JP2000176373A - 内面塗装水道パイプ及びその製造方法 - Google Patents
内面塗装水道パイプ及びその製造方法Info
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Abstract
性を維持したまま、水道水中への環境ホルモンの流出を
防止し得る水道パイプを提供すること。 【解決手段】水道パイプ本体と、該水道パイプ本体の内
面に塗布されたエポキシ樹脂塗膜層と、該エポキシ樹脂
塗膜層の上に塗布されたアクリル樹脂塗膜層又はポリエ
ステル樹脂塗膜層とを有することを特徴とする内面塗装
水道パイプ、及び、水道パイプの内面にエポキシ樹脂粉
体塗料を塗装し、その上にアクリル樹脂粉体塗料又はポ
リエステル樹脂粉体塗料を塗装することを特徴とする内
面塗装水道パイプの製造方法。
Description
パイプ及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、水
道パイプの内面を二層に塗装し、上層に水道水を汚染す
る恐れの無い塗膜を形成することによって安全な水道水
を提供できる内面塗装水道パイプ及びその製造方法に関
するものである。
が使用されており、これらのパイプの内面には錆が発生
し易いため錆止めとして塗料が塗装されている。この塗
料として、素材への付着性、防食性が良好なエポキシ樹
脂塗料が無溶剤型塗料や粉体塗料として用いられてい
る。
し、硬化した後でも、塗膜中に環境ホルモンの一つであ
るビスフェノールAが未重合で残留するため、これが水
道水中に浸出し、人体に悪影響を及ぼすとして問題にな
ってきた。
シ樹脂塗料は、種々の塗料の中で、水道パイプ内面への
付着性、防食性等の点で特に優れており、従って、水道
パイプの内面に塗布する塗料を他の塗料に変更すること
は現状では極めて困難である。
エポキシ樹脂塗料を塗装し、上塗りとしてアクリル樹脂
塗料又はポリエステル樹脂塗料を塗装することにより、
良好な付着性、防食性を維持したままで環境ホルモンの
水道水への流出を防止することができる水道パイプ及び
その製造方法を提供することを課題としている。
プ内面を、水道パイプに防食機能を与えるための下層
と、下層中に含まれる有害物を水道水中へ浸出させない
ようにするための上層とからなる二層構造とすること
で、良好な付着性、防食性を維持したままで環境ホルモ
ンの水道水への流出問題が解決できることを見出し、本
発明を完成した。
道パイプ本体と、該水道パイプ本体の内面に塗布された
エポキシ樹脂塗膜層と、該エポキシ樹脂塗膜層の上に塗
布されたアクリル樹脂塗膜層又はポリエステル樹脂塗膜
層とを有することを特徴とする。又、本発明の内面塗装
水道パイプの製造方法は、水道パイプの内面にエポキシ
樹脂粉体塗料を塗装し、その上にアクリル樹脂粉体塗料
又はポリエステル樹脂粉体塗料を塗装することを特徴と
する。
る。本発明においては、下層のエポキシ樹脂塗膜層を形
成する塗料の樹脂成分として、好ましくは、従来から使
用されてきた軟化温度60℃以上、エポキシ当量500
以上のビスフェノールA型固形樹脂が使用され、その一
部をノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂等で
置き換えて変性することもできる。これらのエポキシ樹
脂を単独で使用することも、組み合わせて配合すること
もできる。また、これらのエポキシ樹脂と、カルボキシ
ル基を樹脂分子中に持ったポリエステル樹脂やアクリル
樹脂とを組み合わせて使用することもできる。また、硬
化剤として、ブロックイソシアネート樹脂、多官能カル
ボン酸、多官能酸無水物、ジシアンジアミン、イミダゾ
ール類等を用いることができる。
防食性等を向上させるために、塗膜成分として着色顔料
や防錆顔料、その他の機能を与えるための添加剤等を加
えることが有効である。着色顔料としては、黄色酸化
鉄、チタン黄、ベンガラ、酸化チタン等の無機系顔料
や、パーマネントエローFGL、フタロシアニンブル
ー、インダンスレンブルーRS、パーマネントレッドF
5RK、ブリリアントファーストスカーレットG等の有
機顔料等があげられる。樹脂粒子中へのこれらの着色顔
料の添加量は、通常PWCで0.5%〜60%程度であ
るが、クリヤー塗料の様に全く添加しない場合もある。
ntration(顔料重量濃度)のことであり、下記の式によ
り算出される。 PWC={(含有顔料重量%)/(塗料中の全固形分重
量%)}×100 これらの顔料の添加量が多過ぎる場合には、特に吸油量
の高い顔料の場合には、そのような塗料を用いて塗膜を
形成すると、塗膜の平滑性が損なわれる傾向がある。
膜の堅さを調節したりする目的で、体質顔料として、硫
酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、
シリカ粉、微粉珪酸、珪藻土、タルク、塩基性炭酸マグ
ネシウム、アルミナホワイト等を添加することもでき
る。
を向上させたりするために、薄片状顔料を添加すること
もできる。薄片状顔料としては、通常のアルミニウム顔
料、マイカ顔料、金属粉、薄片状硝子粉、プラスチック
フィルム片等が使用できる。これらの顔料は、各々単独
で使用することも、2種以上を併用することも可能であ
る。特に、微細な薄片状顔料として、ガラスフレークや
雲母顔料、金属粉顔料を樹脂粒子中に加えることは、体
質顔料を添加すること以上に、耐食性の向上には効果が
あるが、塗料の材料費が高くなる傾向がある。
膜からの有害物の浸出を防止するために上層の塗膜を形
成する。このため、上層として有害物を全く含有しない
塗膜を形成させる必要がある。従って、本発明において
は、アクリル樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料を用いて
水道パイプ内面塗装の上層を形成する。上層に用いるア
クリル樹脂の製造においては、スチレンモノマー等の環
境ホルモンとして危惧される原料を使用することはでき
ない。同様の理由で、ポリエステル樹脂の製造において
も、重合触媒としてトリフェニルスズ、トリブチルスズ
等を使用することはできない。また、可塑剤として、フ
タル酸ジエチル等を使用することはできない。よって、
本発明においては、上層を形成する塗料として、これら
の原料、触媒、配合剤を使用せず、重合反応時に有害物
を生成する恐れの無い原料の組合せで製造されたものを
用いる。
ノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリ
レート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレ
ート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルア
クリレート、トリデシルアクリレート、ステアリルアク
リレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアク
リレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2
−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルア
クリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、エチ
ルカルビトールアクリレート、アリルアクリレート、グ
リシジルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレ
ート、アクリル酸、アクリル酸ソーダ、トリメチロール
プロパンアクリレート、1,4−ブタンジオールジアク
リレート、1,6−ヘキサンジオールアクリレート、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート等のアクリル酸及びアクリル酸
エステルモノマー、メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタク
リレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデ
シルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、シク
ロヘキシルメタクリレート、プロピルメタクリレート、
ベンジルメタクリレート、イソプロピルメタクリレー
ト、sec−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチ
ルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレ
ート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、アリル
メタクリレート、エチレングリコールメタクリレート、
トリエチレングリコールメタクリレート、テトラエチレ
ングリコールメタクリレート、1,3−ブチレングリコ
ールメタクリレート、トリメチロールプロパンメタクリ
レート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−メト
キシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメチ
ルクロライド塩メタクリレート、メタクリル酸、メタク
リル酸ソーダ等のメタクリル酸及びメタクリル酸エステ
ルモノマーを挙げることができる。更に該アクリル系モ
ノマーに加えて、アクリルアミド、アクリロニトリル、
酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブ
タジエン、イソプレン、クロロプレン等のビニルモノマ
ーを共重合成分として用いることができる。
エチレン性不飽和モノマー、カルボキシル基含有エチレ
ン性不飽和モノマー、水酸基含有エチレン性不飽和モノ
マー等を用いることができる。エポキシ基含有エチレン
性不飽和モノマーとしては、例えば、グリシジル(メ
タ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレ
ート、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等を挙げるこ
とができ、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマ
ーとしては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができる。
水酸基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、ヒドロ
キシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート等を挙げることができる。
の重合方法としては、通常の溶液重合法により高分子量
の樹脂を合成した後、薄膜加熱減圧法等によって溶媒を
除去回収して固形樹脂を作成する方法や、懸濁重合法に
より樹脂を合成した後、スプレードライ法等により水分
を除去し、固形樹脂を作成する方法がある。
樹脂中の反応極性基がグリシジル基の場合には、セバシ
ン酸、ドデカンジカルボン酸等の多官能カルボキシル基
含有化合物や、多官能酸無水物等を使用することができ
る。また、アクリル樹脂中の反応極性基が水酸基の場
合、又は、水酸基とカルボキシル基の組合せの場合に
は、ブロックイソシアネート樹脂、メラミン樹脂等を硬
化剤として使用することができる。ブロックイソシアネ
ート樹脂としては、イソシアネートモノマーとしてヘキ
サメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、水添キシレンジイソシアネート、トルエンジイソ
シアネート等を用い、これをトリメチロールプロパンに
付加して樹脂化したイソシアネート樹脂、多官能化した
イソシアネート樹脂、水添して多官能化したイソシアネ
ート樹脂にカプロラクトンやオキシム類でブロックした
ブロックイソシアネート樹脂が使用できる。
を使用する場合は、粉体塗料の樹脂粒子の安定性を確保
するために、ブロックイソシアネート樹脂単体でも固形
になるものが好ましく、イソホロンジイソシアネートか
ら作られた樹脂をε−カプロラクタムでブロックしたブ
ロックイソシアネート樹脂等が好ましい。しかし、液状
の硬化剤であっても、添加配合量や顔料の配合量を調整
することにより、あるいは、アクリル樹脂、ポリエステ
ル樹脂のようなガラス転移温度の高い樹脂との組合せに
より、使用することができる。
する。ポリエステル樹脂を構成するカルボン酸成分とし
て、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカ
ンジカルボン酸、1、12−ドデカンジカルボン酸、
1,2−オクタデカンジカルボン酸、アイサコサンジカ
ルボン酸、マレイン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカ
ルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル
酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多価カルボン
酸、あるいはそれらの低級アルキルエステル及び無水
物、あるいはリンゴ酸、酒石酸、1,2−ヒドロキシス
テアリン酸、パラオキシ安息香酸等のヒドロキシカルボ
ン酸等を用いることができる。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−
プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10
−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、スピログ
リコール、1,10−デカンジオール、1,4ーシクロ
ヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチルペンタ
ン−1,3−ジオール、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール
等を用いることができる。
の酸成分及びアルコール成分を原料として、例えば、通
常の粉体塗料用ポリエステル樹脂の製造方法によって製
造することができる。例えば、上記のような原料を適当
に組み合わせ、常法によって200〜280℃の温度で
エステル化またはエステル交換反応を行った後、5hP
a以下に減圧し、230〜290℃で触媒の存在下で重
縮合反応を行って、高重合度の樹脂にした後、アルコー
ル成分で解重合反応を行うという方法により、ポリエス
テル樹脂を製造することができる。ポリエステル樹脂は
軟化温度が50〜150℃である物が好ましい。軟化温
度が50℃未満の場合には粉体塗料がブロッキングし易
く、取り扱い難くなる。また、軟化温度が150℃より
高い場合には、塗装後の塗膜形成時に塗膜の平滑性や連
続性が損なわれ、下層から浸出する有害物を遮蔽する効
果が消失する。
たブロックイソシアネート樹脂を使用することが好まし
く、その場合にはポリエステル樹脂の水酸基と、ブロッ
クイソシアネート樹脂の反応に寄与する潜在的イソシア
ネート基との比率、NCO/OH比が、好ましくは0.
6〜1.2、より好ましくは0.8〜1.0となるよう
に用いる。
脂塗膜層、アクリル樹脂塗膜層、ポリエステル樹脂塗膜
層は粉体塗料、水性分散粉体塗料、無溶剤型塗料、電着
塗料等を用いて形成することができるが、塗装操作性、
塗膜性能の点で粉体塗料を用いることが好ましい。本発
明で好ましく用いられるエポキシ樹脂粉体塗料、アクリ
ル樹脂粉体塗料、ポリエステル樹脂粉体塗料は、通常の
粉体塗料の作成方法によって作成することができる。
物を得る工程においては、固形の樹脂原料を中心に着色
顔料、硬化剤、添加剤、更に必要によっては少量の液状
原料をできるだけ均質に混合する。このための装置とし
ては、原料を混合する通常の装置であるフラッシュミキ
サー、スクリューミキサー、コニカルブレンダ、Vミキ
サー、タンブリングミキサー、ジェットミキサー、ニー
ダー、リボンミキサー等が使用できる。
ルミル、スクリューニーダー、マーラー、ニーダー等が
ある。溶融練合後、練合物を速やかに装置より排出して
冷却することができる装置が好ましい。特に、粉体塗料
樹脂粒子中に硬化剤が含まれる場合には、溶融練合工程
で樹脂成分、硬化剤等が均質に混合される。この時に、
樹脂成分の軟化温度以上に加熱されるので、練合する時
の滞留時間が長くなると樹脂成分の一部が硬化剤と反応
してしまう。このように一部が反応した樹脂粒子を用い
て塗装すると、平滑に連続した塗膜にならなかったり、
光沢不足の欠陥を生じたりする傾向がある。従って、一
方向から供給し他方から連続的に排出する形式の装置を
用いることが好適である。この溶融練合物を冷却した
後、粉砕分級機で所定の粒度分布の粉末にする。この粉
末の表面を流動性付与剤等で後処理して粉体塗料とす
る。
法としては、水道パイプの一端から粉体塗料を気流に乗
せて送付し塗装する方法や、粉体塗料用塗装ガンを水道
パイプ内部に挿入し、引き出しながら内部を塗装する方
法等がある。この際、上下二層を塗装する装置を一度に
水道パイプ内部に挿入し、短い間隔をおいて下層と上層
をほぼ同時に塗装し、成膜させることもできる。
処理をした後、予熱炉や誘導加熱装置であらかじめ樹脂
軟化温度以上の温度に予熱した水道パイプに下層用粉体
塗料を塗布し、この粉体塗料が溶融、成膜しつつある状
態の上に上層用粉体塗料を塗装して同時に一度に硬化さ
せ塗膜を形成する塗装方法や、常温の水道パイプに下層
用粉体塗料を塗装し、加熱して、下層用粉体塗料が完全
の硬化塗膜を形成した後、改めて同一塗装方法で上層用
粉体塗料を塗布し塗膜を形成する塗膜方法を挙げること
ができる。
に予熱する場合、予熱温度は、通常200〜250℃程
度であることが好ましい。200℃未満であると、パイ
プ表面に温度分布が発生する傾向があり、この場合に
は、塗装した粉体塗料の硬化、架橋が不均一となり塗膜
性能が発揮できなくなるからであり、また、250℃よ
り高い場合には、水道パイプの熱容量が大きいため、そ
の温度にするために必要なエネルギーが大きくなり、不
経済であるからである。
に以下のような方法が実施可能である。 (i)予熱した水道パイプの内面上に下層塗料を塗布
し、溶融させ、下層塗料を完全に硬化または部分硬化の
状態で成膜させ、その上に、上層塗料を塗装し硬化させ
る塗装方法。 (ii)予熱した水道パイプの内面上に下層塗料を塗布
し、その一部または全てが溶融状態にある上に、上層塗
料を塗装し成膜させる塗装方法。 (iii)常温の水道パイプの内面上に下層塗料を塗布し、
加熱して溶融させる。この温度が低下する前に、さらに
上層の粉体塗料を塗装し、余熱を利用して、二層同時に
硬化させる粉体塗料の塗装方法。 (iv)上記(iii)の方法において、二層同時に硬化させ
る時、さらに加熱して硬化させる粉体塗料の塗装方法。
おいては、アクリル樹脂粉体塗料又はポリエステル樹脂
粉体塗料の上塗り塗料を塗装した後、さらにクリヤー塗
料を塗装することも可能である。
具体的に説明する。以下の製造例、実施例において、配
合量の部は重量部である。 <下層用粉体塗料の製造>軟化温度120℃、酸価=4
5のポリエステル樹脂32部、エポキシ当量=910の
ビスフェノールAタイプのエポキシ樹脂32部、チタン
顔料20部、タルク10部、表面調整剤5部及び硬化促
進剤1部をスクリューミキサーで配合し、フラッシュミ
キサーで均質に混合した。
を用い、加熱温度を115℃に設定した。溶融練合機の
先端に圧延冷却が可能な2本ロール冷却機を設け、その
先にハンマクラッシャを設置した。上記の均質に混合し
た配合物を2軸スクリューニーダーのフィーダーより供
給した。約20秒間の滞留、練合分散で均質化物となっ
た。この均質化物は約120℃の粘性液体として2軸ス
クリューニーダーの先端から2本ロール冷却機の圧延ロ
ールに落下させ、圧延し、約10秒で常温近くまで冷却
し、この板状の樹脂粒子原料をハンマクラッシャで約
0.5mmの大きさの粗粉樹脂粒子に一次粉砕した。
粉砕機で粉砕し、120メッシュの分級機で分級した。
この分級を終了した樹脂粒子にコロイダルシリカ0.8
部を均一に混合し、後処理を行って<下層用粉体塗料>
とした。
チルメタクレート60部、ブチルアクリレート6部、グ
リシジルメタクレート33部及びアゾイソブチロニトリ
ル1部を均一に溶解させた。反応槽にキシロール100
部を仕込み、120℃に加温した。この反応槽を攪拌し
つつ滴下槽より溶液を1時間で滴下し、2時間保持し
た。その後、更にアゾイソブチロニトリル0.3部加
え、150℃に約4時間保持して重合反応させて樹脂溶
液を得た。
て溶剤を除去し、固形のアクリル樹脂を得た。このアク
リル樹脂の軟化温度は約55℃、分子量は約7000で
あった。このアクリル樹脂77部、ドデカンジカルボン
酸19部、表面調整剤1部及び流展性付与剤3部を配合
し、上記した<下層用粉体塗料の製造>の場合と同様に
溶融練合し、粉砕、分級し、後処理をして<上層用粉体
塗料1>を得た。
化学工業(株)製のポリエステル樹脂<ファインディッ
クM8023>(軟化温度110℃、水酸基価=40)
56部、ダイセルヒュルス社製ブロックイソシアネート
樹脂<IPDI−B1530>11部、表面調整剤1
部、流展性付与剤2部、酸化チタン29部及びカーボン
ブラック1部を配合し、上記した<下層用粉体塗料の製
造>の場合と同様に溶融練合し、粉砕、分級、後処理を
して<上層用粉体塗料2>を得た。
層用粉体塗料1の製造>で得たアクリル樹脂77部、ド
デカンジカルボン酸19部、表面調節剤1部及び流展性
付与剤3部を配合し、溶融練合、粉砕、分級してアクリ
ル樹脂クリヤー粉体塗料の樹脂粒子を作成した。この樹
脂粒子93部に、アルミニウム顔料(粒子径30μm、
アスペクト比約10)6部をドライブレンドし、シリカ
の微粉末1部を混合し、後処理をして<上層用粉体塗料
3>を得た。
を蒸発させて除去した。この鋳鉄管の余熱が200℃〜
220℃にまで低下した時、エアー流動槽より静電粉体
塗料塗装ガンに下層用粉体塗料を送り、塗装ガンを鋳鉄
管より引き抜きながら膜厚が約700μmになるように
塗装した。
静電粉体塗料塗装ガンで、上層用粉体塗料1を膜厚が約
100μmになるように塗装し、塗装後3分間放置し、
その後水冷して内部を塗装した水道パイプを得た。この
パイプの断面を顕微鏡で観察したところ、下層用粉体塗
膜層と上層用粉体塗膜のクリヤー層とは混合することな
く二層に分かれていた。また、塗膜表面をFTIRで分
析したところ、下層用粉体塗料に含まれるビスフェノー
ルAに起因する構造式の吸収波形やエポキシ樹脂の構造
式に起因する吸収波形は認められなかった。また、塗装
鋳鉄管の内部に水を入れ、40℃で1000時間放置し
た後、水の微量分析を実施したがビスフェノールAは検
出できなかった。
ン脱脂した後、加熱して水分を除去した。パイプの長さ
より長い首を持つ塗装ガンを用い、ヘッドに下層用粉体
塗料用塗装ガンと上層用粉体塗料用塗装ガンとを50c
mの間隔で取り付け、各々の塗料供給装置に接続した。
を、後ろ側の塗装ガンに上層用粉体塗料2を供給するよ
うに準備し、塗装ガンの支持部分と塗装ガンに冷却水を
循環させた。電気縫合パイプを始めに250℃の予熱炉
で加熱し、塗装装置に移動させ、パイプを200r.p.m.
で回転させた。水道パイプの中に、塗装ガンを、その先
端がパイプの他端部より出る所まで差し入れ、直ちに塗
装ガンを20m/分で引き抜きながら塗料を噴霧し、下
層塗膜と上層塗膜を約1.5秒差で塗装した。塗装後3
分間放置した後、水冷して水道パイプとした。このパイ
プの断面を顕微鏡で観察したところ、下層用粉体塗膜層
と上層用粉体塗膜層とが二層に分かれて塗装されてい
た。
施例1と同様に下層用粉体塗料に含まれるビスフェノー
ルAに起因する構造式の吸収波形やエポキシ樹脂の構造
式に起因する吸収波形は認められなかった。また、パイ
プ内部に水を入れ、実施例1と同様の試験をし、水の微
量分析を実施したが、ビスフェノールAは検出できなか
った。
上層用粉体塗料3を用いた以外は実施例1と同様に塗装
し、評価した。この結果、塗膜表面にも、パイプ内の水
中にもビスフェノールAの検出は認められなかった。ま
た、上層用粉体塗料1を単独で用いて形成した塗膜単独
の吸水性、水透過性、並びに薄片顔料を含んだ上層用粉
体塗料3を単独で用いて形成した塗膜単独の吸水性、水
透過性を測定したところ、吸水性については、両方とも
吸水率0.7%で大きな差は認められなかったが、水透
過性については、上層用粉体塗料3の塗膜の水透過度は
上層用粉体塗料1の塗膜の水透過度の1/2であり、大
きな効果が認められた。
下層用粉体塗料を膜厚が約800μmになるように塗装
し、上層用粉体塗料を塗装しなかった以外は全く同一の
操作をして水道パイプを得た。この塗膜表面をFTIR
で分析したところ、下層用粉体塗料に含まれるビスフェ
ノールAに起因する構造式の吸収波形やエポキシ樹脂の
構造式に起因する吸収波形が認められた。
装水道パイプは、塗装にかかる工程、時間、経費等を従
来に比べて大きく変更することなく製造することがで
き、パイプに防食機能を与え、且つ、有害物質の水道水
中への流出を防ぐことができる。
Claims (2)
- 【請求項1】水道パイプ本体と、該水道パイプ本体の内
面に塗布されたエポキシ樹脂塗膜層と、該エポキシ樹脂
塗膜層の上に塗布されたアクリル樹脂塗膜層又はポリエ
ステル樹脂塗膜層とを有することを特徴とする内面塗装
水道パイプ。 - 【請求項2】水道パイプの内面にエポキシ樹脂粉体塗料
を塗装し、その上にアクリル樹脂粉体塗料又はポリエス
テル樹脂粉体塗料を塗装することを特徴とする内面塗装
水道パイプの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10352836A JP2000176373A (ja) | 1998-12-11 | 1998-12-11 | 内面塗装水道パイプ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10352836A JP2000176373A (ja) | 1998-12-11 | 1998-12-11 | 内面塗装水道パイプ及びその製造方法 |
Publications (1)
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