JP2000169893A

JP2000169893A - 透明石鹸

Info

Publication number: JP2000169893A
Application number: JP10344091A
Authority: JP
Inventors: Hiromichi Machida; 弘道町田; Masatoshi Hamamura; 政利濱村; Mika Yoneyama; 美香米山
Original assignee: MATSUYAMA YUSHI KK
Current assignee: MATSUYAMA YUSHI KK
Priority date: 1998-12-03
Filing date: 1998-12-03
Publication date: 2000-06-20

Abstract

(57)【要約】【解決手段】脂肪酸塩を構成する脂肪酸が、タイター
３１〜４０℃、ヨウ素価０〜３０、全脂肪酸組成中の炭
素数１２の直鎖飽和脂肪酸が１５〜２５重量％、炭素数
１８の不飽和脂肪酸が０〜２２重量％である脂肪酸塩を
含有する透明石鹸。【効果】透明性が高く、色や匂いの経時変化が少な
い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、透明性が高く、色
や匂いの経時変化が少ない透明石鹸に関する。

【０００２】

【従来の技術】透明石鹸は、一般の石鹸と同様に高級脂
肪酸のナトリウム塩を主成分とするもので、原料油脂と
して、牛脂、ヤシ油等が用いられるが、透明性や可塑性
等の透明石鹸に適した性状を保つよう、構成脂肪酸組成
等について、種々検討がなされている。例えば、透明性
や可塑性を改善する目的で、脂肪酸組成中にオレイン酸
が加えられる。しかし、オレイン酸を多量に配合した石
鹸は中和後に黄色に変色したり、経時的に匂いが変化す
るという問題があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、透明性に優れ、色や匂いの変化が少ない透明石鹸を
提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定のタ
イター、ヨウ素価を有する特定組成の脂肪酸で構成され
る脂肪酸塩を用いれば、適度な可塑性を有しながら、透
明性が高く、色や匂いの変化の少ない透明石鹸が得られ
ることを見出し、本発明を完成した。

【０００５】すなわち、本発明は、脂肪酸塩を構成する
脂肪酸が、タイター３１〜４０℃、ヨウ素価０〜３０、
全脂肪酸組成中の炭素数１２の直鎖飽和脂肪酸が１５〜
２５重量％、炭素数１８の不飽和脂肪酸が０〜２２重量
％である脂肪酸塩を含有する透明石鹸を提供するもので
ある。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明で用いる脂肪酸塩を構成す
る脂肪酸（混合脂肪酸）は、ヤシ油、パーム油、パーム
核油、大豆油、なたね油等の植物由来のものや、牛脂等
の動物由来のもののいずれでも良く、これらを１種以
上、さらに他の単独の脂肪酸を１種以上混合して用いる
ことができ、以下のような特性を有するように調整され
る。このような混合脂肪酸は、まず、タイター３１〜４
０℃、好ましくは３３〜３７℃であることが必要であ
る。タイターが３１℃未満では、常温（１５〜２５℃）
保存で経時による失透が目立ち、４０℃を超えると、透
明性に劣る。なお、本発明において、タイターは、基準
油脂分析試験法（Ｉ）１９９６年版タイター（その１）
により測定した値である。

【０００７】また、脂肪酸は、ヨウ素価が０〜３０、好
ましくは０〜２０であることが必要である。ヨウ素価が
３０を超えると、経時による色及び匂いの変化が大きく
なり、好ましくない。本発明において、ヨウ素価は、基
準油脂分析試験法（Ｉ）１９９６年版ヨウ素価により測
定した値である。

【０００８】さらに、全脂肪酸組成中の炭素数１２の直
鎖飽和脂肪酸が１５〜２５重量％であることが必要であ
り、この範囲内であれば、泡立ちが良く、かつ適度な可
塑性を有しながら、透明性に優れた透明石鹸を得ること
ができる。

【０００９】全脂肪酸組成中の炭素数１８の不飽和脂肪
酸は、０〜２２重量％であることが必要である。炭素数
１８の不飽和脂肪酸が２２重量％を超えると、色や匂い
が変化するので好ましくない。

【００１０】また、全脂肪酸組成中の炭素数１８の分岐
飽和脂肪酸が１５〜４５重量％であると、適度な可塑性
を有しながら透明性に優れ、しかも経時による色や匂い
の変化が少ない透明石鹸が得られるので好ましい。

【００１１】さらに、全脂肪酸組成中の炭素数２０〜２
６の直鎖飽和脂肪酸が６〜８重量％であると、より高い
透明性が得られるので好ましい。以上を構成する混合脂
肪酸の中和価は、２１５〜２３５が好ましい。

【００１２】本発明においては、このような脂肪酸組成
の脂肪酸塩が用いられ、全組成中に２１〜５２重量％、
特に３２〜４９重量％配合するのが好ましい。

【００１３】本発明の透明石鹸には、さらに透明化剤を
配合することにより、優れた透明性が得られる。かかる
透明化剤としては、例えば砂糖、ソルビトール、マルビ
ット、グルコース等の多糖類；グリセリン、プロピレン
グリコール等のポリオール類；エタノール等のアルコー
ル類などが挙げられる。これらの透明化剤は、１種以上
を用いることができ、全組成中に１０〜３０重量％、特
に１５〜２５重量％配合するのが好ましい。

【００１４】本発明の透明石鹸には、さらに通常の石鹸
組成物に配合される成分、例えば高級アルコール、高級
脂肪酸、脂肪酸エステル類等の油性成分；脂肪酸塩以外
のアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面
活性剤、カチオン界面活性剤；水溶性高分子、殺菌剤、
消炎剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、香料等を、
本発明の効果を損なわない範囲で、適宜配合することが
できる。

【００１５】本発明の透明石鹸は、通常の方法に従って
製造することができる。

【００１６】

【発明の効果】本発明の透明石鹸は、適度な可塑性を有
しながら、透明性が高く、しかも経時による色や匂いの
変化が少ないものである。

【００１７】

【実施例】実施例１表１に示す組成の混合脂肪酸を用いて透明石鹸を製造
し、それらの透明性、並びに色及び匂いの変化を評価し
た。結果を表１に併せて示す。

【００１８】（製法）表１に示す物性を有する混合脂肪
酸３７重量％とエタノール２０重量％を混合し、６５℃
に加温する。その後、この混合脂肪酸を水酸化ナトリウ
ムで中和し、混合脂肪酸のナトリウム石鹸を得る。中和
終了後、透明化剤としてのグリセリン１０重量％と白糖
１０重量％を加え、更に水が仕込み時の２０重量％にな
るように調整し、６０℃に保温しつつ、これを枠に流し
込み、冷却固化させる。室温まで冷却した後枠から取り
出し、適当な大きさに切断して室温で３０日程度自然乾
燥させた。その後、揮発分が２５重量％程度になった時
点で仕上げを行い、透明石鹸を得た。

【００１９】（評価方法）（１）透明性；厚さ３０mmの透明石鹸を通して読める肉
太活字のポイント数により、以下の基準で判定した。 ◎：１０．５ポイント。 ○：１４ポイント。 △：１８ポイント。 ×：２６ポイント以上。

【００２０】（２）色及び匂いの変化；各透明石鹸を、
４０℃に１ヶ月放置したとき、５℃保存品との比較にお
いて、以下の基準で判定した。 ◎：変化していない。 ○：ほとんど変化していない。 △：変化している。 ×：著しく変化している。

【００２１】

【表１】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者米山美香東京都墨田区東墨田２−17−８松山油脂合名会社研究開発部内Ｆターム(参考） 4H003 AB04 BA01 DA02 FA08 FA10 FA25

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】脂肪酸塩を構成する脂肪酸が、タイター
３１〜４０℃、ヨウ素価０〜３０、全脂肪酸組成中の炭
素数１２の直鎖飽和脂肪酸が１５〜２５重量％、炭素数
１８の不飽和脂肪酸が０〜２２重量％である脂肪酸塩を
含有する透明石鹸。
【請求項２】全脂肪酸組成中の炭素数１８の分岐飽和
脂肪酸が１５〜４５重量％である請求項１記載の透明石
鹸。
【請求項３】全脂肪酸組成中の炭素数２０〜２６の直
鎖飽和脂肪酸が６〜８重量％である請求項１又は２記載
の透明石鹸。