JP2000153347A - 溶融金属流出用ノズル - Google Patents

溶融金属流出用ノズル

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JP2000153347A
JP2000153347A JP10326586A JP32658698A JP2000153347A JP 2000153347 A JP2000153347 A JP 2000153347A JP 10326586 A JP10326586 A JP 10326586A JP 32658698 A JP32658698 A JP 32658698A JP 2000153347 A JP2000153347 A JP 2000153347A
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molten metal
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heating
mortar
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JP10326586A
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Yasunori Muraki
靖徳 村木
Taichi Kuranaga
太一 倉永
Kyoji Watanabe
恭二 渡辺
Akira Kato
加藤  明
Masahiro Moriwaki
正弘 森脇
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Shinagawa Refractories Co Ltd
JFE Engineering Corp
Original Assignee
Shinagawa Refractories Co Ltd
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 タンディッシュ等の溶融金属容器内に溶融金
属を所定時間保持した後、溶融金属通流口を開いて溶融
金属を流下させる際に、ノズル孔が閉塞することなくほ
ぼ100%の開口率を効率良く得ることができ、かつ適
用の制限のない溶融金属流出用ノズルを提供すること。 【解決手段】 溶融金属容器内に溶融金属を所定時間保
持した後、スライディングプレート11により溶融金属通
流口を開いて溶融金属を流出させる際に用いられる溶融
金属流出用ノズル1であって、溶融金属を通流させるノ
ズル孔3を有し、かつノズル孔の外側に形成された空間
部4を有するノズル本体2と、空間部4に挿入された発熱
体6を有し、発熱体6に通電することにより発熱体6を発
熱させてノズル本体2を加熱する加熱部5とを具備し、加
熱部5によってノズル本体2を加熱することにより溶融金
属からノズル本体2への抜熱を遮断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タンディッシュ等
の溶融金属容器内に溶融金属を所定時間保持した後、溶
融金属通流口を開いて溶融金属を流出させる際に用いら
れる溶融金属流出用ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造時の鋳造開始直後の鋳造鋳片の
品質向上のために、鋳造開始時にタンディッシュ内に注
いだ溶鋼中の介在物を浮上させるため、タンディッシュ
スライディングプレートを閉じた状態でタンディッシュ
へ溶鋼を注ぎ、その状態で数分間保持し、その後開口す
ることが好ましいが、その場合、開口率が100%でな
く、溶湯過熱度を大きくせざるを得なかったり、注ぎ上
げ時間を短くして注ぎ上げ量を少なくせざるを得なかっ
た。
【0003】さらに、鋳片の組織の等軸晶化を促進する
には、モールドへ供給する溶湯温度の低い方が好ましい
が、溶湯温度を低くすると溶融金属用鋳込みノズルの孔
内に地金付着を生じ、ノズルが閉塞するために溶湯過熱
度を大きくせざるを得なかった。
【0004】そこで、溶融金属用鋳込みノズルが地金付
着により閉塞することを防止するために、特開昭63−
56349号〜特開昭63−56351号公報には、溶
融金属用鋳込みノズルへ電極を取り付け、直接通電によ
るノズルの加熱の方法が開示されている。
【0005】また、特開平1−170563号公報に
は、タンディッシュのストッパーおよびこれに密接的に
嵌合される上ノズルに電極を付設し、通電する方法が開
示されている。
【0006】さらに、特開昭63−19282号公報に
は、急冷薄帯製造装置のノズル内で溶湯の凝固が起こら
ないように、ノズル支持板内に発熱体を埋設し、ノズル
を加熱する装置が開示されている。
【0007】さらにまた、特開昭54−6816号公報
には、注湯ノズルに抵抗発熱体を取り付けるか注湯ノズ
ル自体を抵抗発熱体で形成して、該発熱体に通電して、
ノズル内面を1050℃以上に予熱した後、あるいは加
熱しつつ注湯する注湯ノズルの閉塞防止方法が提案され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭63−56
349号〜特開昭63−56351号公報に開示された
技術では、2個の電極をノズルに接触させ、その間を通
電させる必要があることから、加熱できるのはノズルの
高さ方向の位置で中央付近に限定され、ノズル閉塞の生
じやすいノズル上部やノズル下部(吐出孔付近)を直接
加熱することができないという問題点があった。
【0009】また、上記特開平1−170563号公報
に開示された技術では、上ノズル上部を加熱することは
可能であるが、流量制御をスライディングノズルで行う
場合など、ストッパーなしのノズルに対しては適用する
ことができなかった。
【0010】さらに、上記特開昭63−19262号公
報に開示されたようなノズル外に発熱体を配設する構造
では、タンディッシュの上のズルの加熱において、加熱
効率が悪いという問題があった。
【0011】さらにまた、上記特開昭54−68816
号公報に開示された技術では、発熱体へ給電する部分
は、電流密度が高いことから良電気伝導性が求められ、
また発熱体と接触することから、高耐熱性が求められ、
適当な材質が見当たらず、実用に供するまでには至って
いない。
【0012】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、タンディッシュ等の溶融金属容器内に溶融金
属を所定時間保持した後、溶融金属通流口を開いて溶融
金属を流出させる際に、ノズル孔が閉塞することなくほ
ぼ100%の開口率を効率良く得ることができ、かつ適
用の制限のない溶融金属流出用ノズルを提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、溶融金属容器内に溶融金属を所定時間保
持した後、溶融金属通流口を開いて溶融金属を流出させ
る際に用いられる溶融金属流出用ノズルであって、溶融
金属を通流させるノズル孔を有し、かつノズル孔の外側
に形成された空間部を有するノズル本体と、前記空間部
に挿入された発熱体を有し、前記発熱体に通電すること
により発熱体を発熱させてノズル本体を加熱する加熱部
とを具備し、前記加熱部によってノズル本体を加熱する
ことにより溶融金属からノズル本体への抜熱を遮断する
ことを特徴とする溶融金属流出用ノズルを提供する。
【0014】このように、ノズル本体のノズル孔外側に
形成された空間部に発熱体を挿入してノズル本体を加熱
するので、溶融金属容器内に溶融金属を所定時間保持し
た後、溶融金属通流口を開いて溶融金属を流出させる、
いわゆる注ぎ上げスタートを行う際に、溶融金属からノ
ズル本体へ抜熱を遮断することができる。したがって、
ノズル孔内での溶融金属の温度低下を有効に防止するこ
とができるので、ノズル孔が閉塞することなくほぼ10
0%の開口率を効率良く得ることができる。また、スト
ッパーのある場合に限定される等の適用の制限がなく用
いることができる。
【0015】本発明の溶融金属流出用ノズルを用いるこ
とにより、注ぎ上げスタート時の溶融金属通流口の開口
率をほぼ100%にすることができるため、溶鋼の連続
鋳造においてタンディッシュ内溶鋼溜置時間を5分間以
上確保して、ボトム部の清浄性が優れた鋳片を製造する
ことができる。また、タンディッシュ内に合金鉄を50
kg/t以上添加することができる。
【0016】上記溶融金属流出用ノズルにおいて、前記
加熱部を、前記発熱体の周囲に高アルミナ質モルタル、
高マグネシア質モルタル、ムライト質モルタルのいずれ
かが充填されているものとすることができる。これによ
り、ノズル本体への漏電、発熱体の座屈による加熱部の
短絡を抑制することができ、かつ熱伝導によって効率良
くノズル本体を加熱することができる。
【0017】また、前記加熱部を、発熱体の内側のノズ
ル孔外周部分に空間を有し、発熱体の外側に高アルミナ
質モルタル、高マグネシア質モルタル、ムライト質モル
タルのいずれかが充填されているものとすることができ
る。これにより、ノズル本体への漏電、発熱体の座屈に
よる加熱部の短絡を抑制することができ、かつ熱輻射に
よって効率良くノズル本体を加熱することができる。ま
た、ノズル孔外周部にはモルタルが存在しないので、モ
ルタル内部に熱が篭もることによる異常発熱が発生する
おそれがない。
【0018】さらに、前記加熱部を、発熱体の内側およ
び外側に空間を有するものとすることができる。このよ
うに発熱体の周囲を空間とすることによっても、熱輻射
によって効率良くノズル孔内を加熱することができる。
また、ノズル孔外周部にはモルタルが存在しないので、
モルタル内部に熱が篭もることによる異常発熱が発生す
るおそれがない。
【0019】さらにまた、前記加熱部を、発熱体の内側
および外側に空間を有するとともに、発熱体の座屈、短
絡を防止するためのサポート材を有するものとすること
ができる。これにより、熱輻射によって効率良くノズル
孔内を加熱することができ、かつモルタル内部に熱が篭
もることによる異常発熱が発生するおそれがなく、しか
も発熱体の座屈による発熱部の短絡を抑制することがで
きる。
【0020】以上の溶融金属流出用ノズルにおいて、前
記ノズル本体に形成された空間部の厚さが、ノズル本体
の全厚さの2〜50%であることが好ましい。ノズル本
体に形成された空間部の厚さがノズル本体の全厚さの2
%未満にすると発熱体の挿入が難しくなり、50%を超
えるとノズル本体の強度が低下し、溶融金属が漏洩する
おそれが生じる。
【0021】また、前記ノズル本体に形成された空間部
の位置が、ノズル孔の外周から全厚さの2%以上および
5mm以上、50%以内および60mm以内とすること
が好ましい。空間部の位置がノズル孔の外周から全厚さ
の2%未満または5mm未満の場合には、ノズル本体の
強度が低下し、溶融金属が漏洩するおそれが生じる。一
方、外周から全厚さの50%を超えるかまたは60%を
超える場合には抜熱を防止する効果が小さくなる。
【0022】さらに、前記発熱体の厚さはノズル本体の
全厚さの1〜50%であることが好ましい。発熱体の厚
さがノズル本体の全厚さの1%未満であれば発熱体の挿
入が難しくなる、発熱体が座屈しやすくなる、必要電力
が稼げなくなる、発熱体が断線しやすくなる等の問題を
生じる。一方、50%を超えると供給電流値が増加し、
端子部が太くなりすぎる、ノズル本体の強度が低下し溶
融金属が漏洩するおそれが生じる等の問題が生じる。
【0023】さらにまた、前記発熱体の高さがノズル本
体の高さの1〜90%であることが好ましい。発熱体の
高さがノズル本体の全高さの1%未満であると、必要電
力が稼げなくなる。一方、90%を超えると空間部が高
くなりすぎ、ノズル本体の強度が低下し、溶融金属が漏
洩するおそれが生じる。
【0024】さらにまた、前記発熱体として、ジルコニ
ア、炭化珪素、二珪化モリブデン、鉄−アルミニウム−
クロム、鉄−ニッケル−クロムのうちいずれかを用いる
ことが好ましい。これらの材料は500℃以上の発熱能
力を有するため、この種の発熱体として適している。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態について説明する。以下の説明において
は、本発明を溶鋼の連続鋳造に適用した場合について説
明する。 (第1の実施の形態)図1は、本発明の第1の実施の形
態に係る溶融金属流出用ノズル(上ノズル)を示す断面
図である。上ノズル1は、連続鋳造の際に溶鋼を貯留す
る容器であるタンディッシュの羽口煉瓦10に嵌め込ま
れたノズル本体2を有しており、その中央部に鉛直方向
に沿ってノズル孔3が形成されている。ノズル本体2の
下側にはスライディングプレート11が設けられてお
り、ノズル孔3を開閉することが可能となっている。羽
口煉瓦10にはノズル孔3に対応するように溶鋼流出口
10aが設けられており、タンディッシュ内の溶鋼が溶
鋼流出口10aを通ってノズル孔3に至るようになって
いる。そして、スライディングプレート11によりノズ
ル孔3を開にすることにより、タンディッシュ内の溶鋼
が鋳型(図示せず)に供給されるようになっている。
【0026】ノズル本体2のノズル孔3の外側には環状
の空間部4を有しており、その中はノズル本体2を加熱
するための加熱部5となっている。加熱部5は空間部4
に沿って挿入された面状発熱体6とその周囲に設けられ
たモルタル7とを有している。面状発熱体6には電極端
子8を介して導線9が接続されており、図示しない電源
から発熱体6に通電することにより発熱体6からジュー
ル熱が発生し、このジュール熱でノズル本体2が加熱さ
れるようになっている。発熱体6はジルコニア、炭化珪
素、二珪化モリブデン、鉄−アルミニウム−クロム、鉄
−ニッケル−クロムなどからなり、例えば空間部4のノ
ズル孔3寄りに挿入される。したがって、外部の電源か
ら導線9および電極端子8を通って発熱体6に通電する
ことにより、ノズル本体2を集中加熱することができ
る。モルタル7は高絶縁性および高熱伝導性を有する高
アルミナ質モルタル、高マグネシア質モルタル、ムライ
ト質モルタルのいずれかで形成されている。
【0027】このように構成されるノズルにおいては、
スライディングプレート11によりノズル孔3を閉じた
状態でタンディッシュ内に溶鋼を流入させ、タンディッ
シュ内に溶鋼を所定時間保持した後、スライディングプ
レート11を開いて溶鋼をその下方に設けられた鋳型に
流出させる。この際に、ノズル本体2に形成された空間
部4内に発熱体6が挿入されているので、外部の電源か
ら導線9および電極端子8を通って発熱体6に通電する
ことによりノズル本体2を加熱することができ、これに
より溶鋼からノズル本体2への抜熱を遮断することがで
きる。したがって、ノズル孔3内での溶融金属の温度低
下を有効に防止することができるので、ノズル孔3が閉
塞することなくほぼ100%の開口率を得ることができ
る。この場合に、ノズル本体2内に発熱体が存在し、し
かも発熱体2の周囲に高アルミナ質モルタル、高マグネ
シア質モルタル、ムライト質モルタルのいずれかからな
る高熱伝導性のモルタル7が充填されているので極めて
効率良く加熱することができ、効率良くほぼ100%の
開口率を得ることができる。また、このようにノズル本
体2を加熱するだけでほぼ100%の開口率が得られる
ので、ストッパーのある場合に限定される等の適用の制
限がなく用いることができる。さらに、上記モルタル7
は電気絶縁性が高いので、ノズル本体2への漏電、発熱
体6の座屈による加熱部5の短絡を抑制することができ
る。
【0028】(第2の実施の形態)図2は、本発明の第
2の実施の形態に係る溶融金属流出用ノズル(上ノズ
ル)の要部を示す断面図である。本実施の形態において
は、加熱部5を、発熱体6の内側のノズル孔3外周部分
に空間12を有し、発熱体6の外側に高アルミナ質モル
タル、高マグネシア質モルタル、ムライト質モルタルの
いずれかからなるモルタル7が充填された構造としてお
り、それ以外は第1の実施の形態と同様に構成されてい
る。
【0029】このように空間部4内に発熱体6が挿入さ
れているので、外部の電源から導線9および電極端子8
を通って発熱体6に通電することにより、ジュール熱に
よってノズル本体2を加熱することができる。その際
に、空間12を介しての熱輻射によって効率良くノズル
本体2を加熱することができる。また、モルタル7が設
けられているので、ノズル本体2への漏電、発熱体6の
座屈による加熱部の短絡を抑制することができる。さら
に、ノズル孔3の外周部にはモルタルが存在しないの
で、モルタル内部に熱が篭もることによる異常発熱が発
生するおそれがない。
【0030】(第3の実施の形態)図3は、本発明の第
3の実施の形態に係る溶融金属流出用ノズル(上ノズ
ル)の要部を示す断面図である。本実施の形態において
は、加熱部5を、発熱体6の内側および外側に空間12
を有する構造としており、それ以外は第1の実施の形態
と同様に構成されている。
【0031】このように空間部4内に発熱体6が挿入さ
れているので、外部の電源から導線9および電極端子8
を通って発熱体6に通電することにより、ジュール熱に
よってノズル本体2を加熱することができる。その際
に、空間12を介しての熱輻射によって効率良くノズル
本体2を加熱することができる。また、ノズル孔3外周
部にはモルタルが存在しないので、モルタル内部に熱が
篭もることによる異常発熱が発生するおそれがない。
【0032】(第4の実施の形態)図4は、本発明の第
4の実施の形態に係る溶融金属流出用ノズル(上ノズ
ル)の要部を示す断面図である。本実施の形態において
は、多重に屈曲した構造を有する発熱体6’を用い、加
熱部5を、発熱体6’の内側および外側に空間12を有
するとともに、発熱体6’の座屈、短絡を防止するため
のサポート材13を発熱体6’の間に挿入した構造とし
ており、それ以外は第1の実施の形態と同様に構成され
ている。
【0033】このように空間部4内に発熱体6’が挿入
されているので、外部の電源から導線9および電極端子
8を通って発熱体6’に通電することにより、ジュール
熱によってノズル本体2を加熱することができる。その
際に、空間12を介しての熱輻射によって効率良くノズ
ル本体2を加熱することができる。また、ノズル孔3外
周部にはモルタルが存在しないので、モルタル内部に熱
が篭もることによる異常発熱が発生するおそれがなく、
しかもサポート材13が発熱体6’の間に挿入されてい
るので、発熱体6’の座屈による発熱部の短絡を抑制す
ることができる。
【0034】上記いずれの実施形態においても、ノズル
本体2に発熱体6、6’を埋め込むために、ノズル製作
時に予め面状発熱体6、6’を型にセットした後プレス
成形し焼成してもよいし、ノズル製作後、ノズル本体2
に空間部4を形成し、そこへ発熱体を挿入してもよい。
【0035】また、発熱体端子部と電源からの導線の接
合に関しては、(1)リングスリーブを中間に配し、リ
ングスリーブと導線とを圧着により接合し、端子部−リ
ングスリーブ間は圧着後ロウ付けもしくはスポット溶接
により接合するようにする方法、(2)端子部と導線と
を直接ロウ付けする方法、(3)端子部をねじ切りし、
圧着端子を端部に付けた導線をねじ止めする方法、
(4)端子部の中心部に穴を開け、開けた穴の中に導線
を入れてロウ付けする方法等を採用することができる。
導線としては、銅、アルミニウム、ニッケル線を用いる
ことができるが、中でもニッケル線が望ましい。
【0036】加熱温度を制御するためには熱電対を設置
する必要があるが、熱電対は発熱体が挿入された空間部
4に設置することができる。この熱電対は、発熱体の導
線接合部からできるだけ離れた位置に設置することが好
ましい、発熱体からの熱は、発熱体端子部と導線の接合
部から逃げるため、発熱体を挿入した空間部4の円周方
向で、接合部から可及的に離れた位置に設置することが
好ましい。空間部4の高さ方向に関しては、空間部4の
上から10〜50%以内の位置に熱電対を配置すること
が好ましい。発熱体からの熱は、ノズル本体2からボト
ムプレートを通じて下方向へ逃げ、またノズル本体2の
外周部を通じて上方向へ逃げるので、これらの影響の少
ない上から10〜50%以内の位置に熱電対を配置する
ことが好ましい。
【0037】加熱温度の制御方式については、熱電対が
検出した温度に基づいてPID制御を行いサイリスタ出
力を行ってもよいし、予め、温度と発熱体の電圧電流と
の相関をとり、その結果に基づいて所定の電圧電流値を
印加するようにしてもよい。
【0038】以上のいずれの実施の形態においても、ノ
ズル本体2を効率良く加熱することができるため、注ぎ
上げスタート時にノズル詰まりが生じることなくほぼ1
00%の開口率を得ることができる。したがって、鋼の
連続鋳造において、タンディッシュ内溶鋼溜置時間を5
分間以上確保して、ボトム部の清浄性が優れた鋳片を製
造することができるし、また、タンディッシュ内に合金
鉄を50kg/t以上添加することができる。
【0039】なお、上記実施の形態では、本発明の溶融
金属流出用ノズルをタンディッシュと鋳型(モールド)
間の鋳込みノズルに適用した場合について示したが、こ
れに限らず取鍋とタンディッシュ間の溶鋼注入ノズルに
も適用することができる。さらに、溶融金属として溶鋼
の場合について示したが、他の溶融金属でも適用可能な
ことはもちろんである。
【0040】
【実施例】(実施例1)発熱体として鉄−アルミニウム
−クロムを用い、上記図1ないし図4に示すような構造
の加熱部を形成したノズルをタンディッシュの羽口煉瓦
にはめ込んだ。発熱体と導線の接合に関しては、リング
スリーブを中間に配し、端子部−リングスリーブ間は圧
着後ロウ付けし、リングスリーブとニッケル導線とを圧
着により接合した。円周方向に接合部から可及的に離れ
た位置で、高さ方向の上から33%の位置に熱電対を配
置し、熱電対が検出した温度に基づいてPID制御を行
いサイリスタ出力を行って温度を制御した。注ぎ上げの
1.5時間前から電圧50Vを発熱体の電極間に印加し
た。その際の電流は約50Aであり2.5kWの電力を
消費した。この時のノズル孔外周の空間部の温度は12
00℃であった。タンディッシュを予めバーナーで昇熱
し、タンディッシュ内を1000℃以上に保った後、ス
ライディングプレートを閉じ、過熱温度ΔT=30℃の
溶鋼を40tタンディッシュ内へ注ぎ上げた後、20分
間保持し溶鋼内の介在物を浮上させた。その後、スライ
ディングプレートを開けたところ、いずれの場合にも1
00%開口し、溶鋼がモールドへ流出した。これに対
し、上記のような通電を行わなかった場合には、1分2
0秒以内にスライディングノズルを開けないとノズル孔
が閉塞してしまった。
【0041】(実施例2)発熱体として二珪化モリブデ
ンを用い、上記図1ないし図4に示すような構造の加熱
部を形成したノズルをタンディッシュの羽口煉瓦にはめ
込んだ。発熱体と導線の接合に関しては、リングスリー
ブを中間に配し、端子部−リングスリーブ間は圧着後ロ
ウ付けし、リングスリーブとニッケル導線とを圧着によ
り接合した。円周方向に接合部から可及的に離れた位置
で、高さ方向の上から33%の位置に熱電対を配置し、
熱電対が検出した温度に基づいてPID制御を行いサイ
リスタ出力を行って温度を制御した。注ぎ上げの1.5
時間前から電圧30Vを発熱体の電極間に印加した。そ
の際の電流は約80Aであり2.4kWの電力を消費し
た。この時のノズル孔外周の空間部の温度は1300℃
であった。タンディッシュを予めバーナーで昇熱し、タ
ンディッシュ内を1000℃以上に保った後、スライデ
ィングプレートを閉じ、過熱温度ΔT=28℃の溶鋼を
40tタンディッシュ内へ注ぎ上げた後、25分間保持
し溶鋼内の介在物を浮上させた。その後、スライディン
グプレートを開けたところ、いずれの場合にも100%
開口し、溶鋼がモールドへ流出した。これに対し、上記
のような通電を行わなかった場合には、1分20秒以内
にスライディングノズルを開けないとノズル孔が閉塞し
てしまった。
【0042】(実施例3)発熱体として鉄−アルミニウ
ム−クロムを用い、上記図1ないし図4に示すような構
造の加熱部を形成したノズルをタンディッシュの羽口煉
瓦にはめ込んだ。発熱体と導線の接合に関しては、端子
部をねじ切りし、圧着端子を端部に付けたニッケル導線
をねじ止めした。予め温度と発熱体の電圧電流の相関を
とり、それに基づいて電圧電流値を設定した。注ぎ上げ
の2時間前から電圧50Vを発熱体の電極間に印加し
た。その際の電流は約50Aであり2.5kWの電力を
消費した。この時のノズル孔外周の空間部の温度は12
00℃であった。タンディッシュを予めバーナーで昇熱
し、タンディッシュ内を1000℃以上に保った後、ス
ライディングプレートを閉じ、過熱温度ΔT=30℃の
溶鋼を40tタンディッシュ内へ注ぎ上げた後、20分
間保持し溶鋼内の介在物を浮上させた。その後、スライ
ディングプレートを開けたところ、いずれの場合にも1
00%開口し、溶鋼がモールドへ流出した。これに対
し、上記のような通電を行わなかった場合には、1分2
0秒以内にスライディングノズルを開けないとノズル孔
が閉塞してしまった。
【0043】(実施例4)発熱体としてジルコニアを用
い、上記図1ないし図4に示すような構造の加熱部を形
成したノズルをタンディッシュの羽口煉瓦にはめ込ん
だ。発熱体と導線の接合は、端子部にニッケル導線を巻
き付けることによって行った。円周方向に接合部から可
及的に離れた位置で、高さ方向の上から33%の位置に
熱電対を配置し、熱電対が検出した温度に基づいてPI
D制御を行いサイリスタ出力を行って温度を制御した。
注ぎ上げの2時間前から電圧70Vを発熱体の電極間に
印加した。その際の電流は約40Aであり2.8kWの
電力を消費した。この時のノズル孔外周の空間部の温度
は1400℃であった。タンディッシュを予めバーナー
で昇熱し、タンディッシュ内を1000℃以上に保った
後、スライディングプレートを閉じ、過熱温度ΔT=2
8℃の溶鋼を40tタンディッシュ内へ注ぎ上げた後、
30分間保持し溶鋼内の介在物を浮上させた。その後、
スライディングプレートを開けたところ、いずれの場合
にも100%開口し、溶鋼がモールドへ流出した。これ
に対し、上記のような通電を行わなかった場合には、1
分20秒以内にスライディングノズルを開けないとノズ
ル孔が閉塞してしまった。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ノズル本体のノズル孔外側に形成された空間部に発熱体
を挿入してノズル本体を加熱するので、溶融金属容器内
に溶融金属を所定時間保持した後、溶融金属通流口を開
いて溶融金属を流出させる、いわゆる注ぎ上げスタート
を行う際に、溶融金属からノズル本体へ抜熱を遮断する
ことができる。したがって、ノズル孔内での溶融金属の
温度低下を有効に防止することができるので、ノズル孔
が閉塞することなくほぼ100%の開口率を効率良く得
ることができる。このため、本発明を連続鋳造に適用す
ることにより、タンディッシュ内溶鋼溜置時間を5分間
以上確保して、ボトム部の清浄性が優れた鋳片を製造す
ることができ、連々鋳造数の増加による生産性の向上お
よびモールドパウダ性表面欠陥の減少による製品の品質
向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る溶融金属流出
用ノズルを示す断面図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る溶融金属流出
用ノズルを示す断面図。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る溶融金属流出
用ノズルを示す断面図。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係る溶融金属流出
用ノズルを示す断面図。
【符号の説明】
1……上ノズル 2……ノズル本体 3……ノズル孔 4……空間部 5……加熱部 6,6’……発熱体 7……モルタル 8……電極端子 9……導線 10……タンディッシュ羽口煉瓦 11……スライディングプレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉永 太一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 渡辺 恭二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 加藤 明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 森脇 正弘 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 品 川白煉瓦株式会社内 Fターム(参考) 4E014 DC01 FA00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属容器内に溶融金属を所定時間保
    持した後、溶融金属通流口を開いて溶融金属を流出させ
    る際に用いられる溶融金属流出用ノズルであって、溶融
    金属を通流させるノズル孔を有し、かつノズル孔の外側
    に形成された空間部を有するノズル本体と、前記空間部
    に挿入された発熱体を有し、前記発熱体に通電すること
    により発熱体を発熱させてノズル本体を加熱する加熱部
    とを具備し、前記加熱部によってノズル本体を加熱する
    ことにより溶融金属からノズル本体への抜熱を遮断する
    ことを特徴とする溶融金属流出用ノズル。
  2. 【請求項2】 前記加熱部は、前記発熱体の周囲に高ア
    ルミナ質モルタル、高マグネシア質モルタル、ムライト
    質モルタルのいずれかが充填されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の溶融金属流出用ノズル。
  3. 【請求項3】 前記加熱部は、発熱体の内側のノズル孔
    外周部分に空間を有し、発熱体の外側に高アルミナ質モ
    ルタル、高マグネシア質モルタル、ムライト質モルタル
    のいずれかが充填されていることを特徴とする請求項1
    に記載の溶融金属流出用ノズル。
  4. 【請求項4】 前記加熱部は、発熱体の内側および外側
    に空間を有することを特徴とする請求項1に記載の溶融
    金属流出用ノズル。
  5. 【請求項5】 前記加熱部は、発熱体の内側および外側
    に空間を有するとともに、発熱体の座屈、短絡を防止す
    るためのサポート材を有することを特徴とする請求項1
    に記載の溶融金属流出用ノズル。
  6. 【請求項6】 前記ノズル本体に形成された空間部の厚
    さが、ノズル本体の全厚さの2〜50%であることを特
    徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載
    の溶融金属流出用ノズル。
  7. 【請求項7】 前記ノズル本体に形成された空間部の位
    置が、ノズル孔の外周から全厚さの2%以上および5m
    m以上、50%以内および60mm以内としたことを特
    徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載
    の溶融金属流出用ノズル。
  8. 【請求項8】 前記発熱体の厚さをノズル本体の全厚さ
    の1〜50%としたことを特徴とする請求項1ないし請
    求項7のいずれか1項に記載の溶融金属流出用ノズル。
  9. 【請求項9】 前記発熱体の高さがノズル本体の高さの
    1〜90%であることを特徴とする請求項1ないし請求
    項8のいずれか1項に記載の溶融金属流出用ノズル。
  10. 【請求項10】 前記発熱体は、ジルコニア、炭化珪
    素、二珪化モリブデン、鉄−アルミニウム−クロム、鉄
    −ニッケル−クロムのうちいずれかであることを特徴と
    する請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の溶
    融金属流出用ノズル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012099313A1 (ko) * 2011-01-18 2012-07-26 파카코리아 주식회사 디젤엔진의 배기가스 저감장치
CN108356258A (zh) * 2018-04-02 2018-08-03 东北大学 一种基于电磁感应加热出钢技术的组合式水口座砖
KR20220085961A (ko) * 2020-12-16 2022-06-23 주식회사 포스코 티밍래들 탑노즐의 모르타르 수분제거 장치 및 방법

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KR102485114B1 (ko) 2020-12-16 2023-01-04 주식회사 포스코 티밍래들 탑노즐의 모르타르 수분제거 장치 및 방법

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