JP2000185322A - 金属溶解方法 - Google Patents

金属溶解方法

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JP2000185322A
JP2000185322A JP10363932A JP36393298A JP2000185322A JP 2000185322 A JP2000185322 A JP 2000185322A JP 10363932 A JP10363932 A JP 10363932A JP 36393298 A JP36393298 A JP 36393298A JP 2000185322 A JP2000185322 A JP 2000185322A
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waste
melting
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metal
furnace
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Norio Honjo
則夫 本庄
Hajime Aragai
元 新貝
Masahide Tsuno
雅英 津野
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Daido Steel Co Ltd
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Vertical, Hearth, Or Arc Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】金属溶解におけるエネルギーコストを低減する
と共に、廃棄タイヤ等による環境破壊等を抑制可能とす
る金属溶解方法を提供する。 【解決手段】酸素をパイプ12等から炉内に吹込んで金
属スクラップSを溶解する溶解炉1内に、金属スクラッ
プSと廃棄タイヤT及び/又は廃棄プラスチックとを装
入し、上記廃棄タイヤT及び/又は廃棄プラスチックを
燃料又はその一部として金属スクラップSを溶解する金
属溶解方法。上記タイヤT等は廃棄された形態のまま溶
解炉1内に装入されると共に、各タイヤT等はスクラッ
プSと略均一な分布の混在状態、又は層状にし交互に積
層状態にして装入される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クズ鉄等の金属ス
クラップ等を溶解して再利用する際における金属溶解方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、金属溶解は、クズ鉄を主原料と
する金属スクラップとこれに必要な合金元素や新鋼塊を
適宜加えて溶解炉内に装入し、重油を主燃料とするバー
ナからの火炎や電極と上記スクラップとの間で生じるア
ークの熱によって金属スクラップ等を溶解している。ま
た、コスト低減のニーズに答えるため、上記バーナの火
炎や電極のアークによる金属スクラップの溶解効率の向
上について、これまで種々の技術改良が施されてきた。
しかし、上記溶解効率の向上によるコスト低減にはかな
り限界に近付いている。このため、燃料の一部を微粉炭
や木材チップ等に転換することも試みられているが、未
だに不十分であった。
【0003】一方、近年の環境意識の向上により、各種
廃棄物の処理が問題となっている。特に、廃棄タイヤや
廃棄プラスチックは、無害化して廃棄処分するために多
大のコストを要する。例えば、廃棄タイヤや廃棄プラス
チックを燃やすと焼却炉を痛めたり、焼却場の周囲に悪
臭を拡散しつつ放出する。このため、廃棄タイヤ等の燃
焼効率を高めるために予めこれを裁断装置で細かなチッ
プにして燃焼することも考えられるが、上記裁断がコス
ト高に繋がる。従って、産業廃棄物処分場等に廃棄され
た状態のまま積み上げられることが多い。場合によって
は、不法に原野等に廃棄され野積みされるため、一層環
境を悪化させるという悪循環に陥るという問題がある。
【0004】
【発明が解決すべき課題】ところで、廃棄タイヤや廃棄
プラスチックは、その成分中に炭素(C)分を多量に含ん
でいる。従って、廃棄タイヤ等を焼却処理すると炭酸ガ
ス(CO2)が大量に燃焼エネルギと共に放出される。こ
のため、廃棄タイヤ等を焼却処理することによって、地
球温暖化を促進するという問題もあった。本発明は、以
上に説明した金属溶解におけるコストを一層低減すると
共に、廃棄タイヤ等による環境悪化や環境破壊を抑制す
ることにも貢献し得る金属溶解方法を提供することを課
題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、廃棄タイヤや廃棄プラスチックに含まれる
炭素を金属スクラップ等の溶解時における燃料として活
用することに着目してなされたものである。即ち、本発
明の金属溶解方法は、酸素又は空気を炉内に吹込んで金
属を溶解する溶解炉内に、金属スクラップ等と廃棄タイ
ヤ及び/又は廃棄プラスチックとを装入し、上記廃棄タ
イヤ及び/又は廃棄プラスチックを燃料又はその一部と
して金属スクラップ等を溶解する、ことを特徴とする。
この方法によれば、廃棄タイヤ等に含まれる炭素を酸化
させた際に生じるエネルギを利用してスクラップを溶解
できるので、溶解に用いる燃料や電力等のコストを低減
できる。しかも、廃棄タイヤや廃棄プラスチックを燃料
として活用でき、環境問題の解決にも寄与することがで
きる。尚、上記炉内に吹込む酸素には、純酸素のほか酸
素を富化した空気も含まれる。
【0006】また、前記廃棄タイヤ及び/又は廃棄プラ
スチックが、微細なチップ又は押し潰した形態とされる
ことなく廃棄された形態のまま溶解炉内に装入される、
金属溶解方法も含まれる。これによれば、廃棄タイヤを
細かく裁断したり、立体的形状を有する廃棄プラスチッ
クを裁断又は押し潰すことなく、廃棄されたそのままの
形態で溶解炉に装入して、燃料として活用するので、そ
の処理コストも不要となり、金属溶解に要する燃料コス
トを一層低減することが可能となる。しかも、廃棄され
るタイヤ等のリサイクル効率を高めることにも貢献で
き、環境対策の点からも好ましくなる。尚、本発明で
は、廃棄されたままの廃棄タイヤ等と共に、廃棄タイヤ
等を微細なチップ又は押し潰した形態にしたものと併用
して溶解炉に装入する場合も含まれる。
【0007】更に、前記廃棄タイヤ及び/又は廃棄プラ
スチックを溶解炉内に装入するに際し、金属スクラップ
等と略均一な分布の混在状態にして装入する、金属溶解
方法も含まれる。これによれば、溶解炉内に原料のスク
ラップと燃料となる廃棄タイヤ等とが互いに入り交じっ
た状態で装入されるため、廃棄タイヤ等の燃焼熱を隣接
するスクラップの溶解に有効に活用でき、燃焼効率を高
めることができる。また、前記廃棄タイヤ及び/又は廃
棄プラスチックを溶解炉内に装入するに際し、この廃棄
タイヤ及び/又は廃棄プラスチックと前記金属スクラッ
プ等とを層状にし交互に積層状態にして装入する、金属
溶解方法も含まれる。これにより、スクラップと廃棄タ
イヤ等との装入作業も容易となり、且つ廃棄タイヤの燃
焼熱をスクラップの溶解に有効活用でき、燃焼効率を確
実に高めることができる。
【0008】更に、前記廃棄タイヤ及び/又は廃棄プラ
スチックを溶解炉内に装入する装入高さが、溶解炉内の
装入物上限高さの80%以下である、金属溶解方法も含
まれる。これによれば、燃料として利用される廃棄タイ
ヤ等の燃焼熱が直ちに炉外に排出されることなく、スク
ラップの溶解エネルギとして確実に有効活用することが
可能となる。尚、上記装入高さが80%を超えると廃棄
タイヤ等の燃焼熱が溶解に利用されることなく炉外に排
出され得るため除外した。また、廃棄タイヤ等の上記装
入高さの下限は、理論的には溶解炉内の炉床表面(0%)
であるが、実際の操業上では上記装入物上限高さの約5
〜10%程度である。
【0009】加えて、前記廃棄タイヤ及び/又は廃棄プ
ラスチックの溶解炉内への装入量が、3kg/金属スク
ラップton以上である、金属溶解方法も含まれる。こ
れによれば、廃棄タイヤ等を装入することによる燃焼熱
の確保と燃料コストの低減を確実にすることができる。
尚、上記廃棄タイヤ等の装入量未満では、燃焼熱の確保が
不十分となるため除外した。係る装入量は、望ましくは
10kg〜数100kg/金属スクラップton以上で
ある。しかし、実操業上の観点から廃棄タイヤ等の装入
量の上限は、大よそ約1ton/金属スクラップton
程度である。尚、スクラップには通常のクズ鉄の他、溶
解すべく金属や合金に応じて、特定の用途に使用された
金属製品やその一部分の廃棄物を用いる場合もある。ま
た、スクラップと同時に合金形成元素成分又は新たな鋼
塊や金属塊等も装入される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下において本発明の実施に好適
な形態を図面と共に説明する。図1(A)は本発明に用い
る溶解炉1の縦断面を示す。この溶解炉1は、所謂エル
ー式三相アーク炉であり、耐火物からなる炉床2と、鉄
皮の内側に水冷ジャケット又は耐火物を設けた炉壁1
3,14,15,17と、炉蓋20とを有する。上記炉床
2は、緩く球面状に凹んだ床面4と、図示で左側に開口
部5から外向きに突出する出鋼樋6と、その反対側の開
口部7を有する後端部8とからなる。係る炉床2は、そ
の底面に設けた支持構造体11のアール面10を介して
ベース9上に載置されると共に、出鋼樋6の先端を下げ
得るように炉1全体が緩く傾動可能とされている。
【0011】また、上記開口部7内と炉壁15,17に
は、これらを貫通する酸素吹込み用のパイプ12,16,
18が配置されている。更に、炉蓋20の頂部に形成し
た開口部22内には、3本の電極24が垂直で且つ互い
に等間隔にして貫通する。これらの電極24は、追って
炉1内に装入される金属スクラップSとの間でアークを
発生させる。炉蓋20の上面には炉1内のガス等を排出
する排気管26が設けられる。係る炉蓋20は、炉壁1
5,17の上端に対し接離自在になるよう図示しない移
動手段により水平方向に移動可能とされている。従っ
て、炉蓋20を別の位置に移動して、炉1内に金属スク
ラップS及び廃棄タイヤTを装入した後、図1(B)に示
すように、炉蓋20を再度移動して炉壁15,17の上
に復帰させる。
【0012】図1(B)に示す状態において、各パイプ1
2,17,18から酸素を炉1内に吹込むと共に、炉蓋2
0の開口部22から降下させた各電極24に三相交流電
流を供給する。電流が安定するに従って電圧を大きく
し、金属スクラップSの溶解時間を短くするためには、
できるだけ速く最高電圧をかけるようにする。装入物の
金属スクラップS及び廃棄タイヤTが溶解炉1内で嵩張
って一回で全ての原料が装入できない場合は、当初に装
入したスクラップSがある程度溶解して、炉1内の装入
物(S,T)のレベルが下がった時に残りのスクラップS
や廃棄タイヤTを装入する。また、当初の装入では廃棄
されたままの廃棄タイヤTと共に、廃棄タイヤTを微細
なチップの形態にしたものを同時に溶解炉1内に装入す
ることにより、タイヤTの燃焼を容易にすることも可能
である。
【0013】そして、各電極24と各スクラップSとの
間でアークが生じ、このアーク熱により各スクラップS
が溶解すると共に、この溶解熱や上記アーク熱にて廃棄
タイヤTも吹込まれた酸素により燃焼する。即ち、タイ
ヤT中に含まれる炭素は、酸化して二酸化炭素(CO2)
又は一酸化炭素(CO)となり、後者の一酸化炭素も更に
酸化(2次燃焼)して二酸化炭素となる。係る各酸化反応
の際にエネルギ(燃焼熱)が発生する。このタイヤTの燃
焼熱もスクラップSの溶解に活用される。
【0014】前記電極24に供給する電力は、廃棄タイ
ヤTの燃焼熱が活用できる時期の前までは最高電圧又は
その付近にするが、上記タイヤTの燃焼熱が電極24の
アーク熱と併用可能となった時期以降では電圧を徐々に
低減することが可能となる。従って、スクラップSの溶
解に要する電力量を節約できると共に、廃棄タイヤTの
有効活用も図ることができ、省エネルギと環境改善の双
方を一挙に図ることが可能となる。尚、係る溶解期にお
ける電力供給は、溶解炉1内の温度及び/又は装入物
(S,T)の溶解・燃焼程度に応じて逐次シフトできるよ
うに、自動制御される。また、上記溶解及び燃焼に伴っ
て発生するガスや粉塵は、炉蓋20の排気管26から排
出され、図示しない集塵機に送給される。
【0015】ところで、溶解炉1内への廃棄タイヤTの
装入形態は、予め金属スクラップSと廃棄タイヤTとを
混合して互いに均一な分布状態にした後、図示しないバ
ケットで搬送し且つ該バケットから溶解炉1内に装入す
る。すると、図2(A)に摸式的に示すように、スクラッ
プSと廃棄タイヤTとが溶解炉1内で略均一な分布の混
在状態にして装入される。これにより、各パイプ12,
16,18から吹込まれる酸素が各廃棄タイヤTに略均
一化して供給されると共に、各タイヤTの燃焼が平行し
て行われ且つその燃焼熱を隣接するスクラップSに効率
良く伝達してその溶解熱として有効活用することができ
る。
【0016】また、金属スクラップSと廃棄タイヤTと
を個別の専用バケット内に入れておき、タイヤT及びス
クラップSの順序にして溶解炉1内に装入する。する
と、図2(B)に示すように、溶解炉1内では廃棄タイヤ
T,T,…の層とスクラップS,S,…の層とが層状にして
且つ交互に積層状態で装入される。これによっても、パ
イプ12等から吹込まれる酸素が各タイヤTに略均一に
供給され、各タイヤTの燃焼が平行して行われると共
に、その燃焼熱を上下に隣接する各スクラップSに効率
良く伝達してその溶解熱に有効活用することが可能とな
る。尚、各スクラップSを図示のように予め偏平形状に
しておくと、上記層状の装入が容易となる。
【0017】ここで、溶解炉1内における廃棄タイヤT
の装入高さについて、図3(A)により説明する。前述し
たように、各タイヤTは酸化・燃焼により周囲のスクラ
ップSの溶解熱を供給する。しかし、溶解炉1内におい
てタイヤTを装入する位置が高すぎると、その燃焼熱が
タイヤTに伝達されず、排気管26から炉1外へ直接排
出され、電極24への電力供給を引き下げることに有効
に寄与しなくなる。そこで、溶解炉1における装入物の
上限高さHに対し、廃棄タイヤTの装入高さhを種々変
更し、その際における溶解炉1の電力原単位の変化を測
定した。その結果を図3(B)のグラフに示す。
【0018】上記グラフからタイヤTの装入高さhは、
溶解炉1における装入物の上限高さHに対する比が80
%を超えると、電力原単位が急激に上昇することが判
る。従って、スクラップSと共に装入される廃棄タイヤ
Tの装入高さhは、上記装入物上限高さHとの比で80
%以下にすることが有効であることが理解される。更
に、図3(B)のグラフから、タイヤTの装入高さhは、
装入物上限高さHの約50〜80%の範囲内が望ましい
ことも理解される。尚、図3(B)のグラフ中における電
力原単位で指数が100%の通常レベルとは、廃棄タイ
ヤTを装入せず電極24への供給電力のみでスクラップ
Sを溶解した際に要する電力原単位を示す。
【0019】また、溶解炉1内に装入する廃棄タイヤT
の有効な装入量についても検討した。即ち、溶解炉1内
に装入する全スクラップS(ton)に対し、タイヤTの
全装入量(kg)を種々変化させて溶解炉1の電力原単位
の変化を測定した。その結果を図4グラフに示す。この
グラフから廃棄タイヤTを装入せず電極24への供給電
力のみでスクラップSを溶解する通常レベル(100%)
に対し、タイヤTの装入量の増加と共に電力原単位が徐
々に低減していく傾向が理解できる。しかし、タイヤT
の装入量があまりにも少ないと電力原単位の低減は顕著
に表れず、装入作業のみが煩雑になって効果的ではな
い。
【0020】従って、廃棄タイヤTの装入量は、図4の
グラフ中に破線で示したように、1tonのスクラップ
S当り少なくとも3kg以上を装入すると、電力原単位
を約3%程度低減することができる。望ましくは廃棄タ
イヤTの装入量を60〜70kg/スクラップSton
又はこれ以上にすると、図4のグラフに示すように、電
力原単位を約40%程度低減することができる。尚、タ
イヤTの装入量の上限は、理論的にはスクラップSの装
入量の上限と略同等程度と考えられるが、実操業上の観
点から数100kg/スクラップSton程度と推察さ
れる。
【0021】以上のように、電気炉の一形態である溶解
炉1を用いた本発明の金属溶解方法によれば、クズ鉄等
の金属スクラップSと共に廃棄タイヤTを炉1内に装入
し且つ酸素を吹込むことにより、電極24によるアーク
熱とタイヤTの燃焼熱を併用することができ、スクラッ
プSの溶解期及び酸化期における消費電力を低減するこ
とができる。しかも、タイヤTはチップ化することなく
そのままの形態で活用でき、自前の処理コストも著しく
低減できる。更に、溶解炉1内でスクラップSと略均一
な混在状態又は積層状態で装入することにより、確実な
溶解エネルギ源として活用することができると共に、廃
棄タイヤの有効活用と環境問題の解決に寄与することも
可能となる。
【0022】尚、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリアミド等からなる各種の廃棄プラスチックも上記タ
イヤTと同様にして溶解炉1に装入することにより、金
属溶解における省エネルギを図ることが可能である。こ
の場合、廃棄プラスチックも廃棄された形態のまま炉1
内に装入するが、各種の形状やサイズを有するため、例
えば自動車用バンパ等のように大きなものは、必要に応
じて切断又は押し潰しておく。また、廃棄タイヤTと廃
棄プラスチックとをスクラップSと同時に溶解炉1に装
入したり、或いは廃棄タイヤTとチップのように細かく
裁断したプラスチックを同時に装入したり、更にはチッ
プ化したタイヤTと廃棄プラスチックを同時に装入する
こともできる。但し、廃棄プラスチックの種類はその燃
焼の際に有害ガスを生じない材質に限定したり、或いは
有害ガスを発生しない燃焼温度を選択するように留意す
る必要がある。
【0023】本発明は以上において説明した形態に限定
されるものではない。図5は、本発明を適用した直流ア
ーク炉(溶解炉)30を示す。該アーク炉30は、耐火物
からなる炉床32と、鉄皮の内側に水冷ジャケット又は
耐火物を設けた円筒形の炉壁40と、その上部を覆う炉
蓋44を有する。炉床32は、その一部に開口部33を
有して突出する出鋼部34と、その底面に穿設した貫通
孔35を塞ぐ耐火物の栓36と、炉床32の中央に位置
する炉底電極38とを有する。また、炉壁40には炉3
0内に酸素を吹込む複数のパイプ42が貫通している。
更に、炉蓋44はその頂部に設けた開口部46内に1本
の電極48が垂直方向に昇降自在に貫通し、且つ炉30
内のガス等を排出する排気管47が上部に設けられてい
る。尚、上記炉底電極38には空冷、水冷、又は水スプレ
ー電極の何れかが用いられる。
【0024】そして、図5に示すように、アーク炉30
内に金属スクラップSと廃棄タイヤT及び図示しない廃
棄プラスチックを装入する。スクラップSとタイヤT等
との装入形態は前述した混在状態又は積層状態として、
各パイプ42から炉30内に酸素を吹込むと共に、電極
48から炉底電極38に向けて直流電流を通電する。す
ると、電極48と各スクラップSとの間でアークが発生
し、そのアーク熱でスクラップSを溶解する。同時にア
ーク熱によりタイヤT等も燃焼しその燃焼熱により付近
のスクラップSを溶解する。従って、前記同様にスクラ
ップSの溶解期と酸化期における消費電力を節約でき、
電力原単位を低減することができる。
【0025】図6は本発明を適用した更に異なる形態の
溶解炉に関する。図6(A)に示す溶解炉50は、所謂純
酸素底吹転炉であり、全体が略樽形状を呈し且つ鉄皮5
2内に耐火物54を貼り付け、上部に装入口51と出鋼
孔53を、底部56に酸素を吹込むパイプ57とプロパ
ンを吹込むパイプ58を有する。図6(A)に示すよう
に、予め溶解炉50内に例えば前記溶解炉1等で予め溶
解した溶湯Mを注湯した後、金属スクラップSと廃棄タ
イヤT及び図示しない廃棄プラスチックを追加装入す
る。スクラップSとタイヤT等との装入形態は前述した
混在状態又は積層状態とし、各パイプ57,58から炉
50内に酸素又はプロパンを吹込む。これにより、タイ
ヤT等は酸素と溶湯Mの熱で燃焼してスクラップSの溶
解に寄与するため、溶鋼の精練に要するエネルギの節約
を図ることができる。尚、上記各パイプ57,58を有
しない純酸素上吹転炉にも本発明を適用することは可能
である。
【0026】図6(B)に示す溶解炉60は、所謂アルゴ
ン−酸素吹込み法(AOD法)に用いる横吹き転炉であ
り、全体が略樽形状を呈し鉄皮62内に耐火物64を貼
り付けたもので、図示で上端に装入口61を、下寄りの
側面に酸素とアルゴンを吹込むパイプ66とアルゴンの
みを吹込むパイプ68を有する。図示のように、予め溶
解炉60内に別途溶解した溶湯Mを注湯した後、金属ス
クラップSと廃棄タイヤT等を追加装入する。スクラッ
プSとタイヤT等との装入形態は前述した混在状態又は
積層状態とし、各パイプ66,68から炉50内に酸素
及び/又はアルゴンを吹込む。これにより、タイヤT等
は酸素と溶湯Mの熱で燃焼してスクラップSの溶解に寄
与し、各種金属の二次精練のエネルギの節約を図ること
ができる。
【0027】尚、本発明は以上において説明した各形態
の溶解炉に限らず、少なくとも原料の一部に金属スクラ
ップを用い、且つ炉内に酸素又はこれを含む空気等を吹
込むことが可能な溶解炉であれば、普通鋼、特殊鋼、ス
テンレス鋼等の一次精練又は二次精練の何れにも適用す
ることが可能である。また、本発明で金属溶解に際して
廃棄タイヤ等と併用する溶解エネルギ源には、溶解炉内
にバーナーを挿入しその先端から火炎をスクラップ等に
吹付ける重油等の油類やプロパンガス等も含まれる。更
に、本発明に用いる廃棄タイヤには、自動車や特殊車
両、航空機、又は自転車のタイヤは勿論のこと、小型の
建設機械や農業機械に用いられる無限軌道のゴム(プラ
スチック)クローラ、或いは各種のコンベア用ベルト等
も含まれる。
【0028】
【発明の効果】以上において説明した本発明の金属溶解
方法によれば、スクラップ等の溶解に要する電力等のエ
ネルギを低減すると共に、廃棄タイヤ等の有効活用と環
境問題の解決に寄与することもことができる。また、請
求項2の発明によれば、タイヤ等はチップ化することな
くそのままの形態で活用でき、自前の処理コストも著し
く低減できる。更に、請求項3又は請求項4の発明によ
れば、タイヤ等を溶解炉内でスクラップと混在又は積層
状態で装入することにより、溶解用エネルギ源として確
実且つ効率良く活用することができる。加えて、請求項
5又は請求項6の発明によれば、タイヤ等の燃焼熱を溶
解炉内で効率良く有効活用することが一層確実となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明が適用される溶解炉の一形態の垂
直断面図、(B)はこの溶解炉を用いた本発明方法を示す
概略図。
【図2】(A)及び(B)は図1(A)の溶解炉を用いた本発
明方法における異なる装入形態を示す模式的な概略図。
【図3】(A)は図1(A)の溶解炉を用いた本発明の装入
形態を説明する概略図、(B)はタイヤの装入高さと電力
原単位との関連を示すグラフ。
【図4】タイヤの装入量と電力原単位との関連を示すグ
ラフ。
【図5】異なる形態の溶解炉を用いた本発明方法を示す
概略図。
【図6】(A)及び(B)更に異なる形態の溶解炉を用いた
本発明方法を示す概略図。
【符号の説明】
1,30,50,60…溶解炉 S………………………金属スクラップ T………………………廃棄タイヤ H………………………装入物上限高さ h………………………装入高さ
フロントページの続き Fターム(参考) 4D004 AA07 AA11 AA21 AC05 BA03 BA05 CA04 CA28 CA29 CB02 CB34 DA03 DA20 4F301 AA03 AA11 AC11 AD05 BA09 BA15 BA21 BA29 BD05 BE08 BE31 4K045 AA04 BA02 BA10 RB02 RB11 RB16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素又は空気を炉内に吹込んで金属を溶解
    する溶解炉内に、金属スクラップ等と廃棄タイヤ及び/
    又は廃棄プラスチックとを装入し、 上記廃棄タイヤ及び/又は廃棄プラスチックを燃料又は
    その一部として金属スクラップ等を溶解する、ことを特
    徴とする金属溶解方法。
  2. 【請求項2】前記廃棄タイヤ及び/又は廃棄プラスチッ
    クが、微細なチップ又は押し潰した形態とされることな
    く廃棄された形態のまま溶解炉内に装入される、ことを
    特徴とする請求項1に記載の金属溶解方法。
  3. 【請求項3】前記廃棄タイヤ及び/又は廃棄プラスチッ
    クを溶解炉内に装入するに際し、金属スクラップ等と略
    均一な分布の混在状態にして装入する、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の金属溶解方
    法。
  4. 【請求項4】前記廃棄タイヤ及び/又は廃棄プラスチッ
    クを溶解炉内に装入するに際し、この廃棄タイヤ及び/
    又は廃棄プラスチックと前記金属スクラップ等とを層状
    にし交互に積層状態にして装入する、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の金属溶解方
    法。
  5. 【請求項5】前記廃棄タイヤ及び/又は廃棄プラスチッ
    クを溶解炉内に装入する装入高さが、溶解炉内の装入物
    上限高さの80%以下である、 ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の金属
    溶解方法。
  6. 【請求項6】前記廃棄タイヤ及び/又は廃棄プラスチッ
    クの溶解炉内への装入量が、3kg/金属スクラップt
    on以上である、 ことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の金属
    溶解方法。
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