス(例えばAr
ガス)を含む不活性ガス雰囲気であってもよい。具体的
な排気の方法としては、第1パネルと第2パネルのいず
れか一方であって、封止パネル装置の機能に影響を与え
ない部位に例えばガラスから成る排気管を挿通してお
き、この排気管を真空排気装置に接続して所望の真空度
を得るまで排気し、しかる後に排気管を熱融着により封
じる方法を例示することができる。尚、封止を行う前
に、封止パネル装置全体を一旦加熱してから降温させる
と、空間に残留ガスを放出させることができ、この残留
ガスを排気により空間外へ除去することができるので好
適である。また、加熱・接着工程における加熱を不活性
ガス雰囲気下で行うことは、残留ガスを低減する上で一
層効果的である。
【0034】以上述べた本発明の第1あるいは第2の態
様に係る封止パネル装置、本発明の第1の態様〜第3の
態様に係る封止パネル装置の製造方法において、低融点
金属材料として、In(インジウム:融点157゜
C);インジウム−金系の低融点合金;Sn80Ag
20(融点220〜370゜C)、Sn95Cu5(融点2
27〜370゜C)等の錫(Sn)系高温はんだ;Pb
97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb94.5Ag5.5(融
点304〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5Sn1.0(融
点309゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;Zn95
5(融点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高温はん
だ;Sn5Pb95(融点300〜314゜C)、Sn2
98(融点316〜322゜C)等の錫−鉛系標準はん
だ;Au88Ga1 2(融点381゜C)等のろう材(以上
の添字は全て原子%を表す)を例示することができる。
【0035】本発明の封止パネル装置あるいはその製造
方法においては、低融点金属材料に対する濡れ性を改善
するための濡れ性改善層を接着層形成予定部位に形成し
てもよい。接着層形成予定部位は、本発明の第1の態様
に係る封止パネル装置あるいは本発明の第1の態様に係
る封止パネル装置の製造方法においては、第1パネル及
び/又は第2パネルに存在する。また、本発明の第2の
態様に係る封止パネル装置の製造方法においては、第1
パネル、枠体及び第2パネルのいずれかに存在する。更
には、本発明の第2の態様に係る封止パネル装置あるい
は本発明の第3の態様に係る封止パネル装置の製造方法
においては、第2パネル及び/又は枠体(使用する第1
接着層の材料に依っては、更に、第1パネル及び/又は
枠体)に存在する。第1パネルや第2パネル、枠体の表
面に対する低融点金属材料の濡れ性が劣る場合、かかる
濡れ性改善層を設けることにより、加熱前の濡れ性改善
層と接着層との位置合わせ精度がそれ程高くなくても、
加熱を経て最終的な接着が終了した時点で低融点金属材
料が自らの表面張力により濡れ性改善層の上に自己整合
的に収斂し、最終的に濡れ性改善層と接着層とが正確に
位置合わせされるメリットも得られる。濡れ性改善層の
構成材料としては、チタン(Ti)、ニッケル(N
i)、酸化銅(CuO)を例示することができる。濡れ
性改善層の厚さは0.1μm前後であればよい。尚、濡
れ性改善層の表面には自然酸化膜が成長する場合がある
ので、接着層や第1接着層、第2接着層を形成する直前
に、自然酸化膜を除去することが好適である。自然酸化
膜の除去は、エッチング法、超音波印加法等の公知の方
法で行うことができる。濡れ性改善層の形成方法とし
て、スパッタ法、メッキ法を例示することができる。
【0036】本発明の製造方法においては、接着層や第
1接着層、第2接着層の表面に自然酸化膜が成長する場
合があるので、加熱による接着を行う直前に、自然酸化
膜を除去することが好適である。自然酸化膜の除去は、
例えば、希塩酸を用いたウェットエッチング法、塩素系
ガスを用いたドライエッチング法、超音波印加法等の公
知の方法で行うことができる。
【0037】本発明における第1パネルあるいは第2パ
ネルは、少なくとも表面が絶縁性部材より構成されてい
ればよく、ガラス基板、表面に絶縁層が形成されたガラ
ス基板、石英基板、表面に絶縁層が形成された石英基
板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板を用いること
ができる。
【0038】本発明の第1あるいは第2の態様に係る封
止パネル装置、本発明の第1の態様〜第3の態様に係る
封止パネル装置の製造方法において、封止パネル装置
は、例えば、第1パネルは、透明支持体、並びに、該透
明支持体上に形成されたアノード電極及び蛍光体層から
成り、第2パネルは、支持体、並びに、該支持体上に形
成され、アノード電極及び蛍光体層に対向した複数の冷
陰極電界電子放出素子(以下、単に電界放出素子と称す
る)から成り、電界放出素子から放出された電子が蛍光
体層に衝突することによる発光に基づいて表示を行う構
成とすることができる。尚、このような構造の封止パネ
ル装置を、以下、冷陰極電界電子放出型表示装置と呼
び、場合によっては、単に表示装置と呼ぶ。
【0039】この場合、本発明の第1の態様に係る封止
パネル装置、本発明の第1の態様に係る封止パネル装置
の製造方法において、第1パネルと第2パネルとは互い
に交換可能である。また、本発明の第2の態様に係る封
止パネル装置、本発明の第2若しくは第3の態様に係る
封止パネル装置の製造方法においては、第1パネルと第
2パネルとを交換すると同時に、第1接着層と第2接着
層とを交換してもよい。
【0040】表示装置の構成要素である電界放出素子と
しては、公知の如何なる型式の電界放出素子をも用いる
ことができ、例えば、所謂スピント型、平面型、エッジ
型等の型式を例示することができる。
【0041】表示装置の第1パネルを構成する透明支持
体として、ガラス基板、表面に絶縁層が形成されたガラ
ス基板、石英基板、表面に絶縁層が形成された石英基板
を例示することができる。また、表示装置の第2パネル
を構成する支持体は、少なくとも表面が絶縁性部材より
構成されていればよく、ガラス基板、表面に絶縁層が形
成されたガラス基板、石英基板、表面に絶縁層が形成さ
れた石英基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板を
用いることができる。
【0042】表示装置を構成するゲート電極及びアノー
ド電極は、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タン
タル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、
クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、
銀(Au)等の金属層又はこれらの金属元素を含む合金
層、あるいは不純物を含有するシリコン等の半導体層を
用いて形成することもできる。また、絶縁層の構成材料
としては、SiO2、SiN、SiON、ガラス・ペー
スト硬化物を単独あるいは適宜積層して使用することが
できる。絶縁層の成膜には、CVD法、塗布法、スパッ
タリング法、印刷法等の公知のプロセスが利用できる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき、本
発明の封止パネル装置及びその製造方法について説明す
る。
【0044】(実施の形態1)実施の形態1は、本発明
の第1の態様に係る封止パネル装置、並びに、第1A及
び第1Bの態様を含む本発明の第1の態様に係る封止パ
ネル装置の製造方法に関する。実施の形態1に係る封止
パネル装置の概念図を図1に示し、この封止パネル装置
を適用して構成された冷陰極電界電子放出型の表示装置
の模式的断面図を図2に示し、係る表示装置の一部を拡
大して模式的に示す分解斜視図を図3に示す。また、第
1の態様に係る封止パネル装置の製造方法における工程
図を図4に示し、第1Aの態様に係る封止パネル装置の
製造方法の工程図を図5に示し、第1Bの態様に係る封
止パネル装置の製造方法の工程図を図6に示す。
【0045】図1に、実施の形態1の封止パネル装置の
概念的な構成を示す。図1の(A)は模式的断面図、図
1の(B)は模式的斜視図である。矩形形状を有する第
1パネルP1と第2パネルP2とは、周縁部において接
着層Amによって接着され、第1パネルと第2パネルと
接着層とによって囲まれた空間が真空(VAC)にされ
ている。接着層Amは低融点金属材料から成る。図1の
(B)では、図示を簡略化するために、接着層Amの厚
みを省略し、形成部位のみをハッチングで示している。
尚、本明細書において、接着層を表す符号Aの添字m
は、低融点金属材料から成ることを表す際に用いる。第
1パネルP1と第2パネルP2との対向距離は、接着層
Amの厚さによって決定されている。
【0046】図2に、実施の形態1の封止パネル装置を
表示装置に適用した例を示す。また、図3には表示装置
の一部分を拡大して示す。第1パネルP1は、透明支持
体10、並びに、該透明支持体10上に形成されたアノ
ード電極13及び3原色の蛍光体層12R,12G,1
2Bから成る。個々の蛍光体層12R,12G,12B
は一例として矩形形状を有しており、所定の規則的なパ
ターンに従って配列されている。隣接する蛍光体層12
R,12G,12Bの間は、カーボン等の光吸収性材料
から成るブラック・マトリクス11で埋め込まれ、表示
画像の色濁りが防止されている。図2及び図3では、透
明支持体10上において蛍光体層12R,12G,12
Bがアノード電極13に被覆されているが、積層順を逆
にしても構わない。但し、逆とした場合は、表示装置の
観察面側から見てアノード電極13が蛍光体層12の手
前に来るため、アノード電極13をITO(インジウム
・錫酸化物)等の透明導電材料にて構成する必要があ
る。
【0047】第2パネルP2は、支持体20、並びに、
該支持体20上に形成され、アノード電極13及び蛍光
体層12R,12G,12Bに対向した複数の電界放出
素子から成る。電界放出素子は、一方向に設けられた帯
状のカソード電極21と、絶縁層22と、絶縁層22上
に形成され、カソード電極21と直交する方向に帯状に
形成されたゲート電極23と、カソード電極21とゲー
ト電極23との重複領域においてゲート電極23及び絶
縁層22に設けられた円形の開口部25内に配された電
子放出部から構成される。図2に示す表示装置において
は、開口部25の底面に露出したカソード電極21の部
分が電子放出部として機能する、所謂平面型の電界放出
素子が例示されているが、他の型式の電界放出素子であ
っても勿論構わない。例えば、カソード電極21上に導
電材料から成る円錐形の電子放出部が形成されていれ
ば、所謂スピント型の電界放出素子である。また、絶縁
層に埋め込まれた導電材料層を有し、この導電材料層の
開口部内における露出端部が電子放出部とされていれ
ば、これは所謂エッジ型の電界放出素子である。
【0048】尚、図2では1画素の領域内に開口部が一
つしか図示されていないが、実際には、図3のように、
複数の開口部25が形成される場合が多い。但し、本発
明の封止パネル装置は、図2及び図3に何ら限定される
ものではない。例えば、図3では、1画素の領域内に開
口部25が16個形成されているが、勿論これは例示に
過ぎず、実際には数千個にも及ぶ場合がある。また、ア
ノード電極13とカソード電極21とゲート電極23の
形成方向や、開口部25の形状も任意である。
【0049】カソード電極21には走査回路53から相
対的に負電圧が印加され、ゲート電極23には制御回路
52から相対的に正電圧が印加され、アノード電極13
にはゲート電極23よりも更に高い正電圧が加速電源5
1から印加される。表示装置において表示を行う場合、
制御回路52にはビデオ信号、走査回路53には走査信
号が入力される。カソード電極21とゲート電極23と
に電圧を印加した際に生ずる電界により、電子放出部か
ら電子eが放出される。この電子eが、アノード電極1
3に引き付けられて蛍光体層12R,12G,12Bに
衝突すると、蛍光体層12R,12G,12Bが発光
し、所望の表示を得ることができる。この表示装置の動
作は、基本的にゲート電極23に印加される電圧によっ
て制御される。尚、加速電源51に対する接続端子を形
成するためにアノード電極13を外部に引き出す部分に
は、低融点金属材料から成る接着層Amとアノード電極
13とを絶縁するための絶縁層14が形成されている。
また、制御回路52に対する接続端子を形成するために
ゲート電極23を外部に引き出す部分には、接着層Am
とゲート電極23とを絶縁するための絶縁層24が形成
されている。それ以外の部分の構造は、図2に示した表
示装置の向かって右側に示した接着層30mと同様の構
造とすることができる。
【0050】以下、上述した封止パネル装置の製造方法
を、図4を参照して説明する。この製造方法は、本発明
の第1の態様に係る製造方法であり、図4の(A)乃至
(C)は第1パネルP1と第2パネルP2の周縁部に低
融点金属材料から成る接着層Amを形成あるいは配置す
る際のパターン、図4の(D)は加熱・接着工程を示
す。図4の(A)では、加熱前の接着層Amは第1パネ
ルP1側のみ、図4の(B)では第2パネルP2側のみ
に、それぞれ形成又は配置されているが、接着層Amを
構成する低融点金属材料が第1パネルP1又は第2パネ
ルP2に対して十分な濡れ性を有していれば、このよう
な一方のパネル側のみにおける形成又は配置で構わな
い。一方、図4の(C)に示すように第1パネルP1と
第2パネルP2の双方に加熱前の接着層Amを形成又は
配置すると、低融点金属材料の濡れ性が不足する場合の
パネルの接着不良を低減させることができ、また、パネ
ル間の対向距離もある程度大きく確保することができ
る。
【0051】製造された封止パネル装置は、図4の
(D)に示すように、第1パネルP1と接着層Amと第
2パネルP1とによって囲まれた空間が真空(VAC)
とされているが、以下、この真空を達成するための2通
りの製造方法、即ち、第1A及び第1Bの態様に係る封
止パネル装置の製造方法について、それぞれ図5及び図
6を参照して説明する。
【0052】図5は、接着層Amを構成する低融点金属
材料の融点よりも高い温度に接着層Amを加熱すること
により第1パネルP1と第2パネルP2とを接着層によ
って接着する加熱・接着工程における雰囲気を真空と
し、以て、第1パネルと第2パネルと接着層とによって
囲まれた空間を真空にする製造方法の工程図である。即
ち、図5の(A)に示すように、第1パネルP1と第2
パネルP2の周縁部に、接着層Amを形成又は配置す
る。尚、図5の(A)では第1パネルP1と第2パネル
P2の双方に接着層Amが形成又は配置されているが、
いずれか一方のパネルのみに形成又は配置しても構わな
い。次に、図5の(B)に示すように、接着層Amが形
成された第1パネルP1と第2パネルP2とを、真空容
器VC内で位置合わせし、接着層Amを構成する低融点
金属材料の融点よりも高い温度(例えば、400゜C以
下)に加熱しながら接着し、第1パネルP1と第2パネ
ルP2とを接着層Amによって接着することによって、
封止パネル装置を得ることができる。得られた封止パネ
ル装置においては、図5の(C)に示すように、上記空
間が接着と同時に真空(VAC)とされる。
【0053】図6は、接着層Amを構成する低融点金属
材料の融点よりも高い温度に接着層Amを加熱すること
により第1パネルP1と第2パネルP2とを接着層によ
って接着する加熱・接着工程の完了後、第1パネルP1
と第2パネルP2と接着層Amとによって囲まれた空間
を接着後に排気することにより真空にする製造方法の工
程図である。即ち、図6の(A)に示すように、第1パ
ネルP1と第2パネルP2の周縁部に、接着層Amを形
成又は配置する。第2パネルP2には、その機能に影響
を及ぼさない部位に、例えばガラスから成る排気管Eが
挿通されている。但し、排気管Eが第1パネルP1に挿
通されていても構わない。尚、図6の(A)では第1パ
ネルP1と第2パネルP2の双方に接着層Amが形成又
は配置されているが、いずれか一方のパネルのみに形成
又は配置されていても構わない。次に、図6の(B)に
示すように、接着層Amが形成された第1パネルP1と
第2パネルP2とを位置合わせし、例えば400゜C以
下の温度で加熱しながら接着する。加熱・接着は、常圧
下、あるいは封止パネル装置に要求される最終的な真空
度には至らない減圧下で行うことができ、雰囲気は大気
あるいは不活性ガスとする。この時点では、第1パネル
P1と第2パネルP2と接着層Amとによって囲まれた
空間は、未だ真空ではない。次に、排気管Eを図示しな
い排気装置に接続し、排気を行う。上記空間が所望の真
空度に達した時点で排気管Eを加熱により融着すると、
上記空間が真空(VAC)とされた封止パネル装置が得
られる(図6の(C)参照)。
【0054】第1A及び第1Bの態様に係る製造方法で
製造された封止パネル装置は、接着層が低融点金属材料
から構成されているので、接着層がフリットガラスによ
り構成されている従来の封止パネル装置に比べ、真空度
の経時劣化が大幅に抑制されている。また、製造プロセ
ス全体を例えば400゜C以下に低温化することが可能
なので、従来方法に比べてスループットや経済性を向上
させることが可能である。
【0055】(実施の形態2)実施の形態2は、実施の
形態1の変形例である。実施の形態2の封止パネル装置
においては、図7の(C)に示すように、第1パネルP
1と第2パネルP2との間隔を一定に維持するための間
隔維持部材Sが、第1パネルP1と第2パネルP2との
間に挟持されている。この間隔維持部材Sは絶縁性を有
する剛性材料、例えばガラス球から成る。かかる構成を
有する封止パネル装置においては、パネル間の対向距離
は、実質的に間隔維持部材Sの寸法により決定される。
従って、接着層Amの形成又は配置の段階における接着
層Amの寸法制御や形状制御の負担を軽減しても、寸法
精度に優れる封止パネル装置を得ることができる。
【0056】かかる封止パネル装置を製造するには、図
7の(A)に示すように、第1パネルP1と第2パネル
P2の周縁部に接着層Amを形成又は配置し、しかる後
に第2パネルP2の表面に、間隔維持部材Sを塗布、散
布、吹付け等の方法により配置する。図7の(A)で
は、第1パネルP1と第2パネルP2の双方に接着層A
mが形成又は配置されているが、いずれか一方のパネル
のみに形成又は配置されていてもよい。次に、第1パネ
ルP1と第2パネルP2とを接着する。図7の(B)に
は、接着層Amが形成された第1パネルP1と第2パネ
ルP2とを、真空容器VC内で位置合わせし、例えば4
00゜C以下の温度に加熱しながら接着する第1Aの態
様に係る製造方法を一例として示したが、接着後に排気
を行う第1Bの態様に係る製造方法を適用しても、勿論
構わない。
【0057】(実施の形態3)実施の形態3は、実施の
形態1の更に他の変形例である。実施の形態3の封止パ
ネル装置においては、図8の(C)に示すように、接着
層Amと第1パネルP1との間、及び接着層Amと第2
パネルP2との間に濡れ性改善層Wが形成されている。
尚、図8の(A)では第1パネルP1と第2パネルP2
の双方に濡れ性改善層Wが形成されているが、いずれか
一方のパネルのみに形成されていても構わない。かかる
構成を有する封止パネル装置においては、低融点金属材
料から成る接着層Amが自己整合的に濡れ性改善層Wと
位置合わせされ、接着層Amの形状精度や寸法精度が改
善されている。
【0058】かかる封止パネル装置を製造するには、接
着層Amを形成する前に、第1パネルP1及び/又は第
2パネルP2の接着層形成予定部位に、低融点金属材料
に対する濡れ性を改善するための濡れ性改善層Wを形成
しておき、しかる後、図8の(A)に示すように、濡れ
性改善層Wの上に接着層Amを形成する。この段階で
は、濡れ性改善層Wと接着層Amの位置合わせ精度はそ
れ程高くなくてもよい。次に、第1パネルP1と第2パ
ネルP2とを接着する。図8の(B)には、接着層Am
が形成された第1パネルP1と第2パネルP2とを、真
空容器VC内で位置合わせし、例えば400゜C以下の
温度に加熱しながら接着する第1Aの態様に係る製造方
法を一例として示したが、接着後に排気を行う第1Bの
態様に係る製造方法を適用しても、勿論構わない。ま
た、実施の形態2にて説明した封止パネル装置を実施の
形態3の封止パネル装置に適用することもできる。
【0059】(実施の形態4)実施の形態4は、本発明
の第2の態様に係る封止パネル装置、並びに、第2A及
び第2Bの態様を含む本発明の第2の態様に係る封止パ
ネル装置の製造方法に関する。実施の形態4に係る封止
パネル装置の概念図を図9、図10、図11に示し、こ
れらの封止パネル装置を適用して構成された冷陰極電界
電子放出型の表示装置の模式的断面図を図12に示す。
また、第2の態様に係る封止パネル装置の製造方法の概
念図を図13に示し、第2Aの態様に係る封止パネル装
置の製造方法の工程図を図14に示し、第2Bの態様に
係る封止パネル装置の製造方法の工程図を図15に示
す。尚、これらの図面で使用する符号は図1〜図8と一
部共通であり、共通部分については詳しい説明を省略す
る。
【0060】図9に、第1及び第2の構成に係る封止パ
ネル装置の概念図を示す。図9の(A)は模式的断面
図、図9の(B)は模式的斜視図である。矩形形状を有
する第1パネルP1は、周縁部において第1接着層A1
mによって枠体Fと接着され、枠体Fは第2接着層A2
mによって第2パネルP2と接着されている。第1パネ
ルP1と第1接着層A1mと枠体Fと第2接着層A2m
と第2パネルP2とによって囲まれた空間は、真空(V
AC)である。かかる構成を有する封止パネル装置にお
いては、パネル間の対向距離は、実質的に枠体Fの高さ
により決定される。従って、枠体Fの高さを選択するこ
とにより、第1の態様に係る封止パネル装置に比べて、
パネル間の対向距離をより長く設定することが可能であ
る。
【0061】図9に示した封止パネル装置においては、
第1接着層A1m及び第2接着層A2mはいずれも低融
点金属材料から構成されるが、第1接着層A1mを構成
する低融点金属材料の融点と第2接着層A2mを構成す
る低融点金属材料の融点が略等しく(第1の構成)、あ
るいは又、第1接着層A1mを構成する低融点金属材料
の融点の方が、第2接着層A2mを構成する低融点金属
材料の融点よりも高い(第2の構成)。
【0062】図10に、第3の構成に係る封止パネル装
置の概念図を示す。図9の(A)は模式的断面図、図1
の(B)は模式的斜視図である。第3の構成において
は、第1接着層A1fはフリットガラスから成る。尚、
本明細書において、第1接着層を表す符号A1の添字f
は、フリットガラスから成ることを表すときに用いる。
また、第1接着層を表す符号A1に添字が無い場合は、
第1接着層が低融点金属材料とフリットガラスのいずれ
により形成されてもよい場合である。更に図11には、
第4の構成に係る封止パネル装置の概念図を示す。第4
の構成においては、第1接着層の一部分が低融点金属材
料から成り(第1接着層A1m)、残部がフリットガラ
スから成る(第1接着層A1f)。図11では、フリッ
トガラスから成る第1接着層A1fが矩形の枠体Fの短
辺中央部に形成されているが、形成部位はこれに限られ
ない。
【0063】図12に、実施の形態4の封止パネル装置
を表示装置に適用した例を示す。この表示装置において
は、第1パネルP1は、周縁部において第1接着層31
によって枠体40と接着され、枠体40は第2接着層3
2mによって第2パネルP2と接着されている。第1パ
ネルP1と第1接着層31と枠体40と第2接着層32
mと第2パネルP2とによって囲まれた空間は、真空で
ある。かかる表示装置の構成において、アノード電極1
3を有する第1パネルP1には、電界放出素子を有する
第2パネルP2よりも高い電圧が印加されるので、アノ
ード電極13の引き出し部に形成される絶縁層14のみ
では、十分な絶縁性が確保できない場合がある。このよ
うな場合には、第3又は第4の構成を適用し、少なくと
も絶縁層14と枠部40の間に形成される第1接着層の
一部分をフリットガラスから構成すればよく、これによ
って十分な絶縁性を確保することが可能となる。
【0064】以下、実施の形態4の封止パネル装置の製
造方法について、図13を参照しながら説明するが、第
1パネルP1及び/又は第2パネルP2の周縁部に低融
点金属材料から成る接着層を形成し、あるいは配置する
工程において、第1接着層及び第2接着層の形成又は配
置のパターンとして、(A)〜(I)の9種類が存在す
る。どのパターンを選択するかは、第1パネルP1、枠
体F、第2パネルP2の三者の各々に対する低融点金属
材料の濡れ性に依存する。図13に示すパターンのいず
れかに従って第1接着層A1m及び第2接着層A2mを
形成又は配置した後、第1接着層A1mを構成する低融
点金属材料の融点、及び第2接着層A2mを構成する低
融点金属材料の融点よりも高い温度に第1接着層A1m
及び第2接着層A2mを加熱することにより、枠体Fと
第1パネルP1とを第1接着層A1mによって接着し、
且つ、枠体Fと第2パネルP2とを第2接着層A2mに
よって接着する。
【0065】製造された封止パネル装置は、図9の
(A)、図10の(A)及び図11の(A)に示すよう
に、第1パネルP1と第1接着層A1mと枠体Fと第2
接着層A2mと第2パネルP1とによって囲まれた空間
が真空(VAC)とされているが、以下、この真空を達
成するための2通りの製造方法、即ち、第2A及び第2
Bの態様に係る封止パネル装置の製造方法について、そ
れぞれ図14及び図15を参照して説明する。
【0066】図14は、加熱・接着工程における雰囲気
を真空とし、以て、第1パネルと第2パネルと接着層と
によって囲まれた空間を真空にする第2Aの態様に係る
製造方法の工程図である。この製造方法では、第1の構
成に係る封止パネル装置、即ち、第1接着層A1mと第
2接着層A2mとが融点の略等しい低融点金属材料から
成る封止パネル装置を製造することができる。また、第
2の構成に係る封止パネル装置であっても、第1接着層
A1mと第2接着層A2mとの融点の差がおおよそ10
0゜C程度であれば、製造可能である。
【0067】先ず、図14の(A)に示すように、第1
パネルP1の周縁部と枠体Fとに第1接着層A1m、枠
体Fと第2パネルP2の周縁部に第2接着層A2mを形
成又は配置する。尚、図14の(A)では図13のパタ
ーン(H)に従って第1接着層A1mと第2接着層A2
mとが形成又は配置されているが、その他のパターン
(A)〜(G)やパターン(I)に従って形成又は配置
されていてもよい。次に、図14の(B)に示すよう
に、接着層A1m,A2mが形成された第1パネルP1
と枠体Fと第2パネルP2とを、真空容器VC内で位置
合わせし、例えば400゜C以下の温度に加熱しながら
接着し、封止パネル装置を得ることができる。このとき
の加熱温度は、第1接着層A1mと第2接着層A2mを
構成する低融点金属材料の融点が略等しい場合にはその
融点以上の温度とし、いずれかの融点が高い場合には、
高い方の融点以上の温度とする。得られた封止パネル装
置においては、図14の(C)に示すように、上記空間
が接着と同時に真空(VAC)とされる。
【0068】一方、図15は、加熱・接着工程の後、第
1パネルP1と第1接着層A1mと枠体Fと第2接着層
A2mと第2パネルP2とによって囲まれた空間を排気
することにより真空にする第2Bの態様に係る製造方法
の工程図である。即ち、図14の(A)と同様に、第1
パネルP1の周縁部、枠体F、第2パネルP2の周縁部
に第1接着層A1mと第2接着層A2mを形成又は配置
する。但し、第2パネルP2には排気管Eが挿通されて
いる。次に、図15の(B)に示すように、第1パネル
P1と枠体Fと第2パネルP2とを位置合わせし、第1
接着層A1m及び第2接着層A2mとを例えば400゜
C以下の温度で加熱しながら接着する。加熱・接着は、
常圧下、あるいは封止パネル装置に要求される最終的な
真空度には至らない減圧下で行うことができ、雰囲気は
大気あるいは不活性ガスとする。この時点では、第1パ
ネルP1と第1接着層A1mと枠体Fと第2接着層A2
mと第2パネルP2とによって囲まれた空間は、未だ真
空ではない。この後の排気、及び排気管Eの融着は実施
の態様1にて説明した通りであり、最終的に図15の
(C)に示すように、上記空間が真空(VAC)とされ
た封止パネル装置が得られる。
【0069】尚、実施の形態3にて説明した濡れ性改善
層Wを、実施の形態4の封止パネル装置に適用すること
ができる。この場合、第1接着層A1mに関する濡れ性
改善層Wは、第1パネルP1の接着面、あるいは、枠体
Fの接着面、あるいは、第1パネルP1と枠体の両方の
接着面に形成すればよい。一方、第2接着層A2mに関
する濡れ性改善層Wは、第2パネルP2の接着面、ある
いは、枠体Fの接着面、あるいは、第2パネルP2と枠
体の両方の接着面に形成すればよい。従って、第1接着
層A1mに関する濡れ性改善層Wと第2接着層A2mに
関する濡れ性改善層Wに関しては、都合、9通りの形成
パターンが存在する。また、第1接着層及び第2接着層
の形成又は配置のパターンは、都合、9通りが存在す
る。それ故、第1接着層A1mに関する濡れ性改善層W
と第2接着層A2mに関する濡れ性改善層Wの形成パタ
ーンと、第1接着層及び第2接着層の形成又は配置のパ
ターンとの組合せは、合計、81通りが存在する。第1
パネルP1、第2パネルP2、枠体F、第1接着層A1
m及び第2接着層A2mを構成する材料に依存して、こ
れらの組合せの中から最適な組合せを選択すればよい。
【0070】(実施の形態5)実施の形態5は、本発明
の第2の態様に係る封止パネル装置、及び、本発明の第
3の態様に係る封止パネル装置の製造方法に関する。第
3の態様に係る封止パネル装置の製造方法の概念図を図
16を示し、第3Aの態様に係る封止パネル装置の製造
方法の工程図を図17に示し、第3Bの態様に係る封止
パネル装置の製造方法の工程図を図18に示す。尚、封
止パネル装置を適用して構成された冷陰極電界電子放出
型の表示装置の模式的断面図は、図12に示した冷陰極
電界電子放出型の表示装置の模式的断面図と同様であ
る。
【0071】第3の態様に係る封止パネル装置の製造方
法では、第2パネルP2の周縁部及び/又は枠体Fに低
融点金属材料から成る第2接着層A2mを形成しあるい
は配置する工程における第2接着層A2mの形成又は配
置のパターンとして、(A)〜(C)の3種類が存在す
る。どのパターンを選択するかは、枠体Fと第2パネル
P2の双方に対する低融点金属材料の濡れ性に依存す
る。図16に示すパターンのいずれかに従って第1接着
層及び第2接着層を形成又は配置した後、第2接着層を
構成する低融点金属材料の融点よりも高い温度に第2接
着層を加熱することにより、枠体と第2パネルとを第2
接着層A2mによって接着する。
【0072】尚、実施の形態3にて説明した濡れ性改善
層Wを、実施の形態5の封止パネル装置に適用すること
ができる。この場合、第2接着層A2mに関する濡れ性
改善層Wは、第2パネルP2の接着面、あるいは、枠体
Fの接着面、あるいは、第2パネルP2と枠体の両方の
接着面に形成すればよい。一方、第1接着層A1mとし
て低融点金属材料を少なくとも用いる場合には、第1接
着層A1mに関する濡れ性改善層Wは、第1パネルP1
の接着面、あるいは、枠体Fの接着面、あるいは、第1
パネルP1と枠体の両方の接着面に形成すればよい。従
って、このような場合には、第1接着層A1mに関する
濡れ性改善層Wと第2接着層A2mに関する濡れ性改善
層Wに関しては、都合、9通りの形成パターンが存在す
る。また、第1接着層及び第2接着層の形成又は配置の
パターンは、都合、9通りが存在する。それ故、第1接
着層A1mに関する濡れ性改善層Wと第2接着層A2m
に関する濡れ性改善層Wの形成パターンと、第1接着層
及び第2接着層の形成又は配置のパターンとの組合せ
は、合計、81通りが存在する。第1パネルP1、第2
パネルP2、枠体F、第1接着層A1m及び第2接着層
A2mを構成する材料に依存して、これらの組合せの中
から最適な組合せを選択すればよい。
【0073】製造された封止パネル装置は、図17の
(C)及び図18の(C)に示すように、第1パネルP
1と第1接着層A1と枠体Fと第2接着層A2mと第2
パネルP1とによって囲まれた空間が真空(VAC)と
されているが、以下、この真空を達成するための2通り
の製造方法、即ち、第3A及び第3Bの態様に係る封止
パネル装置の製造方法について、それぞれ図17及び図
18を参照して説明する。
【0074】図17は、加熱・接着工程における雰囲気
を真空とし、以て、第1パネルと第2パネルと接着層と
によって囲まれた空間を真空にする第3Aの態様に係る
製造方法の工程図である。この製造方法では、第2、第
3及び第4の構成に係る封止パネル装置を製造すること
ができる。
【0075】第1接着層A1が第2接着層を構成する低
融点金属材料の融点よりも高い融点を有する低融点金属
材料から成る場合(第2の構成)、先ず、図17の
(A)に示すように、第1パネルP1の周縁部と枠体F
とに第1接着層A1を形成又は配置する。次に、図17
の(B)に示すように、第1接着層A1を構成する低融
点金属材料の融点よりも高い温度にて第1接着層A1を
加熱することにより、第1パネルP1と枠体Fとを接着
する。このときの加熱は、後述する第2接着層A2mの
加熱温度よりも高い。一方、図17の(C)に示すよう
に、枠体Fと第2パネルP2の周縁部に第2接着層A2
mを形成又は配置する。次に、図17の(D)に示すよ
うに、既に枠体Fと接着された第1パネルP1に対し、
第2パネルP2を真空容器VC内で位置合わせし、第2
接着層A2mを構成する低融点金属材料の融点よりも高
い温度であって、第1接着層A1を構成する低融点金属
材料の融点よりも低い温度に第2接着層A2mを加熱す
ることによって、封止パネル装置を得ることができる。
得られた封止パネル装置においては、図17の(E)に
示すように、上記空間が接着と同時に真空(VAC)と
される。この場合、第1パネルP1の周縁部と枠体Fと
に第1接着層A1を形成又は配置する前に、第1パネル
P1の周縁部及び/又は枠体Fの第1接着層形成予定部
位に、実施の形態3にて説明したような、低融点金属材
料に対する濡れ性を改善するための濡れ性改善層を形成
しておいてもよい。
【0076】あるいは又、第1接着層A1は第2接着層
A2mを構成する低融点金属材料の融点よりも高い焼成
温度を有するフリットガラスから成る場合(第3の構
成)、先ず、図17の(A)に示すように、第1パネル
P1の周縁部と枠体Fとにフリットガラスから第1接着
層A1を塗布法等に基づき形成し、100゜C前後で乾
燥し、次いで、350゜C前後で仮焼成を行い、第1パ
ネルP1の周縁部と枠体Fとにフリットガラスから第1
接着層A1を形成する。次に、図17の(B)に示すよ
うに、フリットガラスを焼成することによって第1パネ
ルP1の周縁部と枠体Fとを接着する。一方、図17の
(C)に示すように、枠体Fと第2パネルP2の周縁部
に第2接着層A2mを形成又は配置する。次に、図17
の(D)に示すように、既に枠体Fと接着された第1パ
ネルP1に対し、第2パネルP2を真空容器VC内で位
置合わせし、第2接着層A2mを構成する低融点金属材
料の融点よりも高い温度であって、第1接着層A1を構
成するフリットガラスの焼成温度よりも低い温度に第2
接着層A2mを加熱することによって、封止パネル装置
を得ることができる。得られた封止パネル装置において
は、図17の(E)に示すように、上記空間が接着と同
時に真空(VAC)とされる。
【0077】あるいは又、第1接着層A1の一部分は第
2接着層A2mを構成する低融点金属材料の融点よりも
高い焼成温度を有するフリットガラスから成り、第1接
着層A1の残部は第2接着層A2mを構成する低融点金
属材料の融点よりも高い融点を有する低融点金属材料か
ら成る場合(第4の構成)、先ず、第1パネルP1の周
縁部と枠体Fとにフリットガラスから成る第1接着層A
1の一部分を塗布法等に基づき形成し、乾燥、仮焼成を
行う。次いで、第1接着層の残部を形成すべき第1パネ
ルP1の領域に低融点金属材料を形成又は配置する。こ
うして、図17の(A)に示すように、第1パネルP1
の周縁部と枠体Fとに、フリットガラスから成る第1接
着層A1の一部分、及び、第2接着層A2mを構成する
低融点金属材料の融点よりも高い融点を有する低融点金
属材料から成る第1接着層A1の残部を形成することが
できる。次に、図17の(B)に示すように、フリット
ガラスを焼成し、且つ、第1接着層を構成する低融点金
属材料を溶融させることによって第1パネルP1の周縁
部と枠体Fとを接着する。一方、図17の(C)に示す
ように、枠体Fと第2パネルP2の周縁部に第2接着層
A2mを形成又は配置する。次に、図17の(D)に示
すように、既に枠体Fと接着された第1パネルP1に対
し、第2パネルP2を真空容器VC内で位置合わせし、
第2接着層A2mを構成する低融点金属材料の融点より
も高い温度であって、第1接着層A1の残部を構成する
低融点金属材料の融点よりも低い温度に第2接着層A2
mを加熱することによって、封止パネル装置を得ること
ができる。得られた封止パネル装置においては、図17
の(E)に示すように、上記空間が接着と同時に真空
(VAC)とされる。
【0078】一方、図18は、加熱・接着工程の後、第
1パネルP1と第1接着層A1と枠体Fと第2接着層A
2mと第2パネルP2とによって囲まれた空間を排気す
ることにより真空にする第3Bの態様に係る製造方法の
工程図である。即ち、図18の(A)に示す第1接着層
A1の形成又は配置、及び図18の(B)に示す第1パ
ネルP1と枠体Fとの接着は、上述した第3Aの態様に
係る製造方法と同様とすることができる。次に、第2パ
ネルP2の周縁部及び枠体Fに第2接着層A2mを形成
又は配置する。但し、第2パネルP2には排気管Eが挿
通されている。次に、図18の(C)に示すように、既
に枠体Fと接着された第1パネルP1を第2パネルP2
と位置合わせし、枠体Fと第2パネルP2とを加熱・接
着する。尚、枠体Fと第2パネルP2との加熱・接着
は、上述した第3Aの態様に係る製造方法と同様とする
ことができる。加熱・接着は、常圧下、あるいは封止パ
ネル装置に要求される最終的な真空度には至らない減圧
下で行うことができ、雰囲気は大気あるいは不活性ガス
とする。この時点では、第1パネルP1と第1接着層A
1mと枠体Fと第2接着層A2mと第2パネルP2とに
よって囲まれた空間は、未だ真空ではない。この後、図
18の(D)に示す排気工程と、図18の(E)に示す
融着工程を、実施の形態1にて説明した第2Bの態様に
係る製造方法と同様の方法にて行い、最終的に図18の
(E)に示すように、上記空間が真空(VAC)とされ
た封止パネル装置を得ることができる。
【0079】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。封止パネル装置の構造の細部、封止パネル装置を適
用した表示装置の構造の細部は例示であり、適宜変更、
選択、組合せが可能である。例えば、濡れ性改善層W
は、本発明の全ての態様に係る封止パネル装置及びその
製造方法に適用することができる。また、本発明の全て
の態様に係る封止パネル装置を適用して表示装置を構成
することができる。
【0080】本発明の第1の態様に係る封止パネル装置
あるいはその製造方法においては、第1パネル及び/又
は第2パネルとして、周縁部にフリットガラスから成る
突起部(第2の態様に係る封止パネル装置における枠体
に相当する)が形成された第1パネル及び/又は第2パ
ネルを用いることもできる。そして、必要に応じて、第
1パネル及び/又は第2パネルのかかる突起部に低融点
金属材料から成る接着層を形成し、あるいは配置すれば
よい。また、かかる構造の第1パネル及び/又は第2パ
ネルを用いる場合であって、濡れ性改善層を形成する必
要がある場合には、フリットガラスから成る突起部の頂
面に濡れ性改善層を形成すればよい。
【0081】
【発明の効果】本発明の封止パネル装置あるいはその製
造方法においては、対向配置された第1パネルと第2パ
ネルとを接着する接着層、第1パネルと枠体を接着する
第1接着層、あるいは、枠体と第2パネルとを接着する
第2接着層が低融点金属材料から成るので、真空空間の
真空度を向上させると共に高真空度を長期間維持するこ
とが可能となり、封止パネル装置の信頼性が向上する。
枠体を用いる構成において、フリットガラスを第1接着
層の少なくとも一部分に用いれば、高電圧仕様の第1パ
ネルに対して高い絶縁性能を保証することができる。ま
た、本発明の封止パネル装置の製造方法によれば、煩雑
な操作を一切必要とせずに、高い生産性をもって封止パ
ネル装置を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1の封止パネル装置の概念図
であり、(A)は断面図、(B)は分解斜視図である。
【図2】表示装置として構成された発明の実施の形態1
の封止パネル装置の模式的断面図である。
【図3】図2に示した封止パネル装置の一部を拡大して
示す分解斜視図である。
【図4】発明の実施の形態1の封止パネル装置の製造方
法を概念的に示す工程図である。
【図5】接着と同時に真空の空間を形成する発明の実施
の形態1の封止パネル装置の製造方法を概念的に示す工
程図である。
【図6】接着後の排気により真空の空間を形成する発明
の実施の形態1の封止パネル装置の製造方法を概念的に
示す工程図である。
【図7】間隔維持部材を用いた発明の実施の形態2の封
止パネル装置の製造方法を概念的に示す工程図である。
【図8】濡れ性改善層を用いた発明の実施の形態3の封
止パネル装置の製造方法を概念的に示す工程図である。
【図9】発明の実施の形態4の封止パネル装置の概念図
であり、(A)は断面図、(B)は分解斜視図である。
【図10】発明の実施の形態4の封止パネル装置の他の
構成を示す概念図であり、(A)は断面図、(B)は分
解斜視図である。
【図11】発明の実施の形態4の封止パネル装置の更に
他の構成を示す概念図であり、(A)は断面図、(B)
は分解斜視図である。
【図12】表示装置として構成された発明の実施の形態
4の封止パネル装置の概念的な断面図である。
【図13】発明の実施の形態4の封止パネル装置の製造
方法を概念的に示す工程図である。
【図14】接着と同時に真空の空間を形成する発明の実
施の形態4の封止パネル装置の製造方法を概念的に示す
工程図である。
【図15】接着後の排気により真空の空間を形成する発
明の実施の形態4の封止パネル装置の製造方法を概念的
に示す工程図である。
【図16】発明の実施の形態5の封止パネル装置の製造
方法を概念的に示す工程図である。
【図17】接着と同時に真空の空間を形成する発明の実
施の形態5の封止パネル装置の製造方法を概念的に示す
工程図である。
【図18】接着後の排気により真空の空間を形成する発
明の実施の形態5の封止パネル装置の製造方法を概念的
に示す工程図である。
【符号の説明】
P1・・・第1パネル、P2・・・第2パネル、Am,
30m・・・接着層、F,40・・・枠体、A1,A1
f,31・・・第1接着層、A2,A2m,32m・・
・第2接着層、S・・・間隔維持部材、W・・・濡れ性
改善層、VC・・・真空容器、E・・・排気管、10・
・・透明支持体、11・・・ブラック・マトリクス、1
2R,12G,12B・・・蛍光体層、13・・・アノ
ード電極、14,24・・・絶縁層、20・・・支持
体、21・・・カソード電極、23・・・ゲート電極、
51・・・加速電源、52・・・制御回路、53・・・
走査回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C012 AA05 BC03 BC05 5C032 AA01 BB16 BB18 5C036 EE14 EE17 EF01 EF06 EF09 EG06 EH11

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向配置された第1パネルと第2パネルと
    が周縁部において接着層によって接着され、第1パネル
    と第2パネルと接着層とによって囲まれた空間が真空に
    された封止パネル装置であって、 接着層は低融点金属材料から成ることを特徴とする封止
    パネル装置。
  2. 【請求項2】第1パネルと第2パネルとの間隔を一定に
    維持するための間隔維持部材が、第1パネルと第2パネ
    ルとの間に挟持されていることを特徴とする請求項1に
    記載の封止パネル装置。
  3. 【請求項3】第1パネルは、透明支持体、並びに、該透
    明支持体上に形成されたアノード電極及び蛍光体層から
    成り、 第2パネルは、支持体、並びに、該支持体上に形成さ
    れ、アノード電極及び蛍光体層に対向した複数の冷陰極
    電界電子放出素子から成り、 冷陰極電界電子放出素子から放出された電子が蛍光体層
    に衝突することによる発光に基づいて表示を行うことを
    特徴とする請求項1に記載の封止パネル装置。
  4. 【請求項4】枠体、並びに、該枠体を挟んで対向配置さ
    れた第1パネル及び第2パネルから成り、枠体と第1パ
    ネルとは第1接着層によって接着され、枠体と第2パネ
    ルとは第2接着層によって接着され、第1パネルと第1
    接着層と枠体と第2接着層と第2パネルとによって囲ま
    れた空間が真空にされた封止パネル装置であって、 第2接着層は低融点金属材料から成ることを特徴とする
    封止パネル装置。
  5. 【請求項5】第1接着層は低融点金属材料から成り、第
    1接着層を構成する低融点金属材料の融点と、第2接着
    層を構成する低融点金属材料の融点とは、略等しいこと
    を特徴とする請求項4に記載の封止パネル装置。
  6. 【請求項6】第1接着層は低融点金属材料から成り、第
    1接着層を構成する低融点金属材料の融点は、第2接着
    層を構成する低融点金属材料の融点よりも高いことを特
    徴とする請求項4に記載の封止パネル装置。
  7. 【請求項7】第1接着層はフリットガラスから成ること
    を特徴とする請求項4に記載の封止パネル装置。
  8. 【請求項8】第1接着層の一部分はフリットガラスから
    成り、第1接着層の残部は低融点金属材料から成ること
    を特徴とする請求項4に記載の封止パネル装置。
  9. 【請求項9】第1パネルは、透明支持体、並びに、該透
    明支持体上に形成されたアノード電極及び蛍光体層から
    成り、 第2パネルは、支持体、並びに、該支持体上に形成さ
    れ、アノード電極及び蛍光体層に対向した複数の冷陰極
    電界電子放出素子から成り、 冷陰極電界電子放出素子から放出された電子が蛍光体層
    に衝突することによる発光に基づいて表示を行うことを
    特徴とする請求項4に記載の封止パネル装置。
  10. 【請求項10】(イ)第1パネル及び/又は第2パネル
    の周縁部に低融点金属材料から成る接着層を形成し、あ
    るいは配置する工程と、 (ロ)接着層を構成する低融点金属材料の融点よりも高
    い温度に接着層を加熱することにより、第1パネルと第
    2パネルとを接着層によって接着する工程、を有するこ
    とを特徴とする封止パネル装置の製造方法。
  11. 【請求項11】工程(ロ)における加熱を真空雰囲気中
    で行い、以て、第1パネルと第2パネルと接着層とによ
    って囲まれた空間を真空にすることを特徴とする請求項
    10に記載の封止パネル装置の製造方法。
  12. 【請求項12】工程(ロ)の後、第1パネルと第2パネ
    ルと接着層とによって囲まれた空間を排気することによ
    り真空にすることを特徴とする請求項10に記載の封止
    パネル装置の製造方法。
  13. 【請求項13】工程(イ)では、第1パネルと第2パネ
    ルとの間隔を一定に維持するための間隔維持部材を予め
    第1パネル又は第2パネル上に配置しておくことを特徴
    とする請求項10に記載の封止パネル装置の製造方法。
  14. 【請求項14】工程(イ)に先立ち、第1パネル及び/
    又は第2パネルの接着層形成予定部位に、低融点金属材
    料に対する濡れ性を改善するための濡れ性改善層を形成
    することを特徴とする請求項10に記載の封止パネル装
    置の製造方法。
  15. 【請求項15】第1パネルは、透明支持体、並びに、該
    透明支持体上に形成されたアノード電極及び蛍光体層か
    ら成り、 第2パネルは、支持体、並びに、該支持体上に形成さ
    れ、アノード電極及び蛍光体層に対向した複数の冷陰極
    電界電子放出素子から成り、 冷陰極電界電子放出素子から放出された電子が蛍光体層
    に衝突することによる発光に基づいて表示を行うことを
    特徴とする請求項10に記載の封止パネル装置の製造方
    法。
  16. 【請求項16】枠体、並びに、該枠体を挟んで対向配置
    された第1パネル及び第2パネルから成る封止パネル装
    置の製造方法であって、 (イ)第1パネルの周縁部及び/又は枠体に低融点金属
    材料から成る第1接着層を形成し、あるいは配置し、一
    方、第2パネルの周縁部及び/又は枠体に低融点金属材
    料から成る第2接着層を形成し、あるいは配置する工程
    と、 (ロ)第1接着層を構成する低融点金属材料の融点、及
    び第2接着層を構成する低融点金属材料の融点よりも高
    い温度に第1接着層及び第2接着層を加熱することによ
    り、枠体と第1パネルとを第1接着層によって接着し、
    且つ、枠体と第2パネルとを第2接着層によって接着す
    る工程、を有することを特徴とする封止パネル装置の製
    造方法。
  17. 【請求項17】工程(ロ)における加熱を真空雰囲気中
    で行い、以て、第1パネルと第1接着層と枠体と第2接
    着層と第2パネルとによって囲まれた空間を真空にする
    ことを特徴とする請求項16に記載の封止パネル装置の
    製造方法。
  18. 【請求項18】工程(ロ)の後、第1パネルと第1接着
    層と枠体と第2接着層と第2パネルとによって囲まれた
    空間を排気することにより真空にすることを特徴とする
    請求項16に記載の封止パネル装置の製造方法。
  19. 【請求項19】工程(イ)では、第1パネル、枠体及び
    第2パネルの少なくともいずれかの接着層形成予定部位
    に、低融点金属材料に対する濡れ性を改善するための濡
    れ性改善層を形成することを特徴とする請求項16に記
    載の封止パネル装置の製造方法。
  20. 【請求項20】第1接着層を構成する低融点金属材料の
    融点と、第2接着層を構成する低融点金属材料の融点と
    は、略等しいこと特徴とする請求項16に記載の封止パ
    ネル装置の製造方法。
  21. 【請求項21】第1パネルは、透明支持体、並びに、該
    透明支持体上に形成されたアノード電極及び蛍光体層か
    ら成り、 第2パネルは、支持体、並びに、該支持体上に形成さ
    れ、アノード電極及び蛍光体層に対向した複数の冷陰極
    電界電子放出素子から成り、 冷陰極電界電子放出素子から放出された電子が蛍光体層
    に衝突することによる発光に基づいて表示を行うことを
    特徴とする請求項16に記載の封止パネル装置の製造方
    法。
  22. 【請求項22】枠体、並びに、該枠体を挟んで対向配置
    された第1パネル及び第2パネルから成る封止パネル装
    置の製造方法であって、 (イ)第1パネルの周縁部と枠体とを第1接着層によっ
    て接着する工程と、 (ロ)第2パネルの周縁部及び/又は枠体に低融点金属
    材料から成る第2接着層を形成し、あるいは配置する工
    程と、 (ハ)第2接着層を構成する低融点金属材料の融点より
    も高い温度に第2接着層を加熱することにより、枠体と
    第2パネルとを第2接着層によって接着する工程、を有
    することを特徴とする封止パネル装置の製造方法。
  23. 【請求項23】工程(ハ)における加熱を真空雰囲気中
    で行い、以て、第1パネルと第1接着層と枠体と第2接
    着層と第2パネルとによって囲まれた空間を真空にする
    ことを特徴とする請求項22に記載の封止パネル装置の
    製造方法。
  24. 【請求項24】工程(ハ)の後、第1パネルと第1接着
    層と枠体と第2接着層と第2パネルとによって囲まれた
    空間を排気することにより真空にすることを特徴とする
    請求項22に記載の封止パネル装置の製造方法。
  25. 【請求項25】工程(ロ)に先立ち、第2パネルの周縁
    部及び/又は枠体の第2接着層形成予定部位に、低融点
    金属材料に対する濡れ性を改善するための濡れ性改善層
    を形成することを特徴とする請求項22に記載の封止パ
    ネル装置の製造方法。
  26. 【請求項26】第1接着層は、第2接着層を構成する低
    融点金属材料の融点よりも高い融点を有する低融点金属
    材料から成り、 工程(イ)では、第1接着層を構成する低融点金属材料
    の融点よりも高い温度にて第1接着層を加熱し、 工程(ハ)では、第2接着層を構成する低融点金属材料
    の融点よりも高い温度であって、第1接着層を構成する
    低融点金属材料の融点よりも低い温度に第2接着層を加
    熱することを特徴とする請求項22に記載の封止パネル
    装置の製造方法。
  27. 【請求項27】工程(イ)に先立ち、第1パネルの周縁
    部及び/又は枠体の第1接着層形成予定部位に、低融点
    金属材料に対する濡れ性を改善するための濡れ性改善層
    を形成することを特徴とする請求項26に記載の封止パ
    ネル装置の製造方法。
  28. 【請求項28】第1接着層は、第2接着層を構成する低
    融点金属材料の融点よりも高い焼成温度を有するフリッ
    トガラスから成り、 工程(イ)では、フリットガラスを焼成することによっ
    て第1パネルの周縁部と枠体とを接着し、 工程(ハ)では、第2接着層を構成する低融点金属材料
    の融点よりも高い温度であって、第1接着層を構成する
    フリットガラスの焼成温度よりも低い温度に第2接着層
    を加熱することを特徴とする請求項22に記載の封止パ
    ネル装置の製造方法。
  29. 【請求項29】第1接着層の一部分は、第2接着層を構
    成する低融点金属材料の融点よりも高い焼成温度を有す
    るフリットガラスから成り、 第1接着層の残部は、第2接着層を構成する低融点金属
    材料の融点よりも高い融点を有する低融点金属材料から
    成り、 工程(イ)では、フリットガラスを焼成し、且つ、第1
    接着層を構成する低融点金属材料を溶融させることによ
    って第1パネルの周縁部と枠体とを接着し、 工程(ハ)では、第2接着層を構成する低融点金属材料
    の融点よりも高い温度であって、第1接着層の残部を構
    成する低融点金属材料の融点よりも低い温度に第2接着
    層を加熱することを特徴とする請求項22に記載の封止
    パネル装置の製造方法。
  30. 【請求項30】第1パネルは、透明支持体、並びに、該
    透明支持体上に形成されたアノード電極及び蛍光体層か
    ら成り、 第2パネルは、支持体、並びに、該支持体上に形成さ
    れ、アノード電極及び蛍光体層に対向した複数の冷陰極
    電界電子放出素子から成り、 冷陰極電界電子放出素子から放出された電子が蛍光体層
    に衝突することによる発光に基づいて表示を行うことを
    特徴とする請求項22に記載の封止パネル装置の製造方
    法。
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