JP2000198228A - カラ―可逆性記録媒体、画像記録装置およびカラ―画像形成方法 - Google Patents

カラ―可逆性記録媒体、画像記録装置およびカラ―画像形成方法

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JP2000198228A
JP2000198228A JP113499A JP113499A JP2000198228A JP 2000198228 A JP2000198228 A JP 2000198228A JP 113499 A JP113499 A JP 113499A JP 113499 A JP113499 A JP 113499A JP 2000198228 A JP2000198228 A JP 2000198228A
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colored
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Tadayoshi Ono
忠義 大野
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カラー表示が可能となり、かつ、光、環境温
度、湿度、熱、長期保存などに対して従来よりも改良さ
れた画像保存性に優れたカラー可逆性記録媒体を提供す
る。 【解決手段】カラー可逆性記録媒体の支持体となる基材
10の一方の面上には、導電層11が形成されていると
ともに、この導電層11上には、電気泳動現象を利用し
た可逆性記録層12、保護層としてのトップコート層1
3が順次形成されている。可逆性記録層12は、荷電粒
子14とこれを分散してなる常温で固体状態を示す熱溶
融性分散媒15C,15M,15Yを内包する複数のマ
イクロカプセル16をバインダ中に分散配置したもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録、消去が繰り返
し可能な可逆性記録媒体、特にカラー画像形成および画
像保存性に優れたカラー可逆性記録媒体、および、この
カラー可逆性記録媒体に対してカラー画像の記録、消去
を行なう画像記録装置、および、上記カラー可逆性記録
媒体を用いたカラー画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像の記録、消去が繰り返し可能
なハードコピーが実用化されている。これに用いる記録
媒体は、記録、消去が繰り返し可能なので、ライトワン
スタイプの従来のハードコピー媒体と比較すると、実質
的に記録領域が拡大された効果がある。また、プリペイ
ドカードやポイントカードなど、カードの仕様履歴に応
じて表示画像を更新する場合に有用に利用することがで
きる。
【0003】このような可逆的な記録が可能な材料に
は、熱記録媒体として、ロイコ染料と長鎖アルキル基を
有する顕色剤を組合わせた化学反応タイプのもの、低分
子有機物を高分子マトリクスに分散させ、熱による分散
構造の変化に伴う散乱光変化を利用する物理変化タイプ
のものがある。
【0004】また、磁気粒子を液体に分散させた分散物
をマイクロカプセル化した記録層に磁気記録するものな
どがある。
【0005】これらの記録材料は、記録、消去が繰り返
しできるという従来のハードコピー材料では得られなか
った特徴がある。
【0006】これらの記録媒体における画像は単色画像
がほとんどであるが、ハードコピーの画像としてみたと
きは、カラー画像の要求がある。
【0007】また、従来の記録、消去が繰り返し可能な
記録材料では、画像の保存性に課題がある。すなわち、
熱記録媒体タイプでは、画像の耐熱性、耐環境温度性に
課題があり、磁気記録媒体タイプでは、外部磁場によっ
て画像が乱されるという課題がある。
【0008】カラー表示可能な可逆性記録材料として、
磁性粒子のN極とS極を異なる色に着色し、磁力の印加
により磁性粒子を回転させてカラー表示を行なう磁気記
録媒体(たとえば、特開平1−63991号公報参
照)、あるいは、磁気特性の異なる磁性粒子をそれぞれ
異なる色に着色し、磁界強度を制御してカラー表示を行
なう磁気記録媒体(たとえば、特開平4−175196
号公報参照)の提案がある。
【0009】また、画像安定性が改良されたカラー表示
可能な磁気記録媒体として、フレーク状磁性粒子、着色
剤とこれらを分散してなる常温で固体状態を示す分散媒
を内包してなり、かつ、着色剤の色ごとに異なった融点
を有する分散媒を用いた異なる色相を表わす2種類以上
のマイクロカプセルをバインダ中に分散配置した磁気記
録層を有する磁気記録体が提案されている(たとえば、
特開平9−71042号公報参照)。
【0010】この技術は、磁気記録層を融点の高い順に
分散媒を記録画像に応じて部分的に溶融し、水平または
垂直方向に磁気を印加して、分散されているフレーク状
磁性粒子が移動可能な状態にある間に配向させて記録す
る。消去は、最も高い融点以上の温度に加熱して、磁性
粒子が移動可能な状態にあるときに、記録と異なる方向
に磁性粒子を磁気配向させて行なう。
【0011】分散媒の温度が融点以下となって、分散媒
が固体状態となると、磁性粒子の配向状態は固定され
る。配向状態が固定されることにより、外部磁場が作用
しても配向した磁性粒子の状態は変化せず、画像は保存
される。
【0012】この記録媒体は、上記のように従来の可逆
性記録媒体に比較して、画像保存性が改良されている。
【0013】他のカラー表示可能な可逆性記録媒体とし
て、発色色調および消色開始温度の異なる複数種の可逆
的熱発色性組成物を、それぞれ分離・独立した状態で支
持体上に設けた記録媒体、および、発色性組成物の2種
以上を熱発色させて混合色を形成し、発色した組成物の
うち、少なくとも1種の組成物を消色させる多色画像形
成方法(たとえば、特開平6−79970号公報参
照)、また、前記可逆性記録媒体を用い、含まれる全て
の発色性組成物を発色させた後、画像情報に応じて、非
画像状に組成物のそれぞれを順次消去してカラー画像を
得る画像形成方法(たとえば、特開平8−300825
号公報参照)が提案されている。
【0014】また、画像保存性の改良された可逆性記録
媒体として、多数の空孔を有する支持体の両面に一様な
電極を設け、空孔内に表面の半分ずつにおいて着色、非
着色および正極帯電、負極帯電となるようになされた球
状の絶縁性粒子と、融点が常温以上、支持体の融点以下
の絶縁物と共に充填した記録媒体を用いた記録方法が提
案されている(たとえば、特開昭61−199993号
公報参照)。
【0015】この技術は、記録媒体の厚み方向に電界が
形成されるように、記録媒体の上部電極と下部電極に給
電し、給電している間に、サーマルヘッドにより記録媒
体の表面を選択的に加熱する。加熱された空孔の絶縁物
は融解して流動状態となり、空孔内の球状粒子は回転可
能となる。記録媒体に形成されている電場の向きと球状
粒子の表面の帯電極性に応じて球状粒子は回転する。観
察方向に着色部が配向することにより、画像が形成され
る。
【0016】この提案においても、画像を形成する粒子
の回転が常温以下の温度環境では固定されるため、高い
環境温度においても優れた画像の保存性が得られる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記の提案では、画像
保存性において改良された可逆性記録物とその記録方法
が得られるが、特開平9−71042号公報の技術にお
いては、画像を形成する記録ヘッドの解像度が高々2ド
ット/mm程度しか得られないため、通常、文字記録で
多用される漢字を記録することができない。すなわち、
解像度不足の問題点がある。
【0018】また、特開昭61−199993号公報の
技術においては、支持体内の空孔内に画像形成部材を設
けるため、画像部材密度を高くするために空孔率を高く
すると、支持体の機械的強度が弱まり、低くすると画像
濃度が低くなり、明瞭な画像が得られない。
【0019】また、記録媒体の厚み方向に電界を形成す
るため、機械的強度が得られる支持体の厚みとすると、
印加電圧が高くなる問題がある。さらに、サーマルヘッ
ドで支持体に与えられた熱は支持体内を等方的に拡散す
るので、サーマルヘッドの解像度が高くなるにしたが
い、解像度にしたがった熱的分離できる支持体の厚み方
向は浅くなり、濃度が得にくくなるという問題点があ
る。
【0020】そこで、本発明は、カラー表示が可能とな
り、かつ、光、環境温度、湿度、熱、長期保存などに対
して従来よりも改良された画像保存性に優れたカラー可
逆性記録媒体を提供することを目的とする。
【0021】また、本発明は、記録解像度に優れ、か
つ、記録速度に優れたカラー可逆性記録媒体を用いる画
像記録装置を提供することを目的とする。
【0022】また、本発明は、従来よりも画像保存性の
優れたカラー可逆性記録媒体に対して画像を書換え記録
する際、古い画像を消去するステップと新しい画像を形
成するステップを別に行なうことなく、記録と消去を同
時に行なうことのできる画像記録装置およびカラー画像
形成方法を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明のカラー可逆性記
録媒体は、基材と、この基材の一方の面上に設けられ、
着色された荷電粒子とこれを分散してなり、かつ、前記
荷電粒子の前記着色あるいは自己の着色に対応した所定
の融点を有する着色された熱溶融性分散媒を内包し、互
いに異なる色に着色される複数のマイクロカプセルをバ
インダ中に分散配置した電気泳動記録層とからなること
を特徴とする。
【0024】また、本発明のカラー可逆性記録媒体は、
基材と、この基材の一方の面上に設けられ、所定の色に
着色され、かつ、自己の着色あるいは該熱溶融性分散媒
の着色の色に対応した極性に帯電された荷電粒子とこれ
を分散してなり、かつ、所定の融点を有する着色された
熱溶融性分散媒を内包し、互いに異なる色に着色される
複数のマイクロカプセルをバインダ中に分散配置した電
気泳動記録層とからなることを特徴とする。
【0025】また、本発明のカラー可逆性記録媒体は、
基材と、この基材の一方の面上に設けられ、所定の色に
着色され、かつ、自己の着色あるいは該熱溶融性分散媒
の着色の色に対応した極性に帯電された荷電粒子とこれ
を分散してなり、かつ、前記荷電粒子の前記着色あるい
は自己の着色に対応した所定の融点を有する着色された
熱溶融性分散媒を内包し、互いに異なる色に着色される
複数のマイクロカプセルをバインダ中に分散配置した電
気泳動記録層とからなることを特徴とする。
【0026】また、本発明のカラー可逆性記録媒体は、
基材と、この基材の一方の面上に設けられ、第1の色に
着色され、第1の極性に帯電された荷電粒子とこれを分
散してなる第1の融点を有する常温で固体状態を示す分
散媒を内包する第1のマイクロカプセルと、第1の色に
着色され、第2の極性に帯電された荷電粒子とこれを分
散してなる第1の融点を有する常温で固体状態を示す分
散媒を内包する第2のマイクロカプセルと、第2の色に
着色され、第1の極性に帯電された荷電粒子とこれを分
散してなる第2の融点を有する常温で固体状態を示す分
散媒を内包する第3のマイクロカプセルと、第3の色に
着色され、第2の極性に帯電された荷電粒子とこれを分
散してなる第2の融点を有する常温で固体状態を示す分
散媒を内包する第4のマイクロカプセルをバインダ中に
分散配置した電気泳動記録層とからなることを特徴とす
る。
【0027】また、本発明の画像記録装置は、基材と、
この基材の一方の面上に設けられ、所定の色に着色され
た物理感応性を有する着色粒子とこれを分散してなり、
かつ、前記着色粒子の前記着色あるいは自己の着色に対
応した所定の融点を有する着色された熱溶融性分散媒を
内包し、互いに異なる色に着色される複数のマイクロカ
プセルをバインダ中に分散配置した電気泳動記録層とか
らなるカラー可逆性記録媒体を搬送する搬送手段と、こ
の搬送手段で搬送されるカラー可逆性記録媒体の前記可
逆性記録層の前記着色粒子の移動を制御する粒子移動制
御手段と、この粒子移動制御手段による前記着色粒子へ
の作用に先立って、記録情報の色情報に応じて対応する
着色のマイクロカプセルの前記熱溶融性分散媒を選択的
に溶融する熱記録手段とを具備している。
【0028】また、本発明の画像記録装置は、基材と、
この基材の一方の面上に設けられ、所定の色に着色さ
れ、かつ、自己の着色あるいは該熱溶融性分散媒の着色
の色に対応した物理感応性を有する着色粒子とこれを分
散してなる所定の融点を有する熱溶融性分散媒を内包
し、互いに異なる色に着色される複数のマイクロカプセ
ルをバインダ中に分散配置した電気泳動記録層とからな
るカラー可逆性記録媒体を搬送する搬送手段と、この搬
送手段で搬送されるカラー可逆性記録媒体に対し、記録
情報の色情報に応じて対応する着色のマイクロカプセル
の前記着色粒子の移動を選択的に制御する記録制御手段
と、この記録制御手段による前記着色粒子への作用に先
立って、マイクロカプセルの前記熱溶融性分散媒を溶融
するに充分な加熱を与える記録層加熱手段とを具備して
いる。
【0029】また、本発明の画像記録装置は、基材と、
この基材の一方の面上に設けられ、所定の色に着色さ
れ、かつ、自己の着色あるいは該熱溶融性分散媒の着色
の色に対応した物理感応性を有する着色粒子とこれを分
散してなり、かつ、前記着色粒子の着色あるいは自己の
着色に対応した所定の融点を有する着色された熱溶融性
分散媒を内包し、互いに異なる色に着色される複数のマ
イクロカプセルをバインダ中に分散配置した電気泳動記
録層とからなるカラー可逆性記録媒体を搬送する搬送手
段と、この搬送手段で搬送されるカラー可逆性記録媒体
に対し、記録情報の色情報に応じて対応する着色のマイ
クロカプセルの前記着色粒子の移動を選択的に制御する
記録制御手段と、この記録制御手段による前記着色粒子
への作用に先立って、記録情報の色情報に応じて対応す
る着色のマイクロカプセルの前記熱溶融性分散媒を選択
的に溶融する熱記録手段とを具備している。
【0030】また、本発明のカラー画像形成方法は、基
材と、この基材の一方の面上に設けられ、第1の色に着
色され、第1の極性に帯電された荷電粒子とこれを分散
してなる第1の融点を有する常温で固体状態を示す分散
媒を内包する第1のマイクロカプセルと、第1の色に着
色され、第2の極性に帯電された荷電粒子とこれを分散
してなる第1の融点を有する常温で固体状態を示す分散
媒を内包する第2のマイクロカプセルと、第2の色に着
色され、第1の極性に帯電された荷電粒子とこれを分散
してなる第2の融点を有する常温で固体状態を示す分散
媒を内包する第3のマイクロカプセルと、第3の色に着
色され、第2の極性に帯電された荷電粒子とこれを分散
してなる第2の融点を有する常温で固体状態を示す分散
媒を内包する第4のマイクロカプセルをバインダ中に分
散配置した電気泳動記録層と、この電気泳動記録層の上
に設けられた保護層とからなるカラー可逆性記録媒体を
用い、このカラー可逆性記録媒体に対し、記録情報に応
じて加熱手段により第1の融点温度以上または第1の融
点温度と第2の融点温度との間にそれぞれ選択的に電気
泳動層を加熱するステップと、記録情報に応じて前記保
護層に接する記録電極に正極性電圧または負極性電圧を
選択的に印加することにより画像を形成するステップと
からなる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0032】まず、第1の実施の形態について説明す
る。
【0033】図1は、第1の実施の形態に係るカラー可
逆性記録媒体の断面を模式的に示すものである。図1に
おいて、10はカラー可逆性記録媒体の支持体となる基
材で、この基材10の一方の面上には、導電層11が形
成されているとともに、この導電層11上には、後述す
る電気泳動現象を利用した可逆性記録層12、保護層と
してのトップコート層13が順次形成されている。
【0034】基材10には、ポリ塩化ビニル、ポリエス
テル、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂類、
天然樹脂、紙、合成紙などを単独または組合わせた複合
体として用いることができる。また、その形状もカード
状あるいはシート状など、用途に応じて選択され、特に
限定されることはない。
【0035】可逆性記録層12は、荷電粒子14とこれ
を分散してなる常温で固体状態を示す熱溶融性分散媒1
5C,15M,15Yを内包する複数のマイクロカプセ
ル16をバインダ(図示せず)中に分散配置したもので
ある。
【0036】荷電粒子14としては、黒色のカーボンブ
ラックや白色の酸化チタンなど、あるいは、着色したも
のとしては、フタロシアニン系顔料などの有機顔料をポ
リマ樹脂で被覆したもの、アゾ染料、キノリン系染料な
ど、公知の染料で着色された微細なポリマビーズなどを
用いることができる。
【0037】なお、荷電粒子14の帯電特性を安定させ
るために、荷電制御剤を用いてもよい。荷電制御剤に
は、静電記録用の現像剤(トナー)に利用されている公
知の材料が好適である。また、荷電粒子14の大きさ
は、画像コントラストなどから5〜20μmの範囲が好
ましい。ここでは、荷電粒子14として、正極に帯電さ
せた酸化チタン(チタンホワイト)を用いている。
【0038】分散媒15C,15M,15Yとしては、
着色された融点が40〜100℃の範囲にある加熱によ
り流動性を生じる熱溶融性材料が用いられる。融点の低
温側は画像の耐熱安定性を得るためであり、高温側は基
材10および可逆性記録層12のバインダの耐熱性を考
慮したものである。このような材料として、パラフィン
ワックス、カルナバワックスなど、天然あるいは合成ワ
ックス類、ステアリン酸、パルミチン酸などの高級脂肪
酸やその誘導体、カルボン酸エステルなどのエステル類
を用いることができる。
【0039】分散媒15C,15M,15Yの温度変化
に伴う粘度変化特性は記録特性上、重要である。図2に
分散媒の温度変化と粘度との関係を模式的に示す。この
記録媒体の分散媒としては、特に好ましいのは、融点が
上記範囲にあり、かつ、図2の実線で示すように、融点
以上での粘度降下が大きく、融点以下に温度が下がって
も一定時間流動性を有する、いわゆる過冷却性を有する
ものである。図2の破線で示したような温度−粘度特性
は、荷電粒子が可動できる時間が短いため、結果として
感度が低くなる。
【0040】分散媒15C,15M,15Yの着色に
は、顔料あるいは染料が利用できる。顔料は単独あるい
は樹脂との混練物として用い、分散媒材料に分散して用
いる。また、アゾ系染料、フタロシアニン系染料などの
染料も用いることができる。染料は、分散媒である熱溶
融性材料と相溶性のあるものを用いてもよい。
【0041】本実施の形態では、分散媒15C,15
M,15Yがそれぞれ異なる色、ここでは分散媒15C
はシアン、分散媒15Mはマゼンタ、分散媒15Yはイ
エローに着色されている。それぞれの着色に対応して、
分散媒となる熱溶融性材料の融点はそれぞれ異なる範囲
のものが用いられる。ここでは、分散媒15Cには融点
が40℃、分散媒15Mには融点が60℃、分散媒15
Yには融点が80℃のパラフィンワックスをそれぞれ用
いた。
【0042】このように、第1の実施の形態に係るカラ
ー可逆性記録媒体は、分散媒の着色に対応してそれぞれ
分散媒の溶融温度が異なっているのが特徴である。
【0043】上記した荷電粒子、分散媒などを主成分と
する芯物質をポリマなどの殻物質で覆い、マイクロカプ
セル化する。この殻物質として用いられる樹脂には、一
般に用いられている樹脂、たとえば、アクリル系樹脂、
メタクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、
エポキシ樹脂、天然樹脂などがあげられ、これらを単
独、あるいは、2種以上混合して使用することも可能で
ある。
【0044】マイクロカプセルの製造方法としては、ポ
リマ溶液に分散させた着色荷電粒子、分散媒からなる芯
物質のまわりにポリマの濃厚相を分離させる相分離法、
ポリマ溶液中の芯物質のまわりにポリマの硬化試験薬な
どによりポリマを硬化させる液中硬化被覆法、芯物質を
分散させたエマルジョンの内相、あるいは、外相のいず
れか一方からモノマや重合触媒を供給し、芯物質の表面
をポリマで覆うインシチュー重合法、芯物質を分散させ
たエマルジョンの内相と外相の両方からモノマを供給す
る界面重合法などのマイクロカプセル化技法が好適であ
るが、これらの方法に限定されるものではない。
【0045】特に、インシチュー重合法、あるいは、相
分離法を用いて製造することにより、粒径の揃った、か
つ、着色荷電粒子が均一に分散されたマイクロカプセル
を製造することができる。ここで用いる重合性モノマ
は、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチ
レン、および、その誘導体、イソシアネート、各種アミ
ン、エポキシ基を有する化合物などが好適である。
【0046】上記の方法を用いて、イエローに着色され
た融点が40℃のパラフィンワックスに正極性に帯電し
たチタンホワイト微粒子を分散させた分散液を内包する
イエローに着色するマイクロカプセルを作成した。同様
に、マゼンタに着色された融点が50℃のパラフィンワ
ックスに正極性に帯電したチタンホワイト微粒子を分散
させた分散液を内包するマゼンタに着色するマイクロカ
プセル、および、シアンに着色された融点が60℃のパ
ラフィンワックスに正極性に帯電したチタンホワイト微
粒子を分散させた分散液を内包するシアンに着色するマ
イクロカプセルをそれぞれ作成した。
【0047】マイクロカプセルを分散するバインダとし
ては、水系バインダ、溶剤系バインダ、エマルション系
バインダなどが用いられる。
【0048】トップコート層13としては、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチルなどの
熱硬化性あるいは光重合性樹脂が用いられる。
【0049】ここで、カラー可逆性記録媒体の製作方法
について簡単に説明する。たとえば、125μmのポリ
エステルフィルムで基材10を形成し、この基材10の
一方の面上に、前記製造方法によって製作されたシア
ン、マゼンタ、イエローに着色する3種類のマイクロカ
プセルとバインダからなる記録層液をスクリーン印刷法
で塗布して、乾燥させ、可逆性記録層12を形成した。
そして、可逆性記録層12の上にポリエステル樹脂塗布
液を塗布して、乾燥させ、トップコート層13を形成し
た。このようにして得られた可逆性記録層12の厚みは
約20μmであり、トップコート層13の厚みは約3μ
mであった。
【0050】可逆性記録層12の初期状態は、荷電粒子
がマイクロカプセル全体に均一に分散しているので、マ
イクロカプセルは分散媒の着色の色を呈する。ここで
は、分散媒はシアン、マゼンタ、イエローに着色されて
いるので、可逆性記録層12の色は黒となる。
【0051】なお、上述したカラー可逆性記録媒体で
は、分散媒の着色色を不透明の白色粒子により、表面か
ら見たときに、遮蔽するかしないかで画点を形成するも
のであるが、分散媒の着色を不透明で同じ色の着色と
し、荷電粒子が表面にあるか否かで、荷電粒子の色が見
えるか否かで画点を形成してもよいのは勿論である。
【0052】図3は、第1の実施の形態に係る画像記録
装置の概略構成を模式的に示すものである。図3におい
て、20は先に説明した図1のカラー可逆性記録媒体
で、記録媒体搬送手段の一部をなすバックプラテンロー
ラ21,22によって図示矢印方向に搬送される。搬送
方向の上流側のバックプラテンローラ21上には、記録
情報に応じてカラー可逆性記録媒体20の可逆性記録層
12を選択的に加熱する熱記録手段の一部をなすサーマ
ルヘッド23が設けられている。サーマルヘッド23の
上流側には、カラー可逆性記録媒体20のサーマルヘッ
ド23への進入を検知するセンサ24が設けられてい
る。
【0053】バックプラテンローラ22は、バックプラ
テンローラ21の下流側に近接して設けられていて、こ
のバックプラテンローラ22には、カラー可逆性記録媒
体20の可逆性記録層12に電圧を印加するための電圧
印加手段の一部をなすバー状の電極25が設けられてい
る。この電極25は、カラー可逆性記録媒体20の搬送
方向に対し直交する方向に設けられている。
【0054】図4は、図3に示した画像記録装置の要部
構成をブロック図で示したものである。図4において、
CPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)30
には、バスライン29を介して熱記録部31、電圧印加
部33、メモリ35、記録媒体搬送部36、および、前
記センサ24がそれぞれ接続されていて、これらはCP
U30の命令で制御される。
【0055】熱記録部31は、前記サーマルヘッド23
の駆動制御を行なうサーマルヘッド駆動制御部32を備
え、電圧印加部33は、前記導電層11および電極25
への電圧印加を制御する電極駆動部34を備えている。
記録媒体搬送部36は、前記バックプラテンローラ(搬
送ローラ)21,22の定速駆動、停止を制御する搬送
制御部37を備えている。
【0056】次に、図3および図4を用いて、該画像記
録装置による画像の記録、消去の動作を説明する。カラ
ー可逆性記録媒体20の本装置への挿入がセンサ24に
より検知されると、この検知信号に基づいて、CPU3
0から搬送制御部37に駆動命令が出され、カラー可逆
性記録媒体20が搬送される。
【0057】センサ24のカラー可逆性記録媒体20の
検知に基づき、カラー可逆性記録媒体20がサーマルヘ
ッド23上に到達したタイミングで、CPU30からサ
ーマルヘッド駆動制御部32に記録命令が出される。サ
ーマルヘッド駆動制御部32は、あらかじめメモリ35
に記憶されている記録情報を読出す。ここでは、シア
ン、マゼンタ、イエローの3色とも荷電粒子で遮蔽さ
れ、荷電粒子の白色となる白情報(W)とイエローとマ
ゼンタの2色が荷電粒子に遮蔽されるシアン情報
(C)、イエローの1色が荷電粒子で遮蔽され、シアン
とマゼンタの混色から形成される緑情報(G)がそれぞ
れメモリ35に格納されている。なお、各情報は、画像
の同じ場所で重なることはなく、画像の1アドレスに対
して上記各情報のいずれか1つのみが対応している。
【0058】サーマルヘッド駆動制御部32では、記録
する情報に応じて、サーマルヘッド23の発熱体(図示
せず)が異なる温度に発熱するように、各発熱体を駆動
制御する。ここでは、黒情報を記録する場合は、カラー
可逆性記録媒体20の可逆性記録層12の温度が80〜
90℃になるような加熱を与えられるように、サーマル
ヘッド23の発熱体に通電する。また、緑情報を記録す
る場合は、60〜70℃になるような加熱を与えられる
ように、サーマルヘッド23の発熱体に通電する。さら
に、シアン情報を記録する場合は、40〜50℃になる
ような加熱を与えられるように、サーマルヘッド23の
発熱体に通電する。このような制御は、サーマルヘッド
23の発熱体への通電時間を個別に制御することによ
り、容易に実現できる。
【0059】サーマルヘッド23で記録情報に応じて可
逆性記録層12を異なる温度に選択的に加熱されたカラ
ー可逆性記録媒体20は、さらに搬送され、隣接する電
極25と接する。ここでは、カラー可逆性記録媒体20
のトップコート層13に電極25が接するとともに、カ
ラー可逆性記録媒体20の導電層11に電極駆動部34
に連結する外部端子(図示せず)が接する。この外部端
子は接地されており、電極駆動部34は、電極25に負
極の直流電圧あるいはパルス電圧を印加する。この電圧
印加により、マイクロカプセル中の分散媒が液体状態に
あるものは、荷電粒子がトップコート層13側に移動す
る。この結果、黒下地に白、シアンおよび緑からなる画
像が形成される。
【0060】次に、画像形成に関わる記録層のマイクロ
カプセルに内包される着色荷電粒子の挙動について図5
を用いて説明する。
【0061】図5は、カラー可逆性記録媒体20の可逆
性記録層12のマイクロカプセルをデフォルメして模式
的に示してある。図中、40はマイクロカプセル、41
は荷電粒子、42,43は着色した分散媒、44は記録
電極群25を構成する各画点に対応した個別記録電極、
11は導電層、13はトップコート層を、それぞれ示し
ている。白地で示す分散媒42は、固体状態にある分散
媒を示す。斜線で示す分散媒43は、液体状態にある分
散媒を示す。また、図5中のC,M,Yはそれぞれの着
色を示し、Cはシアン、Mはマゼンタ、Yはイエローで
ある。
【0062】図5(a)、(b)、(c)は、サーマル
ヘッド23による先に述べた選択的な加熱における各マ
イクロカプセルの状態を示している。図5(a)は、白
情報による加熱を示したもので、全てのカプセルの分散
媒が溶融する。図5(b)は、シアン情報による加熱を
示したもので、マゼンタおよびイエロー着色のカプセル
の分散媒が溶融する。図5(c)は、緑情報による加熱
を示したもので、イエロー着色のカプセルの分散媒のみ
が溶融する。
【0063】図5(d)、(e)、(f)は、電圧印加
における荷電粒子の移動状態を示している。図5(d)
は、白情報に応じて加熱されたマイクロカプセルにおけ
る荷電粒子の移動状態を示したもので、シアン、マゼン
タ、イエローのカプセル中の分散媒が全て液体状態にあ
るので、正極に帯電した荷電粒子は、負電圧を印加され
た個別記録電極44の方向に電気泳動現象により移動す
る。その結果、各色の分散媒は荷電粒子で遮蔽され、記
録媒体の表面から見たとき、荷電粒子の白色のみが見
え、白色の画点が形成される。
【0064】図5(e)は、シアン情報に応じて加熱さ
れたマイクロカプセルにおける荷電粒子の移動状態を示
したもので、シアン以外のカプセル中の分散媒は液体状
態にあるので、正極に帯電した荷電粒子は、負電圧を印
加された個別記録電極44の方向に電気泳動現象により
移動する。その結果、マゼンタ、イエローのカプセルは
白色となる。一方、分散媒が固体状態にあるため、電圧
が印加されても荷電粒子が移動しないシアンのカプセル
は分散媒の着色であるシアン色を維持する。その結果、
この部分はシアンの画点が形成される。
【0065】図5(f)は、緑情報に応じて加熱された
マイクロカプセルにおける荷電粒子の移動状態を示した
もので、分散媒が液体状態にあるイエローのカプセルの
荷電粒子のみが、負電圧を印加された個別記録電極44
の方向に電気泳動現象により移動する。その結果、イエ
ローのカプセルは白色となる。一方、分散媒が固体状態
にあるため、電圧が印加されても荷電粒子が移動しない
シアンおよびマゼンタのカプセルは分散媒の着色を維持
する。その結果、この部分はシアンとマゼンタの加法混
色である緑の画点が形成される。
【0066】上記の電気泳動により移動した着色荷電粒
子は、着色荷電粒子の分散媒の温度が融点以下になる
と、分散媒が液体から固体状態となることにより、固定
され、画像が安定化する。
【0067】次に、画像の消去について説明する。図3
に示した画像記録装置にカラー可逆性記録媒体20を挿
入し、センサ24の検知に基づき、カラー可逆性記録媒
体20がサーマルヘッド23に到達したタイミングで、
あらかじめ選択され、CPU30に入力された消去命令
に基づき、CPU30からサーマルヘッド駆動制御部3
2に消去命令が出される。
【0068】サーマルヘッド駆動制御部32では、CP
U30からの消去命令に応じて、サーマルヘッド23の
各発熱体(図示せず)が全ての分散媒(図示せず)を溶
融するに充分な温度である80〜90℃になるような加
熱を与えられるように、サーマルヘッド23の発熱体に
通電する。
【0069】サーマルヘッド23で消去情報に応じて可
逆性記録層12を加熱されたカラー可逆性記録媒体20
は、さらに搬送され、隣接する電極25と接する。ここ
では、カラー可逆性記録媒体20のトップコート層13
に電極25が接するとともに、カラー可逆性記録媒体2
0の導電層11に電極駆動部34に連結する外部端子
(図示せず)が接する。外部端子は接地されており、電
極駆動部34は、CPU30からの消去命令により、情
報記録とは異なり、電極25に正極の直流電圧あるいは
パルス電圧を印加する。この電圧印加により、マイクロ
カプセル中の荷電粒子は、全て基材10側に移動する。
この結果、画像は全て消去され、カラー可逆性記録媒体
20の記録面は黒色となる。
【0070】次に、第2の実施の形態について説明す
る。
【0071】図6は、第2の実施の形態に係るカラー可
逆性記録媒体の断面を模式的に示すものである。図6に
おいて、50は記録媒体の支持体となる基材で、この基
材50の一方の面上には、導電層51が形成されている
とともに、この導電層51上には、後述する電気泳動現
象を利用した可逆性記録層52、保護層としてのトップ
コート層53が順次形成されている。
【0072】可逆性記録層52は、正極に帯電した青色
の荷電粒子54とこれを分散してなる常温で固体状態を
示す第1の融点を有する白色不透明に着色された熱溶融
分散媒55を内包するマイクロカプセル56、および、
負極に帯電した赤色の荷電粒子57とこれを分散してな
る常温で固体状態を示す第2の融点を有する白色不透明
に着色された熱溶融性分散媒58を内包するマイクロカ
プセル59をバインダ(図示せず)中に分散配置したも
のである。
【0073】なお、基材50、導電層51、荷電粒子5
4,57、熱溶融性分散媒55,58に用いられる材
料、および、荷電粒子、分散媒、マイクロカプセル、カ
ラー可逆性記録媒体の作成方法は、前述した第1の実施
の形態に係るカラー可逆性記録媒体と同じ物および作成
方法を用いることができる。これらについては、説明が
重複するので詳細な説明は省略する。
【0074】この実施の形態に係るカラー可逆性記録媒
体では、荷電粒子54は正極に帯電され、青色に着色さ
れた樹脂微粒子で、これの分散媒55は白色不透明に着
色された融点が50℃のパラフィンワックスで、これら
を内包するマイクロカプセル56は青色/白色に変化す
る。
【0075】また、荷電粒子57は負極に帯電され、赤
色に着色された樹脂微粒子で、これの分散媒58は白色
不透明に着色された融点が50℃のパラフィンワックス
で、これらを内包するマイクロカプセル59は赤色/白
色に変化する。
【0076】このように、第2の実施の形態に係るカラ
ー可逆性記録媒体は、荷電粒子の着色に対応して荷電粒
子の極性が異なっているのが特徴である。また、分散媒
の着色をそれぞれ異なる色として、分散媒の着色に応じ
て荷電粒子に付与する帯電極性を異ならせた記録媒体
も、この第2の実施の形態に係るカラー可逆性記録媒体
に含まれるものとする。
【0077】なお、上記第2の実施の形態では、荷電粒
子を記録媒体の表面側に移動させたときには荷電粒子の
色による着色画点となり、荷電粒子を表面から遠ざけて
移動させたときは分散媒の色による着色画点となる。
【0078】図7は、第2の実施の形態に係る画像記録
装置の概略構成を模式的に示すものである。図7におい
て、60は先に説明した図6のカラー可逆性記録媒体
で、記録媒体搬送手段の一部をなす搬送ローラ61,6
2によって図示矢印方向に搬送される。搬送方向の上流
側の搬送ローラ61上には、記録層加熱手段の一部をな
すヒートローラ63が転接されている。ヒートローラ6
3の上流側には、カラー可逆性記録媒体60のヒートロ
ーラ63への進入を検知するセンサ64が設けられてい
る。搬送方向の下流側の搬送ローラ62上には、記録電
極群65が設けられている。記録電極群65の上流側に
は、カラー可逆性記録媒体60の記録電極群65への進
入を検知するセンサ66が設けられている。
【0079】記録電極群65は、画点に対応したサイズ
の一列に配列された複数の個別記録電極から構成され、
この複数の個別記録電極は後述する記録電極駆動部74
に接続されている。
【0080】図8は、図7に示した画像記録装置の要部
構成をブロック図で示したものである。図8において、
CPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)70
には、バスライン69を介して記録層加熱部71、記録
電極制御部73、メモリ75、記録媒体搬送部76、お
よび、前記センサ64,66がそれぞれ接続されてい
て、これらはCPU70の命令で制御される。
【0081】記録層加熱部71は、ヒートローラ63の
加熱、温度制御を行なうヒートローラ駆動制御部72を
備えている。記録電極制御部73は、記録信号の生成と
駆動を制御する記録電極駆動部74を備え、記録電極群
65およびカラー可逆性記録媒体60の導電層51に記
録情報にしたがって記録電圧を印加する。記録媒体搬送
部76は、前記搬送ローラ61,62の定速駆動、停止
を制御する搬送制御部77を備えている。
【0082】次に、図7および図8を用いて、該画像記
録装置による画像の記録、消去の動作を説明する。ま
ず、該画像記録装置の電源投入にしたがって、CPU7
0の命令によりヒートローラ駆動制御部72はヒートロ
ーラ63に通電し、所定温度、この場合、カラー可逆性
記録媒体60の可逆性記録層52のマイクロカプセルに
内包される分散媒を融解するに充分な温度(55℃)ま
でヒートローラ63を昇温する。所定温度まで昇温後、
それよりも低温のスタンバイ温度にヒートローラ63の
温度を保持する。
【0083】カラー可逆性記録媒体60の本装置への挿
入がセンサ64により検知されると、この検知信号に基
づいて、CPU70からヒートローラ駆動制御部72お
よび搬送制御部77に駆動命令が出される。この駆動命
令により、ヒートローラ駆動制御部72はヒートローラ
63に通電し、ヒートローラ63の温度をスタンバイ温
度から所定温度(55℃)まで昇温し、その温度を保持
するようにヒートローラ63への通電を制御する。カラ
ー可逆性記録媒体60は、ヒートローラ63を通過する
ときに、ヒートローラ63側に位置する可逆性記録層5
2は加熱され、可逆性記録層52のマイクロカプセルに
内包される分散媒は融解し、固体状態から液体状態とな
る。
【0084】カラー可逆性記録媒体60がさらに搬送さ
れ、カラー可逆性記録媒体60の記録電極群65への進
入がセンサ66により検知されると、その検知信号に基
づいて、CPU70から記録電極駆動部74に記録命令
が出される。記録電極駆動部74は、あらかじめメモリ
75に記憶されている記録情報を読出す。ここでは、青
情報と赤情報がそれぞれメモリ75に格納されている。
なお、各情報は、画像の同じ場所で重なることなく、画
像の1アドレスに対して上記各情報のいずれか1つのみ
が対応している。
【0085】カラー可逆性記録媒体60がさらに搬送さ
れ、記録電極群65と接する。ここでは、カラー可逆性
記録媒体60のトップコート層53に記録電極群65が
接するとともに、カラー可逆性記録媒体60の導電層5
1に記録電極駆動部74に連結する外部端子(図示せ
ず)が接する。外部端子は接地されている。
【0086】記録電極駆動部74は、記録電極群65に
対して、記録情報に応じて、赤情報の場合は正極のパル
ス記録電圧を、青情報の場合は負極パルス記録電圧を選
択的に印加する。このパルス記録電圧の印加により、マ
イクロカプセル中の荷電粒子がトップコート層53側に
移動する。この結果、白下地に赤色および青色からなる
画像が形成される。
【0087】上記の電気泳動により移動した着色荷電粒
子は、着色荷電粒子の分散媒の温度が融点以下になる
と、分散媒が液体から固体状態となることにより、固定
され、画像が安定化する。
【0088】次に、記録電極に供給される電気信号の生
成について図9を用いて説明する。図示しないメモリか
ら読出されてきた画像データは、青情報/赤情報判定部
80と記録電極駆動部74に供給される。青情報/赤情
報判定部80では、画像データが赤情報か、青情報かを
判定する。
【0089】電源切換部81では、この判定結果にした
がって、青情報の場合は負極性電源への切換信号を、赤
情報の場合は正極性電源への切換信号を発生する。記録
電極駆動部74では、荷電粒子の電気泳動が充分に行な
われるように設定された通電時間に応じた通電パルスを
生成する。通電パルスと電源切換部81での電源切換信
号との同期を取り、画像データの青情報、赤情報に応じ
た極性の通電パルスが記録電極群65に選択的に供給さ
れる。
【0090】これにより、供給された通電パルスにした
がった着色荷電粒子の移動が記録電極ごとに起こり、青
画像と赤画像の形成が同時に行なわれる。
【0091】次に、画像形成に関わる記録電圧の印加に
おける記録層のマイクロカプセルに内包される着色荷電
粒子の挙動について図10を用いて説明する。
【0092】図10は、カラー可逆性記録媒体60の可
逆性記録層52のマイクロカプセルをデフォルメして模
式的に示してある。図中、54は青色に着色した正帯電
の荷電粒子、57は赤色に着色した負帯電の荷電粒子、
56は青色に着色するマイクロカプセル、59は赤色に
着色するマイクロカプセル、51は導電層、53はトッ
プコート層、90は記録電極群65を構成する各画点に
対応した個別記録電極を、それぞれ示している。
【0093】図10(a)を用いて、個別記録電極90
に対して、青情報を記録するために負極性のパルス通電
が行なわれた場合の荷電粒子の挙動について説明する。
負極性帯電パルスが個別記録電極90に印加されると、
正帯電の青色荷電粒子54は電気泳動により誘引され、
トップコート層53側に移動する。一方、負帯電の赤色
荷電粒子は導電層51側に移動する。
【0094】電圧印加の後、それぞれのマイクロカプセ
ル中の分散媒(図示せず)は固化し、荷電粒子はそれぞ
れ固定される。トップコート層53側にある青色荷電粒
子は、記録媒体の表面から見ることができ、導電層51
側にある赤色荷電粒子は不透明な白色分散媒層に遮蔽さ
れ、記録媒体の表面からは見ることができない。この結
果、青色の画点が形成される。
【0095】図10(b)を用いて、個別記録電極90
に対して、赤情報を記録するために正極性のパルス通電
が行なわれた場合の荷電粒子の挙動について説明する。
正極性帯電パルスが個別記録電極90に印加されると、
負帯電の赤色荷電粒子57は電気泳動により誘引され、
トップコート層53側に移動する。一方、正帯電の青色
荷電粒子は導電層51側に移動する。
【0096】電圧印加の後、それぞれのマイクロカプセ
ル中の分散媒(図示せず)は固化し、荷電粒子はそれぞ
れ固定される。トップコート層53側にある赤色荷電粒
子は、記録媒体の表面から見ることができ、導電層51
側にある青色荷電粒子は不透明な白色分散媒層に遮蔽さ
れ、記録媒体の表面からは見ることができない。この結
果、赤色の画点が形成される。
【0097】次に、画像の消去について説明する。図7
に示した画像記録装置にカラー可逆性記録媒体60を挿
入し、センサ64の検知に基づき、カラー可逆性記録媒
体60のマイクロカプセルに内包される分散媒を溶融す
るに充分な温度に昇温されたヒートローラ63を通過
し、マイクロカプセルに内包される分散媒が加熱され、
液体状態となる。ヒートローラ63で可逆性記録層52
を加熱されたカラー可逆性記録媒体60は、さらに搬送
され、次の記録電極群65と接する。
【0098】ここでは、カラー可逆性記録媒体60のト
ップコート層53に記録電極群65が接するとともに、
カラー可逆性記録媒体60の導電層51に記録電極駆動
部74に連結する外部端子(図示せず)が接する。外部
端子は接地されており、記録電極駆動部74は、CPU
70からの消去命令により、情報記録とは異なり、記録
電極群65の全ての個別記録電極に数100Hz〜数k
Hzの正極、負極にピークを有するパルス電圧を印加す
る。
【0099】この電圧印加により、正帯電の青色荷電粒
子も負帯電の赤色荷電粒子もトップコート層53と導電
層51との間で個別記録電極に対する誘引と反発により
振動し、マイクロカプセルの中央部付近に移動する。こ
の結果、画像は消去され、記録媒体の表面からは白地の
みが見えるようになる。
【0100】次に、第3の実施の形態について説明す
る。
【0101】図11は、第3の実施の形態に係るカラー
可逆性記録媒体の断面を模式的に示すものである。図1
1において、100は記録媒体の支持体となる基材で、
この基材100の一方の面上には、導電層101が形成
されているとともに、この導電層101上には、後述す
る電気泳動現象を利用した可逆性記録層102、保護層
としてのトップコート層103が順次形成されている。
【0102】可逆性記録層102は、第1の極性である
正極に帯電し、第1の色であるイエローに着色された荷
電粒子104とこれを分散してなる常温で固体状態を示
す第1の融点(T1)を有する白色不透明に着色された
熱溶融分散媒105を内包するマイクロカプセル10
6、第2の極性である負極に帯電し、第1の色であるイ
エローに着色された荷電粒子107とこれを分散してな
る常温で固体状態を示す第1の融点を有する白色不透明
に着色された熱溶融性分散媒108を内包するマイクロ
カプセル109、第1の極性である正極に帯電し、第2
の色であるマゼンタに着色した荷電粒子110とこれを
分散してなる常温で固体状態を示す第1の融点よりも低
い第2の融点(T2)を有する白色不透明に着色された
熱溶融分散媒111を内包するマイクロカプセル11
2、および、第2の極性である負極に帯電し、第3の色
であるシアンに着色された荷電粒子113とこれを分散
してなる常温で固体状態を示す第1の融点よりも低い第
2の融点を有する白色不透明に着色された熱溶融性分散
媒114を内包するマイクロカプセル115をバインダ
(図示せず)中に分散配置したものである。
【0103】なお、基材100、導電層101、荷電粒
子104,107,110,113、熱溶融性分散媒1
05,108,111,114に用いられる材料、およ
び、荷電粒子、分散媒、マイクロカプセル、カラー可逆
性記録媒体の作成方法は、前述した第1の実施の形態に
係るカラー可逆性記録媒体と同じ物および作成方法を用
いることができる。これらについては、説明が重複する
ので詳細な説明は省略する。
【0104】このように、第3の実施の形態に係るカラ
ー可逆性記録媒体は、荷電粒子はそれぞれ異なる色を持
ち、また、荷電粒子とそれを分散する分散媒の組合わせ
において、荷電粒子の帯電極性と分散媒の融点の組合わ
せがそれぞれ異なることが特徴である。
【0105】すなわち、マイクロカプセル106は、イ
エロー(Y)に着色された樹脂微粒子で正極に帯電され
た荷電粒子104と白色不透明に着色された融点が80
℃のパラフィンワックスからなる分散媒105の組合わ
せであり、マイクロカプセル109は、イエローに着色
された樹脂微粒子で負極に帯電された荷電粒子107と
白色不透明に着色された融点が80℃のパラフィンワッ
クスからなる分散媒108の組合わせであり、マイクロ
カプセル112は、マゼンタ(M)に着色された樹脂微
粒子で正極に帯電された荷電粒子110と白色不透明に
着色された融点が50℃のパラフィンワックスからなる
分散媒111の組合わせであり、マイクロカプセル11
5は、シアン(C)に着色された樹脂微粒子で負極に帯
電された荷電粒子113と白色不透明に着色された融点
が50℃のパラフィンワックスからなる分散媒114の
組合わせである。
【0106】なお、上記第3の実施の形態では、荷電粒
子を記録媒体の表面側に移動させたときには荷電粒子の
色による着色画点となり、荷電粒子を表面から遠ざけて
移動させたときは分散媒の色による着色画点となる。
【0107】第3の実施の形態に係るカラー可逆性記録
媒体では、上述した帯電極性と融点の違いを利用するこ
とにより、下記表1に示す色を表現することができる。
【0108】
【表1】
【0109】図12は、第3の実施の形態に係る画像記
録装置の概略構成を模式的に示すものである。図12に
おいて、120は先に説明した図11のカラー可逆性記
録媒体で、記録媒体搬送手段の一部をなすバックプラテ
ンローラ121,122によって図示矢印方向に搬送さ
れる。搬送方向の上流側のバックプラテンローラ121
上には、記録情報に応じてカラー可逆性記録媒体20の
可逆性記録層102を選択的に加熱する熱記録手段の一
部をなすサーマルヘッド123が設けられている。サー
マルヘッド123の上流側には、カラー可逆性記録媒体
120のサーマルヘッド123への進入を検知するセン
サ124が設けられている。
【0110】バックプラテンローラ122は、バックプ
ラテンローラ121の下流側に近接して設けられてい
て、このバックプラテンローラ122には、カラー可逆
性記録媒体120の可逆性記録層102に選択的にかつ
極性を切換えて記録電圧を印加する記録電極制御手段の
一部をなす記録電極群125が設けられている。
【0111】記録電極群125は、画点に対応したサイ
ズの一列に配列された複数の個別記録電極から構成さ
れ、この複数の個別記録電極は後述する記録電極制御部
133に接続されている。
【0112】図13は、図12に示した画像記録装置の
要部構成をブロック図で示したものである。図14にお
いて、CPU(セントラル・プロセッシング・ユニッ
ト)130には、バスライン129を介して熱記録部1
31、記録電極制御部133、メモリ135、記録媒体
搬送部136、および、前記センサ124がそれぞれ接
続されていて、これらはCPU130の命令で制御され
る。
【0113】熱記録部131は、前記サーマルヘッド1
23の駆動制御を行なうサーマルヘッド駆動制御部13
2を備え、記録電極制御部133は、記録信号の生成と
駆動を制御する記録電極駆動部134を備え、記録電極
群125およびカラー可逆性記録媒体120の導電層1
01に記録情報にしたがって記録電圧を印加する。記録
媒体搬送部136は、前記バックプラテンローラ(搬送
ローラ)121,122の定速駆動、停止を制御する搬
送制御部137を備えている。
【0114】次に、図12、図13および図14を用い
て、該画像記録装置による画像の記録、消去の動作を説
明する。カラー可逆性記録媒体120の本装置への挿入
がセンサ124により検知されると、この検知信号に基
づいて、CPU130から搬送制御部137に駆動命令
が出され、カラー可逆性記録媒体120が搬送される。
【0115】センサ124のカラー可逆性記録媒体12
0の検知に基づき、カラー可逆性記録媒体120がサー
マルヘッド123上に到達したタイミングで、CPU1
30からサーマルヘッド駆動制御部132に記録命令が
出される。サーマルヘッド駆動制御部132は、あらか
じめメモリ135に記憶されている記録情報を読出す。
ここでは、画像情報をシアン画像情報、マゼンタ画像情
報、青(C+Y)画像情報、赤(M+Y)画像情報を構
成カプセル単位に分解した、正帯電したイエロー荷電粒
子に対応したY1情報、負帯電したイエロー荷電粒子に
対応したY2情報、シアン荷電粒子に対応したC情報、
マゼンタ荷電粒子に対応したM情報がそれぞれメモリ1
35に格納されている。
【0116】サーマルヘッド駆動制御部132は、ま
ず、メモリ135からY1,Y2,C,M情報を読出
し、その情報に応じて、対応するサーマルヘッド123
の各発熱体(図示せず)を駆動する。Y1,Y2情報に
対しては、マイクロカプセルの温度が第1の融点である
80℃以上になるように加熱する。また、C情報および
M情報の場合は、第1の融点80℃と第2の融点50℃
との間の温度である65℃付近になるように加熱する。
【0117】サーマルヘッド123で各情報に応じて可
逆性記録層102を異なる温度に選択的に加熱されたカ
ラー可逆性記録媒体120は、さらに搬送され、隣接す
る記録電極群125と接する。ここでは、カラー可逆性
記録媒体120のトップコート層103に記録電極群1
25が接するとともに、カラー可逆性記録媒体120の
導電層101に記録電極駆動部134に連結する外部端
子(図示せず)が接する。この外部端子は接地されてお
り、記録電極駆動部134は、メモリ135からC情報
とM情報を読出し、記録電極群125の個別記録電極
(図示せず)に対して、記録情報に応じて、C情報の場
合は正極のパルス記録電圧を、M情報の場合は負極のパ
ルス記録電圧を、選択的に印加する。このパルス記録電
圧の印加により、分散媒が液体状態にあるマイクロカプ
セル中の荷電粒子(図示せず)がトップコート層103
側に移動する。この結果、白下地にシアン、マゼンタ、
赤色および青色からなる画像が形成される。
【0118】上記の電気泳動により移動した着色荷電粒
子は、着色荷電粒子の分散媒の温度が融点以下になる
と、分散媒が液体から固体状態となることにより、固定
され、画像が安定化する。
【0119】次に、記録電極に供給される電気信号の生
成について図15を用いて説明する。図示しないメモリ
から読出されてきた画像データである、C情報およびM
情報は、C情報/M情報判定部140と記録電極駆動部
134に供給される。C情報/M情報判定部140で
は、画像データがC情報か、M情報かを判定する。
【0120】電源切換部141では、この判定結果にし
たがって、M情報の場合は負極性電源への切換信号を、
C情報の場合は正極性電源への切換信号を発生する。記
録電極駆動部134では、荷電粒子の電気泳動が充分に
行なわれるように設定された通電時間に応じた通電パル
スを生成する。通電パルスと電源切換部141での電源
切換信号との同期を取り、画像データのC情報、M情報
に応じた通電パルスが記録電極群125の個別記録電極
に選択的に供給される。
【0121】これにより、供給された通電パルスにした
がった着色荷電粒子の移動が個別記録電極ごとに起こ
り、青(C+Y)画像、赤(M+Y)画像、シアン画像
およびマゼンタ画像の形成が同時に行なわれる。
【0122】次に、画像形成に関わる記録層のマイクロ
カプセルに内包される着色荷電粒子の挙動について図1
6を用いて説明する。
【0123】図16は、着色荷電粒子によりカラー可逆
性記録媒体120の可逆性記録層102を代表させ、か
つ、荷電粒子はデフォルメして模式的に示してある。荷
電粒子に示される「+」および「−」は、それぞれ正帯
電および負帯電を示す。また、Y,C,Mは、それぞれ
のイエロー着色、シアン着色、マゼンタ着色を示す。
【0124】図16(a)、(b)は熱記録ステップに
おける様子を、図16(c)、(d)は電気泳動記録に
おけるステップで、個別記録電極に正極電圧が印加され
た場合の様子を、図16(e)、(f)は電気泳動記録
におけるステップで、個別記録電極に負極電圧が印加さ
れた場合の様子を、それぞれ示している。
【0125】図16(a)は、Y1およびY2情報に基
づき、サーマルヘッド123の発熱体150が可逆性記
録層102の温度が80℃以上になるような加熱を与え
るように駆動されたときの様子で、図に示すように、荷
電粒子104,107,110,113を分散している
分散媒は融点が80℃および60℃なので、全て溶融
し、液体状態となる。
【0126】一方、図16(b)は、C情報およびM情
報に基づき、サーマルヘッド123の発熱体150が可
逆性記録層102の温度が65℃となるような加熱を与
えるように駆動されたときの様子で、図に示すように、
荷電粒子104,107を分散している分散媒は融点が
80℃なので溶融せず、固体状態を保っている。荷電粒
子110,113を分散している分散媒は、融点が50
℃なので溶融し、液体状態となる。
【0127】分散媒が液体状態にある間に電気泳動記録
のための電圧印加が行なわれる。
【0128】図16(c)は、図16(a)で示した全
ての分散媒が液体状態にあるところに、記録電極群12
5を構成する個別記録電極151に、シアン情報に基づ
き正極の記録電圧パルスが印加されたときの荷電粒子の
挙動を示すもので、印加電圧と逆極性に帯電している荷
電粒子107,113がトップコート層103側に移動
する。この結果、両者の混色である青色の画点が形成さ
れる。
【0129】図16(d)は、図16(b)で示したシ
アン着色とマゼンタ着色の荷電粒子に対応する分散媒が
液体状態にあるところに、記録電極群125を構成する
個別記録電極151に、シアン情報に基づき正極の記録
電圧パルスが印加されたときの荷電粒子の挙動を示すも
ので、印加電圧と逆極性に帯電している荷電粒子113
のみがトップコート層103側に移動する。この結果、
シアン色の画点が形成される。
【0130】図16(e)は、図16(a)で示した全
ての分散媒が液体状態にあるところに、記録電極群12
5を構成する個別記録電極151に、マゼンタ情報に基
づき負極の記録電圧パルスが印加されたときの荷電粒子
の挙動を示すもので、印加電圧と逆極性に帯電している
荷電粒子104,110がトップコート層103側に移
動する。この結果、両者の混色である赤色の画点が形成
される。
【0131】図16(f)は、図16(b)で示したシ
アン着色とマゼンタ着色の荷電粒子に対応する分散媒が
液体状態にあるところに、記録電極群125を構成する
個別記録電極151に、マゼンタ情報に基づき負極の記
録電圧パルスが印加されたときの荷電粒子の挙動を示す
もので、印加電圧と逆極性に帯電している荷電粒子10
7のみがトップコート層103側に移動する。この結
果、マゼンタ色の画点が形成される。
【0132】次に、画像の消去について説明する。図1
2に示した画像記録装置にカラー可逆性記録媒体120
を挿入し、センサ124の検知に基づき、サーマルヘッ
ド駆動制御部132は、CPU130からの消去命令に
より、サーマルヘッド123の全ての発熱体を可逆性記
録層102の温度が80℃以上になるような加熱を与え
るように駆動する。これにより、マイクロカプセルに内
包される全ての分散媒が液体状態となり、この液体状態
を保ったままカラー可逆性記録媒体120はさらに搬送
され、次の記録電極群125と接する。
【0133】ここでは、カラー可逆性記録媒体120の
トップコート層103に記録電極群125が接するとと
もに、カラー可逆性記録媒体120の導電層101に記
録電極駆動部134に連結する外部端子(図示せず)が
接する。外部端子は接地されており、記録電極駆動部1
34は、CPU130からの消去命令により、情報記録
とは異なり、記録電極群125の全ての個別記録電極に
数100Hz〜数kHzの正極、負極にピークを有する
パルス電圧を印加する。
【0134】この電圧印加により、正帯電の荷電粒子も
負帯電の荷電粒子もトップコート層103と導電層10
2との間で個別記録電極に対する誘引と反発により振動
し、マイクロカプセルの中央付近に移動する。この結
果、画像は消去され、記録媒体の表面からは白地のみが
見える。
【0135】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、カ
ラー表示が可能となり、かつ、光、環境温度、湿度、
熱、長期保存などに対して従来よりも改良された画像保
存性に優れたカラー可逆性記録媒体を提供できる。
【0136】また、本発明によれば、記録解像度に優
れ、かつ、記録速度に優れたカラー可逆性記録媒体を用
いる画像記録装置を提供できる。
【0137】また、本発明によれば、従来よりも画像保
存性の優れたカラー可逆性記録媒体に対して画像を書換
え記録する際、古い画像を消去するステップと新しい画
像を形成するステップを別に行なうことなく、記録と消
去を同時に行なうことのできる画像記録装置およびカラ
ー画像形成方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカラー可逆性
記録媒体の断面構造を模式的に示す図。
【図2】可逆性記録層のマイクロカプセルに内包される
分散媒の好ましい特性を説明するための図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る画像記録装置
の構成を模式的に示す図。
【図4】図3に示した画像記録装置の要部構成を示すブ
ロック図。
【図5】画像形成に関わる記録層のマイクロカプセルに
内包される着色荷電粒子の挙動について説明する図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るカラー可逆性
記録媒体の断面構造を模式的に示す図。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る画像記録装置
の構成を模式的に示す図。
【図8】図7に示した画像記録装置の要部構成を示すブ
ロック図。
【図9】画像記録装置における記録信号の生成を説明す
るためのブロック図。
【図10】画像記録装置における記録の動作を説明する
ための図。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係るカラー可逆
性記録媒体の断面構造を模式的に示す図。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る画像記録装
置の構成を模式的に示す図。
【図13】図12に示した画像記録装置の要部構成を示
すブロック図。
【図14】画像記録装置における記録動作の流れを示す
フローチャート。
【図15】画像記録装置における記録信号の生成を説明
するためのブロック図。
【図16】画像記録装置における記録の動作を説明する
ための図。
【符号の説明】
10,50,100……基材、11,51,101……
導電層、12,52,102……可逆性記録層(電気泳
動記録層)、13,53,103……トップコート層
(保護層)、14,54,57,104,107,11
0,113……着色荷電粒子、15M,15Y,58,
105,108,111,114……分散媒、16,5
6,59,106,112,115……マイクロカプセ
ル、20,60,120……可逆性記録媒体、23,1
23……サーマルヘッド、22……電極、31,131
……熱記録部(熱記録手段)、33……電圧印加部、3
6,76,136……記録媒体搬送部(搬送手段)、4
4,151……個別記録電極、63……ヒートローラ、
65,125……記録電極群、71……記録層加熱部
(記録層加熱手段)、73,133……記録電極制御
部、150……サーマルヘッドの発熱体。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、この基材の一方の面上に設けら
    れ、着色された荷電粒子とこれを分散してなり、かつ、
    前記荷電粒子の前記着色あるいは自己の着色に対応した
    所定の融点を有する着色された熱溶融性分散媒を内包
    し、互いに異なる色に着色される複数のマイクロカプセ
    ルをバインダ中に分散配置した電気泳動記録層とからな
    ることを特徴とするカラー可逆性記録媒体。
  2. 【請求項2】 基材と、この基材の一方の面上に設けら
    れ、所定の色に着色され、かつ、自己の着色あるいは該
    熱溶融性分散媒の着色の色に対応した極性に帯電された
    荷電粒子とこれを分散してなり、かつ、所定の融点を有
    する着色された熱溶融性分散媒を内包し、互いに異なる
    色に着色される複数のマイクロカプセルをバインダ中に
    分散配置した電気泳動記録層とからなることを特徴とす
    るカラー可逆性記録媒体。
  3. 【請求項3】 基材と、この基材の一方の面上に設けら
    れ、所定の色に着色され、かつ、自己の着色あるいは該
    熱溶融性分散媒の着色の色に対応した極性に帯電された
    荷電粒子とこれを分散してなり、かつ、前記荷電粒子の
    前記着色あるいは自己の着色に対応した所定の融点を有
    する着色された熱溶融性分散媒を内包し、互いに異なる
    色に着色される複数のマイクロカプセルをバインダ中に
    分散配置した電気泳動記録層とからなることを特徴とす
    るカラー可逆性記録媒体。
  4. 【請求項4】 基材と、この基材の一方の面上に設けら
    れ、第1の色に着色され、第1の極性に帯電された荷電
    粒子とこれを分散してなる第1の融点を有する常温で固
    体状態を示す分散媒を内包する第1のマイクロカプセル
    と、第1の色に着色され、第2の極性に帯電された荷電
    粒子とこれを分散してなる第1の融点を有する常温で固
    体状態を示す分散媒を内包する第2のマイクロカプセル
    と、第2の色に着色され、第1の極性に帯電された荷電
    粒子とこれを分散してなる第2の融点を有する常温で固
    体状態を示す分散媒を内包する第3のマイクロカプセル
    と、第3の色に着色され、第2の極性に帯電された荷電
    粒子とこれを分散してなる第2の融点を有する常温で固
    体状態を示す分散媒を内包する第4のマイクロカプセル
    をバインダ中に分散配置した電気泳動記録層とからなる
    ことを特徴とするカラー可逆性記録媒体。
  5. 【請求項5】 基材と、この基材の一方の面上に設けら
    れ、所定の色に着色された物理感応性を有する着色粒子
    とこれを分散してなり、かつ、前記着色粒子の前記着色
    あるいは自己の着色に対応した所定の融点を有する着色
    された熱溶融性分散媒を内包し、互いに異なる色に着色
    される複数のマイクロカプセルをバインダ中に分散配置
    した電気泳動記録層とからなるカラー可逆性記録媒体を
    搬送する搬送手段と、 この搬送手段で搬送されるカラー可逆性記録媒体の前記
    可逆性記録層の前記着色粒子の移動を制御する粒子移動
    制御手段と、 この粒子移動制御手段による前記着色粒子への作用に先
    立って、記録情報の色情報に応じて対応する着色のマイ
    クロカプセルの前記熱溶融性分散媒を選択的に溶融する
    熱記録手段と、 を具備したことを特徴とする画像記録装置。
  6. 【請求項6】 基材と、この基材の一方の面上に設けら
    れ、所定の色に着色され、かつ、自己の着色あるいは該
    熱溶融性分散媒の着色の色に対応した物理感応性を有す
    る着色粒子とこれを分散してなる所定の融点を有する熱
    溶融性分散媒を内包し、互いに異なる色に着色される複
    数のマイクロカプセルをバインダ中に分散配置した電気
    泳動記録層とからなるカラー可逆性記録媒体を搬送する
    搬送手段と、 この搬送手段で搬送されるカラー可逆性記録媒体に対
    し、記録情報の色情報に応じて対応する着色のマイクロ
    カプセルの前記着色粒子の移動を選択的に制御する記録
    制御手段と、 この記録制御手段による前記着色粒子への作用に先立っ
    て、マイクロカプセルの前記熱溶融性分散媒を溶融する
    に充分な加熱を与える記録層加熱手段と、 を具備したことを特徴とする画像記録装置。
  7. 【請求項7】 基材と、この基材の一方の面上に設けら
    れ、所定の色に着色され、かつ、自己の着色あるいは該
    熱溶融性分散媒の着色の色に対応した物理感応性を有す
    る着色粒子とこれを分散してなり、かつ、前記着色粒子
    の着色あるいは自己の着色に対応した所定の融点を有す
    る着色された熱溶融性分散媒を内包し、互いに異なる色
    に着色される複数のマイクロカプセルをバインダ中に分
    散配置した電気泳動記録層とからなるカラー可逆性記録
    媒体を搬送する搬送手段と、 この搬送手段で搬送されるカラー可逆性記録媒体に対
    し、記録情報の色情報に応じて対応する着色のマイクロ
    カプセルの前記着色粒子の移動を選択的に制御する記録
    制御手段と、 この記録制御手段による前記着色粒子への作用に先立っ
    て、記録情報の色情報に応じて対応する着色のマイクロ
    カプセルの前記熱溶融性分散媒を選択的に溶融する熱記
    録手段と、 を具備したことを特徴とする画像記録装置。
  8. 【請求項8】 前記物理感応性を有する着色粒子は荷電
    粒子であることを特徴とする請求項5,6,7のうちい
    ずれか1つに記載の画像記録装置。
  9. 【請求項9】 基材と、この基材の一方の面上に設けら
    れ、第1の色に着色され、第1の極性に帯電された荷電
    粒子とこれを分散してなる第1の融点を有する常温で固
    体状態を示す分散媒を内包する第1のマイクロカプセル
    と、第1の色に着色され、第2の極性に帯電された荷電
    粒子とこれを分散してなる第1の融点を有する常温で固
    体状態を示す分散媒を内包する第2のマイクロカプセル
    と、第2の色に着色され、第1の極性に帯電された荷電
    粒子とこれを分散してなる第2の融点を有する常温で固
    体状態を示す分散媒を内包する第3のマイクロカプセル
    と、第3の色に着色され、第2の極性に帯電された荷電
    粒子とこれを分散してなる第2の融点を有する常温で固
    体状態を示す分散媒を内包する第4のマイクロカプセル
    をバインダ中に分散配置した電気泳動記録層と、この電
    気泳動記録層の上に設けられた保護層とからなるカラー
    可逆性記録媒体を用い、 このカラー可逆性記録媒体に対し、記録情報に応じて加
    熱手段により第1の融点温度以上または第1の融点温度
    と第2の融点温度との間にそれぞれ選択的に電気泳動層
    を加熱するステップと、 記録情報に応じて前記保護層に接する記録電極に正極性
    電圧または負極性電圧を選択的に印加することにより画
    像を形成するステップと、 からなるカラー画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8810896B2 (en) 2011-03-31 2014-08-19 Ricoh Company, Ltd. Rewritable recording medium, image recording set, and image recording method

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