JP2000179754A - 架橋ポリオレフィン管 - Google Patents

架橋ポリオレフィン管

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JP2000179754A
JP2000179754A JP36211198A JP36211198A JP2000179754A JP 2000179754 A JP2000179754 A JP 2000179754A JP 36211198 A JP36211198 A JP 36211198A JP 36211198 A JP36211198 A JP 36211198A JP 2000179754 A JP2000179754 A JP 2000179754A
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JP
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copolymer
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density
polyolefin
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JP36211198A
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English (en)
Inventor
Jichio Deguchi
自治夫 出口
Noriaki Hattori
憲明 服部
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Mitsubishi Kagaku Sanshi Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kagaku Sanshi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲げ柔軟性に優れ、優れたクリープ性能を長
期間に亘って維持し、外観にも優れた架橋ポリオレフィ
ン管を提供すること。 【解決手段】 エチレンと炭素数が4以上のα−オレフ
ィン類との共重合体(A)と直鎖状ポリオレフィン
(B)との樹脂組成物(C)よりなる架橋ポリオレフィ
ン管において、共重合体(A)はMFRが0.1〜95
g/10分、密度が0.888〜0.970g/cm3
Q値(Mw/Mn)が3.0未満であり、樹脂組成物
(C)にビニルシラン化合物をラジカル発生剤の存在下
でグラフトさせて変性樹脂組成物とし、この変性樹脂組
成物をシラノール縮合触媒の存在下で水雰囲気中に曝し
て、ゲル分率65%以上に架橋させたものである架橋ポ
リオレフィン管。 【効果】 上記課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋ポリオレフィ
ン管に関する。さらに詳しくは、表面外観に優れ、曲げ
柔軟性を有し、特に優れた長期クリープ性能を発揮し、
電線管、通信用ケーブルの保護管、ガス管、給水・給湯
管、床暖房の加熱流体の導管などとして使用される架橋
ポリオレフィン管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエチレンを架橋させるこ
とにより、耐熱性、耐クリープ性、耐環境応力亀裂性
(ESCR)、耐薬品性などの物性を改良することは周
知である。さらに、これら架橋ポリエチレン管により優
れたクリープ性能を長期間に亘って発揮させるには、メ
ルトフローレイト(MFR)が低いすなわち分子量が大
きいポリエチレンに、ビニルシランをグラフトさせて変
性した樹脂を用いるのがよいとされている。
【0003】しかしながら、分子量が大きいポリエチレ
ン分子を含んだ変性樹脂では、超高分子量部分の分子鎖
同士が架橋してしまうためか、架橋ポリエチレン管製造
時に成形機のモーター負荷が大きくなり、その結果消費
電力が大きくなり、コスト高となり好ましくない。一
方、成形機のモーター負荷が大きくなるのを防止する方
法としては、変性樹脂の溶融温度を高くして管を製造す
る方法があるが、この方法は変性樹脂の焼けの発生を促
進させ、管の長期クリープ性能や製品としての価値を低
下させるので、好ましくない。
【0004】本発明者らは、ビニルシランをグラフト、
変性させる原料として、特定のエチレンとα−オレフィ
ン類との共重合体を選定し、特定の方法で架橋させた架
橋ポリオレフィン管は、製造時の成形機のモーター負荷
が大きくならず、しかも優れたクリープ性能を長期間に
亘って維持する知見に基づき完成した発明を先に出願し
た(特願平10−264320)。さらにその後研究を
重ねた結果、この架橋ポリオレフィン管は、曲げ柔軟性
およびクリープ性能がなお十分ではないことが判明し
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記し
た状況に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、ビニルシランを
グラフト、変性させる原料として、特定のエチレンとα
−オレフィン類との共重合体を選定し、この共重合体に
直鎖状ポリオレフィンを配合した樹脂組成物を原料と
し、特定の方法で架橋させた架橋ポリオレフィン管は、
曲げ柔軟性に優れしかも優れたクリープ性能を長期間に
亘って維持するという知見に基づき、本発明を完成する
に至ったものである。
【0006】本発明の目的は、次の通りである。 1.表面外観、曲げ柔軟性などに優れた架橋ポリオレフ
ィン管を提供すること。 2.優れたクリープ性能を長期間に亘って維持し、耐久
性に優れた架橋ポリオレフィン管を提供すること。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、第一発明では、エチレンと炭素数が4以上のα−オ
レフィンとの共重合体(A)5〜40重量%と、直鎖状
ポリオレフィン(B)95〜60重量%との樹脂組成物
(C)よりなる架橋ポリオレフィン管において、共重合
体(A)のメルトフローレイトが0.1〜95g/10
分、密度が0.888〜0.970g/cm3、Q値(M
w/Mn)が3.0未満であり、樹脂組成物(C)にビ
ニルシラン化合物をラジカル発生剤の存在下でグラフト
させて変性樹脂組成物とし、この変性樹脂組成物をシラ
ノール縮合触媒の存在下で水雰囲気中に露し、ゲル分率
65%以上に架橋させたものであって密度が0.90〜
0.95g/cm3であることを特徴とする、架橋ポリオ
レフィン管を提供する。
【0008】また第二発明では、エチレンと炭素数が4
以上のα−オレフィンとの共重合体(A)5〜40重量
%と、直鎖状ポリオレフィン(B)95〜60重量%と
の樹脂組成物(C)よりなる架橋ポリオレフィン管にお
いて、この共重合体(A)が、メルトフローレイトが
0.1〜95g/10分、密度が0.888〜0.97
0g/cm3、Q値(Mw/Mn)が3.0未満であり、
樹脂組成物(C)にビニルシラン化合物をラジカル発生
剤の存在下で変性樹脂組成物とする工程と、シラノール
縮合触媒の添加を単一成形機で行い、その後水雰囲気中
に露し、ゲル分率65%以上に架橋させたものであって
密度が0.90〜0.95g/cm3であることを特徴と
する、架橋ポリオレフィン管を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において共重合体(A)とは、エチレンと炭素数
が4以上のα−オレフィン類との共重合体をいう。炭素
数が4以上のα−オレフィン類としては、1−ブテン、
2−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、2−メチル−
1−ペンテン、1−ヘキセン、2,2−ジメチル−1−
ブテン、2−メチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘプテン、2−メチル−1−ヘキセン、
3−メチル−1−ヘキセン、2,2−ジメチル−1−ペ
ンテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、2,3−ジ
メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、
2,2,3−トリメチル−1−ブテン、1−オクテン、
2,2,4−トリメチル−1−オクテンなどが挙げられ
る。
【0010】上記の共重合体(A)は、メタロセン触媒
を使用して製造することができる。メタロセン触媒と
は、一般に遷移金属をπ電子系の不飽和化合物を挟んだ
構造の触媒を指称し、その構造は、国際公開W091−
04257号公報に記載されており、ビス(シクロペン
タジエニル)金属化合物が代表的なものである。メタロ
セン触媒としては、具体的にはチタン、ジルコニウム、
ニッケル、パラジウム、ハフニウム、白金などの四価の
遷移金属に、1または2以上のシクロペンタジエニル環
またはその類縁体がリガンド(配位子)として存在する
化合物が挙げられる。
【0011】上記共重合体(A)の製造に好ましく使用
できるメタロセン触媒は、非電解質錯体で、2個のシク
ロペンタジエニル環が正五角形構造をして互いに平行に
相対し、その中間に金属原子が挟まれてサンドイッチ構
造の分子からなる立体構造を呈するものである。共重合
体の原料のエチレンとα−オレフィンとは、金属原子と
結合している五員環に結合した置換基によって立体的に
ブロックされている方向からは接触できず、常に一定の
方向から金属と単量体が接触することになり、立体規則
性重合が起こるので、触媒はシングルサイト触媒と呼称
され、得られるオレフィン系共重合体は、分子量、分岐
構造、結晶構造が一定となり好ましい。
【0012】上記共重合体(A)の製造法は、特に制限
はなく、溶液重合法、気相重合法、懸濁重合法、塊状重
合法などのいずれによってもよい。
【0013】本発明者らの実験によると、本発明に係る
架橋ポリオレフィン管を得るには、上記の共重合体
(A)は、JIS K6922−2に準拠して測定した
メルトフローレイト(MFR、温度190℃、荷重2.
16kgの条件)が0.1〜95g/10分の範囲、JI
S K6922−2に準拠して測定した密度が0.88
8〜0.970g/cm3の範囲、さらに分子量分布Q値
{重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)}
が、3.0未満のものが適していることが分かった。
【0014】本発明において直鎖状ポリオレフィン
(B)とは、長鎖の分岐がなく、気相重合法や溶液重合
法などで製造されるポリオレフィンを言い、具体的に
は、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状中密度ポリエチ
レン、直鎖状高密度ポリエチレンなどが挙げられる。
【0015】本発明に係る架橋ポリオレフィン管は、上
記の共重合体(A)と直鎖状ポリオレフィン(B)とよ
りなる樹脂組成物(C)に、ビニルシラン化合物をラジ
カル発生剤の存在下でグラフトさせて変成樹脂組成物と
し、この変性樹脂組成物をシラノール縮合触媒の存在下
で架橋させたものである。ビニルシラン化合物として
は、次の一般式[I] で表されるものが挙げられる。
【0016】
【化2】
【0017】一般式[I] において、R1はエチレン性不
飽和ハイドロカーボン基またはハイドロカーボンオキシ
基であり、ラジカル反応性を有するものである。このよ
うな基の例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル
基、γ−(メタ)アクリロキシプロピル基などが挙げら
れる。R2は脂肪族飽和ハイドロカーボン基であり、例
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、デシル基
などが挙げられる。Yは加水分解可能な有機基を表し、
例としては、メトキシ基、エトキシ基、ホルミルオキシ
基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、アリールア
ミノ基などが挙げられる。nは、0、1または2であ
る。中でも特に好ましいのは、次の一般式[II]で表され
る化合物である。
【0018】
【化3】
【0019】一般式[II]において、R3はHまたはC
3、R4は炭素数4以下の直鎖または分岐アルキル基、
5は炭素数4以下の直鎖、分岐アルキル基、または、
フェニル基である。具体的には、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキ
シシランなどが挙げられる。
【0020】樹脂組成物(C)を変性させる際に、変性
させる反応系に存在させるビニルシラン化合物の量は、
目的とする樹脂管の架橋度、反応条件(温度、時間)な
どにより決定されるが、経済性、反応前・反応中の取扱
いの容易性の観点から、樹脂組成物(C)100重量部
に対し、0.1〜15重量部の範囲で選ばれる。この量
が少な過ぎるとグラフト率が低く、十分な架橋度が得ら
れない。また多すぎると、逆に未反応のビニルシラン化
合物の影響などにより、成形品の樹脂管は外観不良とな
る場合もあり好ましくない。好ましいビニルシラン化合
物の量は0.3〜10重量部の範囲であり、特に好まし
いのは0.5〜7重量部の範囲である。
【0021】ラジカル発生剤は、グラフト反応条件下で
遊離ラジカルを発生することができ、グラフト反応温度
において6分未満の半減期を有する化合物の中から選ぶ
のが好ましい。より好ましいのは、グラフト反応温度に
おいて1分未満の半減期を有する化合物である。これら
ラジカル発生剤は、特公昭48−1711号公報に記載
されている化合物が総て使用できる。具体的には、ベン
ゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−
t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルオキシ−2−エ
チルヘキサノエートなどの有機過酸化物、アゾビスイソ
ブチロニトリル、メチルアゾビスイソブチレートなどの
アゾ化合物が挙げられる。
【0022】樹脂組成物(C)にビニルシラン化合物を
グラフト反応させる際には、グラフト反応系に存在させ
るラジカル発生剤の量は、樹脂組成物(C)100重量
部に対し0.001〜5重量部の範囲で選ばれる。存在
させるラジカル発生剤の量が少なすぎると、ビニルシラ
ン化合物のグラフト量が少なく、逆に多すぎると、ラジ
カル発生剤による目的としない架橋反応が進行し、流れ
特性不良や成形品である樹脂管の外観の悪化などの原因
となることがあり、好ましくない。ラジカル発生剤の好
ましい量は、0.01〜2.0重量部の範囲である。
【0023】樹脂組成物(C)にビニルシラン化合物を
グラフトさせて変性樹脂組成物とする方法は、特公昭4
8−1711号公報、特開昭59−36115号公報お
よび特開昭55−9611号公報などの刊行物に記載さ
れている方法によることができ、容易に製造することが
できる。
【0024】本発明に係る架橋ポリオレフィン管を得る
には、上記変性樹脂組成物にシラノール縮合触媒の存在
下に架橋させる。シラノール縮合触媒としては、錫、亜
鉛、鉄、鉛、コバルトなどの金属カルボン酸塩、チタン
酸エステルおよびキレート化合物の有機金属化合物、有
機塩基、無機酸、および、有機酸などが挙げられる。具
体的には、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセ
テート、ジオクチル錫ジラウレート、酢酸第一錫、カプ
リル酸第一錫、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、チ
タン酸テトラブチルエステル、チタン酸テトラノニルエ
ステル、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、ピリジン、
硫酸、塩酸、トルエンスルホン酸、酢酸、ステアリン
酸、マレイン酸などが挙げられる。
【0025】前記変性樹脂組成物を架橋させる際に架橋
反応系にシラノール縮合触媒を存在させるには、(a) 事
前にシラノール縮合触媒をポリオレフィンに溶融混練し
たマスターバッチとして配合する方法、(b) シラノール
縮合触媒を直接変性樹脂組成物に配合して管を製造する
方法、(c) シラノール縮合触媒を溶液または分散液とし
て変成樹脂組成物製の管に塗布または含浸させる方法、
などが挙げられる。中でも、上記(a),(b) の方法が特に
好適である。存在させるシラノール縮合触媒の量は、変
性樹脂組成物100重量部に対して0.001〜10重
量部の範囲で選ぶことができ、中でも好ましいのは0.
01〜5重量部である。
【0026】本発明に係る架橋ポリオレフィン管を製造
する際の原料である変性樹脂組成物には、押出成形法に
よって樹脂管を製造する前に、本発明の目的を損なわな
い範囲で、他の樹脂、各種樹脂添加剤を配合することが
できる。他の樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチ
レン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン、プロピレ
ン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ヘキセン−1共
重合体などが挙げられる。他の樹脂は、上に例示したも
のに限定されるものではない。樹脂添加剤としては、着
色剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、防錆剤、充填剤、難燃剤などが挙げられる。
【0027】上記変性樹脂組成物をシラノール縮合触媒
の存在下に架橋させるには、(i) シラノール縮合触媒を
配合した変性樹脂組成物を押出成形法によって管とした
あと水雰囲気中に曝す、または(ii)シラノール縮合触媒
を塗布または含浸させた変性樹脂組成物製管を水雰囲気
中に曝す、などの方法によることができる。この水雰囲
気中に曝すことによって、変性樹脂組成物製管が架橋さ
れる。変性樹脂組成物製管を水雰囲気中に曝す際の条件
は、この管を常温〜200℃の温度範囲で、10秒〜1
週間の範囲で曝せばよい。曝す際の特に好ましい条件
は、常温〜130℃の温度範囲で、1分〜100時間の
範囲である。この水雰囲気中での曝しは、押出成形法に
よって管とした直後に、この変性樹脂組成物製管を水槽
を通過させて冷却する工程と同時に行うこともできる。
【0028】本発明者らの実験によれば、本発明に係る
架橋ポリオレフィン管に長期間に亘って優れた強度を発
揮させるには、ISO 10147:1994に準拠し
て測定したゲル分率(架橋度)が65%以上に架橋さ
せ、JIS K6922−2に準拠して測定した密度が
0.90〜0.95g/cm3であることが必要であるこ
とが分かった。架橋度は、変性樹脂組成物のビニルシラ
ン化合物のグラフト率、シラノール縮合触媒の種類、
量、架橋させる際の条件(温度、時間)などを変えるこ
とにより、調節することができる。
【0029】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下
の記載例に限定されるものではない。
【0030】なお、以下に記載の例において使用した共
重合体(A)、直鎖状中密度ポリオレフィン(B)は、
次の物性を有するものである。 (1) 共重合体(A):シングルサイト触媒を使用して製
造されたエチレンとα−オレフィンとの共重合体であっ
て、MFRが2.0g/10分、密度が0.934g/
cm3、Q値(Mw/Mn)が2.0のもの. (2) 直鎖状中密度ポリオレフィン(B):直鎖状中密度
ポリエチレンであってMFRが2.1g/10分、密度
が0.936g/cm3、Q値(Mw/Mn)が3.5の
もの。
【0031】[実施例1]上記共重合体(A)10重量
%、上記直鎖状中密度ポリオレフィン(B)90重量%
よりなる樹脂組成物(C)100重量部に、ジクミルパ
ーオキサイド0.07重量部、および、ビニルトリメト
キシシラン2重量部をそれぞれ秤量し、ヘンシェルミキ
サーで混合し、L/Dが26で40m/m φの単軸押出機
によって、210℃の温度で溶融混練してシラン化合物
をグラフトさせ、変性樹脂組成物を得た。得られた変性
樹脂組成物は、MFRが0.6g/10分、密度は0.
935g/cm3であった。
【0032】上記変性樹脂組成物100重量部に、MF
Rが2.1g/10分、密度が0.935g/cm3の直
鎖状低密度ポリエチレン100重量部、ジブチル錫ジラ
ウレート1重量部からなるマスターバッチを5重量部配
合した。この変性樹脂組成物を、先端に外径13m/m
φ、肉厚1.5m/m のダイを装着し、L/Dが24の5
0m/m φのフルフライトスクリュー押出機によって、2
00℃の温度で溶融混練させ、押出速度10m/分の条
件で樹脂管を押出した。得られた樹脂管を80℃の温水
に24時間浸漬し、架橋させて架橋ポリオレフィン管を
得た。得られた架橋ポリオレフィン管につき、肉眼によ
る表面外観の観察結果、ゲル分率(架橋度)、曲げ弾性
率、およびクリープ破壊までの時間を測定した。なお、
ゲル分率はISO 10147:1994、曲げ弾性率
はISO 178:1993、クリープ破壊までの時間
はISO 1167:1996(円周応力は1.33M
Pa)に準拠した。結果を、表−1に示す。
【0033】[実施例2]実施例で使用したのと同じ組
成の樹脂組成物(C)100重量部に、ジクミルパーオ
キサイド0.075重量部、ビニルトリメトキシシラン
2重量部、およびジブチル錫ジラウレート0.05重量
部を配合し、ヘンシェルミキサーで混合し、この混合物
を、実施例1で樹脂管製造用に使用したのと同じ押出機
によって、実施例1におけると同様の手順で管を押出し
た。得られた架橋ポリオレフィン管につき、実施例1に
おけると同様に、表面外観、ゲル分率(架橋度)、曲げ
弾性率、およびクリープ破壊までの時間を測定した。結
果を、表−1に示す。
【0034】[実施例3]上記共重合体(A)30重量
%、上記直鎖状中密度ポリオレフィン(B)70重量%
よりなる樹脂組成物(C)100重量部に、ジクミルパ
ーオキサイド0.07重量部、ビニルトリメトキシシラ
ン2重量部を配合し、ヘンシェルミキサーで混合し、こ
の混合物をL/Dが26で40m/m φの単軸押出機によ
って、210℃の温度で溶融混練してシラン化合物をグ
ラフトさせ、変性樹脂組成物を得た。得られた変性樹脂
組成物のMFRは0.8g/10分、密度は0.935
g/cm3であった。得られた変性樹脂組成物100重量
部に、実施例1で使用したのと同種のジブチル錫ジラウ
レートのマスターバッチを5重量部配合した。この混合
物を実施例1で樹脂管製造用に使用したのと同じ押出機
によって、実施例1におけると同様の手順で管を押出し
た。得られた架橋ポリオレフィン管につき、実施例1に
おけると同様に、表面外観、ゲル分率(架橋度)、曲げ
弾性率、およびクリープ破壊までの時間を測定した。結
果を、表−1に示す。
【0035】[比較例]実施例3に記載の例において、
共重合体(A)を配合せず上記直鎖状中密度ポリオレフ
ィン(B)のみに変更し、そのほかは同例におけると同
様の手順でグラフトさせ、変性樹脂を得た。得られた変
性樹脂のMFRは0.2g/10分、密度は0.936
g/cm3であった。この変性樹脂に、実施例1で使用し
たのと同種のジブチル錫ジラウレートのマスターバッチ
を5重量部配合し、この混合物を実施例1で樹脂管製造
用に使用したのと同一の押出機によって、実施例1にお
けると同様の手順で管を押出した。得られた樹脂管につ
き、表面外観、ゲル分率(架橋度)、曲げ弾性率、およ
びクリープ破壊までの時間を測定した。結果を、表−1
に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表−1より、次のことが明らかとなる。 (1) 本発明に係る架橋ポリオレフィン管は、表面外観、
曲げ柔軟性などに優れ、かつクリープ破壊までの時間が
長く耐久性にも優れている(実施例1〜実施例3参
照)。 (2) これに対して、共重合体(A)を含まず直鎖状中密
度ポリオレフィン(B)のみよりなる架橋ポリオレフィ
ン管は、クリープ破壊までの時間が長く耐久性に優れて
いるが、曲げ柔軟性および表面外観に劣る(比較例参
照)。
【0038】
【発明の効果】本発明は、以上詳細に説明した通りであ
り、次のような特別に優れた効果を奏し、その産業上の
利用価値は極めて大である。 1.本発明に係る架橋ポリオレフィン管は、表面外観お
よび曲げ柔軟性に優れており商品価値が高い。 2.本発明に係る架橋ポリオレフィン管は、かつクリー
プ破壊までの時間が長く耐久性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H111 AA01 AA02 BA15 BA34 DA26 DB03 DB11 EA12 4J002 BN041 BN042 DD016 DG046 EF036 EF056 EF076 EG046 EN026 EU046 EV236 EZ006 EZ046 FD156 GL00 GQ00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンと炭素数が4以上のα−オレフ
    ィンとの共重合体(A)5〜40重量%と、直鎖状ポリ
    オレフィン(B)95〜60重量%との樹脂組成物
    (C)よりなる架橋ポリオレフィン管において、共重合
    体(A)のメルトフローレイトが0.1〜95g/10
    分、密度が0.888〜0.970g/cm3、Q値(M
    w/Mn)が3.0未満であり、樹脂組成物(C)にビ
    ニルシラン化合物をラジカル発生剤の存在下でグラフト
    させて変性樹脂組成物とし、この変性樹脂組成物をシラ
    ノール縮合触媒の存在下で水雰囲気中に露し、ゲル分率
    65%以上に架橋させたものであって密度が0.90〜
    0.95g/cm3であることを特徴とする、架橋ポリオ
    レフィン管。
  2. 【請求項2】 エチレンと炭素数が4以上のα−オレフ
    ィンとの共重合体(A)5〜40重量%と、直鎖状ポリ
    オレフィン(B)95〜60重量%との樹脂組成物
    (C)よりなる架橋ポリオレフィン管において、この共
    重合体(A)が、メルトフローレイトが0.1〜95g
    /10分、密度が0.888〜0.970g/cm3、Q
    値(Mw/Mn)が3.0未満であり、樹脂組成物
    (C)にビニルシラン化合物をラジカル発生剤の存在下
    で変性樹脂組成物とする工程と、シラノール縮合触媒の
    添加を単一成形機で行い、その後水雰囲気中に露し、ゲ
    ル分率65%以上に架橋させたものであって密度が0.
    90〜0.95g/cm3であることを特徴とする、架橋
    ポリオレフィン管。
  3. 【請求項3】 樹脂組成物(C)は、共重合体(A)と
    直鎖状ポリオレフィン(B)との両者を、あらかじめ溶
    融混練したものまたはドライブレンド物である、請求項
    1に記載の架橋ポリオレフィン管。
  4. 【請求項4】 エチレンとα−オレフィンとの共重合体
    (A)が、シングルサイト触媒を使用して製造されたも
    のである、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記
    載の架橋ポリオレフィン管。
  5. 【請求項5】 ビニルシラン化合物が、次の一般式[I]
    で表されるエチレン性不飽和シラン化合物である、請求
    項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の架橋ポリオ
    レフィン管。 【化1】 (一般式[I] において、R1はエチレン性不飽和ハイド
    ロカーボン基またはハイドロカーボンオキシ基であり、
    2脂肪族飽和ハイドロカーボン基、Yは加水分解可能
    な有機基であり、nは0〜2である)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003074753A (ja) * 2001-09-04 2003-03-12 Sekisui Chem Co Ltd 架橋ポリエチレン管
JP2005106255A (ja) * 2003-10-02 2005-04-21 Togawa Rubber Co Ltd 管状体
WO2005042634A1 (en) * 2003-10-30 2005-05-12 E.I. Dupont De Nemours And Company Polymeric pipes made from blends of polyolefins and vinyl alcohol polymers

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