JP2000187814A - 複合型磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

複合型磁気ヘッドおよびその製造方法

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JP2000187814A
JP2000187814A JP10362122A JP36212298A JP2000187814A JP 2000187814 A JP2000187814 A JP 2000187814A JP 10362122 A JP10362122 A JP 10362122A JP 36212298 A JP36212298 A JP 36212298A JP 2000187814 A JP2000187814 A JP 2000187814A
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magnetic
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antiferromagnetic
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JP10362122A
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English (en)
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Haruhiko Deguchi
治彦 出口
Tomohisa Komoda
智久 薦田
Masashi Michijima
正司 道嶋
Hitoshi Isono
仁志 磯野
Keiya Nakabayashi
敬哉 中林
Masanori Kiyouho
昌則 享保
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気抵抗効果膜を再生ヘッドとして有する1
ギャップ構造の複合型磁気ヘッドにおいて、記録用磁界
による磁気抵抗効果膜の特性劣化を抑制できる複合型磁
気ヘッドおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 記録ヘッド10の磁気ギャップ3、7内
に磁気抵抗効果膜12を配置する。磁気抵抗効果膜12
の両端部に磁区制御層5をそれぞれ設ける。磁区制御層
5は、第一の反強磁性体層51あるいは強磁性体層52
と第一の反強磁性体層51との積層構造を有する。第一
の反強磁性体層51によって、磁気制御層5による磁気
抵抗効果膜12における磁区制御を安定化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
等に用いられる、磁気抵抗効果膜を有する再生用磁気ヘ
ッドと、巻線型の記録用磁気ヘッドからなる、複合型磁
気ヘッド、およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク装置等の磁気記録再
生装置において、記録密度の増加に伴い、再生ヘッドに
異方性磁気抵抗効果や巨大磁気抵抗効果を応用した磁気
抵抗効果膜を用い、巻線型の薄膜記録ヘッドと複合した
構造の記録再生ヘッドが開発されている。
【0003】この記録再生ヘッドは、磁気抵抗効果膜を
軟磁性体からなるシールド層で挟んだ構造のシールド型
ヘッドと、このシールド層を一方の磁気コアとして用い
る巻線型の薄膜ヘッドが積層された、いわゆる2ギャッ
プ構造が一般的である。
【0004】ところが、この2ギャップ構造では、記録
用ギャップと、再生用ギャップとが分離しており、記録
ヘッドの記録用ギャップと、再生ヘッドの再生用ギャッ
プとが記録媒体の相対移動方向に沿って、シールド層の
厚さとギャップ長の和の距離(L)だけ少なくとも離間
することになる。
【0005】よって、磁気記録再生装置、例えば磁気デ
ィスク装置においては、再生ヘッドと記録ヘッドとの離
間によって、特に高密度記録のようにトラック幅が小さ
い場合に、下記に詳述するように、記録再生に不都合を
生じるという問題を生じている。
【0006】すなわち、記録再生ヘッドは、記録媒体と
しての磁気ディスクの記録面を走査するためのスライダ
ー端面に作製され、記録・再生時、磁気ディスク上を浮
上して移動し、磁気ディスク上の所定の位置において記
録再生を行うものである。この記録再生ヘッドを搭載し
たスライダーは通常ボイスコイルモータによって回転駆
動されるサスペンション上に取り付けらている。よっ
て、スライダー端面の記録再生ヘッドは磁気ディスク上
を磁気ディスクの略半径方向に沿って円弧状に移動す
る。
【0007】このとき、上記2ギャップ構造の記録再生
ヘッドにおいては、上述したように、記録ヘッドと再生
ヘッドの各ギャップが距離(L)だけ離間しているた
め、スライダーの移動に伴うサスペンションの回転によ
って記録ヘッドと再生ヘッドとが操作する各トラック位
置が概ねD=L・sin θだけ、ずれること(不一致)と
なる(θはサスペンションの回転角)。
【0008】通常、再生ヘッドのシールド層としては2
〜5μm体の厚さのNiFe、FeAlSi、CoZrNbなどの軟磁性
膜が用いられるので、少なくともミクロンオーダーのト
ラックの走査ずれが生じる。このようなトラックの走査
ずれは、トラック幅が十分に大きく、数ミクロンのトラ
ックの走査ずれが許容される磁気ディスク装置において
は問題にならない。
【0009】しかしながら、トラック幅がサブミクロン
オーダーの高密度記録を行う磁気ディスク装置において
は、このトラックの走査ずれは、記録・再生の安定性に
対し大きな問題となる。
【0010】さらに、磁気ディスク装置の小型化に伴っ
て記録再生ヘッドからサスペンション回転中心までの距
離が短くなると、磁気ディスクの外周部から内周部まで
記録再生ヘッドを移動させるためにサスペンションの回
転角θを大きく設定する必要があり、さらにトラックの
走査ずれが大きくなる。すなわち、上記2ギャップ構造
の記録再生ヘッドにおいては、磁気記録再生装置の狭ト
ラック化(記録の高密度化)、小型化に対して大きな問
題を有している。
【0011】一方、このような問題を、記録再生ヘッド
の構造から解決するために、記録ヘッドの磁気ギャップ
内に磁気抵抗効果膜を再生ヘッドとして配置し、記録ヘ
ッドの磁気コアが再生ヘッドの磁気シールド層を兼ねる
構造のいわゆる1ギャップ構造の磁気ヘッドが提案され
ている。
【0012】この1ギャップ構造の記録再生ヘッドで
は、記録ヘッドの記録用磁気ギャップの中心位置と再生
ヘッドの再生用磁気ギャップの中心位置とを互いに略同
一の位置に設定できるため、前記のようなトラックの走
査ずれの問題を回避できて、狭トラック化、小型化に適
しており、高密度記録を行う磁気記録再生装置において
有利である。
【0013】特開平7−110920号公報には、この
ような1ギャップ構造の記録再生ヘッドが開示されてい
る。上記記録再生ヘッドでは、磁気抵抗効果膜に記録用
磁界が印加されることによって、磁気抵抗効果膜が磁化
され、これによって発生する磁区による問題点を抑制す
るために、磁気抵抗効果膜の奥行き方向の長さを、記録
ヘッドのギャップ深さより、小さく設定することで、磁
気抵抗効果膜における磁区の制御を安定化している。
【0014】上記公報に記載の従来の1ギャップ構造の
記録再生ヘッドについて、以下に説明する。記録再生
時、上記記録再生ヘッドにおける、記録媒体に対面する
面(以下、ABS面という)に対し垂直な(直交する)
方向の断面を図17に示す。
【0015】上記記録再生ヘッドは、図17に示すよう
に、ガラス、Si、あるいはAl23 −TiC焼結体
からなる基板70上に、Al2 3 またはSiO2 など
からなる下部絶縁層71を介して、記録再生ヘッドにお
ける記録ヘッド75の下部磁気コアと、記録再生ヘッド
における再生ヘッド76の下部シールド層を兼ねるNi
Fe、FeAlSi等の軟磁性膜からなる下部磁性層7
2が所定の形状で配置されている。
【0016】下部磁性層72上には、Al2 3 または
SiO2 などからなる層間絶縁層74に被覆されたCu
やAlなどの導電性材料からなる導体巻線層80が形成
されている。この層間絶縁層74の一部は、ABS面8
3に露出しており、磁気ギャップ73、77となってい
る。
【0017】この層間絶縁層74上には、記録ヘッド7
5の後端部において、下部磁性層72と磁気的に結合
し、かつ上記導体巻線層80と鎖交するように構成され
た上部磁性層78が形成されている。この上部磁性層7
8は、NiFe、CoZrNbなどの軟磁性材料からな
り、記録ヘッド75の上部磁気コアと再生ヘッド76の
上部シールド層とを兼ねている。
【0018】さらに、上部磁性層78上には、Al2
3 またはSiO2 などの絶縁材料からなる保護層79が
形成されている。一方、磁気ギャップ73、77には、
層間絶縁層74に被覆されて、磁気抵抗効果膜である再
生ヘッド76が配置されている。
【0019】記録媒体に対面するABS面83におい
て、上記再生ヘッド76における、記録媒体の走査方向
に対し垂直な方向の断面を図18に示す。上述したよう
に、再生ヘッド76は、記録ヘッド75の各磁気コアを
兼ねる上部および下部磁性体層78、72間に、各磁気
ギャップ73、77を介して配置されている。
【0020】上記再生ヘッド76は、所定のストライプ
形状に加工された磁気抵抗効果薄膜82と、その磁気抵
抗効果薄膜82の両端部にそれぞれ設けられた磁区制御
層85と、各磁区制御層85上にそれぞれ設けられた電
極層86とを有している。磁区制御層85は、再生ヘッ
ド76の磁区を制御し、バルクハウゼンノイズを抑制す
るためにCoPtやCoCrPt等の硬磁性材料からな
っている。電極層86は、磁気抵抗効果薄膜82の磁気
抵抗効果による抵抗変化を検出するためにCuやAlな
どの導電性材料からなっている。
【0021】ところで、磁区制御層85の材料に関して
は、前述した公報に記載の、1ギャップ構造の記録再生
ヘッドにおいて特に考慮されていないが、現在、多く製
造されている2ギャップ構造の記録再生ヘッドにおい
て、このような磁区制御層85としては、CoPtやC
oCrPtなどの保磁力(Hc)が大きい硬磁性材料を
用いるのが一般的である。
【0022】ところが、1ギャップ構造の記録再生ヘッ
ドにおいて、図18に示すように、記録を行う際に発生
する記録用磁界81は、図18の破線にて示すようにな
り、上部および下部磁性体層78、72の対向部におい
ては、下部磁性体層72から上部磁性体層78に対し磁
気抵抗効果薄膜82を垂直に横切るように生じる。
【0023】しかしながら、上部磁性層78の端部にお
いては、記録用磁界81は、左右(外方)に広がりなが
ら上記磁区制御層85を斜めに横切る。つまり、上記磁
区制御層85には、面内方向の成分を有する磁界が印加
されることになる。記録用磁界81は高い周波数で磁界
の方向が変転するため、上記磁区制御層85に印加され
る記録用磁界81の面内成分もこれに伴って反転を繰り
返すことになる。
【0024】図19は、上記磁区制御層85に用いられ
る硬磁性材料のMH曲線の一例である。上記硬磁性材料
を一旦、正方向に保磁力(Hc)以上の磁界を印加して
着磁すると、磁界を取り除いても残留磁化(Mr)を有
し、反対方向に、−Hcの磁界を印加するまで、正方向
の磁界を発生する。磁区制御層85は、上記残留磁化
(Mr)によって、外部磁界の無印加時に、磁気抵抗効
果薄膜82における磁区発生を抑制する。
【0025】通常、CoPtやCoCrPtなどの硬磁
性材料は、2000エルステッド(Oe )程度の保磁力
(Hc)を有している。一方、磁気記録再生装置の記録
密度の増大に伴って、記録媒体の保磁力(Hc)も増大
している。このような高保磁力な記録媒体を磁化するた
めに、記録ヘッド75の磁気コアとしての上部および下
部磁性体層78、72には、2T程度の高い飽和磁束密
度(Bs)を有する材料が要求されている。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】このような高飽和磁束
密度の材料を用いて、磁気ギャップ73、77近傍の記
録用磁界81を大きくすると、上述した磁区制御層85
へ印加される磁界の面内成分も増大し、その磁界の絶対
値が磁区制御層85の保磁力(Hc)を超える危険性が
高くなる。
【0027】例えば図19に示したように、絶対値が磁
区制御層85の保磁力(Hc)を超える面内磁界±Hw
が印加された場合、磁区制御層85の磁化状態は「a」
点に移動し、面内磁界を取り除いた時、−Mr' の残留
磁化状態となる。
【0028】すなわち、記録用磁界81によって磁区制
御層85の残留磁化の絶対値が、MrからMr' に減少
する。このとき、図18から判るように、再生ヘッド7
6の各端部の磁区制御層85にはそれぞれ逆方向の面内
磁化が印加されるため、磁区制御層85の残留磁化が逆
方向となる。このことから、磁気抵抗効果薄膜82に対
し、磁区制御層85から印加される磁界が逆方向となる
ので、磁区制御が不可能となり、再生ヘッド76におい
て再生時のノイズが大幅に増加するという問題点を有し
ている。
【0029】さらに、上記1ギャップ構造の記録再生ヘ
ッドでは、上述したように、再生ヘッド76は、記録ヘ
ッド75の磁気ギャップ73、77内に、記録媒体との
対向面であるABS面83に露出して形成されているた
め、磁区制御層85に硬磁性材料を用いた場合、硬磁性
材料からの漏洩磁界によって、記録媒体に記録された磁
化が消磁あるいは減磁され、記録情報が記録媒体から消
失する危険性が高いという問題点も有している。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するためになされたものであり、記録ヘッドの磁気
ギャップ内に磁気抵抗効果膜が再生ヘッドとして配置さ
れた複合型磁気ヘッドにおいて、磁気抵抗効果膜の端部
に配置された磁区制御層を反強磁性体層あるいは強磁性
体層と反強磁性体層との積層構造とし、反強磁性体層と
強磁性体層の交換結合磁界を利用して磁気抵抗効果膜の
磁区を制御するものである。
【0031】また、本発明では、磁気抵抗効果膜に対し
て、スピンバルブ構造のGMR膜(Giant MagnetoResis
tive)素子を用いた場合には、再生感度を高めるため
に、GMR膜の固定磁化層(ピン層)と反強磁性体から
なるピン止め層との交換結合磁界の向きと、上記磁区制
御層の交換結合磁界の向きを互いに略垂直となるように
設定することが、磁気抵抗効果膜における、記録媒体か
らの記録磁界の方向変化に対する抵抗変化率を最も大き
くできるので好ましい。
【0032】そこで、本発明の複合型磁気ヘッドの製造
方法では、ピン止め層と磁区制御層に用いる各反強磁性
体層のブロッキング温度を互いに異なるように設定する
ことによって、それぞれの交換結合磁界の方向を簡便な
方法にて互いに略垂直となるように設定している。
【0033】すなわち、本発明にかかる請求項1に記載
の複合型磁気ヘッドは、前記の課題を解決するために、
記録用磁気ヘッドが設けられ、記録用磁気ヘッドの磁気
ギャップ内に、再生用磁気ヘッドが磁気抵抗効果膜を有
して設けられ、磁気抵抗効果膜の磁区を制御するための
磁区制御層が、第一の反強磁性体層を有して設けられて
いることを特徴としている。
【0034】上記構成によれば、磁区制御層の第一の反
強磁性体層と磁気抵抗効果膜の一部とが交換結合してい
るので、記録するときの記録用磁気ヘッドからの記録用
磁界により、第一の反強磁性体層と交換結合した部分の
磁気抵抗効果膜の磁化状態が変化しても、記録用磁気ヘ
ッドからの記録用磁界の印加が停止すると、上記第一の
反強磁性体層と交換結合した部分の磁気抵抗効果膜の磁
化は、第一の反強磁性体層により元の磁化状態に戻る。
【0035】このため、上記構成では、上記第一の反強
磁性体層を有する磁区制御層による、磁気抵抗効果膜に
おける磁区の制御(単磁区とする)を安定化できるの
で、再生時における磁区の制御の不安定化によるバルク
ハウゼンノイズの発生を回避できる。
【0036】したがって、上記構成は、上記第一の反強
磁性体層を設けたことによって、外部磁界つまり記録媒
体からの記録磁界の変化に応じた、磁気抵抗効果膜にお
ける磁区の方向の変化を安定化できて、磁気抵抗効果膜
を有する再生用磁気ヘッドによる再生を、より一層安定
化することが可能となるので、良好な再生特性を発揮で
きる。
【0037】また、上記構成では、磁区制御層に対し、
第一の反強磁性体層を用いたことによって、硬磁性材料
を用いる必要がないので、上記硬磁性材料による、記録
媒体における記録情報への悪影響を回避できる。
【0038】上記の構成において、上記磁区制御層は、
さらに、上記第一の反強磁性体層に積層された強磁性体
層を有していることが好ましい。上記構成では、記録す
るときの記録用磁気ヘッドからの記録用磁界により、第
一の反強磁性体層に積層された強磁性体層の磁化状態が
変化しても、記録用磁気ヘッドからの記録用磁界の印加
が停止すると、上記強磁性体層の磁化は、第一の反強磁
性体層との交換結合により元の磁化状態に戻る。このた
め、上記構成では、第一の反強磁性体層と強磁性体層の
交換結合磁界を利用して磁気抵抗効果膜の磁区をより一
層安定に制御することができる。
【0039】また、上記磁気抵抗効果膜は、外部磁界の
磁界方向の変化に対して磁区の方向が変化する第1磁性
層、導電性の非磁性層、外部磁界の磁界方向の変化に対
して磁区の方向が一定となっている第2磁性層、およ
び、第2磁性層の磁区の方向を一定に維持するための第
二の反強磁性体層を有していることが望ましい。
【0040】上記構成では、上記磁気抵抗効果膜は、上
記の第1磁性層、非磁性層、第2磁性層および第二の反
強磁性体層を有することにより、巨大磁気抵抗効果を発
揮できるので、磁界の変化による磁気抵抗の変化をより
大きくなるように設定できる。これにより、上記構成で
は、より高密度に記録された磁気記録情報に対しても、
良好な再生特性を備えることができるので、より高密度
記録に対応できる。
【0041】さらに、上記第二の反強磁性体層と第一の
反強磁性体層とが、それぞれ、ブロッキング温度が相異
なっていることが好ましい。上記構成よれば、第一およ
び第二の各反強磁性体層のブロッキング温度が互いに異
なるように設定されているので、第2磁性層である固定
磁化層(ピン層)と反強磁性体層からなるピン止め層と
の交換結合磁界の向きと、上記磁区制御層の交換結合磁
界の向きを互いに略垂直となるように設定することがで
きる。これにより、上記構成では、磁気抵抗効果膜にお
ける、再生感度を高めることができて、より一層高密度
記録に対応することが可能となる。
【0042】その上、上記第一および第二の各反強磁性
体層の少なくとも一方は、磁界中の熱処理により反強磁
性に転移するものであることが望ましい。上記構成によ
れば、反強磁性に転移する温度である規則化温度は、反
強磁性に転移した反強磁性体層が有するブロッキング温
度より低くなる。これにより、上記構成では、ブロッキ
ング温度より低い規則化温度の熱処理で、より高温のブ
ロッキング温度以上の熱処理と同様の効果が得られるた
め、磁気抵抗効果膜に対する熱処理によるダメージを低
減できる。
【0043】上記第一および第二の各反強磁性体層は、
MnとPtとを主成分とする合金あるいはMnとRuと
を主成分とする合金であることが好ましく、上記Mnと
Ptとを主成分とする合金中のPt組成比は、4〜19
at%あるいは32〜50at%であることが望まし
い。上記MnとRuとを主成分とする合金中のRu組成
比は、4〜36at%であることが好ましい。
【0044】上記の構成によれば、第一および第二の各
反強磁性体層に用いた、MnPt合金およびMnRu合
金は、高い交換結合磁界を発生することが可能であり、
さらに、これらの合金は、FeMn合金等に比して耐食
性が優れているので、交換結合膜の信頼性を高くするこ
とが可能となる。
【0045】また、上記構成では、MnPt合金中のP
t組成比を、4〜19at%あるいは32〜50at
%、同様に、MnRu合金中のRu組成比を、4〜36
at%とすることにより、高い交換結合磁界を得ること
が可能となり、磁気抵抗効果膜の再生動作を安定化でき
る。なお、このat%とは、原子%のことである。
【0046】本発明の複合型磁気ヘッドの製造方法は、
前述の課題を解決するために、上記に記載の複合型磁気
ヘッドの製造方法であって、反強磁性体層に対し、印加
磁界の方向を変化させながら、反強磁性体層のブロッキ
ング温度に基づいた熱処理を行う工程を含むことを特徴
としている。
【0047】上記製造方法では、Tb1 >Tb2 なる関
係の各ブロッキング温度Tb1 、Tb2 をそれぞれ備え
る第一および第二の各反強磁性体層に対し、第1の方向
に磁界を印加しながらTb1 以上の温度で所定時間保持
する工程と、上記磁界を印加しながらTb1 未満、かつ
Tb2 以上の温度まで冷却する工程と、Tb1 未満、か
つTb2 以上の温度で磁界の方向を上記第1の磁界の方
向に対して略垂直な第2の方向に変化させ所定時間保持
する工程と、この第2の方向の磁界を印加しながらTb
2 未満の温度まで冷却する工程を含んでいてもよい。
【0048】さらに、上記製造方法では、Td>Tb2
なる関係の、磁界中での熱処理によって反強磁性に転移
する一方の反強磁性体層を反強磁性に転移させる温度
(規則化温度:Td)と、他方の反強磁性体層のブロッ
キング温度Tb2 とを備える第一および第二の各反強磁
性体層に対して、第1の方向に磁界を印加しながらTd
の温度以上で所定時間保持する工程と、Tb2 以上の温
度で磁界の方向を上記第1の磁界の方向を上記第1の磁
界の方向に対して略垂直な第2の方向に変化させ所定時
間保持する工程と、この第2の方向の磁界を印加しなが
ら、Tb2 未満の温度まで冷却する工程を含んでいても
よい。
【0049】その上、上記製造方法では、Tb4 >Tb
2 >Tdなる関係の、磁界中での熱処理によって反強磁
性に転移する一方の反強磁性体層を反強磁性に転移させ
る温度(規則化温度:Td)と、反強磁性に転移した上
記反強磁性体層のブロッキング温度Tb4 と、他方の反
強磁性体層のブロッキング温度Tb2 とを備える第一お
よび第二の各反強磁性体層に対して、第1の方向に磁界
を印加しながらTdの温度以上で所定時間保持する工程
と、Tb4 未満、かつTb2 以上の温度に設定する工程
と、Tb4 未満、かつTb2 以上の温度で磁界の方向を
上記第1の磁界の方向に対して略垂直な第2の方向に変
化させ所定時間保持する工程と、この第2の方向の磁界
を印加しながらTb2 未満の温度まで冷却する工程を含
んでいてもよい。
【0050】上記方法によれば、第2磁性層である固定
磁化層(ピン層)と第二の反強磁性体層であるピン止め
層との交換結合磁界の向きと、上記磁区制御層の交換結
合磁界の向きとを互いに略垂直なように設定すること
を、第一および第二の各反強磁性体層の各ブロッキング
温度を考慮した上記熱処理によって簡便にできる。
【0051】これにより、上記方法では、上記の設定に
よって再生感度を高めることができるので、より一層高
密度記録に対応でき、かつ、良好な再生特性を備える磁
気抵抗効果膜を有する複合型磁気ヘッドを安定に、かつ
簡便に製造できる。
【0052】
【発明の実施の形態】〔第一の実施の形態〕本発明の第
一の実施形態について以下に説明する。まず、図1は、
本実施の形態にかかる複合型磁気ヘッドを示す構造図
(概略構成図)である。複合型磁気ヘッドでは、ヘッド
用基板として、表面にAl2 3 が形成されたAl2
3 −TiC焼結体からなる基板1上に、例えば3μmの
膜厚のFeAlSiからなる下部磁性層2が、記録ヘッ
ド10の一方の磁気コアおよび再生ヘッドの一方のシー
ルド層として形成されている。下部磁性層2上には、膜
厚1000ÅのAl2 3 からなる下部ギャップ層3が
形成されている。
【0053】さらに、下部ギャップ層3上に、再生ヘッ
ド14としての、磁気異方性(AMR:Anistropic Mag
netResistive)を有する磁気抵抗効果膜12が、膜厚3
00ÅのNiFeからなる層を有してストライプ状(帯
状)設けられている。磁気抵抗効果膜12は、その長手
方向が記録媒体の走査方向に対し略垂直な方向つまりト
ラック幅方向に、磁気抵抗効果膜12の厚さ方向が、上
記走査方向に対し略平行に、かつ、磁気抵抗効果膜12
の短手方向が、複合型磁気ヘッドの走査面であるABS
面13に対し略垂直な方向となるように設定されてい
る。
【0054】また、磁気抵抗効果膜12の長手方向両端
部には、それぞれ、一対の磁区制御層5が磁気抵抗効果
膜12に接して形成されている。磁区制御層5は、磁気
抵抗効果膜12における磁区の生成を制御(つまり単磁
区に制御)するためのものであり、膜厚200ÅのMn
PtあるいはMnRuからなる第一の反強磁性体層5
1、または上記第一の反強磁性体層51と膜厚70Åの
NiFe等の強磁性体層52との積層構造を有してい
る。
【0055】これら各磁区制御層5上に、膜厚500Å
のCuからなる一対の電極層6がそれぞれ形成されてい
る。複合型磁気ヘッドの再生ヘッド14(再生用磁気ヘ
ッド)は、磁気抵抗効果膜12、各磁区制御層5および
各電極層6を有するものである。
【0056】さらに、磁気抵抗効果膜12、磁区制御層
5および電極層6を覆うように、膜厚1000ÅのAl
2 3 からなる上部ギャップ層7が形成されている。本
発明の複合型磁気ヘッドでは、後述する上部磁性層8が
形成される前に、磁区制御層5に対し、トラック幅方向
(記録媒体の走査方向に対し略垂直な、かつ、記録媒体
の記録面の走査面であるABS面13と略平行な方向)
に磁界を印加し、200℃以上で、所定時間、熱処理を
行うことが好ましい。
【0057】さらに、上部ギャップ層7上に、例えば膜
厚3μmのNiFe層からなる上部磁性層8が形成され
ている。この上部磁性層8は、複合型磁気ヘッドの後端
部(ABS面13に対し対向する反対側)において、下
部磁性層2と接触して、磁気的に結合している。
【0058】また、図示しないが、下部磁性層2と上部
磁性層8の間には、下部ギャップ層3および上部ギャッ
プ層7からなる絶縁層により被覆された導体巻線層(図
示せず)が下部磁性層2と上部磁性層8とに対しそれぞ
れ鎖交するように形成されている。前記下部磁性層2、
下部ギャップ層3、上部ギャップ層7、上部磁性層8お
よび導体巻線層により、複合型磁気ヘッドの記録ヘッド
10が記録用磁気ヘッドとして形成されている。さら
に、上部磁性層8上に、膜厚30μmのAl2 3 から
なる保護層(図示せず)が形成されている。
【0059】前述した、磁区制御層5に対する熱処理
は、磁区制御層5に用いた反磁性体の交換結合磁界の方
向を、ABS面13に対し略平行で、かつ、例えばトラ
ック幅方向に設定するためのもので、後述するように、
Mn−32at%〜50at%Ptでは、例えば250
℃で4時間から8時間、Mn−4at%〜19at%P
t、あるいはMn−4at%〜36at%Ruであれ
ば、それぞれのブロッキング温度に応じた温度で30分
間から1時間の熱処理が望ましい。
【0060】この熱処理は、Mn−32at%〜50a
t%Ptでは、交換結合の発現に必要なもので、Mn−
4at%〜19at%Pt、および、Mn−4at%〜
36at%Ruでは、磁区制御層5を形成した後の工程
において、複合型磁気ヘッドの温度が上昇することによ
り分散する交換結合磁界の方向を一方向にそろえる効果
を有するものである。言い換えると、上記の各合金は、
磁界の印加した状態で、加熱することにより交換結合磁
界の方向を制御できるものである。
【0061】また、上記熱処理は、磁区制御層5の形成
工程より後の工程であれば、何れの段階で行われてもよ
いが、望ましくは上部ギャップ層7の形成から上部磁性
層8を形成するまでの工程において行われるのが適当で
ある。
【0062】図2において反強磁性体と強磁性体とを積
層したときの強磁性体のMH曲線の一例を示す。図から
判るように、強磁性体と反強磁性体との界面において、
それぞれの磁気モーメントが交換結合することによっ
て、強磁性体のMH曲線が一方向に大きくバイアスさ
れ、外部磁界を除去した状態では曲線の「a」にて示す
位置にあり、Meの大きさの磁化を有している。このと
きのバイアス量Hexを交換結合磁界とよび、反強磁性
体を磁区制御層5に用いる場合、交換結合磁界の方向は
トラック幅方向に設定されている。
【0063】ここで上述したように記録時には磁区制御
層5を記録用磁界が斜めに横切り、記録用磁界の面内成
分は図2において±Hwが印加されるが、このような交
換結合によってシフトしたMH曲線では、記録用磁界に
よってMH曲線のいずれかの位置に変化した磁化状態で
あっても、記録用磁界を除いたときには必ず「a」の位
置に戻り、Meの磁化を有する。
【0064】このため、硬磁性体を用いたときの従来の
ように、磁区制御層における磁界の大きさが、記録用磁
界によって減少することが回避され、磁気抵抗効果膜1
2の両端部の各磁区制御層5の残留磁化の方向が逆方向
となることも防止される。これによって、本実施例にか
かる磁区制御層5は、記録用磁界が印加されていても安
定して磁気抵抗効果膜12における磁区の制御ができる
ものとなっている。
【0065】図3に、磁区制御層5に対し、MnPt/
NiFe積層膜を用いて作製した本発明にかかる複合型
磁気ヘッド(a)と、硬磁性材料であるCoPtを用い
た比較例の複合型磁気ヘッド(b)との、記録動作後の
再生ヘッドの磁界に対する抵抗変化特性を示す。同図
で、横軸は再生ヘッドのABS面から奥行き方向に印加
される磁界(H)、縦軸は再生ヘッドの抵抗値(R)で
ある。
【0066】図3(b)から判るように、CoPtを用
いた複合型薄膜磁気ヘッド(b)では磁気抵抗効果素子
内の磁区の移動に伴うバルクハウゼンジャンプ84が発
生し抵抗変化特性が不連続になっている。このような特
性の複合型薄膜磁気ヘッド(b)を用いて再生動作を行
った時、バルクハウゼンジャンプ84による抵抗変化特
性の不連続性によって再生出力にバルクハウゼンノイズ
が発生し、S/N比が大幅に劣化する。
【0067】比較例に対し、図3(a)に示すように、
MnPt/NiFe積層膜を用いた複合型磁気ヘッド
(a)では、磁界に対する抵抗変化特性が連続的でバル
クハウゼンジャンプがなく、磁気抵抗効果素子において
磁区の発生が抑制されていることが判る。
【0068】〔第二の実施の形態〕図4は、本発明の第
二の実施の形態にかかる複合型磁気ヘッドにおける一例
の説明図である。この複合型磁気ヘッドでは、上記第一
の実施の形態における磁気抵抗効果膜12に代えて、図
4に示すように、巨大磁気抵抗効果を有するスピンバル
ブ膜4が設けられている。
【0069】この複合型磁気ヘッドでは、磁区制御層5
は、スピンバルブ膜4の両端部において、スピンバルブ
膜4の少なくともフリー層42(図5ないし図8参照)
に対し接して形成されている。また、各電極層6間の間
隙部は、各磁区制御層5間の間隙部と同一位置に対応す
る位置、あるいは磁区制御層5の間隙部の内側となるよ
うに配置されることが望ましい。上記の同一位置とは、
トラック走査方向に平行移動した位置である。
【0070】上記スピンバルブ膜4、磁区制御層5およ
び電極層6の構成は、図5ないし図8にそれぞれ示すよ
うな構造を有することができる。すなわち、まず図5に
参照して、スピンバルブ膜4は、前述の下部ギャップ層
3上に、下地層41、自由磁化層(フリー層)42、非
磁性導電体層43、固定磁化層(ピン層)44、第二の
反強磁性体層(ピン止め層)45、キャップ層46を、
順次、成膜してなっている。
【0071】下地層41は、50Åの膜厚のTaであ
る。自由磁化層42は、70Åの膜厚のNiFeと、7
Åの膜厚のCoとの積層膜からなる磁性膜である。非磁
性導電体層43は、32Åの膜厚のCuの単層膜であ
る。固定磁化層44は、10Åの膜厚のCoと、30Å
の膜厚のNiFeとの積層膜からなる磁性膜である。第
二の反強磁性体層45は、200Åの膜厚のMn−10
at%Ptからなる単層膜である。キャップ層46は、
100Åの膜厚のTaからなる単層膜である。
【0072】このようなスピンバルブ膜4では、イオン
ミリング法を用い、イオンの入射角を制御して、スピン
バルブ膜4の両端部(トラック幅方向に平行な断面部
分)において、少なくとも自由磁化層42が露出する領
域がテーパー部(下地層41からキャップ層46に向か
って、順次、トラック走査方向に沿った長さが小さくな
る)を有する略台形形状となるように加工されている。
トラック走査方向とは、ABS面13に対し平行、かつ
トラック幅方向に対し垂直な方向である。
【0073】このように加工されたスピンバルブ膜4の
両端部に、それぞれ磁区制御層5が形成されている。磁
区制御層5は、70Åの膜厚のNiFeからなる強磁性
体層52と、200Åの膜厚のMn−47at%Ptか
らなる第一の反強磁性体層51とを積層してなるもので
ある。上記磁区制御層5では、自由磁化層42が露出し
たテーパー断面に対して、第一の反強磁性体層51が接
するように設定されている。
【0074】電極層6は、各磁区制御層5上にそれぞれ
形成されている。また、各電極層6の表面は、キャップ
層46の表面と面一となるように、各磁区制御層5およ
び各電極層6が形成されている。これにより、各磁区制
御層5および各電極層6は、磁区制御層5のテーパー面
(磁区制御層5のトラック幅方向の両端面)上におい
て、スピンバルブ膜4の中央に向かって順次膜厚が小さ
くなるテーパー形状を備えている。スピンバルブ膜4の
中央とは、スピンバルブ膜4における、前述のトラック
幅方向の中心位置を示す。
【0075】次に、図6に示す、スピンバルブ膜4、磁
区制御層5および電極層6における他の構成について説
明する。この構成では、下部ギャップ層3上には、ま
ず、各磁区制御層5が、それぞれ形成されている。磁区
制御層5は、膜厚50ÅのTaからなる下地層50、2
00Åの膜厚のMn−47at%Ptからなる第一の反
強磁性体層51と、100Åの膜厚のNiFeからなる
強磁性体層52とを積層してなるものである。
【0076】各磁区制御層5では、それらの対向面が、
下部ギャップ層3側から各磁区制御層5の表面側に向か
って、順次、間隔が大きくなるテーパー形状を有してい
る。このようなテーパー形状は、アンダーカットを有す
る多層構造のレジストを用いたリフトオフ法あるいはイ
オンミリング法によって、下部ギャップ層3側の間隙部
Wdを有して形成されている。
【0077】このような各磁区制御層5および下部ギャ
ップ層3上に、スピンバルブ膜4が形成されている。上
記スピンバルブ膜4は、前述と同様に、自由磁化層4
2、非磁性導電体層43、固定磁化層44、第二の反強
磁性体層45、キャップ層46が形成されている。この
ようなスピンバルブ膜4は、イオンミリング法により、
各磁区制御層5の間隙部Wdを跨ぎ、スピンバルブ膜4
の両端部でそれぞれ磁区制御層5にオーバーラップする
ように加工されている。
【0078】各電極層6は、各磁区制御層5にそれぞれ
対応するスピンバルブ膜4上に前述と同様な組成および
膜厚にて設けられており、イオンミリング法によって、
W1(W1≦Wd)、なる間隙部が磁区制御層5の間隙
部の間に配置されるように加工されている。
【0079】次に、図7に示す、スピンバルブ膜4、磁
区制御層5および電極層6におけるさらに他の構成につ
いて説明する。この構成では、スピンバルブ膜4は、下
部ギャップ層3上に、前述と同様の組成および膜厚を有
する、下地層41、第二の反強磁性体層45、固定磁化
層44、非磁性導電体層43、および自由磁化層42
が、この順にて積層されている。また、スピンバルブ膜
4は、イオンミリング等のエッチングによって所定のス
トライプ形状に加工されている。
【0080】このようなスピンバルブ膜4の両端部上
に、それぞれ磁区制御層5が形成されている。この磁区
制御層5では、70Åの膜厚のNiFeからなる強磁性
体層52と、膜厚200ÅのMn−47at%Ptから
なる第一の反強磁性体層51とを積層してなるものであ
る。各磁区制御層5は、スピンバルブ膜4の両端部つま
り自由磁化層42の両端部上に、オーバーラップし、か
つ、Wdの間隙を有する形状にエッチングあるいはリフ
トオフによって形成されている。
【0081】このような各磁区制御層5においては、強
磁性体層52を成膜する直前に、同一真空中において磁
区制御層5の形成部位をArのプラズマによって短時間
エッチングすることが望ましい。
【0082】各電極層6は、前述の組成および膜厚に
て、自由磁化層42および各磁区制御層5上に、イオン
ミリング法によって、それらの間の間隙部W1(W1≦
Wd)を備えて形成されている。
【0083】次に、図8に示す、スピンバルブ膜4、磁
区制御層5および電極層6におけるさらに他の構成につ
いて説明する。この構成では、下部ギャップ層3上に、
磁区制御層5が形成されている。この磁区制御層5は、
膜厚50ÅのTaからなる下地層41、膜厚200Åの
Mn−16at%Ptからなる第一の反強磁性体層5
1、および膜厚20ÅのNiFeからなる強磁性体層5
2をこの順にて積層されたものである。
【0084】この強磁性体層52上に、前述と同様な組
成および膜厚にて、自由磁化層42、非磁性導電体層4
3、固定磁化層44、第二の反強磁性体層45およびキ
ャップ層46をこの順にて成膜してスピンバルブ膜4が
形成されている。上記スピンバルブ膜4では、第二の反
強磁性体層45が、膜厚200ÅのMn−47at%P
tからなるが、それ以外の各層は前述と同様の組成およ
び膜厚に設定されている。
【0085】このような磁区制御層5およびスピンバル
ブ膜4は、イオンミリング法にて所定のストライプ形状
に加工されている。このようなスピンバルブ膜4におけ
る、トラック幅方向の両端部に、それぞれ、前述と同様
な電極層6が、それらの間の間隙W1の間隙部を有して
形成されている。このような各電極層6の加工方法とし
ては、イオンミリング法あるいはリフトオフ法が好まし
く用いられる。
【0086】上記の各スピンバルブ膜4では、単に作製
つまり成膜しただけでは、第二の反強磁性体層45およ
び第一の反強磁性体層51の対応する各強磁性体層への
各交換結合の方向は、互いに略垂直な方向にはならな
い。複合型磁気ヘッドの製造工程中の温度上昇によって
交換結合磁界の方向が分散したり、それぞれの交換結合
磁界が同一方向にそろうといった不都合を生じる場合が
ある。さらに、成膜後の熱処理によって反強磁性に転移
する反強磁性材料を用いた場合、熱処理なしでは交換結
合磁界が発生しない。
【0087】そこで、以下に、熱処理によって上記2つ
の、第二の反強磁性体層45と第二の反強磁性体層45
との間、および第一の反強磁性体層51と強磁性体層5
2との間の各交換結合磁界の方向を、それらの面内方向
を維持しながら、互いに略垂直となるように設定する方
法について述べる。
【0088】図9ないし図12は、本実施の形態にかか
る強磁性体層と反強磁性体層との交換結合の磁界印加中
における熱処理に対する挙動の原理をそれぞれ説明する
概略説明図である。
【0089】まず、図9を参照して、、はそれぞれ
強磁性体層121、強磁性体層131に、反強磁性体層
122、反強磁性体層132が積層された、いわゆる交
換結合膜であるが、反強磁性体層122および反強磁性
体層132のブロッキング温度をそれぞれTb1 、Tb
2 とすると、反強磁性体層122のブロッキング温度の
方が高く設定されている(Tb1 >Tb2 の関係があ
る)。
【0090】ここで、ブロッキング温度とは、強磁性体
層と反強磁性体層とからなる交換結合膜における交換結
合磁界が消失する温度である。また、ブロッキング温度
の高低は、反強磁性体層におけるネール温度の高低に対
応している。以下に、上記2つの交換結合膜(、)
を同時に熱処理し、この熱処理中に、印加している磁界
の方向を変化させたときの交換結合の挙動を説明する。
【0091】1) 磁界を印加しながら各交換結合膜、
を加熱し、各交換結合膜、の温度Tを上昇させ、
温度TがTb1 以上の温度に達すると、各反強磁性体層
122、132の双方の内部のスピンに揺らぎが生じ、
スピンは乱雑な方向(ランダムな方向)を向くことにな
る。
【0092】このとき、紙面上における右から左の方向
(トラック幅方向にそった方向)に一様な磁界が印加さ
れているため、各強磁性体層121、131内のスピン
には熱による揺らぎが生じない〔図9(a)参照〕。
【0093】2) この後、各交換結合膜、に対し、
冷却を行い、温度TがTb1 未満、かつ、Tb2 以上の
温度まで低下したとき、反強磁性体層122のスピンが
強磁性体層121との界面で強磁性的に結合し、強磁性
体層121と同じ方向にそろう。反強磁性体層122内
部のスピンは、界面のスピンから相互に反転する方向に
整列する。一方、反強磁性体層132のスピンは、乱雑
な方向に向いている〔図9(b)参照〕。
【0094】3) このとき、温度TがTb1 未満、Tb
2 以上の間の温度で印加している磁界の向きを90°回
転させると(紙面と垂直な方向、つまりトラック垂直方
向)、反強磁性体層122のスピンは、2)において整列
した方向に固定された状態を維持すると共に、強磁性体
層121のスピンのみが磁界の向きの変化に対応して回
転する。
【0095】一方、反強磁性体層132のスピンは熱に
よって乱雑な方向に向いており、それに対応する強磁性
体層131のスピンのみが印加磁界の変化に対応して回
転する〔図9(c)参照〕。
【0096】上記トラック垂直方向とは、磁気抵抗効果
膜12の膜面に平行で、かつトラック幅方向に対し垂直
な方向、言い換えると、複合型磁気ヘッドにおける記録
媒体の走査方向およびトラック幅方向のそれぞれに対し
垂直な方向である。
【0097】4) この状態で、さらに冷却を行い、温度
TがTb2 未満の温度となると、2)のと同様に反強磁
性体層132のスピンが強磁性体層131のスピンの方
向に対応して整列する〔図9(d)参照〕。
【0098】5) この後、温度Tを室温まで冷却し、印
加磁界の印加を停止すると、それぞれの強磁性体層12
1、強磁性体層131は積層された反強磁性体層12
2、反強磁性体層132と交換結合し、それぞれ互いに
垂直な向きの各交換結合磁界を生じることになる〔図9
(e)参照〕。
【0099】このようにして、ブロッキング温度が相異
なる各交換結合膜、を用い、熱処理中の冷却時に各
ブロッキング温度の中間温度にて印加磁界の向きを変化
させることによって、所望の方向に交換結合磁界の角度
を有する複数の交換結合膜をそれぞれ得ることができ
る。
【0100】次に、図10を参照して、各交換結合膜
(、)の一方である交換結合膜に、成膜後の磁界
中での熱処理によって反強磁性に転移する反強磁性体層
142を用い、熱処理中に磁界の方向を変化させたとき
の各交換結合膜(、)における交換結合の挙動を説
明する。
【0101】ここで、反強磁性体層142が反強磁性に
転移する温度をTd(規則化温度)、規則化後のブロッ
キング温度をTb3 、他方である交換結合膜の反強磁
性体層132のブロッキング温度Tb2 とすると、Tb
3 >Td≧Tb2 となるように各反強磁性体層132、
142は設定されている。
【0102】1) 成膜後、室温においては、交換結合膜
の反強磁性体層132は隣接する強磁性体層131と
交換結合し、反強磁性体層132の内部ではスピンの方
向はそれぞれが反平行に配列している。一方、反強磁性
体層142では、反強磁性に転移していないため、反強
磁性体層142のスピンは、無秩序な(ランダムな)方
向に向いている〔図10(a)参照〕。
【0103】2) これら各交換結合膜、に対し、温
度TをTb3 >T≧Tdとなるように昇温し、前述と同
様な一様磁界(紙面上での左右方向、つまりトラック幅
方向)中にて一定時間保持すれば、反強磁性体層142
が反磁性に転移し、隣接する強磁性体層141の磁化方
向に対応してスピン同志がそれぞれ反平行に配列するよ
うになる。一方、反強磁性体層132では、温度TがT
≧Tb2 となっているので、スピンの方向は無秩序にな
っている〔図10(b)参照〕。
【0104】3) この後、温度TがTb3 とTb2 との
中間の温度で印加している磁界の向きを90°(紙面と
垂直な方向、つまりトラック垂直方向に)回転させる
と、反強磁性体層142のスピンは、2)において整列し
た方向に固定された状態を維持すると共に、強磁性体層
141のスピンのみが磁界の向きの変化に対応して回転
する。一方、反強磁性体層132のスピンは熱によって
乱雑な方向に向いており、それに対応する強磁性体層1
31のスピンのみが印加磁界の変化に対応して回転する
〔図10(c)参照〕。
【0105】4) 次に、この方向に磁界を印加した状態
で、温度TがTb2 未満の温度となるまで冷却すると、
反強磁性体層132のスピンが強磁性体層131のスピ
ンの方向に対応して反平行に配列する(紙面と垂直な方
向)。この後、磁界の印加を停止すると、各強磁性体層
131、141のスピンは、それぞれ、各反強磁性体層
132、142と交換結合し、各強磁性体層131、1
41の磁化の向きが互いに垂直な方向となるように固定
される〔図10(d)参照〕。
【0106】このようにして、成膜後の磁界中での熱処
理によって反強磁性に転移する反強磁性体層142を用
いることによって、反強磁性体層142のブロッキング
温度よりも低い規則化温度の熱処理にて、より高温とな
る上記ブロッキング温度以上の熱処理と同様の効果が得
られるため、熱処理による磁気抵抗効果膜であるスピン
バルブ膜4に対するダメージを低減することができる。
【0107】次に、図11を参照して、各交換結合膜
(、)の一方である交換結合膜に、成膜後の磁界
中での熱処理によって反強磁性に転移する反強磁性体層
152を用い、熱処理中に磁界の方向を変化させたとき
の各交換結合膜(、)における交換結合の挙動を説
明する。
【0108】ここで、反強磁性体層152が反強磁性に
転移する温度をTd(規則化温度)、規則化後のブロッ
キング温度をTb4 、他方である交換結合膜の反強磁
性体層132のブロッキング温度Tb2 とすると、Tb
4 >Tb2 >Tdとなるように各反強磁性体層132、
152は設定されている。
【0109】1) 成膜後、室温においては、交換結合膜
の反強磁性体層132は隣接する強磁性体層131と
交換結合し、反強磁性体層132の内部ではスピンの方
向はそれぞれが反平行に配列している。一方、反強磁性
体層152では、反強磁性に転移していないため、反強
磁性体層152のスピンは、無秩序な(ランダムな)方
向に向いている〔図11(a)参照〕。
【0110】2) これら各交換結合膜、に対し、温
度Tを、反強磁性体層152の規則化温度Td以上、か
つTb2 未満までの温度まで加熱し、前述と同様に、一
様な磁界中で所定時間保持すれば、反強磁性体層152
が反強磁性に転移し、隣接する強磁性体層151の磁化
方向に対応して、スピン方向がそれぞれ反平行に配列す
る。一方、反強磁性体層132では、Tb2 >T≧Td
であるのでスピンの方向はそれぞれが反平行にそろって
いる〔図11(b)参照〕。
【0111】3) 次に、温度TをTb4 >T≧Tb2
設定すると、反強磁性体層132のスピンは熱によって
無秩序となる。このとき、磁界の方向を90°回転させ
ると(紙面と垂直な方向、つまりトラック垂直方向
に)、反強磁性体層152のスピンは、2)において整列
した方向に固定された状態を維持すると共に、強磁性体
層151のスピンのみが磁界の向きの変化に対応して回
転する。一方、反強磁性体層132のスピンは熱によっ
て乱雑な方向に向いており、それに対応する強磁性体層
131のスピンのみが印加磁界の変化に対応して回転す
る〔図11(c)参照〕。
【0112】4) 次に、この方向に磁界を印加した状態
で、温度TがTb2 未満の温度となるまで冷却すると、
反強磁性体層132のスピンが強磁性体層131のスピ
ンの方向に対応して反平行に配列する(紙面と垂直な方
向)。この後、各交換結合膜、に対する磁界の印加
を停止すると、各強磁性体層131、151のスピン
は、それぞれ、各反強磁性体層132、152と交換結
合し、各強磁性体層131、151の磁化の向きが互い
に垂直な方向となるように固定される〔図11(d)参
照〕。なお、上記2)の温度と3)の温度は、Tb4 >T≧
Tb2 の範囲であれば、同一に設定してもよい。
【0113】このようにして、成膜後の磁界中での熱処
理によって反強磁性に転移する反強磁性体層152を用
いることによって、反強磁性体層152のブロッキング
温度よりも低い規則化温度の熱処理にて、より高温とな
る上記ブロッキング温度以上の熱処理と同様の効果が得
られるため、熱処理による磁気抵抗効果膜であるスピン
バルブ膜4に対するダメージを低減することができる。
【0114】次に、図12を参照して、上記各交換結合
膜(、)における、他の熱処理による交換結合の挙
動を説明する。1) 成膜後、室温においては、紙面上で
の左右方向(トラック幅方向)の印加磁界によって、交
換結合膜の反強磁性体層132は隣接する強磁性体層
131と交換結合し、反強磁性体層132の内部ではス
ピンの方向はそれぞれが反平行に上記左右方向に沿って
配列している。一方、反強磁性体層152では、反強磁
性に転移していないため、反強磁性体層152のスピン
は、無秩序な方向に向いている〔図12(a)参照〕。
【0115】2) これら各交換結合膜、に対し、反
強磁性体層152の規則化温度Td以上で、かつ反強磁
性体層132のブロッキング温度Tb2 未満の温度Tま
で加熱し紙面と垂直な方向(トラック垂直方向)に一様
磁界を印加し、所定時間保持すれば、反強磁性体層15
2が反強磁性に転移し、隣接する強磁性体層151の磁
化方向に対応してスピン同志がそれぞれ反平行に配列す
る。このとき、磁界が紙面と垂直な方向に印加されてい
るため、スピンは紙面と垂直な方向に配列される。
【0116】一方、強磁性体層131の磁界は、印加磁
界の方向に沿うように変化するが、反強磁性体層132
では、温度TがTb2 >Tであるので、反強磁性体層1
32の各スピンの方向は、それぞれが反平行にトラック
幅方向に沿うようにそろっている〔図12(b)参
照〕。
【0117】3) この後、温度Tを室温まで冷却し、磁
界の印加を停止すると、反強磁性体層132のスピンの
方向は、紙面上にて左右方向(トラック幅方向)に配列
しており、強磁性体層131では反強磁性体層132と
の交換結合によって磁化が左向き(トラック幅方向)に
配列している。
【0118】一方、反強磁性体層152では、熱処理に
よって紙面と垂直な方向(トラック垂直方向)にスピン
が配列しており、強磁性体層151のスピン方向は反強
磁性体層152との交換結合によって紙面と垂直な方向
(トラック垂直方向)に配列する〔図12(c)参
照〕。
【0119】このような熱処理によっても、上記各交換
結合膜(、)において、反強磁性体層132と反強
磁性体層152との交換結合の向きを互いに略垂直なよ
うに設定することができる。
【0120】以上のように、ブロッキング温度が相異な
る各反強磁性体層122、132、142、152を用
い、熱処理中に印加磁界の向きを変化させることによっ
て、所望の方向に交換結合磁界の角度を有する複数の交
換結合膜を作製することが可能となる。
【0121】次に、各反強磁性体層122…のブロッキ
ング温度の制御方法について説明する。まず、図13
は、NiFe膜からなる強磁性体層とMnPt膜からな
る反強磁性体層とを備えた積層膜である交換結合膜にお
いて、MnPt膜からなる反強磁性体層中のPt組成の
変化に対する、ブロッキング温度の変化を示すグラフで
ある。ここで、ブロッキング温度とは強磁性体層と反強
磁性体層との交換結合磁界が消失する温度である。
【0122】図13において、Pt組成比が約20at
%以下のMnPt膜を用いた交換結合膜には、熱処理を
施さない一方、Pt組成比が約30at%〜約50at
%のMnPt膜を用いた交換結合膜には、240℃、6
時間の磁界中での熱処理を施している。
【0123】このグラフより、上記交換結合膜のブロッ
キング温度は、Pt組成に依存しており、Pt組成比が
約20at%以下のMnPt膜を用いた交換結合膜で
は、ブロッキング温度は、Pt組成比が増加するに従っ
て低くなることが判る。一方、Pt組成比が約30%を
超えるMnPt膜を用いた交換結合膜では、ブロッキン
グ温度は不連続に増大し、Pt組成比によらず約350
℃で安定していることが判る。
【0124】また、図14は、NiFe膜からなる強磁
性体層とMnRu膜からなる反強磁性体層とを備えた交
換結合膜において、MnRu膜のRu組成比に対するブ
ロッキング温度の変化を示すグラフである。上記交換結
合膜は、熱処理を省いても交換結合磁界を発生するもの
である。
【0125】このグラフに示すように、この交換結合膜
のブロッキング温度は、MnRu膜のRu組成比が増加
するに従って増加し、約17at%で極大値となる。そ
して、Ru組成比を17at%を超える場合には、Ru
組成比の増加に従って単調に減少する。
【0126】これら図13および図14から判るよう
に、交換結合膜のブロッキング温度は、反強磁性体層の
材料・組成によって大きく変化するため、前記第二の反
強磁性体層45、および第一の反強磁性体層51の材料
・組成を制御することによって、ブロッキング温度が互
いに異なる、ピン止め層としての、第二の反強磁性体層
45、および磁区制御層5を構成する第一の反強磁性体
層51とを作製することができる。
【0127】図15は、強磁性体層にNiFe膜を、反
強磁性体層にMnPt膜をそれぞれ用いた交換結合膜に
おける、交換結合磁界(Hex)のPt組成比依存性の測
定結果を示すグラフである。
【0128】なお、この測定に用いた交換結合膜は、前
述したように、Pt組成比が約30at%より小さいM
nPt膜を反強磁性体層に用いたものには熱処理を施さ
ない一方、Pt組成比が約30%〜約50%のMnPt
膜を用いたものには、240℃,6時間の、磁界中での
熱処理を施したものとなっている。
【0129】このグラフに示すように、反強磁性体層に
MnPt膜を用いた交換結合膜では、交換結合磁界(H
ex)はPt組成比の増加とともに増加し、約8at%で
極大値をとった後、単調に減少し、約20at%で消失
する。
【0130】そして、Pt組成比をさらに増加させて約
32at%とすると、熱処理によって交換結合磁界が再
び発生し、約45at%で極大値(最大値)をとるまで
増加する。そして、さらにPt組成比を増加させてゆく
と、交換結合磁界は減少し、約52at%で再び消失す
る。
【0131】以上より、MnPt膜を用いて磁気抵抗効
果膜を作成する際、良好な交換結合磁界を得るために
は、MnPt膜中のPt組成比は、4at%から19a
t%、あるいは、32at%から50at%が適切であ
ることがわかる。
【0132】また、図16は、強磁性体層にNiFe膜
を、反強磁性体層にMnRu膜をそれぞれ用いた交換結
合膜における、交換結合磁界のRu組成比依存性の測定
結果を示すグラフである。このグラフに示すように、こ
の交換結合膜では、交換結合磁界はRu組成の増加とと
もに増大し、約20at%で極大値となる。さらに、上
記交換結合膜では、Ru組成比を増加させてゆくと、交
換結合磁界は減少し約40at%で消失する。
【0133】この測定より、MnRu膜を反強磁性体層
に用いて磁気抵抗効果膜を作成する場合、良好な交換結
合磁界を得るためのMnRu膜中におけるRu組成比の
好ましい範囲は、4at%から36at%であることが
わかる。
【0134】以上のように、良好な交換結合磁界を維持
した状態で、ブロッキング温度が互いに異なる第二の反
強磁性体層45および固定磁化層44、並びに磁区制御
層5を作製するためには、Ptの組成比が4at%から
19at%、あるいは、32at%から50at%の範
囲のMnPt膜、あるいは、Ruの組成比が4at%か
ら36at%の範囲で各組成を制御することが望まし
い。
【0135】以上に示したように、熱処理の方法と反強
磁性体の材料および組成とを適切に設定することによっ
て、第二の反強磁性体層45と第一の反強磁性体層51
とによる交換結合磁界のなす角度を、互いに略垂直つま
り略90°に設定することができる。
【0136】すなわち、上記複合型磁気ヘッドの成膜工
程後の中間体に対し、トラック幅方向に300エルステ
ッドの磁界を印加しながら、250℃で6時間、第1の
熱処理を行った後、220℃まで冷却し、220℃にお
いて印加する磁界の方向をトラック幅方向に対し、略垂
直なトラック垂直方向(紙面と垂直な方向)に変更し、
30分間保持する第2の熱処理を行い、この方向に磁界
を印加しながら室温まで冷却することによって、抵抗変
化率が高く、バルクハウゼンノイズが抑制された、良好
な再生特性を有する1ギャップ型の複合型磁気ヘッドを
安定に製造することができる。
【0137】〔第三の実施の形態〕本実施の形態では第
二の実施の形態に示した構造の複合型磁気ヘッドにおい
て、第二の反強磁性体層45に対し、膜厚200ÅのM
n−10at%Pt膜、第一の反強磁性体層51に対
し、膜厚200ÅのMn−18at%Ru膜を用いた構
造の磁気抵抗効果膜を用いて複合型磁気ヘッドを作製し
ている。
【0138】上記磁気抵抗効果膜を成膜後、トラック幅
方向に300エルステッドの磁界を印加しながら、25
0℃で6時間、第1の熱処理を行った後、220℃まで
冷却し、220℃において印加する磁界の方向をトラッ
ク幅方向に対し、略垂直なトラック垂直方向(紙面と垂
直な方向)に変更し、30分間保持する第2の熱処理を
行い、この方向に磁界を印加しながら室温まで冷却する
ことによって、第二の実施の形態と同様の効果を有する
複合型磁気ヘッドを安定に製造することができる。
【0139】以上の第二および第三の実施の形態におい
て示したように、交換結合磁界の発現に成膜後の熱処理
が必要な反強磁性体層を用いた場合でも、熱処理が不必
要な反強磁性体層を用いた場合でも、同様に特性の良好
な複合型磁気ヘッドを製造することができる。
【0140】また、上記の各実施の形態では、第二の反
強磁性体層45に対し、第一の反強磁性体層51に比べ
て、ブロッキング温度が高い材料を用いたが、逆に第一
の反強磁性体層51の方がブロッキング温度が高い構造
の複合型磁気ヘッドであっても、前述の交換結合磁界の
方向制御の機構に基づき、熱処理を行うことで、本発明
の目的に沿った複合型磁気ヘッドを製造することができ
る。
【0141】さらに、第一ないし第三の実施の形態で
は、磁区制御層5として、強磁性体層52と第一の反強
磁性体層51との積層構造のものを用いたが、第一の反
強磁性体層51のみを磁区制御層5として用いた場合で
も同様の効果が得られる。
【0142】その上、第一ないし第三の実施の形態に記
載したスピンバルブ膜4や磁気抵抗効果膜12の構造
は、上記記載に限定されるものではなく、磁区制御層5
と第二の反強磁性体層45の各交換結合磁界の方向を互
いに垂直なように設定できる構造であれば、本発明にか
かる複合型磁気ヘッドに適用することができる。
【0143】また、第一ないし第三の実施の形態に記載
した各材料は、これらに限定されるものではなく、同様
の効果や機能を有する材料であれば本発明に用いること
ができる。
【0144】すなわち、基板1としては、Al2 3
TiC焼結体の他に、さらに、ガラス、Siを用いるこ
とができる。下地層41、50、並びにキャップ層46
には、Taの他に、さらにTi,W(タングステン)な
どの高融点材料、および、これらを含む合金を用いるこ
とができる。自由磁化層42、固定磁化層44、および
強磁性体層52には、NiFe,CoFe,Co等ある
いはこれらの合金および交換結合膜を用いることができ
る。
【0145】
【発明の効果】本発明の複合型磁気ヘッドは、以上のよ
うに、記録用磁気ヘッドの磁気ギャップ内に、再生用磁
気ヘッドが磁気抵抗効果膜を有して設けられ、磁気抵抗
効果膜の磁区を制御するための磁区制御層が、第一の反
強磁性体層を有して設けられている構成である。
【0146】それゆえ、上記構成では、記録用磁気ヘッ
ドからの記録用磁界の印加が停止されると、第一の反強
磁性体層により磁気制御層が元の磁化状態に戻るため、
上記第一の反強磁性体層を有する磁区制御層による、磁
気抵抗効果膜に対する、磁区の制御を安定化できる。
【0147】また、上記構成では、磁区制御層に対し、
第一の反強磁性体層を用いたことによって、硬磁性材料
を用いる必要がないので、上記硬磁性材料による、記録
媒体における記録情報への悪影響を回避できる。
【0148】この結果、上記構成では、磁区制御層に対
し、第一の反強磁性体層を用いたことによって、再生用
磁気ヘッドによる再生を、より一層、安定化することが
可能となるという効果を奏する。
【0149】本発明の複合型磁気ヘッドの製造方法は、
以上のように、第一の反強磁性体層を有する磁区制御層
を備えた複合型磁気ヘッドの製造方法であって、反強磁
性体層に対し、印加磁界の方向を変化させながら、反強
磁性体層のブロッキング温度に基づいた熱処理を行う工
程を含む方法である。
【0150】それゆえ、上記方法では、磁気抵抗効果膜
における、例えば第2磁性層である固定磁化層(ピン
層)と反強磁性体層からなるピン止め層との交換結合磁
界の向きと、上記磁区制御層の交換結合磁界の向きとを
互いに略垂直となるように設定することを、印加磁界の
方向を変化させ、かつ、各反強磁性体層の各ブロッキン
グ温度を考慮した上記熱処理によって簡便にできる。
【0151】これにより、上記方法では、上記の設定に
よって再生感度を高めることができるので、より一層高
密度記録に対応できる磁気抵抗効果膜を有する複合型磁
気ヘッドを安定に、かつ簡便に製造できるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第一の実施の形態における複合
型磁気ヘッド要部説明図であり、(a)は上記複合型磁
気ヘッドにおける磁気抵抗効果膜を示す要部拡大正面図
であり、(b)は上記複合型磁気ヘッドの要部正面図で
ある。
【図2】上記磁気抵抗効果膜における磁区制御層に対す
る、記録ヘッドからの記録用磁界の印加時と無印加時と
の磁化の状態を示すMH曲線をグラフである。
【図3】本発明の複合型磁気ヘッドにおける、従来に対
する比較結果としての効果を示すグラフであって、
(a)は、第一の実施の形態にかかる複合型磁気ヘッド
(a)の再生出力を示し、(b)は、比較例としての複
合型磁気ヘッド(b)の再生出力を示す。
【図4】本発明にかかる第二の実施の形態における複合
型磁気ヘッドの要部説明図である。
【図5】上記複合型磁気ヘッドにおける、磁気抵抗効果
膜としてのスピンバルブ膜の構成を示す説明図である。
【図6】上記スピンバルブ膜の他の構成を示す説明図で
ある。
【図7】上記スピンバルブ膜のさらに他の構成を示す説
明図である。
【図8】上記スピンバルブ膜のさらに他の構成を示す説
明図である。
【図9】上記磁気抵抗効果膜における、強磁性体層と反
強磁性体層との交換結合における、磁界中での熱処理に
対する挙動の原理を説明する概略説明図である。
【図10】上記磁気抵抗効果膜における、強磁性体層と
反強磁性体層との交換結合における、磁界中での熱処理
に対する他の挙動の原理を説明する概略説明図である。
【図11】上記磁気抵抗効果膜における、強磁性体層と
反強磁性体層との交換結合における、磁界中での熱処理
に対するさらに他の挙動の原理を説明する概略説明図で
ある。
【図12】上記磁気抵抗効果膜における、強磁性体層と
反強磁性体層との交換結合における、磁界中での熱処理
に対するさらに他の挙動の原理を説明する概略説明図で
ある。
【図13】NiFe膜とMnPt膜とからなる交換結合
膜におけるブロッキング温度のPt組成比依存性を示す
グラフである。
【図14】NiFe膜とMnRu膜とからなる交換結合
膜におけるブロッキング温度のRu組成比依存性を示す
グラフである。
【図15】NiFe膜とMnPt膜とからなる交換結合
膜における交換結合磁界(Hex)のPt組成比依存性を
示すグラフである。
【図16】NiFe膜とMnRu膜とからなる交換結合
膜における交換結合磁界(Hex)のRu組成比依存性を
示すグラフである。
【図17】従来の1ギャップ型の複合型磁気ヘッドの構
成を示す概略断面図である。
【図18】上記複合型磁気ヘッドの構成をABS面から
示す説明図である。
【図19】上記複合型磁気ヘッドにおける、磁区制御層
に用いる硬磁性材料膜のMH曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基板 2 下部磁性層 3 下部ギャップ層 4 スピンバルブ膜 5 磁区制御層 6 電極層 7 上部ギャップ層 8 上部磁性層 10 記録ヘッド 12 磁気抵抗効果膜 13 ABS面 45 第二の反強磁性体層 51 第一の反強磁性体層 52 強磁性体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 道嶋 正司 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 磯野 仁志 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 中林 敬哉 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 享保 昌則 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 5D034 BA05 BA15 BB01 BB09 DA07

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録用磁気ヘッドが設けられ、 記録用磁気ヘッドの磁気ギャップ内に、再生用磁気ヘッ
    ドが磁気抵抗効果膜を有して設けられ、 磁気抵抗効果膜の磁区を制御するための磁区制御層が、
    第一の反強磁性体層を有して設けられていることを特徴
    とする複合型磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】磁区制御層は、さらに、第一の反強磁性体
    層に積層された強磁性体層を有していることを特徴とす
    る請求項1記載の複合型磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】磁気抵抗効果膜は、外部磁界の磁界方向の
    変化に対して磁区の方向が変化する第1磁性層、導電性
    の非磁性層、外部磁界の磁界方向の変化に対して磁区の
    方向が一定となっている第2磁性層、および、第2磁性
    層の磁区の方向を一定に維持するための第二の反強磁性
    体層を有していることを特徴とする請求項1または2に
    記載の複合型磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】上記第一および第二の反強磁性体層は、そ
    れらのブロッキング温度が互いに異なっていることを特
    徴とする請求項3記載の複合型磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】上記第一および第二の各反強磁性体層の少
    なくとも一方は、磁界印加中での熱処理により反強磁性
    に転移するものであることを特徴とする請求項3または
    4に記載の複合型磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】上記第一および第二の各反強磁性体層は、
    MnとPtとを主成分とする合金あるいはMnとRuと
    を主成分とする合金であることを特徴とする請求項1な
    いし5の何れか一つに記載の複合型磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】上記MnとPtとを主成分とする合金中の
    Pt組成比は、4〜19at%あるいは32〜50at
    %であることを特徴とする請求項6に記載の複合型磁気
    ヘッド。
  8. 【請求項8】上記MnとRuとを主成分とする合金中の
    Ru組成比は、4〜36at%であることを特徴とする
    請求項6に記載の複合型磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】請求項1ないし8の何れか一つに記載の複
    合型磁気ヘッドの製造方法であって、 反強磁性体層に対し、印加磁界の方向を変化させなが
    ら、反強磁性体層のブロッキング温度に基づいた熱処理
    を行う工程を含むことを特徴とする複合型磁気ヘッドの
    製造方法。
  10. 【請求項10】請求項4または5に記載の複合型磁気ヘ
    ッドの製造方法であって、 Tb1 >Tb2 なる関係の各ブロッキング温度Tb1
    Tb2 をそれぞれ備える第一および第二の各反強磁性体
    層に対し、 第1の方向に磁界を印加しながらTb1 以上の温度で所
    定時間保持する工程と、 上記磁界を印加しながらTb1 未満、かつTb2 以上の
    温度まで冷却する工程と、 Tb1 未満、かつTb2 以上の温度で磁界の方向を上記
    第1の磁界の方向に対して略垂直な第2の方向に変化さ
    せ所定時間保持する工程と、 この第2の方向の磁界を印加しながらTb2 未満の温度
    まで冷却する工程を含むことを特徴とする複合型磁気ヘ
    ッドの製造方法。
  11. 【請求項11】請求項5に記載の複合型磁気ヘッドの製
    造方法であって、 Td>Tb2 なる関係の、磁界中での熱処理によって反
    強磁性に転移する一方の反強磁性体層を反強磁性に転移
    させる温度(規則化温度:Td)と、他方の反強磁性体
    層のブロッキング温度Tb2 とを備える第一および第二
    の各反強磁性体層に対して、 第1の方向に磁界を印加しながらTdの温度以上で所定
    時間保持する工程と、 Tb2 以上の温度で磁界の方向を上記第1の磁界の方向
    を上記第1の磁界の方向に対して略垂直な第2の方向に
    変化させ所定時間保持する工程と、 この第2の方向の磁界を印加しながら、Tb2 未満の温
    度まで冷却する工程を含むことを特徴とする複合型磁気
    ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】請求項5に記載の複合型磁気ヘッドの製
    造方法であって、 Tb4 >Tb2 >Tdなる関係の、磁界中での熱処理に
    よって反強磁性に転移する一方の反強磁性体層を反強磁
    性に転移させる温度(規則化温度:Td)と、反強磁性
    に転移した上記反強磁性体層のブロッキング温度Tb4
    と、他方の反強磁性体層のブロッキング温度Tb2 とを
    備える第一および第二の各反強磁性体層に対して、 第1の方向に磁界を印加しながらTdの温度以上で所定
    時間保持する工程と、 Tb4 未満、かつTb2 以上の温度に設定する工程と、 Tb4 未満、かつTb2 以上の温度で磁界の方向を上記
    第1の磁界の方向に対して略垂直な第2の方向に変化さ
    せ所定時間保持する工程と、 この第2の方向の磁界を印加しながらTb2 未満の温度
    まで冷却する工程を含むことを特徴とする複合型磁気ヘ
    ッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017146311A (ja) * 2017-05-22 2017-08-24 Tdk株式会社 磁界発生体および磁気センサ

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