JP2000185034A - 採血針及びその製造方法並びに採血分析装置及びその製造方法 - Google Patents

採血針及びその製造方法並びに採血分析装置及びその製造方法

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JP2000185034A
JP2000185034A JP10367034A JP36703498A JP2000185034A JP 2000185034 A JP2000185034 A JP 2000185034A JP 10367034 A JP10367034 A JP 10367034A JP 36703498 A JP36703498 A JP 36703498A JP 2000185034 A JP2000185034 A JP 2000185034A
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blood collection
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伸章 川原
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卓也 長尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被採血者に痛みを極力与えないようにし、ま
た、医療廃棄物の量を削減する。 【解決手段】 本発明の採血針3は、生体に刺すための
ものであってシリコンで形成されると共に微小な針形状
に形成された針本体3aと、この針本体3aの内部に設
けられた空洞部3bとを備えて構成されている。このよ
うに構成された採血針3の太さは、蚊の吸血用の口器の
太さと同じ程度または小さくなる。従って、このような
採血針3を使用して採血すれば、被採血者に痛みを与え
ることがほとんどなくなる。また、上記採血針3とポン
プ部と分析部を同一基板に配設するように構成すると、
採血から分析までの血液に接触する部分を1つの小形部
品とすることができる。このため、医療廃棄物の量を少
なくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体から血液を採
るために使用する採血針及びその製造方法並びに採血分
析装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】人体等の生体から血液を採る場合、注射
器及び注射針を使用して人体から採血した後、採血した
血液を試験管の中に入れている。そして、試験管の中に
入れた血液の例えば血糖値を分析するときには、血糖値
分析装置を用いて分析していた。また、試験管の中に入
れた血液の例えばDNA分析を行うときには、PCR等
の装置を用いてDNAを抽出してから分析していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構成の場合、
採血するときには、かなり太い注射針を生体に刺すの
で、被採血者に対してかなり痛みを与えるという問題点
があった。また、注射器、注射針、試験管、ピペット等
を使い回すことができないので、これら医療機器を被採
血者一人に対して1回使用しただけで廃棄しなければな
らず、医療廃棄物の量がかなり多くなるという欠点もあ
った。
【0004】更に、PCR等の装置を用いてDNAを抽
出するときには、抽出に要する時間が長くなり、更に、
分析に使用する試薬が高価であるため、分析費用が高く
なるという欠点もあった。この場合、シリコン基板上に
PCRを形成し、DNAの抽出を高速で行うようにした
構成(いわゆるDNA分析チップ)が考えられている
が、この構成であっても、注射器または試験管からPC
Rへ血液を投入する作業が必要となる。このため、医療
廃棄物の量が多くなるという欠点が生ずる。
【0005】そこで、本発明の目的は、被採血者に痛み
を極力与えないようにし、また、医療廃棄物の量を削減
し、また、分析に要する時間を短縮し、また、分析に要
する費用を安くすることができる採血針及びその製造方
法並びに採血分析装置及びその製造方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、採血針を、シリコンで形成されると共に微小な針形
状に形成された針本体と、この針本体の内部に設けられ
た空洞部とを備えて成るように構成したので、採血針の
太さを、蚊の吸血用の口器の太さと同じ程度または小さ
くすることが可能となる。このような採血針を使用して
採血すれば、被採血者に痛みを与えることはほとんどな
い。
【0007】請求項2の発明によれば、針本体の外周部
にのこぎり形状の刃部を突設したので、針本体を生体に
刺すとき、より一層スムーズに刺すことができる。この
ため、被採血者に痛みを与えることをより一層防止でき
る。
【0008】請求項3の発明によれば、針本体の外径寸
法を100μm以下に設定したので、採血針の太さが、
蚊の吸血用の口器の太さと同じ程度または小さくなり、
請求項1の発明と同じ作用効果を得ることができる。
【0009】請求項4の発明によれば、針本体の空洞部
の内面に、SiOの膜を設けたので、採血した血液が
針本体の空洞部を通るときに、悪影響を受けることをな
くすことができる。
【0010】請求項5の発明によれば、請求項1記載の
採血針に、採血用のポンプ部を一体に設けたので、採血
針とポンプ部を合わせた構成を小形化することができ
る。この構成の場合、請求項6の発明のように、ポンプ
部をディフューザー型マイクロポンプにより構成するこ
とが好ましい。そして、請求項7の発明のように、ポン
プ部のアクチュエータを、ユニモルフアクチュエータに
より構成することが良い構成である。また、請求項8の
発明のように、ポンプ部のアクチュエータを、圧電ユニ
モルフアクチュエータにより構成することも好ましい構
成である。
【0011】請求項9の発明によれば、ポンプ部のアク
チュエータが針本体を振動させるように構成されている
ので、針本体を生体に刺すとき、よりスムーズに刺すこ
とができる。
【0012】請求項10の発明によれば、針本体の空洞
部の内面部に抗凝血剤を固定処理したので、針本体の空
洞部を通る血液が凝固することを防止でき、採血針が詰
まることを防止できる。この場合、請求項11の発明の
ように、抗凝血剤として、heparin sodium(局方)を用
いることが好ましい。
【0013】請求項12の発明によれば、請求項5記載
の採血針及び採血用のポンプ部から成る採血部と、血液
を分析する分析部とを同一基板に設けたので、採血部と
分析部を合わせた構成を非常に小形化することができ
る。そして、この構成の場合、注射針、注射器、試験管
等の機器が不要になると共に、医療廃棄物の量を大幅に
少なくすることができる。また、採血する血液の量も大
幅に少なくすることができる。
【0014】請求項13の発明によれば、採血部の流路
と、分析部のうちの血液成分を分離するための流路と、
分析部のうちの分離した血液成分を分析するための流路
とを同一基板に設けた。これにより、請求項12の発明
を実現することができる。
【0015】請求項14の発明によれば、請求項1記載
の採血針を製造する採血針の製造方法において、半導体
プロセスを用いた。これにより、請求項1の採血針を実
際に製造することができる。この場合、請求項15の発
明のように、基板として、SOI基板を用いることが好
ましい。また、請求項16の発明のように、針本体の空
洞部の内面にSiOの膜を設ける工程を備えることが
より一層好ましい構成である。
【0016】請求項17の発明によれば、請求項12記
載の採血分析装置を製造する採血分析装置の製造方法に
おいて、半導体プロセスを用いた。これにより、請求項
12の採血分析装置を容易に製造することができる。こ
の場合、請求項18の発明のように、基板としてSOI
基板を用いることが好ましい。また、請求項19の発明
のように、針本体の空洞部の内面にSiOの膜を設け
る工程を備えることがより一層好ましい構成である。
【0017】更に、請求項20〜23の発明によれば、
請求項17の発明とほぼ同様な作用効果を得ることがで
きる。
【0018】請求項24の発明によれば、針本体に抗凝
血剤を保持する方法として、抗凝血剤の溶液にディッピ
ングする方法を用いたので、抗凝血剤を針本体の外周部
に容易に保持することができる。
【0019】請求項25の発明によれば、針本体の空洞
部の内面部に抗凝血剤を保持する方法として、抗凝血剤
の溶液をポンプにより針本体内に吸引する方法を用いた
ので、抗凝血剤を簡単な構成にて容易に保持することが
できる。
【0020】請求項26の発明によれば、針本体の空洞
部の内面部に抗凝血剤を保持する方法として、抗凝血剤
の溶液を電気泳導により針本体内に吸引する方法を用い
たので、抗凝血剤を簡単な構成にて容易に保持すること
ができる。
【0021】請求項27の発明によれば、同一基板上
に、ポンプ用電極、電気泳導用電極及び分析用電極を設
けたので、請求項12記載の採血分析装置を非常に小形
化することができる。この場合、請求項28の発明のよ
うに、採血から分析までの血液に接触する部分を1つの
部品として構成したので、医療廃棄物の量を大幅に少な
くすることができる。また、請求項29の発明のよう
に、個人情報等を書き込むためのメモリを一体化したの
で、採血分析装置を個人に1対1に対応させて使用する
ことが容易に実現できる。
【0022】請求項30の発明によれば、分析部の内面
にgulcose oxydase (GOD)固定化膜を形成し、導電
率の変化を検出することにより血糖値を測定するように
構成したので、血糖値を測定する構成を具体的に実現す
ることができる。この場合、請求項31の発明のよう
に、分析部の内面にgulcose oxydase (GOD)固定化
膜を形成する方法として、gulcose oxydase (GOD)
の溶液を電気泳導により分析部内に吸引する方法を用い
ることが好ましい。また、請求項32の発明のように、
分析部の内面にgulcose oxydase (GOD)固定化膜を
形成する方法として、gulcose oxydase (GOD)の溶
液をポンプにより分析部内に吸引する方法を用いること
もより一層好ましい構成である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例について
図面を参照しながら説明する。まず、図1ないし図5は
本実施例の採血分析装置1を示す図である。この採血分
析装置1は、矩形板状の装置本体2と、この装置本体2
の図1中左端面部の中央部に突設された採血針3とから
構成されている。装置本体2の大きさは、例えば20m
m×10mm程度であると共に、その厚み寸法は0.5
mm程度である。採血針3は生体に刺すためのものであ
って、その針本体3aは微小な針形状に形成されてい
る。具体的には、針本体3aの外径寸法は50μm程度
であり、その長さ寸法は最大でも2mm程度である。
【0024】そして、針本体3aは、後述するようにし
てシリコンで形成されている。上記針本体3aの内部に
は、図4に示すように、空洞部3bが設けられている。
更に、針本体3aの外周部には、図1に示すように、の
こぎり形状の刃部3cが突設されている。この刃部3c
は、生体に採血針3を突き刺し易くするためのものであ
る。
【0025】また、装置本体2の内部には、図3に示す
ように、採血した血液を分析する分析部4と、血液を吸
引するポンプ部5とが設けられている。上記装置本体2
の上面部の右半部には、図1に示すように、ポンプ部5
のアクチュエータとして例えば圧電ユニモルフアクチュ
エータ6が配設されている。装置本体2の上面部の右端
部には、圧電駆動電極7が配設されている。装置本体2
の下面部の右端部には、段部8が形成されていると共
に、この段部8の下面に、図2に示すように、分析電極
9が配設されている。
【0026】また、採血分析装置1は、後述するように
して、2枚のシリコン基板である例えばSOI基板10
a、10bを貼り合わせて構成されている。この構成の
場合、図4及び図5に示すように、2枚のSOI基板1
0a、10bを貼り合わせた接合部分に、採血針3の空
洞部3b、分析部4の流路12及びポンプ部5のダイヤ
フラム室13等が設けられている。
【0027】次に、上記採血分析装置1を製造する製造
工程について、図6ないし図12も参照して説明する。
本実施例の場合、半導体プロセスを用いて採血分析装置
1を製造している。まず、上記した2枚のSOI基板を
作成する工程について、図11に従って説明する。
【0028】図11(a)に示すように、基板として、
例えば単結晶Si基板14を用意する。この単結晶Si
基板14は、表面の面方位が(100)に設定されたも
のであって、厚み寸法が少なくとも300μm程度ある
ものであり、更に、低不純物濃度のものである。そし
て、図11(b)に示すように、単結晶Si基板14の
表面、即ち、鏡面加工面の全面に酸化シリコン膜15を
例えばプラズマCVD法によって堆積する。この場合、
酸化シリコン膜15の膜厚が0.5μm程度となるよう
に堆積する。
【0029】続いて、図11(c)に示すように、酸化
シリコン膜15の上に、採血針3をエッチングにより形
成する際に使用するマスク16を形成する。このマスク
16は、白金の膜を例えば電子ビーム蒸着法によって形
成した後、その白金膜をフォトリソグラフィ技術及びエ
ッチング技術を利用してパターニングすることにより形
成されている。
【0030】そして、図11(d)及び(e)に示すよ
うに、上記した構成の単結晶Si基板14の上に、別の
単結晶Si基板17を貼り合わせ、熱処理する。これに
より、白金のマスク16を埋め込んだSOI基板18が
作成される。この後、SOI基板18の単結晶Si基板
14側を研磨することにより、単結晶Si基板14の厚
さ寸法、即ち、単結晶Si薄膜部14aの厚さ寸法が例
えば12μm程度となるようにする。これにて、ベース
SOI基板10が完成する。尚、本実施例では、埋込み
マスク16として、白金膜を用いたが、これに限られる
ものではなく、例えばCVD等により形成したシリコン
窒化膜を用いても良い。
【0031】次に、図12(a)に示すように、1枚の
ベースSOI基板10aを用意する。そして、図12
(b)に示すように、上記SOI基板10aの単結晶S
i薄膜部14aに、採血針3の空洞部3a、分析部4の
流路12及びポンプ部5のダイヤフラム室13用の溝部
19を形成する。この場合、SOI基板18aの単結晶
Si薄膜部14aを、フォトリソグラフィ技術及びエッ
チング技術を利用してパターニングすることにより、深
さ寸法が例えば10μm程度の溝部19を形成する。こ
こで、図12(b)に示す溝部19は、採血針3の空洞
部3a用の溝部である。上記溝部19を形成した状態の
SOI基板10a(の単結晶Si薄膜部14a)の上面
を示す図が、図6である。
【0032】この図6において、採血針3の空洞部3a
用の溝部の幅寸法は、例えば20μm程度に設定されて
いる。そして、分析部4の流路12用の溝部の幅寸法
は、例えば100μm程度に設定されている。この流路
12用の溝部は、ミアンダ形状(蛇行した形状)となる
ように形成されており、その長さ寸法(即ち、流路12
の距離)が長くなるように構成されている。また、ポン
プ部5のダイヤフラム室13用の溝部は、ほぼ円形の凹
部となっており、この凹部の直径は例えば9mm程度に
設定されている。
【0033】ここで、ダイヤフラム室13と分析部4の
流路12とが接続する部分には、図7に示すように、デ
ィフューザー部20が形成されている。このディフュー
ザー部20においては、ダイヤフラム室13の入口13
aが、流路12のはばに比べて小さく形成されており、
両者の間に、角度θが例えば20度程度のテーパ部21
が形成されている。この構成の場合、圧電ユニモルフア
クチュエータ6が駆動されてダイヤフラム室13の上壁
部、即ち、ダイヤフラム22(図5参照、後述する)が
図5中上方向へ膨らむように変形したときに、ディフュ
ーザー部20によって流路12内の流体がダイヤフラム
室13内へ吸引されるように構成されている。この場
合、ポンプ部5はディフューザー型マイクロポンプによ
り構成されている。
【0034】また、SOI基板10aの上面における図
6中上辺部には、メタノール液供給用の流路23用の溝
部が形成されている。この流路23の右端部は、メタノ
ール液供給口24となっている。流路23の左端部は、
採血針3の空洞部3aと分析部4の流路12とが接続す
る部分に連通するように接続されている。
【0035】次に、図12(c)に示すように、SOI
基板10aの上面の全面に、シリコン酸化膜25を例え
ばプラズマCVD法によって膜厚が例えば2μm程度に
なるように堆積する。この場合、SOI基板10aをプ
ラズマCVD装置内にセットし、真空度8.2Tor
r、RFパワー725W、酸素1000sccm、ヘリ
ウム1200sccm、TEOS1000mgm、基板
温度389℃の条件で176秒間、堆積を実行した。こ
の後、酸化シリコン層の緻密化のために、加熱処理を行
うことも好ましい。
【0036】一方、図12(d)に示すように、別の1
枚のベースSOI基板10bを用意する。そして、図1
2(e)に示すように、上記SOI基板10bの単結晶
Si薄膜部14aの表面(鏡面加工面)に、シリコン酸
化膜26を例えばプラズマCVD法によって膜厚が例え
ば2μm程度になるように堆積する。このシリコン酸化
膜26を形成する工程は、上記したシリコン酸化膜25
を形成する工程の条件とほぼ同じ条件である。
【0037】そして、上記SOI基板18bのシリコン
酸化膜26の上面に、分析電極9を形成する。具体的に
は、上記シリコン酸化膜26の上面に白金膜(図示しな
い)を例えば蒸着により形成した後、その白金膜をフォ
トリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して所定
のパターン形状の分析電極9を形成する。ここで、分析
電極9を形成した状態のSOI基板10bの上面図を、
図9に示す。
【0038】この図9に示すように、分析電極9のうち
の適当な一対の電極9、9は、ミアンダ形状の流路12
(図9中2点鎖線参照)に沿って所定距離dだけ離間す
るように配設されている(図10も参照)。この一対の
電極9、9は、電極9、9間の導電率を測定するための
電極である。上記導電率の測定により、採血した血液の
血糖値を検出できるように構成されている。そして、こ
のような対をなす電極9、9は複数対設けられており、
これら複数対の電極9により分析電極9が構成されてい
る。分析電極9の図9中右端部は、SOI基板10bの
右端部まで延びており、この部分が図1及び図2に示す
段部8となる。
【0039】尚、上記実施例では、ディフューザー型マ
イクロポンプ5により液体を吸引(ポンピング)するよ
うに構成したが、これに代えて、電気泳動により液体を
吸引(ポンピング)するように構成しても良い。その構
成の場合、電気泳動用の電極を、SOI基板10bのシ
リコン酸化膜26の上面に形成するように構成すること
が好ましい。
【0040】この後、図12(f)及び(g)に示すよ
うに、2枚のSOI基板10a、10bを貼り合わせる
工程を実行する。この工程では、2枚のSOI基板10
a、10bのシリコン酸化膜25、26を対向させるよ
うにして、例えば陽極接合により貼り合わせた。この貼
り合わせにより、溝19に対応する部分が、採血針3の
空洞部3a、分析部4の流路12、ポンプ部5のダイヤ
フラム室13、メタノール液供給用の流路23となる。
【0041】次に、採血針3と、圧電ユニモルフアクチ
ュエータ6を埋め込むための凹部27(図5及び図8参
照)とを形成するために、上記貼り合わせた基板28
に、エッチングマスクを形成し、エッチングしない領域
を保護する。続いて、例えばKOHを用いてエッチング
を行う。この場合、酸化シリコン層(即ち、シリコン酸
化膜25、26)がエッチストップとなり、図12
(h)に示すように、エッチングされる。この図12
(h)は、採血針3に対応する部分だけの縦断面を示し
ている。
【0042】この後、採血針3を作成するために、上記
した採血針3に対応する部分に対して、次に述べるよう
な処理を実行する。即ち、図12(i)に示すように、
弗酸溶液でエッチングすることにより、酸化シリコン層
(シリコン酸化膜25、26)を除去する。この状態で
は、採血針3に対応する部分の酸化シリコン層(シリコ
ン酸化膜25、26)は、白金のマスク16により保護
されているので、エッチングされない。
【0043】続いて、再びKOHでエッチングすること
により、図12(j)に示すように、マスク16で保護
されていないシリコン層(単結晶Si薄膜部14a、1
4a)を除去する。更に、弗酸溶液にディッピングする
ことにより、図12(k)に示すように、マスク16で
保護されていない薄い酸化シリコン層(酸化シリコン膜
15)をエッチングして除去する。これにより、採血針
3が作成される。
【0044】一方、前記図12(h)に示すエッチング
工程を行うときには、圧電ユニモルフアクチュエータ6
を埋め込むための凹部27(図5及び図8参照)が同時
に形成される。この場合、凹部27のエッチングは、酸
化シリコン層(シリコン酸化膜26)まで行われるが、
圧電ユニモルフアクチュエータ6の構造によっては、エ
ッチングを途中でストップするように構成しても良い。
即ち、凹部27の深さを所望の深さに設定し、シリコン
層を残すように構成しても良い。尚、このように構成す
る場合、凹部27側のエッチングを途中でストップした
後は、採血針3に対応する部分側だけをエッチング液に
浸漬して、エッチングを続けるようにすれば良い。
【0045】そして、図5及び図8に示すように、上記
した凹部27の底壁部、即ち、ダイヤフラム室13の上
壁部がダイヤフラム22となる。次に、凹部27に圧電
ユニモルフアクチュエータ6に電圧を供給するための電
極(圧電駆動電極7)を形成する工程について説明す
る。本実施例では、例えばJPS(Jet Printing Syste
m (真空冶金製))によって、図8に示すように、圧電
駆動電極7を形成した。このJPSは、金微粒子を描画
するように基板に吹き付けて電極を形成する方法であ
る。この方法によれば、上記凹部27の深さ、即ち、段
差が例えば50μm程度ある場合でも、断線等のない良
好な電極7(配線パターン)を形成することができた。
【0046】尚、2つの圧電駆動電極7のうちの、凹部
27の内底部まで延びている電極7a(の2本の導体パ
ターン)は圧電ユニモルフアクチュエータ6の下面の電
極に接続するためのものであり、もう一方の電極7b
(の2本の導体パターン)は圧電ユニモルフアクチュエ
ータ6の上面の電極に接続するためのものである。ま
た、圧電ユニモルフアクチュエータ6の上面及び下面に
は、例えば銀製の電極が形成されている。
【0047】次に、上記圧電ユニモルフアクチュエータ
6を凹部27に嵌合して取り付けるに当たっては、例え
ば導電性接着剤を用いて接着した(図5参照)。これに
より、凹部27の内底部まで延びている電極7aと圧電
ユニモルフアクチュエータ6の下面の電極とが接続され
る。そして、他方の電極7bと圧電ユニモルフアクチュ
エータ6の上面の電極との接続は、例えばワイヤボンデ
ィング(図示しない)により行った。尚、本実施例で用
いた圧電ユニモルフアクチュエータ6の厚さ寸法は、例
えば50μm程度である。圧電ユニモルフアクチュエー
タ6としては、必要に応じて100μm程度のものを用
いても良いし、それ以外の厚さのものを用いても良い。
【0048】この後、上記したように作成した採血分析
装置1に対して、血糖値測定用のバイオ素子及び抗凝血
剤を固定処理する工程について説明する。まず、バイオ
素子である例えば市販品のgulcose oxydase (GOD)
溶液を用意し、この溶液内に採血分析装置1の採血針3
部分を浸漬する。そして、ポンプ部5を通電駆動するこ
とにより、gulcose oxydase 溶液を採血針3の空洞部3
b及び分析部4の流路12内に吸引する。
【0049】この場合、ポンプ部5の圧電ユニモルフア
クチュエータ6に対しては、例えば15V、1kHzの
正弦波電圧を印加した。また、吸引するgulcose oxydas
e 溶液の量は、分析部4の流路12のミランダ形状部分
(いわゆるミランダライン)を満たす程度の量であれば
良い。具体的には、上記ミランダラインの長さを約10
cm、幅を約100μm、厚さを約8μmとすると、約
80nl程度であれば良い。
【0050】次に、採血針3を蒸留水で数回洗浄後、ポ
ンプ部5を通電駆動して、採血針3の空洞部3bの内部
に蒸留水を吸い上げた。ここで、吸引する蒸留水の量
は、本実施例の場合、上記空洞部3bの内部容積である
約0.2nl程度であれば良い。続いて、抗凝血剤であ
る例えばheparin sodium(局方)液を用意し、このhepa
rin sodium(局方)液内に採血針3を浸漬し、ポンプ部
5を通電駆動して、採血針3の空洞部3bの内部にhepa
rin sodium(局方)液が充填されるように吸い上げた。
この場合、吸引するheparin sodium(局方)液の量は、
空洞部3bの内部容積である約0.2nl程度であれば
良い。
【0051】この後、heparin sodium(局方)及びgulc
ose oxydase を乾燥させる工程を実行する。具体的に
は、60度で30分、及び、80度で1時間乾燥させ
る。そして、135度で5分のオートクレーブにより殺
菌処理を行う。これにより、抗凝血剤としてのheparin
sodium(局方)が、針本体3aの空洞部3bの内面部に
固定処理される。これと共に、グルコースセンサとして
のgulcose oxydase (GOD)が分析部4の流路12の
内面に固定処理され、該流路12の内面にgulcoseoxyda
se (GOD)固定化膜が形成される。
【0052】さて、上記したようにして作成された採血
分析装置1を用いて、採血及び分析を行う場合には、図
13及び図14に示すインジェクタ29を使用する。こ
のインジェクタ29は、図13に示すように、外筒30
と、この外筒30内に上下方向に移動可能に設けられた
内筒31とから構成されている。内筒31と外筒30と
の間には、ばね(図示しない)が設けられており、この
ばねは外筒30を内筒31に対して図13中下方へ向け
て移動付勢している。
【0053】また、内筒31の内部には、図14に示す
ように、前記採血分析装置1が着脱可能に装着されるよ
うに構成されている。この場合、採血分析装置1は、そ
の採血針3が下方へ向けて突出するように装着されてい
る。内筒31の上部には、ケーブル32の一端部に設け
られたコネクタ33を着脱可能に接続するコネクタ接続
部34が設けられている。上記内筒31に採血分析装置
1が装着された状態で、コネクタ接続部34内の端子
(図示しない)と採血分析装置1の電極7、9が接続さ
れるように構成されている。
【0054】尚、上記ケーブル32の他端部は、採血分
析装置1の運転を制御するコントロール装置(図示しな
い)に接続されている。このコントロール装置は、採血
分析装置1のポンプ部5や分析部4を駆動制御する機能
と、分析部4からの分析信号を入力して解析する機能等
を有している。また、採血分析装置1の装置本体2に
は、メモリとして例えばEEPROM(図示しない)が
取り付けられており、このEEPROMに対して、上記
コントロール装置は、データ(例えば個人情報や分析結
果等のデータ)を書き込んだり、データを読出したりす
る機能を有している。尚、上記EEPROMを取り付け
る代わりに、半導体プロセスを用いて装置本体2のSO
I基板にEEPROMを作り込むように構成しても良
い。
【0055】また、上記構成のインジェクタ29におい
ては、採血分析装置1を内筒31に装着した状態では、
採血分析装置1の採血針3が外筒30により覆われて保
護されるように構成されている。そして、採血する場合
には、外筒30の図13中下端部を人体(被験者)の採
血部位に当接させた状態で、内筒31を押すと、採血分
析装置1の採血針3が外筒30の図13中下端部から下
方へ突出することにより、採血針3が人体の採血部位
(の例えば毛細血管等)に突き刺さるように構成されて
いる。
【0056】続いて、この状態で、採血分析装置1のポ
ンプ部5の圧電ユニモルフアクチュエータ6を通電駆動
(例えば1kHzの電圧を印加)すると、ポンプ部5に
より人体内の血液が採血針3により吸引されると共に、
この採血された血液は採血針3の空洞部3b及び分析部
4の流路12内に入って満たされるように構成されてい
る。ここで、採血針3の空洞部3bの内部には、抗凝血
剤(heparin sodium(局方))が固着されているので、
空洞部3b内で血液が凝固することを防止できる。これ
により、空洞部3b及び流路12内が血液で詰まること
はない。
【0057】また、このとき、メタノール液供給口24
及び流路23を通して、変性剤として例えば30%のメ
タノール水溶液を上記採血された血液に混合させるよう
に構成されている。尚、上記メタノール水溶液は、外部
から、前記ケーブル32内に設けられた供給チューブ
(図示しない)またはケーブル32とは別体の供給チュ
ーブ(図示しない)を通して上記メタノール液供給口2
4へ適切な圧力で供給されるように構成されている。
【0058】次に、上記した採血分析装置1及びインジ
ェクタ29を用いて、採血及び分析(例えば血糖値の分
析)を実行したときの分析結果について説明する。この
場合、空腹時被験患者の前腕部橈側正中皮静脈付近に上
記インジェクタ29をセットし、その内筒31を押すと
共に、採血分析装置1のポンプ部5を通電駆動すること
により、例えば約0.1μl程度の血液を採血して、そ
の血糖値を分析した。この分析結果を実施例1として、
下記の表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】この表1において、比較例1は、注射器及
び注射針を用いて空腹時被験患者の肘正中皮静脈より例
えば約50mlの血液を採血し、その採血した血液のう
ちの約2mlをコバス製コバスミラーSによって血糖値
を測定した結果である。また、比較例2は、比較例1で
採血した血液のうちの約30μlをマイルス・三共
(株)製タイドによって血糖値を測定した結果である。
上記表1から、実施例1の測定結果が比較例1、2の測
定結果にほとんど一致していることがわかり、従って、
本実施例の採血分析装置1が十分な採血分析性能を備え
ていることが明確にわかる。
【0061】また、同一被験者に高血糖惹起物質である
トレランジ75gを1単位経口投与した後、30分、6
0分、90分、120分経過後に、それぞれ本実施例の
採血分析装置1及びインジェクタ29を用いて約5μl
を採血して分析を実行した。その分析結果のうちの最大
血糖値を示した90分後の測定結果を、実施例2として
下記の表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】この表2において、比較例3は、同一被験
者に高血糖惹起物質であるトレランジ75gを1単位経
口投与した後、30分、60分、90分、120分経過
後に、注射器及び注射針を用いて約50mlの血液を採
血し、それら各採血した血液のうちの各約2mlをコバ
ス製コバスミラーSによって血糖値を測定した結果のう
ちの、最大血糖値を示した90分後の測定結果である。
また、比較例4は、比較例3で採血した各血液のうちの
約30μlをマイルス・三共(株)製タイドによって血
糖値を測定した結果のうちの、最大血糖値を示した90
分後の測定結果である。上記表2から、実施例2の測定
結果が比較例3、4の測定結果にほとんど一致している
ことがわかり、従って、本実施例の採血分析装置1が十
分な採血分析性能を備えていることがわかる。
【0064】ここで、本実施例の採血分析装置1の血糖
値分析の仕組みについて説明する。被験者から採血され
た血液は、採血針3の空洞部3b及び分析部4の流路1
2内を通って満たされる。ここで、採血針3の空洞部3
bの内部には、抗凝血剤(heparin sodium(局方))が
固定処理されているので、空洞部3b内で血液が凝固す
ることが防止され、空洞部3b及び流路12内が血液で
詰まることがない。そして、このとき、メタノール液供
給口24及び流路23を通して、変性剤として例えば3
0%のメタノール水溶液が上記採血された血液に混合さ
れ、供試溶液とされる。
【0065】この供試溶液について、バイオ素子である
gulcose oxydase (GOD)固定化膜中のGOD消費量
(速度)を、白金電極9により検出した検出信号(導電
率の変化を検出した信号)に基づいて測定し、この測定
値から血糖値を測定する。ここで、本実施例で用いた酵
素電極法(GOD−Pt電極)では、GOD反応により
生じた過酸化水素から血中catalaseにより酸素が発生す
ることを防止する必要がある。そのため、上記供試溶液
中にメタノール(methanol)を添加する。尚、上記供試
溶液中に、ヨードとモリブデン酸を添加するように構成
しても良い。
【0066】このような構成の本実施例によれば、採血
針3を、微小な針形状に形成された針本体3aと、この
針本体3aの内部に設けられた空洞部3bとを備えて成
るように構成したので、採血針3の太さを、蚊の吸血用
の口器の太さと同じ程度または小さくすることが可能と
なる。このような微小な採血針3を使用して採血すれ
ば、被験者に痛みを与えることをほとんど防止できると
共に、採血量を大幅に少なくすることができる。即ち、
人体に対する侵襲を極めて少なくすることができるので
ある。
【0067】また、上記実施例では、針本体3aの外周
部にのこぎり形状の刃部3cを突設したので、針本体3
aを生体に刺すとき、よりスムーズに刺すことができ
る。このため、被験者に痛みを与えることをより一層防
止できる。更に、針本体3aを生体に刺すときに、ポン
プ部5のアクチュエータ6により針本体3aを振動させ
るように構成することも好ましい。このように構成する
と、針本体3aを生体に刺すとき、よりスムーズに刺す
ことができる。
【0068】更にまた、上記実施例では、針本体3aの
空洞部3bの内面に、SiOの膜を設けたので、採血
した血液が針本体3aの空洞部3bを通るときに、その
血液が悪影響を受けることを防止することができる。
【0069】一方、上記実施例では、針本体3aの空洞
部3bの内面部に抗凝血剤(heparin sodium(局方))
を固定処理したので、針本体3aの空洞部3bを通る血
液が凝固することを防止でき、採血針3の空洞部3bや
分析部4の流路12が詰まることを防止できる。
【0070】また、上記実施例では、採血針3に、採血
用のポンプ部5を一体に設けたので、採血針3とポンプ
部5を合わせた構成を小形化することができる。この場
合、採血針3及び採血用のポンプ部5から成る採血部
と、血液を分析する分析部4とを同一基板に設ける構成
としたので、採血部と分析部4を合わせた構成を非常に
小形化することができる。そして、この構成の場合、注
射針、注射器、試験管等の機器を不要にすることができ
ると共に、採血する血液の量も大幅に少なくすることが
できる。
【0071】更に、上記実施例では、同一基板上に、ポ
ンプ用電極7及び分析用電極9を設けたので、採血分析
装置1を非常に小形化することができる。この場合、採
血から分析までの血液に接触する部分を1つの部品(小
形の部品)として構成したので、医療廃棄物の量を大幅
に少なくすることができる。また、上記実施例では、採
血分析装置1に、個人情報等を書き込むためのメモリを
一体化したので、採血分析装置1を個人に1対1に対応
させて使用するシステムを容易に実現することができ
る。
【0072】一方、上記実施例では、採血針3及び装置
本体2(即ち、採血分析装置1)を製造するに当たっ
て、半導体プロセスを用いた。これにより、微小な採血
針3を実際に製造することができる。
【0073】尚、上記実施例では、採血分析装置1の分
析部4により採血した血液の血糖値を測定するように構
成したが、これに代えて、採血した血液のDNA分析を
行うように構成しても良い。具体的には、メタノール水
溶液に代えて、溶媒として例えばクロロホルムフェノー
ルを採血した血液に混合する。上記溶媒としては、DN
Aを分離できる機能を有するものであれば何でも良い。
そして、上記混合された液体は、精製室、PCR(DN
Aの増殖)部、分析部に導かれ、必要なDNAを精製、
増殖、分析するように構成すれば良い。このような精
製、増殖、分析を行うための構成としては、近年文献等
で公開されているDNA分析チップの構成と同じ構成を
用いれば良い。
【0074】即ち、前記採血分析装置1の分析部4の構
成を上記DNA分析チップの構成と置き換えれば良い。
そして、この構成によれば、採血針3とDNA分析チッ
プとポンプ部5とが一つの部品(チップ)となるので、
DNA分析チップだけの構成に比べて、医療廃棄物の量
を大幅に少なくすることができる。
【0075】また、上記実施例では、分析部4の流路1
2の内面にgulcose oxydase (GOD)固定化膜を形成
する方法として、gulcose oxydase (GOD)の溶液を
ポンプ部5により分析部4内に吸引する方法を用いた
が、これに限られるものではなく、gulcose oxydase
(GOD)の溶液を電気泳導により分析部4内に吸引す
る方法を用いても良い。
【0076】更に、上記実施例では、針本体3aの空洞
部3bの内面部に抗凝血剤を保持する方法として、抗凝
血剤の溶液をポンプ部5により針本体3a内に吸引する
方法を用いたが、これに限られるものではなく、抗凝血
剤の溶液を電気泳導により針本体3a内に吸引する方法
を用いても良い。また、針本体3aを抗凝血剤の溶液に
ディッピングする方法を用いても良い。このディッピン
グの場合は、針本体3aの主として外周部に抗凝血剤が
固着されることになるが、この構成でも、針本体3aの
空洞部3bを通る血液が凝固することを十分防止でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す採血分析装置の斜視図
【図2】採血分析装置の下面側の部分斜視図
【図3】採血分析装置の上面図
【図4】採血分析装置の採血針周辺部分の拡大縦断面図
【図5】採血分析装置のポンプ部周辺部分の拡大縦断面
【図6】図12(b)の工程のSOI基板の上面図
【図7】ディフューザー部の拡大上面図
【図8】圧電ユニモルフアクチュエータ収容用の凹部周
辺の斜視図
【図9】図12(e)の工程のSOI基板の上面図
【図10】図9中X-X 線に沿う断面図
【図11】ベースSOI基板を製造する工程を示す縦断
面図
【図12】採血分析装置の採血針部分を製造する工程を
示す縦断面図
【図13】インジェクタの斜視図
【図14】内筒に採血分析装置を装着した状態を示す斜
視図
【符号の説明】
1は採血分析装置、2は装置本体、3は採血針、3aは
針本体、3bは空洞部、3cは刃部、4は分析部、5は
ポンプ部、6は圧電ユニモルフアクチュエータ、7は圧
電駆動電極、9は分析電極、10、11はSOI基板、
12は流路、13はダイヤフラム室、14は単結晶Si
基板、15は酸化シリコン膜、16はマスク、17はS
OI基板、18はベースSOI基板、19は溝部、20
はディフューザー部、22はダイヤフラム、23は流
路、24はメタノール液供給口、25、26はシリコン
酸化膜、27は凹部、28は基板、29はインジェク
タ、30は外筒、31は内筒を示す。

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体に刺すためのものであって、シリコ
    ンで形成されると共に、微小な針形状に形成された針本
    体と、 この針本体の内部に設けられた空洞部とを備えて成る採
    血針。
  2. 【請求項2】 前記針本体の外周部に突設されたのこぎ
    り形状の刃部を備えたことを特徴とする請求項1記載の
    採血針。
  3. 【請求項3】 前記針本体の外径寸法を100μm以下
    に設定したことを特徴とする請求項1または2記載の採
    血針。
  4. 【請求項4】 前記針本体の空洞部の内面に、SiO
    の膜を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れかに記載の採血針。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の採血針に、採血用のポン
    プ部を一体に設けたことを特徴とする採血装置。
  6. 【請求項6】 前記ポンプ部を、ディフューザー型マイ
    クロポンプにより構成したことを特徴とする請求項5記
    載の採血装置。
  7. 【請求項7】 前記ポンプ部のアクチュエータを、ユニ
    モルフアクチュエータにより構成したことを特徴とする
    請求項5記載の採血装置。
  8. 【請求項8】 前記ポンプ部のアクチュエータを、圧電
    ユニモルフアクチュエータにより構成したことを特徴と
    する請求項5記載の採血装置。
  9. 【請求項9】 前記ポンプ部のアクチュエータが、前記
    針本体を振動させるように構成されていることを特徴と
    する請求項5記載の採血装置。
  10. 【請求項10】 前記針本体の空洞部の内面部に抗凝血
    剤を固定処理したことを特徴とする請求項1記載の採血
    装置。
  11. 【請求項11】 前記抗凝血剤として、heparin sodium
    (局方)を用いたことを特徴とする請求項10記載の採
    血装置。
  12. 【請求項12】 請求項5記載の採血針及び採血用のポ
    ンプ部から成る採血部と、血液を分析する分析部とを同
    一基板に設けたことを特徴とする採血分析装置。
  13. 【請求項13】 前記採血部の流路と、前記分析部のう
    ちの血液成分を分離するための流路と、前記分析部のう
    ちの分離した血液成分を分析するための流路とを同一基
    板に設けたことを特徴とする請求項12記載の採血分析
    装置。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の採血針を製造する採血
    針の製造方法において、 半導体プロセスを用いることを特徴とする採血針の製造
    方法。
  15. 【請求項15】 基板として、SOI基板を用いること
    を特徴とする請求項14記載の採血針の製造方法。
  16. 【請求項16】 針本体の空洞部の内面にSiOの膜
    を設ける工程を備えたことを特徴とする請求項14記載
    の採血針の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項12記載の採血分析装置を製造
    する採血分析装置の製造方法において、 半導体プロセスを用いることを特徴とする採血分析装置
    の製造方法。
  18. 【請求項18】 基板として、SOI基板を用いること
    を特徴とする請求項17記載の採血分析装置の製造方
    法。
  19. 【請求項19】 針本体の空洞部の内面にSiOの膜
    を設ける工程を備えたことを特徴とする請求項17記載
    の採血分析装置の製造方法。
  20. 【請求項20】 半導体プロセスにより、同一基板上
    に、針本体の流路とディフューザー型マイクロポンプの
    ためのダイヤフラムとを接続させて設けたことを特徴と
    する請求項17記載の採血分析装置の製造方法。
  21. 【請求項21】 半導体プロセスにより、同一基板上
    に、採血部から血液を送り出すためのディフューザー型
    マイクロポンプを設けたことを特徴とする請求項17記
    載の採血分析装置の製造方法。
  22. 【請求項22】 半導体プロセスにより、採血部と分析
    部を接続させて形成したことを特徴とする請求項20記
    載の採血分析装置の製造方法。
  23. 【請求項23】 半導体プロセスにより、同一基板上
    に、採血針やポンプ等の採血用機能素子と、流路や電極
    やヒータ等の分析用機能素子とを設けたことを特徴とす
    る請求項17記載の採血分析装置の製造方法。
  24. 【請求項24】 請求項1記載の採血針を製造する採血
    針の製造方法において、 針本体に抗凝血剤を保持する方法として、抗凝血剤の溶
    液にディッピングする方法を用いることを特徴とする採
    血針の製造方法。
  25. 【請求項25】 請求項5記載の採血装置を製造する採
    血装置の製造方法において、 針本体の空洞部の内面部に抗凝血剤を保持する方法とし
    て、抗凝血剤の溶液をポンプにより前記針本体内に吸引
    する方法を用いることを特徴とする採血装置の製造方
    法。
  26. 【請求項26】 請求項5記載の採血装置を製造する採
    血装置の製造方法において、 針本体の空洞部の内面部に抗凝血剤を保持する方法とし
    て、抗凝血剤の溶液を電気泳導により前記針本体内に吸
    引する方法を用いることを特徴とする採血装置の製造方
    法。
  27. 【請求項27】 同一基板上に、ポンプ用電極、電気泳
    導用電極及び分析用電極を設けたことを特徴とする請求
    項12記載の採血分析装置。
  28. 【請求項28】 採血から分析までの血液に接触する部
    分を1つの部品として構成したことを特徴とする請求項
    27記載の採血分析装置。
  29. 【請求項29】 個人情報等を書き込むためのメモリを
    一体化したことを特徴とする請求項27記載の採血分析
    装置。
  30. 【請求項30】 分析部の内面にgulcose oxydase (G
    OD)固定化膜を形成し、導電率の変化を検出すること
    により血糖値を測定するように構成したことを特徴とす
    る請求項27記載の採血分析装置。
  31. 【請求項31】 請求項30記載の採血分析装置を製造
    する採血分析装置の製造方法において、 分析部の内面にgulcose oxydase (GOD)固定化膜を
    形成する方法として、gulcose oxydase (GOD)の溶
    液を電気泳導により前記分析部内に吸引する方法を用い
    ることを特徴とする採血分析装置の製造方法。
  32. 【請求項32】 請求項30記載の採血分析装置を製造
    する採血分析装置の製造方法において、 分析部の内面にgulcose oxydase (GOD)固定化膜を
    形成する方法として、gulcose oxydase (GOD)の溶
    液をポンプにより前記分析部内に吸引する方法を用いる
    ことを特徴とする採血分析装置の製造方法。
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