JP2000169436A - 安息香酸アミド類の製造方法 - Google Patents

安息香酸アミド類の製造方法

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JP2000169436A JP10351528A JP35152898A JP2000169436A JP 2000169436 A JP2000169436 A JP 2000169436A JP 10351528 A JP10351528 A JP 10351528A JP 35152898 A JP35152898 A JP 35152898A JP 2000169436 A JP2000169436 A JP 2000169436A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビストリフルオロメチル基を有する芳香族化
合物から一段で対応する安息香酸アミド類を製造する。 【解決手段】ビストリフルオロメチル基を有する芳香族
化合物を周期律表第VIII族金属とホスフィン類の存
在下一酸化炭素とアンモニアを反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】医農薬中間体として有用な安
息香酸アミド類の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】安息香酸アミド(ベンズアミド)類は、安
息香酸ハロゲン化物類、安息香酸無水物類または安息香
酸類にアンモニアもしくはアンモニウム塩類を作用させ
ることで製造することができる。
【0003】芳香環に二個のトリフルオロメチル基を有
するアリールハライドの製造方法としては、米国特許第
3825594号明細書に2,6−または2,4−ビス
(トリフルオロメチル)安息香酸を酸クロライドとし、
それを一級アミンによりアミド化する方法が開示されて
いる。また、2,6−ビス(カルボキシトリフルオロメ
チル)ベンゼンをSF4と反応させて造った2,6−ビ
ス(トリフルオロメチル)ベンゾイルフルオライドと
し、ついでアンモニアと反応させて2,6−ビストリフ
ルオロメチル安息香酸アミドとすることが文献(CA.
79:42101、Zh. Org. Khim.
(1973), 9(5), 1019−24)に記載
されている。
【0004】また、アリールハライド、一酸化炭素、第
一または第二アミンを触媒量のトリフェニルホスフィン
−パラジウム塩錯体の存在下反応させると対応する第
二、第三アミドの得られることが報告されている(J. O
rg. Chem., 39, 3331(1974))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したようにビスト
リフルオロメチル安息香酸の酸クロライドまたは酸フル
オライドからアンモニアと反応させることでトリフルオ
ロメチル安息香酸アミドを製造することはできるが、酸
クロライドまたは酸フルオライドを用意する必要があ
る。このような前駆体は対応するカルボン酸から調製す
ることはできるが、結局多段の反応過程を経ることにな
るという問題点があった。
【0006】そこで、本発明は入手の容易な芳香族ハロ
ゲン化物から一段の反応でビストリフルオロメチル安息
香酸アミド類を製造する方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための具体的手段】本発明者らは、文
献(J. Org. Chem., 39, 3331(1974))に記載されてい
る方法について検討したところ、意外にも特定の条件の
下で第一または第二アミンに代えてアンモニアを使用す
ることで原料に対応する安息香酸アミド類が得られるこ
とを見いだし、本発明に至った。
【0008】すなわち、本発明は一般式(1)
【0009】
【化4】 (式中、Xはハロゲン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ
素をいう)、トリフルオロメタンスルホネート基、炭素
数1〜4のアルキルスルホネート基、置換または非置換
アリールスルホネート基を表し、Rはトリフルオロメチ
ル基、トリフルオロメチルオキシ基、ハロゲン(前記に
同じ)、ニトロ基、アセチル基、シアノ基、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数
2〜5のアルコキシカルボニル基を表し、nは0または
1〜3の整数を表す。)で表される芳香族ハロゲン化物
を周期律表第VIII族金属とホスフィン類の存在下一
酸化炭素とアンモニアを反応させることからなる一般式
(2)
【0010】
【化5】 (式中、R、nは前記に同じ)で表される安息香酸アミ
ドの製造方法である。
【0011】本発明に使用する一般式(1)で表される
芳香族化合物は、少なくとも二個のトリフルオロメチル
基を有する芳香族基にハロゲン、トリフルオロメタンス
ルホネート基、炭素数1〜4のアルキルスルホネート
基、置換または非置換アリールスルホネート基が結合し
た化合物である。原料の入手が容易なハロゲン化物の方
が実用上は好ましい。Xで表されるハロゲンはフッ素、
塩素、臭素またはヨウ素であり、臭素またはヨウ素がよ
り好ましい。Rとしてはフッ素化学における中間体とし
ての有用性から塩素、臭素、ヨウ素が好ましい。
【0012】炭素数1〜4のアルキル基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基)、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例え
ば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−
プロポキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基
としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカ
ルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポ
キシカルボニル基を挙げることができる。
【0013】一般式(1)で表される芳香族化合物とし
て、一般式(3)
【0014】
【化6】 (式中、Yは臭素またはヨウ素を表す)で表されるハロ
ゲノ−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンは好まし
い。
【0015】このような二個のトリフルオロメチル基の
みを有する化合物としては、特に限定されないが、例え
ば、1−ブロモ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)
ベンゼン、1−ヨード−2,4−ビス(トリフルオロメ
チル)ベンゼン、1−ブロモ−3,5−ビス(トリフル
オロメチル)ベンゼン[3,5−ビス(トリフルオロメ
チル)ブロモベンゼン]、1−ヨード−3,5−ビス
(トリフルオロメチル)ベンゼン[3,5−ビス(トリ
フルオロメチル)ヨードベンゼン]、2−ブロモ−1,
3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、2−ヨード
−1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、2−
ブロモ−1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼ
ン、2−ヨード−1,4−ビス(トリフルオロメチル)
ベンゼン、4−ブロモ−1,2−ビス(トリフルオロメ
チル)ベンゼンなどが挙げられる。
【0016】またさらに前記した置換基を有する化合物
も本発明の方法に適する。したがって、一般式(1)で
表される芳香族化合物としては1−ブロモ−2,3,4
−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1−ブロモ
−2,4,5−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼ
ン、1−ヨード−2,3,5−トリス(トリフルオロメ
チル)ベンゼン、1−ヨード−2,4,5−トリス(ト
リフルオロメチル)ベンゼン、2−ブロモ−1,3,5
−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼン、5−ブロモ
−1,2,3−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼ
ン、5−ヨード−1,2,3−トリス(トリフルオロメ
チル)ベンゼン、2−ヨード−1,3,4,5−テトラ
キス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,2−ジブロ
モ−3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼ
ンなど;1,3−ジクロロ−5−ヨード−2,4−ビス
(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,2−ジブロモ−
4,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4
−ジブロモ−2,5−ビス(トリフルオロメチル)ベン
ゼン、1−ブロモ−2−クロロ−3,5−ビス(トリフ
ルオロメチル)ベンゼン[2−クロロ−3,5−ビス
(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン]、1−ブロモ
−2−メトキシ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)
ベンゼン、1−ヨード−2−メトキシ−3,5−ビス
(トリフルオロメチル)ベンゼン、2−ブロモ−1−ヨ
ード−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、
2−ブロモ−1−ニトロ−3,5−ビス(トリフルオロ
メチル)ベンゼン、2−ブロモ−3,4−ジクロロ−
1,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、5−ブ
ロモ−2−クロロ−1,3−ビス(トリフルオロメチ
ル)ベンゼンなどが例示できるがこれらに限られない。
【0017】一般式(1)で表される芳香族化合物とし
ては、生成物の有用性の顕著なことから3,5−ビス
(トリフルオロメチル)ブロモベンゼンまたは3,5−
ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼン、さらにこ
れらのベンゼン核の水素がハロゲンで置換した2−クロ
ロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼ
ンなどが最も好ましい。この場合、前2者を出発原料と
して用いると3,5−ビス(トリフルオロメチル)安息
香酸アミドが得られ、後者からは2−クロロ−3,5−
ビス(トリフルオロメチル)安息香酸アミドが得られ
る。
【0018】一般式(1)で表される芳香族化合物に本
発明の方法を適用すると、一般に芳香環に結合したハロ
ゲンのみがカルバモイル基に変換し、Rで表される置換
基は変化しない生成物が得られる。複数の異なるハロゲ
ンを芳香環に有する化合物では、一般にヨウ素、臭素、
塩素、フッ素の順に優先的に反応するが、置換基の環上
での位置および種類により異なることもある。
【0019】次に、一般式(2)で表される安息香酸ア
ミド類の製造方法について詳細に説明する。
【0020】アンモニアの使用量は、一般式(1)で表
される芳香族化合物1モルに対して通常1モル以上であ
ればよく、1〜10モルが好ましく、2〜5モルがより
好ましい。アンモニアの使用量が1モルに満たない場合
には反応は完結せず、一方10モルを超えても反応収率
の点からは問題はないが無駄となるので好ましくない。
【0021】一酸化炭素は、純粋なガスであってもよい
が、必らずしも高純度である必要はなく、窒素ガス、ア
ルゴンガス、炭酸ガスのような不活性ガスで希釈して使
用してもよい。一酸化炭素の使用量は、一般式(1)で
表される芳香族化合物1モルに対して1モル以上あれば
よい。一酸化炭素の圧力は通常、常圧以上であり、15
0kg/cm2以下が適当であり、好ましくは50kg
/cm2以下である。
【0022】本発明の製造方法に使用する周期律表第V
III族金属として、鉄、コバルト、パラジウム、白
金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム及びオスミウム
等の金属単体が挙げられ、それ自体単独でも使用できる
が、グラファイト、シリカゲル、アルミナ、シリカアル
ミナ、モレキュラーシーブ等の担体に担持して用いるこ
ともできる。これらの金属のうちパラジウムは特に好ま
しい。また、これらは金属塩としても使用でき、酢酸
塩、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、臭化物等として使用す
る。金属塩としては、具体的には例えば、酢酸パラジウ
ム、塩化パラジウム、酢酸コバルト、炭酸コバルト、塩
化コバルト、臭化ルテニウム等が挙げられる。
【0023】さらに、これらの金属錯体であってもよ
い。金属錯体の配位子としては、一般式(4) P(L)3 (4) (式中、Lはそれぞれ独立に低級アルキル基、フェニル
基、低級アルキル基置換フェニル基を表す)または一般
式(5) (R12P−Q−P(R12 (5) (式中、R1はそれぞれ独立にフェニル基、o−メチル
フェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニ
ル基を表し、Qは二価の基を表す)で表されるホスフィ
ンが好ましい。ここでQは−(CH2m−(mは2〜8
の整数)で表されるアルキレン基などである。低級アル
キル基としては炭素数1〜4程度のものが好適である。
この様なホスフィンの具体例としては、例えばトリフェ
ニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−
m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、
1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、
1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,3
−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,2−ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)エタン、トリn−ブチルホ
スフィン、トリエチルホスフィンなどが挙げられる。ま
た、他の配位子としてはアセトニトリル、ベンゾニトリ
ル、一酸化炭素等が挙げられる。これらのうち、ホスフ
ィン類が好ましく、フェニル基または低級アルキル置換
フェニル基を有するホスフィン類がさらに好ましい。
【0024】金属錯体の具体例としては、例えばPdC
2[P(o−Me−Ph)32、PdCl2[P(m−
Me−Ph)32、PdCl2[P(p−Me−P
h)32、PdCl2(PMe32、PdCl2(PPh
32、PdBr2(PPh32、Pd(PPh34、P
dCl2〔P(Ph)2CH2CH2P(Ph)2〕、Pd
Cl2〔P(Ph)2CH2CH2CH2CH2P(P
h)2〕、PdCl2(PhCN)2、Pd(CO)(P
Ph33、PhPdI(PPh32、PhPdBr(P
Ph32、PhPdBr(PMePh22、PdCl2
(PMePh22、PdCl2(PEt2Ph)2、Pd
Cl2(PMe2Ph)2、Pd2Br4(PPh32、P
dCl2(PEt32、PdCl2(bpy)2、RhC
l(PPh33 、RhCl(CO)(PPh32、P
t(CO)2(PPh32、H4Ru(CO)12、Ru3
(CO)12、CoCl(PPh33 、CoH(N2
(PPh33 、CoCl2(PEtPh22、HCo
(CO)4、Co2(CO)8、等が挙げられる。ここ
で、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル
基を表す。
【0025】一般に触媒が反応系中でどの様な中間状
態、活性化状態にあるのかは明確ではないが、本発明の
意図が目的物の製造であることに鑑み、これらの金属、
配位子および反応に関与する試剤が本発明の反応条件で
活性を示す状態となり得る組み合わせであれば最初に反
応系へ仕込む金属化合物、配位子、金属錯体の形態は特
に限定されない。
【0026】配位子は反応系で金属と金属錯体を形成す
る量以上に使用してよい。例えば、通常はパラジウム1
モルに対しトリフェニルホスフィン2モルとなるように
調整して反応系に加えればよいが、2モル以上とするの
が好ましい場合がある。金属と配位子は別々にまたは錯
体として反応系に加えてもよい。周期律表第VIII族
金属の使用量は、一般式(1)で表される芳香族ハロゲ
ン化物1モルに対して通常金属として0.00001〜
0.5モル、好ましくは0.00005〜0.1モル、
より好ましくは0.0001〜0.05モルである。
0.00001モルよりも少ないと反応の進行が遅く実
用でないので好ましくなく、また、0.5モルよりも多
いことは反応の点では問題はないが経済的に不利である
ので好ましくない。
【0027】本発明は有機溶媒を使用しないで、または
有機溶媒を使用して行うことができる。有機溶媒として
は、基質である一般式(1)で表される芳香族化合物自
体を溶媒として利用することもできるが、その他に例え
ば水、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼ
ン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素、アセトニトリ
ル、ベンゾニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メ
チルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチル
ホスホアミド等が挙げられ、このうち1種または2種以
上を用いることができる。溶媒の量は反応の面からは特
に限定されないが余り過剰に使用することは装置の大型
化を招き好ましくない。
【0028】本発明の方法で反応系に水を存在させるこ
とは好ましい。アンモニアは蒸気圧が高く一般的に有機
溶媒のみの系においてはその濃度を高めるためには高圧
を必要とするが、水への溶解度が大きいため水を反応系
に存在させることで、著しい反応系の圧力低下を達成す
ることができる。また、反応の結果生成する塩が容易に
水層へ移動するため、反応の促進に寄与し、さらに精製
操作を容易にするという効果も奏する。水を溶媒とする
場合にはアンモニアは水溶液として反応系に導入するこ
とができる。溶媒として水を用いる場合には併用溶媒と
して適度に生成するアミドを溶解する溶媒を使用するの
が好ましく、上記の各溶媒が使用できる。また、4級ア
ンモニウム塩やクラウンエーテルのような相間移動触媒
を加えることによって反応が促進されることがある。水
の使用量は、特に限定されないが、反応系が水を主とす
る層と有機液体を主とする層の二層を形成するだけの量
を使用するのが好ましい。反応温度は、通常、10〜2
00℃、好ましくは10〜150℃である。反応時間
は、通常0.1〜30時間、好ましくは0.5〜10時
間がよい。
【0029】本発明の方法は、ガラス、ステンレス、白
金、フッ素樹脂などの耐蝕材料で造られた耐圧容器を用
いるのがよい。耐圧容器に一般式(1)で表される芳香
族化合物、触媒となる周期律表第VIIIの金属とホス
フィン、アンモニア、さらに必要に応じて溶媒および/
または水の所定量をそれぞれ仕込む。この時、水を用い
る際にはアンモニアはアンモニア水として仕込むことが
でき好ましいが、水を用いないときはガスまたは液とし
て仕込む。反応器内部を一酸化炭素置換して所定の一酸
化炭素の圧力に設定し加熱を始める。内温が所定の温度
(たとえば、50℃以上通常は80℃程度)に達した時
点で内圧を所定の圧力に調整し、その後、一酸化炭素の
導入量を調節しながら内温と内圧を一定またはプログラ
ムされた条件に調節する。
【0030】反応液中の原料芳香族化合物の反応率が所
期の値となった時に反応器の加熱と一酸化炭素の供給を
止め反応器を冷却し、反応器内のガスをパージした後、
反応液を取り出す。水を使用した場合には反応液は二層
となり、目的生成物は有機層に含まれている。粗製の目
的生成物は溶媒を留去し、触媒を除くことで得られる。
この組成物は常法により精製することができる。
【0031】
【実施例】次に、本発明が製法について実施例を挙げて
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。別途注のない限り実施例での圧力はゲージ圧を
示す。
【0032】[実施例1]容量500mlのステンレス
製オートクレーブに3,5−ビス(トリフルオロメチ
ル)ブロモベンゼン200g、テトラヒドロフラン10
0ml、酢酸パラジウム0.763g、トリフェニルホ
スフィン1.79g、25%アンモニア水185gを仕
込んだ。攪拌を開始し窒素置換を3回および一酸化炭素
置換を3回行い、一酸化炭素の初期圧を4kg/cm2
に設定し加熱を始めた。1時間後内温が100℃に達し
た時点で内圧を10kg/cm2に調整した。その後、
一酸化炭素の導入量を調節しながら内温100℃、内圧
10kg/cm2を保った。
【0033】8時間後加温を停止しオートクレーブを冷
却し内部のガスをパージした。反応液を分液ロートに取
り出し、二層に分離した下層(有機層)を分液採取して
エバポレータで濃縮し、次いでn−ヘキサンを加えて吸
引濾過して結晶を析出させ濾別し、127.4gの3,
5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド結晶(融
点:160〜162℃)を得た。
【0034】[実施例2]容量1000mlのステンレ
ス製オートクレーブに、3,5−ビス(トリフルオロメ
チル)ブロモベンゼン350g、テトラヒドロフラン2
33ml、酢酸パラジウム1.34g、1,4−ビス
(ジフェニルホスフィノ)ブタン1.34g、25%ア
ンモニア水325gを仕込んだ。撹拌を開始し窒素置換
を3回および一酸化炭素置換を3回行った後、一酸化炭
素の初期圧を4kg/cm2に設定し加熱を始めた。1
時間後内温が85℃に達した時点で内圧を8kg/cm
2に調整した。反応中は内温85℃、内圧8kg/cm2
を保った。
【0035】7時間後、反応容器を冷却し、内部ガスを
パージした。反応液を分液ロートに取り出し、二層分離
した反応液の下層(有機層)を分液採取した。水層を酢
酸エチルで抽出し、先の有機層とあわせて硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、吸引濾過後、得られた濾液をエバポレー
ターで濃縮し、n−ヘサンを加えて析出した結晶を吸引
濾過して3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズア
ミド101.3gを得た。
【0036】[実施例3]容量500mlのステンレス
製オートクレーブに、3,5−ビス(トリフルオロメチ
ル)ブロモベンゼン200g、N,N−ジメチルホルム
アミド(DMF)200ml、酢酸パラジウム0.76
3g、トリフェニルホスフィン3.57g、25%アン
モニア水139gを仕込んだ。撹拌を開始し窒素置換を
3回および一酸化炭素置換を3回行った後、一酸化炭素
の初期圧を4kg/cm2に設定し加熱を始めた。1時
間後内温が100℃に達した時点で内圧を10kg/c
2に調整した。反応中は内温100℃、内圧10kg
/cm2を保った。
【0037】4.5時間後反応容器を冷却し、内部ガス
をパージした。反応液を吸引濾過した後、濾液に氷20
0g、酢酸エチル200mlを加えた。分液ロートに移
液し、有機層を分液した後、水層を酢酸エチル200m
lで2回更に抽出した。有機層を合わせて無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、吸引濾過を行い、得られた濾液をエ
バポレーターで濃縮し、n−ヘキサン/酢酸エチル混合
溶剤を加え析出した結晶を濾過して、3,5−ビス(ト
リフルオロメチル)ベンズアミド62.2gを得た。
【0038】[実施例4]容量50mlのステンレス製
オートクレーブに2−クロロ−3,5−ビス(トリフル
オロメチル)ブロモベンゼン13.33g、テトラヒド
ロフラン5.93g、PdCl2(dppb)24.6
mg、dppb34.7mg、29%アンモニア水9.
57gを仕込んだ。攪拌を開始し窒素置換を3回および
一酸化炭素置換を3回行い、一酸化炭素の初期圧を2.
6kg/cm2に設定し加熱を始めた。1時間後内温が
100℃に達した時点で内圧を10kg/cm2に調整
した。その後、一酸化炭素の導入量を調節しながら、内
温100〜105℃、内圧10kg/cm2に保った。
【0039】6時間後加温を停止しオートクレーブを冷
却し内部のガスをパージした。この液に5N塩酸を加え
PHが1以下になるよう調節し、その後ジエチルエーテ
ルを0.5ml加えて有機成分を抽出した。このエーテ
ル相をガスクロマトグラフ分析したところ、目的とする
2−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)安息
香酸アミドが13.4%の生成率で生成しているのが確
認された。
【0040】マススペクトルデータ(2−クロロ−3,
5−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸アミド) 291;293(強度比10:3;親ピーク 275;
277(強度比10:3) 247;249(強度比1
0:3) 212 [実施例5]容量100mlのステンレス製オートクレ
ーブに3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベン
ゼン13.3g、テトラヒドロフラン5.9g、酢酸パ
ラジウム26.4mg、トリフェニルホスフィン61.
7mg、29%アンモニア水9.2gを仕込んだ。攪拌
を開始し窒素置換を3回および一酸化炭素置換を3回行
い、一酸化炭素の初期圧を2.6kg/cm2に設定し
加熱を始めた。1時間後内温が100℃に達した時点で
内圧を10kg/cm2に調整した。その後、一酸化炭
素の導入量を調節しながら内温105℃、内圧10kg
/cm2を保った。
【0041】6時間後加温を停止しオートクレーブを冷
却し内部のガスをパージした。実施例4と同一の方法で
処理し、ガスクロマトグラフで分析したところ、目的と
する3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド
が29.1%の生成率で生成していることを確認した。
【0042】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ビストリフルオ
ロメチル基を有する芳香族化合物、好ましくは芳香族ハ
ロゲン化物と一酸化炭素とアンモニアから一段の反応で
安息香酸アミド類を製造することができ、プロセスを簡
略化できるという効果を奏する。
フロントページの続き (72)発明者 成塚 智 埼玉県川越市今福中台2805番地 セントラ ル硝子株式会社化学研究所内 (72)発明者 森野 譲 埼玉県川越市今福中台2805番地 セントラ ル硝子株式会社化学研究所内 (72)発明者 小出 誠 埼玉県川越市今福中台2805番地 セントラ ル硝子株式会社化学研究所内 Fターム(参考) 4G069 BA26A BA27A BB08A BB08B BB13A BB13B BB19A BB19B BC65A BC66A BC67A BC70A BC71A BC72A BC72B BC73A BC74A BC75A BD01A BD01B BD07A BD07B CB77 DA08 4H006 AA01 AA02 AB84 AC53 BA17 BA18 BA20 BA22 BA23 BA24 BA25 BA26 BA53 BB15 BB25 BB31 BE14 BE40 BJ50 BM10 BM30 BM71 BM72 BM73 BM74 BP30 BR30 BT32 BU26 4H039 CA71 CD20 CD90

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、Xはハロゲン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ
    素をいう)、トリフルオロメタンスルホネート基、炭素
    数1〜4のアルキルスルホネート基、置換または非置換
    アリールスルホネート基を表し、Rはトリフルオロメチ
    ル基、トリフルオロメチルオキシ基、ハロゲン(前記に
    同じ)、ニトロ基、アセチル基、シアノ基、炭素数1〜
    4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数
    2〜5のアルコキシカルボニル基を表し、nは0または
    1〜3の整数を表す。)で表される芳香族化合物を周期
    律表第VIII族金属とホスフィン類の存在下一酸化炭
    素とアンモニアを反応させることからなる一般式(2) 【化2】 (式中、R、nは前記に同じ)で表される安息香酸アミ
    ド類の製造方法。
  2. 【請求項2】Xがハロゲン(フッ素、塩素、臭素または
    ヨウ素)である請求項1記載の安息香酸アミド類の製造
    方法。
  3. 【請求項3】Xが臭素またはヨウ素であって、Rがフッ
    素、塩素、臭素またはヨウ素である請求項1記載の安息
    香酸アミドの製造方法。
  4. 【請求項4】一般式(1)で表される芳香族化合物が、
    一般式(3)、 【化3】 (式中、Yは臭素またはヨウ素を表す)で表されるハロ
    ゲノ−(トリフルオロメチル)ベンゼンである請求項1
    記載の安息香酸アミドの製造方法。
  5. 【請求項5】一般式(1)で表される芳香族化合物が、
    3,5−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン、
    3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンま
    たは2−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)
    ブロモベンゼンである請求項1記載の安息香酸アミドの
    製造方法。
  6. 【請求項6】周期律表第VIII族金属が鉄、コバル
    ト、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジ
    ウムおよびオスミウムから選ばれた金属である請求項1
    乃至5の何れかに記載の安息香酸アミドの製造方法。
  7. 【請求項7】周期律表第VIII族金属がパラジウムで
    ある請求項1乃至5の何れかに記載の安息香酸アミドの
    製造方法
  8. 【請求項8】ホスフィンが一般式(4)P(L)3
    (4)(式中、Lはそれぞれ独立に低級アルキ
    ル基、フェニル基、低級アルキル基置換フェニル基を表
    す)または一般式(5)(R12P−Q−P(R12
    (5)(式中、R1はそれぞれ独立にフェニ
    ル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、
    p−メチルフェニル基を表し、Qは二価の基を表す)で
    表されるホスフィンである請求項1乃至7の何れかに記
    載の安息香酸アミドの製造方法。
  9. 【請求項9】ホスフィンがトリフェニルホスフィン、
    1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンまたは
    1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンである請
    求項1乃至8の何れかに記載の安息香酸アミドの製造方
    法。
  10. 【請求項10】周期律表第VIII族金属とホスフィン
    との組み合わせが、金属塩、ホスフィンおよび金属ホス
    フィン錯体から選ばれる任意の組み合わせからなる請求
    項1乃至13の何れかに記載の安息香酸アミドの製造方
    法。
  11. 【請求項11】反応系中に水および/または溶媒を存在
    させる請求項1乃至10の何れかに記載の製造方法
  12. 【請求項12】2−クロロ−3,5−ビス(トリフルオ
    ロメチル)安息香酸アミド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002167351A (ja) * 2000-11-30 2002-06-11 Adchemco Corp 4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテルおよびその誘導体の製造方法
JP2006519201A (ja) * 2003-02-20 2006-08-24 ロンザ ア−ゲ− N−置換ホルムアミドの製造方法

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