JP2000193556A - 波長分散測定装置 - Google Patents

波長分散測定装置

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JP2000193556A
JP2000193556A JP10367374A JP36737498A JP2000193556A JP 2000193556 A JP2000193556 A JP 2000193556A JP 10367374 A JP10367374 A JP 10367374A JP 36737498 A JP36737498 A JP 36737498A JP 2000193556 A JP2000193556 A JP 2000193556A
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light
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chromatic dispersion
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Madoka Hamada
圓 濱田
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Ando Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長分散測定装置において、被測定物の光路
長に関わらず、干渉法とほぼ同等の波長分散測定精度を
確保する。 【解決手段】 波長が既知の光源1と、光源1の出力光
を2分岐する光分岐器4Aと、光分岐器4Aの一方の出
力光の波長を所定量変化する波長シフタ3Aと、光分岐
器4Aの他方の出力光と波長シフタ3Aの出力光を合波
して被測定物(DUT)2に入力する光合波器5Aと、
被測定物2からの出力光を2分岐する光分岐器4Bと、
光分岐器4Bの一方の出力光の波長を所定量変化する波
長シフタ3Bと、光分岐器4Bの他方の出力光と波長シ
フタ3Bの出力光を合波する光合波器5Bと、光合波器
5Bの出力光を入力し干渉光強度を測定する干渉光強度
測定部6と、波長シフタ3A、3Bによる波長変化量と
光源1の出力波長を制御すると共に前記干渉光強度から
被測定物2の波長分散値を演算する制御演算処理部7
と、を備えた波長分散測定装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光ファイバを含
む光学素子の波長分散測定装置に関し、特に光通信分野
に用いられる波長分散測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】波長分散は光通信の信号波形劣化につな
がるので、光通信の高速化、波長多重化が進む中で、波
長分散の低減、あるいはその管理上、波長分散測定の重
要度が増してきている。波長分散は、物質中を伝搬する
光の速度が、波長により異なる現象である。波長分散を
表すにはいろいろ方法があるが、光通信では、主に光フ
ァイバ線路の波長分散を問題にするので、光ファイバ単
位長さ当たりの、単位波長当たりの光信号遅延時間で表
し、単位は[ps/nm/km]が一般的である。しかし、本発明
の測定対象物は光ファイバ以外にも考えられるので、以
下、波長分散は単位波長当たりの光信号遅延時間で表
す。
【0003】一般に、長さL、屈折率nの媒質中を光が
伝搬するのに要する時間τは、次の(1)式となる。 τ=nL/c …(1) ここで、cは真空中の光速(約3×108m)で、nLは
光路長である。屈折率nが波長により変化するので、伝
搬時間τは波長の関数である。波長は真空中の波長を意
味し、以下同じ意味で使用する。波長分散Dは、伝搬時
間τを波長λで微分したもので、(2)式で与えられ
る。 D=dτ/dλ …(2) 単位は上述のように、伝搬時間τがps、波長λがnmで、
波長分散Dはps/nmである。
【0004】従来の波長分散の主な測定方法には、干渉
法と、位相差法がある。各々、光周波数c/λと変調周
波数fm を用いた遅延時間測定である。その測定精度
は、各周波数に依存し、光周波数を使用する干渉法のほ
うが高い。例えば、光通信に用いる光は約200THz の
光周波数なので、位相差法の変調周波数を2GHz とすれ
ば、その精度比はおよそ105 となる。以下、2つの測
定方法による波長分散測定について説明する。
【0005】まず、干渉法について、図10を用いて説
明する。図10は、従来技術の干渉法による波長分散測
定装置の構成例を示すブロック図である。光源1からの
出力光はハーフミラー52Aで透過光と反射光に2分岐
され、透過光は、光ファイバなどの被測定物(以下、被
測定物をDUTという)2を通過し、ハーフミラー52
Bで透過光と反射光に2分岐される。一方、ハーフミラ
ー52Aで反射した光は、空間を伝搬してミラー53
A、53Bで反射され、ハーフミラー52Bで透過光と
反射光に2分岐される。DUT2を通過し、ハーフミラ
ー52Bを透過した光は受光部51に入射する。一方、
ミラー53Bで反射され、ハーフミラー52Bを透過し
た光はミラー53Cで反射され、さらにハーフミラー5
2Bで反射された後、受光部51へ入射する。受光部5
1は、この2光路を経た2つの光の干渉光強度を検出す
る。ここで、受光部51での2つの光強度は共にP0
あると仮定し、さらに、その位相差がφであるとすれ
ば、干渉光強度Pは良く知られているように、(3)式
で表される。 P/P0=2(1+γ×cosφ) …(3) ここで、γは可干渉性を示す係数で、その値は光源出力
光の可干渉度によるが、2経路の光路差が零の場合は1
で、2経路の光路差が長くなるほど零に近づく。その様
子の一例を図11に示す。図11において、横軸は光路
差に相当する位相差で、縦軸は干渉光強度である。可干
渉度が低い場合の例で、γは位相が2周期程度でほぼ零
になり、干渉がなくなり、光強度は一定値2P0にな
る。
【0006】この性質を利用して、波長によるDUT2
の光路長変化量を測定できる。DUT2の屈折率をn、
長さをLとする。まず、波長λ1 において、ミラー53
Cを移動させながら干渉光強度を測定し、γ=1となる
位置を探す。続いて、波長λ2 において、同様にミラー
53Cを移動させてγ=1となる位置を探す。この時の
ミラー53Cの位置が、波長λ1の時に比べて、a増加
したとすると、DUT2の光路長nLの変化量Δ(n
L)は、 Δ(nL)=2a …(4) となる。よって、遅延時間Δτは、前述の(1)式よ
り、 Δτ=Δ(nL)/c=2a/c …(5) となり、波長分散Dは、前述の(2)式より、 D=2a/{c(λ2−λ1)} …(6) となる。
【0007】ここで、ミラー53Cの位置変化aが、波
長オーダーすなわちμm 程度で測定でき、cは約3×1
8mなので、測定波長差をλ2−λ1=1nmとすると、
0.01ps/nm オーダーの波長分散測定が可能である。
ただし、γ=1となるミラー53Cの位置を探すという
ことは、空間伝搬距離とDUT2の光路長がほぼ等しく
なるように設定する必要があり、測定できるDUT2の
光路長には制限がある。
【0008】このように長さには制約があるが、DUT
2の波長分散を精密に測定できる干渉法に対して、次に
示す位相差法は、測定精度では干渉法に劣るが、長さの
制約がないに等しく、通常、長尺光ファイバの波長分散
は、この位相差法によって測定されている。
【0009】位相差法について、図12を用いて説明す
る。図12において、光源1から出力される波長λ1
光は、光強度変調器61で正弦波の強度変調をうけ、D
UT2へ入射される。強度変調周波数fmは、信号源6
2から供給される。DUT2からの出力光は、受光部6
3で光電気変換され、位相測定部64に入力される。位
相測定部64は、DUT2を経由してきた受光部出力信
号と、信号源62から直接出力される信号との位相差φ
(λ1)を測定する。この位相差は、DUT2での位相
φDUT(λ1)以外に、途中経路の波長に依存しない定数
項φ0 を含み、(7)式で表される。 φ(λ1)=φ0 +φDUT(λ1) …(7) 光源1の出力波長を、波長λ2 に変更して、再度位相差
を測定すれば、 φ(λ2)=φ0 +φDUT(λ2) …(8) となる。ここで、DUT2内の伝搬時間τは、φ
DUT(λ)を用いて(9)式で表される。 τ=φDUT(λ)/(2πfm) …(9) 以上の(7)式、(8)式、(9)式より、波長差λ2
−λ1 による遅延時間Δτは、以下の式で表される。 Δτ={φDUT(λ2)−φDUT(λ1)}/(2πfm) …(10) よって、波長分散は、前述の(2)式より、以下に示す
ようになる。 D={φDUT(λ2)−φDUT(λ1)}/(2πfm)/(λ2−λ1) …(11)
【0010】次に、位相差の測定について、図13で詳
しく説明する。図13は、信号源と、上記2つの波長に
対して、正弦波信号強度を縦軸方向にずらして図示し、
各位相の関係を説明したものである。各正弦波の周期は
等しく、周波数はfm である。2π以上離れた位相関係
は、2πの整数倍分が評価できず誤差となるので、図1
3のφ1とφ2は、正確には前述の(7)式や(8)式に
一致しない。ただし、この場合でも、波長の変化λ2
λ1による位相の変化が2πより小さい場合は、図13
のΔτ=φ1−φ2が正確な値となる。このため、位相差
法による波長分散測定装置では、φDUT(λ2)−φDUT
(λ1)<2πの条件で測定が行われる。位相差法によ
る波長分散の測定精度は、位相差が2π/100程度で
測定でき、測定波長差をλ2−λ1=1nmとし、fm=1G
Hzとすると、10ps/nm オーダーの波長分散測定が可能
であるが、上述の干渉法と比較して、精度は劣る。しか
し、強度変調の位相を測定しているので、DUT2の長
さに関する制約はない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光通信に要
求される伝送容量は年々増加し、光通信の高速化と、波
長多重通信が様々検討されている。そんな中で、伝送容
量拡大の制約条件の1つが波長分散であり、零分散化あ
るいは分散補償、分散制御といった検討、研究が盛んで
ある。これに伴い、波長分散測定に要求される精度も高
くなっており、長尺光ファイバにおいても干渉法なみの
精度要求がある。しかし、上述のように高精度に測定で
きる干渉法には光路長に制限があり、長尺光ファイバの
測定は難しい。一方、位相差法は光路長の制限はない
が、測定精度が不足するという課題がある。
【0012】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、被測定物の光路長に関わらず、
干渉法とほぼ同等の波長分散測定精度を確保できる波長
分散測定装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
請求項1記載の発明は、波長分散測定装置において、波
長が既知である光源と、前記光源の出力光を入力し、2
分岐して出力する第一の光分岐器と、前記第一の光分岐
器の一方の出力光を入力し、波長を所定量変化して出力
する第一の波長シフタと、前記第一の光分岐器の他方の
出力光と前記第一の波長シフタの出力光を合波して被測
定物に入力する第一の光合波器と、前記被測定物を通過
した前記第一の光合波器の出力光を入力し、2分岐して
出力する第二の光分岐器と、前記第二の光分岐器の一方
の出力光を入力し、波長を所定量変化して出力する第二
の波長シフタと、前記第二の光分岐器の他方の出力光と
前記第二の波長シフタの出力光を合波して出力する第二
の光合波器と、前記第二の光合波器の出力光を入力し干
渉光強度を測定する干渉光強度測定部と、前記第一の波
長シフタ及び前記第二の波長シフタによる波長変化量と
前記光源の出力波長を制御すると共に、前記干渉光強度
測定部により測定された前記干渉光強度から前記被測定
物の波長分散値を演算する制御演算処理部と、を備えた
構成とした。
【0014】請求項1記載の発明によれば、光源の出力
光は、第一の光分岐器、第一の波長シフタ及び第一の光
合波器によって2波長に分けられ、被測定物を通過した
後、一方の波長の光の少なくとも一部が、第二の光分岐
器、第二の波長シフタ及び第二の光合波器によって、も
う一方の波長の光と同一波長になるように波長変化され
てから干渉光強度測定部に入力される。即ち、干渉光強
度測定部では、異なる波長で被測定物を通過した光の干
渉を測定することができ、また、第一の波長シフタ及び
第二の波長シフタによる波長変化量や光源の出力波長を
制御演算処理部が制御することによって、被測定物を異
なる波長で通過して干渉光強度測定部で干渉する光の組
合せを適宜変化させることが可能であるため、複数種類
の光の組合せについて干渉光強度を得ることができ、そ
れら干渉光強度から被測定物の波長分散値を演算するこ
とができる。つまり、異なる波長で被測定物を通過した
光の干渉を測定することによって、被測定物の波長分散
値を導き出すため、被測定物の光路長に関わらず、干渉
法とほぼ同等の波長分散測定精度を確保できる。
【0015】具体的に、例えば、第一の波長シフタによ
る波長変化量をΔλとし、第二の波長シフタによる波長
変化量を−Δλとすれば、同一の光源から出力された光
を、異なる波長で被測定物を通過させた後、干渉光強度
測定部で干渉させることが可能である。
【0016】請求項2記載の発明は、波長分散測定装置
において、波長が既知である光源と、前記光源の出力光
を入力し、2分岐して出力する第一の光分岐器と、前記
第一の光分岐器の一方の出力光を入力し、波長を所定量
変化して出力する第一の波長シフタと、前記第一の光分
岐器の他方の出力光を入力し、波長を所定量変化して出
力する第二の波長シフタと、前記第一の波長シフタの出
力光と前記第二の波長シフタの出力光を合波して被測定
物に入力する第一の光合波器と、前記被測定物を通過し
た前記第一の光合波器の出力光を入力し、2分岐して出
力する第二の光分岐器と、前記第二の光分岐器の一方の
出力光を入力し、波長を所定量変化して出力する第三の
波長シフタと、前記第二の光分岐器の他方の出力光を入
力し、波長を所定量変化して出力する第四の波長シフタ
と、前記第三の波長シフタの出力光と前記第四の波長シ
フタの出力光を合波して出力する第二の光合波器と、前
記第二の光合波器の出力光を入力し干渉光強度を測定す
る干渉光強度測定部と、前記第一の波長シフタ、前記第
二の波長シフタ、前記第三の波長シフタ及び前記第四の
波長シフタによる波長変化量と前記光源の出力波長を制
御すると共に、前記干渉光強度測定部により測定された
前記干渉光強度から前記被測定物の波長分散値を演算す
る制御演算処理部と、を備えた構成とした。
【0017】請求項2記載の発明によれば、光源の出力
光は、第一の光分岐器、第一の波長シフタ、第二の波長
シフタ及び第一の光合波器によって2波長に分けられ、
被測定物を通過した後、一方の波長の光の少なくとも一
部が、第二の光分岐器、第三の波長シフタ、第四の波長
シフタ及び第二の光合波器によって、もう一方の波長の
光と同一波長になるように波長変化されてから干渉光強
度測定部に入力される。即ち、干渉光強度測定部では、
異なる波長で被測定物を通過した光の干渉を測定するこ
とができ、また、各波長シフタによる波長変化量や光源
の出力波長を制御演算処理部が制御することによって、
被測定物を異なる波長で通過して干渉光強度測定部で干
渉する光の組合せを適宜変化させることが可能であるた
め、複数種類の光の組合せについて干渉光強度を得るこ
とができ、それら干渉光強度から被測定物の波長分散値
を演算することができる。つまり、異なる波長で被測定
物を通過した光の干渉を測定することによって、被測定
物の波長分散値を導き出すため、被測定物の光路長に関
わらず、干渉法とほぼ同等の波長分散測定精度を確保で
きる。
【0018】具体的に、例えば、第一の波長シフタ及び
第三の波長シフタによる波長変化量をΔλとし、第二の
波長シフタ第四の波長シフタによる波長変化量を−Δλ
とすれば、同一の光源から出力された光を、異なる波長
で被測定物を通過させた後、干渉光強度測定部で干渉さ
せることが可能である。
【0019】請求項3記載の発明は、波長分散測定装置
において、波長が既知である光源と、前記光源の出力光
を入力し、複数の波長を生成して被測定物に入力する多
波長発生器と、前記被測定物を通過した前記多波長発生
器の出力光を入力し、2分岐して出力する光分岐器と、
前記光分岐器の一方の出力光を入力し、波長を所定量変
化して出力する波長シフタと、前記光分岐器の他方の出
力光と前記波長シフタの出力光を合波して出力する光合
波器と、前記光合波器の出力光を入力し、特定の波長の
光を選択して出力する光フィルタと、前記光フィルタの
出力光を入力し干渉光強度を測定する干渉光強度測定部
と、前記光源の出力波長、前記多波長発生器の生成する
波長、前記波長シフタによる波長変化量、及び前記光フ
ィルタによる選択波長を制御すると共に、前記干渉光強
度測定部により測定された前記干渉光強度から前記被測
定物の波長分散値を演算する制御演算処理部と、を備え
た構成とした。
【0020】請求項3記載の発明によれば、光源の出力
光は、多波長発生器によって複数の波長に分けられ、被
測定物を通過した後、所定波長の光の少なくとも一部
が、光分岐器、波長シフタ及び光合波器によって、前記
所定波長以外の波長の光(特定の波長の光を含む。)と
同一波長になるように波長変化され、その後、光フィル
タにより選択された特定の波長の光のみが干渉光強度測
定部に入力される。即ち、干渉光強度測定部では、異な
る波長で被測定物を通過し光フィルタによって波長選択
された光の干渉を測定することができ、また、波長シフ
タによる波長変化量、光源の出力波長、多波長発生器の
生成する波長、及び光フィルタによる選択波長を制御演
算処理部が制御することによって、被測定物を異なる波
長で通過して干渉光強度測定部で干渉する光の組合せを
適宜変化させることが可能であるため、複数種類の光の
組合せについて干渉光強度を得ることができ、それら干
渉光強度から被測定物の波長分散値を演算することがで
きる。つまり、異なる波長で被測定物を通過した光の干
渉を光フィルタで選択して測定することによって、被測
定物の波長分散値を導き出すため、被測定物の光路長に
関わらず、干渉法とほぼ同等の波長分散測定精度を確保
できる。
【0021】具体的に、例えば、多波長発生器により生
成される光の波長をλ+nΔλ(nは整数)、波長シフ
タによる波長変化量をΔλ、光フィルタの選択波長をλ
+kΔλ(kは特定の整数)とすれば、同一の光源から
出力された光を、異なる波長で被測定物を通過させ、そ
の後、特定の波長の光のみを、光フィルタを透過させて
干渉光強度測定部で干渉させることが可能である。
【0022】請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何
れかに記載の波長分散測定装置において、前記干渉光強
度測定部で測定する干渉光の一方の光経路に、光路長を
調整可能な光ディレイラインを挿入した構成とした。
【0023】請求項4記載の発明によれば、干渉光強度
測定部で測定する干渉光の一方の光経路に、光路長を調
整可能な光ディレイラインを挿入したため、異なる波長
で被測定物を通過して干渉光強度測定部で干渉する光の
光路長差を測定することが可能になる。従って、被測定
物の光路長に関わらず、干渉法とほぼ同等の波長分散測
定精度を確保できる。
【0024】請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何
れかに記載の波長分散測定装置において、前記制御演算
処理部が、演算した前記被測定物の前記波長分散値を用
いて特定の波長分散式の係数を求める構成とした。
【0025】請求項5記載の発明によれば、制御演算処
理部が、演算した被測定物の波長分散値を用いて特定の
波長分散式の係数を求めるため、干渉法とほぼ同等の波
長分散測定精度の波長分散式を得ることができる。
【0026】具体的に、特定の波長分散式としては、例
えば、屈折率に関するセルマイヤー式の近似式(n
(λ)=Aλ2 +B+Cλ-2、n(λ)=Aλ4 +Bλ
2 +C+E-2+Fλ-4)や、単純な2次方程式(n
(λ)=Aλ2 +Bλ+C)などが挙げられる。
【0027】請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何
れかに記載の波長分散測定装置において、前記光源が、
波長可変光源であり、前記制御演算処理部が、波長計を
備えて、該波長計の計測値に基づき前記波長可変光源の
波長を制御する構成とした。
【0028】請求項6記載の発明によれば、光源が波長
可変光源であり、該波長可変光源の波長を波長計の計測
値に基づき制御演算処理部が制御するため、測定波長の
波長確度を高めて、波長分散値の測定精度を向上させる
ことができる。
【0029】請求項7記載の発明は、請求項1〜6の何
れかに記載の波長分散測定装置において、前記波長シフ
タが、音響光学素子である構成とした。
【0030】請求項7記載の発明によれば、波長シフタ
が音響光学素子であるため、波長シフタによる波長変化
の精度を高めて、波長分散値の測定精度を向上させるこ
とができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1〜図9の図面を参照しながら説明する。
【0032】[第1の実施の形態]図1は、本発明を適
用した第1の実施の形態としての波長分散測定装置の構
成を示すブロック図である。なお、波長の変化を追いか
けるために、光を記号ay ,ayzで表す。DUT2(被
測定物)に入射するまでは記号ay で、DUT2から出
射後はayzで表す。添え字のyとzは、それぞれ、光源
1から出射された波長λの光がDUT2に入射するまで
にyΔλ波長シフトして、DUT2から出射後受光する
までにzΔλ波長シフトしたことを示す。即ち、光ayz
と記せば、DUT2から出射後の位置にあり、その波長
は、添え字より、λ+(y+z)Δλであることがわか
る。
【0033】光源1から出射された波長λの光a0 は、
光分岐器(第一の光分岐器)4Aで2分岐され、一方は
波長シフタ(第一の波長シフタ)3Aに入射される。波
長シフタ3Aは波長シフト量Δλをλに加えたλ+Δλ
の波長の光a1 を出射する。2分岐されたもう一方の光
0 と、波長シフタ3Aの出射光a1 は光合波器(第一
の光合波器)5Aで合波され、DUT2に入力される。
光源1を同じくする2波長の光a0 とa1 はDUT2を
通過後、光分岐器(第二の光分岐器)4Bで2分岐さ
れ、一方は波長シフタ(第二の波長シフタ)3Bに入射
される。波長シフタ3Bは波長シフト量−Δλを各光の
波長λとλ+Δλに加えた、λ−Δλの波長の光a0-1
とλの波長の光a1-1 を出射する。光分岐器4Bで2分
岐されたもう一方は、波長シフトされないので、光a00
とa10と表すが、波長シフタ3Bの出射光a0-1 とa
1-1 と、光合波器5B(第二の光合波器)で合波され、
干渉光強度測定部6に入射する。
【0034】干渉光強度測定部6に入射する4種類の光
0-1 とa1-1 とa00とa10は、添え字からもわかるよ
うに、3種類の波長λ−Δλ、λ、λ+Δλである。干
渉光強度測定部6では、異なる波長の光は、その差周波
数でのビート信号が観測され、同じ波長の光a1-1 とa
00が干渉する。干渉光強度測定部6は、ローパスフィル
タの効果を有する受光部である。Δλや2Δλに相当す
る差周波数のビートは遮断され、波長λ−Δλとλ+Δ
λの光強度と、波長λの干渉光強度のみが測定される。
【0035】制御演算処理部7は、干渉光強度測定部6
から出力された波長λの干渉光強度より、位相φ(λ)
を測定する。制御演算処理部7が光源1の波長や、波長
シフト量を適宜変化させて、位相測定を行い、得られた
位相から後述の演算処理により、波長分散を求める。
【0036】波長分散の演算方法の説明の前に、図2及
び図3を用いて、光源1から出射される光の波長シフト
の様子を詳しく説明する。図2は上述の条件での波長シ
フトを説明する図である。図2において、横軸は測定光
の装置内位置として、各構成要素を並べたもので、縦軸
は波長である。光源1の出射光a0 は、Δλシフトの波
長シフタ3Aのところでa1 とa0 の2波長に分かれ
る。2波長でDUT2を通過した光は、−Δλシフトの
波長シフタ3Bのところで、各波長が各々2波長に分か
れるため、4光(a10、a1-1 、a00、a0-1 )、3波
長(λ+Δλ、λ、λ−Δλ)になる。そして、干渉光
強度測定部6において、同一波長λになる2光a1-1
00が干渉する。
【0037】図3は、波長シフトの絶対値を、図2の2
倍の2Δλにした場合の、波長分散測定装置における測
定光の波長変化を説明する図である。図3において、光
源1の出射光a0 は、図2と同様に波長シフトしてゆ
く。この場合も、干渉するのは波長λであるが、図2で
はDUT2中の波長差がΔλであったのに対して、図3
では2Δλに変わっていることが特徴である。
【0038】次に、波長分散の演算方法について説明す
る。まず、図2の条件で測定される位相φ0,1 (λ)
は、波長λとλ+Δλの2光に対するDUT2の光路長
nLの変化量に相当する値であるから、以下の式で表さ
れる。ただし、位相φ0,1 (λ)の添え字は、2光の波
長λからの波長シフト量を意味している。 φ0,1(λ)=2π{n(λ)−n(λ+Δλ)}L/λ …(12) 同様に、図3の条件から測定される位相は以下の式とな
る。 φ0,2(λ)=2π{n(λ)−n(λ+2Δλ)}L/λ …(13) 従来例の図13で説明したように、位相測定においては
2πの整数倍の誤差が見込まれる。ここで、(12)
式、(13)式は共に波長λでの干渉光の位相なので、
その差をとると、 φ0,1 (λ)−φ0,2 (λ)=2π{n(λ+2Δλ)−n(λ+Δλ)}L /λ …(14) となる。Δλの設定は、この位相差に2πの整数倍の誤
差が出ないように選ばれる。さらに、前述した(1)式
より、屈折率の変化を伝達遅延時間差で置き換えると、 φ0,1(λ)−φ0,2(λ)=2πcΔτ(λ+1.5Δλ)/λ …(15) となる。Δτ(λ+1.5Δλ)はτが測定波長λ+
1.5Δλの関数という意味である。よって、λ+1.
5Δλの関数として、波長分散は以下の式となる。 D(λ+1.5Δλ)=Δτ(λ+1.5Δλ)/Δλ ={φ0,1(λ)−φ0,2(λ)}λ/(2πcΔλ) …(16) ここで、(16)式を前述の(6)式と比較すれば、
{φ0,1(λ)−φ0,2(λ)}λ/(2π)が従来例の
干渉法での光路差2aに相当する。
【0039】以上のように、第1の実施の形態の波長分
散測定装置によれば、異なる波長でDUT2を通過した
光の干渉を測定することによって、DUT2の波長分散
値を導き出すため、DUT2の光路長に関わらず、干渉
法とほぼ同等の波長分散測定精度を確保できる。なお、
入力レベル変動による誤差をなくすために入力レベルで
規格化したり、偏光状態による干渉レベル変動の影響を
除くために偏光状態を調整したり、光強度の均等化のた
めの減衰器を備えたりすることは、光強度測定の精度を
上げるために通常用いられる手段であり、もちろん、本
実施の形態に追加してよいが、これらの説明については
省略する。以下の各実施の形態においても同様とする。
【0040】[第2の実施の形態]次に、本発明の第2
の実施の形態について、図4を参照して説明する。図4
は、本発明を適用した第2の実施の形態としての波長分
散測定装置の構成を示すブロック図である。この第2の
実施の形態特有の部分以外は、前述の第1の実施の形態
におけると同様である。第2の実施の形態において、第
1の実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説
明を省略する。
【0041】前述の第1の実施の形態では、光分岐器4
A、4Bにより2分岐された光路の一方にのみ波長シフ
タが挿入されていたが、この第2の実施の形態では、2
分岐された光路の両方に波長シフタが挿入されている。
すべての波長シフタ13A、13B、13C、13Dは
制御演算処理部7により制御されている。
【0042】先ず、光源1から出射される光の波長シフ
トの様子を図5及び図6を用いて説明する。図5は、D
UT2入射側の2つの波長シフタ(第一の波長シフタ)
13A、波長シフタ(第二の波長シフタ)13Bの波長
シフト量が−ΔλとΔλで、DUT2出射側の2つの波
長シフタ(第三の波長シフタ)13C、波長シフタ(第
四の波長シフタ)13Dの波長シフト量が−ΔλとΔλ
である場合の波長シフトを説明する図である。図5にお
いて、横軸は測定光の装置内位置として、各構成要素を
並べたもので、縦軸は波長である。光源1の出射光a0
は、DUT2入射側の2つの波長シフタ13A、13B
でa1 とa-1の2波長に分かれる。2波長でDUT2を
通過した光は、DUT2出射側の2つの波長シフタ13
C、13Dで、各波長が各々2波長に分かれるため、図
5に示すように、4光(a11、a1-1 、a-11
-1-1)、3波長(λ+2Δλ、λ、λ−2Δλ)にな
る。そして、干渉光強度測定部6において、同一波長λ
の2光a1-1 とa-11 が干渉する。
【0043】図6は、DUT2入射側の一方の波長シフ
タの波長シフト量を2Δλとし、DUT2出射側の一方
の波長シフタの波長シフト量を−2Δλとした場合の、
波長分散測定装置における測定光の波長変化を説明する
図である。図6において、光源1の出射光a0 は、図5
と同様に波長シフトしてゆく。この場合も、干渉するの
は波長λであるが、図5ではDUT中の波長差が2Δλ
であったのに対して、3Δλに変わっていることが特徴
である。
【0044】波長分散の演算方法は、前述の第1の実施
の形態と同様である。まず、図5の条件で測定される位
相φ-1,1(λ)は、波長λ−Δλとλ+Δλの2光に対
するDUT2の光路長nLの変化量に相当する値である
から、以下の式で表される。 φ-1,1(λ)=2π{n(λ−Δλ)−n(λ+Δλ)}L/λ …(17) 同様に、図6の条件から測定される位相は以下の式とな
る。 φ-1,2(λ)=2π{n(λ−Δλ)−n(λ+2Δλ)}L/λ…(18) (17)式、(18)式は共に波長λでの干渉光の位相
なので、その差をとると、 φ-1,1(λ)−φ-1,2(λ)=2π{n(λ+2Δλ)−n(λ+Δλ)}L /λ …(19) となる。Δλの設定は、この位相差に2πの整数倍の誤
差が出ないように選ばれる。さらに、前述の(1)式よ
り、屈折率の変化を伝達遅延時間差で置き換えると、 φ-1,1(λ)−φ-1,2(λ)=2πcΔτ(λ+1.5Δλ)/λ…(20) となる。よって波長分散は以下の式となる。 D(λ+1.5Δλ)=Δτ(λ+1.5Δλ)/Δλ ={φ-1,1(λ)−φ-1,2(λ)}λ/(2πcΔλ) …(21)
【0045】以上のように、第2の実施の形態の波長分
散測定装置によれば、波長シフタ13A、13B、13
C、13Dの波長シフト量を適当に選択し、異なる波長
でDUT2を通過した光の干渉を測定することによっ
て、DUT2の波長分散値を導き出すため、DUT2の
光路長に関わらず、干渉法とほぼ同等の波長分散測定精
度を確保できる。なお、波長シフト量の設定は、上述の
例に限らず、DUT2中を通過する時の2光の一方の波
長が基準となり得て、干渉時の波長が同一であれば、他
の組み合わせであってもかまわない。
【0046】[第3の実施の形態]次に、本発明の第3
の実施の形態について、図7を参照して説明する。図7
は、本発明を適用した第3の実施の形態としての波長分
散測定装置の構成を示すブロック図である。
【0047】光源1から出射された波長λの光a0は、
多波長発生器21に入射される。多波長発生器21は、
入射光の波長λに対して、等波長間隔Δλの複数の波長
の光を生成する。なお、等波長間隔を実現するのは困難
であり、通常は、等周波数間隔の光発生器が用いられる
が、説明上は支障ないので、以下、等波長間隔として続
ける。多波長発生器21は、波長シフタの直列、並列構
成で実現したり、光周波数コム発生器を用いたりする方
法が考えられる。
【0048】多波長発生器21から出射された等波長間
隔Δλの複数の光はDUT2に入射する。等波長間隔Δ
λの複数の光はDUT2を通過後、光分岐器24により
2分岐され、一方は波長シフタ23に入射される。波長
シフタ23は波長シフト量Δλを等波長間隔Δλの複数
の光の波長に加え出射する。光分岐器24の他方の出力
光は、波長シフトされないで、波長シフタ23の出射光
と光合波器24により合波され、光フィルタ22に入射
する。光フィルタ22に入射した複数の光は、フィルタ
リングされ、波長λ+kΔλ(kは整数)の光のみが選
択され、干渉光強度測定部26に入射される。そして、
干渉光強度測定部26では、波長λ+kΔλの光のみが
測定される。
【0049】制御演算処理部27は、干渉光強度測定部
26から出力された、波長λ+kΔλの光の干渉光強度
より、位相φ(λ+kΔλ)を測定する。制御演算処理
部27は、光フィルタ22を制御して選択波長のkの値
を変えて、位相測定し、さらに、光源1の波長や、波長
シフト量、多波長発生器21で生成する波長を適宜変化
させて、位相測定を繰り返し、得られた位相から演算処
理により、波長分散を求める。
【0050】波長分散の演算方法は、前述の第1の実施
の形態、第2の実施の形態で説明した手順に準じればよ
く、ここでは省略するが、図8により、多波長発生器2
1により3波長が発生される場合の、光源1から出射さ
れる光の波長シフトの様子を、一例として説明する。
【0051】図8は、波長分散測定装置における測定光
の波長変化を説明する図である。まず、光源1の出射光
0 は、多波長発生器21でa1 とa0 とa-1の3波長
に分かれる。3波長でDUT2を通過した光は、光分岐
器24で2分岐され、一方は波長シフタ23でa11とa
01とa-11 の3波長になる。2分岐のもう一方のa10
00とa-10 と、波長シフタ23の出射光は、光合波器
25で合波され光フィルタ22に入射する。
【0052】光フィルタ22に入射する光のうち、a10
とa01は波長λ+Δλの干渉光で、a00とa-11 は波長
λの干渉光である。光フィルタ22の選択波長をλとす
れば、干渉光強度測定部26で、同一波長λの2光a00
とa-11 が干渉光として受光される。続いて、光フィル
タ22の選択波長をλ+Δλとすれば、もう一方の干渉
光を測定できる。
【0053】以上のように、第3の実施の形態の波長分
散測定装置によれば、多波長発生器21の発生波長範囲
内では、光源1の波長を変更することなく、波長分散を
測定できる。また、異なる波長でDUT2を通過した光
の干渉を光フィルタ22で選択して測定することによっ
て、DUT2の波長分散値を導き出すため、DUT2の
光路長に関わらず、干渉法とほぼ同等の波長分散測定精
度を確保できる。
【0054】[第4の実施の形態]次に、本発明の第4
の実施の形態について、図9を参照して説明する。図9
は、本発明を適用した第4の実施の形態としての波長分
散測定装置の構成を示すブロック図である。この実施の
形態の波長分散測定装置は、前述の第1の実施の形態の
波長分散測定装置(図1)に、光ディレイライン31を
追加した構成となっている。この第4の実施の形態特有
の部分以外は、前述の第1の実施の形態におけると同様
である。第4の実施の形態において、第1の実施の形態
と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0055】干渉光強度測定部6では、前述の第1の実
施の形態において示した原理に従い、波長λの干渉光の
位相φ0,1 (λ)が測定される。この時、光分岐器4B
で2分岐された光路の、波長シフタ3Bの挿入されてい
ない側に設けられた光ディレイライン31を調整して、
DUT2中の2光a0 とa1 の光路差が零になるように
調整する。
【0056】波長分散の求め方の手順は、従来技術の干
渉法に準じる。即ち、前述の図10のミラー53Cに相
当する光路長調整部が、この実施の形態では光ディレイ
ライン31である。まず、前述の図2の条件にして、γ
=1となるように光ディレイライン31を調整する。こ
のとき、DUT2を伝搬する波長λとλ+Δλの光路長
差分が補正される。続いて、前述の図3の条件にして、
γ=1となるように光ディレイライン31を調整する。
このとき、DUT2を伝搬する波長λとλ+2Δλの光
路長差分が補正される。この間の、光ディレイライン3
1の光路長変化量を2aとすると、2回の測定におい
て、波長λの光路長は等しいので、前述の(2)式より D(λ+1.5Δλ)=2a/(cΔλ) …(22) となる。従来技術の干渉法では空間伝搬光の光路長を基
準に測定したが、この実施の形態では、波長λのDUT
2の光路長を基準に測定している。このため、DUT2
の光路長に制約はない。
【0057】なお、光ディレイライン31により、DU
T2を伝搬する2波長のどちらかの光路長を調整できれ
ばよいので、図9の位置に限らず、光ディレイライン3
1は波長シフタ3Bと直列に挿入しても、DUT2の入
射側の2分岐光路上に設けてもかまわない。また、この
第4の実施の形態では、前述の第1の実施の形態の波長
分散測定装置に光ディレイライン31を追加する構成で
説明したが、第2の実施の形態の波長分散測定装置や、
第3の実施の形態の波長分散測定装置に適用することも
可能である。
【0058】[第5の実施の形態]次に、本発明の第5
の実施の形態について、図1を参照して説明する。この
実施の形態では、制御演算処理部7が、波長分散値を用
いて特定の波長分散式の係数を求めるように構成されて
いる。
【0059】即ち、まず、前述の第1の実施の形態で示
したように、波長分散値を求める。制御演算処理部7
は、測定により求めた波長分散値を用いて、あらかじめ
準備しておいた波長の関数としての分散の式の各係数を
求めて、その式を分散値として表示する。このように波
長分散式を求めることで、異なるDUT2間の波長分散
の差違を、具体的に数値で示すことができる。
【0060】波長分散の式としては、屈折率に関するセ
ルマイヤー式の近似式、例えば、 n(λ)=Aλ2 +B+Cλ-2 …(23) n(λ)=Aλ4 +Bλ2 +C+E-2+Fλ-4 …(24) などや、単純な2次方程式、 n(λ)=Aλ2 +Bλ+C …(25) などを、DUT2に合わせて適宜選択すればよい。ここ
で、A,B,C,E,Fは波長に依らない係数である。
屈折率から波長分散への変換は、前述の(1)式及び
(2)式を用いる。また、上述のような近似式を用いれ
ば、分散の微分値の式も得られるので、各実施の形態に
おける、波長シフタの組み合わせ方やその波長シフト量
の自由度は増加する。例えば、前述の図2と図3におい
て、DUT2中の2波長の一方は必ず一致している必要
があったが、近似式があれば、必ずしも一致していなく
ても、多数の測定結果より、係数を決定することが可能
である。なお、この実施の形態では、第1の実施の形態
の波長分散測定装置により説明したが、第2〜第4の各
実施の形態の波長分散測定装置により求めた波長分散値
を用いて上記波長分散式の係数を計算できることは言う
までもない。
【0061】[第6の実施の形態]次に、本発明の第6
の実施の形態について、図1を参照して説明する。この
実施の形態では、光源1として、一定の波長ステップで
出力波長を可変できる波長可変光源が用いられ、制御演
算処理部7には、設定波長を測定可能な波長計が設けら
れた構成となっている。即ち、この第6の実施の形態の
波長分散測定装置によれば、波長計による測定値に基づ
き、制御演算処理部7が波長可変光源の出力波長を正確
に制御することで、λの波長確度を高めて、波長分散値
の計算確度を向上させることができる。なお、この実施
の形態では、第1の実施の形態の波長分散測定装置を例
にとって説明したが、これに限られるものではなく、第
2〜第5の各実施の形態の波長分散測定装置についても
同様に適用することが可能である。
【0062】[第7の実施の形態]次に、本発明の第7
の実施の形態について、図1を参照して説明する。この
実施の形態では、波長シフタ3A、3Bとして音響光学
素子が用いられた構成となっている。音響光学素子は、
1次あるいは−1次の回折光を利用した波長シフタであ
り、前述の図2、図3に示した波長シフトが実現でき
る。即ち、この第7の実施の形態の波長分散測定装置に
よれば、波長シフタに音響光学素子を用いることによっ
て、高精度な波長分散測定が可能になる。なお、この実
施の形態では、第1の実施の形態の波長分散測定装置の
波長シフタ3A、3Bを例にとって説明したが、これに
限られるものではなく、第2〜第6の各実施の形態の波
長分散測定装置の各波長シフタを音響光学素子により構
成することも可能である。
【0063】
【発明の効果】本発明に係る波長分散測定装置によれ
ば、異なる波長で被測定物を通過した光の干渉を測定す
ることによって、被測定物の波長分散値を導き出すた
め、被測定物の光路長に関わらず、干渉法とほぼ同等の
波長分散測定精度を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施の形態としての波
長分散測定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の波長分散測定装置における測定光の波長
変化を説明する図で、波長シフタ3Aによる波長変化量
がΔλ、波長シフタ3Bによる波長変化量が−Δλ、で
ある場合を示している。
【図3】図1の波長分散測定装置における測定光の波長
変化を説明する図で、波長シフタ3Aによる波長変化量
が2Δλ、波長シフタ3Bによる波長変化量が−2Δ
λ、である場合を示している。
【図4】本発明を適用した第2の実施の形態としての波
長分散測定装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図4の波長分散測定装置における測定光の波長
変化を説明する図で、波長シフタ13A、13Cによる
波長変化量が−Δλ、波長シフタ13B、13Dによる
波長変化量がΔλ、である場合を示している。
【図6】図4の波長分散測定装置における測定光の波長
変化を説明する図で、波長シフタ13Aによる波長変化
量が−Δλ、波長シフタ13Bによる波長変化量が2Δ
λ、波長シフタ13Cによる波長変化量が−2Δλ、波
長シフタ13Dによる波長変化量がΔλ、である場合を
示している。
【図7】本発明を適用した第3の実施の形態としての波
長分散測定装置の構成を示すブロック図である。
【図8】図7の波長分散測定装置における測定光の波長
変化を説明する図で、多波長発生器により3波長が発生
される場合を示している。
【図9】本発明を適用した第4の実施の形態としての波
長分散測定装置の構成を示すブロック図である。
【図10】従来技術の干渉法による波長分散測定装置の
構成例を示すブロック図である。
【図11】可干渉性の低い光の位相差零付近の干渉光強
度を示す図である。
【図12】従来技術の位相差法による波長分散測定装置
の構成例を示すブロック図である。
【図13】図12の波長分散測定装置で行われる位相差
測定を説明する図である。
【符号の説明】
1 光源 2 被測定物 3A 波長シフタ(第一の波長シフタ) 3B 波長シフタ(第二の波長シフタ) 4A 光分岐器(第一の光分岐器) 4B 光分岐器(第二の光分岐器) 5A 光合波器(第一の光合波器) 5B 光合波器(第二の光合波器) 6、26 干渉光強度測定部 7、27 制御演算処理部 13A 波長シフタ(第一の波長シフタ) 13B 波長シフタ(第二の波長シフタ) 13C 波長シフタ(第三の波長シフタ) 13D 波長シフタ(第四の波長シフタ) 21 多波長発生器 22 光フィルタ 23 波長シフタ 24 光分岐器 25 光合波器 31 光ディレイライン

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長が既知である光源と、 前記光源の出力光を入力し、2分岐して出力する第一の
    光分岐器と、 前記第一の光分岐器の一方の出力光を入力し、波長を所
    定量変化して出力する第一の波長シフタと、 前記第一の光分岐器の他方の出力光と前記第一の波長シ
    フタの出力光を合波して被測定物に入力する第一の光合
    波器と、 前記被測定物を通過した前記第一の光合波器の出力光を
    入力し、2分岐して出力する第二の光分岐器と、 前記第二の光分岐器の一方の出力光を入力し、波長を所
    定量変化して出力する第二の波長シフタと、 前記第二の光分岐器の他方の出力光と前記第二の波長シ
    フタの出力光を合波して出力する第二の光合波器と、 前記第二の光合波器の出力光を入力し干渉光強度を測定
    する干渉光強度測定部と、 前記第一の波長シフタ及び前記第二の波長シフタによる
    波長変化量と前記光源の出力波長を制御すると共に、前
    記干渉光強度測定部により測定された前記干渉光強度か
    ら前記被測定物の波長分散値を演算する制御演算処理部
    と、 を備えたことを特徴とする波長分散測定装置。
  2. 【請求項2】波長が既知である光源と、 前記光源の出力光を入力し、2分岐して出力する第一の
    光分岐器と、 前記第一の光分岐器の一方の出力光を入力し、波長を所
    定量変化して出力する第一の波長シフタと、 前記第一の光分岐器の他方の出力光を入力し、波長を所
    定量変化して出力する第二の波長シフタと、 前記第一の波長シフタの出力光と前記第二の波長シフタ
    の出力光を合波して被測定物に入力する第一の光合波器
    と、 前記被測定物を通過した前記第一の光合波器の出力光を
    入力し、2分岐して出力する第二の光分岐器と、 前記第二の光分岐器の一方の出力光を入力し、波長を所
    定量変化して出力する第三の波長シフタと、 前記第二の光分岐器の他方の出力光を入力し、波長を所
    定量変化して出力する第四の波長シフタと、 前記第三の波長シフタの出力光と前記第四の波長シフタ
    の出力光を合波して出力する第二の光合波器と、 前記第二の光合波器の出力光を入力し干渉光強度を測定
    する干渉光強度測定部と、 前記第一の波長シフタ、前記第二の波長シフタ、前記第
    三の波長シフタ及び前記第四の波長シフタによる波長変
    化量と前記光源の出力波長を制御すると共に、前記干渉
    光強度測定部により測定された前記干渉光強度から前記
    被測定物の波長分散値を演算する制御演算処理部と、 を備えたことを特徴とする波長分散測定装置。
  3. 【請求項3】波長が既知である光源と、 前記光源の出力光を入力し、複数の波長を生成して被測
    定物に入力する多波長発生器と、 前記被測定物を通過した前記多波長発生器の出力光を入
    力し、2分岐して出力する光分岐器と、 前記光分岐器の一方の出力光を入力し、波長を所定量変
    化して出力する波長シフタと、 前記光分岐器の他方の出力光と前記波長シフタの出力光
    を合波して出力する光合波器と、 前記光合波器の出力光を入力し、特定の波長の光を選択
    して出力する光フィルタと、 前記光フィルタの出力光を入力し干渉光強度を測定する
    干渉光強度測定部と、 前記光源の出力波長、前記多波長発生器の生成する波
    長、前記波長シフタによる波長変化量、及び前記光フィ
    ルタによる選択波長を制御すると共に、前記干渉光強度
    測定部により測定された前記干渉光強度から前記被測定
    物の波長分散値を演算する制御演算処理部と、 を備えたことを特徴とする波長分散測定装置。
  4. 【請求項4】前記干渉光強度測定部で測定する干渉光の
    一方の光経路に、光路長を調整可能な光ディレイライン
    を挿入したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記
    載の波長分散測定装置。
  5. 【請求項5】前記制御演算処理部は、演算した前記被測
    定物の前記波長分散値を用いて特定の波長分散式の係数
    を求めることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載
    の波長分散測定装置。
  6. 【請求項6】前記光源は、波長可変光源であり、 前記制御演算処理部は、波長計を備えて、該波長計の計
    測値に基づき前記波長可変光源の波長を制御することを
    特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の波長分散測定
    装置。
  7. 【請求項7】前記波長シフタは、音響光学素子であるこ
    とを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の波長分散
    測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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