JP2000150374A - 投影露光装置及び方法、並びに素子製造方法 - Google Patents

投影露光装置及び方法、並びに素子製造方法

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JP2000150374A
JP2000150374A JP11337531A JP33753199A JP2000150374A JP 2000150374 A JP2000150374 A JP 2000150374A JP 11337531 A JP11337531 A JP 11337531A JP 33753199 A JP33753199 A JP 33753199A JP 2000150374 A JP2000150374 A JP 2000150374A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回路パターン等の投影露光時の解像力と焦点
深度とを向上させる。 【構成】 光源1からの照明光束を、回折格子状パター
ン5によってフライアイレンズ11の入射面11aに入
射させ、フライアイレンズ11の射出面11b近傍で光
軸AXから偏心した位置に2次光源像を形成する。そし
て、2次光源像からの照明光はコンデンサーレンズ1
3、15を介してレチクル16に照射し、レチクルパタ
ーン17を投影光学系18によりウェハ(感光基板)2
0に結像投影する。フライアイレンズ11の射出面11
bは投影光学系18の瞳面19と共役である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体等の回路パター
ン、又は液晶表示素子のパターン等の転写に使用される
投影型露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体等の回路パターン形成には、一般
にフォトリソグラフ技術と呼ばれる工程が必要である。
レチクル(マスク)パターンをウェハ等の試料基板上に
転写する方法が採用されている。試料基板上には感光性
のフォトレジストが塗布されており、照射影像、即ちレ
チクルパターンの透過部形状に応じて、フォトレジスト
に回路パターンが転写される。そして、投影型露光装置
では、レチクル上に描画された転写すべき回路パターン
が、投影光学系を介して試料基板(ウェハ)上に投影、
結像される。
【0003】また、レチクルを照明するための照明光学
系中には、フライアイレンズ、ファイバー等のオプチカ
ルインテグレータが使用されている。このオプチカルイ
ンテグレータは、レチクル上に照射される照明光の強度
分布を均一化するための手段である。この均一化を最適
に行うために、フライアイレンズを用いた場合、レチク
ル側焦点面とレチクル面とはほぼフーリエ変換の関係で
結ばれており、また、レチクル側焦点面と光源側焦点面
ともフーリエ変換の関係で結ばれている。従って、レチ
クルパターン面と、フライアイレンズの光源側焦点面
(正確にはフライアイレンズの個々のレンズエレメント
の光源側焦点面)とは、結像関係(共役関係)で結ばれ
ている。このため、レチクル上では、フライアイレンズ
の各エレメント(2次光源像)からの照明光がそれぞれ
加算(重畳)されることで平均化され、レチクル上の照
度均一性を良好とすることが可能となっている。
【0004】従来の投影型露光装置では、上述のフライ
アイレンズ等のオプチカルインテグレータ入射面に入射
する照明光束の光量分布を、照明光学系の光軸を中心と
するほぼ円形内(あるいは矩形内)でほぼ一様となるよ
うにしていた。図13は、上述の従来の投影光学系を示
し、照明光束L81は、照明光学系中のフライアイレン
ズ11、空間フィルター12、及びコンデンサーレンズ
15を介してレチクルパターン17を照射する。ここ
で、空間フィルター12はフライアイレンズ11のレチ
クル側焦点面11b、すなわちレチクル16に対するフ
ーリエ変換面(以後、瞳面と略す)、もしくはその近傍
に配置され、投影光学系の光軸AXを中心としたほぼ円
形領域の開口を有し、瞳面内にできる2次光源(面光
源)像を円形に制限する。こうしてレチクル16のパタ
ーン17を通過した照明光は、投影光学系18を介して
ウェハ20のレジスト層に結像される。ここで、光束を
表す実線は1点から出た光の主光線を表している。
【0005】このとき、照明光学系(11、12、1
5)の開口数と投影光学系18のレチクル側開口数の
比、所謂σ値は開口絞り(例えば空間フィルター12の
開口径)により決定され、その値は0.3〜0.6程度
が一般的である。照明光L81は、レチクル16にパタ
ーニングされたパターン17により回折され、パターン
17からは0次回折光Do、+1次回折光Dp、−1次回
折光Dmが発生する。夫々の回折光(Do、Dp、Dm)は
投影光学系18により集光され、ウェハ(試料基板)2
0上に干渉縞を発生させる。この干渉縞がパターン17
の像である。
【0006】このとき、0次回折光Doと±1次回折光
Dp、Dmのなす角θ(レチクル側)はsinθ=λ/P
(λ:露光波長、P:パターンピッチ)により決まる。
パターンピッチが微細化するとsinθが大きくなり、
sinθが投影光学系18のレチクル側開口数(NA
R)より大きくなると、±1次回折光Dp、Dmは投影光
学系18の瞳面19を通過できなくなる。
【0007】このとき、ウェハ20上には0次回折光D
oのみしか到達せず干渉縞は生じない。つまり、sin
θ>NARとなる場合にはパターン17の像は得られ
ず、パターン17をウェハ20上に転写することができ
なくなってしまう。以上のことから、今までの露光装置
においては、sinθ=λ/P≒NARとなるピッチP
は次式で与えられていた。
【0008】P≒λ/NAR (1) 最小パターンサイズはピッチPの半分であるから、最小
パターンサイズは、0.5×λ/NAR程度となるが、
実際のフォトリソグラフィーにおいてはウェハの湾曲、
プロセスによるウェハの段差等の影響、又はフォトレジ
スト自体の厚さのために、ある程度の焦点深度が必要と
なる。このため、実用的な最小解像パターンサイズは、
k×λ/NAとして表される。ここで、kはプロセス定
数と呼ばれ0.6〜0.8程度となる。レチクル側開口
数NARとウェハ側開口数NAWとの比は、投影光学系
の結像倍率と同じであるので、結像倍率を1/5とした
時のレチクル上における最小解像パターンサイズはk×
λ/NAR、ウェハ上における最小解像パターンサイズ
はk×λ/NAW=k×λ/5NARとなる。
【0009】従って、より微細なパターンを転写するた
めには、より短い波長の露光光源を使用するか、或いは
より開口数の大きな投影光学系を使用するかを選択する
必要があった。もちろん、波長と開口数の両方を最適化
する努力も考えられる。また、レチクルの回路パターン
の透過部分のうち、特定の部分からの透過光の位相を他
の透過部分からの透過光の位相よりπだけずらす、所謂
位相シフトレチクルが特公昭62−50811号公報等
で提案されている。この位相シフトレチクルを使用する
と従来よりも、より微細なパターンの転写が可能とな
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
露光装置においては、照明光源を現在より短波長化する
ことは、透過光学部材として使用可能な適当な光学材料
が存在しない等の理由により困難であった。短波長の光
の透過率が高い石英をレチクルブランクとして使用した
としても、波長200nm以下では、透過率が低下して
くる。
【0011】また、投影光学系の開口数は、現状でも既
に理論的限界に近く、これ以上の大開口化はほぼ望めな
い状態であった。また、もし現状以上の大開口化が可能
であるとしても、±λ/2NA2で表される焦点深度は
開口数の増加に伴って急激に減少し、実使用に必要な焦
点深度がますます少なくなるという問題が顕著になって
くる。
【0012】一方、位相シフトレチクルについては、そ
の製造工程が複雑であり、従ってコストも高く、また検
査及び修正方法も未だ確立されていないなど多くの問題
が残されており、昨今の早急な微細化要求に確実に対応
できるか不安視されている。本発明は上記問題点に鑑み
てなされたもので、通常のレチクルを使用して高解像
度、且つ大焦点深度が得られる投影型露光装置の実現を
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、光源(1)か
らの照明光をマスク(16)に照射する照明光学系と、
照明光を基板上に投射する投影光学系(20)とを備
え、照明光の照射によってマスクのパターン(17)を
基板上に転写する投影露光装置に関するものである。そ
して、本発明の投影露光装置では、照明光学系内に配置
され、光源からの照明光を入射して回折光を発生する回
折光学素子(5又は5A)を設けることとした。このた
め、照明光学系を小型化できるとともに、例えば高解像
度かつ大焦点深度でパターンを基板上に転写するため
に、照明光学系内のパターンに対するフーリエ変換面
(投影光学系18の瞳面19とほぼ共役な面)上での照
明光の光量分布を照明光学系の光軸外で高める(換言す
れば、照明光学系の光軸外に2次光源を形成する)とき
には、照明光の光量損失を大幅に低減することができ
る。
【0014】また、回折光学素子は、光源と照明光学系
内のオプチカルインテグレー(11)との間に配置され
ることが望ましい。この場合、マスク上での照度均一性
の低下を防止することができる。さらに、回折光学素子
は、照明光学系の光軸(AX)と異なる方向に進む回折
光(例えば±1次回折光など)を発生することが望まし
い。この場合、特に前述の光量分布を照明光学系の光軸
外で高めるときに照明光の光量損失を最小限に抑えるこ
とができる。また、回折光学素子は互いに異なる方向に
進む複数の回折光(例えば±1次回折光など)を発生す
ることが望ましい。この場合、特に前述の光量分布を照
明光学系の光軸外の複数の領域で高めるときに照明光の
光量損失を最小限に抑えることができる。なお、回折光
学素子は0次回折光の発生が抑えられる位相型であって
もよいし、あるいは回折光学素子から発生する0次回折
光をカットする遮光部材を設けるようにしてもよい。
【0015】また、基板上に転写すべきパターンに応じ
て前述の光量分布を変更する、例えば照明光学系の光軸
外で光量分布が高められる所定領域の照明光学系の光軸
との距離を可変とする変更手段を設けることが望まし
い。なお、変更手段は、回折光学素子の交換を行うもの
でもよいし、それと組み合わせて、あるいは単独で、回
折光学素子と照明光学系内のオプチカルインテグレータ
との間に配置されるズームレンズ系を用いてもよい。こ
の場合、パターンを最適な光量分布を持つ照明光(最適
な2次光源からの光)で照明することができ、高解像度
かつ大焦点深度でパターンを基板上に転写することが可
能となっている。
【0016】ここで、本発明の投影露光装置は、オプチ
カルインテグレータとしてフライアイレンズを用い、か
つ照明光学系内のフーリエ変換面(瞳面)上での照明光
の光量分布を照明光学系の光軸外で高めるものとする
と、原理的に図12に示すように構成される。図12に
おいて図13と同じ部材には同一の符号を付してある。
図12において、フライアイレンズ11の光源側焦点面
11a近傍に設けられた空間フィルター10は、フライ
アイレンズ11に入射する照明光束L70を、フライア
イレンズ11の光源側焦点面(入射面)11aの特定位
置に入射するものに制限する。このため、フライアイレ
ンズ11のレチクル側焦点面11bに形成される2次光
源像も、ほぼフライアイレンズ11の光源側焦点面11
aに入射する照明光に従ったものとなる。ここで、空間
フィルター10の透過部分はマスク上のパターンに応じ
た分だけ照明光学系もしくは投影光学系の光軸から偏心
した位置に設けられている。また、空間フィルター10
等の光学部材の透過部分の位置、形状を変更することに
より、フライアイレンズ11の光源側焦点面11a上に
入射する照明光を可変とすることができる。従って、フ
ライアイレンズ11のレチクル側焦点面11b上におけ
る2次光源像の位置、大きさも可変とすることができ
る。また、フライアイレンズ11のレチクル側焦点面1
1bは、レチクルパターン17に対してほぼフーリエ変
換面(投影レンズ18の瞳面19と略共役な面)となっ
ており、このフーリエ変換面上での2次光源像の位置、
大きさを可変とすることとなる。また、2次光源像のレ
チクル側焦点面11b(瞳面19)内での位置は、レチ
クル16に入射する光束の入射角度や方向を決定するの
で、本発明における投影型露光装置においては、レチク
ル16に入射する照明光束の入射角度ψや方向をほぼ任
意に制御することが可能である。
【0017】また、本発明による投影露光装置を用いた
素子製造方法では、回路パターン形成のフォトリソグラ
フィ工程で微細な半導体素子などを製造することができ
る。さらに、本発明による投影露光方法は、照明光学系
を通して光源(1)からの照明光をマスク(16)に照
射するとともに、投影光学系(18)を介して照明光で
基板(20)を露光するものである。そして、光源から
の照明光を入射して回折光を発生する回折光学素子(5
又は5A)を照明光学系内に配置し、その回折光でマス
クを照明することとした。また、特に前述の光量分布を
照明光学系の光軸外で高めるときに、照明光学系の光軸
と異なる方向に回折光を発生させることが望ましい。こ
のため、照明光学系を小型化できるとともに、照明光学
系の光軸外で光量分布を高めるときに、照明光の光量損
失を大幅に低減することができる。
【0018】
【作用】レチクル(マスク)上に描画された回路パター
ン(レチクルパターン)17は、一般に周期的なパター
ンを多く含んでいる。従って、空間フィルター10の透
過部を透過した照明光が照射されたレチクルパターン1
7からは、0次回折光成分Do及び±1次回折光成分D
p、Dm、及びさらに高次の回折光成分がパターンの微細
度に応じた方向に発生する。
【0019】このとき、図12のごとく照明光束L71
(主光線)が光軸AXに対して角度ψだけ傾いた角度で
フォトマスクに入射するから、発生した各次数の回折光
成分も垂直に照明された場合に比べ、傾き(角度ずれ)
をもってレチクルパターン17より発生する。照明光L
71はレチクルパターン17により回折され、光軸AX
に対してψだけ傾いた方向に進む0次回折光成分Do、
0次回折光成分Doに対してθpだけ傾いた方向に進む+
1次回折光成分Dp、及び0次回折光成分Doに対してθ
mだけ傾いて進む−1次回折光成分Dmを発生する。しか
しながら、照明光L71は両側テレセントリックな投影
光学系18の光軸AXに対して角度ψだけ傾いてレチク
ルパターン17に入射するので、0次回折光成分Doも
また投影光学系の光軸AXに対して角度ψだけ傾いた方
向に進行する。
【0020】従って、+1次光回折光成分Dpは光軸A
Xに対してθp+ψの方向に進行し、−1次回折光成分
Dmは光軸AXに対してθm−ψの方向に進行する。この
とき、回折角θp、θmは夫々、 sin(θp+ψ)−sinψ=λ/P (2) sin(θm−ψ)+sinψ=λ/P (3) である。
【0021】ここでは、+1次回折光成分Dp、−1次
回折光成分Dmの両方が投影光学系18の瞳面19を透
過しているものとする。レチクルパターン17の微細化
に伴って回折角が増大すると先ず、角度θp+ψの方向
に進行する+1次回折光成分Dpが投影光学系18の瞳
面19を通過できなくなる。すなわちsin(θp+ψ)
>NARの関係になってくる。しかし、照明光L71が
光軸AXに対して傾いて入射しているため、このときの
回折角でも−1次回折光Dmは、投影光学系18に入射
可能となる。すなわちsin(θm−ψ)<NARの関係
になる。
【0022】従って、ウェハ2上には0次回折光成分D
oと−1次回折光成分Dmの2光束による干渉縞が生じ
る。この干渉縞はレチクルパターン17の像であり、レ
チクルパターン17が1:1のラインアンドスペースの
とき、約90%のコントラストとなって、ウェハ20上
に塗布されたレジストにレチクルパターン17の像をパ
ターニングすることが可能となる。
【0023】このときの解像限界は、 sin(θm−ψ)=NAR (4) となるときであり、従って、 NAR+sinψ=λ/P P=λ/(NAR+sinψ) (5) が転写可能な最小パターンのレチクル側でのピッチであ
る。
【0024】一例として今sinψを0.5×NAR程
度に定めるとすれば、転写可能なレチクル上の最小ピッ
チは、 P=λ/(NAR+0.5×NAR)=2λ/3NAR (6) となる。
【0025】一方、図13に示す照明光の瞳面19上で
の分布が投影光学系18の光軸AXを中心とする円形領
域内である従来の露光装置の場合、解像限界は(1)式
に示したようにP≒λ/NARであった。従って、従来
の露光装置より高い解像度が実現できることがわかる。
次に、レチクルパターンに対して特定の入射方向と入射
角で露光光を照射して、0次回折光成分と1次回折光成
分とを用いてウェハ上に結像パターン形成方法によっ
て、焦点深度も大きくなる理由について説明する。
【0026】図12のようにウェハ20が投影光学系1
8の焦点位置に一致している場合には、レチクルパター
ン17中の1点を出てウェハ上の1点に達する各回折光
は、投影光学系18のどの部分を通るものであっても全
て等しい光路長を有する。このため、従来のように0次
回折光成分が投影光学系18の瞳面19のほぼ中心(光
軸近傍)を貫通する場合でも、0次回折光成分とその他
の回折光成分とで光路長は相等しく、相互の波面収差も
零である。しかし、ウェハ20が投影光学系18の焦点
位置に一致していないデフォーカス状態の場合、斜めに
入射する高次の回折光の光路長は光軸近傍を通る0次回
折光に対して焦点前方(投影光学系18から遠ざかる
方)では短く、焦点後方(投影光学系18に近づく方)
では長くなり、その差は入射角の差に応じたものとな
る。従って、0次、1次、…の各回折光は相互に波面収
差を形成して焦点位置の前後におけるボケを生じること
となる。
【0027】前述のデフォーカスによる波面収差は、ウ
ェハ20の焦点位置からのずれ量をΔF、各回折光がウ
ェハ20に入射するときの入射角θWの正弦をr(r=
sinθW)とすると、ΔFr2/2で与えられる量で
ある(このときrは各回折光の瞳面19での光軸AXか
らの距離を表す)。従来の図13に示した投影型露光装
置では、0次回折光成分Doは光軸AXの近傍を通るの
で、r(0次)=0となり、一方、±1次回折光成分D
p、Dmは、r(1次)=Mλ/Pとなる(Mは投影光学系
の倍率)。従って、0次回折光成分Doと±1次回折光
成分Dp、Dmのデフォーカスによる波面収差はΔF・M
2・(λ/P)2/2となる。
【0028】一方、本発明における投影型露光装置で
は、図12に示すように0次回折光成分Doは、光軸A
Xから角度ψだけ傾いた方向に発生するから、瞳面19
における0次回折光成分Doの光軸AXからの距離は、
r(0次)=Msinψである。一方、−1次回折光成分
Dmの瞳面19における光軸AXからの距離は、r(−1
次)=Msin(θm−ψ)となる。このとき、sinψ=
sin(θm−ψ)となれば、0次回折光成分Doと−1次
回折光成分Dmのデフォーカスによる相対的な波面収差
は零となり、ウェハ20が焦点位置より光軸方向に若干
ずれてもパターン17の像ボケは従来程大きく生じない
ことになる。即ち、焦点深度が増大することになる。
【0029】また、(3)式のようにsin(θm−ψ)
+sinψ=λ/Pであるから、照明光束L71のレチ
クル16への入射角ψをピッチPのパターンに対して、
sinψ=λ/2Pの関係にすれば、焦点深度を極めて
増大させることが可能である。ここでは、フライアイレ
ンズ11のレチクル側焦点面11b上の2次光源像を、
フライアイレンズ11の光源側焦点面11aに入射する
照明光束を制御することによって与えている。
【0030】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の第1の実施例
を説明する。図1は、本発明の第1の実施例に好適な投
影型露光装置(ステッパー)の概略を示し、フライアイ
レンズ11の光源側焦点面11a上に照明光を集中させ
る光学部材(本発明のインプット光学系の一部)とし
て、回折格子状パターン5を設けるようにした。
【0031】水銀ランプ1より発生した照明光束は、楕
円鏡2の第2焦点foに集光した後、ミラー3、リレー
系等のレンズ系4を介して回折格子状パターン5に照射
される。このときの照明方法は、ケーラー照明法であっ
ても、クリチカル照明法であっても良いが、強い光量を
得るためにはクリチカル照明法の方が望ましい。回折格
子状パターン5から発生した回折光は、リレーレンズ9
によりフライアイレンズ11の光源側焦点面11a(入
射面)の光軸AXから偏心した位置に集中して入射す
る。ここでは0次、±1次の回折光が発生しているもの
とする。このとき、フライアイレンズ11の光源側焦点
面11aと、回折格子状パターン5とは、リレーレンズ
9を介してほぼフーリエ変換の関係となっている。尚、
図1では回折格子状パターン5への照明光は平行光束と
して図示したが、実際は発散光束となっているため、フ
ライアイレンズ11の光源側焦点面11aへの入射光束
はある大きさ(太さ)を持っている。従って、光源側焦
点面11aへの入射光束に応じたフライアイレンズ11
のレチクル側焦点面11bからの射出光束もある大きさ
をもっている。
【0032】一方、フライアイレンズ11のレチクル側
焦点面11bは、レチクルパターン17のフーリエ変換
面(瞳共役面)とほぼ一致する様に配置されている。ま
た、図1に示したフライアイレンズ11の各レンズエレ
メントは両凸レンズとし、且つ光源側焦点面11aと入
射面、レチクル側焦点面11bと射出面が夫々一致する
場合の例であったが、フライアイのレンズエレメントは
この関係を厳密に満たさなくても良く、また平凸レンズ
や、凸平レンズ、あるいは平凹レンズであっても良い。
【0033】尚、フライアイレンズ11の光源側焦点面
11aと、レチクル側焦点面11bとは、当然ながらフ
ーリエ変換の関係である。従って、図1の例の場合、フ
ライアイレンズ11のレチクル側焦点面11b、即ちフ
ライアイレンズ射出面は、回折格子状パターン5と結像
関係(共役)になっている。さて、フライアイレンズ1
1のレチクル側焦点面11bより射出される光束は、コ
ンデンサーレンズ13、15、ミラー14を介してレチ
クル16を均一な照度分布で照明する。本実施例では、
フライアイレンズ11のレチクル側焦点面11b(射出
側)近傍に回折格子状パターン5からの±1次回折光に
合わせて2つの開口部がくり抜かれた金属板等からなる
遮光部材12を配置し、回折格子状パターン5からの0
次回折光等をカットする。このため、レチクルパターン
17に照明される照明光は、フライアイレンズ11のレ
チクル側焦点面11b上で光軸AXから偏心した位置に
2つの2次光源像を持つものに制限される。フライアイ
レンズの11の光源側焦点面11a上に照明光を集中さ
せる光学部材として回折格子状パターン5を用いている
ため、光軸AXについて対称な2つの2次光源像が形成
される。従って、レチクルパターン17に照明される照
明光は、レチクルパターン17への入射角が特定の入射
角を持つ光束のみに制限される。また、前述の如く、フ
ライアイレンズ11のレチクル側焦点面11bには回折
格子状パターン5の像ができているが、レチクル側焦点
面11bとレチクルパターン面17とはフーリエ変換面
の関係となっているため、回折格子状パターン5そのも
のがレチクル16に結像して照度均一性を劣化させるこ
ともなく、さらに回折格子状パターン5の欠陥や、ゴミ
等により不均一化されることがない。回折格子状パター
ン5は、透過性の基板、例えばガラス基板の表面にCr
等の遮光膜がパターニングされたものであっても良い
し、SiO2等の誘電体膜がパターニングされた、所謂
位相グレーティングであっても良い。位相グレーテイン
グの場合、0次回折光の発生を押さえることができ、空
間フィルター12を省略することができるとともに、光
量損失が少ないといった利点がある。
【0034】尚、空間フィルター12はフライアイレン
ズ11の射出面側であるフライアイレンズ11の光源側
焦点面11b近傍に設けたが、入射面側であるレチクル
側焦点面11aに設けるようにしてもよい。こうして照
明されたレチクル16上のレチクルパターン17から発
生した回折光は、図12で説明したのと同様にテレセン
トリックな投影光学系18により集光、結像され、ウェ
ハ20上にレチクルパターン17の像が転写される。
【0035】また、回折格子状パターン5は透過性のパ
ターンのみでなく、反射性のパターンであっても良い。
例えばガラス等の平面反射鏡の表面に、高反射率膜、即
ちAl等の金属膜や、誘電体多層膜をパターニングした
ものでも良く、また、反射光に位相差を与えるための段
差が回折格子状にパターニングされた高反射率鏡であっ
ても良い。
【0036】回折格子状パターン5が反射性のものであ
る場合には、図2に示すように、反射性回折格子状パタ
ーン5aに、リレーレンズ4からの照明光束を照射し、
そこで反射及び回折された回折光を、リレーレンズ9を
介してフライアイレンズ11に入射させればよい。この
とき、レチクル16上のレチクルパターン17に入射す
る照明光束(複数)の入射方向、入射角は、レチクルパ
ターン17に応じて定められ、回折格子状パターン5、
5aの方向性、及びピッチを変更することにより、任意
に調整することが可能である。例えば、回折格子状パタ
ーン5、5aをピッチの異なるものに交換することによ
り、フライアイレンズ11の光源側焦点面11aに入射
する照明光を可変とでき、フライアイレンズ11のレチ
クル側焦点面11bでの光軸AXからの2次光源像の距
離を可変とできる。従って、レチクル16上のレチクル
パターン17への照明光の入射角を可変とすることがで
きる。また、回折格子状パターン5、5aを光軸AXと
垂直な面内で任意の方向に回転可能(例えば90°回転
可能)とすると、レチクルパターン17中のラインアン
ドスペースのパターンピッチ方向がX、Y方向と異なる
場合にも対応できる。また、リレーレンズ9を複数枚の
レンズよりなるズームレンズ系(アフォーカルズームエ
キスパンダ等)とし、焦点距離を変えることにより集光
位置を変えることもできる。ただし、このときは回折格
子状パターン5又は5aと、フライアイレンズ11の光
源側焦点面11aとがほぼフーリエ変換の関係になるこ
とをくずさないようにする。
【0037】以上述べたようなフライアイレンズ11の
光源側焦点面11a上に照明光を集中させる光学部材
は、回折格子状パターン5又は5aに限定されない。図
3に示すように、前述の図2に示した、反射性の回折格
子状パターン5aの代わりに可動平面鏡30を配置し、
且つ、平面鏡30を回転可能ならしめるモータ等の駆動
部材30aを設ける。そして、駆動部材30aにより平
面鏡30を回転又は振動させ、フライアイレンズ11の
光源側焦点面11aに照明光を入射させれば、フライア
イレンズ11のレチクル側焦点面11bの2次光源像を
時間によって変更することができる。露光動作中に平面
鏡30を適当な複数の角度位置に回動させれば、フライ
アイレンズ11のレチクル側焦点面11bの2次光源像
を任意の形状にすることができる。尚、このような可動
反射鏡30を使う場合はリレーレンズ系9を省略してし
まっても良い。ところで、図3中に示した空間フィルタ
ー12はフライアイレンズ11の入射面側に設けたが、
図1と同様に射出面側に設けてもよい。
【0038】図4は、フライアイレンズの11の光源側
焦点面11a上に照明光を集中させる光学部材として、
光ファイバー束7を用いた場合の略図である。リレーレ
ン4より光源側、及びフライアイレンズ11よりレチク
ル側は図1と同じ構成であるとする。光源から発生し、
リレーレンズ4を透過した照明光は、光ファイバー束7
へ入射部7aに所定の開口数(NA)に調整されて入射
する。光ファイバー束7は射出部7bに至る間に、複数
の束に分割され、夫々の射出部7bは、フライアイレン
ズ光源側焦点面11a近傍でレチクルパターン17に応
じた位置に配置される。従って、光ファイバー束7を用
いても、前述の回折格子状パターン5と同様にフライア
イレンズ光源側焦点面11a近傍に任意の照明光量分布
を形成することができる。
【0039】またこのとき、光ファイバー束7の各射出
部7bとフライアイレンズ11の間に、夫々レンズ(例
えばフィールドレンズ)を設けても良いし、また、その
レンズによりフライアイレンズ光源側焦点面11aと光
ファイバー射出部7bの光射出面とをフーリエ変換の関
係としても良い。また、各射出部7b(又は射出部7b
とフライアイレンズ11との間のレンズ)を、モータ等
の駆動部材により、光軸と垂直な面内で一次元、又は二
次元に可動とすれば、フライアイレンズ11の光源側焦
点面11aに入射する照明光を可変とすることができ、
フライアイレンズ11のレチクル側焦点面11bでの2
次光源像を可変とすることができる。
【0040】図5は、フライアイレンズの11の光源側
焦点面11a上に照明光を集中させる光学部材として、
複数の屈折面を有するプリズム8を用いた例である。図
5中のプリズム8は光軸AXを境界として2つの屈折面
に分割されており、光軸AXより上方に入射した照明光
は上方へ屈折し、光軸AXより下方に入射した照明光は
下方へ屈折する。従って、フライアイレンズ11の光源
側焦点面11aにプリズム8の屈折角に応じて、照明光
束を入射させることができる。プリズム8の屈折面の分
割数は2面に限ったものではなく、光源側焦点面11a
上での所望の光量分布に応じて、何面に分割されていて
も良い。また、分割される位置は光軸AXと対称な位置
にこだわらなくとも良い。
【0041】プリズム8を交換することにより、フライ
アイレンズ光源側焦点面11に入射する照明光束の入射
位置を可変とすることができる。また、このときのプリ
ズム8はウォラストンプリズム等の偏光性の光分割器で
あっても良い。ただし、この場合は、分割された光束同
志の偏光方向が異なるため、ウェハ20のレジストの偏
光特性を考慮して、その偏光特性は一方向に揃えた方が
よい。また、プリズム8の代わりに、複数の角度の異な
る反射面を持つ反射鏡を使用し、図3のように配置すれ
ば、駆動部材30aは不要となる。装置内にこのプリズ
ム等の交換機能を有していると良いことは言うまでもな
い。また、このようなプリズム等を使う場合もリレーレ
ンズ系9を省略してしまっても良い。
【0042】図6は、フライアイレンズの11の光源側
焦点面11a上に照明光を集中させる光学部材として、
複数のミラー8a、8b、8c、8dを用いた例であ
る。リレーレンズ系4を透過した照明光は1次ミラー8
b、8cにより2方向に分離されるように反射され、2
次ミラー8a、8dに導かれ、再び反射してフライアイ
レンズ11の光源側焦点面11aに達する。各ミラー8
a、8b、8c、8dに位置調整機構及び光軸AXの回
りの回転角度調整機構を設けておけば、この機構により
フライアイレンズ11の光源側焦点面11aでの照明光
量分布を任意に可変とすることができる。また各ミラー
8a、8b、8c、8dは、平面ミラーであっても、凸
面、或いは凹面ミラーであっても良い。また、図6に示
すとおり、ミラーに1度も反射されずに、リレーレンズ
4から直接フライアイレンズ11に入射する光束があっ
ても良い。
【0043】また、2次ミラー8a、8dとフライアイ
レンズ11の夫々の間に、レンズを設けても良い。図6
では1次ミラー8b、8c、2次ミラー8a、8d共に
2個ずつとしたが、数量はこれに限定されるものではな
く、レチクルパターン17に応じた光源側焦点面11a
に入射する所望の照明光に応じて適宜ミラーを配置すれ
ばよい。
【0044】また、必要に応じて全てのミラーを、照明
光束がミラーに当たらない位置まで、退避させる構成で
あるものとする。
【0045】また、フライアイレンズ11の光源側焦点
面11a上に照明光を集中させる光学部材は、前述の図
12の如く、フライアイレンズ光源側点面11a近傍に
設けられた、空間フィルター10に置換してもよいし、
図1から図6に示される各実施例と、図12に示した空
間フィルター10を組み合わせて使用しても良い。この
とき、空間フィルター10の開口部は1つでなくレチク
ルパターン17に応じた任意の数で良い。
【0046】図7は本発明の他の実施例による、投影型
露光装置の構成を示す図であって、ミラー14、コンデ
ンサーレンズ15、レチクル16、投影光学系18は図
1と同様である。また、フライアイレンズ11より光源
側は前述の図1から図6、或いは図12に示した実施例
の何れかとなっている。フライアイレンズ11のレチク
ル側焦点面11b近傍に任意の開口部(透過部、または
さらに半透過部)を有する空間フィルター12aが設け
られフライアイレンズ11から射出される照明光束を制
限する。
【0047】リレーレンズ13aに対するフライアイレ
ンズ11のレチクル側焦点面11bのフーリエ変換面は
レチクルパターン17と共役面となるので、ここに可変
視野絞り(レチクルブラインド)13dを設ける。そし
て再びリレーレンズ13bによりフーリエ変換され、フ
ライアイレンズ11のレチクル側焦点面11bの共役面
(フーリエ面)12bに到る。先の空間フィルター12
aはフーリエ面12bに設けても良い。フライアイレン
ズ11からの照明光束は、さらにコンデンサーレンズ1
3c、15、ミラー14によってレチクル16に導かれ
る。尚、フライアイレンズの11の光源側焦点面11a
上でレチクルパターン17に応じて決まる量だけ光軸か
ら偏心した位置に照明光を集中させる系であれば、空間
フィルターを光学部材12a又は12bの位置に設けな
くても全く問題ない。この場合でも、視野絞り(レチク
ルブラインド)13dの使用が可能である。
【0048】又、前述のフライアイレンズ11の光源側
焦点面11a上に照明光を集中させる光学部材からの照
明光は複数である例を示したが、1本の光束を光軸AX
から所定量偏心した位置に入射させてもよく、例えば図
4のファイバー7の射出部を1つとして、フライアイレ
ンズの11の光源側焦点面11a上に入射する光束を1
本としてもよい。
【0049】上記いずれの実施例においても、空間フィ
ルター10、12、12aの開口部1つあたりの径は、
その開口部を透過する照明光束のレチクル16に対する
開口数と投影光学系18のレチクル側開口数(NAR)
との比、所謂σ値が0.1〜0.3程度になるように設
定することが望ましい。σ値が0.1より小さいと、転
写像のパターン忠実度が劣化し、0.3より大きいと解
像度向上や、焦点深度増大の効果が弱くなってしまう。
【0050】また、フライアイレンズ11の光源側焦点
面11aに入射する照明光束の1つよって決まるσ値の
条件を満たすために、フライアイレンズ11のレチクル
側焦点面11b近傍の空間フィルター12aの代わり
に、前述のフライアイレンズ光源側焦点面11aに照明
光を集中させ、焦点面11a近傍での光量分布を可変と
する光学部材にσ値可変の機能を持たせても良い。例え
ば、フライアイレンズ11の光源側焦点面11aに空間
フィルター12を配置し、その開口の径により一光束あ
たりのσ値を決定しても良い。それと合わせて、投影光
学系18内の瞳(入射瞳もしくは射出瞳)19近傍に可
変開口絞り(NA制限絞り)を設けて投影系としてのN
Aやσ値をより最適化することも出来る。また、空間フ
ィルター12aには、フライアイレンズの11の光源側
焦点面11a上に照明光を集中させる光学部材より発生
する光束のうち、不必要な光束を遮光する効果もある。
また、特定の光束については開口部の透過率を下げ、ウ
ェハへ到達する光量を減じる効果もある。
【0051】また、レチクル16を照明する光束(1
本、又は複数本)は、投影光学系18の光軸AXに対し
て傾いてレチクル16に入射する。このとき、これらの
照明光束の光量重心方向が、光軸AXに対して傾いてい
ると、ウェハ20の微小なデフォーカス時に、転写像の
位置がウェハ面内方向にシフトするという問題が発生す
る。これを防止するために、フライアイレンズ11の光
源側焦点面11a上に分布する照明光束の光量重心の方
向はレチクルパターン17と垂直、すなわち光軸AXと
平行となるようにする。例えば、フライアイレンズの1
1の光源側焦点面11a上に照明光を集中させる光学部
材として空間フィルター10を用いる場合には、開口部
の位置(開口部が作る光量分布の重心の光軸AXからの
フーリエ変換面内での位置ベクトル)と、透過光量との
積のベクトル和(積分)が零になるようにする。フライ
アイレンズ11の光源側焦点面11a上に照明光を集中
させる光学部材として他の部材を使用する場合も同様で
あり、フライアイレンズ11の光源側焦点面11a内に
て、各開口部の光軸AXからのフーリエ変換面内での位
置ベクトルと、照明光量との積のベクトル和(積分)が
ほぼ零となるようにすればよい。尚、フライアイレンズ
11の光源側焦点面11a上に照明光を集中させる光学
部材として回折格子状パターン5を使用すると、この条
件は自動的に満たされる。上記照明光量分布の具体例と
しては、光束を2m(mは自然数)本として、そのうち
のm本の位置は任意とし、残るm本の位置は先のm本
と、夫々光軸AXについて対称となるようにすれば良
い。
【0052】フライアイレンズ11の光源側焦点面11
aでの照明光束(1本又は複数本)の入射位置(フライ
アイレンズ11の光源側焦点面11bでの2次光源像の
位置)は、転写すべきレチクルパターンに応じて決定
(変更)するのが良い。この場合の位置決定方法は作用
の項で述べたとおり、フライアイレンズ11からの照明
光束が転写すべきパターンの微細度(ピッチ)に対して
最適な解像度、及び焦点深度の向上効果を得られるよう
にレチクルパターンに入射する位置(入射角ψ)とすれ
ばよい。
【0053】次に、2次光源像の位置決定の具体例を、
図8、図9(A)、(B)、(C)、(D)を用いて説
明する。図8は、フライアイレンズ11のレチクル側焦
点面11bからレチクルパターン17までの部分を模式
的に表わす図であり、フライアイレンズ11のレチクル
側焦点面11bが、レチクルパターン17のフーリエ変
換面12cと一致している。また、このとき両者をフー
リエ変換の関係とならしめるレンズ、またはレンズ群
を、一枚のレンズ15として表わしてある。さらに、レ
ンズ15のフライアイレンズ側主点からフライアイレン
ズ11のレチクル側焦点面11bまでの距離と、レンズ
15のレチクル側主点からレチクルパターン17までの
距離は共にfであるとする。
【0054】図9(A)、(C)は共にレチクルパター
ン17中に形成される一部分のパターンの例を表わす図
であり、図9(B)は図9(A)のレチクルパターンの
場合に最適な2次光源像の、レチクルパターン17のフ
ーリエ変換面(又は投影光学系の瞳面)での位置を示
し、図9(D)は図9(C)のレチクルパターンの場合
に最適な2次光源像の位置(最適な2次光源像の中心位
置)を表わす図である。図9(A)は、いわゆる1次元
ラインアンドスペースパターンであって、透過部と遮光
部が等しい幅でY方向に帯状に並び、それらがX方向に
ピッチPで規則的に並んでいる。このとき、1つの2次
光源像の中心位置(1つの2次光源像が作る光量分布の
重心の最適位置)は図9(B)に示すようにフーリエ変
換面内に仮定したY方向の線分Lα上、または線分Lβ
上の任意の位置となる。図9(B)はレチクルパターン
17に対するフーリエ変換面12c(11b)を光軸A
X方向から見た図であり、かつ、面12c内の座標系
X、Yは、同一方向からレチクルパターン17を見た図
9(A)と同一にしてある。さて、図9(B)において
光軸AXが通る中心Cから、各線分Lα、Lβまでの距
離α、βはα=βであり、λを露光波長としたとき、α
=β=f・(1/2)・(λ/P)に等しい。この距離
α,βをf・sinψと表わせれば、sinψ=λ/2
Pであり、これは作用の項で述べた数値と一致してい
る。従って、複数の2次光源像を配置する場合、各2次
光源像の各中心(各2次光源像の光量分布の各重心)位
置が線分Lα、Lβ上にあれば、図9(A)に示す如き
ラインアンドスペースパターンに対して、各2次光源像
からの照明光により発生する0次回折光と±1次回折光
のうちのどちらか一方との2つの回折光は、投影光学系
18の瞳面19において光軸AXからほぼ等距離となる
位置を通る。従って、前述の如く、ラインアンドスペー
スパターン(図11(A))に対する焦点深度を最大と
することができ、かつ高解像度を得ることができる。
尚、ウェハ20のデフォーカスに伴う位置ずれ等を無視
するならば線分Lα、Lβ上に形成する2次光源像は1
つでもよい。
【0055】次に図9(C)は、レチクルパターンがい
わゆる孤立スペースパターンである場合であり、かつ、
パターンのX方向(横方向)ピッチがPx、Y方向(縦
方向)ピッチがPyとなっている。図9(D)はこの場
合の2次光源像の最適位置を表わす図であり、図9
(C)との位置、回転関係は図9(A),(B)の関係
と同じである。図9(C)の如き、2次元パターンに照
明光が入射すると、パターンの2次元方向の周期性
(X:Px、Y:Py)に応じた2次元方向に回折光が
発生する。図9(C)の如き2次元パターンにおいても
回折光中の0次回折光と±1次回折光のうちのいずれか
一方とが投影光学系瞳面19において光軸AXからほぼ
等距離となるようにすれば、焦点深度を最大とすること
ができる。図9(C)のパターンではX方向のピッチは
Pxであるから図9(D)に示す如く、α=β=f・
(1/2)・(λ/Px)となる線分Lα、Lβ上に各
2次光源像の各中心があれば、パターンのX方向成分に
ついて焦点深度を最大とすることができる。同様に、γ
=ε=f・(1/2)・(λ/Py)となる線分Lγ、
Lε上に各2次光源像の各中心があれば、パターンY方
向成分について焦点深度を最大とすることができる。
【0056】以上、図9(B)、又は(D)に示した各
位置に形成された2次光源像に対応する照明光束がレチ
クルパターン17に入射すると、0次光回折光成分Do
と、+1次回折光成分Dpまたは−1次回折光成分Dmの
いずれか一方とが、投影光学系18内の瞳面19では光
軸AXから等距離となる光路を通る。従って、作用の項
で述べたとおり、高解像及び大焦点深度の投影型露光装
置が実現できる。以上、レチクルパターン17として図
9(A)、又は(B)に示した2例のみを考えたが、他
のパターンであってもその周期性(微細度)に着目し、
そのパターンからの+1次回折光成分または−1次回折
光成分のいずれか一方と0次回折光成分との2光束が、
投影光学系内の瞳面19では光軸AXからほぼ等距離に
なる光路を通る様な位置に各光量分布を設定すればよ
い。また、図9(A)、(C)のパターン例は、ライン
部とスペース部の比(デューティ比)が1:1のパター
ンであった為、発生する回折光中では±1次回折光が強
くなる。このため、±1次回折光のうちの一方と0次回
折光との位置関係に着目したが、パターンがデューティ
比1:1から異なる場合等では他の回折光、例えば±2
次回折光のうちの一方と0次回折光との位置関係が、投
影光学系瞳面19において光軸AXからほぼ等距離とな
るようにしてもよい。
【0057】また、レチクルパターン17が図9(D)
の如く2次元の周期性パターンを含む場合、特定の1つ
の0次回折光成分に着目したとき、投影光学系の瞳面1
9上ではその1つの0次回折光成分を中心としてX方向
(第1方向)に分布する1次以上の高次回折光成分と、
Y方向(第2方向)に分布する1次以上の高次回折光成
分とが存在し得る。そこで、特定の1つの0次回折光成
分に対して2次元のパターンの結像を良好に行うものと
すると、第1方向に分布する高次回折光成分の1つと、
第2方向に分布する高次回折光成分の1つと、特定の0
次回折光成分との3つが、瞳面19上で光軸AXからほ
ぼ等距離に分布するように、特定の0次回折光成分の位
置を調節すればよい。例えば、図9(D)中でフライア
イレンズ中心位置を点Pζ、Pη、Pκ、Pμのいずれ
かと一致させるとよい。点Pζ、Pη、Pκ、Pμはい
ずれも線分LαまたはLβ(X方向の周期性について最
適な位置、すなわち0次回折光とX方向の±1次回折光
の一方とが投影光学系瞳面19上で光軸からほぼ等距離
となる位置)、及び線分Lγ、Lε(Y方向の周期性に
ついて最適な位置)の交点であるため、X方向、Y方向
のいずれのパターン方向についても最適な光源位置であ
る。
【0058】なお、以上において2次元パターンとして
レチクル上の同一箇所に2次元の方向性を有するパター
ンを仮定したが、同一レチクルパターン中の異なる位置
に異なる方向性を有する複数のパターンが存在する場合
にも上記の方法を適用することが出来る。レチクル上の
パターンが複数の方向性又は微細度を有している場合、
2次光源像の最適位置は、上述の様にパターンの各方向
性及び微細度に対応したものとなるが、或いは各最適位
置の平均位置に2次光源像を配置してもよい。また、こ
の平均位置は、パターンの微細度や重要度に応じた重み
を加味した荷重平均としてもよい。
【0059】以上の実施例において、光源は水銀ランプ
1を用いて説明したが、他の輝線ランプやレーザー(エ
キシマ等)、あるいは連続スペクトルの光源であっても
良い。また、照明光学系中の光学部材の大部分をレンズ
としたが、ミラー(凹面鏡、凸面鏡)であっても良い。
投影光学系としては屈折系であっても、反射系であって
も、あるいは反射屈折系であってもよい。また、実施例
として両側テレセントリック系を使用したが、片側テレ
セントリック系でも、非テレセントリック系でもよい。
【0060】また、光源から発生する照明光のうち、特
定の波長の光のみを利用する為に、照明光学系中に干渉
フィルター等の単色化手段を設けてもよい。また、フラ
イアイレンズ11の光源側焦点面11a近傍に、拡散板
や光ファイバー束等の光散乱部材を用いることで、照明
光の均一化を行なっても良い。あるいは本発明の実施例
で使用されたフライアイレンズ11とは別に、さらにフ
ライアイレンズ(以後、別フライアイレンズ)等のオプ
チカルインテグレーターを用いて、照明光の均一化を行
なっても良い。このとき別フライアイレンズは、上記フ
ライアイレンズ11の光源側焦点面11a近傍での照明
光量分布を可変とする光学部材、例えば図1,図2に示
した回折格子状パターン5、又は5aよりも光源(ラン
プ)1側であることが望ましい。
【0061】さらに、別フライアイレンズのレンズエレ
メントの断面形状は正方形(矩形)よりも正六角形にす
るのが望ましい。図10は本発明の各実施例に適用され
る投影露光装置のウェハステージ周りの構成を示し、投
影光学系18のウェハ20上での投影視野領域内に向け
て斜めにビーム100Aを照射し、その反射ビーム10
0Bを受光する斜入射式のオートフォーカスセンサーを
設ける。このフォーカスセンサーは、ウェハ20の表面
と投影光学系18の最良結像面との光軸AX方向のずれ
を検出するもので、そのずれが零となるように、ウェハ
20を載置するZステージ110のモータ112をサー
ボ制御する。これによってZステージ110はXYステ
ージ114に対して上下方向(光軸方向)に微動し、常
にベストフォーカス状態で露光が行なわれる。このよう
なフォーカス制御が可能な露光装置においては、そのZ
ステージ110を露光動作中に光軸方向に制御された速
度特性で移動させることで、さらに見かけ上の焦点深度
を拡大させることができる。この手法は、投影光学系1
8の像側(ウェハ側)がテレセントリックであれば、ど
のようなタイプのステッパーでも実現可能である。
【0062】図11(A)は、Zステージ110の露光
中の移動に伴ってレジスト層内に得られる光軸方向の光
量(dose)分布、或いは存在確率を表し、図11
(B)は図11(A)のような分布を得るためのZステ
ージ110の速度特性を表す。図11(A)、(B)と
も縦軸はZ(光軸)方向のウェハ位置を表し、図11
(A)の横軸は存在確率を表し,図11(B)の横軸は
Zステージ110の速度Vを表す。また同図中、位置Z
oはベストフォーカス位置である。
【0063】ここでは位置Zoから上下に投影光学系1
8の理論的な焦点深度±ΔDofだけ離れた2つの位置
+Z1、−Z1で存在確率をほぼ等しい極大値にし、そ
の間の位置+Z3〜−Z3の範囲では存在確率を小さな
値に押さえるようにした。そのために、Zステージ11
0は、照明系内部のシャッターの開放開始時の位置−Z
2で、低い速度V1で等速に上下へ移動し、シャッター
が全開になった直後に、高い速度V2まで加速する。速
度V2でZステージ110が等速に上下移動している
間、存在確率は低い値に押されられ、位置+Z3に達し
た時点でZステージ110は低い速度V1に向けて減速
を始め、位置+Z1で存在確率が極大値になる。このと
きほぼ同時にシャッターの閉成指令が出力され、位置+
Z2でシャッターが完全に閉じる。
【0064】このように、ウェハ20のレジスト層に与
えられる露光量の光軸方向に関する光量分布(存在確
率)を焦点深度の幅(2・ΔDof)程度だけ離れた2
点で極大値となるように、Zステージ110の速度を制
御すると、レジスト層に形成されるパターンのコントラ
ストは若干低下するものの、光軸方向の広い範囲に渡っ
て一様な解像力が得られる。
【0065】以上の累進焦点露光方法は、本発明の各実
施例に示したような特別な照明方式を採用した投影露光
装置でも全く同じように使用することができ、見かけ上
の焦点深度は、本発明の照明方式によって得られる拡大
分と、累積焦点露光方式によって得られる拡大分とのほ
ぼ積に応じた量だけ拡大される。しかも特別な照明方式
を採用していることから、解像力そのものも高くなる。
例えば、従来の1/5縮小のi線ステッパー(投影レン
ズのNA0.42)に位相シフトレチクルを組み合わせ
て露光できる最小線幅は0.3〜0.35μm程度であ
り、焦点深度の拡大率は最大40%程度である。これに
対して本発明のような特別な照明方式を同じi線ステッ
パーに組み込んで、普通のレチクルで実験したところ、
最小線幅は0.25〜0.3μm程度が得られ、焦点深
度の拡大率も位相シフトレチクルの使用時と同程度に得
られた。
【0066】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、回折光学
素子を用いて照明光学系の小型化を図ることができる。
また、例えば照明光学系内のマスクパターンに対するフ
ーリエ変換面上での照明光の光量分布を照明光学系の光
軸外で高めることで、高解像度かつ大焦点深度でパター
ンを基板上に転写することができるとともに、回折光学
素子を用いることで照明光の光量損失を大幅に低減する
ことが可能となっている。さらに、光源と照明光学系内
のオプチカルインテグレーとの間に回折光学素子を配置
すると、マスク上での照度均一性の低下を防止すること
ができる。
【0067】また、回折光学素子の交換、あるいはズー
ムレンズ系などによって、基板上に転写すべきパターン
に応じて前述の光量分布を変更する、例えば照明光学系
の光軸外で光量分布が高められる所定領域の照明光学系
の光軸との距離を可変とするので、基板上に転写すべき
パターンを最適な光量分布を持つ照明光(最適な2次光
源からの光)で照明することができ、高解像度かつ大焦
点深度でパターンを基板上に転写することが可能となっ
ている。
【0068】なお、回折格子状パターンや光ファイバー
等のフライアイレンズ11の光源側焦点面11a上に照
明光を集中させる光学部材により、フライアイレンズ光
源側焦点面近傍に入射する照明光束を可変とすることに
よりフライアイレンズのレチクル側焦点面、即ち、レチ
クルパターンのフーリエ変換面での2次光源像を可変と
できる。従って、レチクルパターンに対する照明光の入
射角をレチクルパターンに応じて可変とでき、従来のレ
チクルを使用して、高い解像度と、深い焦点深度が得ら
れる投影露光装置を実現できる。また、フライアイレン
ズの11の光源側焦点面11a上に照明光を集中させる
光学部材はフライアイレンズより光源側に配置される
為、レチクル上の照度ムラ等の性能には影響を与えない
という利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による投影型露光装置の
構成を示す図である。
【図2】照明光量分布を作成するための光学部材の第1
の変形例を示す図である。
【図3】照明光量分布を作成するための光学部材の第1
の変形例を示す図である。
【図4】照明光量分布を作成するための光学部材の第1
の変形例を示す図である。
【図5】照明光量分布を作成するための光学部材の第1
の変形例を示す図である。
【図6】照明光量分布を作成するための光学部材の第1
の変形例を示す図である。
【図7】図1の装置にレチクルブラインドを組み込んだ
ときの照明系を示す図である。
【図8】フライアイレンズ群から投影光学系までの光路
を模式的に表した図である。
【図9】(A)、(C)はマスク上に形成されたレチク
ルパターンの一例を示す平面図で、(B)、(D)は
(A)、(C)の夫々に対応した瞳共役面における各フ
ライアイレンズ群の配置を説明する図である。
【図10】投影型露光装置のウェハステージ回りの構成
を示す図である。
【図11】ウェハステージのうちのZステージを用いて
累進焦点露光方法を実行する際の露光量の存在確率と、
Zステージの速度特性とを示すグラフである。
【図12】本発明の原理を説明する図である。
【図13】従来の投影型露光装置の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
5 回折格子状パターン(光学部材) 9 レンズ系 10、12、12a 空間フィルター 15 主コンデンサーレンズ 16 レチクル 17 レチクルパターン 18 投影光学系 19 瞳 20 ウェハ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月27日(1999.12.
27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、光源(1)か
らの照明光をマスク(16)に照射する照明光学系と、
照明光を基板上に投射する投影光学系(20)とを備
え、照明光の照射によってマスクのパターン(17)を
基板上に転写する投影露光装置に関するものである。そ
して、本発明の投影露光装置では、照明光学系内のパタ
ーンに対するフーリエ変換面(投影光学系18の瞳面1
9とほぼ共役な面)上での照明光の光量分布を照明光学
系の光軸外で高める(換言すれば、照明光学系の光軸外
に2次光源を形成する)ために、光源からの照明光を入
射して回折光を発生する回折光学素子(5又は5A)を
設けることとした。このため、照明光学系を小型化でき
るとともに、高解像度かつ大焦点深度でパターンを基板
上に転写することができ、かつ照明光の光量損失を大幅
に低減することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】また、回折光学素子は光源と照明光学系内
のオプチカルインテグレー(11)との間に配置され
ることが望ましい。この場合、マスク上での照度均一性
の低下を防止することができる。さらに、回折光学素子
は照明光学系の光軸(AX)と異なる方向に進む回折光
(例えば±1次回折光など)を発生することが望まし
い。この場合、特に前述の光量分布を照明光学系の光軸
外で高めるときに照明光の光量損失を最小限に抑えるこ
とができる。また、回折光学素子は互いに異なる方向に
進む複数の回折光(例えば±1次回折光など)を発生す
ることが望ましい。この場合、特に前述の光量分布を照
明光学系の光軸外の複数の領域で高めるときに照明光の
光量損失を最小限に抑えることができる。なお、回折光
学素子は0次回折光の発生が抑えられる位相型であって
もよいし、あるいは回折光学素子から発生する0次回折
光をカットする遮光部材を設けるようにしてもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】また、本発明による投影露光装置を用いた
素子製造方法では、回路パターン形成のフォトリソグラ
フィ工程で微細な半導体素子などを製造することができ
る。さらに、本発明による投影露光方法は、照明光学系
を通して光源(1)からの照明光をマスク(16)に照
射するとともに、投影光学系(18)を介して照明光で
基板(20)を露光するものである。そして、照明光学
系内のマスクパターン(17)に対するフーリエ変換面
(投影光学系18の瞳面19とほぼ共役な面)上での照
明光の光量分布を照明光学系の光軸外で高める(換言す
れば、照明光学系の光軸外に2次光源を形成する)ため
に、光源からの照明光を入射して回折光を発生する回折
光学素子(5又は5A)を照明光学系内に配置すること
とした。このため、照明光学系を小型化できるととも
に、高解像度かつ大焦点深度でパターンを基板上に転写
することができ、かつ照明光の光量損失を大幅に低減す
ることができる。

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの照明光をマスクに照射する照
    明光学系と、前記照明光を基板上に投射する投影光学系
    とを備え、前記照明光の照射によって前記マスクのパタ
    ーンを前記基板上に転写する投影露光装置において、 前記照明光学系内に配置され、前記光源からの照明光を
    入射して回折光を発生する回折光学素子を備えたことを
    特徴とする投影露光装置。
  2. 【請求項2】 前記回折光学素子は、前記光源と前記照
    明光学系内のオプチカルインテグレータとの間に配置さ
    れることを特徴とする請求項1に記載の投影露光装置。
  3. 【請求項3】 前記回折光学素子は、前記照明光学系の
    光軸と異なる方向に進む回折光を発生することを特徴と
    する請求項1又は2に記載の投影露光装置。
  4. 【請求項4】 前記回折光学素子は互いに異なる方向に
    進む複数の回折光を発生することを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  5. 【請求項5】 前記回折光学素子は0次回折光の発生が
    抑えられる位相型であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  6. 【請求項6】 前記回折光学素子から発生する0次回折
    光をカットする遮光部材を備えたことを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  7. 【請求項7】 前記遮光部材は、前記回折光学素子と前
    記照明光学系内のオプチカルインテグレータとの間に配
    置されることを特徴とする請求項6に記載の投影露光装
    置。
  8. 【請求項8】 前記回折光の集光位置を可変とする変更
    手段を更に備えたことを特徴とする請求項1〜7のいず
    れか一項に記載の投影露光装置。
  9. 【請求項9】 前記変更手段は、前記回折光学素子の交
    換によって前記集光位置を可変とすることを特徴とする
    請求項8に記載の投影露光装置。
  10. 【請求項10】 前記変更手段は、前記回折光学素子と
    前記照明光学系内のオプチカルインテグレータとの間に
    配置されるズームレンズ系を有することを特徴とする請
    求項8又は9に記載の投影露光装置。
  11. 【請求項11】 前記回折光学素子は、前記照明光学系
    内の前記パターンに対するフーリエ変換面上での前記照
    明光の光量分布を前記照明光学系の光軸外で高めるため
    に用いられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    一項に記載の投影露光装置。
  12. 【請求項12】 前記基板上に転写すべきパターンに応
    じて前記光量分布を変更する変更手段を更に備えたこと
    を特徴とする請求項11に記載の投影露光装置。
  13. 【請求項13】 前記変更手段は、前記回折光学素子の
    交換によって前記光量分布を変更することを特徴とする
    請求項12に記載の投影露光装置。
  14. 【請求項14】 前記変更手段は、前記回折光学素子と
    前記照明光学系内のオプチカルインテグレータとの間に
    配置されるズームレンズ系を有することを特徴とする請
    求項12又は13に記載の投影露光装置。
  15. 【請求項15】 前記変更手段は、前記光軸外で前記光
    量分布が高められる所定領域の前記照明光学系の光軸と
    の距離を可変とすることを特徴とする請求項12〜14
    に記載の投影露光装置。
  16. 【請求項16】 前記パターンは少なくとも第1方向に
    沿って延び、前記光軸外で前記光量分布が高められる所
    定領域は、前記フーリエ変換面上で前記照明光学系の光
    軸と交差し、かつ前記第1方向に沿って規定される第1
    軸によって区切られる領域内に設定されることを特徴と
    する請求項11〜15のいずれか一項に記載の投影露光
    装置。
  17. 【請求項17】 前記パターンは前記第1方向と直交す
    る第2方向に沿って延び、前記所定領域は、前記第1軸
    と、前記照明光学系の光軸で前記第1軸と直交し、かつ
    前記第2方向に沿って規定される第2軸とによって区切
    られる領域内に設定されることを特徴とする請求項16
    に記載の投影露光装置。
  18. 【請求項18】 前記所定領域は、前記照明光学系の光
    軸との距離がほぼ等しく、かつ前記第1及び第2軸によ
    って区切られる4つの領域内にそれぞれ設定されること
    を特徴とする請求項17に記載の投影露光装置。
  19. 【請求項19】 前記光軸外で前記光量分布が高められ
    る所定領域は、前記照明光学系の光軸との距離がほぼ等
    しい複数の領域内にそれぞれ設定されることを特徴とす
    る請求項11〜17のいずれか一項に記載の投影露光装
    置。
  20. 【請求項20】 前記複数の領域は、前記パターンから
    発生する±n次回折光の一方と0次回折光とが前記投影
    光学系の瞳面上でその光軸からほぼ等距離に分布するよ
    うに配置されるm個の第1領域と、前記照明光学系の光
    軸に関して前記m個の第1領域とほぼ対称に配置される
    m個の第2領域とを含むことを特徴とする請求項19に
    記載の投影露光装置。
  21. 【請求項21】 前記光軸外で前記光量分布が高められ
    る所定領域から射出される光の照射によって前記パター
    ンから発生する次数が異なる2つの回折光が、前記投影
    光学系の瞳面上でその光軸からの距離がほぼ等しい位置
    を通過するように、前記所定領域の位置を決定すること
    を特徴とする請求項11〜19のいずれか一項に記載の
    投影露光装置。
  22. 【請求項22】 前記2つの回折光は±n次回折光の一
    方と0次回折光とであることを特徴とする請求項21に
    記載の投影露光装置。
  23. 【請求項23】 前記所定領域から射出される光の前記
    マスクへの入射角をψ、前記パターンから発生する±n
    次回折光の回折角をθ、前記投影光学系のマスク側開口
    数をNARとすると、前記±n次回折光の一方でsin
    (θ−ψ)=NARなる関係が満たされるように、前記各
    領域の位置を決定することを特徴とする請求項21又は
    22に記載の投影露光装置。
  24. 【請求項24】 前記一方の回折光は、前記投影光学系
    の光軸に関して前記パターンから発生する0次回折光と
    ほぼ対称になることを特徴とする請求項23に記載の投
    影露光装置。
  25. 【請求項25】 前記照明光の波長をλ、前記パターン
    のピッチをPとし、前記所定領域から射出される光の前
    記マスクへの入射角ψがsinψ=λ/2Pなる関係を
    満たすように、前記所定領域の位置を決定することを特
    徴とする請求項21〜24のいずれか一項に記載の投影
    露光装置。
  26. 【請求項26】 前記パターンが互いに交差する第1及
    び第2方向に沿って延びるとき、前記所定領域から射出
    される光の照射によって前記パターンから発生する0次
    回折光、前記0次回折光を中心として前記第1方向に分
    布する高次回折光の1つ、及び前記0次回折光を中心と
    して前記第2方向に分布する高次回折光の1つが、前記
    投影光学系の瞳面上でその光軸からほぼ等距離に分布す
    るように、前記所定領域の位置を決定することを特徴と
    する請求項21〜25のいずれか一項に記載の投影露光
    装置。
  27. 【請求項27】 前記第1及び第2方向にそれぞれ分布
    する高次回折光の1つは次数が等しいことを特徴とする
    請求項26に記載の投影露光装置。
  28. 【請求項28】前記所定領域から射出される光の開口数
    と前記投影光学系のマスク側開口数との比を0.1〜
    0.3程度に設定することを特徴とする請求項21〜2
    7のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  29. 【請求項29】前記照明光による前記基板の露光中に、
    前記基板と前記投影光学系の像面とをその光軸に沿った
    方向に相対移動する手段を更に備えることを特徴とする
    請求項1〜28のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  30. 【請求項30】請求項1〜30のいずれか一項に記載の
    投影露光装置を用いた素子製造方法。
  31. 【請求項31】照明光学系を通して光源からの照明光を
    マスクに照射するとともに、投影光学系を介して前記照
    明光で基板を露光する投影露光方法において、前記光源
    からの照明光を入射して回折光を発生する回折光学素子
    を前記照明光学系内に配置し、前記回折光で前記マスク
    を照明することを特徴とする投影露光方法。
  32. 【請求項32】 前記照明光学系内の前記パターンに対
    するフーリエ変換面上での前記照明光の光量分布を前記
    照明光学系の光軸外で高めるために、前記照明光学系の
    光軸と異なる方向に前記回折光を発生させることを特徴
    とする請求項31に記載の投影露光方法。
  33. 【請求項33】 前記基板上に転写すべきパターンに応
    じて前記光量分布を変更するときに前記回折光学素子の
    交換を行うことを特徴とする請求項32に記載の投影露
    光方法。
  34. 【請求項34】 前記回折光学素子からの0次回折光の
    発生を抑えることを特徴とする請求項31〜33のいず
    れか一項に記載の投影露光方法。
  35. 【請求項35】 前記回折光学素子は、前記光源と前記
    照明光学系内のオプチカルインテグレータとの間に配置
    されることを特徴とする請求項31〜34のいずれか一
    項に記載の投影露光方法。
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