JP2000149772A - プラズマディスプレイパネルの製造方法、プラズマディスプレイパネル及びプラズマディスプレイパネル用基板 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの製造方法、プラズマディスプレイパネル及びプラズマディスプレイパネル用基板

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JP2000149772A
JP2000149772A JP31305398A JP31305398A JP2000149772A JP 2000149772 A JP2000149772 A JP 2000149772A JP 31305398 A JP31305398 A JP 31305398A JP 31305398 A JP31305398 A JP 31305398A JP 2000149772 A JP2000149772 A JP 2000149772A
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Yoshinobu Hirokado
栄信 廣門
Shinichiro Nagano
眞一郎 永野
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バリアリブの折損に起因する画素欠陥の発生
を低減したPDPを、対を成す前面パネル及び背面パネ
ルの組み合わせの管理をすることなく製造する。 【解決手段】 グレーズ層10の表面10S1上であっ
て隣接する書き込み電極6間の各領域上の部分に、スク
リーン印刷法を用いて低融点ガラスペーストを印刷して
焼成する。バリアリブベース部72の上面72T上に、
バインダー中にガラス粉体73を分散させた低融点ガラ
スペーストをスクリーン印刷法を用いて印刷する。その
後、ガラス粉体73の軟化点よりも40゜C以上低く且
つ上記ペーストを脱バインダー状態としうる温度以上の
温度で以て、印刷されたペーストを半焼結状態に焼成し
てバリアリブ頂部71を形成する。バリアリブ頂部71
にカソード膜4上の突起が当接しても、ガラス粉体73
が細粒化して蛍光体層8中に留まるので、バリアリブの
折損片に起因する画素欠陥の発生を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はプラズマディスプ
レイパネル(以下、「PDP」とも呼ぶ)の構造及びそ
の製造方法に関するものであり、特に、PDPのバリア
リブの折損に起因する放電発光の不都合(以下、「画素
欠陥」と呼ぶ)の発生を低減するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】図16は、一般的な従来の交流面放電型
プラズマディスプレイパネル(以下、「AC−PDP」
とも呼ぶ)の構造を示す分解斜視図である。
【0003】図16に示すように、従来のAC−PDP
151(以下、単に「PDP151」とも呼ぶ)では、
前面パネル151Fと背面パネル151Rとがカソード
膜104とバリアリブ107の頂部とが当接するように
配置されて、放電空間151Sを形成している。前面パ
ネル151Fと背面パネル151Rとは、図示しない周
縁部において封着されており、放電空間151S内にN
e−Xe混合ガスやHe−Xe混合ガス等の放電用ガス
が封入されている。
【0004】前面パネル151Fにおいて、表示面を成
す前面ガラス基板105の放電空間151S側の表面上
に複数の透明電極101が互いに平行にストライプ状に
形成されている。当該透明電極101は隣接する2本が
対を成し、かかる一対の透明電極101で以て1本の走
査線を形成している。図16に示すように、n番目の走
査線を成す2本の(1対の)透明電極101をそれぞれ
「放電維持電極Xn」,「放電維持電極Yn」とも呼
ぶ。また、図16に示すように、透明電極101の放電
空間151S側の表面上に、透明電極101の導電性を
補って同電極101に電圧を供給するための金属材料か
ら成るバス電極102が形成される場合には、上記透明
電極101と当該バス電極102とを総称して「放電維
持電極Xn又はYn」とも呼ぶ。なお、バス電極102
は、透明電極101に沿うように、透明電極101上の
一部であって隣接する走査線の側に形成されている。更
に、透明電極101及びバス電極102を被覆するよう
に、前面ガラス基板105の上記表面の全面に亘って誘
電体層103が形成されており、当該誘電体層103の
放電空間151S側の表面上に、放電の際にカソードと
して機能するMgO蒸着膜ないしはカソード膜104が
形成されている。
【0005】他方、背面パネル151Rにおいて、背面
ガラス基板109の放電空間151S側の表面上に、放
電維持電極Xn及びYnと直交する方向に書き込み電極
106が延長形成されており、当該書き込み電極106
を覆うように背面ガラス基板109の上記表面の全面に
亘って誘電体より成るグレーズ層110が形成されてい
る。そして、隣接する書き込み電極106間の領域に位
置するグレーズ層110の放電空間151S側の表面上
にバリアリブ107が形成されている。更に、隣接する
バリアリブ107の対面する側壁面上及び当該隣接する
バリアリブ107に挟まれたグレーズ層110の上記表
面上に蛍光体層が形成されており、かかる蛍光体層はそ
れぞれが赤色,緑色,青色の各蛍光色を発する蛍光体層
108R,108G,108B(これらを総称して「蛍
光体層108」とも呼ぶ)より成る。
【0006】PDP151では、一対の放電維持電極X
nとYnとによって構成されるn番目の走査線と書き込
み電極106とが立体交差する各点が1個の放電セルな
いしは画素を形成しており、当該画素がマトリクス状に
多数配列されてPDP151の画面を構成している。
【0007】図16のPDP151は以下のように製造
される。即ち、前面パネル151Fと背面パネル151
Rとをそれぞれ別途に製造して準備する。そして、両パ
ネル151F,151Rの貼り合わせ工程において、透
明電極101及びバス電極102と書き込み電極106
とが垂直になるように両パネル151F,151Rを配
置して、アライメント処理を行う。その後に、カソード
膜104の表面とバリアリブ107の頂部とを当接さ
せ、かかる状態を保持したまま低融点ガラスペーストで
以て周縁部を封着する。そして、両パネル151F,1
51R間の内部を真空排気した後に放電用ガスを封入す
ることによって、PDP151が完成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】既述のように、図16
のPDP151の製造方法では、貼り合わせ工程におい
て、バリアリブ107とカソード膜104とが当接する
ように配置されて、前面パネル151Fと背面パネル1
51Rとが貼り合わされる。このため、図16中の矢印
A1の方向からPDP151を見た図に相当する図17
に示すように、前面パネル151Fの製造工程において
異物121が混入し、且つ、異物121の位置とバリア
リブ107の配置位置とが合致した場合には、異物12
1によってバリアリブ107が折損してしまうという問
題点(問題点(i))がある。バリアリブ107の高さ
は100μm〜200μm程度であり、バリアリブ10
7の幅より大きいか、等しい位の寸法である。一般的
に、そのような形状の構造物は局所的な一点集中型の圧
力に対して弱い。このため、貼り合わされた両パネル1
51F,151R間の内部を真空排気する際に、外気と
の圧力差に起因してバリアリブ107の頂部とカソード
膜104の表面との間に大きな押圧が加えられた場合に
は、小さな異物であってもバリアリブ107の折損が生
じてしまう。なお、図17では、バリアリブ107上に
形成された蛍光体108を伴ったバリアリブ折損片(以
下、単に「折損片」とも呼ぶ)123を図示しており、
符号122はバリアリブ107が折損した痕(以下、
「折損痕」と呼ぶ)122を示している。
【0009】なお、図17では前面パネル151F側に
異物が混入した状態を図示しているが、背面パネル15
1Rのバリアリブ107(の頂部)にも異物は混入しう
る。
【0010】折損したバリアリブ107は、以下
(a),(b)の作用によって放電発光時の画素欠陥を
引き起こすという問題点(問題点(ii))を惹起して
しまう。即ち、 (a)折損したバリアリブ107は隣接する放電空間1
51Sを区画する機能が低下しているので、当該バリア
リブ107ないしは折損痕122を介して隣接する両放
電空間151Sでの放電の相互干渉が強くなってしま
う。
【0011】(b)折損片123が、放電空間151S
内において物理的あるいは電気的な障害物として作用す
る。
【0012】かかる画素欠陥の発生を抑制するために
は、折損片123を生じさせない、即ち、異物121の
混入を防止するという対策が考えられる。しかしなが
ら、PDPのような大面積の構造物に対して異物の混入
を全く無くすることは非常に困難である。
【0013】しかも、バリアリブ107の折損は、図1
7の異物121以外によっても生じうる。例えばバリア
リブ107の構成材料自体や製造方法に起因してバリア
リブ107の頂部に突起が形成される場合がある。同様
に、前面パネル151F側の誘電体層103の表面に
は、ペースト材料自体に起因したサブミクロンから数ミ
クロン程度の細かい突起が無数に現れる。また、焼結の
過程で上記ペースト材料中に異物が混入すると、数十ミ
クロン程度の突起が発生する場合もある。そのような突
起を有する表面状態の誘電体層103上に薄膜であるカ
ソード膜104を形成した場合には、当該カソード膜1
04の表面状態は誘電体層103の表面突起を忠実に再
現したものになる。
【0014】このような突起に起因するバリアリブの折
損を抑制するためには、かかる突起を研磨して除去し
て、バリアリブの高さの均一化を図るという対策が考え
られる。しかしながら、大面積の前面パネル又は背面パ
ネルの全面に亘って高い精度で一様に研磨する必要があ
り、これは、非常に困難である。しかも、それを達成で
きずに局所的に突出した部分が存在する場合には、その
ような部分においてバリアリブ107の折損が発生して
しまう。
【0015】また、バリアリブの高さを均一化して、一
点集中的な荷重がバリアリブに働かないようにするため
の他の対策として、特開平6−267423号公報に提
案される先行技術がある。かかる先行技術では、バリア
リブをバリアリブベース部と当該バリアリブベース部の
頂部を覆うレベリング層とで以て構成する。更に、上記
公報には、バリアリブベース部を背面ガラス基板の表面
上に形成し、当該バリアリブベースの頂部にレベリング
層となる微粉末体を混在したレベリング層用ペーストを
印刷して乾燥させた後に、前面ガラス基板ないしは前面
パネルを重ね、乾燥状態のレベリング層用ペーストを押
圧することによってバリアリブベース部の高さのバラツ
キをレベリングし、次いでレベリングされた状態のまま
で焼成するというPDPの製造方法が開示されている。
かかる先行技術によれば、半乾き状態のレベリング層が
前面パネルの表面との当接によって変形してバリアリブ
ベース部と上記表面との間の隙間を埋めることによっ
て、高さが均一なバリアリブを形成する。当該先行技術
は元々バリアリブの頂部と前面パネルの上記表面との間
に生じる隙間に起因する放電の不安定性を取り除くため
の技術であるが、高さが均一化されたバリアリブを形成
可能であるという観点からは、その高さのバラツキに起
因するバリアリブの折損防止技術と解することができ
る。また、前面パネルの表面凸部に起因するバリアリブ
の折損を防止することも可能である考えられる。
【0016】しかしながら、当該先行技術では、半乾き
状態のレベリング層用ペースト(及びレベリング層用ペ
ーストの塗布後に印刷された蛍光体ペースト)の脱バイ
ンダー処理ないしは焼結処理を、背面パネルと前面パネ
ルとの貼り合わせ工程ないしは封止工程後に実施する。
このため、上記ペースト中の樹脂の燃焼に必要な酸素の
供給が非常に困難である。しかも、レベリング層の変形
によってバリアリブベース部と前面パネルの表面とは隙
間無く密着しているため、貼り合わされた両パネルが成
す空間(完成したPDPにおける放電空間に相当)内に
充満する上記ペースト中の揮発成分の気化ガスを上記空
間内から排気することも難しい。更に、上記気化ガスに
よってカソード膜(MgO膜)が汚染されてしまうとい
う別途の問題を包含している。このように、先行技術に
係るバリアリブの折損防止技術は、PDPの製造工程と
して到底採用することができないものと考えられる。
【0017】本発明は、上述の問題点(i)及び(i
i)に鑑みてなされたものであり、バリアリブの折損が
生じた場合であっても放電空間内にその折損片が残留し
ないPDPの製造方法を提供することを第1の目的とす
る。
【0018】更に、そのような製造方法によって製造さ
れて、バリアリブの折損片に起因する画素欠陥を有さな
いPDPを提供することを第2の目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】(1)請求項1に記載の
発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法は、
第1基板を有し、その表面が放電空間と接する第1パネ
ルと、第2基板の表面上に形成された所定の形状のバリ
アリブと前記バリアリブの側壁面上の少なくとも一部に
形成された蛍光体層とを有し、前記第1パネルの前記表
面と前記バリアリブの頂部とが当接するように配置され
て、且つ、その周縁部において前記第1パネルと封着さ
れて前記放電空間を形成する第2パネルとを備えるプラ
ズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記バリ
アリブの形成工程は、前記第2基板の前記表面上に第1
ガラス材料が樹脂中に分散された第1ペースト状材料を
配置する工程と、前記第1ペースト状材料を全焼結状態
に焼成する工程と、前記配置された第1ペースト状材料
を母材とする部分の上面上に、第2ガラス材料が樹脂中
に分散された第2ペースト状材料を配置する工程と、前
記第2ペースト状材料を半焼結状態に焼成する工程とを
備えることを特徴とする。
【0020】(2)請求項2に記載の発明に係るプラズ
マディスプレイパネルの製造方法は、請求項1に記載の
プラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記
第1ペースト状材料の前記配置工程に引き続いて、前記
第1ペースト状材料の前記焼成工程を実施し、その後に
前記第2ペースト状材料の前記配置工程を実施し、続い
て前記第2ペースト状材料の前記焼成工程を実施し、そ
の後に、前記バリアリブの前記側壁面上に前記蛍光体層
を形成することを特徴とする。
【0021】(3)請求項3に記載の発明に係るプラズ
マディスプレイパネルの製造方法は、請求項1に記載の
プラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記
第2ガラス材料の軟化点は前記第1ガラス材料の軟化点
よりも高く、前記第1ペースト状材料の前記配置工程に
引き続いて、前記第2ペースト状材料の前記配置工程を
実施し、その後に前記第2ガラス材料の前記軟化点より
も低く且つ前記第1ガラス材料の前記軟化点よりも高い
温度で以て前記第1及び第2ペースト状材料の双方の前
記焼成工程を一括して行い、その後に、前記バリアリブ
の前記側壁面上に前記蛍光体層を形成することを特徴と
する。
【0022】(4)請求項4に記載の発明に係るプラズ
マディスプレイパネルの製造方法は、請求項1に記載の
プラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記
第1ペースト状材料の前記配置工程に引き続いて、前記
第1ペースト状材料の前記焼成工程を実施し、その後に
前記焼結された第1ペースト状材料の側壁面上に蛍光体
ペーストを配置し、続いて前記第2ペースト状材料の前
記配置工程を実施し、その後に前記第2ペースト状材料
の前記焼成工程及び前記蛍光体ペーストの焼成工程を一
括して実施することを特徴とする。
【0023】(5)請求項5に記載の発明に係るプラズ
マディスプレイパネルの製造方法は、請求項1乃至4の
いずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方
法であって、前記第2ペースト状材料の焼成温度は、前
記第2ガラス材料の軟化点よりも40度以上低い温度で
あって、且つ、前記第2ペースト状材料中の前記樹脂を
揮発させて除去しうる温度であることを特徴とする。
【0024】(6)請求項6に記載の発明に係るプラズ
マディスプレイパネルは、請求項1乃至5のいずれかに
記載の前記プラズマディスプレイパネルの製造方法で製
造されたことを特徴とする。
【0025】(7)請求項7に記載の発明に係るプラズ
マディスプレイパネル用基板は、その表面上に形成され
た下地層と、前記下地層の表面上の所定の位置に第1ガ
ラス材料を樹脂に分散させた第1ペースト状材料の焼成
により形成されたバリアリブベース部と、前記バリアリ
ブベース部の上面上に、第2ガラス材料を樹脂に分散さ
せた第2ペースト状材料の焼成により形成され、且つ、
前記バリアリブベース部の焼結状態よりも弱い物理的強
度を有するバリアリブ頂部とを備えることを特徴とす
る。
【0026】(8)請求項8に記載の発明に係るプラズ
マディスプレイパネル用基板は、請求項7に記載のプラ
ズマディスプレイパネル用基板であって、少なくともバ
リアリブベース部及びバリアリブ頂部の両側壁面上に形
成された蛍光体層を更に備えることを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を説明する
前に、その前提となる技術について説明し、その後に、
この前提技術と比較する形で本発明の実施の形態を説明
する。
【0028】(前提技術)図1は、前提技術としてのA
C−PDP251(以下、単に「PDP251」とも呼
ぶ)の構造を示す縦断面図である。なお、前提技術に係
るPDP251の構造は基本的に図16又は図17の従
来のAC−PDP151と同様であるので、当該PDP
251の説明において図16又は図17中の同等の構成
要素には同図16又は図17中の符号を用い、その詳細
な説明はAC−PDP151の説明を援用するに留め
る。
【0029】図1に示すように、PDP251では、異
物121によってバリアリブ107及び蛍光体層108
に折損が生じた場合であっても(図1中の折損痕122
を有するバリアリブ107参照)、従来のPDP151
とは異なり、放電空間151S内にバリアリブの折損片
123が存在しない。このため、バリアリブの折損片1
23に起因する画素欠陥が発生することがない。以下
に、かかる効果を発揮しうる、前提技術としての製造方
法を説明する。
【0030】前提技術としてのPDP251の製造方法
では、従来の製造方法における前面パネル151Fと背
面パネル151Rとの貼り合わせ工程前に、以下の製造
工程〜が実施される。即ち、 まず、後の貼り合わせ工程において組み合わされる予
定の前面パネル151Fと背面パネル151Rとを準備
して、両パネル151F,151Rを用いて貼り合わせ
工程と同様のアライメントを行う。
【0031】上記工程に引き続いて、前面パネル1
51Fのカソード膜104の表面(以下、「前面パネル
151Fの表面」とも表現する)と背面パネル151R
のバリアリブ107の頂部とを当接させて、後の貼り合
わせ工程以降(完成したPDPも含む)において当該当
接箇所に作用する押圧が生じるように、両パネル151
F,151R間に圧力を加える。かかる加圧によって、
上記当接部分の内で例えば図1の異物121によって一
点集中的な押圧が加えられる部分のバリアリブ107に
積極的に折損を生じさせる。その後に、両パネル151
F,151Rとを一旦引き離す。
【0032】上記工程の後に、上記工程で生じた
バリアリブの折損片123(図17参照)を前面パネル
151Fの表面又は背面パネル151Rのバリアリブ1
07が形成されている側の表面(以下、「背面パネル1
51Rの表面」とも表現する)から除去する(クリーニ
ング工程)。
【0033】このように、前提技術に係る製造方法によ
れば、上記製造工程〜(以下、「仮組み工程」とも
呼ぶ)において予めに発生させた折損片123をクリー
ニング工程において除去した後に、当該1組を成す両
パネル151F,151Rを貼り合わせるため、図1に
示すように、放電空間151S内に折損片123(図1
7参照)を有することがない。その結果として、折損片
123に起因する画素欠陥が大幅に抑制されたPDP2
51を得ることができる(問題点(i)及び(ii)の
解決)。
【0034】なお、以上の説明では、図1に示すよう
に、異物121に起因するバリアリブ107の折損を一
例として挙げたが、例えば構成材料自体や製造方法に起
因して形成された、前面パネル151F上のカソード膜
104や誘電体層103の表面の突起ないしは凸部ある
いはバリアリブ107の頂部の突起によっても、バリア
リブ107の折損は生じうる。むしろ、実際に生じるバ
リアリブ107の折損は、上述の異物121の場合より
も、上述のカソード膜104等に形成される突起ないし
は凸部による折損の方が多い。かかる場合であっても、
前提技術としての製造工程〜はバリアリブの折損片
の除去に非常に有効である。
【0035】なお、以下の説明において、上述の工程
〜より成る仮組み工程に対して、最終的に前面パネル
151Fと背面パネル151Rとに対してアライメント
を実行し、両パネル151F,151Rを貼り合わせる
(封着する)という従来の貼り合わせ工程を「本組み工
程」とも呼ぶ。
【0036】また、仮組み工程及びクリーニング工程
は、本組み工程に先駆けて行われ、バリアリブ107の
内で本組み工程以降に折損が生じる確率が高い箇所ない
し折損が生じ易い箇所を本組み工程前に積極的に除去す
る工程であるため、仮組み工程及びクリーニング工程を
「(バリアリブ107の)折損の先取り処理」と表現し
ても良い。
【0037】さて、前提技術としての製造方法では、仮
組み工程において組み合わされた前面パネル151F及
び背面パネル151Rを記録・管理しておき、その後の
本組み工程において、その組合わせを再現しなければな
らない。このため、従来の製造方法と比較して、そのよ
うな生産管理を新たに行う必要性が生じる(問題点(i
ii))。
【0038】更に、仮組み工程から本組み工程に至るま
での間の製造工程中に前面パネル151F又は背面パネ
ル151Rの一方に不都合が発生すると、残る他方のパ
ネル151R又は151Fを本組み工程に投入できない
という事態が起こりうる(問題点(iv))。
【0039】かかる問題点(iii)及び(iv)を解
決しうる対策の一例として、上述の仮組み工程におい
て、平滑な表面を有する基板を準備して、前面パネル1
51Fの代わりにこれを用いることが考えられる。詳細
には、仮組み工程において、背面パネル151Fのバリ
アリブ107の頂部と上記平滑基板の平滑な表面とを当
接させて配置し、背面パネル151Rと上記平滑基板と
の間に上述の所定の圧力を加えることによって、バリア
リブ107の内で折損し易い箇所で積極的に折損を生じ
させる。そして、背面パネル151Rと上記平滑基板と
を引き離した後に、背面パネル151Rの表面上に残っ
ているバリアリブの折損片を除去すれば、上述の問題点
(iii)及び(iv)を解決することができる。
【0040】しかしながら、既述のように、本組み工程
において発生しうるバリアリブ107の折損の大部分は
前面パネル151Fのカソード膜104の表面における
凸部と当接する箇所において発生するため、仮組み工程
において平滑基板を用いた場合のバリアリブ107の折
損箇所と、本組み工程において実際に生じる折損箇所と
は必ずしも一致しない。このため、既述の前面パネル1
51Fと背面パネル151Rとで以て行われる仮組み工
程と比較して、バリアリブ107の折損の先取り処理に
よる上述の効果が十分に発揮されない場合がある。
【0041】また、既述の特開平6−267423号公
報に係る先行技術のようにバリアリブの頂部を樹脂又は
有機溶剤を含んだ半乾燥状態のペーストで以て構成し、
このようなバリアリブを有する背面パネルと前面パネル
とを用いて仮組み工程を実施すれば、高さが均一化され
て折損の発生が抑制されたバリアリブが形成可能である
と考えられる。しかしながら、かかる方法では、上述の
ペースト状の頂部と前面パネルの表面との接触面積が大
きいため、その接着作用に起因して一旦仮組みした前面
ガラス基板と背面ガラス基板とを再び引き離すのは困難
である。仮に、機械的に再び引き離すことを試みれば、
上述のペーストの形状が損なわれる等の損傷が伴ってし
まう。従って、かかる方法によってバリアリブの折損を
防止することは極めて困難であると考えられる。
【0042】そこで、本発明では、上述の折損の先取り
処理による効果を発揮することにより上記の問題点
(i)及び(ii)が解決され、且つ、それと同時に上
記の問題点(iii)及び(iv)をも解決しうるPD
Pの製造方法を提供するものである。以下に、本発明に
係る実施の形態1乃至3を説明する。
【0043】(実施の形態1)図2は、本実施の形態1
に係るAC−PDP51(以下、単に「PDP51」と
も呼ぶ)の構造を説明するための縦断面図であり、図1
6の従来のPDP151を同図16中の矢印A1の方向
から見た図に相当する。本PDP51は、後述するバリ
アリブ7に特徴があり、その他の構成要素は基本的には
図16の従来のPDP151と同様である。このため、
以下の説明では、図2と共に図16を参照しつつ説明を
する。
【0044】図2に示すように、PDP51は、前面パ
ネル(第1パネル)51Fと背面パネル(第2パネルあ
るいはPDP用基板)51Rとが後述のカソード膜4と
バリアリブ7の頂部(即ち、後述のバリアリブ頂部71
の上面71T)とが当接するように配置されて、放電空
間51Sを形成している。前面パネル51Fと背面パネ
ル51Rとは、図示しない周縁部において封着されてお
り、放電空間51S内にNe−Xe混合ガスやHe−X
e混合ガス等の放電用ガスが封入されている。
【0045】前面パネル51FはPDP51の表示面を
成す前面ガラス基板(第1基板)5を備え、前面ガラス
基板5の放電空間51S側の表面5S1上に複数の透明
電極1がストライプ状に(紙面に平行な方向に)延長形
成されている(図16中の透明電極101を参照)。更
に、各透明電極1の放電空間51S側の表面上に、透明
電極1に沿うようにバス電極2が延長形成されている
(図16中のバス電極102を参照)。なお、一対を成
す透明電極1上のそれぞれに形成された一対のバス電極
2は、図16の従来のPDP151と同様に、透明電極
1の上記表面上であって互いに最も離れた位置に形成さ
れている。そして、透明電極1及びバス電極2を被覆す
るように前面ガラス基板5の表面5S1の全面に亘って
誘電体層3が形成され、当該誘電体層3の放電空間51
S側の表面上にカソード膜4が形成されている。なお、
図2中には、製造工程の途中で混入し、完成したPDP
51においても前面パネル51Fの誘電体層3の内部か
らカソード膜4を貫通して突出する状態で残留する異物
221を図示している。
【0046】他方、背面パネル51Rは背面ガラス基板
(第2基板)9を備え、当該背面ガラス基板9の放電空
間51S側の表面9S1上に透明電極1及びバス電極2
と垂直を成すように複数の書き込み電極6が、ストライ
プ状に(紙面に垂直な方向に)延長形成されている。そ
して、当該書き込み電極6及び上記表面9S1を全面的
に被覆するように誘電体より成るグレーズ層10が形成
されている。かかるグレーズ層10は、書き込み電極6
を成す部材(例えばAg)が、後述の蛍光体層8の形成
時に同層8側へ拡散するのを防止する機能を有すると共
に、PDP51の駆動時に蛍光体層8から発せられる可
視光線の内の背面ガラス基板9側へ放射される光線を、
前面ガラス基板5側へ反射させる機能を有する。
【0047】特に、グレーズ層10の放電空間51S側
の表面10S1上であって隣接する書き込み電極6の間
に相当する領域上に、書き込み電極6と平行に、バリア
リブ7が延長形成されている(図16のバリアリブ10
7を参照)。図2に示すように、かかるバリアリブ7
は、グレーズ層10の表面10S1の上記領域上に形成
された、ちょうど図16中のバリアリブ107に相当す
るバリアリブベース部72と、前面パネル51Fに対向
する当該バリアリブベース部72の上面72T上に全体
に亘って形成されたバリアリブ頂部71とから構成され
る。特に、バリアリブ頂部71は、完全に又は十分に焼
結していない状態(以下、「未焼結状態」又は「半焼結
状態」とも呼ぶ)の多数のガラス粉体(第2ガラス材
料)73から成る。なお、図2では、以下の説明の理解
を助けるために、上述のバリアリブ頂部71の形態を模
式的に図示している。
【0048】以下の説明では、「完全に又は十分に焼結
している状態(以下、「全焼結状態」とも呼ぶ)」と
は、焼結状態の物体を観察した場合にその構成物(ここ
では、多数のガラス材料)の個々が元来有する形状が認
識できず、当該構成物の集合体が1つの固まりとなって
その物体を成している状態を言うものとする。これに対
して、「未焼結状態」及び「半焼結状態」とは、完全に
又は十分に焼結しておらず、焼結状態の物体を観察した
場合にその構成物の個々が元来有する形状を認識できる
程度の状態で以て、その物体を構成している状態を言う
ものとする。また、「未焼結状態」と「半焼結状態」と
は同義であるとして扱い、以下の説明では「半焼結状
態」なる用語を使用する。
【0049】そして、隣接するバリアリブ7の対面する
側壁面と、グレーズ層10の放電空間51S側の表面で
あってバリアリブ7が形成されていない領域とで構成さ
れるU字型溝の表面上に蛍光体層8が形成されている。
かかる蛍光体層8として、各U字型溝毎に赤(R),緑
(G),青(B)用の蛍光体層が形成される。
【0050】図2に示すように、PDP51によれば、
前面パネル51Fと背面パネル51Rとの貼り合わされ
た状態において異物221がバリアリブ7に当接した場
合であっても、図2に示すように、バリアリブ頂部71
を成す半焼結状態の多数のガラス粉体73が細粒化する
ことによって異物221の突起形状を(空間的に)吸収
緩和して、バリアリブベース部72での折損の発生を抑
制している。特に、図2のPDP51ではバリアリブ7
自体が蛍光体層8を成す蛍光体材料に覆われているの
で、細粒化されたガラス粉体73は折損箇所近傍に留ま
った状態とすることができる。従って、図17に示す従
来のPDP151のように放電空間内に折損片を有さな
いので、その結果として、バリアリブ7の折損片に起因
する画素欠陥の発生を大幅に低減することができる。仮
にバリアリブ頂部71を成すガラス粉体73が放電空間
51S内に崩落してこれを折損片として有する場合であ
っても、その折損片自体が細粒化されているので、画素
欠陥を引き起こすまでには至らない。
【0051】逆に言えば、バリアリブ頂部71は、折損
片となっても画素欠陥が生じない程度の半焼結状態(及
び大きさ)の多数のガラス粉体73から成る。
【0052】以下に、上述のバリアリブ7を有するPD
P51の製造方法を、既述の図2及び図3のフローチャ
ートを参照しつつ説明をする。
【0053】(前面パネル製造工程FS1)本工程FS
1では、まず前面ガラス基板5を準備し(前面ガラス基
板準備工程FS11)、当該前面ガラス基板5の表面5
S1上に互いに平行を成すストライプ状の複数の透明電
極1を例えばスパッタ法で透明導電膜を成膜後、写真製
版技術でパターニングして形成する(透明電極形成工程
FS12)。そして、対を成す2本の透明電極1の各々
の表面上であって互いに最も離れた位置に、換言すれ
ば、隣接する走査線の側に、透明電極1の形成方向に沿
ってバス電極2を例えばスクリーン印刷法を用いて形成
する(バス電極形成工程FS13)。
【0054】その後、透明電極1及びバス電極2を被覆
するように前面ガラス基板5の表面5S1の全面に亘っ
て、例えばスクリーン印刷法を用いて誘電体ペーストを
印刷する。そして、これを焼成することによって誘電体
層3を形成する(誘電体層形成工程FS14)。引き続
いて、例えば真空蒸着法によって、誘電体層3の露出し
ている表面上にカソード膜4を形成する(カソード膜形
成工程FS15)。以上の工程FS11〜工程FS15
によって前面パネル51Fが完成する。なお、以下の説
明において、カソード膜4の露出している表面を「前面
パネル51Fの表面」とも表現する。
【0055】(背面パネル製造工程FS2)本工程FS
2では、まず背面ガラス基板9を準備し(背面ガラス基
板準備工程FS21)、例えばAgペーストをスクリー
ン印刷することによって、ガラス基板9の表面9S1上
に互いに平行を成すストライプ状の複数の書き込み電極
6を形成する(書き込み電極形成工程FS22)。そし
て、当該書き込み電極6を被覆するように背面ガラス基
板9の上記表面9S1の全面に亘って低融点ガラスペー
ストを塗布して、これを焼成することによってグレーズ
層10を形成する(グレーズ層形成工程FS23)。以
上の工程FS21〜FS23によって、図4に示す状態
の背面パネルが得られる。このとき、背面ガラス基板9
の表面9S1上に形成され且つ後述のバリアリブ7の下
方に形成された構成要素(ここでは、書き込み電極6及
びグレーズ層10が該当する)を「下地層」と呼ぶとき
には、上記工程FS21〜工程FS23は、背面パネル
(PDP用基板)51Rの下地層を形成する工程と捉え
ることができる。
【0056】(バリアリブ形成工程FS24)実施の形
態1に係るバリアリブ形成工程FS24は、更にバリア
リブベース部形成工程とバリアリブ頂部形成工程とに大
別される。両工程を図4〜図7を用いて説明する。
【0057】(バリアリブベース部72の形成工程)本
工程では、図4の状態の背面パネルに対して、図5に示
すように、グレーズ層10の表面10S1上の所定の位
置にバリアリブベース部72を形成する。詳細には、グ
レーズ層10の表面10S1上であって、隣接する書き
込み電極6間の各領域上の部分に、スクリーン印刷法を
用いて低融点ガラスペースト(第1ペースト状材料)を
印刷し、これを焼成する。なお、バリアリブベース部7
2の形成は、グレーズ層10の表面10S1上の全面に
低融点ガラスペーストを塗布して、所定のパターンのマ
スクを用いたサンドブラスト法によってパターン形成し
た後に、これを焼成して形成しても良い。更に、上記低
融点ガラスペースト(第1ペースト状材料)又は、それ
に相当するバリアリブ材料が塗布されたフィルムを用い
て当該バリアリブ材料をグレーズ層10の表面10S1
上に貼付け、これをパターニングした後に焼成して形成
しても良い。また、図16の従来のPDP151のバリ
アリブ107の形成方法として適用可能な他の方法を用
いても良い。
【0058】(バリアリブ頂部71の形成工程)本工程
では、まず、図5の状態の背面パネルのバリアリブベー
ス部72の上面72T上に、図6に示すように、所定の
樹脂のバインダー中にガラス粉体73(図2参照)を分
散させた低融点ガラスペースト(第2ペースト状材料)
71p(以下、単に「ペースト71p」とも呼ぶ)をス
クリーン印刷法を用いてパターン印刷する。
【0059】その後、ガラス粉体73の軟化点よりも4
0゜C以上低く、且つ、ペースト71p中の樹脂成分が
揮発して除去された状態(以下、「脱バインダー状態」
とも呼ぶ)が達成される温度(例えば300゜C程度)
以上の温度範囲内の温度で以て、印刷されたペースト7
1pを焼成してバリアリブ頂部71を形成する。これに
より、図7に示すように、バリアリブ頂部71及びバリ
アリブベース部72から成るバリアリブ7が完成する。
【0060】このとき、上記温度範囲内の温度での焼成
処理によって、ガラス粉体73は、完全に又は十分に焼
結した状態とはならずに(全焼結状態とはならずに)、
脱バインダー状態であって且つガラス粉体73が半焼結
状態にあるバリアリブ頂部71を形成することができ
る。なお、ペースト状の材料を脱バインダー状態にする
処理を「脱バインダー処理」と呼ぶ。
【0061】ここで、上記温度(範囲)は実験的に得ら
れた値であり、軟化点の異なる種々のガラス材料に適用
可能な焼成温度である。当該焼成温度によれば、多数の
ガラス粉体73がバリアリブ頂部71としての形状を保
持しうる状態にすることができる一方、バリアリブ頂部
71が異物等の突起物と当接した場合には容易に細粒化
しうる状態にすることができる。しかも、細粒化した場
合又は折損片が崩落した場合であっても、バリアリブ頂
部71を画素欠陥を引き起こさない程度の大きさの細粒
状の折損にすることが可能である。例えばその軟化点よ
りも30゜C程度低い温度で以てガラス粉体73を焼成
した場合には上記の焼成温度で以て焼成した場合よりも
ガラス粉体73の焼結が進行した状態となるので、その
結果として、バリアリブの折損片のサイズが画素欠陥を
起こすほど大きなサイズとなってしまう。これに対し
て、上述のバリアリブ頂部71の形成温度で以てガラス
粉体73を焼成すれば、全焼結状態にあるガラス粉体7
3と比較して(勿論、上述の軟化点よりも30゜C程度
低い温度での焼成の場合と比較しても)ガラス粉体73
同士が互いに弱い物理的結合力で結合した状態にするこ
とができるので細粒状の折損片を実現できる。このた
め、折損片が画素欠陥を引き起こすほど大きなサイズと
なることを有効に回避できる。
【0062】(蛍光体層の形成工程FS25)次に、図
7の状態の背面パネルに対して、図8に示すように、蛍
光体層8を形成する。詳細には、例えば従来の製造方法
と同様に、スクリーン印刷法等を用いて、隣接するバリ
アリブ7の対面する両側壁面とグレーズ層10の表面1
0S1の内の露出している部分とで構成されるU字型溝
の表面上に蛍光体ペーストを印刷する(上記U字型溝内
へ蛍光体ペーストを落とし込む)。このとき、スクリー
ン版とバリアリブ頂部71とが接触してバリアリブ頂部
71に押圧が加えられるが、かかる押圧はバリアリブ頂
部71に損傷を与える程の大きさではない。そして、上
記印刷された蛍光体ペーストを焼成することによって蛍
光体層8を形成する。このとき、上記蛍光体ペーストは
各U字型溝毎に赤(R),緑(G),青(B)用の所定
の発光色のものが選択される。以上の工程により、図8
に示す状態の背面パネル51Rが完成する。なお、以下
の説明において、背面パネル51Rの内でバリアリブ7
が形成される側の露出している表面を「背面パネル51
Rの表面」とも表現する。
【0063】(アセンブリ工程FS3) (貼り合わせ工程FS31)そして、本工程FS31に
おいて、図8の状態の背面パネル51Rと、既述の工程
FS1において別途に製造された前面パネル51Fとを
貼り合わせる。詳細には、両パネル51F、51Rの内
の少なくとも一方のパネルの表面の周縁部に低融点ガラ
スペーストを塗布する。そして、前面パネル51Fの表
面と背面パネル51Rの表面とを対向して配置し、両パ
ネル51F、51Rの位置合わせを行った後に重ね合わ
せる。このとき、カソード膜4とバリアリブ頂部71の
上面71Tとが当接するように両パネル51F,51R
間に所定の圧力を加える。そして、周縁部に塗布された
低融点ガラスペーストを加熱して、両パネル51F、5
1Rを封着する(図9参照)。
【0064】また、本工程FS31では、背面パネル5
1Rの背面ガラス基板9を厚み方向に貫通するように予
めに形成された排気口に対して、背面ガラス基板9の表
面9S2(図2参照)上に、次の排気・ガス封入工程F
S32において使用するチップ管を封着用ガラスペース
トで以て接合する。
【0065】(排気・ガス封入工程FS32)本工程F
S32では、前工程FS31で背面パネル51Rに接合
されたチップ管を排気装置に接続して、両パネル51
F,51Rが対向することによって形成された空間(後
の放電空間51Sに相当)を真空排気する。このとき、
放電空間51S内を加熱して脱ガス処理を行いながら真
空排気する。そして、真空排気処理の終了後に、上記チ
ップ管を経由して放電空間51S内に放電用ガスである
例えばNe−Xe混合ガスを所定の圧力になるように封
入し、上記チップ管をできるだけ背面パネル51Rに近
い位置でチップオフして、図2のAC−PDP51が完
成する。
【0066】実施の形態1に係る製造方法によれば、上
述の貼り合わせ工程FS31における両パネル51F、
51Rの押圧処理の際及び排気・ガス封入工程FS32
における真空排気処理の際に、例えば前面パネル51F
側のカソード膜4の表面の凸部(異物によるものを含
む)とバリアリブ頂部71とが当接した場合であって
も、バリアリブベース部72の方がバリアリブ頂部71
よりも物理的強度は相対的に強いため、図5に示すよう
なバリアリブの折損は、バリアリブベース部72ではな
くバリアリブ頂部71に発生させることができる。
【0067】しかも、バリアリブ頂部71に変形又は折
損が生じた場合であっても、放電空間51S内に画素欠
陥の原因となりうる折損片の発生が格段に抑制されたP
DPを製造可能である。即ち、バリアリブ頂部71は脱
バインダー状態且つ半焼結状態の多数のガラス粉体73
より成るので、ガラス粉体73の細粒化及び蛍光体層8
によるバリアリブ7の被覆によって、当該細粒が発生箇
所近傍に留まった状態にすることができ、放電空間51
S内に折損片が崩落しにくい。たとえ放電空間51S内
に折損片が崩落した場合であっても、ガラス粉体73の
焼結状態(及び大きさ)に起因して、画素欠陥を引き起
こす程の折損片の発生を大幅に低減することができる。
従って、本製造方法によれば、従来の技術により製造さ
れるPDPよりも画素欠陥が格段に低減されたPDPを
製造することが可能である。
【0068】更に、本製造方法は、前提技術に係る製造
方法における、バリアリブ折損片を除去するための仮組
み工程及びクリーニング工程自体を無くすることができ
るので、仮組み工程での前面パネルと背面パネルとの組
み合わせを本組み工程において再現するための生産管理
を全く必要としない。このため、前提技術としての製造
方法よりも工程数を削減することができる。また、仮組
み工程での両パネルの組み合わせを本組み工程まで保持
する必要がないため、製造工程中に前面パネル又は背面
パネルの一方に不都合が生じた場合であっても、PDP
の製造に支障を来すことがない。
【0069】特に、実施の形態1に係る製造方法によれ
ば、両パネル51F、51Rの貼り合わせ工程FS31
以前にバリアリブ頂部71用のペースト71p及びバリ
アリブベース部72用のペーストの脱バインダー処理及
び焼成処理並びに蛍光体層の形成が完了しているので、
既述の先行技術のように貼り合わせ工程の後にレベリン
グ層を成すペースト及び蛍光体ペーストの焼成処理を必
要としない。このため、貼り合わせ工程の後に上記ペー
ストの焼成処理を実施した場合に生じうる、ペースト中
に含まれるバインダーないしは樹脂成分の揮発によるカ
ソード膜の汚染等の既述の問題点は、実施の形態1に係
る製造方法において全く惹起されない。
【0070】(実施の形態2)実施の形態2に係るPD
Pの製造方法は、背面パネルの製造方法、特に、バリア
リブの形成工程に特徴があるため、かかる点を中心に説
明する。このため、以下の説明では、実施の形態1に係
るPDP51と同等の構成要素には同一の符号を付すと
共に、バリアリブ形成工程以外の他の製造工程は実施の
形態1に係る製造方法を援用する。
【0071】(実施の形態2に係るバリアリブの形成工
程)まず、既述の工程FS21〜工程FS23によって
製造された図4の状態の背面パネルに対して、図10に
示すように、グレーズ層10の表面10S1上であっ
て、隣接する書き込み電極6間の各領域上の部分に、所
定の樹脂中にガラス材料74が分散された低融点ガラス
ペースト(第1ペースト状材料)72p(以下、単に
「ペースト72p」とも呼ぶ)をスクリーン印刷法を用
いてパターン印刷し、これを乾燥させる(但し、この段
階では未だ焼成処理を行わない)。特に、上記ガラス材
料74は、ペースト71p中に分散されたガラス粉体7
3よりも軟化点が低いものを用いる。なお、図10に示
すパターン形成され、乾燥されたペースト72pは、既
述のサンドブラスト法等の他の方法で形成しても良い。
【0072】そして、印刷されたペースト72pが乾燥
した後に、当該ペースト72pの上面72pT上に、図
11に示すように、既述のガラス粉体73(図2参照)
を分散させたペースト71pをスクリーン印刷法を用い
て印刷する。
【0073】その後に、ガラス粉体73の軟化点よりも
40゜C以上低く且つペースト71pの脱バインダー状
態が達成される温度で以て上記印刷されたペースト71
p及び72pを一括して焼成する。かかる焼成処理によ
って、既述の図7に示すバリアリブベース部72及びバ
リアリブ頂部71から成るバリアリブ7が完成する。
【0074】このように、実施の形態2に係るバリアリ
ブの形成工程では上述の焼成温度で以てペースト71p
及び72pを焼成するので、実施の形態1と同様に、脱
バインダー状態且つガラス粉体73が半焼結状態のバリ
アリブ頂部71を形成することができる。しかも、ペー
スト72p中に含まれるガラス材料74はガラス粉体7
3よりも軟化点が低いので、上記の焼成温度での焼成処
理であってもガラス材料74が十分に又は完全に焼結し
た状態(全焼結状態)のバリアリブベース部72を得る
ことができる。つまり、半焼結状態のバリアリブ頂部7
1とバリアリブ頂部71よりも物理的強度が強いバリア
リブベース部72とから成るバリアリブ7を形成するこ
とができる。従って、実施の形態1に係る製造方法と同
様の効果を得ることができる。
【0075】特に、実施の形態2に係るPDPの製造方
法によれば、バリアリブベース部72とバリアリブ頂部
71とを一括して同時に焼成するので、実施の形態1に
係るバリアリブの形成工程と比較して、製造工程の工程
数を削減することができる。
【0076】また、実施の形態2に係る製造方法によれ
ば、実施の形態1と同様に、従来の技術により製造され
るPDPよりも画素欠陥が格段に低減されたPDPを製
造することが可能である。
【0077】(実施の形態3)実施の形態3に係るPD
Pの製造方法は、既述のバリアリブ形成工程FS24と
蛍光体層形成工程FS25に相当する工程に特徴がある
ため、かかる点を中心に説明する。このため、以下の説
明では、実施の形態1又は2に係る各PDPと同等の構
成要素には同一の符号を付すと共に、バリアリブ形成工
程及び蛍光体層形成工程以外の他の製造工程は実施の形
態1に係る製造方法を援用する。
【0078】(実施の形態3に係るバリアリブ及び蛍光
体層の形成工程) (バリアリブベース部の形成工程)まず、実施の形態1
と同様の方法により、既述の図5に示すバリアリブベー
ス部72が形成された状態の背面パネルを製造する。
【0079】(蛍光体ペーストの印刷工程)次に、図5
の状態の背面パネルに対して、例えば従来と製造方法と
同様にスクリーン印刷法等を用いて、隣接するバリアリ
ブベース部72の対面する側壁面とグレーズ層10の表
面10S1の内で露出している部分とで構成されるU字
型溝の表面上に蛍光体ペースト8pを印刷して、これを
乾燥させる(但し、この段階では未だ焼成処理を行わな
い)。このとき、上記蛍光体ペースト8pは各U字型溝
毎に赤(R),緑(G),青(B)用の所定の発光色の
ものが選択されて塗布される。本工程により、図12に
示す状態の背面パネルが得られる。
【0080】(バリアリブ頂部用ペーストの印刷工程)
引き続いて、図12の状態の背面パネルのバリアリブベ
ース部72の上面72T上に、既述の低融点ガラスペー
スト71pをスクリーン印刷法を用いて印刷して乾燥さ
せる(図13参照)。
【0081】(蛍光体ペースト及びペースト71pの焼
成工程)その後、ペースト71p中のガラス粉体73の
軟化点よりも40゜C以上低い温度であって、且つ、蛍
光体ペースト8pを脱バインダー状態にしうる温度で以
て、図13に示す印刷された蛍光体ペースト8p及びペ
ースト71pを一括に焼成して、図14に示すように、
蛍光体層8及びバリアリブ頂部71を形成する。
【0082】以上の工程により図14に示す背面パネル
52Rが完成し、その後に既述のアセンブリ工程FS3
を実施することによって図15に示すPDP52が完成
する。
【0083】このように、実施の形態3に係る製造工程
では上述の焼成温度で以てペースト71pを焼成するの
で、実施の形態1と同様に、脱バインダー状態且つガラ
ス粉体73が半焼結状態であって、バリアリブベース部
72よりも物理的強度が弱いバリアリブ頂部71を形成
することが可能である。従って、実施の形態1に係る製
造方法と同様の効果を得ることができる。
【0084】更に、ペースト71pの焼成処理及び蛍光
体ペースト8pの脱バインダー処理を同時に行うため、
実施の形態1に係る製造方法よりも製造工程数を削減す
ることができる。
【0085】また、実施の形態1及び2のようにバリア
リブ頂部71を形成した後に蛍光体ペーストを印刷する
場合には、蛍光体ペースト中の樹脂や溶剤が半焼結状態
のバリアリブ頂部71に吸収されてしまう。このため、
蛍光体ペーストの印刷後における流動に不都合が生じ
て、蛍光体ペーストの上記U字型溝への安定的な落とし
込みができず、その結果として所定の形状の蛍光体層が
得られない場合が生じうる。これに対して、実施の形態
3に係る製造方法では、蛍光体ペースト8pの印刷後に
バリアリブ頂部71用のペースト71pを印刷するの
で、上述のような事態を有効に回避して、蛍光体ペース
ト8pを安定的に上記U字型溝内へ落とし込むことがで
きる。従って、所定の形状を有する蛍光体層を確実に形
成することができるという効果を奏する。
【0086】また、実施の形態3に係る製造方法によれ
ば、実施の形態1又は2と同様に、従来の技術により製
造されるPDPよりも画素欠陥が格段に低減されたPD
Pを製造することが可能である。なお、実施の形態3の
製造方法により製造されるPDPはバリアリブ頂部71
の側壁面に蛍光体層を有さないが、かかる形態であって
も、バリアリブ頂部71に折損が生じた場合には細粒化
されたガラス粉体73が蛍光体層8を成す蛍光体材料に
捕獲されるので、かかる細粒が放電空間内に崩落するこ
とを抑制可能である。
【0087】なお、上述の実施の形態1乃至3では、2
層構造のバリアリブを一例に挙げて説明したが、これを
3層以上の多層構造で構成しても良い。このとき、バリ
アリブの最上層に位置し、脱バインダー状態且つ半焼結
状態にある部分が「バリアリブ頂部」に該当し、それ以
外の部分が「バリアリブベース部」に該当する。また、
「第1ガラスペースト材料」及び「第1ガラス材料」と
は、それぞれ多層構造のバリアリブベース部用の複数の
ガラスペースト及び当該複数のガラスペースト中の複数
のガラス材料の総称と捉えることができる。
【0088】更に、以上の実施の形態1又は2に係るバ
リアリブ形成方法並びに実施の形態3に係るバリアリブ
及び蛍光体層の形成方法は、前面パネルと背面パネルと
がバリアリブを介して貼り合わされた構造を有するDC
型PDPに対しても適用可能である。
【0089】
【発明の効果】(1)請求項1に係る発明によれば、バ
リアリブは全焼結状態の第1ガラス材料から成る部分
(バリアリブベース部)と半焼結状態の第2ガラス材料
から成る部分(バリアリブ頂部)とから構成される。こ
のため、第1パネルと第2パネルとが貼り合わせされて
PDPを構成するときに、第1パネルの表面上の例えば
異物による突起ないしは凸部と前記バリアリブとが当接
してバリアリブに折損が生じた場合であっても、バリア
リブベース部に生じる損傷を抑制して、バリアリブ頂部
を成す第2ガラス材料が細粒化した状態の折損を生じさ
せることができる。このとき、上記細粒を画素欠陥を引
き起こす程度の大きさの折損片にはならないようにバリ
アリブ頂部を半焼結状態とするので、放電空間内に画素
欠陥の原因となりうるバリアリブ折損片が発生すること
を格段に抑制されたPDPを製造することができる。
【0090】特に、バリアリブベース部の側壁面上に蛍
光体層が形成されるときには、上記細粒化した第2ガラ
ス材料を蛍光体層を成す材料に捕獲させて折損箇所近傍
に留めることが可能となるので、細粒化した第2ガラス
材料自体の放電空間内への崩落を抑制することができ
る。
【0091】更に、請求項1に係る発明によれば、前提
技術に係る製造方法のように仮組み工程で組み合わされ
た第1パネルと第2パネルとをそれ以降の工程において
も所定の1組として記録・管理するという生産管理を無
くすることができる。このため、前提技術に係る製造方
法よりも製造コストを削減することができるという利点
がある。加えて、前提技術に係る製造方法のように仮組
み工程で組み合わされた第1又は第2パネルの一方に不
都合が生じて、他方のパネルの組立工程への投入が不可
能になるという事態が生じ得ない。
【0092】また、バリアリブを第1及び第2パネルの
貼り合わせ工程の前に形成するので、既述の先行技術に
係る製造方法のようにレベリング層用ペーストの脱バイ
ンダー処理時ないしは焼成時に必要な酸素の供給あるい
は上記ペースト中の揮発成分の気化ガスの排気が困難に
なることは全くない。加えて、上記気化ガスによって前
面パネルの表面が汚染されることもない。
【0093】(2)請求項2に係る発明によれば、バリ
アリブベース部及びバリアリブ頂部の両側壁面上に蛍光
体層が形成されるので、バリアリブの折損により第2ガ
ラス材料が細粒化した場合であっても、請求項1に係る
発明よりも確実に当該細粒を蛍光体層を成す材料中に留
めることができるので、折損片の崩落が抑制されたPD
Pを製造することができる。
【0094】(3)請求項3に係る発明によれば、第1
及び第2ペースト状材料の焼成工程を一括して行うの
で、請求項2に係る発明の製造方法よりも工程数を削減
できるという利点がある。
【0095】(4)請求項4に係る発明によれば、第2
ペースト状材料及び蛍光体ペーストの焼成工程を一括し
て行うので、請求項2に係る発明の製造方法よりも工程
数を削減できるという利点がある。
【0096】特に、請求項4に係る発明によれば、バリ
アリブ頂部を形成する前に蛍光体ペーストを配置するの
で、蛍光体ペーストが半焼結状態のバリアリブ頂部に吸
収されることを有効に回避することが可能である。従っ
て、所定の形状を有する蛍光体層を安定的に形成するこ
とができるという効果を奏する。
【0097】(5)請求項5に係る発明によれば、バリ
アリブ頂部を脱バインダー状態且つ半焼結状態の第2ガ
ラス材料で以て構成することができるので、上記(1)
乃至(4)のいずれかの効果を確実に得ることができ
る。
【0098】(6)請求項6に係る発明によれば、上記
(1)乃至(5)のいずれかの効果が発揮されて、バリ
アリブの折損片に起因する画素欠陥が、従来のPDPと
比較して格段に低減されたPDPを得ることができる。
【0099】(7)請求項7に係る発明によれば、当該
プラズマディスプレイパネル用基板をPDPを適用する
ときには、PDPを成す他方の基板の表面上の例えば異
物による突起ないしは凸部と当該プラズマディスプレイ
パネル用基板のバリアリブとが当接した場合であって
も、バリアリブベース部に生じる損傷を抑制して、バリ
アリブ頂部を成す第2ガラス材料が細粒化した状態の折
損を生じさせることができる。このとき、上記細粒を画
素欠陥を引き起こす程度の大きさの折損片にはならない
ように第2ガラス材料の焼結状態を設定するので、従来
のPDPと比較して、バリアリブの折損片に起因する画
素欠陥が格段に抑制されたPDPを提供することができ
る。
【0100】(8)請求項8に係る発明によれば、当該
プラズマディスプレイパネル用基板をPDPを適用する
ときには、上記細粒化した第2ガラス材料を蛍光体層を
成す材料に捕獲させて折損発生箇所の近傍に留めること
が可能となるので、細粒化した第2ガラス材料自体の放
電空間内への崩落が抑制される。従って、請求項7に係
る発明のプラズマディスプレイパネル用ガラス基板と比
較して、バリアリブの折損片に起因する画素欠陥が更に
低減されたPDPを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の前提技術としてのPDPの縦断面
図である。
【図2】 実施の形態1に係るPDPの縦断面図であ
る。
【図3】 実施の形態1に係るPDPの製造方法を示す
フローチャートである。
【図4】 実施の形態1に係るPDPの製造工程におけ
る背面パネルの構造を模式的に示す縦断面図である。
【図5】 実施の形態1に係るPDPの製造工程におけ
る背面パネルの構造を模式的に示す縦断面図である。
【図6】 実施の形態1に係るPDPの製造工程におけ
る背面パネルの構造を模式的に示す縦断面図である。
【図7】 実施の形態1に係るPDPの製造工程におけ
る背面パネルの構造を模式的に示す縦断面図である。
【図8】 実施の形態1に係るPDPの製造工程におけ
る背面パネルの構造を模式的に示す縦断面図である。
【図9】 実施の形態1に係るAC−PDPの構造を模
式的に示す縦断面図である。
【図10】 実施の形態2に係るPDPの製造工程にお
ける背面パネルの構造を模式的に示す縦断面図である。
【図11】 実施の形態2に係るPDPの製造工程にお
ける背面パネルの構造を模式的に示す縦断面図である。
【図12】 実施の形態3に係るPDPの製造工程にお
ける背面パネルの構造を模式的に示す縦断面図である。
【図13】 実施の形態3に係るPDPの製造工程にお
ける背面パネルの構造を模式的に示す縦断面図である。
【図14】 実施の形態3に係るPDPの製造工程にお
ける背面パネルの構造を模式的に示す縦断面図である。
【図15】 実施の形態3に係るPDPの構造を模式的
に示す縦断面図である。
【図16】 一般的な従来のAC−PDPの構造を示す
分解斜視図である。
【図17】 異物によるバリアリブの欠損を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
1 透明電極、2 バス電極、3 誘電体層、4 カソ
ード膜、5 前面ガラス基板(第1基板)、5S1 表
面、6 書き込み電極、7 バリアリブ、8蛍光体層、
8p 蛍光体ペースト、9 背面ガラス基板(第2基
板)、9S1表面、10 グレーズ層、10S1 グレ
ーズ層の放電空間側の表面、51 AC−PDP、51
F 前面パネル(第1パネル),51R 背面パネル
(第2パネル)、51S 放電空間、71 バリアリブ
頂部、71T バリアリブ頂部の上面、72 バリアリ
ブベース部、72T 上面、71p ペースト(第2ペ
ースト状材料),72p ペースト(第1ペースト状材
料)、72pT ペースト(第1ペースト状材料)の上
面、73 ガラス粉体(第2ガラス材料)、74ガラス
材料(第1ガラス材料)、FS1〜FS3,FS11〜
FS15,FS21〜FS25,FS31,FS32
工程。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C027 AA09 5C040 FA01 FA04 GB03 GB14 GF02 GF13 GF18 GF19 JA02 JA12 JA22 JA28 KA08 KB06 KB11 MA23 MA26

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1基板を有し、その表面が放電空間と
    接する第1パネルと、第2基板の表面上に形成された所
    定の形状のバリアリブと前記バリアリブの側壁面上の少
    なくとも一部に形成された蛍光体層とを有し、前記第1
    パネルの前記表面と前記バリアリブの頂部とが当接する
    ように配置されて、且つ、その周縁部において前記第1
    パネルと封着されて前記放電空間を形成する第2パネル
    とを備えるプラズマディスプレイパネルの製造方法であ
    って、 前記バリアリブの形成工程は、 前記第2基板の前記表面上に第1ガラス材料が樹脂中に
    分散された第1ペースト状材料を配置する工程と、 前記第1ペースト状材料を全焼結状態に焼成する工程
    と、 前記配置された第1ペースト状材料を母材とする部分の
    上面上に、第2ガラス材料が樹脂中に分散された第2ペ
    ースト状材料を配置する工程と、 前記第2ペースト状材料を半焼結状態に焼成する工程と
    を備えることを特徴とする、プラズマディスプレイパネ
    ルの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプラズマディスプレイ
    パネルの製造方法であって、 前記第1ペースト状材料の前記配置工程に引き続いて、
    前記第1ペースト状材料の前記焼成工程を実施し、その
    後に前記第2ペースト状材料の前記配置工程を実施し、
    続いて前記第2ペースト状材料の前記焼成工程を実施
    し、 その後に、前記バリアリブの前記側壁面上に前記蛍光体
    層を形成することを特徴とする、プラズマディスプレイ
    パネルの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のプラズマディスプレイ
    パネルの製造方法であって、 前記第2ガラス材料の軟化点は前記第1ガラス材料の軟
    化点よりも高く、 前記第1ペースト状材料の前記配置工程に引き続いて、
    前記第2ペースト状材料の前記配置工程を実施し、その
    後に前記第2ガラス材料の前記軟化点よりも低く且つ前
    記第1ガラス材料の前記軟化点よりも高い温度で以て前
    記第1及び第2ペースト状材料の双方の前記焼成工程を
    一括して行い、 その後に、前記バリアリブの前記側壁面上に前記蛍光体
    層を形成することを特徴とする、プラズマディスプレイ
    パネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のプラズマディスプレイ
    パネルの製造方法であって、 前記第1ペースト状材料の前記配置工程に引き続いて、
    前記第1ペースト状材料の前記焼成工程を実施し、その
    後に前記焼結された第1ペースト状材料の側壁面上に蛍
    光体ペーストを配置し、続いて前記第2ペースト状材料
    の前記配置工程を実施し、その後に前記第2ペースト状
    材料の前記焼成工程及び前記蛍光体ペーストの焼成工程
    を一括して実施することを特徴とする、プラズマディス
    プレイパネルの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のプラ
    ズマディスプレイパネルの製造方法であって、 前記第2ペースト状材料の焼成温度は、前記第2ガラス
    材料の軟化点よりも40度以上低い温度であって、且
    つ、前記第2ペースト状材料中の前記樹脂を揮発させて
    除去しうる温度であることを特徴とする、プラズマディ
    スプレイパネルの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の前記
    プラズマディスプレイパネルの製造方法で製造されたこ
    とを特徴とする、プラズマディスプレイパネル。
  7. 【請求項7】 その表面上に形成された下地層と、 前記下地層の表面上の所定の位置に第1ガラス材料を樹
    脂に分散させた第1ペースト状材料の焼成により形成さ
    れたバリアリブベース部と、 前記バリアリブベース部の上面上に、第2ガラス材料を
    樹脂に分散させた第2ペースト状材料の焼成により形成
    され、且つ、前記バリアリブベース部の焼結状態よりも
    弱い物理的強度を有するバリアリブ頂部とを備えること
    を特徴とする、プラズマディスプレイパネル用基板。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のプラズマディスプレイ
    パネル用基板であって、 少なくとも、バリアリブベース部及びバリアリブ頂部の
    両側壁面上に形成された蛍光体層を更に備えることを特
    徴とする、プラズマディスプレイパネル用基板。
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