JP2000166232A - スイッチング電源回路 - Google Patents

スイッチング電源回路

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JP2000166232A
JP2000166232A JP10336134A JP33613498A JP2000166232A JP 2000166232 A JP2000166232 A JP 2000166232A JP 10336134 A JP10336134 A JP 10336134A JP 33613498 A JP33613498 A JP 33613498A JP 2000166232 A JP2000166232 A JP 2000166232A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力変換効率の向上、回路の小型軽量化を図
る。 【解決手段】 スイッチング周波数制御方式によって定
電圧制御を行う電圧共振形コンバータ又は電流共振型コ
ンバータを備えるスイッチング電源回路として、絶縁コ
ンバータトランスにギャップを設けて疎結合とする。そ
して、二次側においては直列共振コンデンサを含むこと
で二次側直列共振回路を形成したうえで、4倍電圧整流
回路により二次側直流出力電圧を得るようにして最大負
荷電力の増加を図る。一次側は倍電圧整流回路ではな
く、通常の全波整流回路により交流入力電圧レベルに対
応するレベルの整流平滑電圧を入力するように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に電
源として備えられるスイッチング電源回路に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】スイッチング電源回路として、例えばフ
ライバックコンバータやフォワードコンバータなどの形
式のスイッチングコンバータを採用したものが広く知ら
れている。これらのスイッチングコンバータはスイッチ
ング動作波形が矩形波状であることから、スイッチング
ノイズの抑制には限界がある。また、その動作特性上、
電力変換効率の向上にも限界があることが分かってい
る。そこで、先に本出願人により、各種共振形コンバー
タによるスイッチング電源回路が各種提案されている。
共振形コンバータは容易に高電力変換効率が得られると
共に、スイッチング動作波形が正弦波状となることで低
ノイズが実現される。また、比較的少数の部品点数によ
り構成することができるというメリットも有している。
【0003】図6の回路図は、先に本出願人が提案した
発明に基づいて構成することのできる電圧共振形スイッ
チング電源回路の一例を示している。この図に示すスイ
ッチング電源回路は、例えば日本或いは米国などの商用
交流電源がいわゆるAC100V系とされ、最大負荷電
力が120W以上の条件に対応するものとされる。
【0004】この図に示すスイッチング電源回路におい
ては、交流電源ACを整流平滑化するための整流平滑回
路として、整流ダイオードDi1,Di2、及び平滑コン
デンサCi1,Ci2から成る、いわゆる倍電圧整流回路
が備えられる。この倍電圧整流回路においては、例えば
交流入力電圧VACのピーク値の1倍に対応する直流入力
電圧をEiとすると、その約2倍の直流入力電圧2Ei
を生成する。例えば交流入力電圧VAC=144Vである
とすると、直流入力電圧2Eiは約400Vとなる。こ
のように、整流平滑回路として倍電圧整流回路を採用す
るのは、上述したように、交流入力電圧がAC100V
系とされ、かつ、最大負荷電力が120W以上という比
較的重負荷の条件に対応するためとされる。つまり、直
流入力電圧を通常の2倍とすることで、後段のスイッチ
ングコンバータへの流入電流量を抑制し、当該スイッチ
ング電源回路を形成する構成部品の信頼性が確保される
ようにするものである。なお、この図に示す倍電圧整流
回路に対しては、その整流電流経路に対して突入電流制
限抵抗Riが挿入されており、例えば電源投入時に平滑
コンデンサに流入する突入電流を抑制するようにしてい
る。
【0005】この図における電圧共振形のスイッチング
コンバータは、1石のスイッチング素子Q1 を備えた自
励式の構成を採っている。この場合、スイッチング素子
Q1には、高耐圧のバイポーラトランジスタ(BJT;
接合型トランジスタ)が採用されている。スイッチング
素子Q1 のベースは、起動抵抗RS を介して平滑コンデ
ンサCi1(整流平滑電圧2Ei)の正極側に接続され
て、起動時のベース電流が整流平滑ラインから得られる
ようにしている。また、スイッチング素子Q1 のベース
と一時側アース間にはダンピング抵抗RB ,インダクタ
LB,共振コンデンサCB,駆動巻線NB,とからなる自
励発振用の共振回路が直列接続される。この場合、駆動
巻線NB は、絶縁コンバータトランスPIT(Power Is
olation Transformer)に巻装されており、インダクタL
Bと共に、スイッチング周波数を設定する所要のインダ
クタンスが得られるようにされている。また、スイッチ
ング素子Q1 のベースと平滑コンデンサCiの負極(1
次側アース)間に挿入されるクランプダイオードDD に
より、スイッチング素子Q1 のオフ時に流れるダンパー
電流の経路を形成するようにされており、また、スイッ
チング素子Q1 のコレクタは絶縁コンバータトランスP
ITの一次巻線N1 の一端と接続され、エミッタは接地
される。
【0006】また、上記スイッチング素子Q1 のコレク
タ−エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが
並列に接続されている。この並列共振コンデンサCr
は、自身のキャパシタンスと、後述する絶縁コンバータ
トランスPITの一次巻線N1、及び直交型制御トラン
スPRT(Power Regulating Transformer) の被制御巻
線NR の直列接続により得られる合成インダクタンス
(L1,LR)とにより電圧共振形コンバータの並列共振
回路を形成する。そして、ここでは詳しい説明を省略す
るが、スイッチング素子Q1 のオフ時には、この並列共
振回路の作用によって共振コンデンサCrの両端電圧V
crは、実際には正弦波状のパルス波形となって電圧共
振形の動作が得られるようになっている。
【0007】絶縁コンバ−タトランスPITは、スイッ
チング素子Q1 のスイッチング出力を二次側に伝送する
ためのもので、この場合、絶縁コンバータトランスPI
Tの一次巻線N1 の一端は、スイッチング素子Q1 のコ
レクタと接続され、他端側は図のように直交型制御トラ
ンスPRTの被制御巻線NR と直列に接続されている。
【0008】絶縁コンバータトランスPITの二次側で
は、一次巻線N1 により誘起された交番電圧が二次巻線
N2に発生する。この場合、二次巻線N2に対しては、二
次側並列共振コンデンサC2 が並列に接続されることで
並列共振回路が形成される。この並列共振回路により、
二次巻線N2に励起される交番電圧は共振電圧とされ、
この共振電圧が整流ダイオードDO1及び平滑コンデンサ
CO2からなる半波整流回路と、整流ダイオードDO2及び
平滑コンデンサCO2からなる半波整流回路との2組の半
波整流回路に供給される。そして、これら2組の半波整
流回路により、それぞれ直流出力電圧EO1,EO2が得ら
れる。なお、この場合、直流出力電圧EO1及び直流出力
電圧EO2は制御回路1に対しても分岐して入力される。
制御回路1においては、直流出力電圧EO1を検出電圧と
して利用し、直流出力電圧EO2を制御回路1の動作電源
として利用する。なお、この半波整流回路を形成する整
流ダイオードDO1,DO2は、スイッチング周期の交番電
圧を整流するために高速型を使用している。
【0009】制御回路1は、例えば二次側の直流電圧出
力と基準電圧を比較してその誤差に応じた直流電流を、
制御電流として直交型制御トランスPRTの制御巻線N
C に供給する誤差増幅器である。この場合には、制御回
路1に対して、検出用電圧として直流電圧出力EO1が入
力され、動作電源として直流出力電圧EO2が入力されて
いる。
【0010】例えば、交流入力電圧VAC或いは最小負荷
電力の変動に伴って二次側の直流出力電圧EO2が変動し
た時は、制御回路1によって制御巻線NC に流れる制御
電流を例えば10mA〜40mAの範囲で変化させる。
これにより、被制御巻線NRのインダクタンスLR が例
えば0.1mH〜0.6mHの範囲で変化するようにさ
れる。
【0011】上記被制御巻線NR は、前述のように電圧
共振形のスイッチング動作を得るための並列共振回路を
形成していることから、固定とされているスイッチング
周波数に対して、この並列共振回路の共振条件が変化す
るようにされる。スイッチング素子Q1と並列共振コン
デンサCrの並列接続回路の両端には、スイッチング素
子Q1のオフ期間に対応して上記並列共振回路の作用に
よって正弦波状の共振パルスが発生するが、並列共振回
路の共振条件が変化することによって共振パルスの幅が
可変制御される。つまり、共振パルスに対するPWM(P
ulse Width Moduration)制御動作が得られる。共振パル
スの幅のPWM制御とは即ちスイッチング素子Q1のオ
フ期間の制御であるが、これは換言すれば、固定のスイ
ッチング周波数の条件下でスイッチング素子Q1のオン
期間を可変制御することを意味する。このようにしてス
イッチング素子Q1のオン期間が可変制御されること
で、並列共振回路を形成する一次巻線N1から二次側に
伝送されるスイッチング出力が変化し、二次側の直流出
力電圧(EO1,EO2)の出力レベルも変化するようにさ
れる。これによって二次側直流電圧(EO1,EO2)の定
電圧化が図られることになる。なお、このような定電圧
制御方式を、ここでは、「一次側電圧共振パルス幅制御
方式」ということにする。
【0012】また、図7の回路図に、先に本出願人が提
案した発明に基づいて構成することのできる電圧共振形
スイッチング電源回路の他の例を示す。なお、図7にお
いて、図6と同一部分には同一符号を付し、同一構成と
される部位についての説明は省略する。この図に示す電
源回路においては、直交型制御トランスPRTの被制御
巻線が二次側に設けられている例が示されている。この
場合、直交型制御トランスPRTの被制御巻線として
は、被制御巻線NR,NR1の2つが巻装されて備えられ
る、そして、被制御巻線NRは二次巻線N2の端部と整流
ダイオードDO1のアノード間に対して直列に挿入される
ようにして接続される。また、被制御巻線NR1は、二次
巻線N2のタップ出力と整流ダイオードDO2のアノード
との間に対して直列に挿入される。このような接続形態
では、二次側の並列共振回路は、被制御巻線NR,NR1
のインダクタンス成分(LR,LR1)を含んで形成され
ることになる。
【0013】このように、直交型制御トランスPRTの
被制御巻線(NR,NR1)が二次側に設けられた構成の
場合には、インダクタンス制御方式として、被制御巻線
NR,NR1のインダクタンスが可変されることで、二次
側並列共振コンデンサC2の共振電圧V2のパルス幅、つ
まり、二次側整流ダイオードの導通角を可変制御するよ
うに動作する。これによって、二次側に得られる出力レ
ベルを制御することで定電圧制御が図られる(二次側共
振電圧パルス制御方式)。
【0014】ここで、図6及び図7に示した電源回路に
備えられる絶縁コンバータトランスPITの構造を図8
により断面的に示す。絶縁コンバータトランスPIT
は、例えばフェライト材によるE型コアCR1、CR2
を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コア
が形成される。この際、中央磁脚には図のようにギャッ
プは形成されない。そして、この中央磁脚に対して、ボ
ビンBを利用して一次巻線N1(及び駆動巻線NB) 、
二次巻線N2 をそれぞれ分割した状態で巻装して構成さ
れる。これにより、一次巻線N1と二次巻線N2 とでは
疎結合(例えば結合係数k≒0.9)の状態が得られる
ことになる。
【0015】また、絶縁コンバータトランスPITにお
いては、一次巻線N1 、二次巻線N2 の極性(巻方向)
と整流ダイオードDO (DO1,DO2)の接続との関係に
よって、一次巻線N1 のインダクタンスL1と二次巻線
N2 のインダクタンスL2 との相互インダクタンスMに
ついて、+Mとなる場合と−Mとなる場合とがある。例
えば、図9(a)に示す接続形態を採る場合に相互イン
ダクタンスは+Mとなり、図9(b)に示す接続形態を
採る場合に相互インダクタンスは−Mとなる。
【0016】なお、図6に示す電源回路の直交型制御ト
ランスPRTの場合には、被制御巻線NRが一次側に挿
入されるために、二次側と直流的に接続される制御巻線
NCとの絶縁距離を確保しなければならない分、相応の
サイズを要求されるが、図7に示す電源回路の直交型制
御トランスPRTでは被制御巻線NR1が二次側に設けら
れるために、制御巻線NCとの絶縁距離が不要となるた
め、直交型制御トランスPRTのサイズをより小型なも
のとすることが出来る。
【0017】また、図10に、図6及び図7に示した電
源回路のスイッチング周期による動作波形を示す。図1
0(a)は、スイッチング素子Q1//並列共振コンデ
ンサCrの両端に得られる共振電圧Vcrを示してい
る。また図10(b)は、二次側の整流ダイオードDO1
に印加される整流電圧V2を示し、図10(c)は整流
ダイオードDO1に流れる整流電流ID2を示す。またこの
図において、期間TON,TOFFは、それぞれスイッチン
グ素子Q1 がオン、オフとなる期間を示し、期間DON,
DOFFはそれぞれ整流ダイオードDO1がオン、オフとな
る期間を示す。
【0018】スイッチング素子Q1/並列共振コンデン
サCrの両端に発生する共振電圧Vcrとしては、図1
0(a)に示すようにして、スイッチング素子Q1 がオ
フとなる期間TOFFにおいて正弦波状のパルスとなる波
形が得られており、スイッチングコンバータの動作を電
圧共振形としている。この共振電圧Vcrのパルスのレ
ベルとしては、図のようにピークで1800V程度とな
る。これは、倍電圧整流によって得られた2Eiの直流
入力電圧に対して、電圧共振形コンバータの一次側の並
列共振回路のインピーダンスが作用することに起因す
る。また、二次側の動作として、二次側の整流ダイオー
ドDO1では、図10(c)に示す波形により、期間DON
において整流電流が流れる動作が得られる。これはは、
図9にて説明した+M(加極性モード)による動作とな
る。そして、この整流動作に伴い、二次側並列共振コン
デンサC2の両端に得られる共振電圧V2としては、図1
0(b)に示すようにして、整流ダイオードDO1がオフ
となる期間DOFFには直流出力電圧EO(EO1,EO2)の2
倍から3.5倍程度のピークレベルの正弦波状の電圧が
印加され、整流ダイオードDO1がオンとなる期間DONに
は直流出力電圧EO(EO1,EO2)と同等の電圧レベルが
印加される。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記図6〜
図10により説明した構成による電圧共振形コンバータ
では、交流入力電圧VACがAC100V系で最大負荷電
力が120W以上の条件に対応するため、倍電圧整流方
式により2Eiのレベルの直流入力電圧を得るようにし
ている。このため、図10に示したように、スイッチン
グ素子Q1と並列共振コンデンサCrの両端には、スイ
ッチングQ1のオフ時において1800Vの共振電圧V
crが発生する。このため、スイッチング素子Q1と並
列共振コンデンサCrについては、1800Vの高耐圧
品を選定することが要求される。この場合、特にスイッ
チング素子Q1については、飽和電圧VCE(SAT)、蓄積時
間tSTG、下降時間tfが大きく、電流増幅率hFEが小
さくなるため、スイッチング損失とドライブ電力が増加
して、それだけ電源回路としての電力損失が大きくな
る。
【0020】また、図6及び図7に示す構成では、図1
0(b)に示したようにして、直流出力電圧EO(EO1,
EO2)の2倍から3.5倍程度の二次側電圧V2が印加さ
れる。このため、半波整流回路に用いる整流ダイオード
(DO1,DO2)としても、例えば直流出力電圧が135
V程度であるとして500V程度の高耐圧品が必要とな
り、それだけ順方向電圧降下VFと逆回復時間trrが
大きくなって電力損失を増加させる要因となる。例えば
スイッチング周波数を高くすれば、各種部品素子の小型
化が可能になるのであるが、上記したような事情によ
り、スイッチング周波数fsを高く設定することが困難
で、例えばfs=50KHz以上では急激に電力変換効
率が低下してしまうことが分かっている。更には、上述
したように信頼性の高い直流入力電圧を得るのに倍電圧
整流回路が必要となることで、比較的大型の平滑コンデ
ンサが2本必要となって基板面積も大きくなる。
【0021】また、図6及び図7に示す電源回路では、
定電圧制御回路系の制御感度の向上に限界があり、これ
を補うために直交型制御トランスPRTの被制御巻線N
Rのインダクタンス可変範囲を拡大して所要の定電圧制
御範囲を確保する必要がある。このためには被制御巻線
NRの巻数を増加する必要があるため、それだけ、直交
型制御トランスPRTが大型化して、高価となる。
【0022】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記し
た課題を考慮して、共振形電源回路の小型軽量化及び低
コスト化の促進、及び定電圧制御感度や電力変換効率等
をはじめとする共振形電源回路としての諸特性の向上を
図ることを目的とする。
【0023】このため、商用交流電源を入力して、この
商用交流電源レベルの等倍に対応するレベルの整流平滑
電圧を生成して直流入力電圧として出力する整流平滑手
段と、疎結合とされる所要の結合係数が得られるように
ギャップが形成され、一次側出力を二次側に伝送するた
めに設けられる絶縁コンバータトランスと、スイッチン
グ素子を備えて、上記直流入力電圧を断続して上記絶縁
コンバータトランスの一次巻線に出力するように構成さ
れたスイッチング手段と、少なくとも、絶縁コンバータ
トランスの一次巻線を含む漏洩インダクタンス成分と並
列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され
て、上記スイッチング手段の動作を電圧共振形とする一
次側並列共振回路とを備える。そして二次側の構成とし
て、絶縁コンバータトランスの二次巻線に対して二次側
直列共振コンデンサを直列に接続することで、絶縁コン
バータトランスの二次巻線の漏洩インダクタンス成分と
二次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって
形成される二次側直列共振回路と、二次側整流電流経路
に対して上記二次側直列共振コンデンサを挿入して形成
され、絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交
番電圧を入力して入力電圧レベルのほぼ4倍に対応する
二次側直流出力電圧を得るように構成された直流出力電
圧生成手段と、二次側直流出力電圧のレベルに応じてス
イッチング手段のスイッチング周波数を可変制御するこ
とによって定電圧制御を行うようにされた定電圧制御手
段とを備えてスイッチング電源回路を構成することとし
た。
【0024】また、商用交流電源を入力して、この商用
交流電源レベルの等倍に対応するレベルの整流平滑電圧
を生成して直流入力電圧として出力する整流平滑手段
と、疎結合とされる所要の結合係数が得られるようにギ
ャップが形成され、一次側出力を二次側に伝送するため
に設けられる絶縁コンバータトランスと、スイッチング
素子を備えて、上記直流入力電圧を断続して上記絶縁コ
ンバータトランスの一次巻線に出力するように構成され
たスイッチング手段と、少なくとも絶縁コンバータトラ
ンスの一次巻線を含む漏洩インダクタンス成分と、一次
巻線に対して直列に接続される直列共振コンデンサのキ
ャパシタンスとによって形成されてスイッチング手段の
動作を電流共振形とする一次側直列共振回路とを備え
る。そして二次側の構成として、絶縁コンバータトラン
スの二次巻線に対して二次側直列共振コンデンサを直列
に接続することで、絶縁コンバータトランスの二次巻線
の漏洩インダクタンス成分と二次側直列共振コンデンサ
のキャパシタンスとによって形成される二次側直列共振
回路と、二次側整流電流経路に対して上記二次側直列共
振コンデンサを挿入して形成され、絶縁コンバータトラ
ンスの二次巻線に得られる交番電圧を入力して、入力電
圧レベルのほぼ4倍に対応する二次側直流出力電圧を得
るように構成された直流出力電圧生成手段と、二次側直
流出力電圧のレベルに応じてスイッチング手段のスイッ
チング周波数を可変制御することによって定電圧制御を
行うようにされた定電圧制御手段とを備えてスイッチン
グ電源回路を構成することとした。
【0025】上記構成によれば、一次側に対しては、ス
イッチング動作を電圧共振形とする並列共振回路、又は
スイッチング動作を電流共振形とする直列共振回路が備
えられたうえで、絶縁コンバータトランスは疎結合とさ
れる。そして、二次側においては二次側直列共振回路と
4倍電圧全波整流回路によって二次側直流出力電圧を生
成して負荷に電力を供給するようにされる。つまり、本
実施の形態では、一次側と二次側に共振回路が設けら
れ、所要の負荷条件に対しては、一次側の直列共振作用
と二次側における共振動作とにより得られる電磁エネル
ギーを利用して、4倍電圧全波整流回路により直流出力
電圧を生成することで対応するようにされる。これに伴
い、一次側は倍電圧整流回路ではなく、交流入力電圧レ
ベルの1倍に対応する整流平滑電圧を生成する全波整流
回路を備えて構成されることになる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1の回路図は、本発明の第1の
実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示
している。この図に示す電源回路においては先に説明し
た図6,図及び図7の場合と同様に、一次側に対して
は、1石のスイッチング素子(バイポーラトランジス
タ)による自励式の電圧共振形スイッチングコンバータ
が備えられる。なお、この図において、図6及び図7と
同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
また、この電源回路も、商用交流電源(交流入力電圧)
が例えば日本や米国などのAC100V系で、負荷電力
120W以上の条件に対応するものとされる。
【0027】この図に示す本実施の形態としての電源回
路においては、交流入力電圧VACを入力して直流入力電
圧を得るための整流平滑回路として、ブリッジ整流回路
Di及び平滑コンデンサCiからなる全波整流回路が備
えられ、交流入力電圧VACの1倍のレベルに対応する整
流平滑電圧Eiを生成するようにされる。つまり、本実
施の形態においては、従来のように倍電圧整流回路は備
えられないものである。なお、本明細書においては、図
1に示すようにして、交流入力電圧VACのレベルの1倍
に対応する整流平滑電圧Eiを生成する整流回路を「等
倍電圧整流回路」ともいうことにする。
【0028】この図に示す電源回路においては、直交型
ドライブトランスPRT (Power Regulating Transform
er)が設けられる。この直交型ドライブトランスPRT
は、検出巻線ND,駆動巻線NB,及び制御巻線NCが巻
装された可飽和リアクトルであり、スイッチング素子Q
1を駆動すると共に、後述するようにしてスイッチング
周波数を可変制御する。直交型ドライブトランスPRT
の構造としては、例えば4本の磁脚を有する2つのダブ
ルコの字型コアの互いの磁脚の端部を接合するようにし
て立体型コアを形成する。そして、この立体型コアの所
定の2本の磁脚に対して、同じ巻回方向に検出巻線N
D,駆動巻線NBを巻装し、更に制御巻線NCを、上記検
出巻線ND,駆動巻線NBに対して直交する方向に巻装し
て構成される。
【0029】この場合、直交型ドライブトランスPRT
の検出巻線NDは、平滑コンデンサCiの正極と絶縁コ
ンバータトランスPITの一次巻線N1との間に直列に
挿入されることで、スイッチング素子Q1のスイッチン
グ出力は、一次巻線N1を介して検出巻線NDに伝達され
る。直交型ドライブトランスPRTにおいては、検出巻
線NDに得られたスイッチング出力により駆動巻線NBが
励起されて、駆動巻線NBに交番電圧が発生する。この
交番電圧は、自励発振駆動回路における駆動電圧の源と
なる。
【0030】上記した直交型ドライブトランスPRTを
備えた場合には、次のような動作が得られる。制御回路
1によって、二次側直流出力電圧レベルの変化に応じ
て、制御巻線NCに流す制御電流(直流電流)レベルが
可変されることで、直交型ドライブトランスPRTに巻
装された駆動巻線NBのインダクタンスLBが可変制御さ
れる。これにより、駆動巻線NBのインダクタンスLBを
含んで形成されるスイッチング素子Q1のための自励発
振駆動回路内の直列共振回路の共振条件が変化する。こ
れはスイッチング素子Q1のスイッチング周波数を可変
する動作となるが、この動作によって二次側直流出力電
圧を安定化する作用を有する。
【0031】本実施の形態の電源回路に備えられる絶縁
コンバータトランスPITは、図2に示すように、例え
ばフェライト材によるE型コアCR1、CR2を互いの
磁脚が対向するように組み合わせたEE型コアが備えら
れ、このEE型コアの中央磁脚に対して、一次側と二次
側とで巻装部が分割された分割ボビンBを利用して一次
巻線N1と、二次巻線N2(N2A,N2B)をそれぞれ分割
した状態で巻装している。そして、本実施の形態では、
中央磁脚に対しては図のようにギャップGを形成するよ
うにしている。このギャップGは、E型コアCR1、C
R2の中央磁脚を、2本の外磁脚よりも短く形成するこ
とで形成することが出来る。また、本実施の形態では、
ギャップGのギャップ幅は1mm以上の所要の間隔を有
するものとされる。これによって、例えば従来例として
図8に示した絶縁コンバータトランスPITよりも小さ
な結合係数による疎結合となるようにして、その分、飽
和状態が得られにくいようにしている。この場合の結合
係数kとしては、例えばk≒0.85とされる。
【0032】この場合、本実施の形態の電源回路の二次
側においては、二次巻線N2A,N2Bが設けられる。本実
施の形態の絶縁コンバータトランスPITの二次巻線N
2Aは、後述するようにして従来とは異なる巻数により巻
装される。この二次巻線N2Aの一端は、直列共振コンデ
ンサCs1の直列接続を介して、整流ダイオードDO1の
アノードと整流ダイオードDO2のカソードの接続点に対
して接続されると共に、直列共振コンデンサCs2の直
列接続を介して整流ダイオードDO3のアノードと整流ダ
イオードDO4のカソードの接続点に対して接続される。
二次巻線N2Aの他端は、平滑コンデンサCO10の負極と
平滑コンデンサCO11の正極の接続点に対して接続され
る。また、整流ダイオードDO2のアノードと整流ダイオ
ードDO3のカソードは、平滑コンデンサCO10の負極と
平滑コンデンサCO11の正極の接続点に対して接続され
る。平滑コンデンサCO10と平滑コンデンサCO11は、平
滑コンデンサCO10の負極と平滑コンデンサCO11の正極
とを接続するようにして直列接続したうえで、平滑コン
デンサCO10の正極を整流ダイオードDO1のカソードに
接続し、平滑コンデンサとCO11の負極を二次側アース
に対して接続するように設けられる。
【0033】このような接続形態では、結果的には、
[直列共振コンデンサCs1,整流ダイオードDO1,DO
2、平滑コンデンサCO10]の組から成る第1の倍電圧全
波整流回路と、[直列共振コンデンサCs2,整流ダイ
オードDO3,DO4,平滑コンデンサCO11]の組から成
る第2の倍電圧全波整流回路とが形成され、これら第1
及び第2の倍電圧整流回路の出力(平滑コンデンサCO1
0,CO11)が直列に接続されて設けられることになる。
そして、この第1及び第2の倍電圧整流回路を組み合わ
せた整流回路全体としては、直列接続された平滑コンデ
ンサCO10−平滑コンデンサCO11の両端には、二次巻線
N2Aに得られた交番電圧の4倍に対応する二次側出力電
圧が得られる。つまり、この第1及び第2の倍電圧整流
回路を組み合わせた整流回路全体としては、4倍電圧整
流回路を形成する。なお、この4倍電圧整流回路の整流
動作については後述する。
【0034】直列共振コンデンサCs1は、自身のキャ
パシタンスと二次巻線N2Aの漏洩インダクタンス成分
(L2)とによって、第1の倍電圧整流回路における整
流ダイオードDO1,DO2のオン/オフ動作に対応する直
列共振回路を形成する。同様に、直列共振コンデンサC
s2は、自身のキャパシタンスと二次巻線N2Aの漏洩イ
ンダクタンス成分(L2)とによって、第2の倍電圧整
流回路における整流ダイオードDO3,DO4のオン/オフ
動作に対応する直列共振回路を形成する。また、これら
直列共振回路の共振周波数としては、、一次側の並列共
振回路(N1,Cr)の並列共振周波数をfo1とし、
上記二次側の直列共振回路(N2A,Cs1)の直列共振
周波数をfo2、二次側の直列共振回路(N2A,Cs
2)の直列共振周波数をfo3とすると、fo1≒fo
2≒fo3となるように、二次側の直列共振コンデンサ
Cs1,Cs2のキャパシタンスが選定される。
【0035】このようにして、本実施の形態の電源回路
は、一次側にはスイッチング動作を電圧共振形とするた
めの並列共振回路が備えられ、二次側には、4倍電圧整
流回路、及びこの4倍電圧整流回路を形成する2組の倍
電圧整流回路において、それぞれ電流共振動作を得るた
めの2組の直列共振回路が備えられる。なお、本明細書
では、このように一次側及び二次側に対して共振回路が
備えられて動作する構成のスイッチングコンバータにつ
いては、「複合共振形スイッチングコンバータ」ともい
うことにする。
【0036】続いて、先に述べた4倍電圧整流回路の動
作について説明する。図3は、図1に示す構成の電源回
路の要部の動作を示す波形図である。なお、この図に示
す波形は、交流入力電圧VAC=100Vとされ、最大負
荷電力180W時で、スイッチング周波数fs=100
KHzでの動作である。
【0037】一次側のスイッチング動作により一次巻線
N1にスイッチング出力が得られると、このスイッチン
グ出力は二次巻線N2Aに励起される。このときの一次側
の動作は、図3(b)の一次巻線N1に得られるスイッ
チング出力電流I1より示される。また、二次側の動作
は、図3(d)の整流ダイオードDO2,DO4に共通に流
れる整流電流I2、図3(e)の直列共振コンデンサC
s1を介して整流ダイオードDO1に流れる共振電流(整
流電流)I3、図3(f)の直列共振コンデンサCs2を
介して整流ダイオードDO1に流れる共振電流(整流電
流)I4として示される。なお、図3(b)に示すスイ
ッチング出力電流I1は、一次側の並列共振回路の共振
作用によって正弦波状の波形が得られており、図3
(e)(f)に示す共振電流(整流電流)I3、共振電
流(整流電流)I4は、それぞれ二次側の直列共振回路
(N2A,Cs1)、(N2A,Cs2)の共振作用によって
正弦波状となる波形が得られる。また、図3(d)に示
す二次側の整流電流I2もまた、上記二次側の直列共振
回路(N2A,Cs1)、(N2A,Cs2)の共振作用によ
って正弦波状となる波形が得られることになる。また、
二次側の整流電流I2は、第1及び第2の倍電圧整流回
路に共通な整流電流経路を流れる電流であることから、
図3(e)(f)に示す共振電流(整流電流)I3、共
振電流(整流電流)I4のほぼ2倍の振幅レベルを有し
ている。
【0038】ここで、本実施の形態の4倍電圧整流回路
の動作説明にあたり、[直列共振コンデンサCs1,整
流ダイオードDO1,DO2、平滑コンデンサCO10]から
成る第1の倍電圧整流回路の動作について述べる。先
ず、整流ダイオードDO1がオフとなり、整流ダイオード
DO2がオンとなる期間T1においては、一次巻線N1と
二次巻線N2Aとの極性が−Mとなる減極性モードで動作
して、二次巻線N2Aの漏洩インダクタンスと直列共振コ
ンデンサCs1による直列共振作用によって、整流ダイ
オードDO2により整流した整流電流I2を直列共振コン
デンサCs1に対して充電する動作が得られる。そし
て、整流ダイオードDO2がオフとなり、整流ダイオード
DO1がオンとなって整流動作を行う期間T2において
は、一次巻線N1と二次巻線N2Aとの極性が+Mとなる
加極性モードとなり、二次巻線N2Aに誘起された電圧に
直列共振コンデンサCs1の電位が加わるという直列共
振が生じる状態で平滑コンデンサCO10に対して充電が
行われる動作となる。上記のようにして、加極性モード
(+M;フォワード動作)と減極性モード(−M;フラ
イバック動作)との両者のモードを利用して整流動作が
行われることで、平滑コンデンサCO10においては、二
次巻線N2Aの誘起電圧のほぼ2倍に対応する直流電圧
(整流平滑電圧)が得られる。また、[直列共振コンデ
ンサCs2,整流ダイオードDO3,DO4、平滑コンデン
サCO11]の組とから成る第2の倍電圧全波整流回路に
よっても同様の動作によって、平滑コンデンサCO11の
両端には、二次巻線N2Aの誘起電圧のほぼ2倍に対応す
る直流電圧が得られることになる。
【0039】そして、上記のようにして第1,第2の倍
電圧整流回路の各々によって倍電圧整流動作が行われる
結果、直列接続された平滑コンデンサCO10−平滑コン
デンサCO11の両端には、二次巻線N2Aの誘起電圧のほ
ぼ4倍に対応する二次側直流出力電圧EO1が得られるこ
とになる。
【0040】上記のようにして第1,第2の倍電圧整流
回路の各々において倍電圧全波整流動作を得るための構
成は、先に図2にて説明したように、絶縁コンバータト
ランスPITに対してギャップGを形成して所要の結合
係数による疎結合としたことによって、更に飽和状態と
なりにくい状態を得たことで実現されるものである。例
えば、従来のように絶縁コンバータトランスPITに対
してギャップGが設けられない場合には、フライバック
動作時において絶縁コンバータトランスPITが飽和状
態となって動作が異常となる可能性が高く、本実施の形
態のような倍電圧整流動作が適正に行われるのを望むの
は難しい。
【0041】なお、二次巻線N2Bにおいては、この二次
巻線N2Bに設けたセンタータップを接地した上で、整流
ダイオードD05,D06、及び平滑コンデンサCO2からな
る通常の全波整流回路が形成されることで二次側直流出
力電圧EO2を得るようにされている。
【0042】これまで説明した電源回路の構成による
と、二次側の4倍電圧整流回路としては、2組の倍電圧
全波整流回路が、相互インダクタンスが+Mと−Mの動
作モードとなる状態を利用して倍電圧全波整流を行うよ
うにされる。そしてこの倍電圧整流動作は、疎結合(結
合係数k=0.85)とされた絶縁コンバータトランス
PITの一次巻線から二次巻線に伝送される電磁エネル
ギーを、一次側の並列共振回路(電圧共振回路)と二次
側の直列共振回路(電流共振回路)間で結合しているも
のと見ることができ、これによって、一次側と二次側と
での共振回路の共振インピーダンスを低くして二次側共
振電流を増幅するようにも動作する。そして、この二次
側共振電流の増幅作用によって負荷側に供給される電力
も増加して、最大負荷電力の増加が図られることにな
る。
【0043】また、上記のようにして最大負荷電力の増
加を図ることで、本実施の形態では、直流入力電圧を生
成する整流平滑回路としては倍電圧整流方式を採って負
荷電力をカバーする必要はない。このため、図1にて説
明したように、例えばブリッジ整流回路による通常の等
倍電圧整流回路の構成を採ることができる。これによ
り、例えば交流入力電圧VAC=144V時における整流
平滑電圧Eiは200Vより低くなる。図3(a)に示
すスイッチング素子Q1/二次側並列共振コンデンサC
rの並列接続回路の両端に得られる共振電圧Vcrは、
整流平滑電圧Eiに対して一次側の並列共振回路が作用
することで、スイッチング素子Q1がオフ時に発生する
が、本実施の形態では、上記のように整流平滑電圧Ei
が倍電圧整流時の約1/2とされていることで、共振電
圧Vcrは、先に図6又は図7に示した従来例としての
電源回路にて発生する共振電圧Vcr(1800V)の
約1/2よりも低く抑えられることになる。つまり、共
振電圧Vcrはピークで700V程度にまで抑えられる
ことになる。従って、本実施の形態においては、スイッ
チング素子Q1と並列共振コンデンサCrについては、
例えば900V程度の耐圧品を選定すればよいことにな
る。
【0044】また、二次側においては、二次巻線N2Aの
励起電圧が正負の両期間において整流動作を行う2組の
倍電圧全波整流回路から成る4倍電圧整流回路を設けた
ことで、本実施の形態では、例えば図3(g)に示す整
流ダイオードDO4の両端電圧V5の波形からも分かるよ
うに、各二次側整流ダイオードに印加する両端電圧は、
二次側直流出力電圧EOの1/2相当のレベルにまでク
ランプされることになる。これにより、二次側の4倍電
圧整流回路を形成する整流ダイオードとしては、二次側
直流出力電圧EOの1/2相当のレベルに対応する耐圧
品を選定すればよいことになる。
【0045】また、4倍電圧整流回路によって二次側直
流出力電圧を得るようにしていることで、例えば等倍電
圧整流回路によって得られる二次側直流出力電圧と同等
のレベルを得ようとすれば、本実施の形態の二次巻線N
2Aとしては、従来の1/4の巻数で済むことになる。こ
の巻数の削減は、絶縁コンバータトランスPITの小型
軽量化、及び低コスト化につながる。
【0046】更に本実施の形態では、先にも述べたよう
にして、スイッチング素子Q1、並列共振コンデンサC
r,二次側の整流ダイオードについて、従来備えられる
べきものよりも低耐圧品を用いることができるため、素
子としてはそれだけ安価となる。このため、特にコスト
アップを考慮することなく、例えばスイッチング素子Q
1及び二次側の整流ダイオードについて特性の向上され
たもの(スイッチング素子Q1であれば、飽和電圧VCE
(SAT)、蓄積時間tSTG、下降時間tf、電流増幅率hFE
等の特性の良好なもの、また、整流ダイオードであれば
順方向電圧降下VF、逆回復時間trr等の特性の良好
なもの)を選定することができる。このような特性の向
上によって、本実施の形態では、従来よりもスイッチン
グ周波数を高く設定できることになり、それだけ電力損
失の低減、及び各種部品の小型・軽量化が促進されるこ
とにもなる。つまり、従来よりも電力変換効率など諸特
性の向上を図ることが可能になると共に、小型軽量化及
び低コスト化を促進することが可能になる。
【0047】更に、電源回路の小型・軽量化の観点から
すれば、従来のように直流入力電圧の生成のために倍電
圧整流回路を備える構成では、それぞれ2組の整流ダイ
オードと平滑コンデンサが必要とされたのであるが、本
実施の形態では、例えば通常のブリッジ整流回路による
全波整流回路とされるため、1組のブロック型の平滑コ
ンデンサとブリッジ整流ダイオードを採用することがで
きるので、それだけ、コストの削減及び部品の小型化が
図られるものである。
【0048】また、一次側の整流回路が等倍電圧整流回
路とされたことで、従来よりも一次巻線N1の巻数が削
減されるため、結果的に、直交型ドライブトランスPR
Tによるインダクタンス可変範囲を従来よりも狭くして
も安定して定電圧制御が行われることになる。これによ
り直交型ドライブトランスPRTに巻装される制御巻線
NC等の巻数を削減して、直交型ドライブトランスPR
Tの小型軽量化及び低コスト化を図ることが出来る。
【0049】更には、一次側における定電圧制御動作と
してスイッチング周波数を可変制御する結果、一次側の
並列共振回路の共振インピーダンスと二次側の2組の直
列共振回路の共振インピーダンスと同時に制御するとい
う動作が得られる。このため、従来よりも定電圧制御の
ための制御感度が向上し、例えば従来と同一のスイッチ
ング周波数可変幅(制御電流可変幅)の条件下であって
も、交流入力電圧と負荷電力の変動に対する制御範囲が
拡大される。これによっても、上記した直交型ドライブ
トランスPRTの小型化に寄与できる。
【0050】実際の実験結果としては、交流入力電圧V
AC=100V時において、電力変換効率は93%にまで
向上されると共に、最小負荷電力時として無負荷時にま
で定電圧制御範囲が拡大される。なお、無負荷時のスイ
ッチング周波数は例えば195KHzとなる。
【0051】図4は本発明の第2の実施の形態としての
スイッチング電源回路の一構成例を示す回路図である。
この電源回路には自励式の電流共振形コンバータが採用
されている。また、この電源回路も、商用交流電源(交
流入力電圧)が例えば日本や米国などのAC100V系
で、負荷電力120W以上の条件に対応する構成を採っ
ている。なお、この図において、図1及び図6、図7と
同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0052】この電源回路の電流共振形スイッチングコ
ンバータは、図のように2つのスイッチング素子Q1 、
Q2 をハーフブリッジ結合したうえで、平滑コンデンサ
Ciの正極側の接続点とアース間に対して挿入するよう
にして接続されている。このスイッチング素子Q1 、Q
2 の各コレクタ−ベース間には、それぞれ起動抵抗RS
1、RS2が挿入される。また、スイッチング素子Q1 、
Q2 の各ベース−エミッタ間にはそれぞれクランプダイ
オードDD1,DD2が挿入される。また、スイッチング素
子Q1のベースとスイッチング素子Q2のコレクタ間に対
しては、共振用コンデンサCB1,ベース電流制限用抵抗
RB1,駆動巻線NB1から成る直列接続回路が挿入され
る。共振用コンデンサCB1は自身のキャパシタンスと、
次に説明する駆動巻線NB1のインダクタンスLB1と共に
自励発振用の直列共振回路を形成し、これによりスイッ
チング素子Q1のスイッチング周波数を決定する。同様
に、スイッチング素子Q2のベースと一次側アース間に
対しては、共振用コンデンサCB2,ベース電流制限用抵
抗RB2,駆動巻線NB2から成る直列接続回路が挿入され
ており、共振用コンデンサCB2と駆動巻線NB2のインダ
クタンスLB2と共に自励発振用の直列共振回路を形成し
て、スイッチング素子Q2のスイッチング周波数を決定
している。
【0053】絶縁コンバータトランスPITの一次巻線
N1 の一端は、共振電流検出巻線ND を介してスイッチ
ング素子Q1 のエミッタとスイッチング素子Q2 のコレ
クタの接点に接続されることで、スイッチング出力が得
られるようにされる。また、一次巻線N1 の他端は、直
列共振コンデンサC1 を介して一次側アースに接地され
ている。この場合、上記直列共振コンデンサC1 及び一
次巻線N1は直列に接続されているが、この直列共振コ
ンデンサC1 のキャパシタンス、及び一次巻線N1 (直
列共振巻線)を含む絶縁コンバータトランスPITの漏
洩インダクタンス(リーケージインダクタンス)L1と
により、スイッチングコンバータの動作を電流共振形と
するための直列共振回路を形成している。なお、この図
に示す絶縁コンバータトランスPITとしては、先に図
2によ説明したのと同様の構造を採ることで、例えば結
合係数k=0.85とされる疎結合の状態が得られるよ
うにされている。
【0054】また、この図に示す電源回路においては、
直交型ドライブトランスPRTが設けられる。この直交
型ドライブトランスPRTもまた、スイッチング素子Q
1 、Q2 を駆動すると共に、後述するようにして定電圧
制御を行う。この図の直交型ドライブトランスPRTの
場合には、駆動巻線NB1、NB2及び共振電流検出巻線N
D が巻回され、更にこれらの各巻線に対して制御巻線N
C が直交する方向に巻回された直交型の可飽和リアクト
ルとして構成される。また、この場合にも、駆動巻線N
B1と駆動巻線NB2は互いに逆極性の電圧が発生するよう
に巻装されている。
【0055】上記構成による電源回路のスイッチング動
作としては、先ず商用交流電源が投入されると、例えば
起動抵抗RS1、RS2を介してスイッチング素子Q1 、Q
2 のベースに起動電流が供給されることになるが、例え
ばスイッチング素子Q1 が先にオンとなったとすれば、
スイッチング素子Q2 はオフとなるように制御される。
そしてスイッチング素子Q1 の出力として、共振電流検
出巻線ND →一次巻線N1→直列共振コンデンサC1 に
共振電流が流れるが、この共振電流が0となる近傍でス
イッチング素子Q2 がオン、スイッチング素子Q1 がオ
フとなるように制御される。そして、スイッチング素子
Q2 を介して先とは逆方向の共振電流が流れる。以降、
スイッチング素子Q1 、Q2 が交互にオンとなる自励式
のスイッチング動作が開始される。このように、平滑コ
ンデンサCiの端子電圧を動作電源としてスイッチング
素子Q1 、Q2 が交互に開閉を繰り返すことによって、
絶縁コンバータトランスの一次側巻線N1 に共振電流波
形に近いドライブ電流を供給し、二次側の巻線N2に交
番出力を得る。
【0056】また、直交型ドライブトランスPRTによ
る定電圧制御は次のようにして行われる。例えば、交流
入力電圧や負荷電力の変動によって二次側出力電圧EO1
が変動したとすると、制御回路1では、二次側出力電
圧EO1 の変動に応じて制御巻線NC に流れる制御電流
のレベルを可変制御する。この制御電流により直交型ド
ライブトランスPRTに発生する磁束の影響で、直交型
ドライブトランスPRTにおいては飽和傾向の状態が変
化し、駆動巻線NB1,NB2のインダクタンスを変化させ
るように作用するが、これにより自励発振回路の条件が
変化してスイッチング周波数が変化するように制御され
る。この図に示す電源回路では、直列共振コンデンサC
1 及び一次巻線N1 の直列共振回路の共振周波数よりも
高い周波数領域でスイッチング周波数を設定している
が、例えばスイッチング周波数が高くなると、直列共振
回路の共振周波数に対してスイッチング周波数が離れて
いくようにされる。これにより、スイッチング出力に対
する一次側直列共振回路の共振インピーダンスは高くな
る。このようにして共振インピーダンスが高くなること
で、一次側直列共振回路の一次巻線N1 に供給されるド
ライブ電流が抑制される結果、二次側出力電圧が抑制さ
れることになって、定電圧制御が図られることになる。
つまり、スイッチング周波数制御方式による定電圧制御
が行われる。
【0057】また、図4に示す電源回路においては、ス
イッチング素子Q1,Q2の各コレクタ−エミッタ間に対
して、それぞれ小容量のセラミックコンデンサCc1,
Cc2が並列に接続される。このセラミックコンデンサ
Cc1,Cc2もまた、スイッチング素子Q1,Q2のスイ
ッチングノイズを吸収するために設けられるものである
が、ここでは、上記定電圧制御動作によって比較的広範
囲に変化するスイッチング周波数に対応して、スイッチ
ング素子Q1,Q2のターンオフ時にゼロ電圧スイッチン
グ動作を得るための作用も有する。
【0058】また、二次側における構成は、図1に示す
電源回路と同一の構成が採られる。つまり、二次巻線N
2Aに対しては、直列共振回路を備えた2組の倍電圧整流
回路から成る4倍電圧整流回路が接続される。従って、
本実施の形態の電源回路としては、一次側には、スイッ
チングコンバータを電流共振形の動作とするための直列
共振回路が備えられ、二次側には、4倍電圧整流回路を
形成する2組の直列共振回路が備えられた複合共振形ス
イッチングコンバータとしての構成を採ることになる。
【0059】上記図4に示した電源回路のスイッチング
周期での要部の動作波形を図5に示す。この図におい
て、期間TON,TOFFは、それぞれスイッチング素子Q2
がオン、オフとなる期間を示す。また、期間T1は整
流ダイオードDO2,DO4がオンで、整流ダイオードDO
1,DO3がオフとなる期間を示し、期間T2は整流ダイ
オードDO1,DO3がオンで、整流ダイオードDO2,DO4
がオフとなる期間を示す。
【0060】スイッチング素子Q1,Q2によるスイッチ
ング動作が行われたときのスイッチング素子Q2側の動
作として、スイッチング素子Q2のコレクタ−エミッタ
間に得られるスイッチング電圧Vcrしては、図5
(a)に示すように、スイッチング素子Q2がオフの期
間TOFFにおいてパルスが発生する波形として得られる
が、本実施の形態においては、このスイッチング電圧V
crのパルスは、ほぼ整流平滑電圧Ei(例えば約14
4V)程度にまで抑制される。また、スイッチング素子
Q2に流れるコレクタ電流Icpは、図3(c)に示す
ようにして、期間TOFFでは0レベルで、期間TONにお
いて、図に示すような正弦波状の波形成分を有した波形
が得られる。そして、スイッチング出力として一次巻線
N1に流れる直列共振電流I1は、図3(b)に示すよう
にして、スイッチング周期に応じた正弦波状の波形が得
られる。
【0061】また、二次側の動作として、図3(d)
(e)(f)(g)に示す整流電流I2,共振電流I3,
I4、及び整流ダイオードDO4の両端電圧V5の波形は、
一次側のスイッチング周期にほぼ対応した周期とされた
上で、先に図3に示した第1の実施の形態の電源回路の
場合と同様の動作が得られている。
【0062】このような構成によっても、二次側並列共
振回路(N2A,C2)が共振動作を行うことで、第1の
実施の形態の場合と同様に最大負荷電力の増加と、一次
側のスイッチング周波数制御に伴う一次側と二次側の共
振インピーダンスの同時制御による制御範囲の拡大が図
られ、結果的に第1の実施の形態と同様の効果が得られ
る。
【0063】ところで、上記図1に示した電源回路は、
1石のスイッチング素子によりスイッチング動作が行わ
れる、いわゆるシングルエンド方式の電圧共振形コンバ
ータとされているのであるが、電圧共振形コンバータと
しては、2石のスイッチング素子を交互にオン/オフさ
せるようにしてスイッチング動作を行わせる、いわゆる
プッシュプル方式による構成も知られている。また、図
4に示した電流共振形コンバータは、2石のスイッチン
グ素子をハーフブリッジ結合した構成を採っているが、
4石のスイッチング素子をフルブリッジ結合して、2本
のスイッチング素子の組を交互にオン/オフさせるよう
にした構成も知られている。本発明としては、上記した
プッシュプル方式による電圧共振形コンバータ、及びフ
ルブリッジ結合の構成を採る電流共振形コンバータに対
しても適用が可能である。つまり、これらの構成の共振
形コンバータの二次側に対して直列共振回路を備えた4
倍電圧整流回路を備えることで、先に図1又は図4に示
した構成により得られるのと同等の効果を得ることがで
きる。このような構成では、図1又は図4に示した構成
よりも対応可能な負荷電力が増加するので、例えば20
0W以上の最大負荷電力に対応する場合に好適なものと
なる。
【0064】なお、本発明の電源回路としては、上記図
1及び図4に示した構成以外にも、実際の使用条件に対
応して適宜変更されて構わないものである。例えば上記
各実施の形態としては、自励方式によるスイッチング駆
動の構成が採られているが、他励式によってスイッチン
グ素子を駆動する構成に対しても本発明の適用が可能で
ある。また、スイッチング素子としても、バイポーラト
ランジスタやMOS−FETの以外の他の部品素子が採
用されて構わないものである。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、スイッチ
ング電源回路として、一次側に電圧共振形コンバータ
(一次側並列共振回路)又は電流共振形コンバータ(一
次側直列共振回路)を備えたうえで、絶縁コンバータト
ランスを疎結合とすることで、一次巻線と二次巻線の相
互インダクタンスが互いに逆極性となる動作モード(+
M/−M)が得られるようにしている。そして、二次側
においては、二次巻線に二次側直列共振回路を直列に接
続して直列共振回路を形成して、この直列共振回路を利
用した4倍電圧全波整流回路を備えることで、二次巻線
に得られる交番電圧(励起電圧)の4倍に対応する二次
側直流出力電圧を得るようにされる。
【0066】上記したような二次側の構成によって負荷
に電力供給をする結果、本発明では、対応可能な最大負
荷電力を従来よりも向上させることが可能になる。そし
てこれに伴い、一次側は倍電圧整流回路ではなく、通常
の全波整流回路により交流入力電圧レベルに対応するレ
ベルの整流平滑電圧を入力するように構成しても、充分
に上記した条件に対応することができることになる。
【0067】また、以上の構成から次のようなことも言
える。例えば従来においては、上記の条件に対応する場
合には、倍電圧整流回路により交流入力電圧レベルの2
倍に対応する整流平滑電圧を得る必要があり、このた
め、スイッチング素子や一次側の並列共振コンデンサに
は、整流平滑電圧レベルに応じて発生するスイッチング
電圧に応じた耐圧品を選定する必要があった。
【0068】これに対して本発明では、整流平滑電圧レ
ベルに依存するスイッチング電圧が従来の1/2程度と
なることから、スイッチング素子や一次側の共振コンデ
ンサについて、従来の1/2程度の耐圧品を用いること
ができる。また、二次側においては、4倍電圧整流回路
としては、交番電圧が正/負の両期間で整流動作を行う
整流動作である結果、整流ダイオードに印加される電圧
は整流平滑電圧レベルのほぼ1/2程度に抑制されるた
め、二次側の整流ダイオードについても従来より耐圧の
低いものを選定することができる。これによって、先ず
スイッチング素子、一次側の並列共振コンデンサ、及び
二次側整流ダイオード等にかかるコストを削減すること
ができる。また、スイッチング素子及び二次側整流ダイ
オードの特性の向上したものを選定して、スイッチング
周波数を高く設定することも容易に可能となり、これに
よって、電力変換効率の向上が図られることになる。ま
た、スイッチング素子周辺の回路部品の小型・軽量化を
図ることも可能になるものである。また、前述のよう
に、商用交流電源から整流平滑電圧を得る回路が通常の
等倍電圧整流回路とされたことで、例えば通常の1組の
ブロック型の平滑コンデンサとブリッジ整流ダイオード
を採用することができるので、この点でも、コストの削
減及び回路規模の縮小が図られる。
【0069】更に本発明では、二次側に設けられる整流
回路について4倍電圧整流回路が採用されることで、例
えば等倍電圧整流回路が備えられる場合と同等レベルの
直流出力電圧を得ようとすれば、二次巻線の巻数を従来
の1/4程度にまで少なくすることが可能になる。
【0070】また、本発明の回路構成では、一次側が電
圧共振形コンバータ、電流共振形コンバータの何れの構
成を採るにせよ、一次側においてはスイッチング周波数
を可変制御することで定電圧制御を行うように動作する
のであるが、この際、スイッチング周波数が可変される
のに応じて、一次側直列共振回路の共振インピーダンス
と、二次側の共振回路(直列共振回路又は並列共振回
路)の共振インピーダンスを同時に制御する動作が得ら
れるため、定電圧制御範囲が拡大される。また、これに
よって、例えば直交型トランスにおける制御巻線等の巻
数を削減して小型軽量化及び低コスト化を図ることがで
きる。また、一次側の整流回路が等倍電圧整流回路とさ
れたことで、従来よりも一次巻線N1の巻数が削減され
ることによっても巻線の巻数削減が可能になって直交型
トランスの小型化が図られる。
【0071】このように本発明では、共振形電源回路の
低コスト化、小型軽量化、及び電力変換効率や定電圧制
御範囲等の諸特性の向上が促進されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の電源回路の構成例
を示す回路図である。
【図2】本実施の形態の電源回路の絶縁コンバータトラ
ンスの構成を示す断面図である。
【図3】図1に示す電源回路の要部の動作を示す波形図
である。
【図4】第2の実施の形態としての電源回路の構成例を
示す回路図である。
【図5】図4に示す電源回路の要部の動作を示す波形図
である。
【図6】従来例としての電源回路の構成を示す回路図で
ある。
【図7】従来例としての電源回路の構成を示す回路図で
ある。
【図8】従来例としての絶縁コンバータトランスの構成
を示す断面図である。
【図9】相互インダクタンスが+M/−Mの場合の各動
作を示す説明図である。
【図10】図6及び図7に示す電源回路の要部の動作を
示す波形図である。
【符号の説明】
1 制御回路、Ci 平滑コンデンサ、Cs1,Cs2
二次側直列共振コンデンサ、Di ブリッジ整流回路、
DO1,DO2,DO3,DO4 整流ダイオード、PRT 直
交型ドライブトランス、PIT 絶縁コンバータトラン
ス、NC 制御巻線、Q1,Q2 スイッチング素子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 商用交流電源を入力して、この商用交流
    電源レベルの等倍に対応するレベルの整流平滑電圧を生
    成して直流入力電圧として出力する整流平滑手段と、 疎結合とされる所要の結合係数が得られるようにギャッ
    プが形成され、一次側出力を二次側に伝送するために設
    けられる絶縁コンバータトランスと、 スイッチング素子を備えて、上記直流入力電圧を断続し
    て上記絶縁コンバータトランスの一次巻線に出力するよ
    うに構成されたスイッチング手段と、 少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線を
    含む漏洩インダクタンス成分と並列共振コンデンサのキ
    ャパシタンスとによって形成されて、上記スイッチング
    手段の動作を電圧共振形とする一次側並列共振回路と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に対して二次側
    直列共振コンデンサを直列に接続することで、上記絶縁
    コンバータトランスの二次巻線の漏洩インダクタンス成
    分と、上記二次側直列共振コンデンサのキャパシタンス
    とによって形成される二次側直列共振回路と、 二次側整流電流経路に対して上記二次側直列共振コンデ
    ンサを挿入して形成され、上記絶縁コンバータトランス
    の二次巻線に得られる交番電圧を入力して、入力電圧レ
    ベルのほぼ4倍に対応する二次側直流出力電圧を得るよ
    うに構成された直流出力電圧生成手段と、 上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて、上記スイッ
    チング手段のスイッチング周波数を可変制御することに
    よって定電圧制御を行うようにされた定電圧制御手段
    と、 を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 【請求項2】 上記スイッチング手段は、自励式により
    スイッチング動作を行うための自励発振駆動回路を備え
    ていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング
    電源回路。
  3. 【請求項3】 上記定電圧制御手段は、 少なくとも、上記自励発振駆動回路を形成する駆動巻線
    と、この駆動巻線に対して直交する方向に巻回され、二
    次側直流出力電圧の変動に応じて可変されたレベルの制
    御電流が供給される制御巻線とが巻装された可飽和リア
    クトルとしての直交型トランスが設けられることを特徴
    とする請求項2に記載のスイッチング電源回路。
  4. 【請求項4】 商用交流電源を入力して、この商用交流
    電源レベルの等倍に対応するレベルの整流平滑電圧を生
    成して直流入力電圧として出力する整流平滑手段と、 疎結合とされる所要の結合係数が得られるようにギャッ
    プが形成され、一次側出力を二次側に伝送するために設
    けられる絶縁コンバータトランスと、 スイッチング素子を備えて、上記直流入力電圧を断続し
    て上記絶縁コンバータトランスの一次巻線に出力するよ
    うに構成されたスイッチング手段と、 少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線を
    含む漏洩インダクタンス成分と、上記一次巻線に対して
    直列に接続される直列共振コンデンサのキャパシタンス
    とによって形成されて、上記スイッチング手段の動作を
    電流共振形とする一次側直列共振回路と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に対して二次側
    直列共振コンデンサを直列に接続することで、上記絶縁
    コンバータトランスの二次巻線の漏洩インダクタンス成
    分と、上記二次側直列共振コンデンサのキャパシタンス
    とによって形成される二次側直列共振回路と、 二次側整流電流経路に対して上記二次側直列共振コンデ
    ンサを挿入して形成され、上記絶縁コンバータトランス
    の二次巻線に得られる交番電圧を入力して、入力電圧レ
    ベルのほぼ4倍に対応する二次側直流出力電圧を得るよ
    うに構成された直流出力電圧生成手段と、 上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて、上記スイッ
    チング手段のスイッチング周波数を可変制御することに
    よって定電圧制御を行うようにされた定電圧制御手段
    と、 を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
  5. 【請求項5】 上記スイッチング手段は、自励式により
    スイッチング動作を行うための自励発振駆動回路を備え
    ていることを特徴とする請求項4に記載のスイッチング
    電源回路。
  6. 【請求項6】 上記定電圧制御手段は、 少なくとも、上記自励発振駆動回路を形成する駆動巻線
    と、この駆動巻線に対して直交する方向に巻回され、二
    次側直流出力電圧の変動に応じて可変されたレベルの制
    御電流が供給される制御巻線とが巻装された可飽和リア
    クトルとしての直交型トランスが設けられることを特徴
    とする請求項5に記載のスイッチング電源回路。
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