JP2000188482A - 多層プリント配線板 - Google Patents

多層プリント配線板

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JP2000188482A JP10365015A JP36501598A JP2000188482A JP 2000188482 A JP2000188482 A JP 2000188482A JP 10365015 A JP10365015 A JP 10365015A JP 36501598 A JP36501598 A JP 36501598A JP 2000188482 A JP2000188482 A JP 2000188482A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ヒートサイクル条件下においても、導体回路と
層間樹脂絶縁層との間の剥離がなく、しかも高周波数帯
域の低ノイズ化を実現できる多層プリント配線板を提供
すること。 【解決手段】内層導体回路形成基板1上に設けられた層
間樹脂絶縁層を、基板上の前記内層導体回路6と接する
側に位置する接着剤層7と、その接着剤層上に設けられ
た絶縁剤層8とから構成すると共に、その接着剤層の厚
さを1μm以上、50μm未満にしたこと、その接着剤
層の厚さを層間樹脂絶縁層の全体の厚さの5%以上、3
0%未満にしたこと、およびその接着剤層は、前記内層
導体回路形成基板の表面形状に合わせて凹凸状に形成し
たことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層プリント配線
板に関し、層間樹脂絶縁層と導体回路との密着性に優
れ、高周波数帯域信号のノイズ抑制に有効な多層プリン
ト配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】最近のプリント配線板は高密度化という
要請から、アディティブ法による製造方法が注目されて
いる。この方法は、従来のサブトラクティブ法のように
パターンをエッチングのみにより形成する方法ではない
ため、ファインパターン化が期待できる。このような技
術としては、例えば、特公平4−55555号公報に
は、導体回路形成基板上にエポキシアクリレートにより
層間樹脂絶縁層を形成し、フォトリソグラフィー法によ
りバイアホール用開口を設け、表面を粗化した後、めっ
きレジストを設けた後、無電解めっきして導体回路およ
びバイアホールを形成する方法が提案されている。ただ
し、この方法の場合、層間樹脂絶縁層をエポキシアクリ
レートのみによって形成しているため、導体回路との密
着性が悪く、一方で導体回路との密着を良くするために
は、導体回路表面を粗化しなければならず、これでは高
周波数の信号を伝搬させると表皮効果のために、信号が
導体回路の表面部分のみを伝搬することから、表面粗化
の影響を受けて、信号伝搬の遅延が生じるという問題が
あった。
【0003】これに対し、特開昭61−193845号
公報や特開平9−326561号公報には、層間樹脂絶
縁層を2層構造とし、基板側を金属との密着性に優れる
樹脂で構成するという技術が開示されている。例えば、
特開昭61−193845号公報では、厚さ50μmの
変性ポリオレフィンフィルムと厚さ1mmの無極性ポリ
オレフィンフィルムからなる層間樹脂絶縁層として使用
している。一方、特開平9−326561号公報に開示
の層間樹脂絶縁層は、第一の絶縁層の厚さが30〜70
μmで、第二の絶縁層の厚さが70μm以下である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、発明者らの
研究ではこのような技術をもってしてもなお、ヒートサ
イクル条件下では、導体回路と層間樹脂絶縁層が剥離す
るという問題が見られた。その上、高周波数帯域の信号
にノイズが発生するという新たな問題にも遭遇した。そ
こで、本発明の目的は、ヒートサイクル条件下において
も、導体回路と層間樹脂絶縁層との間の剥離がなく、し
かも高周波数帯域信号の低ノイズ化を実現できる多層プ
リント配線板の構造を提案することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上掲の目的を実現するた
めに鋭意研究した結果、発明者らは、導体回路と層間樹
脂絶縁層との間の剥離、高周波数帯域信号のノイズの原
因が、多層状層間樹脂絶縁層の構造、とくに接着剤層の
厚さ、接着剤層と絶縁剤層との厚さの比率、接着剤層の
形状に由来していることを知見し、本発明に想到した。
即ち、本発明は下記〜を要旨構成とするものであ
る。
【0006】内層導体回路形成基板上に設けられた層
間樹脂絶縁層を介して上層の導体回路が形成された多層
プリント配線板において、前記層間樹脂絶縁層を、基板
上の前記内層導体回路と接する側に位置する接着剤層
と、その接着剤層上に設けられた絶縁剤層とで構成する
と共に、その接着剤層の厚さを1μm以上、50μm未
満にしたことを特徴とする多層プリント配線板。 内層導体回路形成基板上に設けられた層間樹脂絶縁
層を介して上層の導体回路が形成された多層プリント配
線板において、前記層間樹脂絶縁層を、基板上の前記内
層導体回路と接する側に位置する接着剤層と、その接着
剤層上に設けられた絶縁剤層とで構成すると共に、その
接着剤層の厚さを、層間樹脂絶縁層の全体の厚さの5%
以上、30%未満にしたことを特徴とする多層プリント
配線板。 内層導体回路形成基板上に設けられた層間樹脂絶縁
層を介して上層の導体回路が形成された多層プリント配
線板において、前記層間樹脂絶縁層を、基板上の前記内
層導体回路と接する側に位置する接着剤層と、その接着
剤層上に設けられた絶縁剤層とで構成すると共に、その
接着剤層を、前記内層導体回路形成基板の表面形状に合
わせて凹凸形状に形成したことを特徴とする多層プリン
ト配線板。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の第一の特徴は、層間樹脂
絶縁層を、基板上の内層(下層)導体回路と接する側に
位置する接着剤層と、その接着剤層上に設けられた絶縁
剤層にて構成すると共に、その接着剤層の厚さを1μm
以上、50μm未満にしたことにある。
【0008】ここで、接着剤層の厚さが1μm未満で
は、接着効果が小さく、ヒートサイクル時に導体回路と
絶縁剤層との間で剥離が発生してしまう。本発明におい
て、金属(内層導体回路)と密着させる樹脂には、極性
が付与されており、前記絶縁剤層を構成する無極性の樹
脂とは熱膨張率が異なるので、該接着剤層の厚さを50
μm以上にすると、ヒートサイクル時に、接着剤層にク
ラックが発生してしまい、結局、導体回路と樹脂絶縁層
との間で剥離が発生してしまうのである。つまり、極性
を付与された樹脂からなる接着剤層の厚さは1μm以
上、50μm未満に調製することが有効であり、このよ
うな限定的な範囲内において層間樹脂絶縁層の耐ヒート
サイクル性は著しく向上するのである。なお、この接着
剤層の厚さは、2〜30μmの範囲が最適である。
【0009】本発明の第二の特徴は、接着剤層の厚さと
絶縁剤層の厚さの比率を、接着剤層の厚さが、層間樹脂
絶縁層の全体の厚さの5%以上、30%未満にすること
にある。一般に、金属(導体回路や粗化層)と密着させ
る樹脂は、極性が付与されており、誘電率が高い。従っ
て、接着剤層の厚さが層間樹脂絶縁層の5%未満では、
接着剤層の電気特性の影響が上層(外層)側の導体回路
に及ばないため、上層(外層)側と下層(内層)側の誘
電率差が大きく異なり、それ故にインピーダンス整合が
得られなくなり、ノイズの原因となる。逆に、層間樹脂
絶縁層が30%以上では、接着剤層の電気特性が上層
(外層)側の導体回路にまで強く影響し、層間樹脂絶縁
層の平均的な誘電率が高くなってしまい、やはりノイズ
が発生しやすくなる。つまり、極性を付与された樹脂か
らなる接着剤層の厚さを層間樹脂絶縁層の全体の厚さの
5%以上、30%未満に調製することにより、ノイズを
従来の予測をはるかに超える程度に低減することが可能
になるのである。なお、接着剤層の厚さは層間樹脂絶縁
層の全体の厚さの10%〜25%にすることが望まし
い。
【0010】本発明の第三の特徴は、接着剤層は、内層
導体回路形成基板の表面形状に合わせて凹凸面として形
成されている点の構成にある。一般に、導体回路形成基
板の表面は、導体回路が形成されているが故に凹凸が存
在している。本発明は基板表面の凹凸に合わせてそのま
ま凹凸形状とした接着剤層とすることにより、その上に
形成される絶縁剤層との接触面積(界面)を大きくした
ものである。このような構成にすると、接着剤層にクラ
ックが発生した場合でも、そのクラックの進展を下層
(内層)導体回路の側面で止めることができ、ひいて
は、ヒートサイクル時の導体回路と層間樹脂絶縁層との
間で発生する剥離を効果的に抑制できるようになる。そ
して、このような構成にすることにより、層間樹脂絶縁
層の平均的な誘電率を向上させることなく、上層(外
層)側と下層(内層)側との誘電率差を小さくすること
ができ、ノイズ発生の防止が可能になる。
【0011】本発明における上記接着剤層の樹脂として
は、極性基を持つ樹脂が用いられる。特に極性を付与し
たポリオレフィン系樹脂の使用が望ましい。その理由
は、金属(導体回路)との密着性に優れるからである。
かかるポリオレフィン系樹脂の例としては、熱硬化性ポ
リオレフィン樹脂または熱可塑性ポリオレフィン系樹脂
を使用することができるが、特に熱硬化性ポリオレフィ
ン樹脂の使用が好ましい。この理由は、多層プリント配
線板を製造する場合、ポリオレフィン系樹脂からなる接
着剤層上にさらに絶縁剤層を設けることになるが、下層
側のポリオレフィン系樹脂が熱硬化性のものだと、加熱
プレスによる変形がなく、バイアホールの位置ずれが少
ないからである。なお、熱可塑型ポリオレフィン樹脂の
場合、破壊靱性値が高く、ヒートサイクル時に導体回路
と樹脂との熱膨張係数の相違に起因して発生するクラッ
クを抑制する効果に優れる。かかる熱可塑型ポリオレフ
ィン樹脂は、その融点が200℃以上であることが好ま
しい。この理由は、プリント配線板には、実装のために
半田層や半田バンプを設けるが、半田層や半田バンプを
形成するために、200℃以上に加熱が必要となり、こ
の加熱時に接着剤層の溶融を防止できるからである。
【0012】本発明において接着剤層用樹脂として用い
られる上記ポリオレフィン系樹脂としては、下記〜
に示すような構造を有するものが好適である。 下記構造式で示される1種の繰り返し単位からなる樹
脂。
【化1】 下記構造式で示される繰り返し単位のうちの異なる
2種類以上が共重合したものからなる樹脂。
【化2】 下記構造式で示される繰り返し単位を有し、その分子
主鎖中には、二重結合、オキシド構造、ラクトン構造、
モノもしくはポリシクロペンタジエン構造を有する樹
脂。
【化3】 前記、、の群から選ばれる2種以上の樹脂を
混合した混合樹脂、前記、、の群から選ばれる樹
脂と熱硬化性樹脂との混合樹脂、または前記、、
の群から選ばれる樹脂が互いに架橋した樹脂。なお、本
発明で「樹脂」という場合は、いわゆる「ポリマー」お
よび「オリゴマー」を包括する概念である。
【0013】〜の樹脂について詳述する。前述した
繰り返し単位の構造を含む〜の樹脂を採用する理由
は、破壊靱性値を低下させることなく、熱硬化型のポリ
オレフィンとすることが可能だからである。ここで、前
記繰り返し単位中のXとして採用されるアルキル基とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基から選ばれ
る少なくとも1種以上が望ましい。ここで、前記繰り返
し単位中のXとして採用されるC2〜C3の不飽和炭化
水素としては、CH2 =CH−、CH2 CH=CH−、
CH2 =C(CH3)−、アセチレン基から選ばれる少な
くとも1種以上が望ましい。
【0014】前記繰り返し単位中のXとして採用される
オキシド基としては、エポキシ基、プロポキシ基が望ま
しく、ラクトン基としては、β−ラクトン基、γ−ラク
トン基、δ−ラクトン基から選ばれる少なくとも1種以
上が望ましい。また、繰り返し単位中のXとしてC2〜
C3の不飽和炭化水素、オキシド基、ラクトン基、水酸
基を採用する理由は、反応性が高く、これらの官能基を
含む樹脂(この場合はオリゴマー)同士を架橋しやすい
からである。さらに、nを1〜10000 とする理由は、n
が 10000を超えると溶剤不溶性となり扱いにくくなるか
らである。前記の樹脂において、分子主鎖中の二重結
合構造としては、下記構造式で示される繰り返し単位
と、−(CH=CH)m −または−(CH2 −CH=C
H−CH2)m −の繰り返し単位が共重合したものがよ
い。ここで、mは1〜10000 とする。
【化4】 前記の樹脂において、分子主鎖のオキシド構造として
は、エポキシ構造がよい。また、分子主鎖のラクトン構
造としては、β−ラクトン、γ−ラクトン構造が望まし
い。さらに、分子主鎖のモノ、ポリシクロペンタジエン
としては、シクロペンタジエンおよびビシクロペンタジ
エンから選ばれる構造を採用できる。前記共重合は、繰
り返し単位がABAB・・・のように交互共重合する場
合、繰り返し単位がABAABAAAAB・・・のよう
にランダム共重合する場合、あるいはAAAABBB・
・・のようなブロック共重合する場合がある。
【0015】次に、の樹脂について説明する。の樹
脂は、前記,,の群から選ばれる2種以上の樹脂
を混合した混合樹脂、前記,,の群から選ばれる
樹脂と熱硬化性樹脂との混合樹脂、または前記,,
の群から選ばれる樹脂が互いに架橋した樹脂である。
これらのうち、前記,,の群から選ばれる2種以
上の樹脂を混合する場合は、樹脂粉末を有機溶剤に溶解
させるか、あるいは熱溶融させて混合する。また、前記
,,の群から選ばれる樹脂と熱硬化性樹脂を混合
する場合も樹脂粉末を有機溶剤に溶解させて混合する。
この場合に混合する熱硬化性樹脂としては、熱硬化型ポ
リオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポ
リイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン(BT)樹脂
から選ばれる少なくとも1種を用いることが望ましい。
【0016】さらに、前記,,の群から選ばれる
樹脂を互いに架橋させる場合は、C2〜C3の不飽和炭
化水素、オキシド基、ラクトン基、水酸基および分子主
鎖中の二重結合、オキシド構造、ラクトン構造を架橋の
ための結合手とする。ポリオレフィン系樹脂は、わずか
な極性基を導入することにより、導体回路との密着性を
格段に向上させることができる。また、誘電率が3以
下、誘電正接が0.05以下とエポキシ樹脂よりも低
く、高周波数の信号でも伝搬遅延がない。また、耐熱性
もエポキシ樹脂に比べて遜色がなく、半田溶融温度でも
導体回路の剥離がみられない。極性基の導入方法として
は、不飽和脂肪族カルボン酸やその無水物で変性処理す
る方法が一般的である。不飽和脂肪族カルボン酸として
は、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、アクリル
酸、これらの酸無水物が望ましい。なお、本発明で使用
される極性を持つ熱硬化型ポリオレフィン樹脂の市販品
としては、住友スリーエム製の商品名1592が挙げら
れる。
【0017】次に、本発明において、上記接着剤層の上
に形成する絶縁剤層は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂ま
たはこれらの複合樹脂で構成することが好ましい。その
熱硬化性樹脂としては、必要に応じて感光化されたもの
であってもよく、例えば、熱硬化性樹脂としては、熱硬
化型ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂、フェノール樹脂、ビスマレイミドトアジン樹脂、非
極性の熱硬化型ポリオレフィン樹脂、アリル化ポリフェ
ニレンエーテル(旭化成製 A−PPE)から選ばれる
少なくとも1種を用いることができる。
【0018】一方、熱可塑性樹脂の例としては、ポリメ
チルペンテン(PMP)、ポリスチレン(PS)、ポリ
エーテルスルフォン(PES)、ポリフェニレンエーテ
ル(PPE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)な
どのエンジニアリングプラスチック、非極性の熱可塑性
ポリオレフィン樹脂を用いることができる。なかでも、
融点 200℃以上の熱可塑型ポリオレフィン樹脂として
は、三井化学製の商品名TPX(融点 240℃)、出光石
油化学製の商品名SPS(融点 270℃)が使用できる。
そのTPXは、前記繰り返し単位におけるXがイソブチ
ル基の樹脂であり、またSPSは、当該Xがフェニル基
でシンジオタクティック構造をもつ樹脂の例である。
【0019】本発明においては、上記絶縁層は無電解め
っき用接着剤であってもよい。この無電解めっき用接着
剤の例としては、特に、硬化処理された酸あるいは酸化
剤に可溶性の耐熱性樹脂粒子が、酸あるいは酸化剤に難
溶性の未硬化の耐熱性樹脂中に分散されてなるものが最
適である。それは酸、酸化剤で処理することにより、耐
熱性樹脂粒子が溶解除去されて、表面に蛸つぼ状のアン
カーからなる粗化面を形成するからである。
【0020】なお、上記無電解めっき用接着剤において
使用される、特に硬化処理された前記耐熱性樹脂粒子と
しては、平均粒径が10μm以下の耐熱性樹脂粉末、
平均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末を凝集させた凝
集粒子、平均粒径が2〜10μmの耐熱性粉末樹脂粉末
と平均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末との混合物、
平均粒径が2〜10μmの耐熱性樹脂粉末の表面に平均
粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末または無機粉末のい
ずれか少なくとも1種を付着させてなる疑似粒子、平
均粒径が0.1〜0.8μmの耐熱性粉末樹脂粉末と平
均粒径が0.8μmを越え、2μm未満の耐熱性樹脂粉
末との混合物、平均粒径が0.1〜1.0μmの耐熱
性粉末樹脂粉末を用いることが望ましい。これらは、よ
り複雑なアンカーを形成できるからである。上記の耐熱
性樹脂粉末の例としては、アミン系硬化剤で硬化させた
エポキシ樹脂、アミノ樹脂から選ばれる少なく1種を用
いることが望ましい。その理由は、酸化剤や酸で分解、
溶解しやすいからである。
【0021】一方、耐熱性樹脂の例としては、イミダゾ
ール硬化剤で硬化させたエポキシ樹脂、フェノール樹
脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリイミド樹脂か
ら選ばれる少なくとも1種を用いることが望ましい。な
お、粗化面の深さは、密着性を確保するために、Rma
x=0.01〜20μmとするのがよい。特にセミアデ
ィティブ法では、0.1〜5μmがよい。密着性を確保
しつつ、無電解めっき膜を除去できるからである。さ
て、本発明においては、上記絶縁剤層の上には、さらに
金属との密着性に優れる接着剤層を設け、いわゆる層間
樹脂絶縁層を3層としてもよい。これは層間樹脂絶縁層
と上層(外層)導体回路との密着性を改善するためであ
る。
【0022】なお、本発明において、導体回路は、無電
解めっき用接着剤層上の粗化層を介して形成していても
よく、また、長周期型周期律表の第4A族から第1B族
で第4〜第7周期の元素、アルミニウム、またはすずの
うちから選ばれる少なくとも1種の金属からなる金属層
を形成した層間樹脂絶縁層上または無電解めっき用接着
剤層上に形成してもよい。これらの金属の層は、各種樹
脂との密着性が特に優れているからである。
【0023】前記第4A族から第1B族で第4〜第7周
期の元素から選ばれる金属としては、Ni、Co、C
r、Ti、および貴金属から選ばれる少なくとも1種を
用いることが望ましい。貴金属としては、Pd、Au、
Ptが好ましい。また、この金属層の厚みは、0.02
μm〜0.2μmとすることが望ましい。この理由は、
0.02μm以上の厚さにすると、層間樹脂絶縁層と導
体回路との密着性を確保することができ、一方、0.2
μm以下であればスパッタリングにより金属層を形成し
た場合に応力が原因となって発生するクラックを防止で
きるだけでなく、導体回路形成後に導体回路間の金属層
をエッチング除去しやすいからである。なお、上記金属
層は、無電解めっき、電解めっき、スパッタリング、蒸
着、CVDなどの方法により形成される。
【0024】次に、本発明にかかる多層プリント配線板
を製造する方法について説明する。 (1)まず、基板の表面に内層銅パターンを形成した内
層導体回路形成基板を作製する。この基板の例として
は、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基板、ビスマレイ
ミド−トリアジン樹脂基板、フッ素樹脂基板、ポリオレ
フィン樹脂基板から選ばれる少なくとも1種を用いる。
この基板への銅パターンの形成は、銅張積層板をエッチ
ングして行う。また、この基板へのスルーホールの形成
は、まずドリルで貫通孔を穿け、この貫通孔の壁面およ
び銅箔表面に無電解めっきを施して形成する。その無電
解めっきとしては銅めっきがよい。なお、ふっ素樹脂基
板のように、めっきのつきまわりが悪い基板の場合は、
有機酸などからなる前処理液(商品名 テトラエッ
チ)、プラズマ処理などの表面改質処理を行うことが好
ましい。上記無電解めっきの後には、厚付けのための電
解めっきを行う。この電解めっきは銅めっきが推奨され
る。
【0025】本発明の好ましい例としては、スルーホー
ル内壁および電解めっき膜の表面を粗化処理する。この
粗化処理は、黒化(酸化)−還元処理、有機酸と第二銅
錯体の混合水溶液をスプレー処理して行うか、銅−ニッ
ケル−りんの針状合金めっきを行って粗化層としたもの
がある。なお、必要に応じてスルーホール内には導電ペ
ーストを充填し、さらにこの導電ペーストを覆う導体層
(スルーホール被覆導体層)を設けてもよく、この導体
層は無電解めっきもしくは電解めっきにて形成する。
【0026】(2)上記(1)の処理を終えた内層導体
回路形成基板上に層間樹脂絶縁層を設ける。まず最初に
接着剤層を形成する。この接着剤層は、未硬化液を塗布
したり、フィルム状の樹脂を加熱加圧してラミネートす
ることにより形成される。なお、このときに、後述する
ように、絶縁剤層の一方の面に接着剤層を形成(ビルド
アップ)しておき、このビルドアップ積層体を接着剤層
側を基板に押しつけて加熱加圧して形成してもよい。つ
いで、上記接着剤層上に絶縁剤層を形成する。この絶縁
剤層の形成は、接着剤層上に未硬化液を塗布したり、フ
ィルム状樹脂を加熱加圧してラミネートすることにより
形成される。また、金属層を設けた樹脂フィルムを加熱
加圧して絶縁剤層としてもよい。さらに、必要に応じこ
の絶縁剤層上にはさらに接着剤層を設けて3層としても
よい。
【0027】(3)次に上記層間樹脂絶縁層に、下層の
導体回路との電気的接続を確保するために絶縁剤層に開
口を設ける。この開口の穿設はレーザ光にて行う。この
とき、使用されるレーザ光は、炭酸ガスレーザ、紫外線
レーザ、エキシマレーザなどがある。レーザ光にて孔穿
けした場合は、デスミア処理を行う。デスミア処理は、
クロム酸、過マンガン酸塩などの水溶液からなる酸化剤
を使用して行うことができ、また酸素プラズマ、CF4
と酸素の混合プラズマやコロナ放電などで処理してもよ
い。特にCF4 と酸素の混合プラズマは、樹脂表面に、
水酸基、カルボニル基、などの親水性基を導入すること
ができるので、後のCVDやPVD処理がしやすいた
め、有利である。
【0028】(4) 開口を形成した層間樹脂絶縁層の
表面に、上述した記第4A族から第1B族で第4〜第7
周期の元素、アルミニウム、すずから選ばれる少なくと
も1種の金属からなる金属層をPVD法やCVD法で形
成する。PVD法としては、スパッタリング、イオンビ
ームスパタリングなどの蒸着法が具体的に挙げられる。
また、CVD法としては、アリルシクロペンタジフェニ
ルパラジウム、ジメチルゴールドアセチルアセテート、
スズテトラメチルアクリロニトリル、ジコバルトオクタ
カルボニルアクリロニトリルなどの有機金属(MO)を
供給材料とするPE−CVD(Plasma Enhanced CVD)な
どが具体的に挙げられる。また、前記層間樹脂絶縁層を
構成する絶縁剤層が、無電解めっき用接着剤であれば表
面粗化を行う。例えば、前述した硬化処理された酸ある
いは酸化剤に可溶性の耐熱性樹脂粒子が、酸あるいは酸
化剤に難溶性の未硬化の耐熱性樹脂中に分散されてなる
無電解めっき用接着剤であれば、酸、酸化剤で処理する
ことにより、耐熱性樹脂粒子が溶解除去されて、表面に
蛸つぼ状のアンカーからなる粗化面を形成する。
【0029】(5)上記(4)において、第4A族から
第1B族で第4〜第7周期の元素、アルミニウム、すず
から選ばれる少なくとも1種の金属からなる金属層を設
けた場合は、次工程の無電解めっき膜と同種の金属層を
スパッタリングなどにより設ける。これは電解めっき膜
との親和性を改善するためにである。具体的には、銅層
をスパッタリングにより設けることが望ましい。
【0030】(6)つぎに、上記金属層上に無電解めっ
きを行う。この無電解めっきは、銅めっきが最適であ
り、0.1〜5μmの厚みとする。この理由は、後に行
う電解めっきの導電層としての機能を損なうことなく、
エッチング除去できるようにするためである。次に、め
っきレジストを形成する。めっきレジストは、感光性ド
ライフィルムをラミネートして露光、現像処理して行
う。次に、無電解めっき膜をめっきリードとして電解め
っきを行い、導体回路を厚付けする。電解めっき膜は、
5〜30μmがよい。
【0031】さらに、めっきレジストを剥離した後、無
電解めっき膜および/またはめっきレジスト下の第4A
族から第1B族で第4〜第7周期の元素、アルミニウ
ム、すずから選ばれる少なくとも1種の金属からなる金
属層をエッチング除去して独立した導体回路とする。そ
のエッチング液としては、硫酸−過酸化水素水溶液、過
硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム
などの過硫酸塩水溶液、塩化第二鉄、塩化第二銅の水溶
液、塩酸、硝酸、熱希硫酸などを使用できる。さらに、
必要に応じて前記(2)〜(6)の工程を繰り返すこと
により多層化したプリント配線板を得る。なお、以上の
説明は、導体回路をセミアディティブ法で形成した例で
あるが、本発明の製造方法としてはフルアディティブ法
を採用することもできる。
【0032】
【実施例】(実施例1) (1)銅箔2の厚さが12μmで、コア基板1の厚さが
0.8mmのBTレジン銅張積層板を出発材料とした
(図1a)。まず、この銅張積層板を硫酸/過酸化水素
水溶液でエッチングして厚さを3μmにした後、ドリル
削孔して開口を設け(図1b)、次に、パラジウム−ス
ズコロイドを付着させ、下記組成で70℃の液温度で3
0分間、無電解めっきを施して、基板全面に0.7μm
の無電解めっき膜を形成した。 [無電解めっき液] EDTA 150 g/l 硫酸銅 20 g/l HCHO 30ml/l NaOH 40 g/l α、α’−ビピリジル 80mg/l PEG 0.1g/l [無電解めっき条件] 70℃の液温度で30分
【0033】ついで、以下の条件で厚付けのための電解
銅めっきを施し、厚さ15μmの電解銅めっき膜を形成
した(図1c)。 [電解めっき液] 硫酸 180 g/l 硫酸銅 80 g/l 添加剤(アトテックジャパン製 商品名カパラシドGL) 1ml/l [電解めっき条件] 電流密度 1A/dm2 時間 30分 温度 室温
【0034】(2)基板を水洗いし、乾燥した後、Na
OH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、N
3PO4 (6g/l)を酸化浴(黒化浴)、NaOH
(10g/l)、NaBH4(6g/l)を還元浴と
し、導体回路、スルーホール3の全表面に粗化層4を設
けた(図1d)。
【0035】(3)そして、銅粒子を含む導電ペースト
5をスクリーン印刷により、スルーホール3内に充填
し、乾燥、硬化させた(図1e)。さらに、#400 のベ
ルト研磨紙(三共理化学製)を用いたベルトサンダー研
磨により、粗化面4およびスルーホール3からはみ出し
たペースト5を除去して、表面を平坦化した。次いで、
前記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くため、厚さ
3μmになるまでバフ研磨を行った。
【0036】(4)前記(3)で平坦化した基板表面
に、常法に従ってパラジウムコロイド触媒を付与してか
ら無電解めっきを施すことにより、厚さ0.6μmの無
電解銅めっき膜6を形成した(図1f)。
【0037】(5)ついで、以下の条件で電解銅めっき
を施し、厚さ15μmの電解銅めっき膜を形成し、導体
層6の厚付け、およびスルーホール3に充填された導電
ペースト5を覆う導体層6を形成した。この導体層6
は、電源層、グランド層として機能するためパターンと
はならず、プレーン状である。 〔電解めっき液〕 硫酸 180 g/l 硫酸銅 80 g/l 添加剤(アトテックジャパン製 商品名カパラシドGL) 〔電解めっき条件〕 電流密度 1A/dm2 時間 30分 温度 室温
【0038】(6)基板1の両面に、厚さ5μmの熱硬
化型ポリオレフィン樹脂シート(住友3M製 商品名
1592)を温度50〜180℃まで昇温しながら圧力
10kg/cm2 で積層して、接着剤層7を設けた(図
2a)。
【0039】(7)さらに、下記〜を混合して絶縁
剤層8用無電解めっき用接着剤を得た。 .クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬
製、分子量2500)の25%アクリル化物を35重量部、感光
性モノマー(東亜合成製、アロニックスM315 )3.15重
量部、消泡剤(サンノプコ製、S−65)0.5 重量部、N
MPを3.6 重量部を攪拌混合した。 .ポリエーテルスルフォン(PES)12重量部、エポ
キシ樹脂粒子(三洋化成製、ポリマーポール)の平均粒
径 1.0μmのものを 7.2重量部、平均粒径 0.5μmのも
のを3.09重量部を混合した後、さらにNMP30重量部を
添加し、ビーズミルで攪拌混合した。 .イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)2重
量部、光開始剤(チバガイギー製、イルガキュア I−
907 )2重量部、光増感剤(日本化薬製、DETX−S)0.
2 重量部、NMP 1.5重量部を攪拌混合した。
【0040】(8)この無電解めっき用接着剤を接着剤
層上にロールコータで塗布し、水平状態で20分間放置し
てから60℃で30分の乾燥を行い、超高圧水銀灯により30
00mJ/cm2で露光し、100 ℃で1時間、その後 150℃で
5時間の加熱処理をすることにより硬化して厚さ30μ
mの絶縁剤層8を積層して層間樹脂絶縁層を形成した
(図2b)。
【0041】(9)波長10.4μmの炭酸ガスレーザ
にて層間樹脂絶縁層に直径50μmの開口9を設けた
(図2c)。
【0042】(10)バイアホール形成用開口9を形成
した基板を、クロム酸に19分間浸漬し、無電解めっき
用接着剤層剤表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除
去して、当該接着剤層の表面を粗化し(粗化面は10で
示す)、その後、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬して
から水洗した(図2d)。
【0043】(11)粗面化処理(粗化深さ3μm)を
行った基板に対し、パラジウム触媒(アトテック製)を
付与することにより、無電解めっき用接着剤を用いた絶
縁剤層8およびバイアホール用開口9の表面に触媒核を
付与した(図3a)。
【0044】(12)以下に示す組成の無電解銅めっき
浴中に基板を浸漬し、粗面全体に厚さ0.6μmの無電解
銅めっき膜を形成した。このとき、めっき膜が薄いため
無電解めっき膜表面に凹凸が観察された。 〔無電解めっき水溶液〕 EDTA 150 g/l 硫酸銅 20 g/l HCHO 30 ml/l NaOH 40 g/l α、α’−ビピリジル 80 mg/l PEG 0.1 g/l [無電解めっき条件〕 70℃の液温度で30分
【0045】(13)市販の感光性ドライフィルムを無
電解銅めっき膜に張り付け、マスクを載置して、100 mJ
/cm2 で露光、 0.8%炭酸ナトリウムで現像処理し、厚
さ15μmのめっきレジストを設けた(図3b)。
【0046】(14)次いで、10〜35℃の水で基板を水
洗した後、以下の条件にて電解銅めっきを施し、厚さ15
μmの電解銅めっき膜13を形成した(図3c)。 [電解めっき水溶液〕 硫酸銅 180 g/l 硫酸銅 80 g/l 添加剤(アドテックジャパン製、商品名:カパラシドGL) 1 ml/l 〔電解めっき条件〕 電流密度 1A/dm2 時間 30分 温度 室温
【0047】(15)そして、めっきレジスト12を5
%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト12下
の無電解めっき膜を硫酸と過酸化水素の混合液を用いる
エッチングにて溶解除去し、無電解銅めっき膜と電解銅
めっき膜からなる厚さ15μmの導体回路14(バイアホ
ールを含む)を形成した(図3d)。
【0048】(実施例2) (1)実施例1の(1)〜(6)を実施した。 (2)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬
製、分子量2500)を35重量部、消泡剤(サンノプコ製、
S−65)0.5 重量部、ポリエーテルスルフォン(PE
S)12重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4M
Z-CN)2重量部、NMP30重量部を混合した樹脂液をポ
リエチレンテレフタレートフィルムに塗布し、60℃で30
分の乾燥を行い、絶縁樹脂フィルムを調製した。 (3)(1)の基板上に上記樹脂フィルムを積層し、温
度50〜180℃まで昇温しながら圧力10kg/cm2
加熱加圧して、絶縁剤層8を設けた。 (4)基板の両面に、厚さ5μmの熱硬化型ポリオレフ
ィン樹脂シート(住友3M製:商品名 1592)を温
度50〜180℃まで昇温しながら圧力10kg/cm2
積層して、接着剤層7’を設けて、層間樹脂絶縁層を形
成した。 (5)実施例1と同様にして上記層間樹脂絶縁層に炭酸
ガスレーザでバイアホール用開口を設けた。 (6)Niをターゲットにしたスパッタリングを、気圧
0.6Pa、温度100℃、電圧200W、時間5分間
の条件で行い、Ni薄膜を上記層間樹脂絶縁層表面に形
成した。スパッタリングのための装置は、日本真空技術
株式会社製のSV−4540を使用した。形成されたN
i金属層15の厚さは、0.1μmであった。 (7)前記処理を終えた基板に対して、さらに厚さ0.
05μmのCuをスパッタした。条件は、Cuをターゲ
ットにして気圧0.5Pa、温度100℃、電圧200
W、時間1分間であった。ついで無電解銅めっきを施
し、厚さ0.7μmの無電解銅めっき膜を形成した。 (8)前記銅層を形成した基板の両面に、市販の感光性
ドライフィルムを張りつけ、フォトマスクフィルムを載
置して、100mJ/cm2 で露光、0.8%炭酸ナトリウ
ムで現像処理し、厚さ15μmのめっきレジストを設け
た。 (9)さらに前記電解めっきを施して、厚さ15μmの
電解めっき膜を形成し、導体回路の厚付け、およびバイ
アホールのめっき充填を行った。 (10)めっきレジストを5%KOHで剥離除去した
後、硫酸と過酸化水素混合液および硝酸と塩酸の混合液
でエッチングを行い、めっきレジスト下の銅、ニッケル
膜を溶解除去して無電解銅めっき膜と電解銅めっき膜か
らなる厚さ16μmの導体回路16(バイアホールを含
む)を形成した(図4)。
【0049】(実施例3)実施例1と同様であるが、
(1)〜(4)の工程の後、めっきレジストを設け、
(5)を実施し、さらにめっきレジストを除去して、硫
酸/過酸化水素水で無電解めっき膜を除去して独立した
導体パターンとし、この基板の両面に、厚さ5μmの熱
硬化型ポリオレフィン樹脂シート(住友3M製:商品名
1592)を温度50〜180℃まで昇温しながら圧
力10kg/cm2 で積層して、導体パターンに追従する接
着剤層を設けた(図5)。
【0050】(比較例1)実施例1と同様であるが、接
着剤の厚みを50μmとし、層間樹脂絶縁層の厚さを1
80μm、バイアホール用開口を200μmとした。
【0051】(比較例2)実施例1と同様であるが、接
着剤層の厚みを0.5μmとし、層間樹脂絶縁層の厚さ
を10μm、バイアホール用開口を30μmとした。
【0052】(比較例3)実施例1と同様であるが、接
着剤層の厚みを1.0μmとし、層間樹脂絶縁層の厚さ
を30μm、バイアホール用開口を50μmとした。と
した。
【0053】(比較例4)実施例1と同様であるが、接
着剤層の厚みを9μmとし、層間樹脂絶縁層の厚さを3
0μm、バイアホール用開口を50μmとした。とし
た。
【0054】(実施例、比較例の評価)実施例、比較例
で得られた多層プリント配線板について、−55℃〜1
25℃(各3分)で1000サイクルの条件でのヒート
サイクル(HC)試験を行い、導体層(上・下層導体回
路)と層間樹脂絶縁層との剥離の有無、50GHzおよ
び500GHzの信号を伝搬させた場合のノイズの有無
を測定した。ノイズの有無の測定は、入力波形と出力波
形をIWATSU製SS−570Sシンクロスコープに
て観察することにより行った。その結果を表1に示す。
表1に示すとおり、実施例1、2、3については100
0サイクルのヒートサイクル試験を行っても導体層の剥
離は観察されなかったが、比較例1〜4はいずれも剥離
が発生した。また、500GHzの高周波特性について
の試験では、層間樹脂絶縁層としてポリエチレンテレフ
タレートフィルムおよびポリオレフィン樹脂シートを用
いたものでは特に優れた効果が認められた。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明のプリント配
線板によれば、導体回路と層間樹脂絶縁層との剥離が生
じることなく、高周波帯域下での使用に当たってもノイ
ズの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1にかかる多層プリント配線板の製造工
程を示す模式図である。
【図2】実施例1にかかる多層プリント配線板の製造工
程を示す模式図である。
【図3】実施例1にかかる多層プリント配線板の製造工
程を示す模式図である。
【図4】実施例2にかかる多層プリント配線板の構造模
式図である。
【図5】実施例3にかかる多層プリント配線板の構造模
式図である。
【符号の説明】 1 コア基板 2 銅箔 3 スルーホール 4 粗化層 5 導電ペースト 6 導体層 7、7’ 接着剤層 8 絶縁剤層 9 バイアホール形成用開口 10 粗化層 11 触媒核 12 めっきレジスト 13 電解銅めっき膜 14 導体回路 15 Ni金属層 16 導体回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅井 元雄 岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1−1 イビデ ン株式会社内 Fターム(参考) 5E343 AA02 AA07 AA12 AA38 BB05 BB15 BB24 BB71 BB72 CC33 CC62 DD02 DD33 DD43 EE37 ER02 ER16 ER18 GG02 GG04 5E346 AA02 AA06 AA12 AA15 AA16 AA23 BB01 CC08 CC09 CC10 CC31 CC41 DD02 DD03 EE33 EE38 FF02 FF07 GG02 GG15 GG17 GG22 GG23 GG27 HH01 HH11 HH18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内層導体回路形成基板上に設けられた層
    間樹脂絶縁層を介して上層の導体回路が形成された多層
    プリント配線板において、 前記層間樹脂絶縁層を、基板上の前記内層導体回路と接
    する側に位置する接着剤層と、その接着剤層上に設けら
    れた絶縁剤層とで構成すると共に、その接着剤層の厚さ
    を1μm以上、50μm未満にしたことを特徴とする多
    層プリント配線板。
  2. 【請求項2】 内層導体回路形成基板上に設けられた層
    間樹脂絶縁層を介して上層の導体回路が形成された多層
    プリント配線板において、 前記層間樹脂絶縁層を、基板上の前記内層導体回路と接
    する側に位置する接着剤層と、その接着剤層上に設けら
    れた絶縁剤層とで構成すると共に、その接着剤層の厚さ
    を、層間樹脂絶縁層の全体の厚さの5%以上、30%未
    満にしたことを特徴とする多層プリント配線板。
  3. 【請求項3】 内層導体回路形成基板上に設けられた層
    間樹脂絶縁層を介して上層の導体回路が形成された多層
    プリント配線板において、 前記層間樹脂絶縁層を、基板上の前記内層導体回路と接
    する側に位置する接着剤層と、その接着剤層上に設けら
    れた絶縁剤層とで構成すると共に、その接着剤層を、前
    記内層導体回路形成基板の表面形状に合わせて凹凸状に
    形成していることを特徴とする多層プリント配線板。
  4. 【請求項4】 前記接着剤層は、極性基を有するポリオ
    レフィン系樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1に記載の多層プリント配線板。
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