JP2000191965A - ステルス型インク組成物の記録方法 - Google Patents

ステルス型インク組成物の記録方法

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JP2000191965A
JP2000191965A JP36863698A JP36863698A JP2000191965A JP 2000191965 A JP2000191965 A JP 2000191965A JP 36863698 A JP36863698 A JP 36863698A JP 36863698 A JP36863698 A JP 36863698A JP 2000191965 A JP2000191965 A JP 2000191965A
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recording
stealth
type ink
wax
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JP36863698A
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English (en)
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Tsutomu Maekawa
勉 前川
Akiyoshi Ouchi
明美 大内
Atsushi Tsunoda
角田  敦
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Koki Holdings Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Koki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体系インクジェット記録の場合に問題とさ
れていた、記録媒体への接着性不足、低い記録速度、安
全性等を解決する、記録媒体を限定しない、高速度の記
録可能な、環境にやさしいステルス型インク組成物の記
録方法の提供。 【解決手段】 室温で固体のインク組成物を加熱により
液化させた上で、何らかの噴射エネルギを付与すること
によりインク液滴を記録媒体上に噴射させ、記録ドット
を形成するインクジェット用ホットメルト型インク組成
物の記録方法において、前記ステルス型インク組成物は
可視光域に顕著な吸収を示すことなく紫外光線を照射し
た場合には可視光を発光するものであり、かつその記録
速度は前記記録媒体の進行方向に関して10ips以上
で、ドット形成後に何らの後処理も行わないことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線照射により
記録が判別される発光性インクのステルス型インク組成
物の記録方法、特にインクジェット記録装置に用いられ
るホットメルトインク組成物の記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】様々な印刷物、銀行小切手、封筒、包装
などに保守、確認のためバーコードなどのマーキングを
行うことが広く実施されいる。この種のマーキングのう
ち特定の方法では、肉眼で観測できない透明あるいは低
着色のインクで印刷を行い、特定の光線、すなわち紫外
線あるいは赤外線、他を用いて検出する方法を用いる。
このため、ステルス型インクあるいはステルス印刷と称
される特殊なインクが使用されている。
【0003】この印刷をインクジェット記録方式を用い
て行う方法等に関して、例えば特開昭51-72509号、特開
昭53-140105号、特開平58-45999号、特開昭53-55214
号、特開平3-81376号、特開平6-107992号、特開平6-297
883号、特開平7-188599号、特開平8-239607号、特開平8
-239609号、特開平8-253715号、特開平9-131860号公
報、米国特許5,837,042号、米国特許5,755,860号、米国
特許5,366,252号、米国特許5,093,147号などの報告がな
されている。
【0004】他方、従来よりインクジェット記録用イン
ク組成物としては、上述した報告例の多くにも見られる
ように、水溶性液体インク組成物が広く使われている。
しかしながら、インクのしみ込みやすい紙への記録では
「にじみ」が生じてしまい、記録媒体は加工紙に限定さ
れる。またプラスチックシートへの記録でも、インクの
乾燥性が悪いため表面に特殊な処理が必要であった。こ
のため、紙質に関係なく良好な印字品質を提供するイン
ク組成物として、室温で固体のワックス等を素材とした
ホットメルト型インク組成物を用いて、加熱等により液
化し、何らかのエネルギーを加えて噴射させ、記録媒体
上に付着しつつ冷却固化し記録ドットを形成するホット
メルト型インクジェット記録方式が提案されている。
【0005】この方式の大きな利点として、該インクは
室温で固体状であるため取扱い時に汚れないし、また、
溶融時のインクの蒸発量を最小限にできるためノズルの
目詰まりがない。更に、付着後直ちに固化するため「に
じみ」もなく、和紙から画用紙、葉書、封筒といったさ
まざまな記録媒体を前処理等なしで用いることができ
る。
【0006】例えば、特開平9-71743号、特開平9-3377
号、特開平8-165447号公報、米国特許5,350,789号、米
国特許5,703,145号には、各種の組成のこれらホットメ
ルト型インク組成物が例示されており、特許第2,644,37
9号公報には像形成剤のひとつとして発光材料を用い、
イオノマー成分を必須成分とするホットメルト型インク
組成物が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記ステルス
印刷は記録媒体が多様で、かつ多数の印刷物を短時間に
処理するため高速度で印刷することが必要であり、従
来、速乾性の溶剤系インクが使用されて、火災、環境汚
染上多くの問題を生じていた。
【0008】また、上記問題を生じない、例えば水系溶
剤のインクの場合、短時間に乾燥させるための大型の乾
燥装置が必要となり、装置上、過大な寸法、消費電力、
更には記録媒体の損傷の可能性が避けられなかった。
【0009】本発明は、これら従来の問題点を克服する
べく、高速記録が可能で、かつ保存性、安全性の高いス
テルス型インク組成物の記録方法を提供することを目的
とする。本発明は、更に上記問題に対し、ホットメルト
型インク組成物を適用するに際して、その組成、使用方
法を最適化することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の要旨は、室温で固体のインク組成物を加熱により液
化させた上で、何らかの噴射エネルギを付与することに
よりインク液滴を記録媒体上に噴射させ、記録ドットを
形成するステルス型インク組成物の記録方法において、
前記ステルス型インク組成物は可視光域に顕著な吸収を
示すことなく紫外光線を照射した場合には可視光を発光
するものであり、かつその記録速度は前記記録媒体の進
行方向に関して10ips以上で、ドット形成後に何ら
の後処理も行わないことを特徴とする記録方法である。
【0011】好ましくは、前記ステルス型インク組成物
は紫外光線照射により可視光を発光する物質を含有し、
かつ実質的に300〜400nmの範囲に吸収極大を有
しないインクビヒクルを用いるとよい。
【0012】また、前記ステルス型インク組成物はポリ
エチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パ
ラフィンワックス、ロジン、脂肪酸アミド、エステル又
はエステルアミド、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル
共重合体から選択されたワックスを含有し、かつイオン
性ポリマを含まないものである。
【0013】更に、紫外光線照射により可視光を発光す
る物質を含有し、実質的に300〜400nmの範囲に
吸収極大を有しないインクビヒクルを用いるとよい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明にはホットメルト型インク
(固体インク、ソリッドインクあるいは相転移型インク
と呼称される場合もある)に使用される各種のワック
ス、樹脂類が特に制限無く使用できる。これらには、キ
ャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろうに代表
される植物系ワックス、ラノリンなどの動物系ワック
ス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、ポリエチレンワックス、フィシャートロピッシュワ
ックス等の石油系ワックス、ステアリン酸、ベヘン酸等
の高級飽和あるいは不飽和脂肪酸、ステアロン、ラウロ
ン等のケトン、飽和あるいは不飽和脂肪酸アミド、飽和
あるいは不飽和脂肪酸エステル、グリセライド、飽和あ
るいは不飽和脂肪酸エステルアミド、飽和あるいは不飽
和脂肪族アルコールさらにロジン系樹脂、炭化水素系樹
脂、アミド系樹脂、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ア
クリル酸系及びメタクリル酸系高分子、スチレン系高分
子、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリケトン、シリコ
ーン、クマロン等の高分子量の樹脂等がある。
【0015】本発明のホットメルト型インクは、通常の
各種のインクジェット吐出方法が特に制限無く使用でき
る。
【0016】圧電(ピエゾ)素子の変形を利用する方法
としては、ベンドモード、プッシュモード、シェアモー
ド及びこれらの組み合わせの各種の方法が使用できる。
また、組成及び記録方法を適当に選定することにより、
例えば特許公報2,554,389号、米国特許5,593,486号、米
国特許5,151,120号等に記述されている気泡発生(バブ
ル型)インクジェット記録を行うことも可能である。更
に米国特許5,821,963号等に記述されているコンティニ
ュアス(連続)方式のインクジェット記録を行うことも
可能である。
【0017】本発明のインク組成物の溶融粘度は5〜5
0mPa・s、好ましくは5〜30mPa・sが望ましい。5mPa・
s未満の粘度では発光体の沈降を防止できず、50mPa・s
を超える粘度ではインクジェット記録を行うことが困難
である。
【0018】加熱温度としては70℃以上が望ましく、
好ましくは100〜150℃である。70℃より低い溶
融温度で低粘度となるインクでは室温で放置した場合に
十分な機械的強度が確保できず、150℃より高温を維
持するには装置への負担が過大となる。
【0019】本発明には紫外線で発光するルミネセンス
物質を用いてもよい。これには蛍光及びリン光発生物質
が含まれ、例えば米国特許5,755,860号、米国特許5,83
7,042号、米国特許5,256,139号等に開示されている各種
の発光材料が特に制限無く使用できる。
【0020】また、レーザ色素等に使用されるアクリフ
ラビン、フルオレセイン系やローダミン系の蛍光染料、
The Society of Dyers and Colourants編、“Colour In
dex”において、Fluorescent Brighteners(蛍光増白
剤)に分類されている色材が好適に使用できる。これら
にはスチルベン系、チアゾール系、クマリン系、ナフト
チアゾール系、トリアゾール系、キサンテン系、ナフタ
ルイミド系、トリアジン系、モルフォリン系、ピラゾロ
ン系、アゾール系、オキサゾール系、アザシアニン系、
ピラゾリン系、アセナフテン系、ベンズイミダゾール
系、ベンズオキサゾール系等の各種化合物がある。
【0021】更に、CRTの発光体等として使用される
希土類元素及びその有機キレート錯体も本発明の目的に
好適に使用される。希土類としては、Sc、Y、La、
Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、Yb、Luがあり、更に、錯体
形成して発光を発する元素としては、Al、B、Be、
Cd、Ga、Li、Mg、Mo、Sb、U、W、Zrな
どが代表的なものである。
【0022】錯体に用いる開環及び環状キレート配位子
として、アルキルポリアミン系、2、2'-ビピリジン系、
1,10-フェナントロリン系、芳香族ポリアミン系、アミ
ノアルコール系、アミノ酸系、ペプチド系、ポリアミノ
ポリカルボン酸系、1,3-ジケトン系、オキシム系、シッ
フ塩基系、フェノール系、1,2-ジチオレン系、ジチオオ
ルバミン系、キサントゲン酸系、ジチオカルボン酸系、
チオール系、ホスフィン、アルシン、セレニド系、飽和
及び不飽和環状ポリアミン系、ポルフィリン系、フタロ
シアニン系、ボラン系、カルボラン系などがある。
【0023】具体的には、アセチルアセトン、モーリ
ン、オキシン、ポンタクロムブルーブラックR、フラボ
ノール、アミノ-4-ヒドロキシアントラキノン、ベンゾ
イン、コチニール、キニザリン、2-メチルオキシン、
2-ヒドロキシフェニル-ベンズオキサゾール、エリオク
ロムレッドB、スパークロムガーネットY、エリオクロ
ムレッドB、ローダミンB、5、7-ジクロルオキシ
ン、5、7-ジブロムオキシン、ベンゾイルアセトン、
ジベンゾイルアセトン、サリチル酸、ジベンゾイルメタ
ンなどがある。
【0024】これら金属錯体としては、例えば日本化学
会編、「実験化学講座」第17巻及び第18巻、丸善
(平成3年発行)などに記述されている化合物が使用で
きる。蛍光あるいはEL(エレクトロルミネッセンス)
粉末、例えばY23S:Eu、ZnS:Cu:Al、Z
nS:Ag、ZnO:Zn、(ZnCd)S:Ag、Z
nS:Mn:Cu、ZnS:Cu、ZnB:Cuなども
使用できる。
【0025】具体的に発光剤を例示すると、クマリン系
光増感剤であるNKX-846、1297、1319、1595、1858、125
3、1658、ケトクマリン系NKX-653、1792、1880、スチリ
ルベース系NK-1819、1886、3390、ジシアノメチレン(D
CM)系NK-1473、1474、シアニン系NK-2911、4432、448
9、レーザ発振用色素であるNKX-1317、1318、1316、176
7、1768、1320、1769、1319、1770、1771(以上いずれ
も日本感光色素研究所製)、蛍光剤の一般名であるPBB
O、BBOT、BBO、DPH、PPO、DPS、PBD、POPOP、TPB、ブチ
ル-PBD、α-NPO、p-ターフェニル、p-クウォターフェニ
ル(同仁化学または和光純薬製)、EB-501、G-502、ER-
120(以上三井化学製)、LUMILUX-C、RedCD105、RedCD10
6、RedCD120、RedCD131、RedCD316、RedCD331、RedCD33
2、RedCD335、RedCD339(以上クラリアント製)、CALCO
FLUOR WHITE LD、CALCOFLUOR WHITE RAP、CALCOFLUOR W
HITE RW(以上BASF製)、UVITEX-OB(チバスペシャリテ
ィケミカル製)、Eu(TTA)3Phen(同仁化学製)、ULTR
APHOR RN LIQUID(三井-BASF染料製)などがある。
【0026】本発明の記録方法においては、通常実施さ
れている加熱、加圧、電磁線(紫外線、赤外線、電子
線、マイクロ波など)を記録工程後、インク処理に利用
する、いわゆる後処理工程を用いないことが高速記録、
低電力動作の点から望ましい。すなわち、インクジェッ
トにより記録されたドットは無処理にてそのまま使用で
きる。
【0027】本発明は印刷記録の速度が高速の場合のみ
効果を発揮できる。特に通常ラベルプリンタに使用され
る記録媒体進行方向に対して、10ips(インチ/
秒)以上の高速記録であることが必要である。後工程を
有する記録方法、あるいは10ips未満の記録速度で
は、本発明の特長が十分活用されない。この目的のため
に、本発明のステルス型インク組成物及び記録方法は、
ライン型のヘッド及び記録方法、すなわち進行方向に対
し垂直方向に前後すること(シャトル型)のない方式で
の記録であることが特に好ましい。
【0028】本発明のステルス記録を読み取る際の励起
波長は、特に制限されるものではなく電子線、X線、粒
子線などを含めた多くの電磁線が使用できるが、中でも
300〜400nmの紫外光を使用することが好まし
い。300nm未満の波長では、ホットメルト型インク
素材の吸収が過大となりやすく、紫外線を有効に発光に
利用することが図られない。400nmを超える波長で
は、インクを励起に可視光領域に吸収が必要となり、着
色するために目的に不適当となる。
【0029】光源として、連続スペクトル光源として
は、重水素ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、
線スペクトル光源としては、低圧、高圧及び超高圧水銀
ランプ、水銀キセノンランプ、ホローカソードランプ、
メタルハライドランプ、パルス光源としては、キセノン
フラッシュランプ、窒素レーザ、エキシマレーザ等が使
用できる。
【0030】発光波長は、検知素子ないしは装置の特性
に応じて、赤外光、近赤外光、可視光などが適当に選定
されるが、特に可視光、すなわち400〜750nmの
波長を使用することが好ましい。この波長範囲を外れる
領域では検出素子ないしは装置に特別な考慮が必要にな
る。可視光の領域でも目的に応じて、青色、緑色、橙
色、赤色、黄色、及びこれらの混合、中間色等各種の波
長を検知することが行われる。
【0031】本発明のステルス型インク組成物には上述
したように各種のワックス類が制限無く使用できるが、
特に実質的に300〜400nmの範囲に吸収極大を有
しないインク組成物、中でも、ポリエチレンワックス、
マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、
ロジン、脂肪酸アミド、エステル又はエステルアミド、
ポリアミド、エチレン-酢酸ビニル共重合体から選択さ
れたワックスを含有することが望ましい。
【0032】上記したこれらの材料が特に好適な特性を
示す理由は分明ではないが、(1)透明で均一なインク
組成物を形成して可視域に光吸収、散乱を生じにくい、
(2)適当なガラス転移点(軟化点)、融点(流動開始
温度)および表面張力(表面エネルギー、接触角)を有
し、多くの記録媒体に良好な記録が可能である、(3)
発光材料との相溶性、分散性に関して相性が良く、かつ
成分間の相溶性に優れるため、透明性が良好等の事項が
認められた。
【0033】軟化温度が不適当な場合、例えば低温すぎ
ると紙等の記録媒体に不必要な浸透を生じたり、あるい
は高温すぎると、固化が急速なため、インクドットが記
録媒体に固着しないなどの不具合を生じる。また、
(4)これらのワックス類はいずれも脂肪族有機化合物
であり、芳香族化合物のように、300〜400nmに
π-電子共役系に基づく吸収極大を有しない共通した特
徴がある。
【0034】他方、イオン性ポリマ、例えばエチレン-
メタクリル酸共重合体等は、実用上、耐水性に問題を生
じ易く、また遊離イオンの対イオンとなる金属イオン成
分がインクジェットヘッド部分への腐食等電気化学的不
具合を生じ易いため好ましくない。特に上述した各種ワ
ックス類に対して,イオン性の差違に基づく相溶が困難
なため,均一なインク組成物製造において深刻な問題を
生じやすい。本発明の組成成分においては混合使用する
ことは好ましくない。
【0035】ポリエチレンワックスはエチレンの重合、
ポリエチレンからの分離、分解、酸化により得られるも
ので、分子量1,000〜10,000の高密度、中密
度、低密度の各種が用いられる。具体的には三井ハイワ
ックス(三井化学製)、A-ワックス(BASF製)、
AC-ポリエチレン(アライド-シグナル製)、ヘキスト
ワックス(ヘキスト製)、バレコワックス(バレコ
製)、エポーレン(イーストマンケミカル製)、サンワ
ックス(三洋化成製)、サゾールワックス(サゾール
製)、ポリワックス(ペトロライト製)などがある。
【0036】マイクロクリスタリンワックス及びパラフ
ィンワックスは石油精製時に分離する成分を原料とした
石油系ワックスであり、炭素数19〜70程度の炭化水
素の混合物である。日石マイクロワックス(日石化
学)、モービルワックス(モービル製)、Hi-Mic(日本
精蝋)などがある。例示すれば、パラフィンワックスと
して、HNP-3、5、9、10、11、12、14G、SP-0160、014
5、1040、1035、3040、3035(以上日本精蝋製)、マイ
クロクリスタリンワックスとしてHi-Mic-2095、3090、1
080、1070、2065、1045、2045(以上日本精蝋製)など
がある。
【0037】ロジンは主として松ヤニを原料とした天然
樹脂で、ガムロジン、ウッドロジン及びトール油ロジン
などがあり、主成分はアビエチン酸等脂肪酸及びエステ
ルである。Pinecrystal KE100(荒川化学製)、DS-110S
(ハリマ化成製)などがある。
【0038】脂肪酸アミドとしては、モノアミド、ビス
アミド、テトラミド等が使用される。例えば、ラウリン
酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エ
ルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸エス
テルアミド、パルミチン酸アミド、ベヘン酸アミド、ブ
ラシジン酸アミドなど、N−置換脂肪酸アミドとして、
N、N’−2−ヒドロキステアリン酸アミド、N,N´−エチ
レンビスオレイン酸アミド、N,N´−キシレンビスステ
アリン酸アミド、ステアリン酸モノメチロールアミド、
N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルステア
リン酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−ス
テアリルエルカ酸アミド、N,N´−ジオレイルアジピン
酸アミド、N,N´−ジオレイルセバシン酸アミド、N,M´
−ジステアリルイソフタル酸アミド、2−ステアラミド
エチルステアレートなどが選ばれる。特に脂肪酸アルキ
ルアミド類が好適に使用される。脂肪酸アミド類は10
0℃付近の溶融粘度が低く、インクの融点降下と溶融時
の粘度低下効果が顕著である。
【0039】脂肪酸エステルとしては一価または多価ア
ルコール脂肪酸エステルが望ましい。例えば、ソルビタ
ンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソ
ルビタンモノベヘネート、ポリエチレングリコールモノ
ステアレート、ポリエチレングリコールジステアレー
ト、プロピレングリコールモノステアレート、エチレン
グリコールジステアレート、ペンタエリスリトールトリ
ステアレート、ジペンタエリスリトールベヘニン酸フル
エステル、ベヘニルベヘネート、等が選ばれる。
【0040】グリセリンの脂肪酸エステルとして、例え
ば、ステアリン酸モノグリセライド、パルミチンモノグ
リセライド、オレイン酸モノグリセライド、ベヘニン酸
モノグリセライドなどが選ばれる。セロチン酸ミリシ
ル、セロチン酸セリル、モンタン酸セリル、パルミチン
酸ミリシル、ステアリン酸ミリシル、パルミチン酸セチ
ル、ステアリン酸セチル等の高級脂肪酸の高級アルコー
ルエステル類等も選ばれる。具体的には、レオドールSP
−S10、レオドールSP−S30、レオドールSSA10、エマゾ
ールP−10、エマゾールS−10、エマゾールS−20、エマ
ゾールB、レオドールスーパSP−S10、エマノーン3199、
エマノーン3299、エキセパールPE−MS(花王)等が使用
できる。
【0041】更に最も好ましいのは、グリセリンの脂肪
酸エステルである。例えば、ステアリン酸モノグリセラ
イド、パルミチンモノグリセライド、オレイン酸モノグ
リセライド、ベヘニン酸モノグリセライドなどが選ばれ
る。具体的には、レオドールMS−50、レオドールMS−6
0、レオドールMS−165、レオドールMO−60、エキセパー
ルG−MB(花王)、脱臭精製カルナバワックスNo.1、精
製キャンデリラワックスNo.1(野田ワックス)、シン
クロワックス ERL−C、シンクロワックス HR−C(クロ
ダ)、KF2(川研ファインケミカル)、エレクトールWEC
-5、エレクトールWEP-4、エレクトールWEC-2(日本油
脂)、ユニスターH476、H476D、H422、H622S、M2222S
L、M9676(日本油脂)が使用できる。また、特殊エステ
ル系ワックスとして、エキセパールDS−C2(花王)、カ
ワスリップ−L、カワスリップ−R(川研ファインケミカ
ル)等も選ばれる。セロチン酸ミリシル、セロチン酸セ
リル、モンタン酸セリル、パルミチン酸ミリシル、ステ
アリン酸ミリシル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸
セチル等の高級脂肪酸の高級アルコールエステル類等も
選ばれる。インク溶融時の流動性が安定している他に、
印刷画像を擦ったり折り曲げたりすることに耐えうる強
度を持っているため、脂肪酸エステル類は溶融粘度が低
く、インク溶融時の流動性が安定している他に、炭素−
炭素の結合に比べて、可撓性が高く表面保護力が強いた
め、印刷画像の折り曲げにも耐える。さらに噴射時の粘
度が20mPa・sより小さいものが適している。
【0042】脂肪酸エステルアミドとしては例えばカワ
スリップSA(川研ファインケミカル製)、CPH−380N
(C.P.Hall製)が選ばれる。
【0043】ポリアミド類は、特にダイマ(二量体)酸
ベースのポリアミドが望ましい。さらに、このベースと
なる酸がオレイン酸、リノール酸、リノレイン酸または
エレオステアリン酸であることが最適である。具体的に
はアミド系樹脂として、バーサミド711、バーサミド72
5、バーサミド930、バーサミド940、バーサロン1117、
バーサロン1138、バーサロン1300(以上ヘンケル製)、
トーマイド391、トーマイド393、トーマイド394、トー
マイド395、トーマイド397、トーマイド509、トーマイ
ド535、トーマイド558、トーマイド560、トーマイド131
0、トーマイド1396、トーマイド90、トーマイド92(以
上富士化成製)、ポリエステルとしてKTR2150(以上花
王製)、Macromelt 6030、Macromelt 6065、Macromelt
6071、Macromelt 6212、Macromelt 6217、Macromelt 62
24、Macromelt 6228、Macromelt 238、Macromelt 623
9、Macromelt 6240、Macromelt 6301、 Macromelt 690
0、DPX 335-10、DPX H-415、DPX 335-11、DPX 830、DPX
850、DPX 925、DPX 927、DPX 1160、DPX 1163、DPX 11
75、DPX 1196、DPX 1358(ヘンケル白水)、SYLVAMID E-
5(アリゾナケミカル)、UNIREZ 2224、UNIREZ 2970
(ユニオンキャンプ)、ポリ酢酸ビニルとしてAC401、A
C540、AC580(以上アライドケミカル製)などが使用で
きる。
【0044】ビヒクルはこれらの中から選ばれる少なく
とも1種、または2種以上を混合して用いることができ
る。これらはいずれも記録媒体へのぬれ性が良好で、高
い接着性能を示す。さらに広範囲の各種被着体物質に対
し密着性に優れる。
【0045】紫外線の照射により発光する化合物の添加
量は全インク量に対して、0.01〜5重量%が適量で
ある。特に望ましくは、2重量%以下である。0.01
重量%未満では発光強度が低下し、5重量%より多いと
着色等のため非照射時に記録が露わとなり、かつインク
の粘度特性に悪影響を与える。本発明のインク組成物に
更に機能性を発現するため、各種の表面処理剤、界面活
性剤、粘度低下剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進
剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、分散剤、顔料、染
料等を混合することができる。
【0046】高品質のインクジェット用インクの調製に
は多くの重要な因子のバランスを必要とする。本発明の
インクは、ホットメルト型インクジェットプリンタに適
用するために、周知の幾つかの要件を満足する。すなわ
ち、このインクは室温で十分な硬度と安定性があり、印
刷前の保管および印刷後の画質に信頼性がある。記録媒
体に付着後は十分な透明性と彩度を有し、かつ均一な薄
膜を形成して良好な画質の印刷物を与える。これらの要
件は複雑で、本発明のインクについて必ずしも明瞭に数
値化できるわけではないが、例えば、融点が相対的に低
いホットメルトインクは典型的に滲みやすく、オフセッ
トが発生しやすい。40℃保管状態でも印刷物を重ねて
おいた状態で、オフセットが発生しないことが必要であ
る。しかし、インクの融点が高いと粘度が高くなるが、
印刷時の溶融粘度としては50mPa・s以下、特に5〜3
0mPa・sの範囲が装置上望ましい。過剰な粘度は噴射時
により大きなエネルギーが必要となり、またあまりに低
粘度の材料では室温での保存安定性に問題を生じる。室
温(25℃)での粘度は10,000Pa・s以上である。
【0047】印刷物の折り曲げ特性としてはプラスチッ
クフィルムを用いたマンドレル試験において5mmφ以
下特に3mmφ以下の試験に合格することが望ましい。
印刷時のインクを溶融する温度としては、装置を簡便で
低価格にするために、100〜150℃の範囲が最適で
ある。溶融時の表面張力は40mN/m以下が望ましい。溶
融状態から固体に転移する際の体積変化は10%以下が
望ましい。
【0048】本発明のステルス型インク組成物及び記録
方法は、印刷を必要とするときのみインク小滴を噴射さ
せる(オンデマンド型)、従来公知のインクジェットプ
リンタ、例えばオフィス用プリンタ、工業用マーキング
に使用されているプリンタ、ワイドフォーマット型プリ
ンタ、刷版及び製版用プリンタ、ラベルプリンタおよび
この典型的操作を持つすべてのタイプのプリンタに使用
可能である。記録媒体としては、紙、プラスチックフィ
ルム、カプセル、ジェル、金属箔、布等が挙げられる
が、非接触印刷が可能なだけに媒体の形状は広範なもの
が使用でき、これに限定されるものではない。一旦転写
体に記録し、記録媒体に転写する方法、加圧加熱装置等
の処理を含む記録方法も使用できる。
【0049】更に、この組成物及び記録方法は、特に好
適な用途として、周知の多くの産業用インクジェットプ
リンタ、マーキング装置に使用できる。これらには、通
常のメディア、すなわち紙、処理紙、高品質紙、プラス
チック、金属、布地、ガラス等のシート及びバルクを含
めて、広範に各種物品及びその包装物、容器、パック、
ビン、袋、例えば、ジュース、ビール等の飲料、乳製
品、パン等の食品、シャンプー、洗剤等の化粧品、医薬
品、化学薬品、電気・電子機器などへのマーキングに使
用できる。更にはカード、ラベル作成装置、ピロー包装
機、郵便宛名区分装置のマーキング、郵便番号印刷機、
名刺作成機、銀行小切手等有価証券、重要書類等あるい
は絵画、記念物、文化財等へのマーキング、ダイレクト
メール作成装置等に使用できる。本発明のインク組成物
及び記録方法の装置に、更に露光装置、検出装置を組み
合わせた各種印刷あるいは処理装置も可能である。
【0050】次に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、記載例に限定されるものではない。 〔実施例1〕ビヒクルとしてエステルアミド(CP Hall
製、商品名:CPH380N)を20重量部、エステルワック
ス(日本油脂製:ユニスターH476)を28重量部、ポリ
エチレンワックス(日本精臘製:WEISSEN 252C)を12
重量部、マイクロクリスタリンワックス(日本精臘製:
Hi-Mic 1070)を10重量部、ロジン(荒川化学製:Pin
ecrystal KE100)を30重量部および青色発光材料(チ
バスペシャルティケミカル製:UVITEX-OB)0.01重
量部を含有する混合物全400gを130℃で、均質な
溶融混合物が得られるまで加熱、混練(約5時間)し、
続いて加熱加圧ろ過を行い不純物等を除去し、室温で放
冷して均質なホットメルトインク組成物を得た。
【0051】一方、比較のため、発光剤のみを除いた同
様の組成及び混練工程により比較組成物を作成した。こ
れらのインク組成物は可視域に実質的に強い光吸収を示
さない。また、比較組成物は可視域のみならず、300
〜400nmの紫外域にも実質的に強い吸収を示さなか
った。
【0052】作成したインク組成物を130℃に加熱溶
融し、回転粘度計(トキメック製EDLモデル)を用いて
溶融粘度を測定した。5回測定した平均値は13.1mP
a・sを示した。該インクをソリッドインクジェットプリ
ンタ(日立工機製:ダイレクト刷版用プリンタSJ02A)
の圧電素子プッシュモードのヘッド部分を使用した高速
印刷試験装置(解像度600dpi)に入れて普通紙
(Xerox4024紙)にテストパタンを印刷した。印刷速度
(用紙走行速度)は10〜200ipsの範囲で変化し
たが、いずれにおいても、印刷状態は良好で印刷直後に
おいても耐擦性を示し、紙への浸透、剥離、光散乱、そ
の他の不具合は全く観測されなかった。
【0053】また、印刷直後においても、ブラックラン
プ(UVP製:Model UVM-57)にて紫外線を照射したと
ころ、良好な緑黄色発光が観測された。この印刷物は可
視光域に実質的な吸収、散乱を示さず、紫外線照射を行
わない限り目視では観測が困難であった。 〔実施例2〕ビヒクルとしてエステルアミド(川研ファ
インケミカル製:カワスリップSA)を76重量部、ポリ
アミド(ヘンケル白水製:DPX-H415)を4重量部、Pine
crystal KE100を20重量部および赤発光剤(三井化学
製:ER-120)又は青発光剤(三井化学製:EB-501)それ
ぞれ0.1および0.01重量部含有する混合物全50
0gを均質な溶融混合物が得られるまで加熱、混練(約
3時間)し、続いて加熱加圧ろ過を行い不純物等を除去
し、室温で放冷して均質なホットメルトインク組成物を
得た。
【0054】また、実施例1と同様に発光剤を添加しな
い系で同様の工程により比較混合物を作成した。
【0055】これらのインク組成物および比較混合物を
130℃に加熱し、回転粘度計を用いて溶融粘度を測定
し、5回測定した平均値は両者とも7.9mPa・sを示し
た。インク組成物は実質的に可視域に強い吸収、散乱を
示さず、また比較混合物は可視域のみならず300〜4
00nmの領域にも強い吸収を示さなかった。
【0056】前記インク組成物を実施例1と同様にイン
クジェットプリンタ試験装置に入れて3日間溶融状態の
まま放置し噴射を行ったところ、全てに問題なく噴射す
ることを確認した。印刷速度を10〜200ipsの範
囲で変化し、基体は普通紙、処理紙(セイコーエプソン
製:インクジェット用スーパーファイン紙)、塩ビ塗布
シート(恵和商工製:BPV-01-T)を使用した。いずれの
条件においても印刷状態は良好で印刷直後においても耐
擦性を示し、基体への浸透、剥離、光散乱、その他の不
具合は全く観測されなかった。
【0057】実施例1と同様に紫外線照射したところ、
いずれの印刷試料においても、明瞭な赤橙色および青色
発光を観測した。これらの印刷物は可視光域に実質的な
吸収、散乱を示さず、紫外線照射を行わない限り目視で
は観測が困難であった。 〔実施例3〕ビヒクルとしてエステルワックス(セラリ
カ野田製:キャンデリラワックスNo.1)およびEVAコ
ポリマ(日本精臘製:Polycoat 3030)をそれぞれ80
重量部、20重量部および赤発光剤(同仁化学製:キレ
ート錯体Eu(TTA)3Phen)を0.1重量部含有する混合物
全500gを130℃で、均質な溶融混合物が得られる
まで加熱、混練し、続いて加熱加圧ろ過を行い不純物等
を除去し、室温で放冷して均質なホットメルトインク組
成物を得た。
【0058】このインク組成物を130℃に加熱し、実
施例1と同様に、回転粘度計で溶融粘度を測定し、5回
測定した平均値は5mPa・sを示した。
【0059】前記インク組成物を実施例1と同様の試験
装置に入れて普通紙上にテストパタンを印刷して、紫外
線の照射により良好に赤色発光することを確認した。こ
の印刷物は可視光域に実質的な吸収、散乱を示さず、紫
外線照射を行わない限り目視では観測が困難であった。 〔実施例4〕ビヒクルとしてエステルワックス(セラリ
カ野田製:脱臭精製カルナウバワックスNo.1)および脂
肪族アミド(Witco製:Kemamide S-180)をそれぞれ5
5重量部、45重量部および赤発光剤(ニラコ製:赤蛍
光体Y2O3S:Eu)2重量部を含有する混合物全500gを
撹拌ミル(栗本鐵工所製)により140℃で、均質な溶
融混合物が得られるまで加熱、混練(約6時間)し、続
いて加熱加圧ろ過を行い不純物等を除去し、室温で放冷
して均質なホットメルトインク組成物を得た。
【0060】このホットメルトインク組成物を130℃
に加熱し、実施例1と同様に、回転粘度計を用いて溶融
粘度を測定した。5回測定し、平均値は30mPa・sを示
した。
【0061】前記インク組成物を実施例1と同様に試験
装置に入れて印刷を行い、ブラックライトによる紫外線
照射で良好に赤色発光することを確認した。この印刷物
は可視光域に実質的な吸収、散乱を示さず、紫外線照射
を行わない限り目視では観測が困難であった。 〔実施例5〕ビヒクルとしてパラフィンワックス(日本
精蝋製:HNP-9)、ポリエチレンワックス (三井化学
製:HW110P)、エステルワックス(日本油脂製:ユニス
ターM2222SL)の各20、40、40重量部および緑発
光剤(三井化学製:EG-502)または赤発光剤(クラリア
ント製:LUMILUX CD331)の各々を0.1重量部混合し
た2種の混合組成を作成した。該混合組成全500gを
モータミル(アイガージャパン製)により130℃で、
均質な溶融混合物が得られるまで加熱、混練し、続いて
加熱加圧ろ過を行い不純物等を除去し、室温で放冷して
均質な2種類のホットメルトインク組成物を得た。
【0062】これらのホットメルトインク組成物はを実
施例1と同様の方法で、130℃の溶融粘度を測定し、
順に16および17mPa・sを得た。
【0063】このインク組成物を実施例1と同様に試験
装置に入れて印刷を行い、ブラックライトによる紫外線
照射で良好に緑色または赤色発光することを確認した。
これらの印刷物は可視光域に実質的な吸収、散乱を示さ
ず、紫外線照射を行わない限り目視では観測が困難であ
った。 〔比較例1〕発光剤としてZnS:Cu:Al(ニラコ
製)3重量部、分散剤(花王製:エマルゲンA-90)0.
5重量部、樹脂分(日本ポリマー製:W-251:固形分4
0%のアクリル樹脂エマルジョン)0.3重量部、モノ
エタノールアミン0.1重量部、ジエチルアミノエタノ
ール10重量部、EDTA0.03重量部及びイオン交
換水85重量部を均質な分散溶液が得られるまで分散、
混練し、続いてろ過を行って不純物等を除去し、インク
組成物を得た。このインク組成物は粘度4.5mPa・sを
示した。
【0064】前記インク組成物を実施例1と同様に試験
装置に入れて加熱を行わずに普通紙に印刷を行い、乾燥
後、ブラックライトによる紫外線照射で緑色に発光する
ことを確認した。しかしながら、インク組成物の乾燥が
著しく遅いため、印刷部分は擦りに対して耐性を示さ
ず、使用に耐える状態を得るには熱風乾燥(80℃)を
用いても数分を要した。加熱乾燥工程を用いない場合は
数時間を要した。 〔比較例2〕ジプロピレングリコールメチルエーテル
(ダウケミカル製:Dowanol DPM)に発光剤として実施
例1と同様のUVITEX-OBを0.1重量部混合し、均質な
分散溶液が得られるまで攪拌し、続いてろ過を行い不純
物等を除去し、インク組成物を得た。このインク組成物
は粘度3.8mPa・sを示した。
【0065】このインク組成物を実施例1と同様に試験
装置に入れて加熱を行わずに普通紙に印刷を行い、ブラ
ックライトによる紫外線照射で緑色に発光することを確
認した。しかしながら、印刷部分の乾燥が著しく遅いた
め、印刷部分は紙への浸透による滲みを生じ、また擦り
に対して耐性を示すには熱風乾燥(80℃)を用いても
数分を要した。加熱乾燥工程を用いない場合は数時間を
要した。 〔比較例3〕ビヒクルとしてイオン性ポリマ(デュポン
製:サーリン)、エステルワックス(セラリカ野田製:
脱臭精製カルナウバワックスNo.1)の各20、80重量
部および実施例1と同様のUVITEX−OBを0.1
重量%混合し、均質な分散溶液が得られるまで130℃
で攪拌し、続いてろ過を行い不純物等を除去しホットメ
ルトインク組成物を得た。これらのホットメルトインク
組成物はを実施例1と同様の方法で、130℃の溶融粘
度を測定し、20mPa・sを得た。
【0066】これらの組成物は成分の相溶性が不良で白
濁した混合物のままであった。実施例1と同様に試験装
置に入れて印刷を試みたが、ノズル吐出不良を生じ印刷
はドット不均一のため,品質が劣悪でかつ耐擦性も不十
分であった。
【0067】
【発明の効果】本発明のステルス型インク組成物および
記録方法は、従来液体系インクジェット記録の場合に問
題とされていた、記録媒体への接着性不足、低い記録速
度、安全性等を解決する、記録媒体を限定しない、高速
度の記録可能な、環境にやさしいインク組成物および記
録方法を提供することが可能になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC01 FD02 2H086 BA02 BA59 4J039 AB08 AB12 AD01 AD08 AE08 BC20 BC36 CA09 EA10 EA27 EA43 EA45 FA01 FA02 FA03 FA04 GA24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】室温で固体のインク組成物を加熱により液
    化させた上で、何らかの噴射エネルギを付与することに
    よりインク液滴を記録媒体上に噴射させ、記録ドットを
    形成するステルス型インク組成物の記録方法において、 前記ステルス型インク組成物は可視光域に顕著な吸収を
    示すことなく紫外光線を照射した場合には可視光を発光
    するものであり、かつその記録速度は前記記録媒体の進
    行方向に関して10ips以上で、ドット形成後に何ら
    の後処理も行わないことを特徴とするステルス型インク
    組成物の記録方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のステルス型インク組成物の
    記録方法において、 前記ステルス型インク組成物は紫外光線照射により可視
    光を発光する物質を含有し、かつ実質的に300〜40
    0nmの範囲に吸収極大を有しないインクビヒクルを用
    いることを特徴とするステルス型インク組成物の記録方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のステルス型インク
    組成物の記録方法において、 前記ステルス型インク組成物はポリエチレンワックス、
    マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、
    ロジン、脂肪酸アミド、エステル又はエステルアミド、
    ポリアミド、エチレン-酢酸ビニル共重合体から選択さ
    れたワックスを含有し、かつイオン性ポリマを含まない
    ことを特徴とするステルス型インク組成物の記録方法。
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