JP2000176487A - 汚染地下水及び汚染地層の浄化方法及び浄化システム - Google Patents

汚染地下水及び汚染地層の浄化方法及び浄化システム

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JP2000176487A
JP2000176487A JP10356560A JP35656098A JP2000176487A JP 2000176487 A JP2000176487 A JP 2000176487A JP 10356560 A JP10356560 A JP 10356560A JP 35656098 A JP35656098 A JP 35656098A JP 2000176487 A JP2000176487 A JP 2000176487A
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contaminated
pumping well
pumping
well
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JP10356560A
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Takayuki Hashimoto
貴行 橋本
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Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚染サイトの浄化期間を短縮する。 【解決手段】 この揚水井10から汲み上げられた地下
水に、上記化学物質の分解酵素を誘導するための誘導基
質を溶解して汚染サイトに供給する複数の注入井12を
揚水井10を挟んでその周囲に配置している。従って、
注入井12に注入された地下水は、揚水井の周辺から揚
水井10に向けて流れる。そこで、揚水井10の周辺に
汚染化学物質を分解する菌を増殖させることができる。
また、揚水井10に流れ込む地下水は、この菌が生育し
ている地層を通過したものになる。これによって、揚水
井10に循環する地下水中の汚染化学物質を効果的に除
去することができ、汚染サイトの浄化期間を大幅に短縮
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学物質、特にト
リクロロエチレンなどの有機塩素化合物に汚染された地
下水、地層を浄化する汚染地下水及び汚染地層の浄化方
法及び浄化システムに関する。
【従来の技術】トリクロロエチレンや、テトラクロロエ
チレンなどの有機塩素化合物は、脱脂などの洗浄剤とし
て、各種工場、およびクリーニング店で広く使用されて
いる。ところが、これら有機塩素化合物には、発ガン性
を有するとの疑いがあり、これらの有機塩素化合物によ
る、地下水、土壌汚染が大きな社会問題となってきてい
る。
【0002】このような有機塩素化合物等の化学物質に
よる汚染地下水及び汚染地層に対し、これまで行われて
きた浄化対策としては、汚染物質を一定の領域に封じ込
める封じ込め処理、汚染土壌を掘削して非汚染土壌で埋
め戻す処理等、地下水を揚水した後曝気して汚染物質を
大気中に放散させる揚水ばっ気処理、真空抽気と活性炭
吸着などの組み合わせによるポンプ&トリート法等が挙
げられる。しかし、これらの物理化学的方法は高濃度の
汚染には有効であるが、設備費や運転費が嵩むため、低
濃度、広範囲の汚染に対しては効率的ではない。また、
汚染物質を分解、無害化する技術ではないため、汚染物
質による二次汚染の問題があった。
【0003】そこで、微生物を利用して有機塩素化合物
などの汚染化学物質を分解する処理方法として、汚染サ
イトで実施する原位置バイオレメディエーション技術の
開発が進んでいる。この原位置バイオレメディエーショ
ン技術による地層及び地下水の浄化方法では、汚染サイ
トの地層中で特定の微生物を増殖させ、この微生物を利
用して有機塩素化合物を分解処理する。
【0004】ここで、有機塩素化合物などの汚染化学物
質を生物学的に処理する場合、汚染物質を直接資化でき
る菌が存在しないため、メタン、トルエン、フェノー
ル、アンモニアを資化する菌の共酸化を利用した処理方
法が検討されている。すなわち、汚染サイトに栄養塩、
酸素、および有機塩素化合物等の汚染化学物質の分解酵
素の誘導基質となるメタン、トルエン、フェノール、ア
ンモニアなどの注入を行い、有効な菌の増殖、および分
解酵素を誘導し共酸化を利用して分解する。
【0005】図6に、従来行われているメタンを誘導基
質として利用しトリクロロエチレン(以下TCEとい
う)を分解処理するバイオレメディエーションの浄化シ
ステムの一例を示す。このように、1本の揚水井1と、
1本の注入井2とが所定の間隔をおいて配置される。そ
して、揚水井1から汲み上げた地下水に酸素O、硝酸
NO、メタンCHを溶解して注入井2に供給する。
これによって、注入井2と揚水井1間の地層にメタン資
化菌が増殖し、このメタン資化菌の作用によってここを
循環通過する地下水中の汚染化学物質を分解除去するこ
とができる。
【0006】なお、このような原位置バイオレメディエ
ーション技術については、特開平9−206789号公
報、特開平9−234490号公報、特開平9−253
688号公報などに記載がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ここで、このシステム
における注入した地下水の流れ、広がりを考慮すると、
メタン資化細菌が増殖してTCEが分解されるゾーン
(バイオゾーン)4は、数年単位で領域は拡大するが、
図に示すように、注入井2からその周辺に放射状に広が
り、その一部が揚水井1に向けて細く延びる形状にな
る。
【0008】一方、揚水井1で引き上げられる地下水
は、揚水井1の周辺からのものであり、この揚水井1で
揚水された地下水のうち、バイオゾーン4を通過してき
た地下水はほんの一部である。このため、揚水される地
下水のTCE濃度に、バイオゾーンを通過してTCEが
分解された効果がなかなか反映されず、TCE濃度の減
少が観察されるまでに数年を要する。この結果、汚染サ
イト全体を浄化するのに数年以上の長い期間が必要であ
った。
【0009】また、共酸化を利用した処理方法において
は、フェノールやトルエンなどの芳香族化合物の基質を
用いた共酸化系の方が、メタンを用いた系より有機塩素
化合物の分解効率が良いことが知られている。
【0010】しかし、日本の様に汚染サイトに民家が近
接している場合、毒性の強い芳香族を注入することは安
全面において問題があり、現状国内ではメタンを用いた
バイオレメディエーションの実用化が望まれており、こ
のメタンを用いたバイオレメディエーションの浄化シス
テムでは浄化期間を短くしたいという要望が特に大き
い。
【0011】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、汚染サイトの浄化期間を短縮できる汚染地下水及
び汚染地層の浄化方法及び浄化システムを提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、化学物質によ
って汚染された汚染サイトにおける地下水、地層を浄化
する汚染地下水及び汚染地層の浄化方法において、汚染
サイトに設けられた揚水井から地下水を汲み上げ、汲み
上げられた地下水に、上記化学物質の分解酵素を誘導す
るための誘導基質を溶解し、得られた誘導基質を溶解し
た地下水を、上記揚水井を挟んでその周囲に配置された
複数の注入井に注入して、上記誘導物質を揚水井の周囲
から揚水井に向けて拡散させ、揚水井の周囲に生育する
細菌によって上記誘導物質から生成される酵素を利用し
て上記化学物質を分解することを特徴とする。
【0013】このように、本発明によれば、この揚水井
から汲み上げられた地下水に、上記化学物質の分解酵素
を誘導するための誘導基質を溶解して汚染サイトに供給
する複数の注入井を揚水井を挟んでその周囲に配置して
いる。従って、注入井に注入された地下水は、揚水井の
周辺から揚水井に向けて流れる。そこで、揚水井の周辺
に汚染化学物質の共酸化に利用する菌を増殖させること
ができる。また、揚水井に流れ込む地下水は、この菌が
生育している地層を通過したものになる。これによっ
て、揚水井に循環する地下水中の汚染化学物質を効果的
に除去することができ、汚染サイトの浄化期間を大幅に
短縮することができる。
【0014】なお、処理対象の化学物質としては、トリ
クロロエチレンや、テトラクロロエチレンなどの有機塩
素化合物の他、ベンゼン、キシレン等の油類なども対象
となる。
【0015】また、揚水井から揚水した地下水には、分
解酵素の誘導基質の他、栄養塩、酸素などを溶解するこ
とが好適である。これらを溶解した地下水を注入井から
注入することで、この注入井の周囲、特に揚水井に向け
たエリアの地層に誘導基質を資化する細菌を増殖させる
ことができる。
【0016】この誘導基質としては、メタン、トルエ
ン、フェノール、アンモニア等が採用可能である。ま
た、栄養塩としては硝酸等が利用され、酸素は空気とし
て供給することも可能であるが、酸素濃度の高い純酸素
の方が効果的である。
【0017】また、上記化学物質は有機塩素化合物であ
り、上記誘導基質はメタンであることが好適である。メ
タンは、安全な物質であり、民家に近い汚染サイトなど
においても利用することができる。
【0018】また、前記揚水井からの地下水に、さらに
酸素及び栄養塩を供給し、かつ誘導基質、酸素及び栄養
塩の3つが同時に供給されないようにこれらの地下水へ
の注入を互いに時間をずらせて間欠的に行うことが好適
である。誘導基質、酸素、及び栄養塩類を一度に溶解し
た地下水を注入井に注入すると、この注入井において、
細菌が増殖しやすい状況になる。このため、注入井の内
面に細菌が増殖して、注入井が目詰まりして、地下水の
周辺への拡散が行えなくなる。注入を間欠的にすること
で、注入井においては細菌増殖のための環境が十分では
なくなり、注入井における目詰まりの発生を抑制するこ
とができる。
【0019】また、前記揚水井からの地下水に、さらに
過酸化水素を添加することを特徴とすることが好適であ
る。過酸化水素は、殺菌力を有しており、この添加によ
り注入井における細菌の増殖、目詰まりの発生を抑制す
ることができる。
【0020】また、本発明は、化学物質によって汚染さ
れた汚染サイトにおける地下水、土壌を浄化する汚染地
下水及び汚染地層の浄化システムであって、汚染サイト
の地下水を汲み上げる揚水井と、この揚水井から汲み上
げられた地下水に、上記化学物質の分解するために必要
な物質を溶解する溶解手段と、この物質溶解後の地下水
を汚染サイトに供給する複数の注入井と、を有し、上記
複数の注入井を揚水井を挟んでその周囲に配置すること
を特徴とする。このシステムにより、上述のようなバイ
オレメディエーションを行うことができる。
【0021】また、このシステムを1ユニットとし、こ
れを地下水の流れに沿って複数配置することが好適であ
る。これによって、汚染サイト全体を効果的に浄化する
ことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
ここで、この実施形態では、メタンを用いたバイオレメ
ディエーションにより、トリクロロエチレン(TCE)
の汚染サイトを浄化することとして説明する。
【0023】図1は、本実施形態の概念的構成を示す図
である。このように、本実施形態では、バイオレメディ
エーションを行う際に複数の注入井12を揚水井10の
周囲に揚水井10を取り囲むように配置してある。そし
て、揚水井10から揚水した地下水に酸素O、栄養塩
としての硝酸NO、メタンCHを溶解して注入井1
2に供給する。
【0024】図2に揚水井10と、1つの注入井12を
結ぶ線における汚染サイトの断面の概念図を示す。この
ように、地上から地下水流の内部に間で至る揚水井10
の内底部には、揚水ポンプ14が配置される。この揚水
ポンプ14として水中ポンプを採用したが、地上に配置
して揚水井10内の地下水を吸い上げる形式のポンプで
もよい。
【0025】この揚水ポンプ14で揚水された地下水
は、溶解装置16を介し、注水井12に供給される。溶
解装置16には、栄養塩等供給装置18からの栄養塩等
が供給され、注水井12に至る管内においてこれらが地
下水に混合溶解される。
【0026】溶解装置16には、エゼクター等の各種の
インラインミキサを適宜利用することができる。また、
インラインミキサに限らず、他の混合装置を利用するこ
ともできる。また、栄養塩等供給装置18は、酸素
、硝酸NO、メタンCHを供給するもので、こ
れらを選択して適宜供給する。酸素O及びメタンCH
はガス体であり、ボンベ等により供給する。また、硝
酸NOは水溶液であり、ナトリウム塩等が利用され
る。
【0027】そして、図1に示すように、地下水に酸
素、栄養塩、メタンを溶解して汚染サイトに供給する注
入井12は、円上に8つ設けられている。そして、1本
の揚水井10から汲み上げられた地下水は、分配器20
により8つに分配され、各注入井12に供給される。こ
の分配器20は、8分配するものであれば、送られてく
る地下水を常時8分配するものでも、時間的に切り換え
て分配するものであってもよい。
【0028】なお、注入井12は、揚水井10を挟んで
配置すれば足り、2つでもよい。しかし、4〜10本程
度の注水井12を円上に配置し、地下水を汲み上げる揚
水井10をその円の中心に配置することが好適である。
【0029】このようなシステムにより、揚水井10か
ら汲み上げた地下水を周囲の複数の注水井に供給するこ
とで、複数の注水井12から酸素、栄養塩、メタンを溶
解した地下水が拡散する。そして、これらの多くは、揚
水井10に向けて流れる。
【0030】そこで、図1に示すように、複数の注水井
12を取り囲むほぼ円状のエリアにおいて、酸素、栄養
塩、メタンを溶解した地下水が拡散し、ここにメタン資
化菌が増殖し、バイオゾーン24が形成される。
【0031】この結果、揚水井10で引き上げられる地
下水が、バイオゾーン24を通過してきた地下水でほと
んど占められることなる。このため、汚染サイトに合致
した適切なバイオゾーン24が形成されるように、揚水
井10及び注入井12を配置することによって、バイオ
ゾーン24を汚染サイトに効果的に広げることができ、
汚染サイトに集中的に地下水を循環して、汚染サイトの
TCEを効果的に分解除去することができる。
【0032】なお、モニター井22は、ここから地下水
を採水し、地下水中のTCEを分析測定するためのもの
である。
【0033】このような構成により、モニター井22に
おいて採取した地下水のTCE濃度に、バイオレメディ
エーションにより低下した効果が直接反映され、TCE
が顕著に低下していくのが観察される。この結果、数ヶ
月から1年程度の短期間で汚染サイト全体を浄化するこ
とが可能となる。
【0034】ここで、溶解装置16における地下水への
酸素、栄養塩、メタンの注入は間欠的に交互に注入する
ことが好ましい。これは、酸素、栄養塩、メタンが注入
井12内においてそろうことにより、注入井12の内面
やその周囲において、メタン資化菌が過剰に増殖し、注
入井または地下水の流れる帯水層を閉塞することを抑制
するためである。すなわち、間欠的な注入によって、注
入井12の周囲のみにおいてメタン資化菌が過剰に増殖
することを防止して、広いバイオゾーン24全体におい
て、比較的均一にメタン資化菌を増殖させることがで
き、これによって注入井12またはその周囲における地
下水の流れる帯水層を閉塞することを抑制することがで
きる。
【0035】さらに、微生物の過剰な増殖を抑制するた
めに、過酸化水素Hを注入することも効果的であ
る。過酸化水素は殺菌作用があり、これによって注入井
12の周囲におけるメタン資化菌の過剰増殖を抑制する
ことができる。この場合、過酸化水素(好ましくは5〜
100mg/l)を連続的に注入することが効果的である。
【0036】なお、処理対象の化学物質としては、トリ
クロロエチレンや、テトラクロロエチレンなどの有機塩
素化合物の他、ベンゼン、キシレン等の油類なども対象
となる。
【0037】図3に、本発明のバイオレメディエーショ
ンにより、広い範囲の汚染サイトを修復する場合のシス
テムを示す。
【0038】このシステムでは、複数の注入井を円上に
配置し、さらに地下水を汲み上げる揚水井をその円の中
心に配置した浄化システムを1つのユニット30とし、
このユニット30を汚染源32から地下水の流れに沿っ
て汚染下流に向けて4ユニット配置している。各ユニッ
ト30においては、上述の場合と同様の効果的な汚染化
学物質の除去が行われ、複数のユニット30によって、
バイオゾーン24を汚染サイト全体に広げることが可能
となる。この結果、1年以内という短期間で汚染サイト
全体を浄化することが可能となる。なお、このシステム
では、汚染下流にいくに従って、1ユニットの大きさを
大きくして、低濃度の汚染に対応している。
【0039】
【実施例】図1、2に示すバイオレメディエーション浄
化システムによりTCEの処理を行った場合のTCEの
経時変化を図4に示す。
【0040】この例は、揚水井10において揚水した地
下水に酸素10mg/l、硝酸10mg/L、メタン4
mg/Lを溶解して8本の注入井へ供給した。これよ
り、揚水井10、モニター井22において採取した何れ
の地下水においても十分なTCEの低下が得られること
がわかる。すなわち、当初1.0mg/LであったTC
Eを1年後には0.03mg/L以下にすることができ
る。
【0041】また、地下水への酸素、硝酸、メタンを間
欠注入した場合、及びこの間欠注入に加え過酸化水素を
連続中した場合の注入ポンプの圧力上昇を図5に示す。
【0042】間欠注入は、酸素30mg/L及び硝酸3
0mg/Lを4時間、地下水のみを2時間、メタン10
mg/Lを4時間、地下水のみ2時間という注入を1サ
イクルとしてこれを繰り返して行った。また、過酸化水
素50mg/lの連続注入を実施した。
【0043】この結果から、間欠注入、および過酸化水
素の連続注入が微生物の過剰な増殖による注入ポンプの
圧力上昇を抑制するのに効果のあることが明らかとなっ
た。
【0044】(比較例)図7に図6に示す従来例のバイ
オレメディエーション浄化システムによるTCEの経時
変化を示す。この従来例では、揚水井1で揚水した地下
水に酸素10mg/L、硝酸10mg/L、メタン4m
g/Lを溶解して注入井2から汚染サイトに供給した。
【0045】この場合、揚水井で引き上げられる地下水
において、バイオゾーンを通過してきた地下水はほんの
一部であるため、揚水される地下水のTCE濃度に、バ
イオゾーンを通過してTCEが分解された効果が反映さ
れず、TCE濃度の減少が1年ではあまり観察されな
い。すなわち、当初1mg/LであったTCE濃度が、
1年後においても0.7〜0.9mg/Lである。この
ため、汚染サイト全体を浄化するのに数年以上の長い期
間を要する。
【0046】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明は、揚水井
を挟んで複数の注水井を配置することで、地下水、土壌
汚染を修復するに当たり、浄化期間が短く、実用化の可
能なバイオレメディエーション法を提供することができ
る。また、栄養塩等の間欠注入や過酸化水素の供給によ
り、注入井などにおける目詰まりを抑制することができ
る。さらに、1本の揚水井と複数の注水井からなるユニ
ットを複数設けることで広域の汚染サイトに対しても効
果的なバイオレメディエーションを実施することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態のバイオレメディエーショ
ン浄化システムの概略構成を示す図である。
【図2】 本発明の実施形態のバイオレメディエーショ
ン浄化システムの概略断面構成を示す図である。
【図3】 広域の汚染サイトに適応例を示す図である。
【図4】 本発明の浄化システムにおけるTCE濃度経
時変化を示す図である。
【図5】 注入ポンプ圧力の経時変化を示す図である。
【図6】 従来の浄化システムにおけるTCE濃度経時
変化を示す図である。
【図7】 従来の浄化システムにおけるTCE濃度変化
を示す図である。
【符号の説明】
10 揚水井、12 注入井、14 揚水ポンプ、16
溶解装置、18 栄養塩等供給装置、20 分配器、
22 モニター井、24 バイオゾーン、30ユニッ
ト、32 汚染源。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月4日(1999.11.
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、化学物質によ
って汚染された汚染サイトにおける地下水、地層を浄化
する汚染地下水及び汚染地層の浄化方法において、汚染
サイトに設けられた揚水井から地下水を汲み上げ、汲み
上げられた地下水に、上記化学物質の分解酵素を誘導す
るための誘導基質を溶解し、得られた誘導基質を溶解し
た地下水を、上記揚水井を挟んでその周囲に配置された
複数の注入井に注入して、上記誘導基質を揚水井の周囲
から揚水井に向けて拡散させ、揚水井の周囲に生育する
細菌によって上記誘導基質から生成される酵素を利用し
て上記化学物質を分解することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】また、本発明は、化学物質によって汚染さ
れた汚染サイトにおける地下水、土壌を浄化する汚染地
下水及び汚染地層の浄化システムであって、汚染サイト
の地下水を汲み上げる揚水井と、この揚水井から汲み上
げられた地下水に、上記化学物質を分解するために必要
な物質を溶解する溶解手段と、この物質溶解後の地下水
を汚染サイトに供給する複数の注入井と、を有し、上記
複数の注入井を揚水井を挟んでその周囲に配置すること
を特徴とする。このシステムにより、上述のようなバイ
オレメディエーションを行うことができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】図2に揚水井10と、1つの注入井12を
結ぶ線における汚染サイトの断面の概念図を示す。この
ように、地上から地下水流の内部にまで至る揚水井10
の内底部には、揚水ポンプ14が配置される。この揚水
ポンプ14として水中ポンプを採用したが、地上に配置
して揚水井10内の地下水を吸い上げる形式のポンプで
もよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】 広域の汚染サイトに適応した例を示す図であ
る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】 従来の浄化システムの概略構成を示す図であ
る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】 従来の浄化システムにおけるTCE濃度経時
変化を示す図である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 520 C02F 1/50 531Q 531 B09B 3/00 E

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学物質によって汚染された汚染サイト
    における地下水、地層を浄化する汚染地下水及び汚染地
    層の浄化方法において、 汚染サイトに設けられた揚水井から地下水を汲み上げ、 汲み上げられた地下水に、上記化学物質の分解酵素を誘
    導するための誘導基質を溶解し、 得られた誘導基質を溶解した地下水を、上記揚水井を挟
    んでその周囲に配置された複数の注入井に注入して、上
    記誘導物質を揚水井の周囲から揚水井に向けて拡散さ
    せ、 揚水井の周囲に生育する細菌によって上記誘導物質から
    生成される酵素を利用して上記化学物質を分解すること
    を特徴とする汚染地下水及び汚染地層の浄化方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法において、 上記化学物質は有機塩素化合物であり、上記誘導基質は
    メタンであることを特徴とする汚染地下水及び汚染地層
    の浄化方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の方法におい
    て、 前記揚水井からの地下水に、さらに酸素及び栄養塩を供
    給し、かつ誘導基質、酸素及び栄養塩の3つが同時に供
    給されないようにこれらの地下水への注入を互いに時間
    をずらせて間欠的に行うことを特徴とする汚染地下水及
    び汚染地層の浄化方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の方
    法において、 前記揚水井からの地下水に、さらに過酸化水素を添加す
    ることを特徴とする汚染地下水及び汚染地層の浄化方
    法。
  5. 【請求項5】 化学物質によって汚染された汚染サイト
    における地下水、土壌を浄化する汚染地下水及び汚染地
    層の浄化システムであって、 汚染サイトの地下水を汲み上げる揚水井と、 この揚水井から汲み上げられた地下水に、上記化学物質
    を分解するために必要な物質を溶解する溶解手段と、 この物質溶解後の地下水を汚染サイトに供給する複数の
    注入井と、 を有し、 上記複数の注入井を揚水井を挟んでその周囲に配置する
    ことを特徴とする汚染地下水及び汚染地層の浄化システ
    ム。
  6. 【請求項6】 化学物質によって汚染された汚染サイト
    における地下水、土壌を浄化する汚染地下水及び汚染地
    層の浄化システムであって、 請求項5に記載のシステムを1ユニットとし、これを地
    下水の流れに沿って複数配置したことを特徴とする汚染
    地下水及び汚染地層の浄化システム。
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