JP2000170590A - 内燃機関制御装置 - Google Patents

内燃機関制御装置

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JP2000170590A
JP2000170590A JP34754098A JP34754098A JP2000170590A JP 2000170590 A JP2000170590 A JP 2000170590A JP 34754098 A JP34754098 A JP 34754098A JP 34754098 A JP34754098 A JP 34754098A JP 2000170590 A JP2000170590 A JP 2000170590A
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Japan
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cylinder pressure
crank angle
combustion chamber
internal combustion
combustion engine
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JP34754098A
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English (en)
Inventor
Kenji Abe
賢二 安部
Yuichi Shimazaki
勇一 島崎
Eitetsu Akiyama
英哲 秋山
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸排気弁の開閉による影響を受けることな
く、内燃機関の制御に有効な筒内圧データを正確に得
る。 【解決手段】 制御装置10において、エンジン11が
圧縮行程にあると判断される領域であって、なおかつ、
クランク角度位置がBDCの前後±20°およびTDC
の前後±10°の範囲内のいずれにも属していない領域
内にあるときに、第一および第二の所定クランク角度位
置における筒内圧信号を記憶し、この筒内圧信号、およ
び、ROM28により記憶された第一および第二の所定
クランク角度位置における燃焼室内容積に基づいてエン
ジン11のポリトロープ指数を計算し、ROM28によ
り記憶された吸気弁26の着座後一定期間内の各クラン
ク角度位置毎の燃焼室内容積および計算されたポリトロ
ープ指数に基づいて、吸気弁26の着座後一定期間内の
気筒内圧力を計算した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サンプリングされ
た筒内圧の値に基づいて内燃機関を制御する内燃機関制
御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の内燃機関制御装置としては、例
えば、特開平6−146995号公報に記載されている
ように、内燃機関の気筒内の圧力を検出する筒内圧セン
サと、この筒内圧センサからの筒内圧信号を所定間隔ご
とにサンプリングするサンプリング手段とを有し、サン
プリング手段でサンプリングされた筒内圧信号に基づい
て充填効率を算出し、この算出された充填効率に基づい
て内燃機関の制御を行うものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な内燃機関制御装置において用いられる筒内圧センサと
しては、図5(a)および(b)に示すようなものが知
られている。この筒内圧センサ1は、エンジンの燃焼室
2内に配置された点火プラグ3の座金として形成されて
おり、圧電素子により各気筒の筒内圧力を相対圧として
検出する。
【0004】しかしながら、このような構成において
は、(b)に示すように、筒内圧センサ1が、シリンダ
5に設けられた吸気弁6および排気弁7に近接して配置
されていることから、これら吸気弁6および排気弁7の
開閉の影響、特に、吸気弁6および排気弁7の着座によ
る影響が、筒内圧の変化として筒内圧センサ1により検
出され、内燃機関の制御の制御に悪影響を及ぼす心配が
ある。
【0005】そこで、本発明においては、吸排気弁の開
閉による影響を受けることなく、内燃機関の制御に有効
な筒内圧データを正確に得ることのできるような内燃機
関制御装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、内燃機関の圧縮行程または爆発
行程において、筒内圧Pと燃焼室容積Vとに一定の関係
があることに着目し、この関係を用いて、吸排気弁の開
閉の影響を受ける時期の筒内圧Pをシリンダ容積Vから
算出することにより、吸排気弁の開閉の影響を回避する
ようにした。
【0007】一般に、内燃機関の圧縮行程において吸気
弁および排気弁が閉じている状態で、しかも、点火がさ
れるまでの間においては、燃焼室容積の対数logVと
筒内圧の対数logPとの関係が、図6に示すような比
例関係となることが知られている。これより、
【数1】 が成立する。 ここに、P1,V1:ある点におけるPおよびV P2,V2:異なる点におけるPおよびV κ:ポリトロープ指数(一定値)
【0008】したがって、吸排気弁の開閉の影響を受け
ない時期の筒内圧P1,P2を測定・記憶しておくとと
もに、このときの燃焼室容積V1,V2を参照してポリ
トロープ指数κを求め、さらに、このポリトロープ指数
κと、吸排気弁の開閉の影響を受ける時期における燃料
室内容積Vnとから、吸排気弁の開閉の影響を受ける時
期の筒内圧Pnを求めることができるわけである。
【0009】なお、式(1)は、内燃機関の爆発行程に
おいて吸気弁および排気弁が閉じている際にもほぼ成立
するので、この場合の筒内圧Pおよび燃料室容積Vから
求めたポリトロープ指数κを利用するようにすることも
可能である。
【0010】これより、請求項1記載の内燃機関制御装
置は、内燃機関(例えば、実施の形態におけるエンジン
11)の気筒内圧力を検出する筒内圧センサ(例えば、
実施の形態における筒内圧センサ24)と、前記内燃機
関のクランク角度位置を検出するクランク角度検出手段
(例えば、クランク角センサ22)と、前記筒内圧セン
サからの筒内圧信号(例えば実施の形態における筒内圧
信号Pd)を所定のクランク角度ごとにサンプリングす
るサンプリング手段(例えば、実施の形態におけるCP
U27)とを備え、前記サンプリング手段によりサンプ
リングされた筒内圧信号に基づいて前記内燃機関を制御
する内燃機関制御装置(例えば、実施の形態における制
御装置10)において、前記クランク角度位置に基づい
て前記内燃機関が吸入、圧縮、爆発、排気のいずれの行
程にあるかを判断するとともに、前記クランク角度位置
が、前記内燃機関が圧縮または爆発行程にあると判断さ
れる領域であって、なおかつ、前記クランク角度位置が
上死点および下死点の前後の所定の範囲内のいずれにも
属していない領域(例えば、実施の形態における領域X
1,X2)内にあるときに、当該領域内の同一行程内に
属する少なくとも二つの所定クランク角度位置(例え
ば、実施の形態における第一、第二の所定クランク角度
位置a°,b°)における筒内圧信号を記憶する筒内圧
記憶手段(例えば、実施の形態におけるRAM29)
と、前記クランク角度位置が前記少なくとも二つの所定
クランク角度位置にあるときの前記内燃機関の燃焼室内
容積(例えば、実施の形態における燃焼室内容積V1,
V2)を記憶しておく第一の燃焼室内容積記憶手段(例
えば、実施の形態におけるROM28)と、前記筒内圧
記憶手段により記憶された筒内圧信号および前記第一の
燃焼室内容積記憶手段により記憶された燃焼室内容積に
基づいて前記内燃機関におけるポリトロープ指数(例え
ば、実施の形態におけるポリトロープ指数κ)を計算す
るポリトロープ指数計算手段(例えば、実施の形態にお
けるCPU27によるステップS12の処理)と、前記
クランク角度位置が前記内燃機関の燃焼室(例えば、実
施の形態における燃焼室16)の吸気弁(例えば、実施
の形態における吸気弁26)または排気弁の開閉時のク
ランク角度位置から所定の範囲内(例えば、実施の形態
におけるノイズ区間(n〜n+x))にある場合の各ク
ランク角度位置毎の前記燃焼室内容積(例えば、実施の
形態における燃焼室内容積V(n)〜V(n+x))を
記憶する第二の燃焼室内容積記憶手段(例えば、実施の
形態におけるROM28)と、該第二の燃焼室内容積記
憶手段における記憶値および前記筒内圧記憶手段におけ
る記憶値ならびに前記計算されたポリトロープ指数に基
づいて、該記憶値に対応する気筒内圧力(例えば、実施
の形態における筒内圧データ(P(n)〜P(n+
x))を計算する圧力計算手段(例えば、実施の形態に
おけるCPU27によるステップS14またはS17の
処理)とを備えたことを特徴とした。
【0011】このような構成としたために、この内燃機
関制御装置においては、吸気弁または排気弁の開閉時の
気筒内圧力を、上記(1)式により算出して、これを内
燃機関の制御に利用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。図1に示すものは、本発明の一
実施の形態である制御装置10が適用されたエンジン1
1の概略構成である。エンジン11は、4気筒4サイク
ルエンジンであり、吸気ダクト12、スロットル弁1
3、および、吸気マニホールド14を介して空気を吸入
する構成となっている。吸気マニホールド14の分岐部
には、各気筒毎にインジェクタ15が設けられている。
【0013】インジェクタ15は、電磁式の燃料噴射弁
であって、制御装置10から出力される駆動パルス信号
により通電制御され、図示しない燃料ポンプから圧送さ
れる圧力調整がなされた燃料を、間欠的に噴射するよう
になっている。
【0014】また、エンジン11の各燃焼室16内に
は、点火プラグ17が設けられており、この点火プラグ
により火花点火を行うことにより混合気を着火燃焼させ
るようになっている。また、エンジン11からは、図示
略の排気マニホールド、キャタライザ等を経て排気が排
出される。ここで、点火プラグ17は、イグニッション
回路8の点火コイルにより発生した高電圧がディストリ
ビュータを介して順次分配され、これによって、各気筒
毎に点火を実行する構成となっている。
【0015】また、制御装置10は、ECU20と、エ
ンジン11のクランクシャフト21に設けられるととも
にECU20に接続されたクランク角センサ22と、点
火プラグ17の座金として形成されるとともにECU2
0に接続された筒内圧センサ24と、吸気ダクト12の
負圧を検出するとともにECU20に接続された負圧セ
ンサ25とを備えた構成とされている。
【0016】ECU20は、CPU27、ROM28、
RAM29、および図示略のA/D変換器、出入力イン
ターフェイス等を含んで構成される周知のマイクロコン
ピュータを備えた構成となっている。
【0017】また、クランク角センサ22は、クランク
シャフト21が1回転する間に360回のクランク信号
を等間隔に出力するとともに、4回のTDC(上下死
点)信号を出力するものである。また、この4回のTD
C信号のうちの一つは、エンジン11の気筒を判別する
ための気筒判別信号として、その特性を他のTDC信号
と異ならせて出力される。これにより、ECU20にお
いて、エンジン11の各気筒が、吸入、圧縮、爆発、排
気のいずれかの行程にあるかを把握できるようになって
いる。
【0018】さらに、筒内圧センサ24は、上述した従
来の技術の中で図5に示したセンサと同様のセンサとさ
れており、吸気マニホールド14と燃焼室16との間を
区画する吸気弁26に近接して位置している。
【0019】ECU20のCPU27は、クランク角セ
ンサ22から導入されるクランク角信号に基づいて、ク
ランクシャフト21の回転角1°ごとに、筒内圧センサ
24からの筒内圧信号Pdおよび負圧センサ25からの
負圧信号をサンプリングするサンプリング手段としての
機能をソフトウェア的に備えている。
【0020】さらに、CPU27は、筒内圧信号Pdの
サンプリング結果に基づいて、エンジン11の平均有効
圧およびポンピングロス等を演算し、これとクランク角
センサ22からのクランク角信号、および負圧信号のサ
ンプリング結果とに基づいてインジェクタ15、点火プ
ラグ17を制御する(すなわち、エンジン11を制御す
る)構成となっている。
【0021】また、ROM28は、CPU27の演算結
果に対応するインジェクタ15、点火プラグ17の制御
量のマップ等を記憶するとともに、後述するようなエン
ジン回転数NEに応じたノイズ区間(n〜n+x)の範
囲のマップを記憶している。また、ROM28は、後述
する第一、第二の所定クランク角度位置a°,b°にお
ける燃焼室16の容積V1,V2と、同様に後述するノ
イズ区間:(n〜n+x)内における各クランク角度位
置での燃焼室16の容積:V(n)〜V(n+x)とを
記憶している。
【0022】次に、制御装置10による処理内容につい
て、図2のフローチャートに従って説明する。図2に示
すフローチャートにおける処理は、クランク角センサ2
2からのクランク角信号が720回ECU20に入力さ
れる間、すなわち、クランクシャフト21が2回転する
間に一回行われる。また、この処理は、エンジン11の
各気筒ごとに別々に行われるが、ここでは、簡単のた
め、1気筒についての処理のみを説明する。
【0023】図2の処理は、例えば、クランク角度位置
が、排気TDCにあると認識された場合に開始される
(start)。なお、ここでは、start時のクラ
ンク角i°をi=0として設定し(ステップS1)、各
処理をクランク角i°に基づいて行うようにしている。
まず、エンジン11の運転状態がCPU27に入力され
る。この場合、具体的には、エンジン回転数NEの値を
エンジン11に設けられた図示しないエンジン回転数セ
ンサからCPU27に入力することとする。(ステップ
S2)。
【0024】次に、入力された運転状態に基づいて、エ
ンジン11の吸気弁26(図1参照)の着座ノイズの影
響が、どのようなクランク角i°の位置において発生す
るかが推定される。ここに、着座ノイズとは、吸気弁2
6と筒内圧センサ24とが近接して位置していることに
より、吸気弁26が閉じる際の振動が筒内圧センサ24
に伝達し、その結果、吸気弁26の着座時に、筒内圧セ
ンサ24の検出値に含まれることとなるノイズを指す。
ここでは、吸気弁26の着座時のクランク角度位置(i
°=n°)から一定の期間内を、着座ノイズの影響を受
けるノイズ区間:(n〜n+x)として設定し(ステッ
プS3)、クランク角i°が、n≦i<n+xの範囲に
ある場合には、筒内圧センサ24からの出力に着座ノイ
ズ影響が含まれているとする。ここで、nおよびxの値
は、ROM28に記憶されたデータマップに基づき、ス
テップS2において入力されたエンジン回転数NEに対
応した値が設定されるが、これは、エンジン回転数NE
に応じてバルブタイミングを調整する可動弁を採用した
場合を考慮したためである。具体的には、例えば、エン
ジン回転数NEが2000rmpのときには、n=19
0、x=10に設定される。つまり、吸気BDCの後1
0°〜20°がノイズ区間として設定される。
【0025】次に、クランク角度位置がノイズ区間内に
あるか否か、すなわち、クランク角i°がn≦i<n+
xの範囲にあるか否かが判断され(ステップS4)、ク
ランク角度位置がノイズ区間にないと判断された場合に
は、後述する平均有効圧およびポンピングロスを計算す
るために用いる各クランク角i°ごとの筒内圧データP
(i)に、クランク角i°における筒内圧信号Pd
(i)の値を入力し(ステップS5)、次のステップS
6に進む。なお、このP(i)の値は、RAM29に読
み込まれ、記憶される。
【0026】ステップS6では、クランク角i°が、第
一の所定クランク角度位置であるa°(例えば、a=2
00)であるか否かが判断される。そして、i=aのと
きには、後述するポリトロープ指数κを計算する際に用
いる筒内圧P1の値として、クランク角a°における筒
内圧信号Pd(a)の値が設定される(ステップS
7)。なお、このaの値は、図3のようなエンジン11
における燃焼室容積V(横軸)と筒内圧P(縦軸)の関
係を示す特性曲線中における領域X1、すなわち、エン
ジン11が、圧縮行程にあると判断される領域であっ
て、なおかつ、BDCの前後±20°およびTDCの前
後±10°の範囲内のいずれにも属していない領域内に
おけるクランク角度位置の範囲から選ばれている。
【0027】次に、ステップS8において、クランク角
i°が、第二の所定クランク角度位置であるb°(例え
ば、b=340)であるか否かが判断される。そして、
i=bのときには、後述するポリトロープ指数κを計算
する際に用いる筒内圧P2の値として、クランク角b°
における筒内圧信号Pd(b)の値が設定される(ステ
ップS9)。なお、このbの値は、aの値と同様に、図
3の特性曲線における領域X1、すなわち、エンジン1
1が、圧縮行程にあると判断される領域であって、なお
かつ、BDCの前後±20°およびTDCの前後±10
°の範囲内のいずれにも属していない領域内におけるク
ランク角度位置の範囲から選ばれる。(ただし、b≠a
に設定される。)
【0028】そして、ステップS10では、クランク角
i°が720°に達しているか否か、つまり、処理開始
からクランクシャフト21が2回転したかが判断され
る。そして、i°が720°に達していないときには、
ステップS11において、iをi+1に入れ替え、再
び、ステップS4に戻り、ステップS4以下の処理を再
び行う。
【0029】また、ステップS10において、クランク
角i°が720°に達していると判断された場合には、
ステップS12以下の処理において、ノイズ区間(n〜
n+x)内の筒内圧データP(n)〜P(n+x)の算
出を行う。
【0030】すなわち、まずステップS12において、
エンジン11の圧縮行程におけるポリトロープ指数κを
次式を用いて算出する。
【数2】 ここに、V1,V2は、クランク角a°,b°,の場合
の燃焼室16の容積であり、この値は、あらかじめRO
M28に記憶されたものとなっている。
【0031】そして、ステップS13において、前回、
この処理が行われた際に計算され、RAM29にすでに
記憶されているκの値を、あらたに計算されたκの値に
更新する。
【0032】そして、ステップS14において、更新さ
れたκを用いて、P(n)〜P(n+x)の算出を行
う。この場合、図6に示したような燃焼室容積Vの対数
logVと筒内圧Pの対数logPとの比例関係が、ク
ランク角i°がn〜n+xの範囲内においても成立する
と考えられることから、n〜n+xの範囲内における各
クランク角度位置での燃焼室16の容積V(n)〜V
(n+x)と、P(n)〜P(n+x)との間に、式
(1)と同様の関係、すなわち、
【数3】 が成立すると考えられる。これより、式(2)から導か
れる式(3)を用いてP(n)〜P(n+x)を、ポリ
トロープ指数κ、P2、V2、および、あらかじめRO
M28に記憶しておいた燃焼室16の容積V(n)〜V
(n+x)から求めることができる。
【数4】
【0033】このようにして、クランク角i°が0°か
ら720°の間において、ノイズ区間(n〜n+x)を
含むすべての筒内圧データP(i)を得ることができ、
こうして得られた筒内圧データP(i)を用いて、次の
ステップS15において、エンジン11のポンピングロ
スおよび平均有効圧Pmiを算出し、ステップS16に
おいて、このように演算されたポンピングロスおよび平
均有効圧Pmiを用いて、インジェクタ15による燃料
噴射量および点火プラグ17による点火時期を制御し
(エンジン11を制御し)、リターンする。
【0034】以上述べた制御装置10によれば、筒内圧
センサ24からの筒内圧信号Pdに吸気弁26の着座ノ
イズが含まれることとなるノイズ区間(n〜n+x)に
おける筒内圧データP(n)〜P(n+x)を、ノイズ
区間以外のデータから算出したポリトロープ指数κに基
づき、補外演算により求めることとしているために、エ
ンジン11の制御を行う上で必要なポンピングロスおよ
び平均有効圧Pmiを求める際に、着座ノイズの影響を
排除することができ、これにより、精度の高いエンジン
制御を実現することが可能となる。
【0035】また、制御装置10によれば、図2のフロ
ーチャートにおけるステップS13において、算出され
たポリトロープ指数κを順次更新するようにしているた
めに、筒内圧センサ24からの筒内圧信号Pdにノイズ
が含まれている際に、ノイズの影響を限られたサイクル
に限定することができ、エンジン制御のより一層の高精
度化を図ることができる。また、このような構成とされ
るために、エンジン11の経年変化にも対応することが
できる。
【0036】なお、上記実施の形態において、本発明の
趣旨を逸脱しない範囲内で他の構成を採用するようにし
てもよい。例えば、上記実施の形態においては、ノイズ
区間が、吸気弁26の着座時のノイズの影響を受ける期
間として設定されているが、この他に、例えば、排気弁
が開く場合に発生するノイズの影響を受ける区間を、別
途ノイズ区間として設定し、この場合に、上述のような
手順によりポリトロープ指数κに基づく補外演算を行っ
て、筒内圧データP(i)の補正を行うようにしてもよ
い。
【0037】また、上記実施の形態において、ポリトロ
ープ指数κを移動平均により算出するようにしてもよ
い。この場合、ステップS12で算出したポリトロープ
指数κ mの値を、RAM29に記憶しておくとともに、
ステップS13において記憶すべきエンジン制御用のポ
リトロープ指数κ’を、次式を用いて算出し直すように
する。(ここに、添字は、図2に示す処理を今までに行
った回数を表す。)
【数5】 (ただし、rは適当な自然数(例えばr=10)) そして、ステップS14においては、このように計算さ
れたポリトロープ指数κcを用いて、P(n)〜P(n
+x)の算出を行うようにする。このようにすることに
より、ポリトロープ指数κを算出するにあたって用いる
筒内圧データP1,P2に何らかの理由でノイズが含ま
れている場合においても、その影響を最小限に抑えるこ
とができる。
【0038】また、上記実施の形態において、クランク
角度a°,b°の値は、エンジン11が、圧縮行程にあ
ると判断される領域であって、なおかつ、BDCの前後
±20°およびTDCの前後±10°の範囲内のいずれ
にも属していない領域内におけるクランク角度位置の範
囲から選ばれているが、これらをエンジン11が、爆発
行程にあると判断される領域であって、なおかつ、BD
Cの前後±20°およびTDCの前後±10°の範囲内
のいずれにも属していない領域(図3に示す領域X2)
内におけるクランク角度位置の範囲から選択するように
してもよい。これは、式(1)が、爆発行程においても
ほぼ成立するためである。
【0039】さらに、クランク角度a°,b°を選ぶ際
には、BDCの前後±20°およびTDCの前後±10
°の領域を除外するようにしているが、これは、燃焼室
16内において、式(1)で表せられるような熱的変化
が生じる条件、すなわち、断熱圧縮・断熱膨張が生じる
条件を考慮して定めたものであり、この値を、エンジン
11の特性や、バルブタイミングの変化量等に応じて、
変化させることが可能である。
【0040】また、上記実施の形態の図2に示す処理に
おいて、エンジン運転状態の入力をエンジン回転数によ
り行っているが、これに代えて、車速、その他によりエ
ンジン運転状態を検知するようにしてもよい。
【0041】また、上記実施の形態においては、図2に
示す処理が、排気TDCのクランク角度位置から始めら
れることとなっているが、これに限らず、任意のクラン
ク角度位置から処理を開始するようにすることができ
る。ただし、この場合、処理開始位置に応じて、上記の
a,b,nの値が変化することとなる。
【0042】さらに、上記実施の形態においては、P
(n)〜P(n+x)の演算は、ポリトロープ指数κの
演算が行われた後に行われるようになっているが、これ
に代えて、図4に示すフローチャートのように、ステッ
プS4においてクランク角度位置がノイズ区間にあるか
どうかを判定し、ノイズ区間であるとの判定がなされた
場合に、ステップS17において、クランク角i°に対
応するP(i)を計算するようにしてもよい。これによ
り、演算時間の短縮化を図ることができる。なお、この
場合、添字mにより、ポリトロープ指数κおよびP2が
m回更新されたものであることを表すとすると、図4に
示す処理がm回目の処理である場合には、ステップS1
6においては、P2m-1、および、ポリトロープ指数κ
m-1が演算に用いられる、つまり、前回行われた処理に
おいて算出されたポリトロープ指数κおよびP2の値が
演算に用いられることとなる。
【0043】また、この他にも、本発明の趣旨を逸脱し
ない範囲内で他の構成を採用するようにしてもよく、ま
た、上述したような変形例を適宜組み合わせて用いるよ
うにしてもよいのは言うまでもない。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る内
燃機関制御装置によれば、内燃機関の制御に用いるべき
気筒内圧力のデータのうち、吸気弁または排気弁の開閉
の影響を受ける時期のものを、吸気弁または排気弁の開
閉の影響を受けない時期にサンプリングされた筒内圧信
号に基づき算出されたポリトロープ指数を用いて補外演
算することができるために、吸排気弁の開閉に伴い発生
するノイズの影響を排除することができ、これにより、
精度の高いエンジン制御を実現することが可能となる。
【0045】また、この場合、ポリトロープ指数および
気筒内圧力の計算値を、各サイクル毎に更新するように
すれば、筒内圧センサからの筒内圧信号にノイズが含ま
れている際に、ノイズの影響を限られたサイクルに限定
することができ、エンジン制御のより一層の高精度化を
図ることができ、また、内燃機関の経年変化にも対応す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態である制御装置が適用
された内燃機関の模式図である。
【図2】 図1に示した制御装置において行われる処理
の内容を示すフローチャートである。
【図3】 図1に示す内燃機関における燃焼室容積V
(横軸)に対する筒内圧P(縦軸)の関係を示す特性曲
線図である。
【図4】 本発明の他の実施の形態を示す図であって、
制御装置において行われる処理の内容を示すフローチャ
ートである。
【図5】 本発明の従来の技術を示す図であって、
(a)は、内燃機関制御装置において用いられる筒内圧
センサの概略構成図、(b)は、(a)に示した筒内圧
センサが適用されたエンジンの概略構成図である。
【図6】 本発明における課題を解決する手段を説明す
るための図であって、一般の内燃機関における圧縮行程
時の燃焼室容積の対数logV(横軸)と筒内圧の対数
logP(縦軸)との関係を示す特性線図である。
【符号の説明】
10 制御装置 11 エンジン(内燃機関) 16 燃焼室 20 ECU 22 クランク角センサ 24 筒内圧センサ 27 CPU(サンプリング手段) 28 ROM(第一の燃焼室内容積記憶手段、第二の燃
焼室内容積記憶手段) ステップS7,S9 筒内圧記憶手段 ステップS12 ポリトロープ指数計算手段 ステップS14,S17 圧力計算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 英哲 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3G084 DA04 DA20 EA01 EA05 EB06 EB07 EB12 EC04 FA00 FA21 FA38 FA39

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の気筒内圧力を検出する筒内圧
    センサと、前記内燃機関のクランク角度位置を検出する
    クランク角度検出手段と、前記筒内圧センサからの筒内
    圧信号を所定のクランク角度ごとにサンプリングするサ
    ンプリング手段とを備え、前記サンプリング手段により
    サンプリングされた筒内圧信号に基づいて前記内燃機関
    を制御する内燃機関制御装置において、 前記クランク角度位置に基づいて前記内燃機関が吸入、
    圧縮、爆発、排気のいずれの行程にあるかを判断すると
    ともに、前記クランク角度位置が、前記内燃機関が圧縮
    または爆発行程にあると判断される領域であって、なお
    かつ、前記クランク角度位置が上死点および下死点の前
    後の所定の範囲内のいずれにも属していない領域内にあ
    るときに、当該領域内の同一行程内に属する少なくとも
    二つの所定クランク角度位置における筒内圧信号を記憶
    する筒内圧記憶手段と、 前記クランク角度位置が前記少なくとも二つの所定クラ
    ンク角度位置にあるときの前記内燃機関の燃焼室内容積
    を記憶しておく第一の燃焼室内容積記憶手段と、 前記筒内圧記憶手段により記憶された筒内圧信号および
    前記第一の燃焼室内容積記憶手段により記憶された燃焼
    室内容積に基づいて前記内燃機関におけるポリトロープ
    指数を計算するポリトロープ指数計算手段と、 前記クランク角度位置が前記内燃機関の燃焼室の吸気弁
    または排気弁の開閉時のクランク角度位置から所定の範
    囲内にある場合の各クランク角度位置毎の前記燃焼室内
    容積を記憶する第二の燃焼室内容積記憶手段と、 該第二の燃焼室内容積記憶手段および前記筒内圧記憶手
    段における記憶値ならびに前記計算されたポリトロープ
    指数に基づいて、前記クランク角度位置が前記内燃機関
    の燃焼室の吸気弁または排気弁の開閉時のクランク角度
    位置から所定の範囲内にある場合の気筒内圧力を計算す
    る圧力計算手段とを備えたことを特徴とする内燃機関制
    御装置。
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