JP2000143897A - 熱可塑性エラストマー組成物、該組成物パウダー、およびそれよりなる表皮材 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物、該組成物パウダー、およびそれよりなる表皮材

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JP2000143897A
JP2000143897A JP10325364A JP32536498A JP2000143897A JP 2000143897 A JP2000143897 A JP 2000143897A JP 10325364 A JP10325364 A JP 10325364A JP 32536498 A JP32536498 A JP 32536498A JP 2000143897 A JP2000143897 A JP 2000143897A
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powder
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ethylene
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Takemi Matsuno
竹己 松野
Hideo Fuwa
日出生 不破
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Nakata Coating Co Ltd
Tosoh Corp
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Nakata Coating Co Ltd
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取扱性、成形加工時の流動性、シボ転写性に
優れる熱可塑性エラストマー組成物、熱可塑性エラスト
マー組成物パウダー、およびそれらよりなる機械特性、
耐熱性、意匠性に優れる表皮材を提供する。 【解決手段】 (A)エチレン・不飽和カルボン酸エス
テル共重合体および/またはエチレン・酢酸ビニル共重
合体、(B)エチレン系樹脂、(C)スチレン系熱可塑
性エラストマーを含む熱可塑性エラストマー組成物であ
り、この組成物をパウダー化し、パウダースラッシュ成
形に供して、表皮材に好適な成形品を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車内装部品の
表皮材などの表皮材用の材料として優れた加工性、耐熱
性を有する熱可塑性エラストマー組成物、該組成物パウ
ダー、およびそれよりなる表皮材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インストルメントパネルなどの自
動車内装材は、主にポリオレフィン系樹脂発泡体層に、
ポリ塩化ビニル樹脂シート、熱可塑性エラストマーシー
ト、トリコットなどの布帛などの表皮材を積層あるいは
一体成形し、さらに、該複合化表皮層に骨材を貼り合わ
せたものが使用されている。これらの表皮材のうちで、
ポリ塩化ビニル樹脂は、従来、表面硬度や柔軟性に優れ
るため幅広く使用されている。しかし、ポリ塩化ビニル
樹脂は、焼却するとダイオキシンなどの有害物質が発生
するといわれており、環境汚染問題がある。そのため、
近年、ポリ塩化ビニル樹脂の代替として、熱可塑性エラ
ストマーのシート成形物の開発がなされて来た。同時
に、ポリ塩化ビニル樹脂の表皮材成形に常用される、パ
ウダーを該パウダーの溶融温度よりも高温に加熱された
金型表面に付着溶融させて成形するパウダーシュラッシ
ュ成形が可能で、かつ、リサイクルおよび焼却可能なポ
リオレフィン系樹脂パウダーの開発も進められて来た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、柔軟性、耐
熱性、加工時の流動性、シボ模様転写性に優れる熱可塑
性エラストマー組成物、該組成物パウダー、およびそれ
らからなる機械強度、耐熱性、意匠性に優れる表皮材を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)エチレ
ン・不飽和カルボン酸エステル共重合体および/または
エチレン・酢酸ビニル共重合体20〜77重量%、
(B)エチレン系樹脂15〜77重量%、(C)スチレ
ン系熱可塑性エラストマー3〜40重量%〔ただし、
(A)+(B)+(C)=100重量%〕を主成分とす
る熱可塑性エラストマー組成物に関する。また、本発明
は、上記熱可塑性エラストマー組成物100重量部に対
し、(D)ポリプロピレン系樹脂3〜25重量部を添加
した熱可塑性エラストマー組成物に関する。上記(A)
エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体および/
またはエチレン・酢酸ビニル共重合体は、有機過酸化物
で架橋された架橋体であって、該架橋体のゲル分率が5
0〜98%であるものが好ましい。さらに、本発明は、
本発明の熱可塑性エラストマー組成物よりなり、平均粒
径50〜500μmを有する熱可塑性エラストマー組成
物パウダーに関する。さらに、本発明は、本発明の熱可
塑性エラストマー組成物を成形してなることを特徴とす
る表皮材に関する。さらに、本発明は、上記熱可塑性エ
ラストマー組成物パウダーをパウダースラッシュ成形に
供することより成形してなることを特徴とする表皮材に
関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の熱可塑性エラストマー組
成物に用いられる(A)エチレン・不飽和カルボン酸エ
ステル共重合体および/またはエチレン・酢酸ビニル共
重合体としては、例えば、エチレン・エチルアクリル酸
共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチ
レン・メチルメタクリル酸共重合体、エチレン・n−ブ
チルアクリル酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合
体などが挙げられ、これらは、単独もしくは二種以上混
合して用いることができる。(A)成分のうち、成形
性、柔軟性に優れる熱可塑性エラストマー組成物が得ら
れることから、エチレン・エチルアクリル酸共重合体
(EEA)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EV
A)、およびこれら共重合体の混合組成物が特に好まし
い。
【0006】(A)成分としては、成形加工性を維持
し、耐熱性に優れるため、有機過酸化物を用い架橋され
たエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体および
/またはエチレン・酢酸ビニル共重合体を使用するのが
好ましい。この架橋体のゲル分率は、50〜98%であ
ることが好ましく、さらには、70〜95%の範囲であ
ることが好ましい。50%未満では、耐熱性に劣り、一
方、98%を超えると、溶融流動性が劣り、成形不良が
生じる。ここで、ゲル分率は、例えば、架橋した(A)
成分5mg(W1とする)を試料瓶に入れて、その中に
キシレン50mlを加えアルミブロックバスを用いて1
20℃にて12時間抽出を行い、その後、ステンレス金
網でろ過して金網上の未溶解分を105℃にて5時間乾
燥して秤量し(W2とする)、次式に従い求めた値であ
る。 ゲル分率=(W2/W1)×100
【0007】上記有機過酸化物は、(A)成分に架橋構
造を導入させ、耐熱性を付与する目的で使用されるもの
である。架橋の際に用いる有機化酸化物としては、一般
的にジアシルパーオキサイド、パーオキシケタール、パ
ーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド、ハイド
ロパーオキサイドなどに分類される化合物が挙げられ
る。上記有機化酸化物は、単独、もしくは二種以上を混
合しても良い。有機過酸化物の使用量は、通常、(A)
成分100重量部に対し、0.1〜7重量部、好ましく
は、0.5〜5重量部である。
【0008】また、本発明では、架橋を促進させる目的
から、上記有機化酸化物に架橋助剤として、例えば、ト
リアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,2−
ポリブタジエン、ジビニルベンゼンなどの多官能性モノ
マーを用いても良い。架橋助剤の使用量は、(A)成分
100重量部に対し、通常、0.03〜5重量部、好ま
しくは、0.05〜4重量部である。
【0009】(A)エチレン・不飽和カルボン酸エステ
ル共重合体および/またはエチレン・酢酸ビニル共重合
体に、架橋構造を導入するには、例えば、(A)成分と
有機過酸化物と、さらに必要に応じて、架橋助剤とを、
ドライブレンドしたのち、加圧ニーダーを用い、120
〜230℃で溶融混練するか、2軸押出機で連続的に溶
融混練する方法などが挙げられる。
【0010】次に、本発明に用いられる(B)エチレン
系樹脂としては、エチレン単独重合体、エチレン・α−
オレフィン共重合体が挙げられ、例えば、直鎖状低密度
ポリエチレン(ULDPE、VLDPE、LLDP
E)、中密度ポリエチレン(MLDPE)、高密度ポリ
エチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDP
E)などが挙げられ、これらを単独または二種以上を混
合しても良い。
【0011】本発明に用いられる(B)エチレン系樹脂
は、成形性の面から、JIS K7210−76、条件
4、荷重2.16Kg、190℃で測定したメルトフロ
ーレート(MFR)が、3.5〜500g/10分であ
ることが好ましい。さらに好ましくは、JIS K67
60−81に基づき、JIS K7112−80で測定
した密度が0.865〜0.945g/cm3 、かつ、
JIS K7210−76、条件4、荷重2.16K
g、190℃で測定したメルトフローレート(MFR)
が10〜500g/10分であることが好ましい。密度
が0.865〜0.945g/cm3 の場合、得られる
熱可塑性エラストマー組成物が耐熱性に優れる。また、
MFRが3.5g/10分以上である場合、得られる熱
可塑性エラストマー組成物の成形流動性が良好であり、
また、500g/10分以下である場合、充分な引張強
度が得られる。
【0012】次に、本発明に用いられる(C)スチレン
系熱可塑性エラストマーは、一般には、スチレン系ブロ
ック共重合体および/またはスチレン系ランダム共重合
体である。このうち、スチレン系ブロック共重合体とし
ては、例えば、以下に示すハードセグメントおよびソフ
トセグメントよりなるブロック共重合体である。すなわ
ち、分子末端の少なくとも1つの末端がスチレンまたは
その誘導体の重合体ブロック部(ハードセグメント)か
らなり、該ハードセグメントに挟まれた中間部分は、該
ハードセグメントに連続した部分がイソプレン重合体ブ
ロック、ブタジエン重合体ブロックおよびイソプレン・
ブタジエン共重合体部ブロックから選ばれる少なくとも
一つの重合体ブロック部(ソフトセグメント)からなる
ブロック共重合体である。ここで、ソフトセグメントの
不飽和結合は、耐候性、耐熱性を向上させるため、水素
添加されたスチレン系熱可塑性エラストマーが好まし
い。また、スチレン系ランダム共重合体としては、スチ
レンとブタジエンないしはイソプレンのランダム共重合
体の水素添加物である。
【0013】水素添加されたスチレン系熱可塑性エラス
トマーとしては、商品名「クレイトン G」(シェルジ
ャパン社製、SEBS)、商品名「タフテック H」
〔旭化成(株)製、SEBS〕、商品名「セプトン」
〔クラレ(株)製、SEPS〕、商品名「ハイブラー」
〔クラレ(株)製〕、「ダイナロン」〔ジェイエスアー
ル(株)製、HSBR、SEBC〕などが挙げられる。
【0014】本発明に用いられる(C)スチレン系熱可
塑性エラストマーは、上記の水素添加されたスチレン系
熱可塑性エラストマーを、単独、あるいは、組み合わせ
て使用することができる。さらに、熱可塑性エラストマ
ーの耐熱性を損なわない範囲において、上記の水素添加
されたスチレン系熱可塑性エラストマーに他のスチレン
系熱可塑性エラストマーを組み合わせて使用することが
できる。
【0015】また、本発明に用いられる(C)スチレン
系熱可塑性エラストマーとしては、得られる熱可塑性エ
ラストマー組成物が、よりシボ転写性および機械強度に
優れることから、JIS K7210−76、条件1
4、荷重2.16Kg、温度230℃で測定したメルト
フローレート(MFR)が1〜150g/10分である
ことが好ましい。
【0016】次に、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物には、耐熱性を上げるため、さらに、(D)ポリプロ
ピレン系樹脂を添加することが好ましい。本発明に用い
られる(D)ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン含有
量が90モル%以上の結晶性ポリプロピレン系重合体で
あり、特に耐熱性の優れた熱可塑性エラストマー組成物
が得られることから、走査型示差熱量計による融点が1
45℃以上である結晶性ポリプロピレン樹脂が好まし
い。また、本発明に用いられる(D)ポリプロピレン系
樹脂としては、得られる熱可塑性エラストマー組成物が
シボ転写性および機械強度に優れることから、JIS
K7210−76、条件14、荷重2.16kg、温度
230℃で測定したメルトフローレート(MFR)が2
0〜100g/10分であることが好ましい。230℃
のMFRが20g/10分未満であると、シボ転写性が
劣り、一方、100g/10分を超えると、材料強度が
低下する。
【0017】本発明の熱可塑性エラストマー組成物にお
ける(A)エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合
体および/またはエチレン・酢酸ビニル共重合体の配合
量は、(A)〜(C)成分中に、20〜77重量%、好
ましくは、25〜75重量%である。(A)成分の配合
量が20重量%未満では、耐熱性が劣り、一方、77重
量%を超えると、溶融性が低下する。また、(B)エチ
レン系樹脂の配合量は、(A)〜(C)成分中に、15
〜77重量%、好ましくは、20〜75重量%である。
(B)の配合量が15重量%未満の場合、得られる熱可
塑性エラストマー組成物の流動性が低下する。一方、7
7重量%を超える場合、得られる熱可塑性エラストマー
組成物の機械物性が低下する。さらに、(C)スチレン
系熱可塑性エラストマーの配合量は、熱可塑性エラスト
マー組成物の相溶性、柔軟性を向上させるため、(A)
〜(C)成分中に、3〜40重量%、好ましくは、5〜
35重量%である。すなわち、(C)スチレン系熱可塑
性エラストマーの配合量は、得られる熱可塑性エラスト
マー組成物の柔軟性の点より3重量%以上である。ま
た、得られる熱可塑性エラストマー組成物の流動性よ
り、40重量%以下である。
【0018】さらに、(D)ポリプロピレン系樹脂を添
加する場合の配合量は、(A)〜(C)成分の合計10
0重量部に対して、3〜25重量部、好ましくは、5〜
20重量部である。すなわち、(D)ポリプロピレン系
樹脂の配合量は、耐熱性の点より3重量部以上、柔軟性
の点より25重量部以下であることが好ましい。
【0019】本発明の熱可塑性エラストマー組成物を製
造する際の製造方法としては、本発明の熱可塑性エラス
トマー組成物を製造することが可能であればいかなる方
法を用いてもよい。例えば、(A)エチレン・不飽和カ
ルボン酸エステル共重合体および/またはエチレン・酢
酸ビニル共重合体、(B)エチレン系樹脂、(C)スチ
レン系熱可塑性エラストマー、さらに必要に応じて、
(D)ポリプロピレン系樹脂を、ヘンシェルミキサー、
タンブラー型ブレンダー、V型ブレンダーなどの混合機
でドライブレンドしたのち、該混合物をバンバリーミキ
サー、押出機、ニーダー、ミキサーなどの混練機に連続
または非連続に供給し、加熱溶融混練する方法を挙げる
ことができる。
【0020】また、(A)成分を予め架橋させる場合
は、例えば、(A)エチレン・不飽和カルボン酸エステ
ル共重合体および/またはエチレン・酢酸ビニル共重合
体と有機過酸化物をヘンシェルミキサー、タンブラー型
ブレンダー、V型ブレンダーなどの混合機でドライブレ
ンドしたのち、該混合物をバンバリーミキサー、押出
機、ニーダー、ミキサーなどの混練機に連続または非連
続に供給し、加熱溶融混練し架橋されたペレットを得
る。その後、架橋された(A)エチレン・不飽和カルボ
ン酸エステル共重合体および/またはエチレン・酢酸ビ
ニル共重合体に、(B)エチレン系樹脂、(C)スチレ
ン系熱可塑性エラストマー、さらに必要に応じて、
(D)ポリプロピレン系樹脂を、ヘンシェルミキサー、
タンブラー型ブレンダー、V型ブレンダーなどの混合機
でドライブレンドしたのち、該混合物をバンバリーミキ
サー、押出機、ニーダー、ミキサーなどの混練機に連続
または非連続に供給し、加熱溶融混練する方法を挙げる
ことができる。
【0021】また、二軸押出機の前部で、(A)エチレ
ン・不飽和カルボン酸エステル共重合体および/または
エチレン・酢酸ビニル共重合体と有機過酸化物を動的架
橋し、サイドフィーダーを用いて他の樹脂を投入し、加
熱溶融混練する方法を用いても良い。さらに、成形時に
架橋マスターバッチで架橋させる方法、すなわち、
(A)〜(C)成分、これらとさらに必要に応じて
(D)成分を加えた混合組成物パウダーに、予め(A)
成分に架橋剤を添加したマスターバッチパウダーをブレ
ンドして、成形時に架橋させる方法などが挙げられる。
【0022】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
平均粒径が50〜500μmのパウダーとすることが好
ましく、さらに好ましくは、60〜450μmである。
このようなパウダーは、上記で得られた組成物をターボ
ミル、ピンミル、ハンマーミルなどの粉砕機を用いて微
粉砕し得ることができる。このとき、通常では常温粉砕
であるが、冷媒や冷却設備を使用して−60℃以下の温
度に冷却して機械粉砕することができる。平均粒径50
〜500μmのパウダーとすることにより、パウダー流
動性が良く、ピンホールが無く、表面の平滑な成形品が
得られる。50μm未満では、パウダーの流動性が悪
く、成形品の表面外観が劣り、一方、500μmを超え
ると、成形溶融性が劣り、ピンホールの発生が生じる。
【0023】次に、本発明の表皮材は、本発明の熱可塑
性エラストマー組成物を、例えば、圧縮成形、ロール成
形、押出成形、射出成形などの各種成形加工法に供する
か、上記組成物を粉砕して得られたパウダーを、パウダ
ースラッシュ成形に供することにより得られる。そし
て、本発明の表皮材としては、優れた機械特性、耐熱
性、シボ転写性の表皮材を得られることからパウダース
ラッシュ成形により得られたものであることが好まし
い。
【0024】ここで、パウダースラッシュ成形とは、例
えば、熱可塑性エラストマー組成物パウダーを、一軸回
転ハンドルの付いた一軸回転パウダースラッシュ成形装
置に取り付けたステンレス製角形容器に投入し、次い
で、この容器の上部に、予め180〜300℃、好まし
くは、200〜280℃に加熱した、所定形状の電鋳金
型を取り付け、一軸回転ハンドルを回転させて、上記容
器と電鋳金型を同時に左右に数回、回転を繰り返し、そ
の後、電鋳金型を木ハンマーなどで数回たたき、過剰の
パウダーを払い落し、次いで、容器から電鋳金型を外
し、250〜450℃、好ましくは、300〜430℃
の加熱炉中で5〜60秒、好ましくは、10〜30秒、
加熱溶融したのち、水冷し、金型より成形品を取り出す
成形方法である。
【0025】本発明の熱可塑性エラストマー組成物、該
組成物パウダー、およびそれらよりなる表皮材は、自動
車内装材であるインストルメントパネル、天井、ドア、
座席シート、ピラー、ステアリングホイール、取っ手な
ど、家具、雑貨、家屋の内張りなどの表皮材として有用
である。
【0026】
【実施例】以下、本発明について実施例により説明する
が、これら実施例に限定されるものではない。実施例お
よび比較例により得られた熱可塑性エラストマー組成物
は、以下の方法により混練し、得られたペレットをパウ
ダー化し、パウダースラッシュ成形性、成形シート物性
(耐熱試験)を評価した。また、エチレン・不飽和カル
ボン酸エステル共重合体およびエチレン・酢酸ビニル共
重合体の架橋されたゲル分は、他樹脂と混合する前に、
そのゲル分率の測定を行った。
【0027】熱可塑性エラストマーの造粒 各成分を所定量添加してドライブレンドしたのち、加圧
ニーダー(森山製作所製、DS3−7.5MHH−E
型)で混練し、ロールでシート化後、ペレット化を行っ
た。ゲル分率測定 架橋した樹脂(共重合体)5mg(W1とする)を試料
瓶に入れて、その中にキシレン50mlを加えアルミブ
ロックバスを用いて120℃にて12時間抽出を行い、
その後、ステンレス金網でろ過して金網上の未溶解分を
105℃にて5時間乾燥して秤量し(W2とする)、次
式に従い求めた。 ゲル分率=(W2 /W1 )×100
【0028】パウダー化 上記で得られたペレットをターボミル(ターボ工業社
製、装置名:ターボミルT−400型)を用いて機械粉
砕を行い、熱可塑性エラストマー組成物のパウダーを得
た。このパウダーは、タイラー標準篩の32メッシュ篩
を99重量%通過した。パウダーの平均粒径 得られたパウダー100gを、以下に示す5つの呼び寸
法(X1〜X5)のJIS Z8801の標準ふるい
(枠の径200mm、深さ45mm)を使用し、ハンマ
ー付きふるい振とう機(飯田製作所製)で15分間、振
とうしたのち、各ふるいに残存しているパウダーの重量
(Y1〜Y5)を測定し、下記式(1)より平均粒径を
求めた。 平均粒径=(Y1×X1+Y2×X2+Y3×X3+Y4×X4+Y5×X5 )/(Y1+Y2+Y3+Y4+Y5)・・・(1) ここで、X1〜X5は、次のとおりである。 500μm(X1);タイラー標準32メッシュ 250μm(X2);タイラー標準60メッシュ 180μm(X3);タイラー標準80メッシュ 106μm(X4);タイラー標準150メッシュ 75μm(X5);タイラー標準200メッシュ また、Y1〜Y5は、ぞれぞれ、X1〜X5に対応する
残存パウダー重量である。
【0029】パウダースラッシュ成形性 熱可塑性エラストマー組成物パウダーを、一軸回転ハン
ドル10の付いた一軸回転パウダースラッシュ成形装置
に取り付けた300mm×300mm、深さ200mm
のステンレス製角形容器(以下「パウダー供給ボック
ス」という)20に2Kg投入した。次いで、このパウ
ダー供給ボックス20の上部に、予め230℃に加熱し
た、アンダーカット部を有する階段形状のシボ付きニッ
ケル電鋳金型30をクランプで取り付け(図4参照)、
回転軸11に軸支された一軸回転ハンドル10を回転さ
せて、パウダー供給ボックス20とシボ付きニッケル電
鋳金型30を同時に左右に各5回転づつ回転を繰り返し
た。その後、シボ付きニッケル電鋳金型30を木ハンマ
ーで2〜3回たたき、過剰のパウダー40を払い落とし
た。パウダー供給ボックス20からシボ付きニッケル電
鋳金型30を外し、300℃の加熱炉中で30秒間加熱
溶融したのち、水冷し、金型より成形品50(図5参
照)を取り出した。そして、脱離して得られた成形品の
性状より、熱可塑性エラストマー組成物パウダーのパウ
ダースラッシュ成形性の評価を行った。パウダースラッ
シュ成形性の評価基準を、以下に示す。 ○:成形品にピンホールがない。 △:成形品に多少ピンホールがある。 ×:成形品にピンホールが目立つおよび内面の平滑不
良。 なお、図1はパウダー供給ボックスの平面図、図2はそ
の側面図、図3はその正面図である。また、図4は、熱
可塑性エラストマー組成物パウダーの入ったパウダー供
給ボックスとスラッシュ成形用のシボ付きニッケル電鋳
金型の断面構成図、図5はスラッシュ成形品の断面図で
ある。
【0030】耐熱性試験 上記で得られた成形品から、50mm×50mm角のサ
ンプルを取り出して、そのサンプルにガーゼを三層にし
40mmφ×500gの荷重を掛けたのち、115℃の
オーブンに入れ、24時間放置後、サンプルを取り出
し、サンプル表面の傷つき度合いの評価を行った。耐熱
性の評価基準を以下に示す。 ○:成形品表面にガーゼの痕がない。 △:成形品表面に多少ガーゼの痕が付く。 ×:成形品表面にガーゼの痕がはっきりと付く。
【0031】柔軟性 上記で得られた成形品から、50mm×50mm角のサ
ンプルを取り出して、そのサンプルを180度に折り曲
げ、成形品の折り曲げ部分の白化の有無を目視で観察し
た。柔軟性の評価基準を以下に示す。 ○:成形品の折り曲げ部に白化痕無し。 ×:成形品の折り曲げ部に白化痕有り。
【0032】使用した試料 (A)成分; A1;エチレン・エチルアクリル酸共重合体(EEA)
〔日本石油化学(株)製、商品名「ジェイレックスA6
200」、190℃のMFR=22g/10分〕 A2;エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)〔東ソ
ー(株)製、商品名「ウルトラセン633」、190℃
のMFR=20g/10分〕 (B)エチレン系樹脂 B;エチレン・1−ブテン共重合体〔東ソー(株)製、
商品名「ニポロン−LM75」、密度0.920g/c
3 、190℃のMFR=50g/10分〕 (C)スチレン系熱可塑性エラストマー C;水素添加スチレン・ブタジエンブロック共重合体
(SEBS)〔旭化成(株)製、商品名「タフテックH
1031」、230℃のMFR=150g/10分〕 (D)ポリプロピレン系樹脂 D;結晶性ポリプロピレン〔チッソ(株)製、商品名
「K7750」、230℃のMFR=50g/10分〕 有機過酸化物;日本油脂(株)製、商品名「パーヘキシ
ン25B−40」
【0033】実施例1 エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体(試料A
1)65重量%、エチレン系樹脂(試料B)25重量
%、スチレン系熱可塑性エラストマー(試料C)10重
量%をドライブレンドしたのち、加圧ニーダー(森山製
作所製、装置名・DS3−7.5MHH−E・)で混練
し、ロールでシート化後、ペレットを得た。このペレッ
トを、ターボ工業社製、装置名・ターボミルT−400
型・粉砕機に液体窒素をペレットと同時に入れ冷凍粉砕
を行った。このものは、32メッシュ篩いを100重量
%通過した。このパウダーの平均粒径は、170μmで
あった。また、熱可塑性エラストマー組成物パウダーの
パウダースラッシュ成形性を評価したところ、得られた
成形品は、成形品重量は260g、厚み1.1mmのピ
ンホールの無いシボ模様がはっきりし、定常部51およ
びアンダーカット部52(図5参照)まで充分に再現さ
れた肉厚の均一性に優れた製品であった。その結果を表
1に示す。また、耐熱性については、ガーゼ痕が付き耐
熱不足であった。さらに、柔軟性の評価では、折り曲げ
部に白化現象が無く、良好であった。
【0034】実施例2 エチレン・酢酸ビニル共重合体(試料A2)65重量
%、エチレン系樹脂(試料B)25重量%、スチレン系
熱可塑性エラストマー(試料C)10重量%からなる熱
可塑性エラストマー組成物を用いた以外は、実施例1と
同様の方法により熱可塑性エラストマー組成物パウダー
を得た。このものは、32メッシュ篩いを100重量%
通過した。このパウダーの平均粒径は、158μmであ
った。また、得られた熱可塑性エラストマー組成物パウ
ダーを、実施例1と同様の方法により評価しその結果を
表1に示す。得られた該熱可塑性エラストマー組成物パ
ウダーより得られたパウダースラッシュ成形品は、成形
品重量は260g、厚み1.1mmのピンホールの無い
シボ模様がはっきりし、定常部51およびアンダーカッ
ト部52(図5参照)まで充分に再現された肉厚の均一
性に優れた製品であった。その結果を表1に示す。ま
た、耐熱性については、ガーゼ痕付き耐熱不足であっ
た。さらに、柔軟性の評価では、折り曲げ部に白化現象
が無く、良好であった。
【0035】実施例3 エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体(試料A
1)100重量部に、有機過酸化物として、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3〔日本油脂(株)製 商品名パーヘキシン25B−
40〕3.5重量部を配合し、ドライブレンドしたの
ち、加圧ニーダー(森山製作所製、装置名・DS3−
7.5MHH−E・)で混練し、ロールでシート化後、
ペレット化して、予め架橋されたEEAを得た。この架
橋されたEEAのゲル分率は、88%であった。この予
め架橋されたEEA65重量%、エチレン系樹脂(試料
B2)25重量%、スチレン系熱可塑性エラストマー
(試料C)10重量%をドライブレンドしたのち、加圧
ニーダー(森山製作所製、装置名・DS3−7.5MH
H−E・)で混練し、ロールでシート化後、ペレットを
得た。そのペレットを、ターボ工業社製、装置名・ター
ボミルT−400型・粉砕機に液体窒素をペレットと同
時に入れ冷凍粉砕を行った。このものは、32メッシュ
篩いを100重量%通過した。このパウダーの平均粒径
は、167μmであった。また、熱可塑性エラストマー
組成物パウダーのパウダースラッシュ成形性を評価した
ところ、得られた成形品は、成形品重量は260g、厚
み1.1mmのピンホールの無いシボ模様がはっきり
し、定常部51およびアンダーカット部52(図5参
照)まで充分に再現された肉厚の均一性に優れた製品で
あった。その結果を表1に示す。また、耐熱性について
も、ガーゼ痕が無く問題なかった。さらに、柔軟性の評
価では、折り曲げ部に白化現象が無く、良好であった。
【0036】実施例4 エチレン・酢酸ビニル共重合体(試料A2)100重量
部に有機過酸化物として、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(日本油脂株
式会社製、商品名パーヘキシン25B−40)3.5重
量部を配合し、ドライブレンドしたのち、加圧ニーダー
(森山製作所製、装置名・DS3−7.5MHH−E
・)で混練し、ロールでシート化後、ペレット化して、
予め架橋されたEVAを得た。この架橋されたEVAの
ゲル分率は、89%であった。この予め架橋されたEV
A65重量%、エチレン系樹脂(試料B)25重量%、
スチレン系熱可塑性エラストマー(試料C)10重量%
をドライブレンドしたのち、加圧ニーダー(森山製作所
製、装置名・DS3−7.5MHH−E・)で混練し、
ロールでシート化後、ペレットを得た。そのペレットを
ターボ工業社製、装置名・ターボミルT−400型・粉
砕機に液体窒素をペレットと同時に入れ冷凍粉砕を行っ
た。このものは、32メッシュ篩いを100重量%通過
した。このパウダーの平均粒径は、172μmであっ
た。また、熱可塑性エラストマー組成物パウダーのパウ
ダースラッシュ成形性を評価したところ、得られた成形
品は、成形品重量は260g、厚み1.1mmのピンホ
ールの無いシボ模様がはっきりし、定常部51およびア
ンダーカット部52(図5参照)まで充分に再現された
肉厚の均一性に優れた製品であった。その結果を表1に
示す。また、耐熱性についても、ガーゼ痕が無く問題な
かった。さらに、柔軟性の評価では、折り曲げ部に白化
現象が無く、良好であった。
【0037】実施例5 エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体(試料A
1)28重量%、エチレン系樹脂(試料B)61重量
%、スチレン系熱可塑性エラストマー(試料C)11重
量%からなる熱可塑性エラストマー組成物100重量部
に対し、ポリプロピレン系樹脂(試料D)10重量部を
配合した熱可塑性エラストマー組成物を用いた以外は、
実施例1と同様の方法により熱可塑性エラストマー組成
物パウダーを得た。このパウダーの平均粒径は、210
μmであった。また、得られた熱可塑性エラストマー組
成物パウダーを実施例1と同様の方法により評価し、そ
の結果を表1に示す。得られた熱可塑性エラストマー組
成物は、常温粉砕性が良好であり、該熱可塑性エラスト
マー組成物パウダーより得られたパウダースラッシュ成
形品は、成形品重量は260g、厚み1.1mmのピン
ホールの無いシボ模様がはっきりし、定常部51および
アンダーカット部52(図5参照)まで充分に再現され
た肉厚の均一性に優れた製品であった。また、耐熱性に
ついても、ガーゼ痕が無く問題なかった。さらに、柔軟
性の評価では、折り曲げ部に白化現象が無く、良好であ
った。
【0038】比較例1 エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体(試料A
1)85重量%、エチレン系樹脂(試料B)10重量
%、スチレン系熱可塑性エラストマー(試料C)5重量
%からなる熱可塑性エラストマー組成物を用いた以外
は、実施例1と同様の方法により熱可塑性エラストマー
組成物パウダーを得た。このパウダーの平均粒径は、2
03μmであった。得られた熱可塑性エラストマー組成
物パウダーを、実施例1と同様の方法により評価し、そ
の結果を表1に示す。パウダースラッシュ成形品は、成
形品重量240g、厚み1.0mmでピンホールと未溶
融パウダーがあり、シボ模様がはっきりせず細部まで充
分に再現されない製品であった。また、耐熱性について
は、ガーゼ痕が無く問題なかった。さらに、柔軟性の評
価では、折り曲げ部に白化現象が無く、良好であった。
【0039】比較例2 エチレン・酢酸ビニル共重合体(試料A2)15重量
%、エチレン系樹脂(試料B)20重量%、スチレン系
熱可塑性エラストマー(試料C)65重量%からなる熱
可塑性エラストマー組成物を用いた以外は、実施例1と
同様の方法により熱可塑性エラストマー組成物パウダー
を得た。このパウダーの平均粒径は、215μmであっ
た。また、得られた熱可塑性エラストマー組成物パウダ
ーを、実施例1と同様の方法により評価し、その結果を
表1に示す。パウダースラッシュ成形品は、成形品重量
240g、厚み1.0mmでピンホールと未溶融パウダ
ーがあり、シボ模様がはっきりせず、定常部51および
アンダーカット部52(図5参照)まで充分に再現され
ない製品であった。耐熱性についても、ガーゼ痕が付き
耐熱不足であった。さらに、柔軟性の評価では、折り曲
げ部に白化現象が無く、良好であった。
【0040】比較例3 エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体(試料A
1)5重量%、エチレン系樹脂(試料B)90重量%、
スチレン系熱可塑性エラストマー(試料C)5重量%と
した以外は、実施例1と同様の方法により熱可塑性エラ
ストマー組成物パウダーを得た。このパウダーの平均粒
径は、152μmであった。また、得られた熱可塑性エ
ラストマー組成物パウダーを、実施例1と同様の方法に
より評価し、その結果を表1に示す。パウダースラッシ
ュ成形品は、成形品重量は260g、厚み1.1mmの
ピンホールの無いシボ模様がはっきりし、定常部51お
よびアンダーカット部52(図5参照)まで充分に再現
された肉厚の均一性に優れた製品であった。また、耐熱
性については、ガーゼ痕が付き耐熱不足であった。さら
に、柔軟性の評価では、折り曲げ部に白化現象が有り、
柔軟性不足であった。
【0041】比較例4 エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体(試料A
1)50重量%、およびエチレン系樹脂(試料B)50
重量%を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、
熱可塑性エラストマー組成物パウダーを得た。このパウ
ダーの平均粒径は、158μmであった。また、得られ
たパウダーを、実施例1と同様の方法により評価した。
その結果を表1に示す。パウダースラッシュ成形品は、
成形品重量が262g、厚み1.1mmのピンホールの
無いシボ模様がはっきりし、定常部51およびアンダー
カット部52(図5参照)まで充分に再現された肉厚の
均一性に優れた製品であった。しかし、耐熱性について
は、ガーゼ痕が付き耐熱不足であった。また、柔軟性に
ついても、折り曲げ部に白化痕が有り、柔軟性に不足し
ていた。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、耐熱性、流動性に優れ、該熱可塑性エラストマー組
成物より得られたパウダーは、スラッシュ成形を行った
際の表皮材成形時にシボ模様転写性に優れ、複雑な形状
(窪み、アンダーカットなど)を有する物においても、
偏肉、ピンホールなどが生じなく成形性に優れるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例で用いたパウダー供給ボッ
クスの平面図である。
【図2】実施例および比較例で用いたパウダー供給ボッ
クスの側面図である。
【図3】実施例および比較例で用いたパウダー供給ボッ
クスの正面図である。
【図4】アンダーカット部のピンホールの発生を評価す
る実施例および比較例で用いた、熱可塑性エラストマー
組成物パウダーの入ったパウダー供給ボックスとパウダ
ースラッシュ成形用のシボ付きニッケル電鋳金型の断面
構成図である。
【図5】アンダーカット部のピンホールの発生を評価す
る実施例および比較例で用いたパウダースラッシュ成形
品の断面図である。
【符号の説明】
10 一軸回転ハンドル 11 回転軸 20 パウダー供給ボックス 30 シボ付きニッケル電鋳金型 40 熱可塑性エラストマー組成物パウダー 50 パウダースラッシュ成形品 51 パウダースラッシュ成形品の定常部 52 パウダースラッシュ成形品のアンダーカット部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月4日(1999.2.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】従来、インストルメントパネルなどの自
動車内装材は、主にポリオレフィン系樹脂発泡体層に、
ポリ塩化ビニル樹脂シート、熱可塑性エラストマーシー
ト、トリコットなどの布帛などの表皮材を積層あるいは
一体成形し、さらに、該複合化表皮層に骨材を貼り合わ
せたものが使用されている。これらの表皮材のうちで、
ポリ塩化ビニル樹脂は、従来、表面硬度や柔軟性に優れ
るため幅広く使用されている。しかし、ポリ塩化ビニル
樹脂は、焼却するとダイオキシンなどの有害物質が発生
するといわれており、環境汚染問題がある。そのため、
近年、ポリ塩化ビニル樹脂の代替として、熱可塑性エラ
ストマーのシート成形物の開発がなされて来た。同時
に、ポリ塩化ビニル樹脂の表皮材成形に常用される、パ
ウダーを該パウダーの溶融温度よりも高温に加熱された
金型表面に付着溶融させて成形するパウダーラッシュ
成形が可能で、かつ、リサイクルおよび焼却可能なポリ
オレフィン系樹脂パウダーの開発も進められて来た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】上記有機過酸化物は、(A)成分に架橋構
造を導入させ、耐熱性を付与する目的で使用されるもの
である。架橋の際に用いる有機酸化物としては、一般
的にジアシルパーオキサイド、パーオキシケタール、パ
ーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド、ハイド
ロパーオキサイドなどに分類される化合物が挙げられ
る。上記有機酸化物は、単独、もしくは二種以上を混
合しても良い。有機過酸化物の使用量は、通常、(A)
成分100重量部に対し、0.1〜7重量部、好ましく
は、0.5〜5重量部である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】また、本発明では、架橋を促進させる目的
から、上記有機酸化物に架橋助剤として、例えば、ト
リアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,2−
ポリブタジエン、ジビニルベンゼンなどの多官能性モノ
マーを用いても良い。架橋助剤の使用量は、(A)成分
100重量部に対し、通常、0.03〜5重量部、好ま
しくは、0.05〜4重量部である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】実施例1 エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体(試料A
1)65重量%、エチレン系樹脂(試料B)25重量
%、スチレン系熱可塑性エラストマー(試料C)10重
量%をドライブレンドしたのち、加圧ニーダー(森山製
作所製、装置名・DS3−7.5MHH−E)で混練
し、ロールでシート化後、ペレットを得た。このペレッ
トを、ターボ工業(株)製、装置名・ターボミルT−4
00型・粉砕機に液体窒素をペレットと同時に入れ冷凍
粉砕を行った。このものは、32メッシュ篩いを100
重量%通過した。このパウダーの平均粒径は、170μ
mであった。また、熱可塑性エラストマー組成物パウダ
ーのパウダースラッシュ成形性を評価したところ、得ら
れた成形品は、成形品重量は260g、厚み1.1mm
のピンホールの無いシボ模様がはっきりし、定常部51
およびアンダーカット部52(図5参照)まで充分に再
現された肉厚の均一性に優れた製品であった。その結果
を表1に示す。また、耐熱性については、ガーゼ痕が付
き耐熱不足であった。さらに、柔軟性の評価では、折り
曲げ部に白化現象が無く、良好であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 53/02 C08L 53/02 Fターム(参考) 4F205 AA04E AA11 AA13 AA18E AA21E AA45B AB19 AC04 AE10 AH26 GA13 GB01 GC04 GE03 GE24 GF01 GF02 GF47 GN01 GN13 4J002 BB03X BB05X BB06W BB07W BB08W BB09W BB124 BC053 BP013 GN00 HA09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレン・不飽和カルボン酸エス
    テル共重合体および/またはエチレン・酢酸ビニル共重
    合体20〜77重量%、(B)エチレン系樹脂15〜7
    7重量%、(C)スチレン系熱可塑性エラストマー3〜
    40重量%〔ただし、(A)+(B)+(C)=100
    重量%〕を主成分とする熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の熱可塑性エラストマー
    組成物100重量部に対し、(D)ポリプロピレン系樹
    脂3〜25重量部を添加した熱可塑性エラストマー組成
    物。
  3. 【請求項3】 (A)エチレン・不飽和カルボン酸エス
    テル共重合体および/またはエチレン・酢酸ビニル共重
    合体が有機過酸化物で架橋された架橋体であって、該架
    橋体のゲル分率が50〜98%である請求項1または2
    記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の熱可
    塑性エラストマー組成物よりなり、平均粒径50〜50
    0μmを有する熱可塑性エラストマー組成物パウダー。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱
    可塑性エラストマー組成物を成形してなることを特徴と
    する表皮材。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の熱可塑性エラストマー
    組成物パウダーをパウダースラッシュ成形に供すること
    より成形してなることを特徴とする表皮材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004101672A1 (ja) * 2003-05-16 2004-11-25 Nitto Boseki Co., Ltd. 樹脂系内装材
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