JP2000192372A - 皮革様シートの製造方法 - Google Patents

皮革様シートの製造方法

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JP2000192372A JP10367115A JP36711598A JP2000192372A JP 2000192372 A JP2000192372 A JP 2000192372A JP 10367115 A JP10367115 A JP 10367115A JP 36711598 A JP36711598 A JP 36711598A JP 2000192372 A JP2000192372 A JP 2000192372A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】繊維から一成分を抽出する際に、強度等の機械
的性質あるいは風合等の触感が劣化することのない皮革
様シートを提供する。 【解決手段】重合度が200から500、鹸化度が90
から99.99モル%、ビニルアルコールユニットに対
するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基
のモル分率が70〜99.9モル%であり、融点が16
0〜230℃であるポリビニルアルコール(A)100
重量部に対してアルカリ金属イオン(B)が0.000
3〜1重量部含有されているアルカリ金属含有ポリビニ
ルアルコール(C)と融点が270℃以下の熱可塑性ポリ
マー(D)とから得られる溶融紡糸繊維から不織布を製
造し、ポリウレタンを含浸・凝固した後、成分(C)を
水で抽出して、必要により表面を毛羽立てるかあるいは
表面に銀面層を形成して皮革様シートを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抽出処理により強
度等の機械的性質あるいは風合等の触感が劣化すること
のない皮革様シートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】皮革様シートは、例えば以下の工程を組
み合わせることにより得られる。すなわち、海島構造繊
維を製造する工程、該繊維からなる絡合不織布を製造す
る工程、必要に応じて不織布を仮固定する工程、該絡合
不織布に弾性重合体液を含浸し、多孔質状態に凝固させ
る工程、該繊維から海成分ポリマーを除去して極細繊維
束に変性する工程(海成分ポリマーを除去後に弾性重合
体を含浸しても良い)、染色する工程、表面加工する工
程等を必要に応じて順次行うことにより得ることができ
る。
【0003】この方法において、海島構造繊維は、島成
分ポリマーに対して相溶性が小さい熱可塑性ポリマーを
海成分として、海成分ポリマーと島成分ポリマーを複合
または混合紡糸することにより得られる。海成分ポリマ
ーは、島成分ポリマーと溶剤・分解剤に対する溶解性・
分解性を異にして(島成分ポリマーよりも溶解性・分解
性が大きい)いなければならない。
【0004】従来、このような海成分としては、例えば
ポリエチレン、ポリスチレン、共重合ポリエチレン、変
性ポリエステルなどのポリマーから選ばれた少なくとも
1種のポリマーが用いられている。例えばポリスチレン
はトルエンにより、またポリエチレンはトリクレンによ
り容易に抽出可能であり、またスルホイソフタル酸ソー
ダ共重合ポリエチレンテレフタレート等の変性ポリエス
テルはアルカリにより分解除去可能である。そしてこの
海島構造繊維から海成分ポリマーを抽出又は分解除去す
ることにより島成分ポリマーが残り、極細繊維束にする
ことができる。しかしながら、海成分を除去するときに
有機溶剤やアルカリに浸漬して分解除去するために、抽
出後に得られる島成分ポリマーからなる繊維が劣化し、
ひいてはシートの強伸度等の機械的性質が低下したり、
あるいは含浸・凝固した弾性重合体の多孔状態がつぶれ
て皮革様シートの風合等の触感が劣化するという問題が
生じる。また有機溶媒やアルカリを用いて抽出するため
に、製造時の作業環境が劣悪であるばかりでなく、得ら
れた皮革様シートに有機溶媒やアルカリ等が残らないよ
うに何度も洗浄する工程が必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の問題点を解決するものであり、すなわち抽出により強
度等の機械的性質あるいは風合等の触感が劣化すること
のない皮革様シートの製造方法を提供することにある。
さらに本発明は、特定のポリビニルアルコールを用いる
ことにより、従来溶融紡糸することが極めて難しかった
ポリビニルアルコールを一成分とする溶融複合紡糸繊維
又は溶融混合紡糸繊維を長期間安定に紡糸することが可
能となり、水を用いての繊維からの一成分抽出が工業的
に可能となり、このことを利用した皮革様シートを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、下記
工程(1)〜(4) (1)重合度が200〜500で鹸化度が90〜99.
99モル%、ビニルアルコールユニットに対するトライ
アッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率
が70〜99.9モル%であり、融点が160〜230
℃であるポリビニルアルコール(A)100重量部に対
してアルカリ金属イオン(B)がナトリウム換算で0.
0003〜1重量部含有されているアルカリ金属含有ポ
リビニルアルコール(C)と融点が270℃以下の熱可
塑性ポリマー(D)とから溶融紡糸繊維を製造する工
程、(2)工程(1)で得られた繊維を布帛とする工
程、(3)該溶融紡糸繊維から成分(C)を水により抽
出する工程、(4)布帛に弾性重合体を含浸・凝固する
工程、を(1)、(2)、(3)および(4)の順序で
行うか又は(1)、(2)、(4)および(3)の順に
行うことにより皮革様シートを製造する方法である。
【0007】以下本発明について詳細に説明する。まず
本発明方法に用いられる繊維を構成するポリビニルアル
コール(以下PVAと略す)とは、PVAのホモポリマ
ーは勿論のこと、例えば、共重合、末端変性、および後
反応により官能基を導入した変性PVAも包含する。
【0008】本発明に用いられるPVAの粘度平均重合
度(以下、単に重合度と略記する)は200〜500で
あり、230〜470が好ましく、250〜450が特
に好ましい。重合度が200未満の場合には、溶融粘度
が低すぎて糸曳性が低く、巻き取ることができない。重
合度が500を越えると溶融粘度が高すぎて、紡糸ノズ
ルからポリマーを吐出することができない。また重合度
500以下のいわゆる低重合度のPVAを用いることに
より、水溶液で繊維を溶解するときに溶解速度が速くな
るばかりでなく繊維が溶解する時の収縮率を小さくする
ことができる。
【0009】PVAの重合度(P)は、JIS−K67
26に準じて測定される。すなわち、PVAを再鹸化
し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度
[η]から次式により求められるものである。 P=([η]×103/8.29)(1/0.62)
【0010】本発明に用いられるPVAの鹸化度は90
〜99.99モル%でなければならない。93〜99.
98モル%が好ましく、94〜99.97モル%がより
好ましく、96〜99.96モル%が特に好ましい。鹸
化度が90モル%未満の場合には、PVAの熱安定性が
悪く熱分解やゲル化が生じ満足な溶融紡糸を行うことが
できないのみならず、後述する共重合モノマーの種類に
よってはPVAの水溶性が低下する。一方、鹸化度が9
9.99モル%よりも大きいPVAは安定に製造するこ
とができず、安定した繊維化もできない。
【0011】本発明においてPVAは、ビニルアルコー
ルユニットに対するトライアッド表示による水酸基3連
鎖の中心水酸基のモル分率が70〜99.9モル%であ
る必要がある。トライアッド表示による水酸基3連鎖の
中心水酸基とは、PVAのd6−DMSO溶液での50
0 MHz 1H−NMR(JEOL GX−500)
装置、65℃測定による水酸基プロトンのトライアッド
のタクティシティを反映するピーク(I)を意味する。
ピーク(I)はPVAの水酸基のトライアッド表示のア
イソタクティシティ連鎖(4.54ppm)、ヘテロタ
クティシティ連鎖(4.36ppm)およびシンジオタ
クティシティ連鎖(4.13ppm)の和で表わされ、
全てのビニルアルコールユニットにおける水酸基のピー
ク(II)はケミカルシフト4.05ppm〜4.70
ppmの領域に現れることから、本発明のビニルアルコ
ールユニットに対するトライアッド表示による水酸基3
連鎖の中心水酸基のモル分率は、100×(I)/(I
I)で表されるものである。
【0012】本発明においては、水酸基3連鎖の中心水
酸基の量を制御することで、PVAの水溶性、吸湿性な
ど水に関わる諸物性、強度、伸度、弾性率など繊維に関
わる諸物性、融点、溶融粘度など溶融紡糸性に関わる諸
物性をコントロールできる。これはトライアッド表示に
よる水酸基3連鎖の中心水酸基は結晶性に富み、PVA
の特長を発現させるためと思われる。
【0013】本発明の繊維におけるPVAのトライアッ
ド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基の含有量は70
〜99.9モル%であり、72〜99モル%が好まし
く、74〜97モル%がより好ましく、75〜96モル
%がさらに好ましく、76〜95モル%が特に好まし
い。PVAのトライアッド表示による水酸基3連鎖の中
心水酸基の含有量が70モル%未満である場合には、ポ
リマーの結晶性が低下し、繊維強度が低くなると同時
に、溶融紡糸時に繊維が膠着して巻取り後に巻き出しで
きない場合がある。PVAのトライアッド表示による水
酸基3連鎖の中心水酸基の含有量が99.9モル%より
大の場合には、ポリマーの融点が高いため溶融紡糸温度
を高くする必要があり、その結果、溶融紡糸時のポリマ
ーの熱安定性が悪く、分解、ゲル化、ポリマーの着色が
起こる。
【0014】また、本発明のPVAがエチレン変性のP
VAである場合、下記式を満足することで本発明の効果
は更に高くなる。 −1.5×Et+100≦モル分率≦−Et+85 ここで、モル分率(単位:モル%)はビニルアルコールユ
ニットに対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の
中心水酸基のモル分率を表し、Etはビニルアルコール
系重合体が含有するエチレン含量(単位:モル%)を表
す。
【0015】本発明に用いられるPVAの融点(Tm)
は160〜230℃であり、170〜227℃が好まし
く、175〜224℃がより好ましく、180〜220
℃が特に好ましい。融点が160℃未満の場合にはPV
Aの結晶性が低下し繊維強度が低くなると同時に、PV
Aの熱安定性が悪くなり、繊維化できない場合がある。
一方、融点が230℃を越えると溶融紡糸温度が高くな
り紡糸温度とPVAの分解温度が近づくためにPVA繊
維を安定に製造することができない。
【0016】PVAの融点は、DSCを用いて、窒素
中、昇温速度10℃/分で250℃まで昇温後、室温ま
で冷却し、再度昇温速度10℃/分で250℃まで昇温
した場合のPVAの融点を示す吸熱ピークのピークトッ
プの温度を意味する。
【0017】PVAは、ビニルエステル単位を鹸化する
ことにより得られる。ビニルエステル単位を形成するた
めのビニル化合物単量体としては、ギ酸ビニル、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリ
ン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、
安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニルおよびバーサティッ
ク酸ビニル等が挙げられ、これらの中でもPVAを得る
点からは酢酸ビニルが好ましい。
【0018】本発明のポリビニルアルコール繊維を構成
する重合体は、ポリビニルアルコールのホモポリマーで
あっても共重合単位を導入した変性PVAであってもよ
いが、溶融紡糸性、水溶性、繊維物性の観点からは、共
重合単位を導入した変性ポリビニルアルコールを用いる
ことが好ましい。共重合単量体の種類としては、例え
ば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、
1−ヘキセン等のα−オレフィン類、アクリル酸および
その塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル等のアクリ
ル酸エステル類、メタクリル酸およびその塩、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プ
ロピル、メタクリル酸i−プロピル等のメタクリル酸エ
ステル類、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミ
ド、N−エチルアクリルアミド等のアクリルアミド誘導
体、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、
N−エチルメタクリルアミド等のメタクリルアミド誘導
体、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n
−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテ
ル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、
エチレングリコールビニルエーテル、1,3−プロパン
ジオールビニルエーテル、1,4−ブタンジオールビニ
ルエーテル等のヒドロキシ基含有のビニルエーテル類、
アリルアセテート、プロピルアリルエーテル、ブチルア
リルエーテル、ヘキシルアリルエーテル等のアリルエー
テル類、オキシアルキレン基を有する単量体、ビニルト
リメトキシシラン等のビニルシリル類、酢酸イソプロペ
ニル、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オ
ール、5−ヘキセン−1−オール、7−オクテン−1−
オール、9−デセン−1−オール、3−メチル−3−ブ
テン−1−オール等のヒドロキシ基含有のα−オレフィ
ン類、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレ
イン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸または無水
イタコン酸等に由来するカルボキシル基を有する単量
体;エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリ
ルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸等に由来するスルホン酸基を有する単量
体;ビニロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ビニロキシブチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ビニロキシエチルジメチルアミン、ビニロキシメチ
ルジエチルアミン、N−アクリルアミドメチルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチル
トリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミ
ドジメチルアミン、アリルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ジメチルアリルアミン、アリルエチルアミン等に由
来するカチオン基を有する単量体が挙げられる。これら
の単量体の含有量は、通常20モル%以下である。
【0019】これらの単量体の中でも、入手のしやすさ
などから、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブ
テン、1−ヘキセン等のα−オレフィン類、メチルビニ
ルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニ
ルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビ
ニルエーテル等のビニルエーテル類、エチレングリコー
ルビニルエーテル、1,3−プロパンジオールビニルエ
ーテル、1,4−ブタンジオールビニルエーテル等のヒ
ドロキシ基含有のビニルエーテル類、アリルアセテー
ト、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、
ヘキシルアリルエーテル等のアリルエーテル類、オキシ
アルキレン基を有する単量体、3−ブテン−1−オー
ル、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オ
ール、7−オクテン−1−オール、9−デセン−1−オ
ール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等のヒドロ
キシ基含有のα−オレフィン類に由来する単量体が好ま
しい。
【0020】特に、共重合性、溶融紡糸性および繊維の
水溶性の観点からエチレン、プロピレン、1−ブテン、
イソブテンの炭素数4以下のα−オレフィン類、メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピル
ビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチ
ルビニルエーテル等のビニルエーテル類がより好まし
い。炭素数4以下のα−オレフィン類および/またはビ
ニルエーテル類に由来する単位は、PVA中に1〜20
モル%存在していることが好ましく、さらに4〜15モ
ル%が好ましく、6〜13モル%が特に好ましい。さら
に、α−オレフィンがエチレンである場合において、繊
維物性が高くなることから、特にエチレン単位が4〜1
5モル%、より好ましくは6〜13モル%導入された変
成PVAを使用することが好ましい。
【0021】本発明で使用されるPVAは、塊状重合
法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の
方法が挙げられる。その中でも、無溶媒あるいはアルコ
ールなどの溶媒中で重合する塊状重合法や溶液重合法が
通常採用される。溶液重合時に溶媒として使用されるア
ルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコールなどの低級アルコールが挙げら
れる。共重合に使用される開始剤としては、α,α'-ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,
4−ジメチル−バレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、
nープロピルパーオキシカーボネートなどのアゾ系開始
剤または過酸化物系開始剤などの公知の開始剤が挙げら
れる。重合温度については特に制限はないが、0℃〜1
50℃の範囲が適当である。
【0022】本発明に用いられる繊維を構成するPVA
には、特定量のアルカリ金属イオン(B)が含有されて
いる必要があり、その含有割合は、PVA(A)100
重量部に対してナトリウムイオン換算で0.0003〜
1重量部であり、0.0003〜0.8重量部が好まし
く、0.0005〜0.6重量部がより好ましく、0.
0005〜0.5重量部が特に好ましい。アルカリ金属
イオンの含有割合が0.0003重量部未満の場合に
は、得られた繊維が十分な水溶性を示さず未溶解物が残
る場合がある。またアルカリ金属イオンの含有量が1重
量部より多い場合には溶融紡糸時の分解及びゲル化が著
しく繊維化することができない。アルカリ金属イオンと
しては、カリウムイオン、ナトリウムイオン等があげら
れる。
【0023】本発明において、特定量のアルカリ金属イ
オン(B)をPVA中に含有させる方法は特に制限され
ず、PVAを重合した後にアルカリ金属イオン含有の化
合物を添加する方法、ビニルエステルの重合体を溶媒中
において鹸化するに際し、鹸化触媒としてアルカリイオ
ンを含有するアルカリ性物質を使用することによりPV
A中にアルカリ金属イオンを配合し、鹸化して得られた
PVAを特定の洗浄液で特定条件下で洗浄することによ
り、PVA中に含まれるアルカリ金属イオン含有量を制
御する方法などが挙げられるが後者のほうが好ましい。
なお、アルカリ金属イオンの含有量は、原子吸光法で求
めることができる。
【0024】鹸化触媒として使用するアルカリ性物質と
しては、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムがあげ
られる。鹸化触媒に使用するアルカリ性物質のモル比
は、酢酸ビニル単位に対して0.004〜0.5が好ま
しく、0.005〜0.05が特に好ましい。鹸化触媒
は、鹸化反応の初期に一括添加しても良いし、鹸化反応
の途中で追加添加しても良い。
【0025】鹸化反応の溶媒としては、メタノール、酢
酸メチル、ジエチルスルホキシド、ジメチルホルムアミ
ドなどがあげられる。これらの溶媒の中でもメタノール
が好ましく、含水率を0.001〜1重量%に制御した
メタノールがより好ましく、含水率を0.003〜0.
9重量%に制御したメタノールがより好ましく、含水率
を0.005〜0.8重量%に制御したメタノールが特
に好ましい。洗浄液としては、メタノール、アセトン、
酢酸メチル、酢酸エステル、ヘキサン、水などがあげら
れ、これらの中でもメタノール、酢酸メチル、水の単独
もしくは混合液がより好ましい。
【0026】洗浄液の量としてはアルカリ金属イオン
(B)の含有割合を満足するように設定されるが、通
常、PVA100重量部に対して、300〜10000
重量部が好ましく、500〜5000重量部がより好ま
しい。洗浄温度としては、5〜80℃が好ましく、20
〜70℃がより好ましい。洗浄時間としては20分間〜
10時間が好ましく、1時間〜6時間がより好ましい。
【0027】本発明に用いるPVAは生分解性を有して
おり活性汚泥処理あるいは土壌にうめておくと分解され
て水と二酸化炭素になる。該PVAは水溶液の状態で活
性汚泥で連続処理すると2日〜1ヶ月でほぼ完全に分解
される。生分解の点から、繊維に用いられるPVAの鹸
化度は90〜99.99モル%が好ましく、92〜9
9.98モル%がより好ましく、93〜99.97モル
%がもっとも好ましい。そしてPVAの1,2−グリコ
ール結合含有量は1.2〜2.0モル%が好ましく、
1.25〜1.95モル%がより好ましく、1.3〜
1.9モル%が特に好ましい。PVAの1,2−グリコ
ール結合量が1.2モル%未満の場合には、PVAの生
分解性が悪くなるばかりでなく、溶融粘度が高すぎて紡
糸ノズルから該PVAを吐出することが困難となる。P
VAの1,2−グリコール結合含有量が2.0モル%を
越える場合にはPVAの熱安定性が悪く熱分解とゲル化
によって溶融紡糸することが困難となる。
【0028】PVAの1,2−グリコール結合含有量は
NMRのピークから求めることができる。鹸化度99.
9モル以上に鹸化後、十分にメタノール洗浄を行い、次
いで90℃減圧乾燥を2日間したPVAをDMSO−D
6に溶解し、トリフルオロ酢酸を数滴加えた試料を50
0MHzのプロトンNMR(JEOL GX−500)
を用いて80℃で測定した。ビニルアルコール単位のメ
チン由来ピークは3.2〜4.0ppm(積分値A)、
1,2−グリコール結合の1つのメチン由来のピークは
3.25ppm(積分値B)に帰属し、次式で1,2−
グリコール結合含有量を算出できる。ここでEtは変性
量(モル%)を表す。 1、2−グリコール結合含有量(モル%)=(100―
Et)B/A
【0029】本発明に用いられるPVAには、溶融粘度
を下げるためや繊維化したときの延伸性・柔軟性を付与
するために可塑剤を添加してもよい。可塑剤としては、
PVAのガラス転移点や溶融粘度を低下させうる化合物
であれば特に制限はないが、例えば、水、エチレングリ
コールおよびそのオリゴマー、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、およびそのオリゴマー、ポ
リプロピレングリコール等のグリコール誘導体、グリセ
リンおよびそのオリゴマー、ポリグリセリンやグリセリ
ン等にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が
付加したグリセリン誘導体、ソルビトール、wペンタエ
リスリトール等が挙げられる。なかでもグリセリン、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトー
ル、ペンタエリストール等の多価アルコールおよびその
誘導体が好適に使用される。可塑剤の添加量に制限はな
いが、PVA100重量部に対して、0.01〜100
重量部の範囲で可塑剤を添加することが好ましい。
【0030】本発明に用いられる繊維を構成するもう一
方の成分である、融点が270℃以下の熱可塑性ポリマ
ーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレー
ト、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレ
ンサクシネートアジペート等のポリエステル類およびそ
の共重合体、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン1
0、ナイロン12、ナイロン6−12等の脂肪族ポリア
ミド類およびその共重合体、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフ
ィン類およびその共重合体、エチレン単位を25モル%
から70モル%含有する変性ポリビニルアルコール、ス
チレンーブタジエン系、ポリオレフィン系、ポリエステ
ル系、ポリウレタン系のエラストマー等の中から少なく
とも一種類を選んで用いることができるが、本発明に用
いる抽出される変性PVAと複合紡糸しやすい点から、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリ乳酸、ナイロン6、ポリプロピレンおよびエ
チレン単位を25モル%から70モル%含有する変性ポ
リビニルアルコールが好ましい。
【0031】また本発明の目的や効果を損なわない範囲
で、PVAおよび融点が270℃以下の熱可塑性ポリマ
ーには、必要に応じて銅化合物等の等の安定剤、着色
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止
剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤を重合
反応時、またはその後の工程で添加することができる。
特に熱安定剤としてヒンダードフェノール等の有機系安
定剤、ヨウ化銅等のハロゲン化銅化合物、ヨウ化カリウ
ム等のハロゲン化アルカリ金属化合物を添加すると、繊
維化の際の溶融滞留安定性が向上するので好ましい。
【0032】また必要に応じて平均粒子径が500nm
以下の微粒子を0.1〜5重量%、重合反応時、または
その後の工程で添加することができる。微粒子の種類は
特に限定する必要はなく、たとえばシリカゲル(コロイ
ダルシリカ)、乾式法シリカ、酸化アルミニウムを含有
する乾式法シリカ、粒子表面にアルキル基を有しかつ粒
子表面にシラノール基を封鎖した乾式法シリカ、アルミ
ナゾル(コロイダルアルミナ)、酸化チタン、炭酸カル
シウムおよびそのゾル(コロイダル炭酸カルシウム)等
の不活性微粒子;リン化合物と金属化合物とをPVAの
重合反応系で反応析出せしめた内部析出径微粒子などを
あげることができる。特に平均粒子径が15〜70nm
シリカが好ましく、紡糸性、延伸性が向上する。
【0033】本発明の皮革様シートは、例えば以下の工
程を組み合わせることにより得られる。すなわち、上記
アルカリ金属含有PVAと融点が270℃以下の熱可塑
性ポリマーからなる複合紡糸繊維又は混合紡糸繊維を製
造する工程、該繊維から絡合不織布で代表される布帛を
製造する工程、必要に応じて該布帛を仮固定する工程、該
布帛に弾性樹脂液を含浸し、凝固させて多孔質状態とす
る工程、該繊維からアルカリ金属含有PVAを除去して
繊維を極細繊維束又は多孔中空繊維に変性する工程、染
色する工程を必要に応じて順次行うことにより得ること
ができる。
【0034】本発明方法に用いる繊維は、前述の様にし
て得られたアルカリ金属含有PVAと、このPVAに対
して相溶性が小さい1種以上の融点が270℃以下の上
記熱可塑性ポリマーを複合または混合紡糸することによ
り得られる。特に、アルカリ金属含有PVAが繊維断面
において海成分となり、かつ上記270℃以下の融点を
有する上記熱可塑性ポリマーが島成分となっているよう
な海島構造繊維の場合には、このような繊維から該PV
Aを水により抽出することにより、繊維が熱可塑性ポリ
マーからなる極細繊維束とすることができ、このような
繊維は皮革様シートに極めて優れた柔軟性および風合い
を与えることから極めて好ましい。融点が270℃以下
の熱可塑性ポリマーを島成分とするためには、紡糸条件
下で該PVAより溶融粘度が大きく、かつ表面張力が小
さいポリマーが好ましい。また該PVAとは水に対する
溶解性又は分解性を異にして(PVAよりも溶解性又は
分解性が小さい)いなければならない。このような熱可
塑性ポリマーの代表例として、上記したようなポリエス
テル類やポリアミド類、ポリオレフィン類、エチレンー
ビニルアルコール共重合体、ポリ乳酸等が挙げられる。
【0035】本発明において海島構造繊維とは、繊維横
断面において、海成分が島成分ポリマーにより複数個に
分割されていてもよく、例えば海成分ポリマーと島成分
ポリマーとがそれぞれ層となり、多層貼り合わせ状態と
なっているような繊維や島成分が芯鞘構造になっている
繊維であってもよい。なお島成分ポリマーは繊維長さ方
向にエンドレスで連なっていても、あるいは不連続の状
態であってもよい。混合紡糸による方法では、アルカリ
金属含有PVA(C)と熱可塑性ポリマー(D)とを、
押し出し機で溶融混練し、引き続き紡糸ノズルから吐出
させて巻取り、繊維化することが出来る。また複合紡糸
による方法では、アルカリ金属含有PVA(C)と熱可
塑性ポリマー(D)とをそれぞれ別の押し出し機で溶融
混練し、引き続き同一の紡糸ノズルから吐出させて巻き
取り、繊維化することが出来る。複合繊維は芯鞘型、海
島型、分割型、張合わせ型、これらの組み合わせなど適
宜設定することが出来る。
【0036】紡糸ノズルから吐出された繊維は、通常、
延伸処理される。延伸はノズルから吐出された後に一旦
巻き取ってから延伸する場合と、捲き取る前に延伸する
場合があるがいずれでもよい。延伸方法は通常熱延伸さ
れるが、熱風、熱板、熱ローラー、水浴等のいずれを用
いて行ってもよい。ただし、PVAは水溶液抽出されや
すいので、40℃以上の水浴で延伸することは好ましく
なく、水分の影響の少ない熱風で延伸することが好まし
い。
【0037】本発明においては、好ましくは上記したよ
うに、前記熱可塑性ポリマーが島成分となっている場合
であるが、このような海島構造繊維から海成分を抽出し
て得られる極細繊維束を構成する単繊維は平均で0.5
デニール以下であるのが好ましい。より好ましくは0.
3デニール以下、さらに好ましくは0.1デニール以下
である。極細繊維が0.5デニールを越えるとスエード
調にしたときに外観が悪くなり、またソフト性や触感も
悪くなる。また銀面付きの皮革様シートとした場合にも
柔軟性に劣ることとなる。
【0038】本発明においては、該繊維から布帛を製造
する。布帛としては特に絡合不織布が好ましく、このよ
うな絡合不織布を製造する方法として、海島構造繊維を
カードで解繊し、ウェッバーを通してウェッブを形成
し、得られた繊維ウェッブを、所望の重さ、厚さに積層
し、次いで、公知の方法、例えばニードルパンチ方法や
高圧水流絡合処理方法等で絡合処理を行って不織布とす
るか、あるいはこのステープルを編織布に水流やニード
ル等を使用して絡合させて不織布とする方法が挙げられ
る。必要に応じて熱可塑性ポリマーの単独糸、レーヨ
ン、ベンベルグ、麻、綿等を混綿しても良い。
【0039】なお、必要に応じて上記方法により製造さ
れた不織布の構成繊維の表面を溶融して不織布構成繊維
間を接着し、不織布を仮固定する処理を行ってもよい。
また水溶性糊剤を含浸して繊維間を固定する方法を用い
てもよい。しかしながら本発明に用いるPVAは熱可塑
性なので、融点付近の温度で熱圧着しても良いし、該P
VAは吸湿すると低温でも接着性を有するので、20〜
50℃の水浴に浸漬後に熱圧着しても良い。この処理を
行うことにより、その後に行う弾性重合体溶液の含浸等
の工程で不織布が張力等により構造破壊することを防ぐ
ことができる。
【0040】熱を受けて繊維が収縮するタイプの溶融紡
糸繊維を用いると、不織布化した後に収縮処理すると毛
羽密度が増加し外観が向上する。収縮方法は熱風中に入
れて収縮処理する方法であっても熱水中に入れる方法で
あっても良いが、熱水中で収縮処理する場合には収縮処
理中に変性PVAが溶解するので、熱風中で収縮処理
し、収縮後熱接着して厚みを調整した後に熱水等で抽出
処理する方が好ましい。
【0041】次に、この布帛に弾性重合体液を含浸し、
加熱乾燥することでゲル化させるかあるいは弾性重合体
の非溶剤を含む液に浸漬して湿式凝固することで弾性重
合体を多孔質状態とする。ここで含浸する弾性重合体と
しては、例えば、平均分子量500〜3000のポリエ
ステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネ
ートジオール等のジオールあるいはポリエステルポリエ
ーテルジオール等の複合ジオール等から選ばれた少なく
とも1種類のポリマージオールと、4、4’ージフェニ
ルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの芳香族系、
脂環族系、脂肪族系のジイソシアネートなどから選ばれ
た少なくとも1種類のジイソシアネートと、エチレング
リコール、イソホロンジアミン等の2個以上の活性水素
原子を有する少なくとも1種類の低分子化合物とを所定
のモル比で反応させて得たポリウレタンおよびその変性
物が挙げられ、その他に、ポリエステルエラストマー、
スチレン−イソプレンブロック共重合体の水素添加物等
の弾性重合体およびアクリル系等の樹脂なども挙げられ
る。またこれらを混合した重合体組成物でもよい。しか
し、柔軟性、弾性回復性、スポンジ形成性、耐久性等よ
り上記のポリウレタンが好ましく用いられる。
【0042】上記のような重合体を溶剤あるいは分散剤
に溶解あるいは分散させて得た重合体液を布帛に含浸
し、樹脂の非溶剤で処理して湿式凝固させスポンジをつ
くるか、そのまま加熱し、ゲル化させスポンジをつくる
かの方法で繊維シートを得る。この重合体液には必要に
応じて着色剤、凝固調節剤、酸化防止剤、分散剤等の添
加剤が配合されていてもよい。繊維からPVA成分を抽
出除去後の繊維シートに占める弾性重合体の比率は固形
分として重量比で10%以上、好ましくは30〜50%
の範囲である。弾性体比率が10%未満では緻密な弾性
体スポンジが形成されず、極細繊維発生後の極細繊維の
素抜けが生じやすくなる。
【0043】次に、弾性重合体を含有した繊維シートを
水溶液によって処理することで繊維中の前記PVA成分
を除去し、繊維を極細繊維束にするかあるいは多孔中空
繊維とする。本発明方法において繊維中のPVA成分は
100℃〜50℃の水で完全に溶解除去される。PVA
成分を溶解除去するのに用いられる水には、通常は軟水
が用いられるが、アルカリ水溶液、酸性水溶液等であっ
てもよいし、界面活性剤や浸透剤を含んだものであって
もよい。
【0044】PVA成分の溶解処理温度は目的に応じて
適宜調整すればよいが、処理温度は高いほど処理時間が
短くなり、50℃以上で処理するのが好ましく、60℃
以上がさらに好ましく、70℃以上が特に好ましく、8
0℃以上が最も好ましい。
【0045】溶解された該PVAはそのまま自然界に放
出してもいずれは分解されて水と炭酸ガスになるが、活
性汚泥で処理する方が早期に分解されるために環境的に
好ましい。
【0046】本発明の皮革様シートは、その表面を毛羽
立て、柔軟化処理、染色処理することによりスエード調
の人工皮革が得られる。毛羽立てる方法としてはサンド
ペーパーや針布等を用いたバフがけを用いることができ
る。また表面に銀面層用樹脂層を付与し、エンボス加
工、柔軟化処理、染色などの処理を行うことにより銀付
き調の皮革様シートとすることもできる。このような皮
革様シートからは、靴、鞄、手袋、小物入れ等の雑貨の
他、ソファーの上張り材等のインテリア用品、衣料等の
用途に用いることができる。
【0047】
【実施例】次に本発明を具体的に実施例で説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。な
お、実施例中の部及び%はことわりのない限り重量に関
するものである。
【0048】[PVAの分析方法]PVAの分析方法は
特に記載のない限りはJIS−K6726に従った。変
性量は変性ポリビニルエステルあるいは変性PVAを用
いて500 MHz1H−NMR(JEOL GX−5
00)装置による測定から求めた。アルカリ金属イオン
の含有量は原子吸光法で求めた。
【0049】本発明のPVAのトライアッド表示による
3連鎖の水酸基量の割合は以下の測定により求めた。得
たPVAを鹸化度99.5モル%以上に鹸化後、十分に
メタノール洗浄を行い、次いで90℃減圧乾燥を2日間
したPVAを用いて、d6−DMSOに溶解した試料を
500 MHz 1H−NMR(JEOL GX−50
0)装置により65℃測定を行った。PVA中のビニル
アルコールユニットの水酸基由来のピークはケミカルシ
フト4.05ppmから4.70ppmの領域に現れ、
この積分値をビニルアルコールユニット量(II)とす
る。PVAのトライアッド表示による水酸基3連鎖の中
心水酸基はそれぞれアイソタクティシティ連鎖の場合
4.54ppm、ヘテロタクティシティ連鎖の場合4.
36ppmおよびシンジオタクティシティ連鎖の場合は
4.13ppmに現れる。この3者の積分値の和をトラ
イアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基量(I)
とする。本発明のPVAのビニルアルコールユニットに
対するトライアッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸
基のモル分率は、100×(I)/(II)で表され
る。
【0050】[融点]PVAの融点は、DSC(メトラー
社、TA3000)を用いて、窒素中、昇温速度10℃/
分で250℃まで昇温後室温まで冷却し、再度昇温速度10
℃/分で250℃まで昇温した場合のPVAの融点を示す吸
熱ピークのピークトップの温度を調べた。
【0051】[溶融粘度]メルトフローレイト(MF
R:g/10min、荷重2169g、測定温度190
℃)を溶融粘度の指標とした。 [坪量]JIS P8124に準じて、得られた皮革様
シートを10cm角に切り取り、その重量Wを電子天秤
(メトラー社:AE160)で測定し、W/0.01に
より坪量(g/m2)を求めた。
【0052】[皮革様シートの引張強力]幅25mmの
皮革様シートを100mmの間隔でチャックにはさみ、
万能試験機(インストロン社製)を用いて破断強力(k
g/25mm)を測定し、縦方向と横方向の平均値を求
めた。 [比引裂強力]幅40mmの試料の中央に長さ10mm
の切れ目を入れて、上記万能試験機を用いて引き裂いた
ときの強力(kg)を測定し、縦方向と横方向の平均値
を求めた。
【0053】実施例1 エチレン単位の含有量10モル%および酢酸ビニル単位
の含有量90モル%の共重合体の固形分濃度35%のメ
タノール溶液(含水率0.05%)に、苛性ソーダ(酢
酸ビニル単位に対するモル比0.05)を添加して、4
0℃で1時間鹸化しさらに60℃で1時間鹸化反応を行
った。得られた重合体100部に対して、メタノール2
000部を用いて、60℃で1時間洗浄後、脱液した。
このメタノール洗浄を再度繰り返した後、60℃で12
時間乾燥後、100℃で24時間真空乾燥することによ
り、重合度330、エチレン単位の含有量10モル%、酢
酸ビニル単位のけん化度98.4モル%、融点206
℃、原子吸光法により測定したPVA100部に対する
ナトリウムイオン含有量0.03部のPVAを得た。
【0054】得られたPVAとD体が1%のポリ乳酸
(融点;170℃)とをそれぞれ別の押し出し機で溶融
混練して、PVAを海成分、ポリ乳酸が島成分にして、
240℃の紡糸パックに導き、海島複合比率が1:1で
島数16の海島型複合繊維を紡速800m/minで巻き取
った。得られた紡糸原糸を150℃の熱風炉で3倍に延
伸し(単糸4デニール)、捲縮機で捲縮を付与し51m
mにカットして原綿化した。この原綿をクロスラップ法
で目付500g/m2のウェッブを形成、ついで両面か
ら交互に1050パンチ/cm2のニードルパンチング
をおこなった。さらにカレンダーロールでプレスするこ
とで表面の平滑な絡合不織布をつくった。この絡合不織
布の目付は520g/m2、見かけ比重は、0.41で
あった。
【0055】この絡合不織布に、ポリテトラメチレンエ
ーテル系ポリウレタンを主体とする固型分13%のポリ
ウレタンのトリクロールエチレン溶液を含浸し、40℃
のジメチルホルムアミド(DMFと略す)/水混合液の
中に浸して湿式凝固した後、95℃の熱水中で複合紡糸
繊維中の海成分を完全に抽出除去して極細繊維束を発現
させ、厚さ1.5mmのシートを得た。極細繊維の平均
デニール(1本の繊維束に存在する極細繊維の全断面積
を本数で割ることにより求める)は0.18デニールで
あった。繊維シート中のポリウレタンの重量比率は35
%であった。この繊維シートを2枚にスライスし、次い
でバフがけを行って起毛して基布とした。得られた基布
はスエード調の皮革様シートであり、十分使用に耐えう
る機械的性質を有しているものであった。また抽出後の
PVAを含む廃液は活性汚泥で処理し、河川に放流する
ことができた。
【0056】実施例2〜12 実施例1で用いたPVAの代わりに表1に示すPVAを
用い、表2に示した紡糸温度、延伸倍率で繊維化したこ
と以外は実施例1とまったく同様にして皮革様シートを
得た。得られたシートの物性を表2に示す。
【0057】比較例1〜5 実施例1で用いたPVAの代わりに表1に示すPVAを
用い、表2に示した紡糸温度、延伸倍率で繊維化したこ
と以外は実施例1と全く同様にして皮革様シートを得よ
うと試みたが表2に示すように得られなかった。比較例
1に示したPVAを用いると溶融粘度が高すぎるために
紡糸パックから十分にポリマーが吐出せず巻き取ること
が出来なかった。比較例2のPVAを用いたものは、溶
融粘度が低すぎて曳糸性がなく捲き取れなかった。比較
例3ではPVAが熱分解・ゲル化して紡糸性が悪く捲き
取れなかった。比較例4では紡糸温度250℃ではポリ
マーが十分に溶融せず粘度が高すぎて紡糸パックから十
分にポリマーが吐出しないため、紡糸温度を270℃に
したがこの温度ではPVAが熱分解するためと思われる
が、紡糸性が悪く巻き取ることが出来なかった。比較例
5ではPVAの結晶性が低下しているためと思われる
が、紡糸原糸が一部熱や吸湿で膠着して糸を解じょする
ことが出来なかった。
【0058】比較例6 実施例1で用いたPVAを製造する際に、実施例1と同
様のメタノール洗浄を4回実施した後、さらにメタノー
ル/水=90/10の混合溶液で洗浄を3回実施したP
VAを用いて、実施例1と同様に紡糸した。ゲル化する
ためか極短時間(約5分)しか巻き取ることができず、
また延伸時に断糸が多く皮革様シートにすることができ
なかった。
【0059】比較例7 実施例1で用いたPVAを製造する際に、メタノール洗
浄を実施しなかったPVAを用いて実施例1と同様にし
て紡糸を試みたが、表2に示すようにPVAが熱分解し
て捲き取れず皮革様シートが得られなかった。
【0060】比較例8〜10 実施例1で用いたPVAの代わりに表1に示すPVAを
用い、表2に示した紡糸温度、延伸倍率で繊維化したこ
と以外は実施例1と全く同様にして皮革様シートを得る
ことを試みた。得られた皮革様シートの物性を表2に示
す。比較例8に示したPVAを用いるとPVAが熱分解
・ゲル化して紡糸性が悪く、極短時間(約5分)しか巻
き取ることができず、延伸時には断糸が多発したために
皮革様シートを得ることができなかった。比較例9では
紡糸温度200℃では溶融粘度が高すぎて紡糸パックか
ら十分にポリマーが吐出しないため、240℃で紡糸す
ると熱分解・ゲル化して紡糸性が悪く、極短時間(約5
分)しか巻き取ることができず、また延伸時には断糸が
多発して皮革様シートを得ることができなかった。比較
例10では紡糸性は非常によく、また不職布も問題無く
得られたが、実施例1と同様に95℃の水中で1時間抽
出処理したが、PVA成分は膨潤はするものの殆ど溶解
しないために本発明の0.5デニール以下のポリ乳酸か
らなる皮革様シートを得ることができなかった。
【0061】比較例11 実施例1で用いたPVAの代わりにポリエチレン(ミラ
ソンFL60:三井化学)を用いたこと以外は、実施例1と
全く同様にしてポリウレタン付与シートを得た。このシ
ートから90℃のトルエンを用いて海成分の抽出処理を
行った。抽出後に得られたシートは表2に示すように、
強度が低下し、風合も硬いもので皮革様シートとしては
使用できるものではなかった。
【0062】比較例12 実施例1で用いた変性PVAの代わりに固有粘度0.5
1(フェノール/テトラクロロエタンの等重量混合溶媒
にて30℃で測定)でスルホイソフタル酸5モル%、エ
チレングリコール4モル%変性のポリエチレンテレフタ
レートを用いて270℃で紡糸したほかは、実施例1と
全く同様にして溶融紡糸繊維からなるシートを得た。こ
のシートを95℃の40g/LのNaOHを用いて抽出
処理を行った。抽出後に得られたシートは、表2に示す
ように、強度が低下し皮革様シートとして使用できるも
のではなかった。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】実施例13 実施例1で絡合不織布にポリテトラメチレンエーテル系
ポリウレタンを含浸し、湿式凝固する代わりに、ポリエ
ーテル系ポリウレタンエマルジョン(スーハ゜ーフレックスE450
0、第一工業製薬(株))の40%溶液を不織布に含浸
し、120℃で乾燥(感熱凝固)した。このものを90
℃の熱水に浸漬して繊維中のPVAを抽出して極細繊維
からなるシートを得た。バフがけして起毛したものは優
れた強度と風合いを有していた。
【0066】実施例14 実施例1で絡合不織布にポリテトラメチレンエーテル系
ポリウレタンを含浸し、湿式凝固する代わりに、HP=
3にコントロールした下記の配合のエマルジョンを含浸
し、90℃の熱水に浸漬してゲル化すると同時に海成分
の変性PVAを抽出して極細繊維からなるシートを得
た。バフがけして起毛したものは優れた強度と風合いを
有していた。 プライマルHA−24 100重量部 (ポリアクリル酸エステルエマルジョン45%:日本アクリル化学社) ノニオン界面活性剤(スコアロール400:花王アトラス社) 2重量部 ノニオン界面活性剤(スコアロール900:花王アトラス社) 1重量部 カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩 1重量部 塩化カルシウム 20重量部 水 76重量部
【0067】実施例15 実施例1で用いたポリ乳酸の代わりに固有粘度0.72
(フェノール/テトラクロロエタンの等重量混合溶媒に
て30℃で測定)のポリエチレンテレフタレートをを用
いて280℃で紡糸したこと以外は実施例1と全く同様
にして皮革様シート状物を得た。さらに茶色の分散染料
を用いて130℃で染色処理したものは、外観が極めて
良好で発色性に優れ、風合いも良好で実用上十分な強度
を有したスエード調のシートであった。
【0068】実施例16 実施例1で用いたポリ乳酸の代わりにナイロン6(UB
Eナイロン6:宇部興産)を用いて265℃で紡糸した
こと以外は実施例1と全く同様にして皮革様シートを得
た。得られたシートは外観、風合いともに良好で実用上
十分な強度を有したスエード調のシートであった。さら
に染色性においても優れ、含金染料で染色したものは極
めて鮮やかな色調を有するものであった。
【0069】実施例17 実施例1で用いたポリ乳酸の代わりにエチレン44モル
%変性PVAを用いて250℃で紡糸したこと以外は実
施例1と全く同様にして皮革様シートを得た。得られた
シートは外観、風合いともに良好で実用上十分な強度を
有したスエード調のシートであった。この皮革様シート
は防汚性にも極めて優れたものであった。
【0070】実施例18 実施例1で用いたポリ乳酸の代わりにポリプロピレン
(S106LA:グランドポリマー)を用いて250℃
で紡糸したこと以外は実施例1と全く同様にして皮革様
シートを得た。得られたシートは外観、風合いともに良
好で実用上十分な強度を有したスエード調のシートであ
った。
【0071】実施例19 実施例18で用いたポリプロピレンとPVAとを1:1
の重量比率で同じ押し出し機に投入し、紡糸パックに導
いて、PVAが海成分となっている海島混合紡糸繊維を
紡糸速度600m/minで巻き取り、さらに延伸・捲縮・
カットを行い、4デニールのステープル繊維を得た。こ
れを実施例18と全く同様にして皮革様シートを得た。
極細繊維の平均デニールが0.0001デニールである
ため実施例19で得られた皮革様シートに比べ、ぬめり
感のあるより一層柔らかい風合いのものであった。
【0072】
【発明の効果】本発明方法により、水による抽出がで
き、強度等の機械的性質あるいは風合等の触感が劣化す
ることなく皮革様シートが得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記工程(1)〜(4) (1)重合度が200〜500で鹸化度が90〜99.
    99モル%、ビニルアルコールユニットに対するトライ
    アッド表示による水酸基3連鎖の中心水酸基のモル分率
    が70〜99.9モル%であり、融点が160〜230
    ℃であるポリビニルアルコール(A)100重量部に対
    してアルカリ金属イオン(B)がナトリウム換算で0.
    0003〜1重量部含有されているアルカリ金属含有ポ
    リビニルアルコール(C)と融点が270℃以下の熱可
    塑性ポリマー(D)とからなる溶融紡糸繊維を製造する
    工程、(2)工程(1)で得られた繊維を布帛とする工
    程、(3)該溶融紡糸繊維から成分(C)を水により抽
    出除去する工程、(4)布帛に弾性重合体を含浸・凝固
    する工程、を(1)、(2)、(3)および(4)の順
    次で行うか又は(1)、(2)、(4)および(3)の
    順序で行うことにより皮革様シートを製造する方法。
  2. 【請求項2】請求項1の方法により得られる皮革様シー
    ト。
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