JP2000186270A - 有害物質分解物質並びに分解方法 - Google Patents

有害物質分解物質並びに分解方法

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JP2000186270A JP10204240A JP20424098A JP2000186270A JP 2000186270 A JP2000186270 A JP 2000186270A JP 10204240 A JP10204240 A JP 10204240A JP 20424098 A JP20424098 A JP 20424098A JP 2000186270 A JP2000186270 A JP 2000186270A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 有用微生物群(EM)抽出物と、粘土にこの
EM抽出物および少なくとも酸化カルシウム(CaO)や酸
化アルミニウム(Al2O3)のごときカルシウムアルミネー
ト系鉱物を混練し、高温焼成したセラミックスとを、ダ
イオキシンのごとき有害物質含有物に投与して焼却し
て、ダイオキシン類やPCBの生成過程で発生する塩素
を遊離させてミネラルと結合させ、塩類化合物として固
定化した有害物質分解物質並びに分解方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも光合成細菌および有用発酵菌
を含むEMを複合培養発酵させ、ついで熱帯植物や米糠
のごとき有用植物を入れて発酵させた後、オゾンにより
酸化物を分解処理し、また菌体および残渣を除去処理し
て得たEM抽出物と、前記抽出物および少なくともCaO
やAlのごときカルシウムアルミネート系化合物
を含有する粘土を混練し、高温焼成したEM抽出物含有
セラミックスとよりなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイオキシン類
(ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン、ポリ塩化ジベンゾ
フラン)やPCBのごとき有害物質を分解処理するため
の有害物質分解物質並びに分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】科学技術の進歩に伴って、我々の生活は
勿論のこと地球そのもが様々の環境汚染物質に急速に蝕
まれつつある。例えば、環境汚染物質のひとつであるダ
イオキシン類は、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(P
CDD)とポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)を合わ
せて計210種類の異性体があり、最大の毒性をもつダ
イオキシン2・3・7・8−T4CCDの急性毒性はサ
リンの2倍、青酸カリの100倍あり、雄モルモットの半
数致死量は体重1キログラム当たり70.6μg(μg=0.00
1mg)の超微量に過ぎず、1gで83万匹の雄モルモットを
殺す力をもつ物質であるともいわれている。また、ダイ
オキシン類と同様に多数のClをベンゼン環と結合してい
る化合物にPCB(polychlorobiphenyl)があり、化学
構造的にはアグリコーン自体求核反応を示し、多数の異
性体を合成する性質をも有し、毒性についてもダイオキ
シンと同程度とされている。これらのダイオキシン類や
PCBは、有機塩素系化合物からできたプラスチック製
品、塩化ビニル製品、発泡スチロール製品、ポリエチレ
ン製品あるいは農薬などを、焼却炉の気相下において30
0度〜700度の温度帯で合成され、我が国では産業廃棄物
中にこれらのダイオキシン類やPCBが多量に含有され
たまま土の中に埋められているが、難分解性物質である
ため、自然分解が期待できないという問題があった。従
前に見受けられたダイオキシン対策としては、例えば、
ダイオキシンを分解する微生物の代謝活性を溶媒物質に
よって高めて、ダイオキシンを無害化させる方法や、燃
焼室で1300度の高温で完全燃焼させてダイオキシンの毒
性物質を分解する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た在来の方法は、前者の方法においては、生物である微
生物をコントロールすることが非常に難しい上に、分解
に時間がかかるという欠点が、また、後者の方法にあっ
ては、1300度の高温で完全燃焼させる燃焼設備および焼
却のコストが高いという欠点がそれぞれあった。上記の
ような実状に鑑み、本発明は、有用微生物群(EM=Eff
ective Micro-organisms)の抽出物と、粘土にこの有用
微生物群抽出物および少なくとも酸化カルシウム(CaO)
や酸化アルミニウム(Al2O3)のごときカルシウムアルミ
ネート系鉱物を混練し、高温で焼成したセラミックスと
を、ダイオキシンのごとき有害物質含有物に投与して焼
却することにより、ダイオキシン類やPCBの生成過程
において発生する塩素を遊離させてミネラルと結合さ
せ、塩類化合物として固定化するようにした有害物質分
解物質並びに分解方法を提供することにある。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明に係る有害物質分
解物質は、少なくとも光合成細菌および有用発酵菌を含
む有用微生物を複合培養により発酵させ、ついで熱帯植
物や米糠のごとき有用植物を入れて発酵させた後、オゾ
ン(O3)により酸化物を分解処理し、また菌体および残渣
を除去処理して得た有用微生物群抽出物と、粘土に前記
有用微生物群抽出物および少なくとも酸化カルシウム(C
aO)や酸化アルミニウム(Al2O3)のごときカルシウムアル
ミネート系化合物を含有する粘土を混練し、高温焼成し
た有用微生物群抽出物含有セラミックスとよりなるもの
である。
【0005】本発明に係る有害物質分解物質は、少なく
とも光合成細菌および有用発酵菌を含む有用微生物を複
合培養により発酵させ、ついで熱帯植物や米糠のごとき
有用植物を入れて発酵させた後、オゾン(O3)により酸化
物を分解処理し、また菌体および残渣を除去処理して得
られるものである。
【0006】本発明に係る有害物質分解物質は、粘土に
前記有用微生物群抽出物および少なくとも酸化カルシウ
ム(CaO)や酸化アルミニウム(Al2O3)のごときカルシウム
アルミネート系化合物を含有する粘土をを混練し、高温
で焼成してなるものである。
【0007】本発明に係る有害物質分解方法は、少なく
とも光合成細菌および有用発酵菌を含む有用微生物を、
複合培養によって発酵させ、ついでこの発酵液に熱帯植
物や米糠のごとき有用植物を入れて発酵させた後、オゾ
ン(O3)により酸化物を分解処理し、また菌体および残渣
を除去処理して得た有用微生物群抽出物と、粘土に前記
有用微生物群抽出物および少なくとも酸化カルシウム(C
aO)や酸化アルミニウム(Al2O3)のごときカルシウムアル
ミネート系化合物を含有する粘土を混練し、高温で焼成
した有用微生物群抽出物含有セラミックスとを、ダイオ
キシン類やPCBのごとき有害物質含有物に投与して焼
却することにより、有害物質を分解させるものである。
【0008】本発明における有用微生物群としては、例
えば、光合成細菌に属するものとして、Phodopseudonas
palustris ATCC 17001, Rhodobacter sphaeroides ATC
C 17023 ; 乳酸菌に属するものとして、Lactobacillus
plantayum ATCC 8014, Lactobacillus casei ATCC 7469
; 酵母菌に属するものとして、Saccharomyces cerevis
iae IFO 0203, Candida Utills IFO 0619;放線菌に属
するものとして、streptomycesalbusATCC3004, Strepto
myces griseus IFO 0619;糸状菌に属するものとして、
Aspergillus oryzae IFO 5570, Mucorhiemlis IFO 8567
などがある。
【0009】本発明に係る有害物質分解物質を構成する
有用微生物群抽出物の製造方法を述べる。まず、光合成
細菌を中心として、乳酸菌、酵母菌、放線菌、糸状菌な
どの有用微生物菌を約40日間複合培養(基質、滅菌糖
蜜)すると、培養液には各種の二次代謝物が数多く産出
され、ph=3.5〜3.8程度に調整されている。ついで、沖
縄熱帯植物の葉や海草、米糠などの有用植物を入れ発酵
させると、植物含有の有効物質の溶出や微生物の産出し
た生理活性物質を豊富に含む液体となる。さらに、オゾ
ン(O3)によって酸化物を分解させると、光合成細菌由
来と推察されるカロチノイドであるリコペン、分子量13
53.38でという比較的分子量が大きく複雑な構造を有す
る多糖類であるマンナンなどの糖質類、各種のアミノ
酸、ミネラル錯体、ある種のバクテリオシンなどの抗酸
化物質が多量に含有された液体が得られる。そして、最
終処理として、チャコールフィルターなどのフィルター
により液体から菌体および残渣を除去すれば、無菌、黄
金色の透明液体である有用微生物群抽出物(以下、本有
用微生物群抽出物という)が得られることとなる。実際
の使用に際しては、本有用微生物群抽出物をそのまま使
用し、あるいは濃縮して使用する。
【0010】本有用微生物群抽出物の本質的な効果は、
微生物が直接または間接につくり出した多様な抗酸化物
質と、それに光合成細菌より産成されるユビキノンや、
光合成細菌の有する特殊な電子伝達系によって発生する
起電力による抗酸化波動にあり、こうした物質と波動が
集積した場においては、多くの有用微生物を連動させて
その密度を高め、それと同時に、腐敗菌や病原菌などの
有害菌の密度を下げ、望ましい場を形成するようになる
結果、それらの有用微生物が生成する上記抗酸化物質
は、これまでに知られた抗酸化物質と異なった金属有機
錯体で、高い熱安定性、触媒的な機能、物質の構造の歪
みを正したり、分子や原子の配列を望ましい状態にする
機能、そして使えば使うほどその効果が高まり、物質を
長期的に安定化させる累積的な機能を有している。有用
微生物群発酵液および本有用微生物群抽出物のESR測
定結果を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】本有用微生物群抽出物をESRで測定した
結果、約350mT(g=2.00)を中心に***間隔9.5mTで等強
度6本に***したシグナルが観測された。このシグナル
は水中に遊離したMn2+;S=5/2 I=5/2)に起因すると考
えられる。超微細相互作用の大きさは超微細結合定数
(hflc:hyper finecoup ling constant)で示され、本
有用微生物群抽出物において観測されたシグナルではhf
lc=9.5mTとなる。観測されたMn2+に起因するESRシ
グナルより本有用微生物群抽出物の濃度を算出すると約
0.4ppmとなるMn2+マーカーを使用してESRを測定す
ると、等強度の6本の***パターンの他に未知シグナル
も観測される。鉄と銅以外に生体内に存在する遷移金属
としてMnおよびCoがある。これらはある程度、生体内
に存在する遷移金属化合物や生体有機化合物、またはタ
ンパク質とキレートして生理活性を示す物質として存在
している。周期表にしたがって水素元素から各元素が移
っていくと、その原子を構成している電子はエネルギー
順位にしたがって、それぞれに1個の電子あるいはスピ
ンを異にした2個の電子が軌道を占めていく。また、こ
れらの金属は常磁性で、原子価として1つずつ異なった
いくつかの値をとり、多くの錯体をつくる。ESRスペ
クトルのシグナルより、Mn核の1つの金属錯体を含有
することが推定される。Mnはタンパク質として生体内
で重要なキレートタンパク系生理物質を産出することが
知られている。植物では、Mnが不足すると光合成のみ
が特異的に抑制されるなど、生物に関しては重要な因子
の1つとして考えられる。
【0013】本有用微生物群抽出物の含有金属の種類と
数値を表2に示す。
【0014】
【表2】
【0015】この表1から、本有用微生物群抽出物に
は、LiからBiまでの多数の金属が含有されている。定性
分析では、40種類の金属が含有されていることが確認
された。また、5種類の金属に関して定量を行なった。
尚、定量に関しては5種類の金属だけで実施したが、F
eその他の生体系に関連する金属や、その酸化物を含め
た金属錯体の含有量は少なくないと推定される。これら
の金属は、プラスイオン(カチオン)の性質を有し、塩
素イオン(Cl-)とイオン結合し、塩となる性質をもっ
ている。ダイオキシンは気相中(焼却炉煙道中)におい
て塩素イオン(Cl-)を発生させるので、上記金属ミネ
ラルと反応し、安定化した塩を形成させるものと推測で
きる。
【0016】本有用微生物群抽出物のESR測定では、
Mn2+由来の強いシグナルが観察されたが、触媒活性に
反映するFe34やFeO3などのFeの含有量も決し
て少なくなくない。本有用微生物群抽出物の分子構造を
説明するために、17O−NMRスペクトルおよびレーザ
ーラマンスペクトルを表3に示す。
【0017】
【表3】
【0018】表3について以下に説明する。 (方法)核磁気共鳴(NMR)の装置は、日本電子製
(JNM CX−270型)、観測周波数;36.624MH
z、測定法;SGNON(17Oシングルパルス)、積算
回数;4096回、測定温度;25℃の条件で本有用微生物
群抽出物の17O−NMR測定を行なった。また、Job
in Yvon製(T−64000)のレーザーラマン分光装
置を用い、光源;Arレーザー5145Å、検出器;CCD
にて本有用微生物群抽出物および上水(水道水)を測定
した。 (結果と考察)図1は、本有用微生物群抽出物の17O−
NMR測定結果であり、本有用微生物群抽出物による半
減値は73Hz、上水の半減値は130Hzで、本有用微生
物群抽出物による半値幅の減少は、水溶液の分子構造が
変化し、水溶液の分子集団(クラスター)が小さくなる
ためである。図2は上記有用微生物群抽出物のラマンス
ペクトルである。図2から(A)の上水では、3400cmに
2Oのピークが確認でき、(B)の本有用微生物群抽
出物では、H2Oの他に、2180cm-1付近にブロードな発
光を示した。これは溶液中に含まれるミ成分と有機物に
よるものと推測できる。また、NMRスペクトルデータ
等から、本有用微生物群抽出物のクラスターの大きさを
比較すると、本有用微生物群抽出中には多種類の有機化
合物が含有されているにもかかわらず、クラスターの大
きさは上水の半分であることが証明された。さらに、レ
ーザーラマン分光により超純水と本有用微生物群抽出物
をフィッティングさせた結果からも、本有用微生物群抽
出物は非常に運動性を有する水の性質を示すことが推察
できる。したがって、本有用微生物群抽出物は、蒸発ス
ピードが速く、反応性が高く、そして生体系などにおい
て吸収されやすい性質を有することを示している。本有
用微生物群抽出物の発光強度および発光スペクトルを表
4に示す。
【0019】
【表4】
【0020】表4について以下に説明する。 (方法)東北電子産業製(CLA−100FC)の化学発
光測定器を用い、発光強度および発光スペクトルを測定
した。測定条件は、大気中、80℃一定で本有用微生物群
抽出物および蒸留水5ccを試料槽に挿入した。尚、発光
強度のゲートタイムは10sec、発光スペクトルでは1sec
にて測定した。 (結果と考察)化学発光(Chemiluminescence)とは、
励起状態から基底状態に戻る時に、熱としてではなく、
光りとしてエネルギーを放出する現象で、アミノ酸、酵
素およびシトクロムCなどからの発光が知られている。
このシトクロムは、光合成の際の電子伝達に関係する。
図1は、本有用微生物群抽出物および蒸留水の発光強度
を示している。本有用微生物群抽出物は、測定時間100s
ecから急激に発光量が増加し、250sec付近でピークを示
し、また、蒸留水は、600secまで発光量は一定であり、
変化がないことがわかる。本有用微生物群抽出物による
発光量の急増は、有用微生物やシトクロムなどによるも
のと考えられる。図2は、本有用微生物群抽出物の発光
スペクトルを測定したものであり、440〜600nmにスペク
トルがある。本有用微生物群抽出物は、最大のスペクト
ルが570nmにあり、可視光領域の波長の長波長部分に多
くのスペクトルが確認されることにより、赤色系の溶液
であることがわかる。この結果からまた、本有用微生物
群の構成菌の1つである光合成細菌の産成物や菌体の含
有量が比較的高い培養物であることが証明された。
【0021】また、本発明に係る有害物質分解物質を構
成する有用微生物群抽出物含有セラミックスは、酸化カ
ルシウム(CaO)や酸化アルミニウム(Al2O3)などのカ
ルシウムアルミネート系化合物が50%以上含まれた粘土
に、5%/tの本有用微生物群抽出物を加えて混練し、必要
に応じて、0.2%/tの本有用微生物群抽出液、0.1%/tの糖
蜜を加え、1300度の高温で焼成したものである。尚、上
記粘土は天然あるいは合成粘土のいずれでもよく、天然
粘土を使用する場合は、カルシウムアルミネート系化合
物を多く含む特定の粘土により、あるいは個々の成分を
含む複数の種類の粘土を反応させてカルシウムアルミネ
ート系化合物を多く含有させるよう処理した粘土を使用
すればよい。また、合成粘土を用いる場合には、BaS
O4、BaCO3、NaCO3、CaCO3、LiCO3などの群から選ばれる
少なくとも1種を添加して使用するとよい。この有用微
生物群抽出物含有セラミックス(以下、本有用微生物群
抽出物含有セラミックスという)は、粘土に焼き付けら
れた有用微生物群抽出物の情報を水を媒体に伝える機能
を有している。
【0022】有用微生物群抽出物含有セラミックスを構
成している成分と種類は表5に示す。
【0023】
【表5】
【0024】表5はX線回析法にて本有用微生物群抽出
物含有セラミックスを構成している成分を分析したもの
である。表5から、本有用微生物群抽出物含有セラミッ
クスは、硬度が高く、ガラスの性質をもつことが確認で
きる。また、酸化カルシウム(Cao)や酸化アルミニウ
ム(Al2O3)などのカルシウムアルミネート系鉱物を多
く含有するので色は白色系である。カルシウムアルミネ
ート系化合物は、塩を固定化する性質を有する。この性
質と本有用微生物群抽出物中のミネラルが持つ性質が、
ダイオキシンが合成される前に塩素イオン(Cl-)を塩
に変化させ、セラミックスに固定化させることにより、
無害化するものと推測できる。
【0025】ダイオキシンを無害化する本有用微生物群
抽出物の金属作用と本有用微生物群抽出物含有セラミッ
クスの触媒作用をさらに詳述する。燃焼時における塩素
系有機物からのダイオキシンの生成過程を簡単に説明す
ると、温度500℃〜700℃の気相中(焼却炉煙道中)にお
いて、フェニル基(Ph-)が最初に合成され、求核反応
によりCl-、Cl2-が結合することによって多数のダイオ
キシン異性体が合成される。焼却時における塩素系有機
物からのPCDDとPCDFの生成経路を表6に示す
(著者:宮田秀明 合同出版社「よくわかるダイオキシ
ン汚染」より引用)。
【0026】
【表6】
【0027】したがって、焼却の際に、上記塩素系有機
物に本有用微生物群抽出物を噴霧し反応を促進させる
と、発生した塩素イオン(Cl-)と金属ミネラルが反応
して塩化カルシウム(CaCl2)、塩化マグネシウム(MgC
l2)、塩化マンガン(MnCl2)そして塩化亜鉛(ZnCl2
などの単純な塩に瞬間的に変化し、結果的にダイオキシ
ンの合成が99%まで抑制される。同時に、焼却の際に投
入される本有用微生物群抽出物含有セラミックスパウダ
ーが塩の合成を促進させる触媒効果を示すとともに、そ
の主成分であるカルシウムアルミネート系化合物(CaOA
2O3)は塩の固定化反応を行ない、より一層ダイオキシ
ンの合成を抑制する。その際、セラミックスの表面では
分子レベルで各種の化学反応が起きる。まず、本有用微
生物群抽出物含有セラミックスの主成分であるカルシウ
ムアルミネートと本有用微生物群抽出物中の金属が反応
し、水和反応を起こす。次いで、本有用微生物群抽出物
含有セラミックスの原料である天然粘土中には石膏(Ca
SO4)も含有されているので、この水和反応にカルシウ
ムアルミネート化合物(CaOA2O3)と石膏(CaSO4)が反
応し、さらに、本有用微生物群抽出物の水が反応して水
和物(3CaOA2O3・3CaSO4・32H2O)を合成する。その間
に数々の反応が示され塩素イオン(Cl-)が存在すると 3CaOA2O3・3CaSO4・32H2O+2Cl- →3CaOA2O3・3CaCl210
H2O+SO42-+2H2O という反応を示し、塩素は固定化される。この時、セラ
ミックスの表面でも複雑な反応が進行し、塩を固定化
し、最終的にはモノサルフェートを経てフリーデル塩に
変化し、非常に安定し、二度と解離することがない状態
となる。
【0028】(実施例1)本有用微生物群抽出物と本有
用微生物群抽出物含有セラミックスを使用した塩素イオ
ンの抑制試験 試験方法 本有用微生物群抽出物(含有化合物が多く特定しにくい
ので硫酸バリウムをマーカとして0.1mg添加したもの)
と本有用微生物群抽出物含有セラミックス(カルシウム
アルミネート化合物が50%以上含有されたもの)をブレ
ンドさせた。一方、塩素溶液として人工海水(塩化マン
ガン水和物と塩化ナトリウムの3%混合溶液)を作り、
上記のセラミックスと反応させた。表7は配合比を示し
ている。
【0029】
【表7】
【0030】表7において、本有用微生物群抽出物含有
セラミックスを10gとした場合に、石膏は3g含有されて
いるものとして分析した。 試験結果と考察 人工海水にて処理をしたセラミックスの塩固定化能力を
4週間後に電子顕微鏡で検査した。表8はその電子顕微
鏡写真を示している。
【0031】
【表8】
【0032】表8に示すように、B0サンプルには本有用
微生物群抽出物を添加していないが、カルシウムアルミ
ネート化合物が塩素イオンを固定して、板状結晶を形成
していることがわかる。カルシウムアルミネートと塩化
カルシウムの化合物は本有用微生物群抽出物セラミック
スによってフリーデル塩として固定されていることが確
認できる。また、B8サンプルでは結晶の厚みがB0サンプ
ルの3倍以上あり、より多くの塩を固定していることが
確認できる。次に表9および表10はX線電子マイクロ
アナライザーにより、主として塩素イオンの特定波長を
検出し、本有用微生物群抽出物含有セラミックスの表面
に固定化されている状態を検査し、コンピュータ処理し
た表である。
【0033】
【表9】
【0034】本有用微生物群抽出物0mass%における塩
素イオンの固定状態を示している。実際の図は赤色に白
色が混合し、赤色は塩素を、白色は反応塩である。これ
により、本有用微生物群抽出物含有セラミックスは塩素
を固定することが確認できる。
【0035】
【表10】
【0036】表10の(C)は塩素の色が赤色から黄色に
変化し、フリーデル塩に変化していることを示す。した
がって、この塩から他の物質に変化することはないこと
が推定される。表11は2μm(2/1000mm)と10μm(10/100
0mm)の大きさで本有用微生物群抽出物含有セラミックス
の粒子を電子顕微鏡で観察した写真を示している。
【0037】
【表11】
【0038】1日経過した写真では、本有用微生物群抽
出物含有セラミックスの粒子の表面には板状の塩化物
(塩素を塩として安定化させた物質)が結晶として付着
していることが観察できる。1週間後にはセラミックス
粒子より結晶の方が大きく成長している。
【0039】本有用微生物群抽出物と本有用微生物群抽
出物含有セラミックスを使用することにより、セラミッ
クスのもつ遠赤外線作用以外に比熱作用によっても燃焼
効果を向上させることができる。以下、この比熱作用に
ついて述べる。熱容量とは、1℃温度を上げた時のその
物質のエネルギー増加分に該当し、比熱は1gあたりの
熱容量(cal/g・℃)であるから、セラミックス素材の
比熱が小さいほど同じ熱量で早く温度を上げることがで
きる。例えば、Auは0〜100℃で0.0311cal/g・℃である
が、粘土では0.224cal/g・℃である。熱的性質の基礎と
なるものは、固体を構成している原子、イオンそして電
子の熱運動である。すなわち、固体の有する内部エネル
ギーは、原子が平均の格子位置のまわりで振動するエネ
ルギーと自由電子の運動エネルギーに大別される。そし
て、固体が加熱され熱を吸収すると、温度の上昇ととも
に、上記の振動エネルギーと運動エネルギーのいずれか
の内部エネルギーが増大し、特徴ある熱的性質を示す。
加熱による内部エネルギー増大の機構は、金属のエネル
ギーバンド図モデルや格子振動モデルにより表現されて
いる。金属の場合は、自由電子の運動エネルギーに起因
している。例えば、Cuは外殻に、3S2 3P6 3d10 4S1の電
子配置をもっているが、原子間距離が近づくにつれ相互
作用により、より高いエネルギーバンドから順次***
し、幅を広げる。原子がもっとも安定すると、Cu結晶の
格子定数に達すると、3d 4S 4Pの3バンドは十分に重な
り合うので、3d電子と4S電子は大きなエネルギーを必要
とせず、3バンド内を自由に動き回ることができる。し
たがって、金属は、熱や電気に対するきわめてよい導体
で、比熱は比較的小さい。しかし、温度上昇によって移
動する電子の数はそれほど増加しないので、非常な低温
あるいは高温以外は比熱の温度変化は小さい。一方、Al
2O3、BeO、ZrO2などの酸化物の場合は、自由電子をもた
ず、格子内で3次元に振動する原子間の弾性的性質によ
り定まり、その振動の温度依存性は大きい。音速で格子
内を伝わる弾性波は、一定のエネルギーをもち音速で走
る粒子とみなすことができる量子フォノン(Phonon)に
より生じる。セラミックスのように、電子をもたないイ
オン結晶や共有結合性結晶では、フォノン(Phonon)が
行なっている。無機材料の熱伝導率の温度変化について
は、自由電子は電荷をもつと同時にある温度勾配のもと
で熱を運び、電子の運動の自由度が大きいほど熱伝導率
は高い。格子による電子の散乱は、温度上昇とともに大
きくなるので、金属の熱伝導率は温度が下がるにつれて
低下し、高温で一定となる傾向がある。格子が高温側で
熱エネルギーを受けると、熱振動は大きくなり、これが
弾性波すなわちフォノンの運動となって低温側に伝えら
れる。格子熱は温度が下がるにつれて増大するため、こ
れに伴って、フォノンの運動も減少し、熱伝導率も低下
する。さらに高温になると、フォノンの数も増え、これ
らの相互作用により運動度の低下と熱伝導率の低下に寄
与すると考えられる。本有用微生物群抽出物と本有用微
生物群抽出物含有セラミックスには、多数の金属が含有
されているから、これらが上記したセオリーにより焼却
炉内での燃焼効率を高めるものと推察できる。
【0040】(実施例2) 実験1 某清掃工場(年間5000t処理)より2日間の焼却灰を1kg
採取して検体とした。翌日、同じ焼却炉に本有用微生物
群抽出物含有セラミックスパウダーを1kg/t散布後、30
分間放置し、本有用微生物群抽出物を噴霧した。処理前
と処理後の焼却灰より検体としてそれぞれ350kgを採取
し、木製のスパーテル(サジ)にて完全に灰になってい
る部分をホモジナイザーに投入し、アセトン10lにて分
離抽出処理を実施し、Millex-HV13フィルター(米国ミ
リポア社製)にて精製を行ない、減圧濃縮下において乾
固させた。メタノールにて再溶解後、米国環境庁指定の
ダイオキシン/抗体ー酸素反応試験にて濃度を測定(分
光法)した。ダイオキシンの含有濃度が高いと発色(黄
色)の色が薄く、低濃度の場合には、発色が濃くなる性
質を有する。この色差を分光高度計により数値化してダ
イオキシンの定性を行なった。また、本試験にはスタン
ダード(標準物質)として0.01ppmと0.1ppmの純粋な2・
3・7・8T4CCDを使用した。 試験結果と考察 ダイオキシンの標準液0.01ppmにおけるOD値(分光高度
計による測定値)は1.857を示し、0.1ppmでは2.832を示
した。処理前検体は3.576と高い数値を示し、約58.7%
減少したことが観察された。本有用微生物群抽出物によ
り、ごみ焼却時において、焼却灰中のダイオキシン含有
率が減少した結果から、本有用微生物群抽出物がダイオ
キシンの発生を抑制していることが推察される。
【0041】(実施例3) 実験2 実験1の試験結果を受けて、その反応プロセスおよび本
有用微生物群抽出物によるダイオキシンの減少最大値に
関し、さらに実験を行なった。 試験方法 実験場所として某清掃工場(処理能力80t/1回)を選
び、焼却灰を1kg採取して処理前の検体とした。次に、
一定時間経過後、本有用微生物群抽出物を1l/t噴霧
し、同時に、本有用微生物群抽出物含有セラミックスパ
ウダーを1kg/t投入した。本実験では、最終的に有用微
生物群抽出物を80l、本有用微生物群抽出物含有セラミ
ックスパウダーを80kg使用した。一定時間経過後、同施
設内焼却炉にて、焼却を開始(最高温度900℃)し、焼
却終了後、焼却灰1kgを検体といして採取し、処理後の
検体とした。 分析方法 本有用微生物群抽出物処理前と本有用微生物群抽出物処
理後の検体それぞれ50gを木製のスパーテル(サジ)に
て採取し、以下の方法で分離抽出精製を行なった。100m
lのノルマルヘキサンにて油成分などを除去する分離処
理を行なった後、Millex-HV13フィルターにより油成分
を除去し(脱脂処理)、ノルマルヘキサンエキスを得
た。残渣にジクロロメタンやクロロホルムなどの試薬を
100ml入れ、30分間超音波により抽出能率を高めた。抽
出溶液を2種類のフィルターを使用して精製した後、ロ
ータリーエバポレーター(濃縮機器)により濃縮する
と、透明に近い物質のみが残り、溶液は全部除去され
る。この乾固された物質をクロロホルムエキスにアセト
ンを50ml加え、30分間超音波抽出を行ない、終了後に遠
近分離装置により沈殿層と上澄み液に分離させ、上澄み
液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮し、乾固さ
せ、アセトンエキスとした。最後に20mlのメタノールを
再度加え、完全に乾固させるのではなく、メタノールの
残量が1/3に減少するまで濃縮させ検体とした。本有用
微生物群抽出物処理前と本有用微生物群抽出物処理後の
2種類の検体をガスクロマトグラフ質量分析用検体とし
た。 試験結果と考察 ガスクロマトグラフ質量分析による本有用微生物群抽出
物処理前と本有用微生物群抽出物処理後の検体のダイオ
キシン類実測値(ng/g .ngは10億分の1g)分析結果は
表12に示した。
【0042】
【表12】
【0043】ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDD)
およびジベンゾフラン(PCDF)の合計値が算出された。
本有用微生物群抽出物処理前の検体ではTotal(PCDDs+
PCDFs)の合計が227ng/gだが、本有用微生物群抽出物処
理後の検体では21.35ng/gであり、約94%のダイオキシ
ン類が抑制されたことを示した。また、本有用微生物群
抽出物処理後の検体に関しては、小野田テクニカルセン
ターを通じてカナダの研究機関に送り、分析を依頼。そ
の結果、Total(PCDDs+PCDFs)の合計が39.28ng/gであ
った。この数値は、日本で出願人が検出した数値と比較
すると、誤差範囲であると判断される。日本の清掃工場
におけるダイオキシン排出基準は煙のみを対象にしてい
るが、現実にはダイオキシン含有量は灰の中に80%以上
残留しているといわれている。出願人の実験は灰(完全
に灰化されている部分)を対象に行なったものであるか
ら、本有用微生物群抽出物により90%以上のダイオキシ
ン類の発生が抑制され、その意義は大きい。
【0044】(実施例4) (1)PCB試薬(カネクロン500:カネカ)を本有用微生
物群抽出物の100倍希釈液と混合し、500mlのバイアルビ
ンに300ml注入後、10日間の継続培養を行なった。基質
として減菌糖蜜1%とP-安息香酸(0.5mg/kg)およびYe
ast extr.(0.1mg/kg)を添加した。また、PCB試薬
添加量は純濃度が3%になるように調整し、別に同濃度
のコントロールを用意した。培養条件として、30℃(室
温)にて静置培養を行ない、ph3.5には48時間後にな
り、以後安定した。 (2)10日経過後、n-Hexにて脱脂処理を実施し、残渣に1-
BuOHを200ml加え分液漏斗にて30分間振盪して2層に
分離させ、1-BuOHと残渣にした。そして1-BuOH層は減圧
濃縮させ、完全に乾固させた。この乾固させた1-BuOH層
を1-BuOH extr.とし、Acetone(試薬特級:和光)を等
量である200ml加え、同様に分液漏斗にて30分間抽出
後、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮を行ない乾
固させた。得られたAcetone extr.にMeOH(試薬特級:
和光)を200ml加え、30分間同様な抽出を行ない、さ
らに、得られたAcetone 層を減圧濃縮させ、乾固してAc
etoneextr.とした。10mlのMeOhを加え溶解させたAcet
one extr.をミリポアHV13フィルターにてフィルター
過過後PCB抗体ー酵素反応管(抗体ー酵素がコーティ
ングされている試験管)内に3ml加え、室温で反応させ
た。尚、コントロールも同時にPCB抗体ー酵素反応管
に等量加え室温にて反応させた。反応開始から30分間
以内にHACH社のDR−3000型分光光度計にて測定し
た。 (3)PCBの分解が促進され、10日経過後には、1/
3〜1/2に減少した。
【0045】本有用微生物群抽出物および本有用微生物
群抽出物含有セラミックスは、ゴミ焼却炉における焼却
の際に発生するダイオキシンに有効に作用するのみなら
ず、焼却後に排出された焼却灰に含まれたダイオキシン
の後処理にも適用できる。ダイオキシン対策がなされて
いないゴミ焼却炉から排出された焼却灰の中には高濃度
に濃縮されたダイオキシンが含有していることが予想さ
れ、これをそのまま処分地などに放置すれば、難分解性
であるため、長い時間を経て、土壌中のダイオキシンは
拡散され、河川や湖沼などの水系や田畑を汚染し、家畜
や作物の内部に生物濃縮されて入り込み、人体に蓄積さ
れ、環境ホルモンとして反応する可能性がある。そし
て、従前から、このような難分解性物質を分解する微生
物が存在することは知られているが、ごく限られた種類
の微生物である上に分解時間が長いという欠点があっ
た。上記の実状を鑑み、タンクに本有用微生物群抽出物
および本有用微生物群抽出物含有セラミックスをスラリ
ー状(slurry)に入れ、この中に焼却灰を投入した後、25
4nmに最大波長を有する紫外線ランプを照射すれば、ダ
イオキシンを構成するベンゼン環の炭素と塩素の結合が
切断され、解離した塩素は単純塩に化学変化し、最終的
にセラミックスの表面に固定化されることを確認した。
また、スラリー状の本有用微生物群抽出物および本有用
微生物群抽出物含有セラミックスの入った電解槽に焼却
灰を投入し、電気分解(白金電極を使用)をすると、塩
素は陽極電極に移動することを確認した。このことは上
記セラミックスが触媒作用を有していることを推測させ
るものである。そして、この場合において、塩素を固定
可能な特殊セメントを混合させれば、塩素はこのセメン
トに吸着固定化し、さらに単純塩を経てフリーデル塩に
変化することにより、セメントからダイオキシンが遊離
することは不可能となる。
【0046】その他、本有用微生物群抽出物に含まれる
結晶成分をX線回析により構造決定した。 (方法)理学電機製(RV-200)の広角X線回析装置を用
い、本有用微生物群抽出物の板状結晶(再結晶)をメノ
ウ乳鉢で粉砕後、アルミ製試料板に詰めて測定した。ま
た、化合物の検索には、JCPDS data baseを用い、自動
検索・マニュアル検索を併用して行なった。尚、測定パ
ラメータは、以下の条件で測定した。 1.電極:Cu 2.管電流:100mA 3.波長:1.54056A (測定結果と考察)化合物名は、JCPDS data base(JCPD
S 42-6(joint commite on powder Diffraction Standar
ds)より、下記のように決定された。 C4.4H12.05A12N1.15O0.05P1.9・0.22H2O 0.55(C4H9)2NH
・0.3(NH4)2O・Al2O3・0.95P2O5・0.22H2O(Alumininum
Ammonium Dibutylamine Phosphate Hydrate 8.9) 上記化合物は、ゴミ焼却炉の内壁に付着し、炉を強化す
るとともに、防錆効果を発揮することを確認した。上記
化合物はゼオライト系鉱物に微量に含有されている。し
かし、合成はされておらず、これまで防錆効果に関する
報告もない。したがって、上記化合物の防錆効果は新規
性を有し、今後の工業的な応用に期待がもてる。
【0047】尚、本発明に使用される微生物は、5科1
0属80種の有用微生物より選択し構成されるが、必ず
しも80種類ある必要はなく、光合成細菌と有用発酵菌
が連動していればよく、例えば、光合成細菌を中心に乳
酸菌や酵母菌、抗菌作用のある放線菌などが連動すれ
ば、各々3〜5種類で十分に効果がある。そして、複合
培養のための基質として糖蜜を選択したが、これに限ら
ずアミノ酸含有植物残渣なども使用できる。また、ダイ
オキシン類やPCBに限らず、広く有機塩素系有害化学
物質の分解に適用できる。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、有
用微生物群抽出物および有用微生物群抽出物含有セラミ
ックスを、ダイオキシン類やPCBのごとき有機塩素系
有害化学物質の含有物に投与して焼却することにより、
塩素を遊離させてミネラルと結合させ、塩類化合物とし
て固定化できる顕著な効果が得られる他、ゴミ焼却炉内
での焼却過程において、セラミックスのもつ遠赤外線効
果とともに、含有金属ミネラルが焼却炉の内壁に付着し
て錆の発生を防止し、燃焼効率を高めるなどの効果も奏
するものである。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも光合成細菌および有用発酵菌
    を含む有用微生物群を複合培養により発酵させ、ついで
    熱帯植物や米糠のごとき有用植物を入れて発酵させた
    後、オゾン(O3)により酸化物を分解処理し、また菌体お
    よび残渣を除去処理して得た有用微生物群抽出物と、前
    記有用微生物群抽出物および少なくとも酸化カルシウム
    (CaO)や酸化アルミニウム(Al2O3)のごときカルシウムア
    ルミネート系化合物を含有する粘土を混練し、高温焼成
    した有用微生物群抽出物含有セラミックスとよりなる有
    害物質分解物質。
  2. 【請求項2】 少なくとも光合成細菌および有用発酵菌
    を含む有用微生物群を複合培養により発酵させ、ついで
    熱帯植物や米糠のごとき有効植物を入れて発酵させた
    後、オゾン(O3)により酸化物を分解処理し、また菌体お
    よび残渣を除去処理して得られる有害物質分解物質。
  3. 【請求項3】 粘土に前記有用微生物群抽出物および少
    なくとも酸化カルシウム(CaO)や酸化アルミニウム(Al2O
    3)のごときのごときカルシウムアルミネート系化合物を
    含有する粘土を混練し、高温で焼成してなる有害物質分
    解物質。
  4. 【請求項4】 少なくとも光合成細菌および有用発酵菌
    を含む有用微生物類を、複合培養によって発酵させ、つ
    いでこの発酵液に熱帯植物や米糠のごとき有効植物を入
    れて発酵させた後、オゾン(O3)により酸化物を分解処理
    し、また菌体および残渣を除去処理して得た有用微生物
    群抽出物と、粘土に前記有用微生物群抽出物および少な
    くとも酸化カルシウム(CaO)や酸化アルミニウム(Al2O3)
    のごときのごときカルシウムアルミネート系化合物を含
    有する粘土を混練し、高温で焼成した有用微生物群抽出
    物含有セラミックスとを、ダイオキシン類のごとき有害
    物質を含有する物に投与して焼却することにより、有害
    物質を分解させる有害物質分解方法。
  5. 【請求項5】 前記有用発酵菌が、乳酸菌、酵母菌、放
    線菌、糸状菌などの群から選ばれる少なくとも1種であ
    る請求項1ないし4記載の有害物質分解物質並びに有害
    物質分解方法。
  6. 【請求項6】 前記粘土が天然粘土である請求項1、
    3、4記載の有害物質分解物質並びに分解方法。
  7. 【請求項7】 前記粘土が合成粘土である請求項1、
    3、4記載の有害物質分解物質並びに分解方法。
  8. 【請求項8】 前記粘土が合成粘土に、BaSO4、BaCO3
    NaCO3、CaCO3、LiCO3などの群から選ばれる少なくとも
    1種である請求項1、3、4記載の有害物質分解物質並
    びに分解方法。
  9. 【請求項9】前記有害物質が塩素系化合物である請求項
    1ないし4記載の有害物質分解物質並びに分解方法。
  10. 【請求項10】前記塩素系化合物がダイオキシン類であ
    る請求項9記載の有害物質分解物質並びに分解方法。
  11. 【請求項11】前記塩素系化合物がPCBである請求項
    9記載の有害物質分解物質並びに分解方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003007693A1 (fr) * 2001-07-17 2003-01-30 Okinawa Midori Sangyo Co., Ltd. Sol de culture vegetale et procede de culture elevee et lit de culture elevee faisant intervenir son utilisation

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